JPH10257015A - スペクトラム拡散復調回路及びスペクトラム拡散通信装置 - Google Patents

スペクトラム拡散復調回路及びスペクトラム拡散通信装置

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JPH10257015A
JPH10257015A JP9060340A JP6034097A JPH10257015A JP H10257015 A JPH10257015 A JP H10257015A JP 9060340 A JP9060340 A JP 9060340A JP 6034097 A JP6034097 A JP 6034097A JP H10257015 A JPH10257015 A JP H10257015A
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JP
Japan
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spread spectrum
surface acoustic
acoustic wave
circuit
signal
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JP9060340A
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Seishi Tomari
聖之 泊
Naoki Koga
直樹 古賀
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面弾性波遅延線における遅延量の温度変化
を抑制して適正な積算波形を出力することができるスペ
クトラム拡散復調回路を提供することを目的とする。 【解決手段】 表面弾性波マッチドフィルタ1と、表面
弾性波遅延線4と、第1の相関信号に遅延を生じさせる
第1の整合回路3と、第2の相関信号に遅延を生じさせ
る第2の整合回路6と、第1の整合回路から出力される
第1の相関信号と第2の整合回路6から出力される第2
の相関信号とを積算する積算回路7とを有し、スペクト
ラム拡散信号sの復調を行うスペクトラム拡散復調回路
であって、第1の整合回路3における遅延量と第2の整
合回路6における遅延量との差分の温度変化は、表面弾
性波遅延線4に用いる圧電性基板16の温度係数による
表面弾性波遅延線4の遅延量の温度変化を相殺する変化
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペクトラム拡散
通信装置及びスペクトラム拡散通信装置に用いられるス
ペクトラム拡散復調回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、雑音に強く、秘話性、秘匿性に優
れたスペクトラム拡散通信方式が民生用の通信方式とし
て注目されている。スペクトラム拡散通信方式では、伝
送すべき情報をキャリア信号で変調した搬送波に対し
て、あらかじめ決められたチップレートの高い所定の符
号系列でスペクトラム拡散変調をかけることにより、送
信信号となるスペクトラム拡散信号が得られる。この場
合、上述の符号系列として、疑似雑音符号系列(PN符
号系列)やバーカ符号系列があり、スペクトラム拡散変
調方式として、直接拡散方式(DS方式)や周波数ホッ
ピング方式がある。
【0003】このようなスペクトラム拡散通信方式にお
いては、送信されてきたスペクトラム拡散信号を復調す
るための復調装置が受信機側に必要になる。例えばPN
符号系列を用いてDS方式によりスペクトラム拡散変調
を行った場合、受信機側では送信機側と同一のPN符号
系列を用いて復調を行う。このとき使用する復調装置
は、ICを用いた復調装置と表面弾性波素子を用いた復
調装置とに大別される。
【0004】復調装置に使用される表面弾性波素子は、
フォトリソグラフィ技術を用いることにより、安価に、
しかも簡単な構成で復調装置を実現できることから、注
目されている。
【0005】表面弾性波素子はその構成から、表面弾性
波マッチドフィルタと表面弾性波コンボルバとに区別さ
れる。表面弾性波コンボルバは、復調するためのPN符
号系列が選択できるため、特に秘話性や秘匿性が求めら
れる用途に適している。表面弾性波マッチドフィルタ
は、復調に用いるPN符号系列は固定であるが、そのぶ
ん周辺回路が簡単に構成でき、システム全体として低価
格にできることから、小規模なスペクトラム拡散通信シ
ステム、例えば構内無線LANなどに用いる表面弾性波
素子として注目されている。
【0006】図7は、一般的なスペクトラム拡散復調回
路を示すブロック図であり、2相位相変調方式に対応し
た表面弾性波マッチドフィルタを用いたDS方式用の遅
延検波方式の復調回路を示す。図7において、61は表
面弾性波マッチドフィルタ、62は受信・復調する信号
の一周期分「T」の遅延量を持つ表面弾性波遅延線、6
3は表面弾性波マッチドフィルタ61及び表面弾性波遅
延線62から出力される相関信号を積算する回路、64
は表面弾性波マッチドフィルタ61の入力電極用整合回
路、65は表面弾性波マッチドフィルタ61の出力電極
用整合回路、66は表面弾性波遅延線62の入力電極用
整合回路、67は表面弾性波遅延線62の出力電極用整
合回路である。一般的に整合回路64、65、66、6
7は各電極のインピーダンスの整合をとるためにインダ
クタを直列や並列に構成している。
【0007】以上のように構成されたスペクトラム拡散
復調回路の動作について簡単に説明する。表面弾性波マ
ッチドフィルタ61に入力されたスペクトラム拡散信号
(受信したスペクトラム拡散電波信号を周波数変換して
得られた信号)sは表面弾性波マッチドフィルタ61に
より相関信号に変換される。相関信号を2系統に分岐し
た一方の相関信号mは直接積算回路63に入力される。
もう一方の相関信号mは表面弾性波遅延線62に入力さ
れ一周期分「T」遅延された後、積算回路63に入力さ
れる。積算回路63では相関信号mと一周期遅れた相関
信号nの積が行われ復調信号が得られる。この様子を図
8に示す。
【0008】図8(a)〜(g)は図7のスペクトラム
拡散復調回路の動作を説明するためのタイミング図であ
る。例えば入力データD1として図8(a)に示すよう
に”1011101110”を考えてみると、まず送信
側で入力データは和文変換され、図8(b)のような送
信データD2”1101001011”となる。送信側
では2相位相変調を行い、送信データの”0”,”1”
を位相”0”,”π”に対応させて送信する。受信側で
は表面弾性波マッチドフィルタ61からの相関信号mは
送信側での位相状態を保持したまま図8(c)のように
なり、表面弾性波遅延線62からの相関信号nは1周期
遅延されて図8(d)のようになる。積算回路63では
相関信号m,nを積算し、図8(e)のような積算波形
S1が得られ、+側を”1”に−側を”0”に対応させ
ることにより入力データを復調できる。
【0009】このような積算回路を用いた遅延検波方式
では、相関信号mと相関信号nとの遅延量が非常に重要
である。例えば、データの伝送速度として1Mbpsを
用い、キャリア周波数として200MHzを用いた場
合、相関信号nは相関信号mに対して1μsec遅れて
いる必要があるが、この遅れ量が1.25nsec(キ
ャリア周波数の1/4周期)ずれてしまうと積算波形S
2は図8(f)に示すようになり、2.5nsec(キ
ャリア周波数の1/2周期)ずれてしまうと積算波形S
3は図8(g)のように全く逆の波形となってしまう。
【0010】この遅延量は表面弾性波遅延線62に用い
た圧電性基板の表面弾性波の速度に応じて、所定の遅延
量が得られるように、圧電性基板上の入出力電極パター
ン間の距離で決定されている。しかし、表面弾性波遅延
線62を構成する圧電性基板上を伝搬する表面弾性波の
速度は温度に依存して各種圧電性基板特有の温度係数を
持って変化するため、基板上の入出力電極パターンで決
定した一定の距離を表面弾性波が伝搬する時間すなわち
遅延量が温度に対して表面弾性波の温度係数に依存した
変化をするという問題があった。
【0011】また、圧電性基板における遅延量の温度変
化を抑制しようとすると、各種圧電性基板の中で表面弾
性波の温度係数が小さい基板及びカット面を選択する必
要が生じるので、他の特性を犠牲にした基板選択をする
必要があり、例えば電気機械結合係数が小さいために素
子出力が低く、そのため復調回路において特別な信号増
幅器が必要になる等の問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のス
ペクトラム拡散復調回路では、表面弾性波遅延線を構成
する圧電性基板上を伝搬する表面弾性波速度が温度に依
存、したがって表面弾性波遅延線における遅延量が温度
に依存することにより安定した遅延量、正確な復調信号
が得られない場合があるという問題点を有し、また、圧
電性基板における遅延量の温度変化を抑制しようとする
と、基板及びカット面を選択する必要が生じるので、他
の特性を犠牲にした基板選択をする必要があるという問
題点を有していた。
【0013】このスペクトラム拡散復調回路およびスペ
クトラム拡散通信装置では、表面弾性波遅延線における
遅延量の温度変化を抑制して適正な積算波形を出力する
ことができることが要求されている。
【0014】本発明は、表面弾性波遅延線における遅延
量の温度変化を抑制して適正な積算波形を出力すること
ができるスペクトラム拡散復調回路、および、表面弾性
波遅延線における遅延量の温度変化を抑制して適正な積
算波形を出力することができるスペクトラム拡散回路を
有するスペクトラム拡散通信装置を提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の請求項1に記載のスペクトラム拡散復調回路
は、スペクトラム拡散信号を入力して第1の相関信号を
出力する表面弾性波マッチドフィルタと、第1の相関信
号を遅延させた第2の相関信号を出力する表面弾性波遅
延線と、第1の相関信号出力のインピーダンス整合を取
るための第1の整合回路と、第2の相関信号出力のイン
ピーダンス整合を取るための第2の整合回路と、第1の
整合回路から出力される第1の相関信号と第2の整合回
路から出力される第2の相関信号とを積算する積算回路
とを有し、スペクトラム拡散信号の復調を行うスペクト
ラム拡散復調回路であって、第1の整合回路におけるリ
アクタンス分の温度変化と第2の整合回路におけるリア
クタンス分の温度変化との差分に応じた遅延量変化が、
表面弾性波遅延線に用いる圧電性基板の温度係数による
表面弾性波遅延線の遅延量の温度変化を相殺する変化で
ある構成を備えている。
【0016】これにより、表面弾性波遅延線における遅
延量の温度変化を抑制して適正な積算波形を出力するこ
とができるスペクトラム拡散復調回路が得られる。
【0017】この目的を達成するための本発明の請求項
2に記載のスペクトラム拡散通信装置は、受信したスペ
クトラム拡散電波信号をスペクトラム拡散信号に変換す
る送受信周波数変換部と、スペクトラム拡散信号を元の
信号に復調するスペクトラム拡散復調部とを有するスペ
クトラム拡散通信装置であって、スペクトラム拡散復調
部は請求項1に記載のスペクトラム拡散復調回路を用い
て復調を行う構成を備えている。
【0018】これにより、表面弾性波遅延線における遅
延量の温度変化を抑制して適正な積算波形を出力するこ
とができるスペクトラム拡散回路を有するスペクトラム
拡散通信装置が得られる
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、スペクトラム拡散信号を入力して第1の相関信号を
出力する表面弾性波マッチドフィルタと、第1の相関信
号を遅延させた第2の相関信号を出力する表面弾性波遅
延線と、第1の相関信号出力のインピーダンス整合を取
るための第1の整合回路と、第2の相関信号出力のイン
ピーダンス整合を取るための第2の整合回路と、第1の
整合回路から出力される第1の相関信号と第2の整合回
路から出力される第2の相関信号とを積算する積算回路
とを有し、スペクトラム拡散信号の復調を行うスペクト
ラム拡散復調回路であって、第1の整合回路におけるリ
アクタンス分の温度変化と第2の整合回路におけるリア
クタンス分の温度変化との差分に応じた遅延量変化が、
表面弾性波遅延線に用いる圧電性基板の温度係数による
表面弾性波遅延線の遅延量の温度変化を相殺する変化で
あることとしたものであり、第1の整合回路と第2の整
合回路との遅延量の差分の温度変化は表面弾性波遅延線
の遅延量の温度変化を相殺し、積算回路に入力される第
1と第2の相関信号の位相差の温度変化による増加が抑
制されるという作用を有する。
【0020】請求項2に記載の発明は、受信したスペク
トラム拡散電波信号をスペクトラム拡散信号に変換する
送受信周波数変換部と、スペクトラム拡散信号を元の信
号に復調するスペクトラム拡散復調部とを有するスペク
トラム拡散通信装置であって、スペクトラム拡散復調部
は請求項1に記載のスペクトラム拡散復調回路を用いて
復調を行うこととしたものであり、積算回路に入力され
る第1と第2の相関信号の位相差の温度変化による増加
が抑制され、適正な積算波形が出力され、エラーレート
が小さくなるという作用を有する。
【0021】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図6を用いて説明する。 (実施の形態1)図1は、本発明の実施の形態1による
スペクトラム拡散復調回路を示す構成図であり、2相位
相変調方式のスペクトラム拡散復調回路を示す。図1に
おいて、1は表面弾性波マッチドフィルタ、2はスペク
トラム拡散信号sが入力される表面弾性波マッチドフィ
ルタ1の入力電極用整合回路、3は表面弾性波マッチド
フィルタ1の出力電極用整合回路(第1の整合回路)、
4は表面弾性波遅延線、5は表面弾性波遅延線4の入力
電極用整合回路、6は表面弾性波遅延線4の出力電極用
整合回路(第2の整合回路)、7は出力電極整合回路3
と出力電極整合回路6から出力される第1の相関信号m
と第2の相関信号nを積算する積算回路である。また、
表面弾性波マッチドフィルタ1において、11は水晶等
からなる圧電性基板、12はAl,Au等の電気抵抗の
小さな金属からなる信号入力用符号化電極、13はA
l,Au等の電気抵抗の小さな金属からなる出力用櫛形
電極、14はAl,Au等の電気抵抗の小さな金属から
なるアースパターン、15は不要表面弾性波を吸収する
ための吸音材であり、表面弾性波遅延線4において、1
6は水晶等からなる圧電性基板、17はAl,Au等の
電気抵抗の小さな金属からなる信号入力用櫛形電極、1
8はAl,Au等の電気抵抗の小さな金属からなる出力
用櫛形電極、19はAl,Au等の電気抵抗の小さな金
属からなるアースパターン、20は不要表面弾性波を吸
収するための吸音材である。
【0022】次に、表面弾性波マッチドフィルタ1、表
面弾性波遅延線4の構成について説明する。図1におい
て水晶等からなる圧電性基板11上に、電気信号を表面
弾性波に変換する信号入力用符号化電極12と、信号入
力用符号化電極12から所定間隔離れて表面弾性波を電
気信号に変換する出力用櫛形電極13が設けられ、信号
入力用符号化電極12、出力用櫛形電極13を囲むよう
に電磁誘導ノイズを低減する目的でアースパターン14
が設けられ、さらに、信号入力用符号化電極12、出力
用櫛形電極13の外側には不要表面弾性波を吸収する目
的で吸音材15が形成され、表面弾性波マッチドフィル
タ1が構成されている。この時、符号系列としてnビッ
トのPN符号系列を用いた場合、信号入力用符号化電極
12はPN符号系列に対応してn個の櫛形電極対を持
ち、各櫛形電極対はチップレートに対応した間隔離れて
形成される。この時、信号入力用符号化電極12の各ビ
ットに対応する櫛形電極対の電極指対の数を1対より多
くキャリア周波数とチップレートとの比(キャリア周波
数/チップレート)以下の数に設定している。本実施の
形態の場合、キャリア周波数200MHz、チップレー
ト11MHzとしたので、2対以上18対以下となる。
このような構成にすることにより電気信号を表面弾性波
に変換する効率を高くすることができる。
【0023】また、図1において、水晶等からなる圧電
性基板16上に、電気信号を表面弾性波に変換する信号
入力用櫛形電極17と受信・復調する信号の一周期分
「T」に対応する間隔離れて表面弾性波を電気信号に変
換する出力用櫛形電極18が設けられ、信号入力用櫛形
電極17、出力用櫛形電極18を囲むように電磁誘導ノ
イズを低減する目的でアースパターン19が設けられ、
さらに信号入力用櫛形電極17、出力用櫛形電極18の
外側には不要表面弾性波を吸収する目的で吸音材20が
形成され、表面弾性波遅延線14が構成されている。
【0024】このような構成のスペクトラム拡散復調回
路における遅延量は、出力電極用整合回路3からの第1
の相関信号mと出力電極用整合回路6からの第2の相関
信号nとが積算回路7に入力されるときの相関nの相関
信号mに対する時間遅れとして表される。そのため、出
力電極用整合回路3,6が同じ温度特性を持っていれ
ば、整合回路による遅延量の変化がないので、周囲温度
の変化に対する遅延量の変化はほぼ圧電性基板16の温
度係数に依存したものとなる。これに対して、本実施の
形態では、出力電極用整合回路3と6に温度特性の異な
るインダクタ及びその構成を選択し、更に周囲温度の変
化による出力電極用整合回路3と6のリアクタンス分の
差の変化に起因する遅延量変化が、圧電性基板16の温
度係数による遅延量変化を相殺するように出力電極用整
合回路3、6を構成している。
【0025】ここで、圧電性基板16としてSTカット
水晶基板を用いた場合について、図2から図4を用いて
さらに詳しく説明する。図2は本実施の形態1における
遅延量変化量の温度変化と従来のスペクトラム拡散回路
における遅延量変化量の温度変化とを対比して示すグラ
フ図であり、図3は第1の整合回路、第2の整合回路の
温度に対するリアクタンス値を示すグラフ図、図4は第
1の整合回路と第2の整合回路とのリアクタンス分の差
に対する遅延量変化量を示すグラフ図である。
【0026】図2には、周囲温度を変化させた場合に、
本実施の形態1の積算回路7に入力される相関信号m、
n間の遅延量の変化(○)と、従来例の積算回路63
(図7)に入力される相関信号m、n間の遅延量の変化
(△)を示している。本実施の形態1では、整合回路に
用いるインダクタ構成が異なるために図3に示すような
リアクタンス分の温度変化を示す出力電極用整合回路
3、6を用いた構成とし、従来例では、整合回路を同じ
インダクタの構成即ち同じ温度特性を持った整合回路6
5、67(図7)を用いた構成となっている。温度特性
が異なる構成の出力電極用整合回路3と出力電極用整合
回路6とにおいては、整合回路間のリアクタンス分の差
が図3のように温度に対して変化し、リアクタンス分の
差と遅延量の変化との間には図4に示すような関係があ
るので、周囲温度の変化に対して出力電極用整合回路3
と出力電極用整合回路6との間でリアクタンス分の差が
変化すれば、それに従って遅延量は変化している。
【0027】本実施の形態1では、圧電性基板16とし
てSTカット水晶基板を用いており、STカット水晶基
板では1次の温度係数は零であるが、2次の温度係数が
−34×10-9/℃2程度あり、周囲温度が上がれば表
面弾性波の伝搬速度が遅くなって遅延量は大きくなって
くる。従来例の整合回路では整合回路65、67の温度
特性に差がないために、積算回路63に入力される時の
遅延量の温度変化は、実質的にSTカット水晶基板の温
度係数に依存した遅延量の変化のみになる。本実施の形
態1では、図3に示すように、出力電極用整合回路6の
温度変化が出力電極用整合回路3の温度変化よりも小さ
くなるようにそれぞれの整合回路を構成して、周囲温度
が上がれば出力電極用整合回路3、6の温度特性により
遅延量が小さくなるようにしており、そのため水晶基板
の温度変化による遅延量の変化を相殺できるものであ
る。ここで、実際のスペクトラム拡散復調回路の使用温
度範囲を10℃〜70℃とすると、図2から、従来例で
は遅延量が0.07nsec程度の変化を示すのに対
し、本実施の形態1では整合回路のリアクタンス分の温
度変化が水晶基板の温度係数による変化を相殺して約
0.035nsecと半分程度に改善されていることが
わかる。
【0028】なお、本実施の形態1では、STカット水
晶基板について説明したが、従来であれば遅延量の温度
変化が大きいために使用することのできなかった4ほう
酸リチウム基板等の電気機械結合係数が大きいが温度係
数も大きいといった圧電性基板も、本実施の形態1のよ
うにリアクタンス分の温度変化の異なる整合回路を選択
することにより、積算回路に入力する信号間の遅延量の
温度変化を基板の温度係数による遅延量の温度変化より
小さくできるので、遅延検波方式の復調回路に使用する
ことが可能となり、挿入損失の小さな即ち入力に対する
出力効率の高い表面弾性波素子を使用することが可能と
なり、特別な信号増幅器が必要でなくなるという効果も
ある。
【0029】以上述べたように、本実施の形態1では、
第1の整合回路3と第2の整合回路6との遅延量の差分
の温度変化により表面弾性波遅延線4の遅延量の温度変
化を相殺することにより、積算回路7に入力される第1
の相関信号mと第2の相関信号nの位相差の温度変化を
小さな値に抑制することができるので、適正な積算波形
を出力することができ、また、安定した積算出力を得る
ことができれば、システムとしてデータの復調が安定し
て行われ、エラーレートの少ないスペクトラム拡散通信
装置を得ることができる。
【0030】(実施の形態2)図5は、本発明の実施の
形態2によるスペクトラム拡散復調回路を示す構成図で
あり、4相位相変調方式に対応したスペクトラム拡散復
調回路を示す。
【0031】図5において、31は表面弾性波マッチド
フィルタと表面弾性波遅延線とが一体化された複合型の
表面弾性波素子、32は水晶等からなる圧電性基板、3
3a、33bはAl、Au等の電気抵抗の小さな金属か
らなる信号入力用符号化電極、34a、34bはスペク
トラム拡散信号s1、s2が入力される信号入力用符号
化電極33a、33bの整合回路、35a、35bはA
l、Au等の電気抵抗の小さな金属からなる表面弾性波
マッチドフィルタの出力電極、36a、36bは表面弾
性波マッチドフィルタの出力電極用整合回路(第1の整
合回路)、37a、37bはAl、Au等の電気抵抗の
小さな金属からなる表面弾性波遅延線の出力電極、38
a、38bは表面弾性波遅延線の出力電極用整合回路
(第2の整合回路)、39aは出力電極用整合回路36
aと38aからの出力相関信号m1、n1を積算する積
算回路、39bは出力電極用整合回路36bと38bか
らの出力相関信号m2、n2を積算する積算回路、40
はAl、Au等の電気抵抗の小さな金属からなるノイズ
を低減するためのアースパターン、41は不要表面弾性
波を吸収するための吸音材である。
【0032】次に、パターンについて説明すると、圧電
性基板32上に、電気信号を表面弾性波に変換する信号
入力用符号化電極33a、33bと、信号入力用符号化
電極33a、33bから所定間隔離れて表面弾性波を電
気信号に変換する櫛形の出力電極35a、35bとが設
けられ、表面弾性波マッチドフィルタが構成されてお
り、更に表面弾性波マッチドフィルタの出力電極35
a、35bから所定の遅延量に対応する間隔離れて表面
弾性波を電気信号に変換する櫛形の出力電極37a、3
7bとが設けられ、表面弾性波遅延線4が構成されてい
る。このとき、符号系列としてnビットのPN符号系列
を用いた場合、信号入力用符号化電極33a、33bは
PN符号系列に対応してn個の櫛形電極対を持ち、各櫛
形電極対はチップレートに対応した間隔離れて形成され
る。また、入出力電極33a、33b、35a、35
b、37a、37bの回りにはノイズを低減するための
アースパターン40が形成されている。本実施の形態2
では表面弾性波のアースパターンによる反射波の位相が
揃わないようにアースパターンを表面弾性波の進行方向
から傾けている。さらに、入出力電極33a、33b、
37a、37bの外側には不要表面弾性波を吸収する目
的で吸音材41が必要に応じて形成されている。また、
同一基板上に形成された各符号化電極と櫛形電極のグラ
ンド側端子と、必要に応じて設けられるアースパターン
とを共通の一つのパターンとして構成したことによって
素子の小型化が可能となる。
【0033】図5で、出力電極35aと37aとの間隔
を「T+1/8/fc」(fcはキャリア周波数)と
し、出力電極35bと37bとの間隔を「T−1/8/
fc」とすることで、本実施の形態2の表面弾性波素子
31は4相位相変調方式に対応することができ、従来技
術や実施の形態1で説明した2相位相変調方式に比べて
2倍の伝送速度を得ることができるものである。しかし
ながら、4相位相変調方式はこのような遅延量を用いて
遅延検波する構成のために、2相位相変調方式より積算
波形に対する遅延量の変化の許容度が小さく、したがっ
て安定した積算波形を得るためには遅延量の変化を小さ
く抑制する必要がある。
【0034】本実施の形態2においても実施の形態1で
述べたように、積算回路39a、39bに入力される相
関信号m1、n1間、相関信号m2、n2間の遅延量の
温度変化を決定するものは、基板の表面弾性波速度の温
度係数に依存した遅延量変化と、表面弾性波マッチドフ
ィルタの出力電極及び表面弾性波遅延線4の出力電極に
接続されたそれぞれの出力電極用整合回路36aと38
a及び出力電極用整合回路36bと38bのリアクタン
ス分の差の温度変化による遅延量変化である。したがっ
て、出力電極用整合回路36aと38a及び出力電極用
整合回路36bと38bのそれぞれの間のリアクタンス
分の差の温度変化による遅延量変化量が、基板の表面弾
性波速度の温度係数による遅延量変化量と相殺されるよ
うに、実施の形態1と同様に適切な温度特性を持つ整合
回路の構成を選択することによって、基板に起因する不
可避の遅延量温度変化よりも積算回路39a、39bに
入力する信号間の遅延量温度変化を小さくできるもので
ある。
【0035】以上述べたように、本実施の形態2では、
上述したような構成のスペクトラム拡散復調回路にする
ことにより、周囲温度の変化に対する遅延量を抑制する
ことができ、安定した積算出力を得ることができる。ま
た、安定した積算出力を得ることができれば、システム
としてデータの復調が安定して行われ、エラーレートの
小さいスペクトラム拡散通信装置を得ることができる。
さらに、4ほう酸リチウム基板等の電気機械結合係数が
大きいが温度係数も大きいといった圧電性基板も使用す
ることが可能となり、挿入損失の小さな即ち入力に対す
る出力効率の高い表面弾性波素子を使用することが可能
となり、特別な信号増幅器が必要でなくなる。
【0036】(実施の形態3)図6は図1又は図5のス
ペクトラム拡散復調回路を用いたスペクトラム拡散通信
装置を示すブロック図である。図6において、51は送
信すべき情報信号を所定の符号系列でスペクトラム拡散
信号に変換するためのスペクトラム拡散変調部、52は
スペクトラム拡散信号と送受信信号(スペクトラム拡散
電波信号)の周波数を変換する送受信周波数変換部、5
3は図1又は図5のスペクトラム拡散復調回路を搭載
し、スペクトラム拡散信号sを送信されてきた元の情報
信号に復調するためのスペクトラム拡散復調部、54は
スペクトラム拡散電波信号を送受信するためのアンテナ
である。
【0037】なお、本実施の形態3では、送受信周波数
変換部52を1個用いた一つの送受信機の構成について
説明したが、本発明はその回路構成に制限されるもので
はなく、例えば周波数変換部を送受信用それぞれに分け
た構成や、送信機と受信機を分離した構成等のように、
スペクトラム拡散復調部53を含む必要に応じたスペク
トラム拡散通信装置において適用可能である。
【0038】以上述べたように、本実施の形態では、図
1又は図5のスペクトラム拡散復調回路を用いたことに
よって、スペクトラム拡散通信装置の使用環境温度の変
化に対して、積算回路からの積算波形のばらつきも小さ
く抑えられ、元の情報信号の復調時のエラーレートの劣
化を抑えることができる。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明のスペクトラム拡散
復調回路によれば、第1の整合回路と第2の整合回路と
の遅延量の差分の温度変化により表面弾性波遅延線の遅
延量の温度変化を相殺することにより、積算回路に入力
される第1の相関信号と第2の相関信号の位相差の温度
変化を小さな値に抑制することができるので、適正な積
算波形を出力することができるという有利な効果が得ら
れ、また、従来であれば圧電性基板の温度係数が大きい
ことが原因で温度に対する遅延量変化が大きくなるため
に使用することが出来なかった圧電性基板が使用可能と
なるという有利な効果が得られる。
【0040】また、受信したスペクトラム拡散電波信号
をスペクトラム拡散信号に変換する送受信周波数変換部
と、スペクトラム拡散信号を元の信号に復調するスペク
トラム拡散復調部とを有するスペクトラム拡散通信装置
であって、スペクトラム拡散復調部は請求項1に記載の
スペクトラム拡散復調回路を用いて復調を行うことによ
り、周囲温度に対する遅延量の変化を抑制することがで
きるので、適正な積算波形を得ることができ、エラーレ
ートの小さいシステムを実現することができるという有
利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるスペクトラム拡散
復調回路を示す構成図
【図2】本発明の実施の形態1における遅延量変化量の
温度変化と従来のスペクトラム拡散回路における遅延量
変化量の温度変化とを対比して示すグラフ
【図3】第1の整合回路、第2の整合回路の温度に対す
るリアクタンス値を示すグラフ
【図4】第1の整合回路と第2の整合回路との遅延量差
分変化量を示すグラフ
【図5】本発明の実施の形態2によるスペクトラム拡散
復調回路を示す構成図
【図6】図1又は図5のスペクトラム拡散復調回路を用
いたスペクトラム拡散通信装置を示すブロック図
【図7】一般的なスペクトラム拡散復調回路を示すブロ
ック図
【図8】(a)図7のスペクトラム拡散復調回路の動作
を説明するためのタイミング図 (b)図7のスペクトラム拡散復調回路の動作を説明す
るためのタイミング図 (c)図7のスペクトラム拡散復調回路の動作を説明す
るためのタイミング図 (d)図7のスペクトラム拡散復調回路の動作を説明す
るためのタイミング図 (e)図7のスペクトラム拡散復調回路の動作を説明す
るためのタイミング図 (f)図7のスペクトラム拡散復調回路の動作を説明す
るためのタイミング図 (g)図7のスペクトラム拡散復調回路の動作を説明す
るためのタイミング図
【符号の説明】
1 表面弾性波マッチドフィルム 2、5、34a、34b 入力電極用整合回路 3、36a、36b 出力電極用整合回路(第1の整合
回路) 4 表面弾性波遅延線 6、38a、38b 出力電極用整合回路(第2の整合
回路) 7、39a、39b 積算回路 11、16、32 圧電性基板 12、33a、33b 信号入力用符号化電極 13、18 出力用櫛形電極 14、19、40 アースパターン 15、20、41 吸音材 17 信号入力用櫛形電極 31 表面弾性波素子 35a、35b、37a、37b 出力電極 51 スペクトラム拡散変調部 52 送受信周波数変換部 53 スペクトラム拡散復調部 54 アンテナ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スペクトラム拡散信号を入力して第1の相
    関信号を出力する表面弾性波マッチドフィルタと、前記
    第1の相関信号を遅延させた第2の相関信号を出力する
    表面弾性波遅延線と、前記第1の相関信号出力のインピ
    ーダンス整合を取るための第1の整合回路と、前記第2
    の相関信号出力のインピーダンス整合を取るための第2
    の整合回路と、前記第1の整合回路から出力される第1
    の相関信号と前記第2の整合回路から出力される第2の
    相関信号とを積算する積算回路とを有し、スペクトラム
    拡散信号の復調を行うスペクトラム拡散復調回路であっ
    て、前記第1の整合回路におけるリアクタンス分の温度
    変化と前記第2の整合回路におけるリアクタンス分の温
    度変化との差分に応じた遅延量変化が、前記表面弾性波
    遅延線に用いる圧電性基板の温度係数による前記表面弾
    性波遅延線の遅延量の温度変化を相殺する変化であるス
    ペクトラム拡散復調回路。
  2. 【請求項2】受信したスペクトラム拡散電波信号をスペ
    クトラム拡散信号に変換する送受信周波数変換部と、前
    記スペクトラム拡散信号を元の信号に復調するスペクト
    ラム拡散復調部とを有するスペクトラム拡散通信装置で
    あって、前記スペクトラム拡散復調部は請求項1に記載
    のスペクトラム拡散復調回路を用いて前記復調を行うス
    ペクトラム拡散通信装置。
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