JPH10258213A - エアフィルタの余命判定方法 - Google Patents

エアフィルタの余命判定方法

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JPH10258213A
JPH10258213A JP8436997A JP8436997A JPH10258213A JP H10258213 A JPH10258213 A JP H10258213A JP 8436997 A JP8436997 A JP 8436997A JP 8436997 A JP8436997 A JP 8436997A JP H10258213 A JPH10258213 A JP H10258213A
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JP
Japan
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gas
measurement
concentration
air filter
measuring
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JP8436997A
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Fumio Karibe
文夫 苅部
Masatoshi Kidachi
真敏 木立
Hisao Nishio
久夫 西尾
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Nippon Puretec Co Ltd
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Nippon Puretec Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用途中のエアフィルタの余命を容易かつ確
実に判定する。 【解決手段】 濃度を変えた三種以上のガスを濾過材封
入測定管に流入させ、流出ガス濃度の所定値到達時間を
各ガス毎に計測する第一の計測工程と、この計測結果を
流入ガスの濃度を一方軸・時間を他方軸とした各座標と
し、各座標を通る直線の傾きを特定する第一の計測値処
理工程と、使用途中のエアフィルタ構成濾過材の一部を
採取・測定管に収め、第一の計測工程と同一の条件で所
定の濃度のガスを測定管に流入させ、流出ガス濃度の所
定値到達時間を計測する第二の計測工程と、この計測結
果を、流入ガスの濃度を一方軸・時間を他方軸とした座
標とすると共に、この座標を通り、かつ、第一の計測値
処理工程特定直線と同一の傾きの直線を特定する第二の
計測値処理工程と、第二の計測値処理工程特定直線の線
分に基づく使用途中のエアフィルタの濾過材余命の判定
工程とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、使用途中のエア
フィルタの余命、すなわち、当該エアフィルタの二次側
における特定ガスの濃度が所定値以上となる当該エアフ
ィルタのいわゆる破過までの時間を判定する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】種々の施設、設備、装置などにおいて用
いられるエアフィルタにあっては、当該施設などの性質
に応じて、除去が予定されるガスを除去が予定される濃
度、すなわち所定値まで除去することが要求され、当該
エアフィルタの二次側のガス濃度がかかる所定値以上と
なったとき、当該エアフィルタは破過、すなわち、寿命
が尽きた状態とされ、エアフィルタの交換が必要とな
る。
【0003】しかるに、施設などの性格によっては、か
かる破過の前段階でエアフィルタの交換を必要とする場
合がある。また、エアフィルタの交換中は、施設などの
中での製品の製造、組み立てをなすことができないよう
な施設にあっては、生産計画にエアフィルタの交換時期
も組み入れられている必要がある。こうしたことから、
使用途中のエアフィルタの余命がどれだけあるのかが重
大な関心事となっている。
【0004】エアフィルタの寿命は、当該エアフィルタ
を構成する濾過材の量と、当該エアフィルタに流入され
る大気の流量、当該大気に含まれる捕捉、除去が必要と
されるガスの濃度により主として決せられる。
【0005】したがって、エアフィルタの用いられる環
境にある大気を分析し、この大気に含まれる除去が必要
とされるガスの濃度を特定し、かかる濃度のガスが所定
の流量で流入され続けた場合にどれだけの期間、エアフ
ィルタを構成する濾過材が前記二次側のガス濃度を所定
値以下に押さえ続けるのかを計算することで、かかるエ
アフィルタの寿命をある程度予測することは可能であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、大気中には、
前記施設などの性質により除去が必要とされる特定のガ
ス以外の様々なガスが含まれており、これらのガスもエ
アフィルタを構成する濾過材に捕捉、除去され、したが
って、かかる濾過材を劣化させ、エアフィルタの寿命を
削る要因となっている。また、化学反応を伴う吸着剤よ
りなる、あるいは、含む濾過材にあっては、季節変化な
どに伴う温度、湿度などの変動によっても劣化の進み方
に相違を生じさせる。また、これらの諸要因は、前記施
設などを巡る環境によって全く異なったものとなる。
【0007】したがって、ある特定の時期に、現に使用
途中のあるエアフィルタに送り込まれる大気を分析し
て、前記特定のガスの濃度を測定し、これに基づいてエ
アフィルタの寿命を予測することは実際上困難なもので
あった。
【0008】また、使用途中のエアフィルタを構成する
濾過材の一部を採取し、かかる濾過材に残された未劣化
部分の量を分析して、寿命を算定する手法も考えられる
が、正確な分析は困難であり、したがって、算定結果も
確実なものとは言い難かった。
【0009】そこでこの発明は、使用途中のエアフィル
タの余命を容易かつ確実に判定することが可能な判定方
法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明では、エアフィルタの余命判定方法を、所
定濃度のガスを、当該ガスの濃度を変えて三種以上用意
すると共に、前記ガスの通過に伴って当該ガスを組成す
る物質を捕捉する濾過材を収め入れた測定管を用意し、
前記ガスを前記測定管に所定の流量流入させ、当該測定
管から流れ出るガスの濃度が所定値となった時間を、当
該三種以上のガスのそれぞれについて計測する第一の計
測工程と、この第一の計測工程の計測結果を、前記測定
管に流入される前記ガスの濃度を一方軸とし、かつ、時
間を他方軸とした各座標とし、この各座標を通る直線の
傾きを特定する第一の計測値処理工程と、使用途中のエ
アフィルタを構成する濾過材の一部を採取し、前記第一
の計測工程と同一の条件で前記測定管と同一の測定管内
に収め入れ、前記ガスと同一のガスを所定の濃度として
前記第一の計測工程と同一の条件で当該測定管に流入さ
せ、当該測定管から流れ出るガスの濃度が所定値となる
時間を計測する第二の計測工程と、この第二の計測工程
の計測結果を、前記測定管に流入される前記ガスの濃度
を一方軸とし、かつ、時間を他方軸とした座標とすると
共に、この座標を通り、かつ、前記第一の計測値処理工
程において特定された直線と同一の傾きを備えた直線を
特定する第二の計測値処理工程と、第二の計測値処理工
程により特定された直線の線分に基づいて使用途中のエ
アフィルタの濾過材の余命を判定する判定工程とからな
るものとした。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の典型的な実施の
形態について説明する。
【0012】この発明にかかるエアフィルタの余命判定
方法は、実際に使用されているエアフィルタの余命、す
なわち、当該エアフィルタを構成する濾過材が次第に劣
化して行くことにより、当該エアフィルタにより捕捉、
除去することが予定されているガスの濃度が、当該エア
フィルタの二次側において所定値以上となるいわゆるエ
アフィルタの破過の時期があとどのくらいの時間で到来
するかを容易、かつ、確実に判定し得るものである。
【0013】ここで本明細書において濾過材とは、エア
フィルタの一次側のエアに含まれる特定のガス(例え
ば、SOX 、NOX 、アンモニアガス等)から、当該ガ
スを組成する物質を捕捉して、当該エアフィルタの二次
側のエアに含まれる特定のガス濃度を所定値まで下げる
機能を有するものを意味する。前記捕捉は、前記濾過材
に、前記ガスを組成する物質を物理的に吸着する作用、
酸化還元反応、中和反応、触媒分解作用などの化学的に
吸着する作用のいずれか一つ以上の作用をもたせること
により達成することができる。
【0014】また、前記エアフィルタの破過とされる当
該エフィルターの二次側のガスの濃度は、当該エアフィ
ルタの用いられる施設、設備などにより異なり、前記所
定値とはこうした施設、設備など毎に要求される前記エ
アフィルタの二次側のガス濃度の値を意味している。
【0015】この発明にかかるエアフィルタの余命判定
方法は、以下の各工程よりなる。(1)所定濃度のガス
を、当該ガスの濃度を変えて三種以上用意すると共に、
前記ガスの通過に伴って当該ガスを組成する物質を捕捉
する濾過材を収め入れた測定管を用意し、前記ガスを前
記測定管に所定の流量流入させ、当該測定管から流れ出
るガスの濃度(出口側ガスの濃度)が所定値となった時
間t1,t2,t3…tnを、当該三種以上のガスA
1,A2,A3…Anのそれぞれについて計測する第一
の計測工程
【0016】(2)この第一の計測工程の計測結果を、
前記測定管に流入される前記ガスの濃度(入口側ガスの
濃度)を一方軸とし、かつ、時間を他方軸とした各座標
Δ1,Δ2,Δ3…Δnとし、この各座標Δ1,Δ2,
Δ3…Δnを通る直線L1の傾きを特定する第一の計測
値処理工程
【0017】(3)使用途中のエアフィルタを構成する
濾過材の一部を採取し、前記第一の計測工程と同一の条
件で前記測定管と同一の測定管内に収め入れ、前記ガス
と同一のガスを所定の濃度のガスB1として前記第一の
計測工程と同一の条件で当該測定管に流入させ、当該測
定管から流れ出るガスの濃度が所定値となる時間tbを
計測する第二の計測工程
【0018】(4)この第二の計測工程の計測結果を、
前記測定管に流入される前記ガスの濃度を一方軸とし、
かつ、時間を他方軸とした座標Δbとすると共に、この
座標Δbを通り、かつ、前記第一の計測値処理工程にお
いて特定された直線L1と同一の傾きを備えた直線L2
を特定する第二の計測値処理工程
【0019】(5) 第二の計測値処理工程により特定
された直線L2の線分に基づいて使用途中のエアフィル
タの濾過材の余命を判定する判定工程
【0020】(第一の計測工程)先ず、第一の計測工程
では、同種のガスであって、濃度を異にする複数のガス
A1,A2,A3…Anを、余命を判定する必要のある
使用途中のエアフィルタには使用されていないが、当該
エアフィルタを構成する濾過材と同一の未使用の濾過材
を収めた前記測定管に流入させた場合に、当該測定管の
出口側の当該ガスの濃度が前記所定値になるまでの時間
を当該複数のガスA1,A2,A3…An毎に計測する
ことができる。
【0021】図1は、かかる第一の計測工程による想定
される典型的な計測結果を示したグラフであり、縦軸を
測定管の出口側ガスの濃度とし、横軸を当該測定管への
通気時間としてある。前記ガスの濃度が高い程、出口側
の濃度が前記所定値に到達する時間が短くなることが認
められる。(ガスA1、A2、A3…Anの濃度は、ガ
スA1>A2>A3…>Anの関係にある。)
【0022】この第一の計測工程における測定管に収め
入れる濾過材の容量と余命の判定が必要とされるエアフ
ィルタを構成する濾過材の容量との比と、測定管へのガ
スの流量・流速と当該エアフィルタへの空気の流量・流
速の比とを一致させて、この第一の計測工程をなすこと
により、この第一の計測工程の結果は同一の条件で前記
ガスをまだ使用されていない前記エアフィルタに対し流
入させた場合の結果とみなすことができる。
【0023】(第一の計測値処理工程)次いで、第一の
計測値処理工程では、前記測定管への入口側ガスの濃度
変化に応じた出口側ガスの濃度の前記所定値に達する時
間を、前記第一の計測工程において用いた濃度以外の当
該第一の計測工程で用いたガスと同種のガスを当該測定
管に流入させた場合も含めて推定することができる。
【0024】図2は、かかる第二の計測値処理工程によ
る想定される典型的な処理結果を示したグラフであり、
縦軸を測定管の入口側ガスの濃度とし、横軸を当該測定
管への通気時間としてある。第一の計測工程の結果をか
かるグラフ上の座標Δ1,Δ2,Δ3…Δnとして特定
すると、これらの座標は略同一の直線L1上に位置する
ことが認められる。入口側ガスの濃度に応じた時間で前
記測定管に収められた濾過材は劣化されていくからであ
る。したがって、かかる直線により、第一の計測工程に
より計測しなかった濃度に入口側のガスの濃度を設定し
た場合に、出口側のガスの濃度が前記所定値に達する時
間を想定することができる。
【0025】この第一の計測値処理工程は、余命の判定
が必要とされる前記エアフィルタに前記ガスを流入させ
た場合の結果と同視できる第一の測定工程に基づくもの
であるので、この第一の計測値処理工程により得られる
結果も当該エアフィルタに適用できるものとなる。
【0026】すなわち、以上に説明した前記第一の計測
工程および第一の計測値処理工程により、ある特定のガ
スを前記エアフィルタに流入させた場合、当該エアフィ
ルタの二次側におけるガス濃度が前記所定値にいつ達す
るかを、一次側のガス濃度に応じて的確に予想すること
が可能となる。例えば、図2において、入口側濃度を実
際には計測に用いられていない濃度(例えば、ガスA
n)とした場合の前記所定値に達する時間(tn)も、
前記直線上においてかかる濃度の座標(Δn)位置にあ
る時間の座標(tn)から、容易に導き出すことができ
る。
【0027】特に、前記エアフィルタにより捕捉、除去
が要求されるガスは、実際にエアフィルタに送り込まれ
る大気中にあっては極めて希薄な濃度で存在するもので
あるため(例えば、SOX においては、大気中に5pp
b程度)、かかる実際の濃度と同濃度のガスを用いて計
測をするとすると前記所定値に達するまで多大な時間を
要し、実際上かかる計測はなし得ないものであるが、前
記第一の計測工程および第一の計測値処理工程によれば
大気中には存在しない濃度の特定のガスを用いることに
より(例えば、SOX にあっては、5ppmの濃度とす
ることにより)、短時間にかかる計測をなし得、その結
果を極めて希薄な濃度の特定ガスがエアフィルタに流入
された場合についても適用することができる。
【0028】(第二の計測工程)次いで、第二の計測工
程では、ある所定の濃度のガスB1であって、前記第一
の計測工程で使用したガスを、使用途中のエアフィルタ
を構成する濾過材から採取した濾過材を収めた計測管に
流入させた場合の、当該測定管の出口側の当該ガスの濃
度が前記所定値になるまでの時間tbを計測することが
できる。
【0029】図3は、かかる第二の計測工程による想定
される典型的な計測結果を示したグラフであり、縦軸を
測定管の出口側ガスの濃度とし、横軸を当該測定管への
通気時間としてある。
【0030】この第二の計測工程における測定管に収め
入れる濾過材の容量と測定管へのガスの流量・流速とを
第一の計測工程と同一の条件としてこの第二の計測工程
をなすことにより、この第二の計測工程の結果は前記ガ
スを使用途中のエアフィルタに流入させた場合の結果と
みなすことができる。
【0031】(第二の計測値処理工程)次いで、第二の
計測値処理工程では、前記測定管への入口側の濃度変化
に応じた出口側の濃度の前記所定値に達する時間tbn
を、前記第二の計測工程において用いた濃度以外のガス
Bnを当該測定管に流入させた場合も含めて推定するこ
とができる。
【0032】図4は、かかる第二の計測値処理工程によ
る典型的な処理結果を示したグラフであり、縦軸を測定
管の入口側ガスの濃度とし、横軸を当該測定管への通気
時間としてある。
【0033】先ず、第二の計測工程の結果をグラフ上の
座標Δbとして特定する。次いで、この座標Δbを通
り、かつ、前記第一の計測値処理工程により得られた前
記直線L1と同一の傾きの直線L2を特定する。
【0034】したがって、かかる直線L2により、第二
の計測工程により計測しなかった濃度に入口側のガスの
濃度を設定した場合に、(すなわち、ガスBn)出口側
のガスの濃度が前記所定値に達する時間tbnを想定す
ることができる。
【0035】すなわち、第一の計測工程で用いた濾過材
と第二の計測工程において用いた濾過材とは、第二の計
測工程で用いた濾過材が使用途中のエアフィルタから採
取されてきたものである点を除き同一のものである。し
たがって、第一の計測工程で用いたガスと同一種類のガ
スを流入させて得られた第二の計測工程の結果を特定す
る前記座標Δbが一点であっても、この座標Δbを通る
前記直線L2を、濃度を異にする複数のガスを第二の計
測工程で用いた濾過材を収めた計測管に流入して得られ
る場合の、当該複数のガスごとに異なる前記所定値の到
達時間に対応した複数の座標間を結ぶ直線と想定するこ
とができる。
【0036】また、この第二の計測値処理工程は、余命
の判定が必要とされる前記エアフィルタに流入させた場
合の結果と同視できる第二の測定工程に基づくものであ
るので、この第二の計測値処理工程により得られる結果
も当該エアフィルタに適用できるものとなる。
【0037】(判定工程)最後に、前記第二の計測値処
理工程により得られた直線L2の線分に基づいて使用途
中のエアフィルタの濾過材の余命、すなわち、当該エア
フィルタの余命を判定する。
【0038】すなわち、前記第二の計測工程および第二
の計測値処理工程により、ある特定のガスを前記使用途
中のエアフィルタに流入させた場合、当該使用途中のエ
アフィルタの二次側におけるガス濃度が前記所定値にい
つ達するかを、一次側のガス濃度に応じて的確に予想す
ることが可能となる。例えば、図4において、入口側濃
度を実際には計測に用いられていない濃度(例えばガス
Bn)とした場合の前記所定値に達する時間tbも、前
記直線L2上においてかかる濃度の座標位置にある時間
の座標(すなわち、座標Δbnにおけるtbn)から、
容易に導き出すことができる。
【0039】特に、前記エアフィルタにより捕捉、除去
が要求されるガスは、実際にエアフィルタに送り込まれ
る大気中にあっては極めて希薄な濃度で存在するもので
あるため、かかる実際の濃度と同濃度のガスを用いて計
測をするとすると前記所定値に達するまで多大な時間を
要し、実際上かかる計測はなし得ないものであるが、前
記第二の計測工程および第二の計測値処理工程によれば
大気中には存在しない濃度のガスを用いることにより、
短時間にかかる計測をなし得、その結果を極めて希薄な
濃度のガスについても適用することができる。
【0040】ここで、第二の測定工程に用いた濾過材
は、既に使用されていることによる劣化分、第一の測定
工程に用いられる濾過材よりも破過時期が早く到来す
る。すなわち、図4に示されるように、第二の計測値処
理工程で得られた直線L2は第一の計測値処理工程で得
られた直線L1の下側に位置される。
【0041】したがって、前記第二の計測工程に用いら
れるガスは、実際の大気とは異なる特定されたガスでは
あるが、前記両直線L1、L2の偏差(図4において符
号Sで示す差)を、それまで使用してきたことに伴う濾
過材の劣化分、および、実際の大気に含まれるその他の
ガスによる劣化分とみなすことができるので、前記第二
の計測値処理工程により得られた直線L2の線分に基づ
いて使用途中のエアフィルタの余命の判定を実情に則し
て的確になすことができる。
【0042】すなわち、この実施の形態にかかる判定方
法によれば、使用途中のエアフィルタを構成する濾過材
の一部を測定管に収め、この測定管に、特定種類のガス
を比較的濃密な特定濃度で流入させる測定を少なくとも
一回行うだけで、実際の大気が流入される前記使用途中
のエアフィルタの余命を的確に予想することができる特
長を有する。
【0043】図5は、前記第一の計測工程および前記第
二の計測工程を実施するのに適した測定機構の概要の一
例を示したものである。
【0044】図中、符号1はコンプレッサー、符号2は
湿度調整トラップ、符号3は温湿度センサー、符号4は
温湿度計、符号5はガスボンベ、符号6は流量計、符号
7はガス混合カラム、符号8は測定管とされるカラム、
符号9は入口側ガス濃度の測定口、符号10は出口側ガ
ス濃度の測定口、符号11は流量計である。
【0045】カラム8に第一の計測工程に用いられる濾
過材または第二の計測工程に用いられる濾過材を収め
る。
【0046】コンプレッサー1で得られた空気を温湿度
センサー3で感知した温湿度計4のモニタを観察しなが
ら、湿度調整トラップ2によって指定湿度に調節してガ
ス混合カラム7に送り込む。
【0047】一方、流量計6により調整した特定のガス
を特定の量ガスボンベ5からガス混合カラム7に送り込
み、ガス混合カラム7内で特定の濃度とされたガスを前
記カラム8の一端側から当該カラム8に送り込む。
【0048】このように送り込まれたガスの流量を、カ
ラム8の出口側に連通された流量計11で確認する。
【0049】また、カラム8の入口側と出口側にそれぞ
れ設けられたガス濃度の測定口9、10から得られるガ
スの濃度を適宜のガス濃度の分析手段(例えば、ガスク
ロマトグラフ)により測定する。
【0050】したがって、かかる測定機構によれば、前
記第一の計測工程および第二の計測工程を適切に実施す
ることが可能となる。
【0051】なお、少なくとも、第一の計測工程の実施
にあっては、濃度を異にするガス毎に前記カラム8に収
める濾過材を取り替えて、かかる計測を行うこととな
る。
【0052】
【実施例】この発明にかかるエアフィルタの余命判定方
法の実施例について説明する。
【0053】(1)第一の計測工程 5ppmのSO2 ガス、100ppmのSO2 ガス、3
00ppmのSO2 ガスを用意した。湿度は、50RH
%とした。
【0054】直径25mmの三本のカラムを用意し、そ
れぞれのカラム中に、濾過材として、未使用の日本ピュ
アテック株式会社製の空気清浄剤ピュアライトE5(な
お、ピュアライトは同社の商標名である。)を120.
05cm3 封入して用意した。
【0055】前記各濃度のガスをそれぞれ各別の前記カ
ラムに対し、当該カラムの一方から毎分10リットル送
り込み、当該カラムの他方から送り出されてくるガスの
濃度(出口側ガスの濃度)を測定した。
【0056】測定には、日本サーモエレクトロン株式会
社製のSO2 自動分析計モデル43S型を用いた。
【0057】前記各濃度のガス毎に、横軸を通気時間と
し、縦軸を出口側ガスの濃度とするグラフに測定結果を
表した。(図6・なお、同図ないし図9は、いずれも対
数目盛りによるグラフとなっている。)
【0058】(2)第一の計測値処理工程 前記第一の計測工程に基づき、前記カラムに送り込まれ
るガスの濃度(入口側ガスの濃度)を縦軸、時間を横軸
とするグラフに、出口側ガスの濃度が1ppbとなった
時間に対応した座標を特定した。
【0059】各座標は、略同一の直線上に位置されるこ
とが認められ、この直線Xを特定することができた。
(図7)
【0060】(3)第二の計測工程 50ppmのSO2 ガスを用意した。湿度は、50RH
%とした。
【0061】直径25mmのカラムを用意し、当該カラ
ム中に濾過材として、使用中のエアフィルタに収められ
ている日本ピュアテック株式会社製の空気清浄剤ピュア
ライトE5から採取してきたものを120.05cm3
封入して用意した。採取には、円すい四分方法(JIS
規格番号・JISK0060)を用いた。
【0062】前記ガスを前記カラムに対し、当該カラム
の一方から毎分10リットル送り込み、当該カラムの他
方から送り出されてくるガスの濃度(出口側ガスの濃
度)を測定した。
【0063】測定には、日本サーモエレクトロン株式会
社製のSO2 自動分析計モデル43S型を用いた。
【0064】前記各濃度のガス毎に、横軸を通気時間と
し、縦軸を出口側ガスの濃度とするグラフに測定結果を
表した。(図8)
【0065】(4)第二の計測値処理工程 前記第二の計測工程に基づき、第一の計測値処理工程と
同一の前記カラムに送り込まれるガスの濃度を縦軸、時
間を横軸とするグラフに、出口側濃度が1ppbとなっ
た時間に対応した座標を特定した。
【0066】次いで、第一の計測値処理工程で特定され
た直線と平行で、かつ、前記座標を通る直線を特定し
た。(図9)
【0067】(5)判定工程 第二の計測値処理工程により得られた直線によれば、S
2 の入口側濃度を10ppbとするガスについては、
およそ82.000時間出口側濃度を1ppb以下とで
きることが認められた。(図9)
【0068】
【発明の効果】この発明にかかるエアフィルタの余命判
定方法によれば、実際に使用されているエアフィルタの
余命、すなわち、当該エアフィルタを構成する濾過材が
次第に劣化して行くことにより、当該エアフィルタによ
り捕捉、除去することが予定されているガスの濃度が、
当該エアフィルタの二次側において所定値以上となるい
わゆるエアフィルタの破過の時期があとどのくらいの時
間で到来するかを容易、かつ、確実に判定することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の計測工程の想定される計測結果を示す説
明図
【図2】第一の計測値処理工程の想定される処理結果を
示す説明図
【図3】第二の計測工程の想定される計測結果を示す説
明図
【図4】第二の計測値処理工程の想定される処理結果を
示す説明図
【図5】本願発明の実施に適した装置構成の概要を示す
説明図
【図6】第一の計測工程の計測結果を示すグラフ
【図7】第一の計測値処理工程の処理結果を示すグラフ
【図8】第二の計測工程の計測結果を示すグラフ
【図9】第二の計測値処理工程の処理結果を示すグラフ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定濃度のガスを、当該ガスの濃度を変
    えて三種以上用意すると共に、前記ガスの通過に伴って
    当該ガスを組成する物質を捕捉する濾過材を収め入れた
    測定管を用意し、前記ガスを前記測定管に所定の流量流
    入させ、当該測定管から流れ出るガスの濃度が所定値と
    なった時間を、当該三種以上のガスのそれぞれについて
    計測する第一の計測工程と、 この第一の計測工程の計測結果を、前記測定管に流入さ
    れる前記ガスの濃度を一方軸とし、かつ、時間を他方軸
    とした各座標とし、この各座標を通る直線の傾きを特定
    する第一の計測値処理工程と、 使用途中のエアフィルタを構成する濾過材の一部を採取
    し、前記第一の計測工程と同一の条件で前記測定管と同
    一の測定管内に収め入れ、前記ガスと同一のガスを所定
    の濃度として前記第一の計測工程と同一の条件で当該測
    定管に流入させ、当該測定管から流れ出るガスの濃度が
    所定値となる時間を計測する第二の計測工程と、 この第二の計測工程の計測結果を、前記測定管に流入さ
    れる前記ガスの濃度を一方軸とし、かつ、時間を他方軸
    とした座標とすると共に、この座標を通り、かつ、前記
    第一の計測値処理工程において特定された直線と同一の
    傾きを備えた直線を特定する第二の計測値処理工程と、 第二の計測値処理工程により特定された直線の線分に基
    づいて使用途中のエアフィルタの濾過材の余命を判定す
    る判定工程とからなることを特徴とするエアフィルタの
    余命判定方法。
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