JPH10259309A - 釘耐力付与のための樹脂組成物、シート状成形体および板状成形体 - Google Patents

釘耐力付与のための樹脂組成物、シート状成形体および板状成形体

Info

Publication number
JPH10259309A
JPH10259309A JP8457197A JP8457197A JPH10259309A JP H10259309 A JPH10259309 A JP H10259309A JP 8457197 A JP8457197 A JP 8457197A JP 8457197 A JP8457197 A JP 8457197A JP H10259309 A JPH10259309 A JP H10259309A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic polymer
resin composition
plate
latex
thermosetting resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8457197A
Other languages
English (en)
Inventor
Kichiya Matsuno
吉弥 松野
Kenji Sato
健司 佐藤
Tetsuya Nishimura
哲也 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP8457197A priority Critical patent/JPH10259309A/ja
Publication of JPH10259309A publication Critical patent/JPH10259309A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 釘耐力性能を向上させる。 【解決手段】 未硬化の熱硬化性樹脂中にラテックスな
どの弾性高分子溶液を分散させた樹脂組成物をガラス繊
維などの繊維質基材に含浸、シート状に成形して硬化さ
せて釘の保持層とする。また、このようなシート状の保
持層を石膏ボードに貼付する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、建築材料に関す
るものであって、釘耐力を付与するための樹脂組成物、
この組成物を使用した補強用のシート状成形体、ならび
にシート状成形体を貼付した板状成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、家屋の壁面は、耐火性、コスト、
耐力の観点から、石膏ボードが使用されている。また、
吸音性を付与するために特開平6−182917号のよ
うな鉱物質繊維板に合成樹脂発泡体を積層した建築用繊
維板が提案されている。さらに、特開平7−32923
6号には、石膏板のもろさを補強するために石膏板の表
面に繊維を配合した熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂
板から成る補強層を積層した石膏板が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの石
膏ボードや建築用繊維板は、釘を打ちつけても釘耐力が
なく、釘が保持されずに抜けてしまうという問題が見ら
れた。本願発明は、このような石膏ボードや建築用繊維
板の釘耐力を確保することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記目的の
実現に向け鋭意研究した結果、釘耐力が得られない理由
を次のように推定した。 石膏ボードに釘を打ちつけても釘を起点としたクラッ
クが発生して、釘耐力が得られない。 熱硬化性樹脂のみを補強層としても靱性がなく、クラ
ックが発生して釘を保持できない。また、熱可塑性樹脂
のみを補強層としても、クラックは発生しないが強度が
低すぎて、釘耐力がない。 繊維板は空隙が大きく、釘との接触面積が小さく、釘
を保持できない。
【0005】本願発明は、このような知見に基づくもの
であり、次の1〜9である。 1.熱硬化性樹脂および弾性高分子からなることを特徴
とする釘耐力付与のための樹脂組成物。 2.前記弾性高分子は、ゴム系ラテックス、アクリル系
ラテックス、アクリレート系ラテックス、ウレタン系ラ
テックスである1に記載の釘耐力付与のための樹脂組成
物。 3.前記弾性高分子は、エマルジョン溶液として未硬化
の熱硬化性樹脂中に分散してなる1に記載の釘耐力付与
のための樹脂組成物。 4.熱硬化性樹脂と弾性高分子の固形分の重量比は、9
5/5〜65/35である請求項1に記載の釘耐力付与
のための樹脂組成物。 5.多孔質基材中又は繊維質基材中に熱硬化性樹脂およ
び弾性高分子からなる樹脂組成物が含浸、硬化されてな
ることを特徴とするシート状成形体。 6.前記多孔質基材は、多孔質セラミック、ウレタンフ
ォームである5に記載のシート状成形体。 7.前記繊維質基材は、ガラス繊維、ロックウール、セ
ラミックファイバー、紙、木材である5に記載のシート
状成形体。 8.多孔質基材又は繊維質基材に熱硬化性樹脂および弾
性高分子からなる樹脂組成物が含浸、硬化されてなるシ
ート状成形体を、芯材の少なくとも片面に積層してなる
ことを特徴とする板状成形体。 9.前記無機質芯材は、ケイ酸カルシウム板(以下、ケ
イカル板と略す)、石膏板、セメント板、パーライト
板、石綿セメント板、軽量発泡コンクリート板、パーテ
ィクルボード、中質繊維板、OSB(Oriented Strand
Board )、合板である8に記載の板状成形体。
【0006】本願発明では、熱硬化性樹脂および弾性高
分子からなる釘耐力付与のための樹脂組成物である。即
ち、未硬化の熱硬化性樹脂液中に弾性高分子のエマルジ
ョンが分散したものである。このような樹脂が硬化する
ことにより、熱硬化性樹脂マトリックスの”海”の中に
弾性高分子の”島”が分散した構成になり、樹脂の強度
を確保し、また靱性を付与できる。このため、釘を打ち
つけても釘を起点としてクラックは発生しない。また、
弾性高分子が釘表面との摩擦力を確保して釘の保持力を
向上させることができる。
【0007】前記弾性高分子は、ゴム系ラテックス、ア
クリル系ラテックス、アクリレート系ラテックス、ウレ
タン系ラテックスであることが望ましい。これらは、未
硬化の熱硬化性樹脂液中に液状で分散させることができ
るからである。熱硬化性樹脂、弾性高分子とも液状であ
るため、多孔質基材や繊維質基材に含浸させやすい。前
記ゴム系ラテックスは、ニトリル−ブタジエンゴム(N
BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)がよい。
【0008】前記熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂、メ
ラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などがよ
い。
【0009】前記熱硬化性樹脂と弾性高分子の固形分の
重量比は、95/5〜65/35であることが望まし
い。この理由は、熱硬化性樹脂量が多すぎると靱性が低
下して、クラックが発生しやすくなり、釘の保持力が低
下し、逆に弾性高分子が多すぎると樹脂強度が低下し
て、釘の保持力が低下してしまう。このように、釘の保
持力は、熱硬化性樹脂と弾性高分子の固形分の重量比
が、95/5〜65/35が最適である。
【0010】本願発明の樹脂組成物は、多孔質基材、繊
維質基材などに塗布や含浸して加熱硬化させて使用す
る。
【0011】ついで本願発明の樹脂組成物を使用したシ
ート状成形体について説明する。本願発明のシート状成
形体は、多孔質基材又は繊維質基材に熱硬化性樹脂およ
び弾性高分子からなる樹脂組成物が含浸、硬化されてな
るものである。このため、多孔質基材又は繊維質基材が
補強材として機能し、樹脂組成物をそのまま硬化させた
場合よりも強度、靱性において優れる。また、シート状
成形体そのものが補強材として作用するため、石膏ボー
ド、ケイカル板などの補強を行うことができる。また、
石膏ボードやケイカル板等は、釘耐力がなく、釘を打ち
つけても抜けてしまうが、本願発明のシート状成形体を
貼りつけることにより、釘を保持することが可能とな
る。
【0012】さらに、本願発明のシート状成形体を貼り
付けることにより、従来釘を打ちつけることが不可能で
あったセメントあるいは金属製のボードにも釘を打ちつ
けることできる。また、木材のような従来釘を打ちつけ
ることが可能であった材料に本願発明のシート状成形体
を貼り付けることにより、釘耐力を向上させることがで
き、強固に釘を保持でき、また、耐火性、吸湿時の強度
を向上させることができる。
【0013】なお、本願発明のシート状成形体は、ボー
ド材料だけでなく、軽量発泡コンクリート、モルタルな
ど家屋の壁などに貼り付けて、釘保持層を形成できる。
本願発明において使用される多孔質基材は、石膏板、多
孔質セラミック、ウレタンフォームを使用することがで
きるが、特に石膏板が最適である。石膏板は、価格が安
く、最も汎用の材料であるが、釘耐力がなく、本願発明
を最も効果的に適用できるからである。
【0014】また、本願発明において使用される繊維質
基材は、ガラス繊維、ロックウール、セラミックファイ
バー、紙、木材を使用することができる。これらの繊維
質基材は、熱硬化性樹脂と弾性高分子からなる釘耐力付
与のための樹脂組成物を含浸させやすく、また繊維が補
強作用を有するために、樹脂の強度、靱性を確保でき、
釘耐力を向上させることができる。
【0015】このような成形シートの製造方法として
は、無機、有機バインダなどを含浸させた繊維質基材を
予め板状に成形し、ここに前述した釘耐力付与のための
樹脂組成物を含浸する方法や、繊維質基材に前述した釘
耐力付与のための樹脂組成物を含浸して加熱プレスし
て、熱硬化性樹脂を硬化せしめて成形する方法、あるい
はガラス繊維、ロックウール、セラミックファイバーを
使用する場合は、その繊維の表面にフェノール樹脂など
の熱硬化性樹脂をBステージでコーティングしておき、
加熱プレスする方法などがある。繊維表面に熱硬化性樹
脂をBステージでコーティングしておく方法では、含浸
した樹脂との密着性が向上し、また繊維同士を接着しや
すく、また樹脂の含浸率を改善できるため有利である。
【0016】このようなコーティングの方法としては、
ガラス繊維、ロックウール、セラミックファイバーの原
料溶融物をノズルから流出させて、ブローイング法ある
いは遠心法により、繊維化し、この繊維化と同時にフェ
ノール樹脂などの熱硬化性樹脂の溶液を吹きつけて集綿
するのである。さらに、ガラス繊維、ロックウール、セ
ラミックファイバーを使用する場合は、シランカップリ
ング剤をコーティングしておくとよい。
【0017】さらに本願発明の板状成形体について説明
する。本願発明の板状成形体は、多孔質基材又は繊維質
基材に熱硬化性樹脂および弾性高分子からなる樹脂組成
物が含浸、硬化されてなるシート状成形体を、無機質芯
材又は有機質芯材の少なくとも片面に積層してなること
を特徴とする板状成形体である。釘保持層および補強層
として作用するシート状成形体が無機質芯材に貼付され
ており、無機質芯材の持つもろさや釘耐力の不足を改善
することができる。また、木質材料を主体とした有機芯
材に積層することにより、吸湿時の強度および耐火性を
改善することができる。
【0018】前記無機質芯材は、ケイカル板、石膏板、
セメント板、石綿セメント板、パーライト板、軽量発泡
コンクリートであることが望ましい。ケイカル板、石膏
板は、安価で汎用の材料であるが、もろく、釘耐力がな
い。本願発明では、シート状成形体がケイカル板、石膏
板を補強し、また釘保持層となるため、従来困難であっ
た釘の保持を実現できる。また、無機質芯材としてセメ
ント板、石綿セメント板、パーライト板、軽量センメト
板を使用する場合、シート状成形体が釘保持層となり、
従来不可能であった釘の打ちつけを実現できる。
【0019】本願発明の板状成形体の製造方法として
は、硬化したシート状成形体をフェノール樹脂などの
接着剤を介して加熱プレスして貼付する方法、多孔質
基材中又は繊維質基材中に前述した釘耐力付与のための
樹脂組成物を含浸乾燥させてBステージとし、無機質芯
材に積層して加熱プレスし、熱硬化性樹脂を硬化せしめ
て一体成形する方法、多孔質基材中又は繊維質基材中
に前述した釘耐力付与のための樹脂組成物を含浸させ
て、そのまま無機質芯材に積層して加熱プレスし、熱硬
化性樹脂を硬化せしめて一体成形する方法がある。
【0020】本願発明の板状成形体は、その表面にメラ
ミン樹脂含浸パターン紙、もしくはメラミン樹脂含浸パ
ターン紙およびフェノール樹脂含浸コア紙からなる化粧
層、又は各種有機質、無機質の塗料による化粧層を有し
ていてもよい。また、化粧層の裏面にはそりを防止する
ために、メラミン樹脂含浸紙からなるバッカー層を有し
ていてもよい。以下、実施例に則して説明する。
【0021】
【実施例】 (実施例1) 樹脂組成物 市販のフェノール樹脂溶液と弾性高分子であるラテック
スのエマルジョン溶液(試験例1〜4、8、9ではNB
Rラテックス固形分重量41%、試験例5ではSBRラ
テックス固形分重量49%、試験例6ではアクリレート
系ラテックス固形分55%、試験例7ではウレタン系ラ
テックス固定分53%)を表1に示す割合にて常温で混
合して液状の釘耐力付与のための樹脂組成物1を得た。
【0022】なお、NBRラテックスは、日本ゼオン株
式会社製のNipol 1562、SBRラテックスは、日本ゼオ
ン株式会社製のNipol LX-436を使用した。この樹脂組成
物を、ガラス繊維からなる嵩比重0.5g/cm3 、厚
さ3mmの繊維質基材2に含浸して70〜100℃で乾
燥した後、ステンレス板3に挟み、ホットプレスを用い
て、150〜160℃の温度にて加熱しフェノール樹脂
を硬化させて本願発明のシート状成形体4を得た。この
ようにして得られた本発明のシート状成形体4につい
て、構造用パネルの日本農林規格に規定されている釘抜
き試験に準じて釘耐力性能を測定し、その結果を表1に
示した。
【0023】
【表1】
【0024】(比較例1)実施例と同様の方法にて比較
例の試験例1、2の樹脂組成物を用いたシート状成形体
を作成し、実施例と同様の方法にて釘耐力性能を測定
し、その結果を表2に示した。
【0025】
【表2】
【0026】表1、2から理解されるように、熱硬化性
樹脂のみでも本願発明の効果を奏することができず、ま
た弾性高分子のみでも本願発明の効果を奏することがで
きない。さらに、熱硬化性樹脂/弾性高分子=95/5
〜65/35の範囲で釘の引き抜き強度が高くなること
が理解される。
【0027】(実施例2) シート状成形体 市販のフェノール樹脂溶液と弾性高分子であるラテック
スのエマルジョン溶液(試験例1〜4、8〜11ではN
BRラテックス固形分重量41%、試験例5ではSBR
ラテックス固形分重量49%、試験例6ではアクリレー
ト系ラテックス固形分55%、試験例7ではウレタン系
ラテックス固定分53%)を表3に示す割合にて常温で
混合して液状の釘耐力付与のための樹脂組成物1を得
た。
【0028】なお、NBRラテックスは、日本ゼオン株
式会社製のNipol 1562、SBRラテックスは、日本ゼオ
ン株式会社製のNipol LX-436を使用した。この樹脂組成
物を表3に示す各種多孔質基材、繊維質基材2に含浸
し、70〜100℃で乾燥した後、ホットプレスを用い
て、150〜160℃の温度にて加熱しフェノール樹脂
を硬化させて本願発明のシート状成形体4を得た。
【0029】ところで、ガラス繊維としては、ガラス繊
維の短繊維をシート状にした短繊維マット、ガラスファ
イバーの長繊維の不織布であるチョップドスランドマッ
ト、ガラスファイバーの長繊維を織ったロービングクロ
スを使用した。また、セラミックファイバーは、シリカ
・アルミナファイバーを使用した。このようにして得ら
れた本発明のシート状成形体について、構造用パネルの
日本農林規格に規定されている釘抜き試験に準じて釘耐
力性能を測定し、その結果を表3に示した。
【0030】
【表3】
【0031】(比較例2)実施例と同様の方法である
が、比較例では樹脂組成物を使用しないシート状成形体
を作成し、実施例と同様の方法にて釘耐力性能を測定
し、その結果を表4に示した。
【0032】
【表4】
【0033】表3、4から理解されるように、本願発明
のシート状成形体は、従来の繊維質基材に比べて、釘耐
力に優れている。また、熱硬化性樹脂/弾性高分子=8
0/20〜65/35の範囲で釘の引き抜き強度が高く
なることが理解される。
【0034】(実施例3)板状成形体 試験例1、2 市販のフェノール樹脂溶液と弾性高分子であるラテック
スのエマルジョン溶液(試験例1、2ではNBRラテッ
クス固形分重量41%)を表5に示す割合にて常温で混
合して液状の釘耐力付与のための樹脂組成物1を得た。
なお、NBRラテックスは、日本ゼオン株式会社製のNi
pol 1562を使用した。この樹脂組成物を表1に示す各種
多孔質基材、繊維質基材2に含浸し、70〜100℃で
乾燥した後、ホットプレスを用いて、150〜160℃
の温度にて加熱しフェノール樹脂を硬化させて本願発明
のシート状成形体4を得た。このように得たシート状成
形体4を表5に示す市販の無機質芯材5の両面にフェノ
ール樹脂にて貼りつけた後、ホットプレスを用い80〜
100℃の温度にて15分間加熱して本発明の板状成形
体6を得た。
【0035】試験例3、4 市販のフェノール樹脂溶液と弾性高分子であるラテック
スのエマルジョン溶液(試験例3、4ではNBRラテッ
クス固形分重量41%、SBRラテックス固形分重量4
9%)を表5に示す割合にて常温で混合して液状の釘耐
力付与のための樹脂組成物1を得た。なお、NBRラテ
ックスは、日本ゼオン株式会社製のNipol 1562、SBR
ラテックスは、日本ゼオン株式会社製のNipol LX-436を
使用した。この樹脂組成物を表1に示す各種多孔質基
材、繊維質基材2に含浸し、70〜100℃で乾燥し、
シート状成形体4を得た。このようにして得たシート状
成形体を表5に示す市販の無機質芯材5の両面にフェノ
ール樹脂にて貼りつけた後、ホットプレスを用い、80
〜100℃の温度にて15分間加熱して本発明の板状成
形体6を得た。
【0036】試験例5、6 市販のフェノール樹脂溶液と弾性高分子であるラテック
スのエマルジョン溶液(試験例5、6ではSBRラテッ
クス固形分重量49%)を表5に示す割合にて常温で混
合して液状の釘耐力付与のための樹脂組成物1を得た。
なお、SBRラテックスは、日本ゼオン株式会社製のNi
pol LX-436を使用した。この樹脂組成物を表1に示す各
種多孔質基材、繊維質基材2に含浸した。さらに、この
未乾燥のシートを表5に示す市販の無機質芯材5の両面
に貼りつけた後、ホットプレスを用い、150〜160
℃の温度にて15〜30分間加熱して本発明の板状成形
体6を得た。
【0037】試験例7、8 市販のフェノール樹脂溶液と弾性高分子であるラテック
スのエマルジョン溶液(試験例1、2ではNBRラテッ
クス固形分重量41%)を表5に示す割合にて常温で混
合して液状の釘耐力付与のための樹脂組成物1を得た。
なお、NBRラテックスは、日本ゼオン株式会社製のNi
pol 1562を使用した。この樹脂組成物1を表1に示す各
種多孔質基材、繊維質基材2に含浸し、70〜100℃
で乾燥した後、ホットプレスを用いて、150〜160
℃の温度にて加熱しフェノール樹脂を硬化させて本願発
明のシート状成形体4を得た。このように得たシート状
成形体を表5に示す市販の無機質芯材5の片面にフェノ
ール樹脂にて貼りつけた後、ホットプレスを用い80〜
100℃の温度にて15分間加熱して本発明の板状成形
体6を得た。以上のようにして得られた本願発明の板状
成形体について、構造用パネルの日本農林規格に規定さ
れている釘抜き試験に準じて釘耐力性能を測定し、その
結果を表5に示した。さらに、乾燥時の曲げ強度と24
時間清水中にて吸水させた状態での曲げ強度をJIS
A6901に準じて測定し、その結果を表5に示した。
【0038】(比較例3)実施例と同様の方法である
が、比較例では樹脂組成物を使用しないシート状成形体
を作成し、実施例と同様の方法にて釘耐力性能を測定
し、その結果を表6に示した。さらに、乾燥時の曲げ強
度と24時間清水中にて吸水させた状態での曲げ強度を
測定し、その結果を表6に示した。
【0039】
【表6】
【0040】表5、6から理解されるように、本願発明
のシート状成形体は、従来の多孔質基材、繊維質基材に
比べて、機械的強度、耐水性、釘耐力に優れている。ま
た、熱硬化性樹脂のみを含浸させた場合よりも釘の引き
抜き強度に優れている。
【0041】
【発明の効果】本発明の釘耐力を付与するための樹脂組
成物は、無機質、有機質を問わず、釘の耐力性能が劣る
各種基材に用いることにより、釘の耐力性能を向上させ
ることができ、また、この樹脂組成物を含浸硬化したシ
ート状成形体は、補強材、釘の耐力性を向上させること
ができる。さらに、本願発明の板状成形体は、釘耐力性
能のみならず、機械的強度、耐水性に優れるものであ
り、外装材、外装下地材、屋根下地材、床下地材、内装
下地材、天井材などの建築材料に使用することができ、
さらに表面に各種の化粧加工を施すことができ、一般住
宅、非住宅建築物の内装材、外装材としても好適に用い
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のシート状成形体の製造工程図
【図2】本願発明の板状成形体の模式図
【符号の説明】
1 樹脂組成物 2 繊維質基材又は多孔質基材 3 ステンレス板 4 シート状成形体 5 無機質芯材 6 板状成形体
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 33/04 C08L 33/04 75/04 75/04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂および弾性高分子からなる
    ことを特徴とする釘耐力付与のための樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記弾性高分子は、ゴム系ラテックス、
    アクリル系ラテックス、アクリレート系ラテックス、ウ
    レタン系ラテックスである請求項1に記載の釘耐力付与
    のための樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記弾性高分子は、エマルジョン溶液と
    して未硬化の熱硬化性樹脂中に分散してなる請求項1に
    記載の釘耐力付与のための樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂と弾性高分子の固形分の重
    量比は、95/5〜65/35である請求項1に記載の
    釘耐力付与のための樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 多孔質基材中又は繊維質基材中に熱硬化
    性樹脂および弾性高分子からなる樹脂組成物が含浸、硬
    化されてなることを特徴とするシート状成形体。
  6. 【請求項6】 前記多孔質基材は、石膏板、多孔質セラ
    ミック、ウレタンフォームである請求項5に記載のシー
    ト状成形体。
  7. 【請求項7】 前記繊維質基材は、ガラス繊維、ロック
    ウール、セラミックファイバー、紙、木材である請求項
    5に記載のシート状成形体。
  8. 【請求項8】 多孔質基材中又は繊維質基材中に熱硬化
    性樹脂および弾性高分子からなる樹脂組成物が含浸、硬
    化されてなるシート状成形体を、芯材の少なくとも片面
    に積層してなることを特徴とする板状成形体。
  9. 【請求項9】 前記芯材は、ケイ酸カルシウム板、石膏
    板、セメント板、パーライト板、石綿セメント板、軽量
    発泡コンクリート板、パーティクルボード、中質繊維
    板、OSB、合板である請求項8に記載の板状成形体。
JP8457197A 1997-03-17 1997-03-17 釘耐力付与のための樹脂組成物、シート状成形体および板状成形体 Pending JPH10259309A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8457197A JPH10259309A (ja) 1997-03-17 1997-03-17 釘耐力付与のための樹脂組成物、シート状成形体および板状成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8457197A JPH10259309A (ja) 1997-03-17 1997-03-17 釘耐力付与のための樹脂組成物、シート状成形体および板状成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10259309A true JPH10259309A (ja) 1998-09-29

Family

ID=13834365

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8457197A Pending JPH10259309A (ja) 1997-03-17 1997-03-17 釘耐力付与のための樹脂組成物、シート状成形体および板状成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10259309A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000049246A1 (fr) * 1999-02-16 2000-08-24 Ibiden Co., Ltd. Materiau de construction composite et son procede de production, et materiau de plancher composite
JP2016505736A (ja) * 2012-12-12 2016-02-25 セン・ゴバン プラコ エスアーエス 建築構造用パネル

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000049246A1 (fr) * 1999-02-16 2000-08-24 Ibiden Co., Ltd. Materiau de construction composite et son procede de production, et materiau de plancher composite
JP2016505736A (ja) * 2012-12-12 2016-02-25 セン・ゴバン プラコ エスアーエス 建築構造用パネル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1999016984A1 (fr) Materiau de construction refractaire composite, son procede fabrication, plaque de platre et composition resineuse
US4303722A (en) Building components
RU2358875C2 (ru) Гипсовая панель, облицованная матом нетканого стекловолокнистого материала
CA2661937A1 (en) Low density drywall
JPH10259309A (ja) 釘耐力付与のための樹脂組成物、シート状成形体および板状成形体
US20110056157A1 (en) Urea-formaldehyde resin reinforced gypsum composites and building materials made therefrom
WO2000049246A1 (fr) Materiau de construction composite et son procede de production, et materiau de plancher composite
JPH10205057A (ja) 無機系芯材ボードの構造
JPH10217216A (ja) 無機質板状体の製造方法
JPH11303369A (ja) 耐火性複合建築材料および耐火性複合床材
JPH11315594A (ja) 耐火性複合建築材料および耐火性複合床材
JP2001140454A (ja) 建物の床構造及びその床下地材
JP2001009970A (ja) 難燃仕上材
JPH11315593A (ja) 耐火性複合建築材料および耐火性複合床材
JPH10114020A (ja) 積層仕上材
US11780974B2 (en) Method to produce mineral wool boards
JPH11226919A (ja) ヤシ繊維板及びその製造法
JPH11227081A (ja) 耐火性複合床材
US20110190434A1 (en) Urea-formaldehyde resin reinforced gypsum composites and building materials made therefrom
JP2006063573A (ja) 建築用板
JP2008231788A (ja) 建築用板及びその製造方法
JPH0533614Y2 (ja)
JP2910901B2 (ja) 高強度板状体およびこれを用いた耐力壁
JP2001152573A (ja) 内壁下地材及びそれを用いた壁構造
JPH11227095A (ja) 耐火性複合床材