JPH10258726A - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

ブレーキ液圧制御装置

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Publication number
JPH10258726A
JPH10258726A JP6705297A JP6705297A JPH10258726A JP H10258726 A JPH10258726 A JP H10258726A JP 6705297 A JP6705297 A JP 6705297A JP 6705297 A JP6705297 A JP 6705297A JP H10258726 A JPH10258726 A JP H10258726A
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JP
Japan
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hydraulic pressure
hydraulic
cylinder
chamber
wheel cylinder
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Application number
JP6705297A
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English (en)
Inventor
Atsushi Takano
淳 高野
Youichi Kumemura
洋一 久米村
Kenjiro Matsumoto
賢次郎 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10258726A publication Critical patent/JPH10258726A/ja
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Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェイルセーフ機能作動時にて、マスターシ
リンダから制動に十分な作動液を送り込み、確実な制動
力を生じさせる。 【解決手段】 マスターシリンダ2に、フェイルセーフ
機能作動時にフェイルセーフ弁によってホイールシリン
ダに連通される管路37に連通された第1作動液圧室A
と、第1作動液圧室Aからの作動液の送り出し後に開口
する弁体62と、弁体62が開口することにより、管路
37へ連通される第2作動液圧室Bとを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両用
ブレーキの液圧を制御するブレーキ液圧制御装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ブレーキ液圧制御装置として、外
部液圧供給源を有するものが知られている。この外部液
圧供給源を備えたブレーキ液圧制御装置としては、ブレ
ーキペダルを踏み込んだ際に、ブレーキペダルの操作量
を例えばマスターシリンダ圧によって検出し、その検出
結果から、マスターシリンダ圧に応じて外部液圧供給源
から各車輪のホイールシリンダへ液圧を供給するものが
知られている。このブレーキ液圧制御装置には、シリン
ダ内に摺動可能にスプール及びこのスプールをシリンダ
内にて移動させるソレノイドが設けられた液圧制御弁が
用いられており、この液圧制御弁のスプールをソレノイ
ドによってシリンダ内にて移動させることにより、外部
液圧供給源とホイールシリンダとの連通を開閉するよう
になっている。ところで、このブレーキ液圧制御装置に
は、石踏み感のない良好なブレーキの踏み込み感覚を得
るために、マスターシリンダにストロークシュミレータ
が接続されてマスターシリンダからの作動液を逃がすよ
うにされている。一方、ブレーキ作動中に、何等かの原
因で外部液圧供給源から液圧制御弁を介して送り出され
る液圧が低下した場合、マスターシリンダとホイールシ
リンダとを直結させて、マスターシリンダからの液圧を
ホイールシリンダへ直接作用させるフェイルセーフ機能
が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ブレー
キ液圧制御装置において、フェイルセーフ機能が作動し
た場合、マスターシリンダからの作動液は、ストローク
シュミレータへ逃がされているため、その分だけホイー
ルシリンダへ送り出される作動液が不足気味になる恐れ
があった。
【0004】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、フェイルセーフ機能の作動時において、ホイールシ
リンダへ作動液を十分に供給することが可能なブレーキ
液圧制御装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載のブレーキ液圧制御装置は、ブレーキ
ペダルの操作によって液圧を発生するマスターシリンダ
と、このマスターシリンダに接続されてマスターシリン
ダから送り出される作動液を吸収して前記ブレーキペダ
ルの踏み代を確保するストロークシュミレータと、前記
マスターシリンダより高い液圧を発生する外部液圧供給
源と、この外部液圧供給源とホイールシリンダとの間に
設けられた液圧制御弁と、前記ブレーキペダルの操作量
に応じて目標液圧を求め、この目標液圧を前記ホイール
シリンダへ供給すべく、前記液圧制御弁の駆動を制御し
て前記外部液圧供給源から前記ホイールシリンダへ作用
する制動液圧を制御する制御部と、前記ブレーキペダル
の踏み込み時に、前記制動液圧が所定圧に達しない場合
に、前記ホイールシリンダへの流路を前記液圧制御弁の
出力側から前記マスターシリンダの出力側に接続して前
記マスターシリンダからの液圧を前記ホイールシリンダ
へ直接作用させるフェイルセーフ弁とを有するブレーキ
液圧制御装置であって、前記マスターシリンダには、シ
リンダと、このシリンダに摺動可能に設けられたピスト
ンとからなる第1作動液圧室及び第2作動液圧室が設け
られ、第1作動液圧室は、前記ホイールシリンダへつな
がる管路に連通され、第2作動液圧室は、前記ホイール
シリンダへつながる管路へ弁を介して連通されてなり、
該弁は、前記第1作動液圧室内の作動液の送り出し後に
開口して前記第2作動液圧室と前記ホイールシリンダへ
つながる管路とを連通させることを特徴としている。
【0006】請求項2記載のブレーキ液圧制御装置は、
請求項1記載のブレーキ液圧制御装置において、前記第
1作動液圧室を構成するピストンの受圧面積よりも前記
第2作動液圧室を構成するピストンの受圧面積が小さく
されていることを特徴としている。請求項3記載のブレ
ーキ液圧制御装置は、請求項1記載のブレーキ液圧制御
装置において、前記第1作動液圧室を構成するピストン
の受圧面積よりも前記第2作動液圧室を構成するピスト
ンの受圧面積が大きくされていることを特徴としてい
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明のブレーキ液圧制御
装置の実施の形態を図によって説明する。図1におい
て、符号1はブレーキペダルであって、このブレーキペ
ダル1の踏み込みによってマスターシリンダ2が液圧を
発生するようになっている。また符号3は液圧によって
制動力を発生するホイールシリンダ、符号4は外部液圧
供給源、符号5は前記マスターシリンダ2の出力に基づ
いて前記外部液圧供給源4からホイールシリンダ3に作
用する圧力を調整する液圧制御弁である。
【0008】前記マスターシリンダ2の出力側の管路3
7には、切り換え弁6を介してストロークシュミレータ
7が接続されている。このストロークシュミレータ7
は、その内部にバネ等の付勢部材が設けられており、マ
スターシリンダ2から送り出される作動液を一時的に吸
収して蓄えることにより、ブレーキペダル1の踏み代を
確保するものである。また、マスターシリンダ2の出力
側管路37には、切り換え弁からなるフェイルセーフ弁
8を介して前記ホイールシリンダ3が接続されている。
なお、符号9、10は液圧を測定するセンサであって、
これらの出力はそれぞれ制御装置ECU30へ供給され
るようになっている。この制御装置ECU30は、前記
センサ9によって検出された圧力によって、前記液圧制
御弁5を操作するコイル(後に説明する)の駆動電流を
制御するようになっている。
【0009】前記外部液圧供給源4の内部構成を説明す
る。符号4aは液圧ポンプであって、この液圧ポンプ4
aはモータ4cによって駆動されて液圧を発生するよう
になっている。前記液圧ポンプ4aの出力側にはアキュ
ームレータ4bが接続され、発生した高い液圧を蓄える
ようになっている。そしてこの液圧ポンプ4aは、リザ
ーバ4dの作動液を加圧して液圧制御弁5に供給するよ
うになっている。また、符号4Eは、アキュームレータ
4b内の圧力を検出する圧力センサであり、この圧力セ
ンサ4Eからの検出結果に基づいて、制御装置ECU3
0がアキュームレータ4bの圧力が所定値以下となった
際に、前記モータ4cを駆動させて液圧ポンプ4aによ
って加圧を行なわせるようになっている。また、符号4
Fは、アキュームレータ4bにおける過剰な液圧をリザ
ーバ4dへ逃がすリリーフ弁である。
【0010】次に、前記液圧制御弁5の構造を説明す
る。符号11はボディーであって、このボディー11の
内部にはバルブ穴12が設けられ、このバルブ穴12に
連通する液圧供給ポート13、ドレーンポート14、出
力ポート15がそれぞれ設けられ図示の位置でバルブ穴
12内に開口している。すなわち前記液圧供給ポート1
3は外部液圧供給源4に接続され、前記ドレーンポート
14はバルブ穴12の両端を互いに連通するとともにリ
ザーバ4dに接続されて大気開放され、前記出力ポート
15は液圧増幅装置31及びフェイルセーフ弁8を介し
てホイールシリンダ3に接続されている。
【0011】前記バルブ穴12には、スプール16が摺
動自在に収容されている。このスプール16は、中央部
が縮径されていて、前記液圧供給ポート13と出力ポー
ト15を連通させるための環状連通溝16aとなってい
る。この環状連通溝16aが設けられていることによ
り、前記液圧供給ポート13とスプール16との間に可
変絞りsが形成され、また、前記ドレーンポート14と
スプール16との間に可変絞りtが形成されている。し
たがってスプール16が図中左方向へ移動することによ
って前記可変絞りsが開くとともに可変絞りtが閉じて
出力ポート15の圧力が増加し、スプール16が図中右
方向へ移動することによって逆に圧力が減少する。
【0012】前記出力ポート15の出力は、前記ホイー
ルシリンダ3へ向かう管路32から分岐した管路17を
介して、液圧制御弁5の一端の反力室18に接続されて
いる。この反力室18内には、反力発生手段19が設け
られている。この反力発生手段19は、中央に貫通孔1
9aが形成された筒体19bから構成されたもので、こ
の筒体19bの貫通孔19aには、前記スプール16の
端部の中心から突出するピン20が摺動自在に挿入され
ている。さらに、前記反力発生手段19とスプール16
との間には、スプール16へ図中右方へ弾性力を与える
手段としての圧縮ばね21が介在させられている。
【0013】また前記液圧制御弁5の他端には、制御力
発生手段22が設けられている。この制御力発生手段2
2は、前記バルブ穴12と同軸にかつ軸方向へ移動可能
に設けられた可動子23と、この可動子23に軸方向へ
の推進力を与えるべく設けられたコイル24およびヨー
ク25と、前記可動子23とヨーク25との間に介在し
て図中左方へ弾性力を与える圧縮ばね26とから構成さ
れている。
【0014】なお、符号27は前記出力ポート15の圧
力をフェイルセーフ弁8に与えることによって出力ポー
ト15をホイールシリンダ3へ連通させるべく操作する
管路、符号28は前記出力ポートの圧力を切り換え弁6
に与えることによってマスターシリンダ2をストローク
シュミレータ7へ連通させるべく操作する管路である。
【0015】そして、前記外部液圧供給源4のアキュー
ムレータ4bと上記構造の液圧制御弁5の液圧供給ポー
ト13との間の管路には、制御装置ECU30からの信
号によって開閉駆動される液圧通路開閉弁29が設けら
れている。即ち、この液圧通路開閉弁29によって、外
部液圧供給源4から液圧制御弁5への液圧の供給路が開
閉されるようになっている。また、液圧制御弁5の出力
ポート15と前記フェイルセーフ弁8との間には、液圧
増幅装置31が設けられている。
【0016】この液圧増幅装置31は、径の異なる二つ
のシリンダ部41a、41bが形成されたシリンダ本体
41と、大径プランジャ部34aと小径プランジャ部3
4bとを有する凸状に形成され、大径プランジャ部34
aが大径シリンダ部41aに、小径プランジャ部34b
が小径シリンダ部41bに、それぞれ摺動可能に配設さ
れたプランジャ本体34とから構成されている。そし
て、この大径シリンダ部41aと大径プランジャ部34
aとによって区画されたスペースが入力側液圧室33と
され、小径シリンダ部41bと小径プランジャ部34b
とによって区画されたスペースが出力側液圧室35とさ
れている。そして、入力側液圧室33には、管路32を
介して液圧制御弁5の出力ポート15が接続され、出力
側液圧室35には、管路36を介してフェイルセーフ弁
8が接続されている。
【0017】また、出力側液圧室35には、圧縮スプリ
ングが配設されており、この圧縮スプリングによってプ
ランジャ本体34が大径シリンダ部41a側へ付勢され
ている。
【0018】そして、この液圧増幅装置31の前記入力
側液圧室33に液圧制御弁5を介して外部液圧供給源4
から加圧されたブレーキ液が供給され、その液圧によっ
てプランジャ本体34が図中矢印イ方向へ、圧縮スプリ
ングの付勢力に反して押圧されて摺動される。これによ
り、出力側液圧室35が小径プランジャ部34bによっ
て圧縮され、内部のブレーキ液が、管路36を介してフ
ェイルセーフ弁8へ加圧されて送り出されるようになっ
ている。
【0019】ここで、出力側液圧室35から管路36を
介して送り出されるブレーキ液の液圧は、それぞれのプ
ランジャ部34a、34bの面積の比率だけ増加され
る。つまり、入力側液圧室33における液圧Pinと出力
側液圧室35の液圧Poutとの関係は、入力側液圧室3
3の大径プランジャ部34aの受圧面積をAinとし、出
力側液圧室35の小径プランジャ34bの受圧面積をA
outとすると次式にて表すことができる。
【0020】Pout=Ain/Aout・Pin
【0021】即ち、大径プランジャ34a及び小径プラ
ンジャ34bのそれぞれの受圧面積の比率分だけブレー
キ液が加圧されることとなる。
【0022】次に、上記構成のブレーキ液圧制御装置に
設けられたマスターシリンダ2の構造を図2によって説
明する。図において、符号51は、大径シリンダであ
る。この大径シリンダ51には、大径ピストン52が摺
動可能に設けられている。この大径ピストン52には、
小径シリンダ53が形成されており、この小径シリンダ
53には、小径ピストン54が摺動可能に設けられてい
る。そして、この小径ピストン54に接続されたロッド
55に前記ブレーキペダル1が接続されている。そし
て、前記大径シリンダ51と大径ピストン52とによる
区画部分が第1作動液圧室Aとされ、大径ピストン52
の小径シリンダ53と小径ピストン54とによる区画部
分が第2作動液圧室Bとされている。
【0023】第1作動液圧室Aには、前記ホイールシリ
ンダ3に連通される管路37が接続されており、この第
1作動液圧室A内の作動液が管路37へ供給されるよう
になっている。第1作動液圧室Aを構成する大径シリン
ダ51の底部には、その中心部に凸部56が形成されて
おり、さらに、この凸部56の中心には、棒状突起57
が形成されている。なお、第1作動液圧室Aには、圧縮
スプリング58が設けられており、この圧縮スプリング
58によって大径ピストン52が図2中矢印ロ方向へ付
勢されて戻されるようになっている。
【0024】また、大径ピストン52には、その底部に
おける中心位置に、前記棒状突起57よりも大径に形成
された孔部61が形成されており、この孔部61には、
第2作動液圧室Bの内側に球状に形成された弁体(弁)
62が設けられている。この弁体62と小径ピストン5
4との間には、圧縮スプリング63が設けられており、
この圧縮スプリング63によって、弁体62が孔部61
へ常に付勢されて、この孔部61を閉塞するようになっ
ている。
【0025】なお、第2作動液圧室Bには、圧縮スプリ
ング64が設けられており、この圧縮スプリング64に
よって小径ピストン54が前記大径ピストン52と同様
に図2中矢印ロ方向へ付勢されて戻されるようになって
いる。また、第2作動液圧室B内には、ストローク規制
部材65が設けられており、小径ピストン54が図2中
矢印ハ方向へ摺動した際に、この小径ピストン54と当
接し、そのストロークを所定の位置にて規制するように
なっている。
【0026】また、大径シリンダ51には、リザーバ4
0に接続されたポート66及び連通孔67が形成されて
いる。そして、ポート66は、大径ピストン52が完全
に戻された位置にあるときに、第1作動液圧室Aと連通
するようになっており、連通孔67は、大径ピストン5
2の外周に形成された環状凹部68と大径シリンダ51
内面とによって囲われた空間部68aと常に連通されて
いる。
【0027】また、大径ピストン52には、前記環状凹
部68と大径シリンダ51内面とによって囲われた空間
部68aと連通するポート69及び連通孔70が形成さ
れている。そして、ポート69は、大径ピストン52に
対して小径ピストン54が完全に戻された位置にあると
きに、第2作動液圧室Bと連通するようになっており、
連通孔70は、小径ピストン52の外周に形成された環
状凹部71と小径シリンダ53内面とによって囲われた
空間部71aと常に連通されている。なお、図2中符号
72は、いずれも断面コ字状に形成されたカップシール
部材であり、コ字状に開いた側からの液の流出が阻止さ
れるようになっている。
【0028】そして、上記構成のマスターシリンダ2
は、大径ピストン52の受圧面積よりも小径ピストン5
4の受圧面積が小さいことより、第1作動液圧室A及び
第2作動液圧室Bにて発生される各液圧P1、P2の関係
は次式にて表すことができる。
【0029】P1<P2
【0030】つまり、これら第1作動液圧室A及び第2
作動液圧室Bにて発生されるそれぞれの液圧P1、P2と
ブレーキペダル1の踏力との関係は、図3に示すグラフ
図によって表される。
【0031】次いで、上記構造のマスターシリンダ2を
有するブレーキ液圧制御装置の作用を説明する。ブレー
キペダル1を踏み込むと、マスターシリンダ2の第1作
動液圧室Aから作動液が押し出され、この液圧がセンサ
9に検出される。そして、制御装置ECU30は、セン
サ9によってブレーキ液がマスターシリンダ2から押し
出されたことを検出すると、液圧通路開閉弁29へ制御
電流を供給し、この液圧通路開閉弁29を開き、外部液
圧供給源4と液圧制御弁5との管路を連通させる。ま
た、制御装置ECU30は、前記センサ9により検出さ
れた圧力に基づいて前記コイル24の励磁電流を制御
し、励磁電流に応じて可動子23が図1中左方へ移動
し、これに押されてスプール16が同方向へ移動する。
この移動により、反力スプリング21が圧縮されて図1
中右方への弾性力が発生し、弾性変形量に応じてスプー
ル16に反力を与えるとともに、可変絞りtが閉じて環
状連通路16aとドレンポート14との連通が絶たれ
る。
【0032】前記スプール16がさらに左方へ移動する
と、可変絞りsが開いて環状連通路16aと液圧供給ポ
ート13とが連通され、出力ポート15から高い制動液
圧が液圧増幅装置31の入力側液圧室33へ送り込まれ
る。これにより、この液圧増幅装置31のプランジャ本
体34が、圧縮スプリングの付勢力に反して、図2中矢
印イ方向へ移動し、出力側液圧室35から、前述した式
に基づいて加圧されたブレーキ液がフェイルセーフ弁8
を介してホイールシリンダ3へ供給されて車輪が制動さ
れる。なお、出力ポート15から液圧増幅装置31を介
して正常に制動液圧が付与された状態では、切り換え弁
6及びフェイルセーフ弁8がともに図示と反対側に切り
換えられているので、前記液圧増幅装置31がホイール
シリンダ3に接続され、また、マスターシリンダ2とホ
イールシリンダ3とが遮断される一方、液圧がストロー
クシュミレータ7に供給されてブレーキペダル1に適度
の操作感が与えられる。
【0033】前述のように出力ポート15と液圧供給ポ
ート13とが連通されると、管路17を介して反力室1
8にも液圧が作用して内圧が上昇し、これにより反力ピ
ン20を反力スプリング21と共に付勢してスプール1
6を可動子23側へ押圧する。このため、スプール16
は可動子23の押圧力が反力ピン20の押圧力に比較し
て大きい場合には図中左方へ摺動するが、小さい場合に
は右側へ摺動する。スプール16が右側へ摺動すると、
可変絞りsが閉じて出力ポート15の液圧供給ポート1
3への連通が遮断され、さらに右方へ摺動すると可変絞
りtが開いて出力ポート15がドレンポート14に連通
される。この結果、反力室18へ作用する液圧も低下す
る。このような動作によれば、スプール16は、最終的
に可動子23と反力ピン20との押圧力がバランスした
時点で停止し、出力ポート15の液圧が励磁電流(マス
ターシリンダ2の圧力)に応じて制御され、同時に、制
御液圧がホイールシリンダ3へ作用して所定の制動力を
発生する。
【0034】そして、上記制動状態から、制動を解除す
べくブレーキペダル1から足を離すと、圧力の低下がセ
ンサ9によって検出され、制御装置ECU30によって
コイル24への励磁電流が制御されて可動子23が図1
中右方へ移動され、スプール16が、反力スプリング2
1によって右方向へ移動される。これにより、可変絞り
sが閉じて環状連通路16aと液圧供給ポート13との
連通が絶たれる。さらに、スプール16が右方へ移動さ
れると、可変絞りtが開いて環状連通路16aとドレン
ポート14とが連通されて、作動液がドレン4dへ戻さ
れる。このとき、液圧増幅装置31のプランジャ本体3
4は、出力側液圧室35に設けられた圧縮スプリングに
よって入力側液圧室33側へ押し戻される。
【0035】そして、上記のように、ホイールシリンダ
3の液圧が低下してブレーキが解除され、その液圧の低
下がセンサ10によって検出されると、制御装置ECU
30が液圧通路開閉弁29を制御して、この液圧通路開
閉弁29を閉状態とし、外部液圧供給源4と液圧制御弁
5との管路を遮断させる。
【0036】このように、上記実施の形態のブレーキ液
圧制御装置によれば、外部液圧供給源4と液圧制御弁5
との間の管路を、制動時にのみ連通させる液圧通路開閉
弁29を設けたので、非制動時にて、加圧されたブレー
キ液が液圧制御弁5へ送り出され、この液圧制御弁5の
比較的シール性が弱い可変絞りsから漏れることによる
外部液圧供給源4のアキュームレータ4bにおける圧力
低下を防止することができる。即ち、外部液圧供給源4
におけるロスを大幅に低減させることができ、ポンプ4
aの稼働頻度を低くすることができる。また、液圧制御
弁5を介して外部液圧供給源4から送り出されるブレー
キ液の液圧を、機械的にさらに増幅させる液圧増幅装置
31を設けたので、外部液圧供給源4における加圧量を
低減させることができる。これにより、この外部液圧供
給源4のポンプ4aにおける負荷を低減させることがで
きる。
【0037】また、上記制御装置ECU30は、車輪回
転速度についての検出データに基づいて車輪のスリップ
状態を判定し、この判定結果に基づいて前記コイル24
の励磁電流を増減するアンチスキッド制御、および、ト
ラクション制御を行うことができるようになっている。
【0038】次に、上記ブレーキ液圧制御装置におい
て、液圧制御弁5の出力ポート15からの液圧が何等か
の原因によって低下し、フェイルセーフ機能の作動状態
となった場合について説明する。ブレーキ作動中に出力
ポート15からの液圧が低下すると、管路36内の液圧
も低下し、フェイルセーフ弁8及び切り換え弁6がそれ
ぞれに設けられたばねなどの機械的手段により作動され
て、いずれも図示の状態に復帰する。この状態では、マ
スターシリンダ2とストロークシュミレータ7の接続が
遮断されてその液圧がホイールシリンダ3に直接作用す
る。
【0039】ここで、マスターシリンダ2では、ブレー
キペダル1が既に踏み込まれて、大径ピストン52が圧
縮スプリング58の付勢力に反して図2中矢印ハ方向へ
摺動され、第1作動液圧室A内の作動液が管路37へ送
り出され、ストロークシュミレータ7へ吸収されて蓄え
られた状態となっている。つまり、この状態にて、さら
に、ブレーキペダル1が踏み込まれると、大径ピストン
52の底部に形成された孔部61へ、大径シリンダ51
の底部に設けられた棒状突起57が挿通され、この棒状
突起57によって弁体62が圧縮スプリング63の付勢
力に反して孔部61から離間される。これにより、第2
作動液圧室Bと管路37とが、第1作動液圧室Aを介し
て連通される。
【0040】そして、さらなるブレーキペダル1の踏み
込みにより、小径シリンダ53に対して小径ピストン5
4が図2中矢印ハ方向へ摺動され、第2作動液圧室B内
の作動液が第1作動液圧室Aを介して管路37へ送り出
され、この送り出された作動液がホイールシリンダ3へ
作用される。つまり、第2作動液圧室Bがホイールシリ
ンダ3と連通されることにより、ホイールシリンダ3へ
は、第1作動液圧室Aの液圧P1よりも高い液圧P2が作
用され、ホイールシリンダ3にて大きな制動力が発生す
る。
【0041】このように、上記マスターシリンダ2を有
するブレーキ液圧制御装置によれば、ブレーキ作動中
に、液圧制御弁5からの液圧が何等かの原因にて低下し
てフェイルセーフ機能が作動した際に、第2作動液圧室
Bから高い液圧にてホイールシリンダ3へ作動液を送り
込むことができるので、ホイールシリンダ3へ確実な制
動に十分な作動液を送り込むことができるとともに、小
さな踏力でも大きな制動力を発生させることができ、無
理なく確実に車輪に制動力を生じさせることができる。
【0042】(第2の実施形態)次に、第2の実施の形
態のブレーキ液圧制御装置を説明する。図4に示すもの
は、第2の実施形態のブレーキ液圧制御装置に用いられ
るマスターシリンダ2である。
【0043】このマスターシリンダ2を構成する大径シ
リンダ81には、大径ピストン82が摺動可能に設けら
れている。この大径ピストン82には、小径シリンダ8
3が形成されており、この小径シリンダ83には、小径
ピストン84が摺動可能に設けられている。そして、こ
の小径ピストン84に接続されたロッド55に前記ブレ
ーキペダル1が接続されている。そして、前記小径シリ
ンダ83と小径ピストン84とによる区画部分が第1作
動液圧室Aとされ、大径シリンダ81と大径ピストン8
2とによる区画部分が第2作動液圧室Bとされている。
【0044】第2作動液圧室Bには、大径シリンダ81
の底部と大径ピストン82との間に圧縮スプリング86
が設けられており、この圧縮スプリング86の付勢力に
よって大径ピストン82が常に図4中矢印ロ方向へ押圧
されて戻されるようになっている。また、第1作動液圧
室Aにも同様に、小径シリンダ83の底部と小径ピスト
ン84との間に圧縮スプリング87が設けられており、
この圧縮スプリング87の付勢力によって小径ピストン
84が常に図4中矢印ロ方向へ押圧されて戻されるよう
になっている。
【0045】小径ピストン84には、その中心部に凸部
88が形成されており、さらに、この凸部88の中心に
は、棒状突起89が形成されている。また、大径ピスト
ン82には、その底部における中心位置に、前記棒状突
起89よりも大径の孔部90が形成されており、この孔
部90には、第2作動液圧室Bの内側に球状に形成され
た弁体91が設けられている。この弁体91と大径シリ
ンダ81の底部との間には、圧縮スプリング92が設け
られており、この圧縮スプリング92によって、弁体9
1が孔部90へ常に付勢されて、この孔部90を閉塞す
るようになっている。
【0046】また、大径ピストン82には、その外周側
に長手方向へ3つの環状凹部93が形成されており、こ
れら環状凹部93と大径シリンダ81の内面とによって
3つの環状の空間部93a、93b、93cが形成され
ている。また、大径ピストン82には、連通孔94が形
成されており、この連通孔94によって3つの環状の空
間部93a、93b、93cの内、中央の空間部93b
と第1作動液圧室Aとが連通されている。また、大径シ
リンダ81には、ホイールシリンダ3に連通される管路
37が接続されており、この管路37と前記中央の空間
部93bとが常に連通されるようになっている。即ち、
第1作動液圧室Aと管路37とが、中央の空間部93b
を介して互いに連通されている。
【0047】大径シリンダ81には、前記3つの空間部
93a、93b、93cの内、両端の空間部93a、9
3cにそれぞれ連通する連通孔95、96が形成されて
おり、これら連通孔95、96には、それぞれリザーバ
40が接続されている。また、大径シリンダ81には、
リザーバ40に接続されたポート97が形成されてお
り、このポート97は、大径ピストン82が完全に戻さ
れた位置にあるときに、第2作動液圧室Bと連通するよ
うになっている。
【0048】また、大径ピストン82には、前記3つの
空間部93a、93b、93cの内一端側の空間部93
cと連通するポート98及び連通孔99が形成されてい
る。そして、ポート98は、小径ピストン84が完全に
戻された位置にあるときに、第1作動液圧室Aと連通す
るようになっており、連通孔99は、小径ピストン84
の外周に形成された環状凹部100と小径シリンダ84
の内面とによって囲われた空間部100aと常に連通さ
れている。
【0049】また、第1作動液圧室Aには、小径シリン
ダ84の底部側にストローク規制部材101が設けられ
ており、このストローク規制部材101によって小径ピ
ストン84の図4中矢印ハ方向へのストロークが規制さ
れるようになっている。つまり、小径ピストン84が図
4中矢印ハ方向へ摺動し、この小径ピストン84の棒状
突起89が圧縮スプリング92の付勢力に反して弁体9
1を押圧して孔部90が開口された時点にて小径ピスト
ン84がストローク規制部材101に当接し、そのスト
ロークが規制されるようになっている。
【0050】また、第2作動液圧室Bにも、大径シリン
ダ81の底部側にストローク規制部材102が設けられ
ており、このストローク規制部材102によって、弁体
91を付勢している圧縮スプリング92が縮みきる手前
にて、大径ピストン82の図4中矢印ハ方向へのストロ
ークが規制されるようになっている。
【0051】そして、上記構成のマスターシリンダ2
は、大径ピストン82の受圧面積よりも小径ピストン8
4の受圧面積が小さいことより、第1作動液圧室A及び
第2作動液圧室Bにて発生される各液圧P1、P2の関係
は次式にて表すことができる。
【0052】P1>P2
【0053】そして、上記構造のマスターシリンダ2が
設けられたブレーキ液圧制御装置によれば、フェイルセ
ーフ機能の作動状態となった際に、マスターシリンダ2
では、ブレーキペダル1が既に踏み込まれて、小径ピス
トン84が圧縮スプリング87の付勢力に反して図4中
矢印ハ方向へ摺動され、第1作動液圧室A内の作動液が
管路37へ送り出され、前述したように、ストロークシ
ュミレータ7へ吸収されて蓄えられた状態となってい
る。
【0054】つまり、この状態にて、さらに、ブレーキ
ペダル1が踏み込まれると、小径ピストン84の底部に
形成された孔部90へ、小径ピストン84に設けられた
棒状突起89が挿通され、この棒状突起89によって弁
体91が圧縮スプリング92の付勢力に反して孔部90
から離間され、さらに、ストローク規制部材101によ
って小径ピストン84のストロークが規制される。これ
により、第2作動液圧室Bと管路37とが、第1作動液
圧室A及び中央の空間部93bを介して連通される。
【0055】そして、さらなるブレーキペダル1の踏み
込みにより、小径ピストン84とともに大径ピストン8
2が図4中矢印ハ方向へ摺動され、第2作動液圧室B内
の作動液が第1作動液圧室A及び中央の空間部93bを
介して管路37へ送り出され、この送り出された作動液
がホイールシリンダ3へ作用される。つまり、第2作動
液圧室Bがホイールシリンダ3と連通されることによ
り、ホイールシリンダ3へは、液圧P1よりも低い第2
作動液圧室Bの液圧P2が作用され、ホイールシリンダ
3にて制動力が発生する。
【0056】このように、上記マスターシリンダ2を有
するブレーキ液圧制御装置によれば、ブレーキ作動中
に、液圧制御弁5からの液圧が何等かの原因にて低下し
てフェイルセーフ機能が作動した際に、第2作動液圧室
Bからホイールシリンダ3へ作動液を送り込むことがで
きるので、ホイールシリンダ3へ確実な制動に十分な作
動液を送り込むことができる。また、第2作動液圧室B
にて生じさせる液圧が低くされているので、少ないブレ
ーキペダル1のストロークにてホイールシリンダ3へ作
動液を送り出すことができ、無理なく確実に車輪に制動
力を生じさせることができる。
【0057】(第3の実施形態)第3の実施形態のブレ
ーキ液圧制御装置に用いられるマスターシリンダ2とし
て、図5に示すものを例にとって説明する。図におい
て、符号111は、マスターシリンダ2を構成するシリ
ンダ本体である。このシリンダ本体111には、大径に
形成された大径シリンダ部112と、この大径シリンダ
部112よりも小径に形成された小径シリンダ部113
とを有している。
【0058】大径シリンダ部112には、その内部に大
径ピストン114が摺動可能に設けられ、小径シリンダ
部113には、小径ピストン115が摺動可能に設けら
れている。そして、大径シリンダ部112と大径ピスト
ン114とによる区画部分が第1作動液圧室Aとされ、
大径ピストン114、小径シリンダ部113及び小径ピ
ストン115による区画部分が第2作動液圧室Bとされ
ている。
【0059】第1作動液圧室Aには、シリンダ本体11
1の底部と大径ピストン114との間に、圧縮スプリン
グ116が設けられており、この圧縮スプリング116
によって大径ピストン114が図5中矢印ロ方向へ付勢
されて戻されるようになっている。また、第2作動液圧
室Bには、大径ピストン114と小径ピストン115と
の間に圧縮スプリング117が設けられており、この圧
縮スプリング117によって小径ピストン115が図5
中矢印ロ方向へ付勢されて戻されるようになっている。
【0060】また、シリンダ本体111の大径シリンダ
部112には、リザーバ40に接続されたポート118
及び連通孔119が形成されている。そして、ポート1
18は、大径ピストン114が完全に戻された位置にあ
るときに、第1作動液圧室Aと連通するようになってお
り、連通孔119は、大径ピストン114の外周に形成
された環状凹部121と大径シリンダ部112の内面と
によって囲われた空間部121aと常に連通されてい
る。
【0061】同様に、シリンダ本体111の小径シリン
ダ部113には、リザーバ40に接続されたポート12
2及び連通孔123が形成されている。そして、ポート
122は、小径ピストン115が完全に戻された位置に
あるときに、第2作動液圧室Bと連通するようになって
おり、連通孔123は、小径ピストン115の外周に形
成された環状凹部124と小径シリンダ部113の内面
とによって囲われた空間部124aと常に連通されてい
る。なお、大径ピストン114及び小径ピストン115
の先端部には、それぞれ凸部127、128が形成され
ており、これら凸部127、128によって大径ピスト
ン114及び小径ピストン115のストロークが規制さ
れるようになっている。
【0062】そして、上記構造のマスターシリンダ2の
第1作動液圧室Aには、ホイールシリンダ3に連通する
管路37が接続され、また、第2作動液圧室Bには、チ
ェック弁125が設けられた管路126を介して前記管
路37に接続されている。管路126に設けられたチェ
ック弁125は、第2作動液圧室B側から管路37へ向
かってのみ作動液を流すものである。
【0063】そして、上記のマスターシリンダ2は、大
径ピストン114の受圧面積よりも小径ピストン115
の受圧面積が小さいことより、第1作動液圧室A及び第
2作動液圧室Bにて発生される各液圧P1、P2の関係は
次式にて表すことができる。
【0064】P1<P2
【0065】そして、上記構造のマスターシリンダ2を
有するブレーキ液圧制御装置によれば、マスターシリン
ダ2では、ブレーキペダル1が踏み込まれて、小径ピス
トン115が図5中矢印ハ方向へ摺動されると、第2作
動液圧室B内の作動液を介して大径ピストン114が図
5中矢印ハ方向へ押圧されて図5中矢印ハ方向へ摺動さ
れ、第1作動液圧室A内の作動液が管路37へ送り出さ
れ、その液圧がセンサ9によって検出されて制御装置E
CU30によって液圧制御弁5が制御されてホイールシ
リンダ3へ所定の液圧が作用される。
【0066】ここで、ブレーキ作動中に、ホイールシリ
ンダ3への液圧が何等かの原因により低下してフェイル
セーフ機能の作動状態となった場合、マスターシリンダ
2では、第1作動液圧室A内の作動液が送り出されてス
トロークシュミレータ7へ送り込まれた状態であるの
で、この状態にて、さらに、ブレーキペダル1が踏み込
まれると、大径ピストン114の凸部127がシリンダ
本体111の底部に当接してストロークが止まり、第1
作動液圧室Aから作動液が送り出されなくなり、その後
は、小径ピストン115のみが図5中矢印ハ方向へ摺動
することとなり、これにより、第2作動液圧室B内の作
動液が、管路126のチェック弁125を介して管路3
7内へ送り出され、この送り出される作動液によってホ
イールシリンダ3が作動されることとなる。つまり、第
2作動液圧室Bがホイールシリンダ3と連通されること
により、ホイールシリンダ3へは、第1作動液圧室Aの
液圧P1よりも高い液圧P2が作用され、ホイールシリン
ダ3にて大きな制動力が発生する。
【0067】このように、このマスターシリンダ2を有
するブレーキ液圧制御装置によれば、第1の実施形態と
同様に、ブレーキ作動中に、液圧制御弁5からの液圧が
何等かの原因にて低下してフェイルセーフ機能が作動し
た際に、第2作動液圧室Bから高い液圧にてホイールシ
リンダ3へ作動液を送り込むことができるので、ホイー
ルシリンダ3へ確実な制動に十分な作動液を送り込むこ
とができるとともに、小さな踏力でも大きな制動力を発
生させることができ、無理なく確実に車輪に制動力を生
じさせることができる。
【0068】(第4の実施形態)また、図6に示すマス
ターシリンダ2は、上記第3の実施形態のマスターシリ
ンダ2と同一構造とされている。ただし、このマスター
シリンダ2は、大径ピストン114、小径シリンダ部1
13及び小径ピストン115によって囲われた区画部分
が第1作動液圧室Aとされて、この第1作動液圧室Aが
ホイールシリンダ3へ連通される管路37に接続されて
おり、大径シリンダ部112と大径ピストン114とに
よって囲われた区画部分が第2作動液圧室Bとされて、
この第2作動液圧室Bと管路37とが、チェック弁12
5が設けられた管路126を介して接続されている。そ
して、この管路126に設けられたチェック弁125
は、第2作動液圧室Bから管路37へ向かってのみ作動
液が流れるようになっている。
【0069】したがって、このマスターシリンダ2は、
大径ピストン114の受圧面積よりも小径ピストン11
5の受圧面積が小さいことより、第1作動液圧室A及び
第2作動液圧室Bにて発生される各液圧P1、P2の関係
は次式にて表すことができる。
【0070】P1>P2
【0071】そして、上記構造のマスターシリンダ2を
有するブレーキ液圧制御装置によれば、ブレーキペダル
1が踏み込まれて、小径ピストン115が図6中矢印ハ
方向へ摺動されると、第1作動液圧室A内の作動液が管
路37へ送り出され、その液圧がセンサ9によって検出
されて制御装置ECU30によって液圧制御弁5が制御
されてホイールシリンダ3へ所定の液圧が作用される。
【0072】ここで、ブレーキ作動中に、ホイールシリ
ンダ3への液圧が何等かの原因により低下してフェイル
セーフ機能の作動状態となった場合、マスターシリンダ
2では、第1作動液圧室A内の作動液が送り出されてス
トロークシュミレータ7へ送り込まれた状態であるの
で、この状態にて、さらに、ブレーキペダル1が踏み込
まれると、小径ピストン115の凸部128が大径ピス
トン116に当接する。その後は、大径ピストン114
が小径ピストン115によって押圧されて図6中矢印ハ
方向へ摺動され、第2作動液圧室B内の作動液が、管路
126のチェック弁125を介して管路37内へ送り出
され、この送り出される作動液によってホイールシリン
ダ3が作動されることとなる。
【0073】つまり、第2作動液圧室Bがホイールシリ
ンダ3と連通されることにより、ホイールシリンダ3へ
は、第1作動液圧室Aの液圧P1よりも低い液圧P2が作
用され、ホイールシリンダ3にて制動力が発生する。
【0074】このように、上記マスターシリンダ2を有
するブレーキ液圧制御装置によれば、第2の実施形態と
同様に、ブレーキ作動中に、液圧制御弁5からの液圧が
何等かの原因にて低下してフェイルセーフ機能が作動し
た際に、第2作動液圧室Bからホイールシリンダ3へ作
動液を送り込むことができるので、ホイールシリンダ3
へ確実な制動に十分な作動液を送り込むことができる。
また、第1作動液圧室Aにて生じさせる液圧が低くされ
ているので、少ないブレーキペダル1のストロークにて
ホイールシリンダ3へ作動液を送り出すことができ、無
理なく確実に車輪に制動力を生じさせることができる。
【0075】また、このマスターシリンダ2の場合、大
径ピストン114の図6中矢印ハ方向への摺動時に、第
1作動液圧室A内が負圧となるが、大径ピストン114
の後方側には、そのコ字状の開口側が大径ピストン11
4の外周に形成された空間部121aと反対方向へ向け
られたものであるので、第1作動液圧室A内には、リザ
ーバ40に連通された空間部121aからカップシール
部材72を介して作動液が流れ込むので、大径ピストン
114の摺動が滞ることはない。
【0076】なお、上記の実施形態では、マスターシリ
ンダ2の液圧をセンサ9によって検出し、この検出デー
タに基づいて励磁電流を制御してスプール16を移動さ
せることにより液圧制御弁5の液圧を電気的に制御する
ようにしたが、前記マスターシリンダ2の液圧により直
接駆動されるアクチュエータによってスプール16を移
動させることにより、物理作用のみによって液圧を制御
するようにしてもよい。
【0077】また、上記の実施の形態では出力ポート1
5の液圧を切り換え弁6およびフェイルセーフ弁8に直
接作用させて切り換えるとともに、液圧が加わらない場
合、各バルブに設けられたばねなどの作用によって自動
的に所定の位置に復帰するよう構成したが、センサ10
によってホイールシリンダ圧を検出し、検出された液圧
によって電気的にバルブを切り換える方式であってもよ
いのは勿論である。また、上記の実施の形態では、液圧
通路開閉弁29及び液圧増幅装置31をそれぞれ設けた
が、これら液圧通路開閉弁29及び液圧増幅装置31の
いずれか一方だけを設けても、外部液圧供給源4のポン
プ4aの負荷を低減させることができるのは勿論であ
る。
【0078】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明のブレー
キ液圧制御装置によれば、下記の効果を得ることができ
る。請求項1記載のブレーキ液圧制御装置によれば、ブ
レーキ作動中、つまり、ブレーキペダルを踏み込むこと
によりマスターシリンダの第1作動液圧室内の作動液が
ストロークシュミレータへ吸収されて蓄えられた状態に
て、液圧制御弁からの液圧が何等かの原因にて低下して
フェイルセーフ機能が作動して、マスターシリンダとホ
イールシリンダとが直結されたとしても、マスターシリ
ンダ内の弁が開口して、第2作動液圧室とホイールシリ
ンダとが連通され、この第2作動液圧室内の作動液がホ
イールシリンダへ送り出されるので、ホイールシリンダ
へ作動液を十分に送り出して確実な制動力を確保するこ
とができる。
【0079】請求項2記載のブレーキ液圧制御装置によ
れば、フェイルセーフ機能作動時に、第1作動液圧室か
ら送り出される作動液よりも高い液圧の作動液が第2作
動液圧室からホイールシリンダへ送り出されるので、ブ
レーキペダルへの踏力が小さくてもホイールシリンダに
て大きな制動力を生じさせることができ、無理なく確実
に車輪に制動力を生じさせることができる。
【0080】請求項3記載のブレーキ液圧制御装置によ
れば、フェイルセーフ機能作動時に、第1の作動液圧室
から送り出される作動液よりも低い液圧にて第2の作動
液圧室から作動液をホイールシリンダへ送り出すもので
あるので、ブレーキペダルを少ない踏み込み量にてホイ
ールシリンダへ確実に作動液を送り出すことができ、無
理なく確実に車輪に制動力を生じさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のブレーキ液圧制御装置の実施の形態
を説明するブレーキ液圧制御装置の油圧系統図である。
【図2】 本発明のブレーキ液圧制御装置に用いられる
マスターシリンダの第1の実施形態を説明するマスター
シリンダの断面図である。
【図3】 本発明のブレーキ液圧制御装置に用いられる
第1の実施形態のマスターシリンダから送り出される作
動液と踏力との関係を説明するグラフ図である。
【図4】 本発明のブレーキ液圧制御装置に用いられる
マスターシリンダの第2の実施形態を説明するマスター
シリンダの断面図である。
【図5】 本発明のブレーキ液圧制御装置に用いられる
マスターシリンダの第3の実施形態を説明するマスター
シリンダの断面図である。
【図6】 本発明のブレーキ液圧制御装置に用いられる
マスターシリンダの第4の実施形態を説明するマスター
シリンダの断面図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2 マスターシリンダ 3 ホイールシリンダ 4 外部液圧供給源 5 液圧制御弁 7 ストロークシュミレータ 8 フェイルセーフ弁 30 制御装置ECU(制御部) 51、81 大径シリンダ(シリンダ) 52、82、114 大径ピストン(ピストン) 53、83 小径シリンダ(シリンダ) 54、84、115 小径ピストン(ピストン) 62、91 弁体(弁) 112 大径シリンダ部(シリンダ) 113 小径シリンダ部(シリンダ) 125 チェック弁(弁) A 第1作動液圧室 B 第2作動液圧室

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダルの操作によって液圧を発
    生するマスターシリンダと、このマスターシリンダに接
    続されてマスターシリンダから送り出される作動液を吸
    収して前記ブレーキペダルの踏み代を確保するストロー
    クシュミレータと、前記マスターシリンダより高い液圧
    を発生する外部液圧供給源と、この外部液圧供給源とホ
    イールシリンダとの間に設けられた液圧制御弁と、前記
    ブレーキペダルの操作量に応じて目標液圧を求め、この
    目標液圧を前記ホイールシリンダへ供給すべく、前記液
    圧制御弁の駆動を制御して前記外部液圧供給源から前記
    ホイールシリンダへ作用する制動液圧を制御する制御部
    と、 前記ブレーキペダルの踏み込み時に、前記制動液圧が所
    定圧に達しない場合に、前記ホイールシリンダへの流路
    を前記液圧制御弁の出力側から前記マスターシリンダの
    出力側に接続して前記マスターシリンダからの液圧を前
    記ホイールシリンダへ直接作用させるフェイルセーフ弁
    とを有するブレーキ液圧制御装置であって、 前記マスターシリンダには、シリンダと、このシリンダ
    に摺動可能に設けられたピストンとからなる第1作動液
    圧室及び第2作動液圧室が設けられ、 第1作動液圧室は、前記ホイールシリンダへつながる管
    路に連通され、第2作動液圧室は、前記ホイールシリン
    ダへつながる管路へ弁を介して連通されてなり、 該弁は、前記第1作動液圧室内の作動液の送り出し後に
    開口して前記第2作動液圧室と前記ホイールシリンダへ
    つながる管路とを連通させることを特徴とするブレーキ
    液圧制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第1作動液圧室を構成するピストン
    の受圧面積よりも前記第2作動液圧室を構成するピスト
    ンの受圧面積が小さくされていることを特徴とする請求
    項1記載のブレーキ液圧制御装置。
  3. 【請求項3】 前記第1作動液圧室を構成するピストン
    の受圧面積よりも前記第2作動液圧室を構成するピスト
    ンの受圧面積が大きくされていることを特徴とする請求
    項1記載のブレーキ液圧制御装置。
JP6705297A 1997-03-19 1997-03-19 ブレーキ液圧制御装置 Pending JPH10258726A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113597387A (zh) * 2019-03-08 2021-11-02 株式会社万都 主缸及具有该主缸的电子制动系统
CN113597387B (zh) * 2019-03-08 2024-02-09 汉拿万都株式会社 主缸及具有该主缸的电子制动系统

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