JP3545885B2 - スペクトル拡散通信装置及びスペクトル拡散通信システム - Google Patents

スペクトル拡散通信装置及びスペクトル拡散通信システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デ−タや映像,音声などの信号をデジタル化して無線で送受信する通信装置及び通信システムに係り、特に、無線部にスペクトル拡散方式で拡散された信号を利用する通信装置及び通信システムで関する。
【0002】
【従来の技術】
データや映像,音声などの信号を無線で通信する場合、他の通信機器や電子機器への妨害を与えにくくし、かつ、逆に、他の通信機器や電子機器からの妨害を受けにくくするために、スペクトル拡散方式の応用が行なわれている。このスペクトル拡散方式には、搬送波を情報信号で変調した後、さらに、疑似雑音(Pseudo Noise:PN)符号で情報速度よりも速い繰返しでBPSK変調し、スペクトル拡散を行なう直接拡散(Direct Sequence:DS)方式と、搬送波の周波数を特定の規則で周期的に切り替えるFH(Frequency Hopping)方式とがある。また、無線化のために、電波ではなく、赤外光を用いることも行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かかるスペクトル拡散方式を用いても、複数組の同様な通信装置を用いる場合には、相互の電波で干渉を生じる場合がある。例えば、日本のスペクトル拡散方式を用いたISM帯の無線LANのように、周波数帯域が2.471〜2.497GHzと26MHzの帯域幅に限られている場合、スペクトル拡散に用いる符号の長さが、通常の考えでは、長くとも13と限定され、DS方式では、相互相関の小さな拡散符号の組を選ぶことは事実上できない、いわゆるCDMA(CodeDivision Multiple Access)が使用できない場合が出てくるのである。
【0004】
かかる事情により、DS方式の無線LANでは、相互の干渉を避けるために、CSMA−CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)が用いられ、1つの通信装置が送信中であるときには、他の通信装置が送信できないようにしているので、実時間で同時に複数の通信装置が通信することは、実際上、ないといえる。
【0005】
一方、FH方式では、複数の送受信の組で互いに搬送波周波数が重ならないように、ホッピングパタ−ンを選び、同時通信のシステムを構成することも可能であるが、同期をとることが難しく、制御系や高周波系に負担がかかる上、事実上狭帯域通信であるので、マルチパスフェ−ジングや他の機器からの妨害に弱いという問題がある。
【0006】
なお、赤外光を用いる方式では、遮蔽物がある場合に使用することができず、汎用性に乏しいという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、かかる問題を解消し、複数組がスペクトル拡散を用いて同じ占有帯域で同時に使用することができ、しかも、構成を簡単にすることができるようにしたスペクトル拡散通信装置及びスペクトル拡散通信システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、無線部での搬送波周波数を特定の周波数間隔で隔てられた複数個の値から選ぶことにより、各通信チャンネル毎に搬送周波数を異ならせ、複数組のスペクトル拡散通信を、同じ占有帯域内で、同時に使用できるようにする。
【0009】
このため、本発明では、スペクトル拡散通信装置を構成する送受信機の受信部に、弾性表面波(Surface Acoustic Wave:SAW)マッチドフィルタを用いるのであるが、上記の「無線部での搬送波周波数を特定の周波数間隔で隔てられた複数個の値から選ぶ」ことは、かかる弾性表面波マッチドフィルタの新たな応用によって達成されたものである。
【0010】
以下、この点について説明するが、まず、弾性表面波マッチドフィルタに対する従来の所見から説明する。
【0011】
図2(a)は弾性表面波マッチドフィルタを模式的に示す平面図であって、51は基板、52は符号化電極、53は送受波電極、54はシールド電極、55は吸音材である。
【0012】
同図において、符号化電極52に、この弾性表面波マッチドフィルタの中心角周波数と一致した角周波数ωの搬送波をBPSKで拡散変調した信号を入力した場合、符号化電極52と組になる送受波電極53に向けて放射される弾性表面波の波形は、次のようになる。
【0013】
ここで、弾性表面波マッチドフィルタの中心角周波数と一致した角周波数ωの搬送波をBPSKで拡散変調した信号s(t)は、その情報信号の1シンボル分を示すと、次の数9で示すようになる。
【0014】
【数9】
Figure 0003545885
【0015】
この数9において、チップ時間Tcは、1シンボルの時間Tと1シンボルの拡散符号チップ数Nとの間で次の数10に示す関係がある。
【0016】
【数10】
Figure 0003545885
【0017】
ここで、数9におけるv(t)はチップ時間Tcの単位矩形パルス波形信号であって、次の数11で表わされる。
【0018】
【数11】
Figure 0003545885
【0019】
また、数9でのaは拡散に用いる疑似雑音(PN)符号の符号化係数であって、次の数12で表わされる性質がある。
【0020】
【数12】
Figure 0003545885
【0021】
ここで、符号化電極52はTap(1)からTap(N)のIDTからなるN個のTapが等間隔(弾性表面波の平均音速をVとすると、VTc)で配置されており、Tapの極性配列bn 及び送受波電極53に向けて放射される弾性表面波ψ(t,x)を、図2(b)に模式的に示す。ここで、bnはnの関数であって、次の数13に示すように、正負2値を取り、
【0022】
【数13】
Figure 0003545885
【0023】
拡散に用いる疑似雑音(PN)符号と整合しているので、符号化係数aと次の数14に示す関係がある。
【0024】
【数14】
Figure 0003545885
【0025】
また、1シンボル分の信号に励起され、図2(b)に示すx<0に進む弾性表面波ψ(t,x)は、次の数15のように表わされる。
【0026】
【数15】
Figure 0003545885
【0027】
ここで、cは自己相関関数であって、次の数16で表わされる。
【0028】
【数16】
Figure 0003545885
【0029】
特に、k=N+1のとき、数16は数17となる。
【0030】
【数17】
Figure 0003545885
【0031】
即ち、t=(N+1)Tcで、ψ(t,x)=Nの相関ピ−クをとる。
【0032】
図3は上記の自己相関関数cの1シンボル分の一例を、N=25の符号として、kに関して示す図である。また、図4は符号化電極52から放射される弾性表面波の波形包絡線の1シンボル分の一例を、N=25の符号として示す図である。
【0033】
ここで、角周波数ωは、相関ピ−クを形作る搬送波の場合、1チップ内の波数が自然数Ncoであるので、周波数fと単位矩形パルス信号の時間幅Tcとの間に、次の数18,数19で示す関係がある。
【0034】
【数18】
Figure 0003545885
【0035】
【数19】
Figure 0003545885
【0036】
上記の数15は、David P.Morgan著「Suface−Wave Devices for Signal Processing」 Elsevier,Amsterdam,1991 pp.288〜289に記載の式を変形して導出したものである。
【0037】
しかし、この数15は各Tapから到達する波の位相が全て一致し、弾性表面波マッチドフィルタの中心角周波数と一致した角周波数ωの搬送波をBPSKで拡散変調した信号を入力した場合に限られるものである。従って、本発明での「無線部における信号の搬送波周波数を特定の周波数間隔で隔てられた複数個の値から選び」ということを満足しない。
【0038】
本発明では、「弾性表面波マッチドフィルタに入力するBPSKで拡散変調した信号s(t)の搬送波角周波数の選択により、符号化電極から放射される弾性表面波の自己相関ピ−ク成分をなくし得る」ことを導出している。これを図示すると、図5に示すようになる。このことから、上記の「各通信チャンネル毎に異ならせ、複数組のスペクトル拡散通信が同じ占有帯域で同時に使用できる」ことを着想している。この導出にあたり、搬送波の角周波数を、ωでなく、一般の角周波数ωに代え、符号化電極52から放射される弾性表面波進行波を次の数20に示すように表わし、
【0039】
【数20】
Figure 0003545885
【0040】
座標x=0での弾性表面波進行波ψ(t,ω,0)を次の数21で求めた。
【0041】
【数21】
Figure 0003545885
【0042】
ここで、s(t)を、次の数22に示すように、複素形式で表わすようにし、
【0043】
【数22】
Figure 0003545885
【0044】
これから弾性表面波進行波ψ(t,ω,0)を求めると、次の数23となる。
【0045】
【数23】
Figure 0003545885
【0046】
この数23では、数15での自己相関関数cが、次の数24で表わされるように、ωの関数c(ω)になる。
【0047】
【数24】
Figure 0003545885
【0048】
ここで、ω=ωとすると、次の数25,数26で表わされる関係から、
【0049】
【数25】
Figure 0003545885
【0050】
【数26】
Figure 0003545885
【0051】
自己相関係数c(ω)はc(ω)=cとなり、上記の数15が導かれる。
【0052】
ここでは、ω≠ω として、相関ピ−クとなるべき項cN+1(ω)を求めると、次の数27のようになる。
【0053】
【数27】
Figure 0003545885
【0054】
ここで、次の数28に示すように、ωをωからの偏移δωを用いて表わす。
【0055】
【数28】
Figure 0003545885
【0056】
そこで、数27の分子のsinの項の変数は、次の数29に示すようになる。
【0057】
【数29】
Figure 0003545885
【0058】
この数29の右辺第2項が次の数30を満足する値をとると、
【0059】
【数30】
Figure 0003545885
【0060】
上記数27の分子のsinの項は、
【0061】
【数31】
Figure 0003545885
【0062】
と零になる。即ち、相関ピ−クが消失してしまうのである。
【0063】
このような相関ピ−クの消失する角周波数偏移δωや角周波数ωは、次の数32で表わされ、
【0064】
【数32】
Figure 0003545885
【0065】
周波数偏移δfと周波数fは次の数33で表わされる。
【0066】
【数33】
Figure 0003545885
【0067】
これを図示すると、相関ピ−クcN+1(f)と搬送周波数fの関係は図6に示すようになる。これより、弾性表面波マッチドフィルタの段階で搬送周波数fの通信チャンネルは相関ピ−クを形成し、受信できるが、上記数33の通信チャンネルは相関ピ−クを形成せず、受信されないことが明らかとなった。
【0068】
但し、以下の数34で表わされるNcと数35で定められた周波数では、
【0069】
【数34】
Figure 0003545885
【0070】
【数35】
Figure 0003545885
【0071】
上記数32,数33を満足するが、次の数36、即ち、
【0072】
【数36】
Figure 0003545885
【0073】
に示すように、相関ピ−クを形成し得る。その例を示すと、図6では、f −{1/Tc}のピ−クがこれに相当する。
【0074】
この場合、図2(a)における送受波電極53または符号化電極52の各Tapの電極対数をNcoとすると、図7に示すように、トラップに当り、ピ−クを抑えることができる。
【0075】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面により説明する。
【0076】
図1は本発明によるスペクトル拡散通信システムの一実施形態を模式的に示す図であり、1a,1bは送受信機である。
【0077】
同図において、この実施形態は、半二重通信で互いに送信受信する1組の送受信機1a,1bから構成されている。かかるシステムの送受信機の無線部の搬送周波数f’は、自然数Mの関数として、次の数1で表わされる
【0078】
【数1】
Figure 0003545885
【0079】
を選び得るようにしている。
【0080】
図8は図1における送受信機1a,1b、即ち、本発明によるスペクトル拡散通信装置の一実施形態を示すブロック図であって、2は送信部、3は受信部、4は送受信切替部、5はアンテナ、6はデジタル処理部、7は送信IF(中間周波数)部、8は送信無線部、9は受信無線部、10は受信IF部、11は信号再生処理部、12はデータ変換部、13は送信クロック発生部、14はPN符号発生部、15は乗算処理部、16はIF局部発振器、17はミキサ、18はIF帯域通過フィルタ、19は送信可変局部発振器、20はミキサ、21は送信無線部増幅器、22は送信無線部フィルタ、23は受信無線部増幅器、24は受信可変局部発振器、25はミキサ、26はSAWマッチドフィルタ、27は受信IF増幅器、28はSAW遅延線、29はミキサである。
【0081】
同図において、送受信機1(以下、システムを形成する送受信機を総称する)は送信部2と受信部3と送受信切替部4とアンテナ5とから構成されている。
【0082】
この送信部2では、送信クロック発生部13が発生する送信クロックに同期して、送信デ−タがデジタル処理部6に入力され、そのデ−タ変換部12で「1」に対応して極性が反転するDPSK(Differentially encoded Phase Shift Keying)変調方式に対応したデ−タに変換され、次いで、乗算処理部15により、送信クロックに同期してPN符号発生部14から発生する極性を持つ拡散用PN符号と乗算されて、送信IF部7に供給される。
【0083】
送信IF部7では、拡散用PN符号が乗算されたデジタル処理部6の出力デ−タが、ミキサ17において、IF局部発振器16から発生する中間周波数搬送波を変調して拡散信号となり、さらに、IF帯域通過フィルタ18により、拡散して広がった信号スペクトルのサイドロ−ブを抑圧するだけでなく、所定の帯域幅に制限が加えられ、中間周波数拡散信号として送信無線部8に供給される。
【0084】
送信無線部8では、この中間周波数拡散信号が、ミキサ20により、送信可変局部発振器19から発生する信号で無線周波数拡散信号に変換され、送信無線部増幅器21で増幅され、さらに、送信無線部フィルタ22により雑音成分が除去された後、送受信切替部4に供給される。送信時には、送受信切替部4は送信無線部8とアンテナ5とを結合しており、この無線周波数拡散信号はアンテナ5から放射される。
【0085】
一方、受信時には、送受信切替部4がアンテナ5を受信無線部9に結合しており、アンテナ5に入射した無線周波数拡散信号が受信部3に供給される。
【0086】
この受信部3では、受信無線部9において、この受信された無線周波数拡散信号が、受信無線部増幅器23で増幅された後、ミキサ25により、受信可変局部発振器24から発生する信号で中間周波数拡散信号に変換され、受信IF部10に供給される。
【0087】
この受信IF部10では、SAWマッチドフィルタ26により、相関検出がなされて、中間周波数の搬送波を変調した形で鋭い拡散ピ−クが形成され(即ち、相関復調がなされ)、さらに、この拡散ピ−クと、これを受信IF増幅器27で増幅し、さらに、SAW遅延線28で1シンボル時間Tだけ遅延させた拡散ピ−クとをミキサ29で乗算して遅延検波することにより、BPSKデ−タに対応した極性の鋭い、謂わば直流のパルスが得られる。
【0088】
このパルスは信号再生処理部11に供給され、そこで極性が判定されてデ−タとして再生され、これを受信デ−タとして出力するともに、これから受信クロックを再生して出力する。
【0089】
かかる実施形態では、その各部の周波数の設定が重要である。
SAWマッチドフィルタ26の中心周波数fは、上記の
【0090】
【数19】
Figure 0003545885
【0091】
で与えられる。従って、送信IF部7のIF局部発振器16で発生する中間周波数搬送波の周波数もf であり、送信可変局部発振器19で発生する信号の周波数 fVTも、次の数37により設定する。
【0092】
【数37】
Figure 0003545885
【0093】
この数37における整数M’は、M,Nco,Nとの間で次の数38に示す関係がある。
【0094】
【数38】
Figure 0003545885
【0095】
送信無線部8や受信無線部9の無線部での搬送周波数f’は、送信可変局部発振器19で発生する信号の周波数fVTを変えるにより、次の数39、即ち、
【0096】
【数39】
Figure 0003545885
【0097】
でもって選択し得る。
【0098】
一方、この実施形態では、受信無線部9での搬送周波数f’も、送信無線部8と同じ値に選ぶ。実際上、組となる送受信機1では、送信されて到達した搬送周波数f’の拡散変調信号がアンテナ5から受信部3に送られる。この受信部3での受信可変局部発振器24が発生する信号の周波数fVRが送信可変局部発振器18が発生する信号の周波数fVTと同じにすると、受信IF部10の搬送周波数も送信IF部7の搬送周波数と等しくfとなる。そこで、SAWマッチドフィルタ26では、相関検出されて中間周波数の搬送波を変調した形で鋭い拡散ピ−クが形成され、即ち、受信が良好に行なわれる。
【0099】
ここで、もしも、他の独立のスペクトル拡散通信システムが、無線通信の搬送周波数として、上記数1、即ち、
【0100】
【数1】
Figure 0003545885
【0101】
でのMの内でMJに相当する値f を用いて、先に送受信を行なっている場合には、この実施形態では、受信待ち受け状態でこれを知るので、fVR=fVTの設定により、上記数1において、
M=M ≠M
に相当する周波数f’を無線の搬送周波数に用いて送受信を行なう。
【0102】
このようにすることが可能であるため、通常では妨害となる無線の搬送周波数fの信号は、受信部3の受信IF部10では、先の数33、即ち、
【0103】
【数33】
Figure 0003545885
【0104】
に相当する搬送周波数の拡散信号に変換されるので、SAWマッチドフィルタ26では、相関ピ−クが形成されずに零となってしまい、送受信の妨害となることがない。
【0105】
ここで、この実施形態でのシステム的設計諸元及び弾性表面波マッチドフィルタ26について、さらに具体的に説明する。
【0106】
送受する情報信号の1シンボル時間Tは1μsec、スペクトル拡散に用いる疑似雑音(PN)符号のチップ数Nは25であって、その符号化係数aは、次の表1、即ち、
【0107】
【表1】
Figure 0003545885
【0108】
で示される。ここで、送受信の中間周波数fを300MHzに設定し、1チップ時間Tc=40nsecの中の波数NcoがNco=f/Tc=12と自然数となるように、周波数fが設定されている。
【0109】
送信部2の可変局部発振器19と受信部3の可変局部発振器24とでの周波数fVT=fVRは、ISM帯用として日本の法規に従えば、(2471−300)MHz〜(2497−300)MHzの範囲内に設定することができるが、送信無線部フィルタ22により帯域制限をかけるので、無線部での拡散周波数特性の極端な非対称を避ける意味から、(2184−5)MHz〜(2184+5)MHzの範囲内で1MHz間隔の値に選ぶのが穏当である。これは、先の数37,数38、即ち、
【0110】
【数37】
Figure 0003545885
【0111】
【数38】
Figure 0003545885
【0112】
において、M’の値に2179〜2189の自然数を選ぶことに相当する。上記数1では、Mの値として、2479〜2489の自然数を選ぶことに相当する。
【0113】
弾性表面波マッチドフィルタ26は、模式的に示すと、図2(a)に示す構成をなしている。その弾性表面波基板51は一次の温度係数が零のSTcut水晶であって、中心周波数は上記の周波数fと一致して300MHz、その符号化電極52のTap数は上記のチップ数Nと一致して25であり、極性配列bは先の表1に併記している。
【0114】
符号化電極52と組となる送受波電極53の電極対数は、前記のNcoと一致する12である。これら電極は、反射を避ける意味から、いわゆるダブル電極指とし、材料はAlであって、膜厚は0.1μmとしている。切り出された基板51は、その両端に吸音材55が塗布形成され、基板端面からのSAWの反射を防止するようにしている。この切り出された基板51はパッケ−ジに接着され、ワイヤ−ボンディングされた後、気密封止されているが、この点については図示を省略している。
【0115】
図8における弾性表面波遅延線28も、図2での送受波電極53と同じものが2個、上記と同様に、基板上に遅延時間T=1μsecの間隔で隔てられて作成される。
【0116】
この第1の実施形態では、これと同じ他のスペクトル拡散通信装置が独立に通信している場合でも、それにより妨害を受けることなく、かつ妨害を与えることなく、良好に中高速のスペクトル拡散通信を行なうことができる。他の同じスペクトル拡散通信装置の送信を受信して生ずるタイムサイドロ−ブの最大値を相関ピ−クと誤判定しなければよく、この実施形態では、理想的には、相関ピ−クとタイムサイドロ−ブの最大値との比25/3(20log(25/3)=18.4dB)の余裕度があるが、搬送波周波数をずらしてあることから、タイムサイドロ−ブに他のスペクトル拡散通信装置の送信機からの信号による若干の劣化があり、10dB程度の余裕度となる。即ち、他のスペクトル拡散通信装置の送信機が問題としている通信装置の受信側に距離的に近く、10dB信号レベルが高くとも、妨害を受けない効果がある。
【0117】
本発明によるスペクトル拡散通信装置及びスペクトル拡散通信システムの第2の実施形態として、送信部2の可変局部発振器19と受信部3の可変局部発振器24との周波数fVT=fVRは、その設定し得る周波数の間隔を1/Tの整数倍とし、他のオフセット成分を加算しておいてもよい。即ち、送受信機の無線部の搬送周波数f’は、任意の周波数f”及び整数mの関数として、次の数2、即ち、
【0118】
【数2】
Figure 0003545885
【0119】
で表わされる値を選び得る様にしている。fVT,m’,m,f’(f”、m)は次の数40,数41,数42のように表現される。
【0120】
【数40】
Figure 0003545885
【0121】
【数41】
Figure 0003545885
【0122】
【数42】
Figure 0003545885
【0123】
本発明によるスペクトル拡散通信装置及びスペクトル拡散通信システムの第3の実施形態として、上記の第1,第2の実施形態でSAWマッチドフィルタ26を用いず、検波前にスライディング相関を用いることも可能である。これは、三角関数の直交性によるものであるが、同期などでは、不満足なものである。検波後の相関では、三角関数の直交性が利用できない。
【0124】
次に、本発明によるスペクトル拡散通信装置及びスペクトル拡散通信システムの第4の実施形態について説明する。
【0125】
この第4の実施形態の構成は図1,図8と同じである。また、弾性表面波マッチドフィルタ26の構成も図2と同じである。但し、この第4の実施形態では、無線部の搬送波周波数f’が、自然数Ncの関数として、次の数5、即ち、
【0126】
【数5】
Figure 0003545885
【0127】
で表わされるものを選び得るようにする。
【0128】
図8における送信部2の可変局部発振器19と受信部3の可変局部発振器24との周波数fVT=fVRは、整数N’を用いて、次の数43、即ち、
【0129】
【数43】
Figure 0003545885
【0130】
で定める。ここで、N’とNcとの関係は、次の数44、即ち、
【0131】
【数44】
Figure 0003545885
【0132】
で表わされる。fVT=fVRの選択、即ち、N’の選択により、次の数45に示すように、即ち、
【0133】
【数45】
Figure 0003545885
【0134】
から無線部の搬送波周波数f’が選択される。
【0135】
この第4の実施形態では、先の数34,数35の場合に相当するので、図2における送受波電極53または符号化電極52の各Tapの電極対数をNcoとし、これらの周波数特性のトラップに他の送受信系による相関ピ−クを位置させて相関ピ−クを押える。信号のスペクトルも、一般に、サイドロ−ブを帯域制限によって抑圧しているので、相関ピ−クやタイムサイドロ−ブは小さな値に押えられる。
【0136】
この第4の実施形態は、無線部の搬送波周波数f’を、上記数5のように、ある程度広い間隔をおいて選ぶので、微弱電波や欧米のISM帯SS通信のように広い帯域が使用できる場合に適している。
【0137】
ここで、日本の微弱電波に応用したこの第4の実施形態のシステム的設計諸元や弾性表面波マッチドフィルタ26について、さらに具体的に説明する。
【0138】
ここで、情報の1シンボル時間や中間周波数,SAWマッチドフィルタ26とその中心周波数f0は、先の第1の実施形態と全く同じとする。図8における可変局部発振器19,24の周波数fVT=fVRは、整数Nc'を0,−1,−2,−3にとり、0MHz,25MHz,50MHz,75MHzの中から選び得るようにする。従って、無線部の搬送波周波数f0'は300MHz,275MHz,250MHz,225MHzの中から選択される。
【0139】
もし、300MHzの無線部の搬送波周波数が既に他の独立の同じ送受信系に占有されている場合、無線部の搬送波周波数として、残りの275MHz,250MHz,225MHzの中から選択して用いることにより、妨害を受けずに送受信できる。
【0140】
次に、本発明によるスペクトル拡散通信装置及びスペクトル拡散通信システムの第5の実施形態について説明する。
【0141】
この第5の実施形態は、上記の第4の実施形態と、図8での可変局部発振器19,24の周波数fVT=fVRの選び方、従って、無線部の搬送波周波数f’の選び方のみ異なり、他のオフセット成分を加算したものである。
【0142】
即ち、送受信機の無線部の搬送周波数f’は、任意の周波数f”、整数mの関数として、次の数7、即ち、
【0143】
【数7】
Figure 0003545885
【0144】
で表わされる値を選び得るようにしている。
ここで、fVT,m’,m,f’(f”、m)は夫々、次の数46,数47,数48で表現される。
【0145】
【数46】
Figure 0003545885
【0146】
【数47】
Figure 0003545885
【0147】
【数48】
Figure 0003545885
【0148】
ここでは、f”=2.5MHzとすると、図8における可変局部発振器19,24の周波数fVT=fVRは、整数m’を0,−1,−2,−3にとり、2.5MHz,27.5MHz,52.5MHz,77.5MHzの中から選び得るようにする。従って、無線部の搬送波周波数f’は、302.5MHz,277.5MHz,252.5MHz,227.5MHzの中から選択される。その効果は先の第4の実施形態と同様である。
【0149】
次に、本発明によるスペクトル拡散通信装置及びスペクトル拡散通信システムの第6の実施形態について説明する。
【0150】
図9はこのスペクトル拡散通信システムを模式的に示す図であって、11a, 12a,……,1(p−1)a,1pa,11b,12b,……,1(p−1)b,1pbは送受信機、即ち、スペクトル拡散通信装置である。
【0151】
同図において、この第6の実施形態のシステム構成は、
送受信機11aと送受信機11b
送受信機12aと送受信機12b
………………
送受信機1(p−1)aと送受信機1(p−1)b
送受信機1paと送受信機1pb
が夫々組となって、p組の送受信機からなるものである。1,2,……,pの各組での無線部の搬送波周波数f’は、先の数1、即ち、
【0152】
【数1】
Figure 0003545885
【0153】
でのMの値の小さな順に相当する周波数が割り当てられる。ここで、これら送受信機の構成は、図8と同じである。また、図8での弾性表面波マッチドフィルタ26も図2で示した構成をなしている。
【0154】
かかる構成により、p組の送受信機で同時に送受信を行なうことができる。先の第1の実施形態で用いた数値例と同じ搬送波周波数を設定すると、11組(p=11)の同時送受信が可能となる。
【0155】
先の第1〜第5の実施形態では、同様のスペクトル拡散通信装置が、レイアウトの変更や臨時の設置などにより、全く独立に送受信する場合を考えているが、この第6の実施形態では、各組に予め所定の搬送波周波数を設定している。
【0156】
次に、本発明によるスペクトル拡散通信装置及びスペクトル拡散通信システムの第7の実施形態について説明する。
【0157】
この第7の実施形態は、上記第6の実施形態と同様の構成をなしているが、搬送波周波数の設定方法として、上記第1の実施形態での方法でなく、上記第2の実施形態での方法を用いるものである。この第7の実施形態では、図8での可変局部発振器19,24での周波数fVT=fVR及び無線部の搬送波周波数f’として、上記第6の実施形態での数値に、例えば、f”=0.5MHzのオフセットを加えたものを用いる。
【0158】
次に、本発明によるスペクトル拡散通信装置及びスペクトル拡散通信システムの第8の実施形態について説明する。
【0159】
この第8の実施形態は、上記第6の実施形態と同様の構成をなしているが、搬送波周波数の設定方法として、上記第1の実施形態での方法でなく、上記第4,第5の実施形態での方法を用いるものである。
【0160】
これによると、例えば、米欧のISM帯スペクトラム拡散通信用として、中間周波数帯以下の部分は先の第1の実施形態と同じくし、無線部の搬送波周波数を2425MHz,2450MHzに設定して2組の通信を独立に行ない得る。また、日本の微弱電波でも、例えば、上記の第4,第5の実施形態にように、4個の無線部の搬送波周波数の設定を行ない、4組の独立な通信が可能となる。
【0161】
次に、本発明によるスペクトル拡散通信装置及びスペクトル拡散通信システムの第9の実施形態について説明する。
【0162】
この第9の実施形態は、図8に示したような送信部と受信部とを一体とした送受信機を用いるのではなく、これらを離して用いるものである。即ち、送信機と受信機とを比較的に近接して配置し、手動でオン,オフし得る、例えば、個人用,携帯用の無線機器に用いるものである。
【0163】
図10はこの第9の実施形態の送信部2,受信部3を示すブロック図であり、図8に対応する部分には同一符号を付けている。
【0164】
この第9の実施形態は、図10に示すように、図8に示した送受信機の送信部2と受信部3とを切離し、夫々にアンテナ5を付けたものに他ならない。無線の帯域には、微弱電波が適している。
【0165】
シンボル時間Tやチップ数Nは、先の第1の実施形態と同じ値に選び、中間周波数はNco=6に対応した150MHzに選び、さらに、無線部の局部発振器19,24の周波数fVT=fVRを、1/T=1MHzの間隔で150MHzの周りに、145,146,147,148,149,150,151,152,153,154,155MHzと設定し得るようにする。
【0166】
これにより、個人用の無線機器でかなり高速のものを複数個か同時使用することができ、携帯して用いる場合、たまたま同種の機器が近くで使用されている場合でも、無線部の搬送周波数を切り替えることにより、混信を避けることができる。また、無線部の局部発振器19,24の周波数fVT=fVRを1/T=1MHz間隔に保ち、オフセットを付けて選び得るようにしてもよい。
【0167】
図11は本発明によるスペクトル拡散通信システムの第10の実施形態におけるスペクトル拡散通信装置を示すブロック図であって、30は分波部、31はサーキュレータであり、図8に対応する部分には同一符号を付けて重複する説明を省略する。
【0168】
この第10の実施形態では、送受信機において、送信無線部8での搬送周波数fVTと受信無線部9での搬送周波数fVRとを異ならせることにより、同時に送受信でき、定められた複数個の送受信機の間では、送受の相手を変えることのできるようにしたものである。この場合、送信部2,受信部3とアンテナ5とはサ−キュレ−タ31を含む分波部30でもって接続され、上記搬送周波数fVT,fVRが異なることから、送受信を同時に行なうことができる。
【0169】
送信部2の搬送周波数fVTと受信部3の搬送周波数fVRとは、例えば、先の第1の実施形態で示した数値の中から選ぶ。
【0170】
図12はこのスペクトル拡散通信システムの第10の実施形態を示すものであって、複数個の送受信機1,1,……,1,1(m+1),1(m+2),……,1の間では、送受の相手を変えることのできる。
【0171】
即ち、各送受信機の無線部の局部発振器19,24に設定し得る周波数がp個ある場合、その小さな順に送受信機1,1,……,1,1(m+1),1(m+2),……,1に割り当てることにより、各送受信機の送信部無線部8の搬送周波数をこの割り当てられた搬送周波数に対応する周波数に固定し、これを各送受信機を指定するパラメ−タとする。
【0172】
一方、送受信機は、その送信時、送信する情報信号の一部に受信先の識別要素(ID)を付加し、かつ、送信開始の直前には、自己の受信部3の受信無線部9の搬送周波数を、一旦、他の送受信機の送信搬送波周波数に順次切り替え、予定送信先の送受信機が既に占有されているか否かを判定し、占有されていないことが確認されると、この予定送信先の受信部に指定の搬送波周波数をもって送信を行なう。
【0173】
また、占有されていない待ち受け中の送受信機では、受信無線部9の搬送波周波数を周期的に切り替えており、他の送受信機の送信の有無及び送信元を判別して、予定送信元に該当することが確認されると、受信無線部9の搬送波周波数をこの送信元の送信無線部8の搬送波周波数に固定して受信する。送信先では、受信が正常であれば、送信元に対して識別要素を間歇的に送信する。
【0174】
なお、これらの制御は、図11には示していない制御部が介在して行なう。上記手順により、複数組の送受信機を相手の組替えを許して行なうことが可能となる。
【0175】
なお、以上の各実施形態では説明しなったが、情報の1シンボル時間が実際には短く高速の場合には、一旦、順次シンボル時間の長いパラレルデ−タに変換して送受信を行ない、スペクトル拡散の変復調は、パラレルデ−タの長いシンボル時間について行なうようにする。例えば、情報速度が2Mbps(T=0.5μsec)のデ−タを、QPSKとして、1μsecのシンボルの直交信号とし、上記各実施形態に直交変調器を追加して取り扱うことができる。
【0176】
また、以上の実施形態では、拡散符号として具体的に使用しているのは、上記の表1に示した25チップの符号であるが、例えば、11チップのバ−カ−符号や13チップのバ−カ−符号,M系列符号等々を用いてシステムを設計することができ、所望のタイミングで同時に複数の通信を行なう効果をあげることができる。
【0177】
さらに、以上の実施形態では、搬送波を情報信号で変調し、さらに、拡散符号で変調するという手法は具体的には用いず、実際的手法として、情報信号に拡散符号を乗じた信号で搬送波を変調しているが、趣旨は全く同じである。また、情報信号は、単純なBPSKではなく、遅延検波を用いるために、DPSKに対応した形に変換して処理を進めている。
【0178】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、スペクトル拡散の許容占有帯域が比較的に狭い場合であっても、複数組のスペクトル拡散を用いた通信装置が同時に使用でき、しかも、かかるスペクトル拡散通信装置やこれを用いたスペクトル拡散通信システムとしては、構成が簡単なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるスペクトル拡散通信システムの一実施形態を模式に示す構成図である。
【図2】本発明に用いる弾性表面波マッチドフィルタを模式的に示す平面図である。
【図3】図2に示す弾性表面波マッチドフィルタを伝播する弾性表面波の自己相関関数の1シンボル分の一例を示す図である。
【図4】図2での符号化電極から放射される弾性表面波の1シンボル分の波形包絡線を示す図である。
【図5】図2における符号化電極から放射される弾性表面波の1シンボル分の波形包絡線から相関ピ−クが消失することを説明するための図である。
【図6】相関ピ−クと搬送周波数の関係を示す図である。
【図7】図2での符号化電極と組になる送受波電極,符号化電極の各Tapの振幅周波数特性を示す図である。
【図8】図1に示したスペクトル拡散通信システムでの本発明によるスペクトル拡散通信装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図9】本発明によるスペクトル拡散通信システムの他の実施形態を示す図である。
【図10】本発明によるスペクトル拡散通信装置及びスペクトル拡散通信システムのさらに他の実施形態を示す図である。
【図11】本発明によるスペクトル拡散通信装置のさらに他の実施形態を示す図である。
【図12】図11に示したスペクトル拡散通信装置を用いた本発明によるスペクトル拡散通信システムのさらに他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
1a,1b,11a〜1pa,11b〜1pb,1〜1 送受信機
2 送信部
3 受信部
4 送受信切替部
5 アンテナ
6 デジタル処理部
7 送信IF部
8 送信無線部
9 受信無線部
10 受信IF部
11 信号再生処理部
12 デ−タ変換部
13 送信クロック発生部
14 PN符号発生部
15 乗算処理部
16 IF局部発振器
17 ミキサ
18 IF帯域通過フィルタ
19 送信可変局部発振器
20 ミキサ
21 送信無線部増幅器
22 送信無線部フィルタ
23 受信無線部増幅器
24 受信可変局部発振器
25 ミキサ
26 SAWマッチドフィルタ
27 受信IF増幅器
28 SAW遅延線
29 ミキサ
30 分波部
31 サ−キュレ−タ
51 弾性表面波基板
52 符号化電極
53 送受波電極
54 シ−ルド電極
55 吸音材

Claims (10)

  1. 1シンボル時間Tの情報信号をBPSK変調し、さらに、BPSK変調された該情報信号をチップ数Nの疑似雑音拡散符号で直接スペクトル拡散し、拡散信号として無線送信する送信部と、該送信部から送信される無線拡散信号を拡散復調し、元の情報信号を再生して受信する受信部とで1組の送信−受信系統をなし、該受信部では、該拡散符号に対応した符号化電極を有する弾性表面波マッチドフィルタが設けられ、該受信した拡散信号を無線周波数帯域でもしくは中間周波数帯域の搬送周波数がf 0 の信号に変換して、中心周波数f 0 の該弾性表面波マッチドフィルタを用いて拡散復調する、少なくとも1個の該送信−受信系統を備えたスペクトル拡散通信システムにおいて、
    該送信部及び該受信部での無線部の搬送周波数f0'または搬送角周波数ω0'の値として、自然数Mの関数として表わされる
    Figure 0003545885
    Figure 0003545885
    を所定無線部周波数帯域の範囲内で選び得るとともに、該弾性表面波マッチドフィルタにおける該符号化電極を構成する各タップの周波数特性のトラップ周波数と該符号化電極と互いに送受波し得る送受波電極における周波数特性のトラップ周波数の少なくともいずれかを、該弾性表面波マッチドフィルタの中心周波数f 0 から、Tc=T/Nで与えられるチップ時間Tcの逆数、即ち、1/Tcだけ離れた周波数であるか、もしくは1/TcのNc’ ( =±1,±2,……)倍だけ離れた周波数(=f 0 ±Nc’/Tc)としたことを特徴とするスペクトル拡散通信システム。
  2. 1シンボル時間Tの情報信号をBPSK変調し、さらに、BPSK変調された該情報信号をチップ数Nの疑似雑音拡散符号で直接スペクトル拡散し、拡散信号として無線送信する送信部と、該送信部から送信される無線拡散信号を拡散復調し、元の情報信号を再生して受信する受信部とで1組の送信−受信系統をなし、該受信部では、該拡散符号に対応した符号化電極を有する弾性表面波マッチドフィルタが設けられ、該受信した拡散信号を無線周波数帯域でもしくは中間周波数帯域の搬送周波数がf 0 の信号に変換して、中心周波数f 0 の該弾性表面波マッチドフィルタを用いて拡散復調する、少なくとも1個の該送信−受信系統を備えたスペクトル拡散通信システムにおいて、
    該送信部及び該受信部での無線部の搬送周波数f0'または搬送角周波数ω0'の値として、任意の周波数f0"または任意の角周波数ω0"(=2πf 0 " 、及び整数mの関数として表わされる
    Figure 0003545885
    Figure 0003545885
    を所定無線部周波数帯域の範囲内で選び得るとともに、該弾性表面波マッチドフィルタにおける該符号化電極を構成する各タップの周波数特性のトラップ周波数と該符号化電極と互いに送受波し得る送受波電極における周波数特性のトラップ周波数の少なくともいずれかを、該弾性表面波マッチドフィルタの中心周波数f 0 から、Tc=T/Nで与えられるチップ時間Tcの逆数、即ち、1/Tcだけ離れた周波数であるか、もしくは1/TcのNc’ ( =±1,±2,……)倍だけ離れた周波数(=f 0 ±Nc’/Tc)としたことを特徴とするスペクトル拡散通信システム。
  3. 1シンボル時間Tの情報信号をBPSK変調し、さらに、BPSK変調された該情報信号をチップ数Nの疑似雑音拡散符号で直接スペクトル拡散し、拡散信号として無線送信する送信部と、該送信部から無線で送信される無線拡散信号を受信して拡散復調し、元の情報信号を再生して受信する受信部とで1組の送信−受信系統をなし、該受信部では、該拡散符号に対応した符号化電極を有する弾性表面波マッチドフィルタが設けられ、該受信した拡散信号を無線周波数帯域でもしくは中間周波数帯域の搬送周波数がf 0 の信号に変換して、中心周波数f 0 該弾性表面波マッチドフィルタを用いて拡散復調する、少なくとも1個の該送信−受信系統を備えたスペクトル拡散通信システムにおいて、
    該送信部及び該受信部での無線部の搬送周波数f0'または搬送角周波数ω0'の値として、自然数Mの関数として表わされる
    Figure 0003545885
    Figure 0003545885
    を所定無線部周波数帯域の範囲内で選び得るとともに、該弾性表面波マッチドフィルタにおける該符号化電極を構成する各タップの電極対数と該符号化電極と互いに送受波し得る送受波電極の電極対数との少なくともいずれかを、該弾性表面波マッチドフィルタの中心周波数f 0 と上記T,Nとから与えられる
    Figure 0003545885
    としたことを特徴とするスペクトル拡散通信システム。
  4. 1シンボル時間Tの情報信号をBPSK変調し、さらに、BPSK変調された該情報信号をチップ数Nの疑似雑音拡散符号で直接スペクトル拡散し、拡散信号として無線送信する送信部と、該送信部から送信される無線拡散信号を受信して拡散復調し、元の情報信号を再生して受信する受信部とで1組の送信−受信系統をなし、該受信部では、該拡散符号に対応した符号化電極を有する弾性表面波マッチドフィルタが設けられ、該受信した拡散信号を無線周波数帯域でもしくは中間周波数帯域の搬送周波数がf 0 の信号に変換して、中心周波数f 0 該弾性表面波マッチドフィルタを用いて拡散復調する、少なくとも1個の該送信−受信系統を備えたスペクトル拡散通信システムにおいて、
    該送信部及び該受信部での無線部の搬送周波数f0'または搬送角周波数ω0'の値として、任意の周波数f0"または任意の角周波数ω0"(=2πf 0 " 、及び整数mの関数として表わされる
    Figure 0003545885
    Figure 0003545885
    を所定無線部周波数帯域の範囲内で選び得るとともに、該弾性表面波マッチドフィルタにおける該符号化電極を構成する各タップの電極対数と該符号化電極と互いに送受波し得る送受波電極の電極対数との少なくともいずれかを、該弾性表面波マッチドフィルタの中心周波数f 0 と上記T,Nとから与えられる
    Figure 0003545885
    としたことを特徴とするスペクトル拡散通信システム。
  5. 1シンボル時間Tの情報信号をBPSK変調し、さらに、BPSK変調された該情報信号をチップ数Nの疑似雑音拡散符号で直接スペクトル拡散し、拡散信号として無線送信する送信部と、該送信部から送信される無線拡散信号を受信して拡散復調し、元の情報信号を再生して受信する受信部とで1組の送信−受信系統をなし、該受信部では、該拡散符号に対応した符号化電極を有する弾性表面波マッチドフィルタが設けられ、該受信した拡散信号を無線周波数帯域でもしくは中間周波数帯域の搬送周波数がf0の信号に変換して、中心周波数f0の該弾性表面波マッチドフィルタを用いて拡散復調する、少なくとも1個の該送信−受信系統を備えたスペクトル拡散通信システムにおいて、
    該送信部及び該受信部での無線部の搬送周波数f0'または搬送角周波数ω0'の値として、自然数Ncの関数として表わされる
    Figure 0003545885
    Figure 0003545885
    もしくは、任意の周波数f0"または任意の角周波数ω0"=2πf0"、及び整数mの関数として表わされる
    Figure 0003545885
    Figure 0003545885
    を所定無線部周波数帯域の範囲内で選び得るとともに、該弾性表面波マッチドフィルタにおける該符号化電極を構成する各タップの周波数特性のトラップ周波数と該符号化電極と互いに送受波し得る送受波電極における周波数特性のトラップ周波数の少なくともいずれかを、該弾性表面波マッチドフィルタの中心周波数f0から、Tc=T/Nで与えられるチップ時間Tcの逆数、即ち、1/Tcだけ離れた周波数であるか、もしくは1/TcのNc’(=±1,±2,……)倍だけ離れた周波数(=f0±Nc’/Tc)としたことを特徴とするスペクトル拡散通信システム。
  6. 1シンボル時間Tの情報信号をBPSK変調し、さらに、BPSK変調された該情報信号をチップ数Nの疑似雑音拡散符号で直接スペクトル拡散し、拡散信号として無線送信する送信部と、該送信部から送信される無線拡散信号を受信して拡散復調し、元の情報信号を再生して受信する受信部とで1組の送信−受信系統をなし、該受信部では、該拡散符号に対応した符号化電極を有する弾性表面波マッチドフィルタが設けられ、該受信した拡散信号を無線周波数帯域でもしくは中間周波数帯域の搬送周波数がf0の信号に変換して、中心周波数f0の該弾性表面波マッチドフィルタを用いて拡散復調する、少なくとも1個の該送信−受信系統を備えたスペクトル拡散通信システムにおいて、
    該送信部と該受信部での無線部の搬送周波数f0'または搬送角周波数ω0'の値として、自然数Ncの関数として表わされる
    Figure 0003545885
    Figure 0003545885
    もしくは、任意の周波数f0",任意の角周波数ω0"=2πf0"、整数mの関数として表わされる
    Figure 0003545885
    Figure 0003545885
    を所定無線部周波数帯域の範囲内で選択可能とするとともに、該弾性表面波マッチドフィルタにおける該符号化電極を構成する各タップの電極対数と該符号化電極と互いに送受波し得る送受波電極の電極対数との少なくともいずれかを、該弾性表面波マッチドフィルタの中心周波数f0と上記T,Nとから与えられる
    Figure 0003545885
    としたことを特徴とするスペクトル拡散通信装置。
  7. 請求項1〜4にいずれか1つに記載のスペクトル拡散通信システムにおいて、
    相手方とのスペクトル拡散による半二重の無線通信を行なうことができるように構成したことを特徴とするスペクトル拡散通信システム。
  8. 請求項7記載のスペクトル拡散通信システムが2個で1組の送信−受信系統をなして、互いにスペクトル拡散による半二重の無線通信を行ない、
    該送信−受信系統が複数組設けられて、かつ各組毎に、無線部の搬送周波数f 0 ' または搬送角周波数ω 0 ' の値を互いに異ならせ、複数組の該送信−受信系統の送受信を同時に行なうことができるように構成したことを特徴とするスペクトル拡散通信システム。
  9. 請求項5または6に記載のスペクトル拡散通信システムにおいて、
    相手方とのスペクトル拡散による半二重の無線通信を行なうことができるように構成したことを特徴とするスペクトル拡散通信システム。
  10. 請求項9記載のスペクトル拡散通信装置が2個で1組の送信−受信系統をなして、互いにスペクトル拡散による半二重の無線通信を行ない、
    該送信−受信系統が複数組設けられて、かつ各組毎に、無線部の搬送周波数f 0 ' または搬送角周波数ω 0 ' の値を互いに異ならせ、複数組の該送信−受信系統の送受信を同時に行なうことができるように構成したことを特徴とするスペクトル拡散通信システム。
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