JPH1025583A - 形状創成装置 - Google Patents

形状創成装置

Info

Publication number
JPH1025583A
JPH1025583A JP8179474A JP17947496A JPH1025583A JP H1025583 A JPH1025583 A JP H1025583A JP 8179474 A JP8179474 A JP 8179474A JP 17947496 A JP17947496 A JP 17947496A JP H1025583 A JPH1025583 A JP H1025583A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resonator
coaxial
space
shape
impedance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8179474A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuzo Mori
勇藏 森
Miki Taniguchi
美樹 谷口
Hideo Takino
日出雄 瀧野
Hiroaki Tanaka
宏明 田中
Masami Ebi
正美 海老
Norio Shibata
規夫 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
DKK Co Ltd
Original Assignee
Denki Kogyo Co Ltd
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kogyo Co Ltd, Nikon Corp filed Critical Denki Kogyo Co Ltd
Priority to JP8179474A priority Critical patent/JPH1025583A/ja
Publication of JPH1025583A publication Critical patent/JPH1025583A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Plasma Technology (AREA)
  • Arc Welding In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】加工中のプラズマ状態を安定させることがで
き、高精度かつ高加工速度で物品の形状を加工すること
の可能な形状創成装置を提供する。 【解決手段】被加工物を支持する支持手段14と、プラ
ズマを生成するため加工電極15と、反応ガス供給手段
23、24とを有する形状創成装置に、加工電極に電力
を効率よく供給するための整合手段として、共振器1を
備える。共振器1には、少なくとも2つの電気定数を可
変にするために、少なくとも2つの可動部26、27を
配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマを用いて
物品の形状を加工するための装置に関し、特に、カメ
ラ、顕微鏡、半導体製造装置などの光学製品に使用され
るレンズを製造するのに適した形状創成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマを用いて反応ガスのラジカルを
生成し、このラジカルと被加工物を反応させ、反応生成
物を気化させることにより、被加工物に加工変質層を与
えることなく加工するプラズマCVM(Chemica
l VaporizationMachining)が
近年知られている。プラズマCVMは、例えば、特開平
1−125829号公報、特開平5−096500号公
報、および、森らによる精密工学会春季大会学術講演会
講演論文集 P.637 1992等に記載されてい
る。
【0003】上述の特開平5−096500号公報に
は、半同軸型空洞共振器を反応容器の上に搭載し、共振
器から引き出した電極体を反応容器内まで延設し、この
電極体に、プラズマ生成のためのワイヤー電極を取り付
ける構成の無歪精密切断装置が記載されている。空洞共
振器は、電源からの電圧を昇圧するとともに、ワイヤ電
極に電力を効率よく供給するために配置されている。ま
た、共振器の共振周波数の調節のために、軸方向に可動
な短絡板を配置することが可能であることや、ギャップ
容量を調節することが可能であることが記載されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の特開平5−09
6500号公報の装置では、加工物の精度が、目標精度
よりも低くなってしまうことがあった。また、加工中に
加工速度が低下することもあった。これは、この装置の
共振器の構成では、被加工物とワイヤ電極との相対的な
位置関係の変化により、ワイヤ電極に供給される高周波
電力値が変化し、これによりプラズマ状態が変化するた
めであると考えられる。しかしながら、上述の従来の装
置では、加工中のプラズマ状態の変化に対して対応する
ことは考慮されていない。たとえ、加工中に上述の共振
器の構成で短絡板を移動させて共振周波数を変化させた
としても、共振周波数を変化させるのみでは、加工中の
プラズマ状態の変化に対応することは困難である。
【0005】本発明の第一の目的は、加工中のプラズマ
状態を安定させることができ、高精度に物品の形状を加
工することが可能である形状創成装置を提供することに
ある。
【0006】本発明の第二の目的は、加工電極に電力を
効率よく供給でき、加工速度の速い形状創成装置を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第一の目的を達成す
るために、本発明の第一の態様によれば以下のような形
状創成装置が提供される。
【0008】すなわち、被加工物を支持する支持手段
と、プラズマを生成するための加工電極と、少なくとも
前記被加工物と前記加工電極とが対向する空間に反応ガ
スを供給する反応ガス供給手段と、インピーダンスを整
合させて前記加工電極に電力を供給するための整合手段
とを有し、前記整合手段は、共振器を有し、前記共振器
には、少なくとも2つの電気定数を可変にするために、
少なくとも2つの可動部が配置されている形状創成装置
である。
【0009】上記第二の目的を達成するために、本発明
の第二の態様によれば以下のような形状創成装置が提供
される。
【0010】すなわち、内部に空間を有する導体の筐体
と、前記筐体内の空間に配置された内部導体とを備える
同軸型共振器を有し、前記内部導体の一端は、加工電極
形状であり、前記同軸型共振器内には、内部空間を、前
記内部導体の前記加工電極形状側の端部が位置する第1
の空間と、他端側の第2の空間とを隔絶するための誘電
体の隔壁が配置され、前記第1の空間には、被加工物を
支持するための支持手段と、反応ガスを導入する反応ガ
ス供給手段が配置され、前記第2の空間には、前記同軸
型共振器内に電力を導入するための導入口と、前記同軸
型空洞共振器の電気定数を可変にするための可動部が配
置されることを特徴とする形状創成装置である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について、
以下説明する。
【0012】本発明では、高周波電源への電力反射を抑
えると同時に、加工電極に高い高周波電圧を発生するた
めの、同軸型空洞共振器構造の整合器を、プラズマCV
Mチャンバーと高周波電源との間に備えた形状創成装置
を提供する。ここで、プラズマCVMチャンバーとは、
被加工物や加工電極が内部に配置されるチャンバーであ
る。同軸型空洞共振器には2つの可動部を設け、2つの
電気定数が変化可能な構造とする。これにより、整合器
側より見たプラズマCVMチャンバーのインピーダンス
が加工中に変化した場合にも、2つの電気定数を変化さ
せることにより、プラズマCVMチャンバー側のインピ
ーダンスと電源側のインピーダンスとを一致させること
ができる。よって、高周波電源への反射波をなくすこと
ができ、プラズマCVMチャンバー内の加工電極への供
給電力を一定に維持できる。しかも、共振器の共振状態
が維持されるので、高い電圧、電流を得ることができ
る。
【0013】また、本実施の形態では、プラズマCVM
チャンバーを、上述の同軸型空洞共振器の一部として構
成する。具体的には、同軸型空洞共振器の空間の一部を
仕切り、この仕切った部分をプラズマCVMチャンバー
とする。そして、同軸型空洞共振器の一部のプラズマC
VMチャンバーの内部に被加工物を配置し、同軸型空洞
共振器の内部導体の先端を加工電極として加工を行う構
成を用いる。この構成では、同軸型空洞共振器内で生じ
た高い電圧と大きな電流を有する高周波電力を、最大限
損なうことなくプラズマCVMチャンバー内の加工電極
に供給することができる。このため、最も効率よく加工
電極に電力を供給することができる。
【0014】以下、この構造を図面を用いて具体的に説
明する。
【0015】本実施の形態の形状創成装置は、図1のよ
うに、同軸型空洞共振器1と、これに電力を供給する高
周波電源2と、制御装置5とを備えて構成される。同軸
型空洞共振器1は、外部導体である筐体12と、筐体1
2の内部に配置された棒状の内部導体11とを備えてい
る。
【0016】同軸型空洞共振器1には、内部の空間を上
部空間と下部空間とに仕切る隔壁17が配置されてい
る。隔壁17は誘電体材料で形成され、同軸型空洞共振
器1内の共振を妨げない。下部空間は、筐体12と隔壁
17により外部空間から隔絶された気密空間であり、プ
ラズマCVMによる加工を行うためのプラズマ生成室1
8として用いられる。このプラズマ生成室18を形成す
る筐体12と隔壁17とがプラズマCVMチャンバーを
構成する。
【0017】プラズマ生成室18の内部導体11の先端
には、所望の先端形状の加工電極15が取り付けられて
いる。内部導体11の長さは、加工電極15の先端が、
筐体12の底部とは接触しない長さに定められている。
筐体12の底部には、被加工物13を電極15の先端に
非接触で対向させる位置に支持するワークテーブル14
が配置されている。ワークテーブル14には、不図示の
位置決めユニットが接続されている。位置決めユニット
は、被加工物13の加工すべき部分を、加工電極15に
対向させるためにワークテーブル14をxyz方向に駆
動する。
【0018】また、プラズマ生成室18には、反応ガス
を導入するために、流量制御装置23を介してガスボン
ベ24が接続される。また、反応ガスを排気するため
に、バルブ21を介して排気ポンプ22が接続される。
プラズマ生成室18の内部の空間には、圧力センサ19
が配置され、圧力センサ19の出力は圧力制御装置20
に入力される。圧力制御装置20は、バルブ21を制御
し、プラズマ生成室18内の圧力を制御する。
【0019】一方、同軸型空洞共振器の上部空間の筐体
12には、高周波電源2からの電力を共振器1内に導く
同軸管を接続するために、接続口301が設けられてお
り、この接続口301に同軸管25が接続される。この
同軸管25は、図1のようにL字型に屈曲している。
【0020】また、同軸型空洞共振器1の上部空間に
は、同軸型空洞共振器1の電気定数を変化させるための
2つの可動部が配置される。第一の可動部は、同軸型空
洞共振器1の軸方向に移動可能なショート板26であ
る。ショート板26は、ドーナツ型の導電板であり、そ
の内周および外周にはそれぞれ内部導体11および筐体
12と電気的に導通するための接触子201が取り付け
られている。ショート板26には、駆動軸28が取り付
けられている。駆動軸28は、共振器1の外部に配置さ
れた駆動装置3に接続されている。駆動装置3は、駆動
軸28をz方向に駆動することにより、ショート板26
を同軸型空洞共振器1の軸方向に移動させる。
【0021】なお、筐体1は、円筒または多角筒でもよ
い。また、内部導体11は、円柱、多角柱、円筒、多角
筒のいずれでもよい。また、ショート板26は、筐体1
および内部導体11と電気的に良好で導通させることが
でき、Z方向に駆動できる形状であればドーナツ型でな
くてもよい。たとえば、筐体1が立方体で、内部導体1
1が円柱であれば、ショート板26は四角形の板の中央
に円の孔をあけたものにすればよい。ショート板11の
厚みは、接触子201が保持できる厚さがあればよい。
【0022】第二の可動部は、同軸管25の内部導体3
1の同軸型空洞共振器1側の端部に接続されている電力
供給板27である。電力供給板27は、同軸型空洞共振
器1の内部導体11と対向するように取り付けられる。
また、同軸管25の内部導体31は、外筒29の内側に
内筒30の端部が差し込まれ、軸方向に伸縮可能な構造
になっており、内部を絶縁体の駆動軸32が貫いてい
る。駆動軸32の一端は、電力供給板27に固定され、
他端は駆動装置4に接続されている。駆動装置4が、駆
動軸32をy方向に駆動することにより、電力供給板2
7と内部導体11との間隔が変化する。
【0023】なお、電力供給板27の形状は平板でも、
内部導体をつつみ込むように屈曲したものでも、また、
曲面形状でもよい。電力供給板27の厚さは、少なくと
も自重で変形しない程度の厚さがあればよい。また、電
力供給板の内部導体側の面に絶縁体をとりつけておくこ
ともできる。これにより、後述する整合と同調が良好に
行え、かつ、電力供給板を内部導体に接近させすぎた場
合の短絡を防止することもできる。
【0024】同軸管25の内部には、同軸管25内を伝
送される高周波の電圧と電流をそれぞれ検出するための
電圧検出器33および電流検出器34が取り付けられて
いる。これらの検出器33、34の出力は、制御装置5
に入力される。制御装置5は、検出器33、34の出力
を用いて形成した制御信号を、前述の駆動装置3および
駆動装置4に出力する。
【0025】同軸管25と高周波電源2とは、同軸ケー
ブル606によって接続されている。
【0026】以上が、図1に示した本実施の形態の形状
創成装置の構成である。
【0027】ここで、図1の形状創成装置を用いて被加
工物13の加工を行う際の動作について説明する。 ま
ず、ワークテーブル14上に被加工物13を搭載し、プ
ラズマ生成室18内を予め定めた圧力まで、排気ポンプ
22により排気する。その後、流量制御装置23により
流量制御しながら、ガスボンベ24から反応ガスを導入
する。プラズマ生成室18内の反応ガス圧は、圧力制御
装置20が圧力センサ19の出力を用いてバルブ21を
制御することにより、一定に保たれる。
【0028】つぎに、高周波電源2から同軸管25へ高
周波を供給する。高周波は、同軸管25をTEMモード
で伝搬して、同軸型空洞共振器1に導入され、同軸型空
洞共振器1内で共振する。このとき、同軸管25の外部
導体および同軸型空洞共振器1の筐体12は、接地され
ているため、内部導体11に正の電圧および電流が流
れ、これが先端の加工電極15に流れる。内部導体11
の電圧および電流は、共振により強められている。この
強められた電圧により、加工電極15の先端に高電界が
発生し、加工電極の先端にプラズマ16が生じる。
【0029】このプラズマ16により、反応ガスのラジ
カルが生じ、被加工物13と反応する。反応生成物が揮
発することにより、被加工物13のうち加工電極15と
対向している部分が加工される。揮発した反応生成物
は、排気ポンプ22により排気される。不図示の位置決
めユニットにより、被加工物13を移動させて、被加工
物13の加工すべき部分を順に加工電極15に対向させ
ることにより、被加工物13を所望の形状に加工するこ
とができる。
【0030】ところで、上述のように加工電極の電圧を
昇圧させ、加工電極を高電界にするためには、同軸型空
洞共振器1内で高周波を共振させ、かつ、同軸型空洞共
振器1から高周波電源2への反射波をなくす必要があ
る。そのためには、ケーブル接続口607から見た高周
波電源2側のインピーダンスと、同軸管25および同軸
型空洞共振器1側のインピーダンスとを一致させる必要
がある。高周波電源2側のインピーダンスは一定であ
り、規格化されており、その値は一般的には50+0Ω
である。しかしながら、同軸型空洞共振器1側のインピ
ーダンスは、加工電極15と被加工物13との位置関係
やプラズマ16の状態によって容易に変化する。
【0031】本実施の形態では、このようなインピーダ
ンスの変化に、ショート板26と電力供給板27とを移
動させることにより対応することができる。これらの移
動により、ケーブル接続口607から見た同軸型空洞共
振器1側のインピーダンスを、高周波電源2側のインピ
ーダンスと一致する一定の値に保つことができるのであ
る。
【0032】まず、ショート板26および電力供給板2
7の移動により、空洞共振器1側のインピーダンスを一
定に保ち、高周波電源2側のインピーダンスと一致させ
ることができる原理について説明する。
【0033】プラズマが生成している状態における同軸
型空洞共振器1を電気的な観点から模式的に表すと図2
(a)のようになる。ここで、図中の結合部Aは、電力
供給板27からコンデンサ201を介して、同軸型空洞
共振器1に電力が供給される点である。
【0034】このような同軸型空洞共振器1の同軸管2
5の点Bから見たインピーダンスZ5は、図2(a)の
ように、電力供給板27と内部導体11との間に形成さ
れるコンデンサ201のインピーダンスXC1と、結合部
Aから見た同軸型空洞共振器1側のインピーダンスZ4
との和によって、(1)式のように表すことができる。
【0035】
【数1】
【0036】(1)式における容量C1は、駆動装置4
の動作によって、電力供給板27と内部導体11との距
離が変化した場合に変化する。
【0037】また、インピーダンスZ4は、同軸型空洞
共振器1における結合部Aよりも上部側のインピーダン
スZ3と、底部側のインピーダンスZ2との並列和によ
り、(2)式のように表すことができる。
【0038】
【数2】
【0039】インピーダンスZ3は、結合部Aから上の
部分の空洞部を終端を短絡した同軸管と見なせば、
【0040】
【数3】
【0041】と表される。ここで、L1は、結合部Aと
ショート板26との距離、Wは、結合部Aから上の部分
の空洞部の特性インピーダンスであり、 W=138log(Dout/Din) である。ここで、Doutは、筐体12の径であり、Din
は、内部導体11の径である。また、高周波電源2の出
力する高周波の波長をλとすると、βは、位相定数で、 β=2π/λ である。
【0042】一方、インピーダンスZ2は、加工電極1
5とワークテーブル14との間のインピーダンスZ1
および、結合部Aから下の空洞部の構造で決定される関
数から求められるインピーダンスによって表される。こ
こで、インピーダンスZ1について、いかに詳しく説明
する。まず、加工電極15と被加工物13との間には、
コンデンサ202および抵抗203の存在を仮定するこ
とができる。というのは、加工電極15は、正の電圧お
よび電流が供給されているのに対し、対向する被加工物
13のワークテーブル14は、接地されている。そのた
め、電気的には、加工電極15とワークテーブル14と
の間にコンデンサ202が存在すると見なせるのであ
る。また、加工電極15と被加工物13との間に発生し
ているプラズマ16は、電気的には抵抗203と見なせ
る。コンデンサ202の容量は、主に加工電極15とワ
ークテーブル14との距離および被加工物の厚さによっ
て変化するため、コンデンサ202の容量は、加工途中
の加工電極15とワークテーブル14との位置関係によ
って変化する。また、抵抗203の抵抗値は、プラズマ
状態に応じて変化するため、抵抗203の抵抗値は、反
応ガス濃度や供給電力量等の加工条件によって変化し、
また加工中に何らかの要因でプラズマが不安定になった
場合にも変化する。このようなことから、インピーダン
スZ1は、加工電極15とワークテーブル14との間の
コンデンサ202や、プラズマ16の抵抗203のイン
ピーダンスの関数で表すことができる。そこで、コンデ
ンサ202や抵抗203のインピーダンスおよび空洞部
の構造で決定される関数によるインピーダンスを総括し
てインピーダンスZ2を、 Z2=a2+b2j ・・・(4) と表す。ここで、jは虚数を表す。
【0043】(3)式と(4)式とを(2)式に代入
し、
【0044】
【数4】
【0045】とおく。また、(1)式のXC1は、電力供
給板と内部導体11との間に形成される静電容量C
1と、高周波電源2の出力する高周波の関数fとによ
り、 XC1=1/(j2πfC1) ・・・(6) と表されるから、(5)式と(6)式とを(1)式に代
入することにより、同軸管25の点Bから同軸型空洞共
振器1を見たインピーダンスZ5は、
【0046】
【数5】
【0047】と表される。ここで、点Bから見た高周波
電源2側のインピーダンスZ6は、一般には、50+0
Ωである。したがって、これと同軸型空洞共振器1側の
インピーダンスZ5とを一致させるには、(7)式にお
いて、実数成分および虚数成分をそれぞれ50および0
に一致させ、 a4=50 ・・・(8) b4−1/(2πfC1)=0 ・・・(9) とすればよい。これにより、加工条件の変化や、加工途
中の位置関係の変化やプラズマの変化に関わらず、同軸
型空洞共振器1側のインピーダンスを常に電源2側のイ
ンピーダンスと一致するように一定に保つことができ
る。
【0048】本実施の形態では、ショート板26と電力
供給板27とを動かして、L1とC1を変化させて、
(7)式のインピーダンスZ5の実数成分a4および虚数
成分(b4−1/(2πfC1))を所定の値に変化させ
ることができる。なぜならば、a4は、(5)式から明
らかなように、L1の変化に伴い変化するため、加工中
にa2やb2が変化した場合にも、L1を変化させること
により所定の値に変化させることができる。また、(b
4−1/(2πfC1))は、L1とC1の変化に伴い変化
するため、a4を所定の値に変化させるために設定した
1の値に応じて、C1を変化させることにより、加工中
にa2やb2が変化した場合にも、(b4−1/(2πf
1))を所定の値に変化させることができる。こうし
て、本実施の形態の形状創成装置では、加工中にa2
2が変化した場合にも、常に高周波電源2側のインピ
ーダンスと同軸型空洞共振器1側のインピーダンスとを
一致させることができる。
【0049】このように、本実施の形態の形状創成装置
では、ショート板26および電力供給板27の移動によ
り、空洞共振器1側のインピーダンスを一定に保ち、高
周波電源2側のインピーダンスと一致させることができ
る。
【0050】上述の実施の形態では、ショート板26を
用いているが、図2(b)のように、ショート板26の
かわりに、容量可変コンデンサC235を配置した構成
でも、空洞共振器1側のインピーダンスを一定に保ち、
高周波電源2側のインピーダンスと一致させることがで
きる。この場合には、(3)式において、インピーダン
スZ3は、容量可変コンデンサC235のインピーダンス
C2と、結合部Aとショート板25との間の空洞部のイ
ンピーダンスXL0の関数となり、
【0051】
【数6】
【0052】となる。ただし、L0は、結合部と空洞部
の天板との距離であり、定数である。また、C2は、容
量可変コンデンサ35の静電容量である。
【0053】ここで(10)式と(4)式とを(2)式
に代入し、
【0054】
【数7】
【0055】とおくと、前述と同様に、同軸管25の点
Bから同軸型空洞共振器1側を見たインピーダンスZ5
は、
【0056】
【数8】
【0057】となる。
【0058】この図2(b)の実施の形態では、加工中
にa2、b2が変化した場合にも、C2、C1を変化させる
ことにより、(12)式において、a5=50,b5−1
/(2πfC1)=0となるようにして、常に高周波電
源側のインピーダンスと同軸型空洞共振器側のインピー
ダンスとを一致させることができる。
【0059】さらに別の実施の形態としては、ショート
板26や容量可変コンデンサC235のかわりに、位相
定数βを変化させる構成でも空洞共振器1側のインピー
ダンスを一定に保ち、高周波電源2側のインピーダンス
と一致させることができる。この場合には、(3)式に
おいて、インピーダンスZ3は結合部Aより上側の空洞
部のインピーダンスXLXとひとしくなり、
【0060】
【数9】
【0061】となる。ただし、L0は、結合部Aと空洞
部の天板との距離であり、定数である。
【0062】ここで、(13)式と(4)式を(2)式
に代入し、
【0063】
【数10】
【0064】とおくと、前述と同様に、同軸管25の点
Bから同軸型空洞共振器側を見たインピーダンスZ
5は、
【0065】
【数11】
【0066】となる。この実施の形態では、βとC1
を変化させて、(15)式において、a6=50、b6
1/(2πfC1)=0となるようにして、加工中に
2、bが変化した場合にも常に高周波電源側のイン
ピーダンスと同軸型空洞共振器側のインピーダンスとを
一致させることができる。位相定数βを変化させる構成
としては、空洞共振器1の空洞の誘電率を変化させるた
めに、空洞共振器1内の空洞に誘電体材料を挿入する構
成や、高周波電源2の出力する高周波の波長λを変化さ
せる構成を用いることができる。
【0067】なお、本実施の形態の図1の構成では、上
述してきた(8)式および(9)式を満たすように
、C1を変化させるために、制御装置5が駆動装置
3、4の動作を制御することにより、ショート板26お
よび電力供給板27を移動させる。
【0068】このような、L1とC1の変化のさせ方とし
ては、まず(5)式において、a4=50となるよう
に、ショート板を動かしてL1を変化させる。このと
き、(5)式におけるb4は、L1の変化に応じて任意の
値をとることになる。つぎに、(7)式においては、b
4−1/(2πfC1)=0となるように、電力供給板2
7を動かしてC1を変化させる方法が考えられる。この
方法が、直接的でよいが、実際には、Z4、Z5を検出し
ながら、L1、C1をこのように動作させるのは困難であ
る。そこで、以下のようにB点から空洞共振器側を見た
インピーダンスZ5を50+0jΩとすることにより整
合を行う。
【0069】具体的には、制御装置5は、図4のよう
に、自動整合回路502と、自動同調回路501とを有
している。電圧検出器33は、同軸管25を伝搬する高
周波の電圧を検出する。電流検出器34は、同軸管25
を伝搬する高周波の電流を、電圧として検出する構成で
ある。ここで同軸型空洞共振器1側と高周波電源2側と
のインピーダンスが一致している場合には、同軸管25
を伝搬するのは進行波だけとなる。進行波では、図5
(a)のように、同軸管25を伝搬する高周波の電圧V
と電流Iとは、同位相であり、しかも、V/I=50で
ある。しかしながら、(4)式のa2およびb2が変化す
ると、空洞共振器1側と高周波電源2側とのインピーダ
ンスが不一致となるため、反射波が生じ、電圧Vと電流
Iとは、位相がずれ、V/I=50を満たさなくなる。
【0070】すなわち、空洞共振器1側のインピーダン
スを、高周波電源2側のインピーダンスと一致させるこ
とは、電流Iと電圧Vの位相差Δφを Δφ=0 とし、さらにV/Iを V/I=50 とすることと同等である。
【0071】自動同調回路501はDBM(Doubl
e Balanced Mixer)回路を有する。図
5(b)のように、この自動同調回路501は、電源検
出器33の出力VVの位相φVを90度ずらした出力
V’’と、電流検出器34の出力Viとを、DBM回路
に入力し、その出力Vφを駆動装置3に出力する。ここ
で電流と電圧の位相が一致している場合には、出力Vφ
=0となる。これにより、ショート板26が移動して、
同軸管25を伝搬する高周波の電流および電圧の位相差
を少なくする方向に制御する。
【0072】また、自動整合回路502は、電圧検出器
33の出力VVおよび電流検出器34の出力Viを、図5
(c)のようにそれぞれ整流し、各々予め定めた一定値
を乗じた値VV’およびVI’の和を制御信号として駆動
装置4に出力する。これにより、上述のVVおよびVi
比が予め定めた一定値になる位置に、電力供給板27が
移動する。
【0073】以上の動作の複合により、(8)式ならび
に(9)式が満たされる。
【0074】さらに詳しく、Δφ=0、V/I=50と
する方法について、以下に説明する。
【0075】まず、
【0076】
【数12】
【0077】から、電流と電圧の位相差Δφは、
【0078】
【数13】
【0079】となる。そこで、Δφ=0とするには、
【0080】
【数14】
【0081】が成立する必要がある。したがって、(1
7)式を満たすように、L1を変える。(17)式が成
立するとき(7)式は、
【0082】
【数15】
【0083】一方、V/Iは、
【0084】
【数16】
【0085】となる。
【0086】a4=50でないときには、(7)式にお
いて、C1を変えて、
【0087】
【数17】
【0088】となるようにする。
【0089】こうすることにより、(17)式が成立し
なくなる。そこで、再度(17)式が成立するように、
1を変える。この動作(L1、C1を変化させる)を繰
り返すことにより、 Δφ=0 V/I=50 とする。
【0090】なお、実際には、L1とC1の動作は、ほぼ
同時進行で行われる。
【0091】また、これにより、(8)、(9)式が満
たされることになる。
【0092】このように、本実施の形態では、同軸型空
洞共振器1のインピーダンスを、常に(8)式(9)式
を満たすよう制御することができ、高周波電源2側のイ
ンピーダンスと一致させることができる。したがって、
いわゆる同調および整合を保つことができ、空洞共振器
1を常に共振させることができ、高周波電源2側への反
射波をなくすことができる。
【0093】なお、高周波電源側のインピーダンスが、
任意の値(p+qjΩ)をとる場合にも、前記と同様の
方法によりインピーダンス整合をとることができる。
【0094】また、本実施の形態の形状創成装置では、
同軸型空洞共振器1の内部空間の一部を隔壁17で仕切
ってプラズマ生成室18とし、内部導体11の先端に加
工電極15を直接取り付け、同軸型空洞共振器1の内部
で加工を行っている。このような構成にすることによ
り、同軸型空洞共振器1で強められた電圧および電流を
損失なく加工電極15に供給することができ、効率よく
安定したプラズマを形成することができる。よって、加
工途中にプラズマが不安定になることを防止することが
でき、高精度に、速い加工速度で加工を行うことができ
る。また、加工条件の変更にともなうインピーダンスの
変化にも対応することができる。
【0095】しかしながら、本発明は、このような同軸
型空洞共振器1の内部にプラズマ生成室を設ける構成に
限定されるものではない。プラズマ生成用の加工チャン
バーと空洞共振器とを別体とし、空洞共振器1の内部導
体を加工チャンバー内部まで突出させ、この先端に加工
電極を取り付ける構成にすることも可能である。同軸型
空洞共振器1の内部には、図1の構成と同様に、2以上
の電気定数を変化させるための2つ以上の可動部を設け
る。このような構成では、同軸型空洞共振器1の外部の
加工電極に電流および電圧を供給することになるため、
加工電極1に供給する電力の伝達に損失が伴うが、可動
部を2以上設けているため、図1の構成と同様に、電源
側と加工チャンバー側のインピーダンスを一致させるこ
とは可能である。したがって、空洞共振器1を常に共振
させることができ、同軸管25および高周波電源2への
反射波をなくすことができる。
【0096】なお、図1の構成では、電力供給板27と
内部導体11との間隔を変化させて、これらの間に形成
されるコンデンサ201の容量C1を変化させ、(9)
式を満たすように構成したが、本発明はこの構成に限定
されるものではない。例えば、電力供給板27のかわり
に、図6(a)のように、同軸管25の内部導体31の
先端にLカップラと呼ばれる鍵形の導体602を取り付
けることができる。この鍵形の導体602を図6(a)
のように伸び縮み可能な構造にしておく。鍵形の導体6
02と筐体12とで挟まれる部分601の面積が変化す
るよう、内部導体の鍵形の導体602の図6(a),
(b)のように伸び縮みさせることにより、鍵形の導体
602のインダクタンスLが変化し、コンデンサ201
の場合と同様に、空洞共振器1のインピーダンスを変化
させることができる。
【0097】また、たとえば、ショート板26の代わり
に、図2(b)、図3のように筐体12と内部導体11
とを電気的に接続する容量可変コンデンサ35を配置す
ることができる。
【0098】また、ショート板26と容量可変コンデン
サ35と電力供給板27の3つを備えた構成にすること
もできる。
【0099】また、上述の実施の形態では、ドーナツ形
のショート板26の内周と外周に接触子201を取り付
け、接触子201を介して、ショート板26と内部導体
11、ならびに、ショート板26と筐体12とを導通さ
せる構成を用いたが、ショート板26の構成はこの構成
に限定されるものではない。例えば、接触子201のか
わりにテフロン等の誘電体を、ショート板26の外周お
よび内周にそって取り付け、ショート板26と内部導体
11、ならびに、ショート板26と筐体12がこの誘電
体の形成するコンデンサを介してそれぞれ接続される構
成にすることも可能である。
【0100】さらに、上述の実施の形態の筐体11は、
上部と下部の径が等しい図1の形状に限定されるもので
はない。例えば、プラズマ生成室18の部分で大きな径
を有する形状にすることができる。また、隔壁17の部
分で、筐体12の径が小さくなる形状にすることもでき
る。
【0101】なお、図1の実施の形態では、TEMモー
ドの同軸型空洞共振器1を用い、内部導体11の先端を
加工電極15としたが、図8のように、TEモードまた
はTMモードの空洞共振器801を用い、共振器801
の壁面の一部を加工電極802とすることも可能であ
る。図8の構成の場合には、高周波電源と空洞共振器8
01とを接続する手段として、空洞共振器801とモー
ドの一致する導波管825を用いる。また、可動のショ
ート板826を空洞共振器801内に配置する。さら
に、導波管825の空洞共振器801への接続部付近
に、導波管825の内部の空間を狭める可動の導体板8
29を配置する。これにより、図1の構成と同様の効果
が得られる。
【0102】
【実施例】本発明による形状創成装置の一実施例につい
て図7を用いて説明する。
【0103】本実施例の形状創成装置は、図1の形状創
成装置とほぼ同様の構成であるが、空洞共振器1の筐体
12を2つの導体チャンバ203、204で構成してい
る。底部側のチャンバ204は、プラズマ生成室18を
形成する。上部側のチャンバ203には、ショート板2
6や電力供給板27が配置される。上部側チャンバー2
03は一辺が約300mm高さ約1000mmの立方体
とした。また、上部側チャンバー内の内部導体は径約1
00mmの円柱とした。上部側のチャンバ203と底部
側のチャンバ204との間には、セラミックスで形成さ
れた隔壁17が配置される。また、隔壁17部分の筐体
12の径を、導体の突出部701によって狭めてある。
このように、突出部を設け隔壁17の径を小さくしてい
る。すなわち、セラミックスで形成される隔壁17の面
積を小さくすることにより、この隔壁17自体の強度を
向上させている。
【0104】ショート板26や電力供給板27の駆動装
置3,4は、モータ、ボールネジ、ナット板、および支
持棒で構成した。ボールネジはモータに固定されてお
り、ボールネジにナット板のネジ部が取り付けられてい
る。また、ナット板にあけられた孔に支持棒が貫通して
いる。ここでモータを回転させることにより、ナット板
は支持棒にならって直進する。
【0105】また、駆動軸28,32はナット板に固定
されている。したがって、モータの回転により、ナット
板に固定された駆動軸28が直進運動し、これによりシ
ョート板26や電力供給板27が直進運動するのであ
る。
【0106】この構成において、ショート板26は約3
00mm、電力供給板27は約50mmそれぞれ動作す
るようにした。
【0107】また電力供給板27は約100m×100
m、厚さは約3mmとした。ショート板26の厚さは約
5mmとした。
【0108】また、チャンバ204の下側には、位置決
めユニット703を配置するためのチャンバ702を設
けている。チャンバ204とチャンバ702との間は、
導体で区切られている。したがって、チャンバ702の
内部空間は、共振器1の一部ではない。チャンバ204
とチャンバ702の間の導体の一部は、蛇腹704と隔
壁705である。ワークテーブル14と位置決めユニッ
ト703を連結する支持棒706が、気密を保って隔壁
705を貫通している。これにより、位置決めユニット
703が、プラズマ反応ガスに接触して腐食するのを防
いでいる。
【0109】高周波電源2は、周波数130MHzで、
最大出力1kWとした。高周波電源2のインピーダンス
は50+0jΩである。
【0110】チャンバ204は、約φ600mm、高さ
約300mmのステンレス製とした。チャンバ702
は、約φ1500mm、高さ約1000mmのステンレ
ス製とした。したがって、底部側のチャンバ204の径
は、上部側のチャンバ203の一辺の長さよりも大き
い。ワークテーブルは約φ400mmのステンレス製と
した。位置決めユニットは、X,Y,Zの3軸の直進と
回転の自由度を有し、X,Yは各々約150mm、Zは
100mmのストロークを有するものとした。
【0111】また、加工電極15と内部導体11との間
には、加工電極15の軸方向をz軸方向から傾け、被加
工物13の表面の法線を向かせる電極傾斜ユニット20
2を配置した。電極15としては、外径φ4mm、内径
φ2mmのNi製パイプを用いた。ただし、この電極は
交換可能である。
【0112】また、流量制御装置23は、反応ガスを3
0cc/min〜100L/minの範囲で調整できる
ように構成した。反応ガスには、He,SF6,N2を使
用できるようにした。なお、反応ガスは被加工物13の
材質に応じて前記3種類のほかにも種々選択できるよう
にした。
【0113】排気システム722は、排気ポンプ、吸着
装置により構成した。排気ポンプには、ドライポンプを
用いた。この構成により、反応で生成したガスはドライ
ポンプで吸引され、加工チャンバ外に排出される。ま
た、人体に有毒な生成ガスは吸着装置で吸着されたの
ち、無害なガスとなって大気に放出される。
【0114】加工制御部707は、傾斜ユニット202
と位置決めユニット703とに接続されている。そし
て、加工時にメモリからNCデータを読みこんで、位置
決めユニット703と、傾斜ユニット202を動作させ
る。
【0115】つぎに、上述の構成の装置を用いて、被加
工物13を所望の形状に加工する手順を説明する。ここ
では、被加工物13として石英ガラスのレンズを用い
る。
【0116】まず、被加工物13をワークテーブル14
上に設置する。つぎにチャンバ204を密閉し、チャン
バ204内を排気システム722により排気する。ガス
ボンベ24から、流量制御装置23を介してチャンバ2
04に、Heに数%のSF6を混合した反応ガスを数1
0L/min程度の一定流量で供給し、数100〜76
0torrの範囲で一定に保持する。
【0117】高周波電源2から100W程度の高周波
(130MHz)を出力する。高周波は、同軸管25を
伝搬して共振器1に入り、共振器1で共振することによ
り、高い電圧および大きな電流が、加工電極15に供給
される。これにより、電極15の先端にのみプラズマを
生成させることができる。
【0118】加工制御部707は、NCデータに基づい
て位置決めユニット703および電極傾斜ユニット20
2を制御して、電極15の先端の面が、被加工物13の
加工点の接平面と平行になるように走査させる。
【0119】これにより、石英ガラス(SiO2)と反
応ガスとは反応し、除去加工が進行する。反応式は、下
式であると考えられる。なお、Heは反応に寄与しな
い。
【0120】SF6→S+6F* 3SiO2+2SF6→3SiF4+3O2+2S このような加工中には、連続的に、加工電極15とワー
クテーブル14との距離および、加工電極15とワーク
テーブル14との間にある被加工物13の厚さが変化す
る。これは電気的には、図2(a),(b)のインピー
ダンスZ1が変化し、これにともなって(4),
(5),(7)式のインピーダンスZ2,Z4,Z5が変
化することを意味する。
【0121】ここで加工の途中に、ショート板26およ
び電力供給板27を制御装置5の制御によって移動させ
ることにより、B点から見た高周波電源2側のインピー
ダンスZ6と、前記のように加工途中に変化する共振器
1側のインピーダンスZ5を一致させることができる。
これにより、加工途中に常に共振器1を共振状態にする
ことができるとともに、高周波電源2への反射波をなく
すことができる。したがって、加工電極15に供給され
る電力を一定に保つことができ、さらに効率よく電力を
供給することができる。このため、安定したプラズマで
高精度に、かつ高速度で加工を行うことができる。
【0122】具体的には、本実施例では、形状誤差が約
1μmの直径φ100mmの平面レンズを被加工物とし
た場合、加工時間が約5.5時間で、形状誤差をPV約
0.1μmにすることができた。また、形状誤差が約1
μmで直径φ150の球面レンズを被加工物とした場
合、加工時間が約8時間で形状誤差をPV約0.1μm
にすることができた。
【0123】
【発明の効果】上述のように、本発明の第一の態様によ
る形状創成装置は、加工電極と被加工物との位置関係の
変化によってインピーダンスが変化しても、高周波電源
側への反射波を常になくすことができるため、加工電極
に常に効率よく電力を供給することができる。これによ
り、加工中のプラズマ状態を安定させることができ、高
精度に物品の形状を加工することが可能であるととも
に、加工速度を速くすることが可能である。
【0124】また、本発明の第二の態様による形状創成
装置は、同軸型空洞共振器の内部導体の先端を加工電極
とし、同軸型空洞共振器の内部で加工を行うため、同軸
型空洞共振器で強められた電力を損失することなく加工
電極に受け渡すことができる。したがって、加工電極に
効率よく電力を供給でき、加工速度を速くすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の形状創成装置の構成を
示すためのブロック図。
【図2】(a)図1の形状創成装置の電気的な状態を模
式的に説明する説明図。 (b)図1の構成のショート板に代えて容量可変コンデ
ンサを取り付けた実施の形態の電気的な状態を模式的に
説明する説明図。
【図3】本発明の一実施の形態の形状創成装置の構成を
示すためのブロック図。
【図4】図1の形状創成装置の検出器33、34と制御
装置5の構成を示すブロック図。
【図5】(a),(b),(c)図1の形状創成装置の
検出器33、34で検出される波形と、制御装置5の動
作とを示すための説明図。
【図6】(a),(b)図1の形状創成装置で電力供給
板27に代えて使用できる鍵形の導体の構成を示す部分
断面図。
【図7】本発明の一実施例の形状創成装置の構成を示す
ブロック図。
【図8】本発明の一実施の形態の形状創成装置の共振器
部分の構成を示す部分断面図。
【符号の説明】
1…同軸型空洞共振器、2…高周波電源、3…駆動装
置、4…駆動装置、5…制御装置、13…被加工物、1
4…ワークテーブル、15…加工電極、16…プラズ
マ、17…隔壁、18…プラズマ生成室、19…圧力セ
ンサ、20…圧力制御装置、21…バルブ、22…排気
ポンプ、25…同軸管、26…ショート板、27…電力
供給板、35…容量可変コンデンサ、602…鍵形導
体。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年6月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
フロントページの続き (72)発明者 谷口 美樹 神奈川県相模原市下溝810−3 グリーン ハイツ下溝202 (72)発明者 瀧野 日出雄 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 (72)発明者 田中 宏明 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 (72)発明者 海老 正美 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内 (72)発明者 柴田 規夫 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加工物を支持する支持手段と、プラズマ
    を生成するため加工電極と、少なくとも前記被加工物と
    前記加工電極とが対向する空間に反応ガスを供給する反
    応ガス供給手段と、インピーダンスを整合させて前記加
    工電極に電力を供給するための整合手段とを有し、 前記整合手段は、共振器を有し、 前記共振器には、少なくとも2つの電気定数を可変にす
    るために、少なくとも2つの可動部が配置されているこ
    とを特徴とする形状創成装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記少なくとも2つの
    可動部が変化させる電気定数は、これらの電気定数の変
    化により、前記共振器に電力を導入する際の前記共振器
    のインピーダンスの実数部および虚数部の値が変化する
    ものであることを特徴とする形状創成装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記共振器は、内部に
    空間を有する導体の筐体と、前記筐体内の空間に配置さ
    れた内部導体とを有する同軸型共振器であり、 前記筐体には、共振器内に同軸管から電力を導入するた
    めに、同軸管接続口が設けられていることを特徴とする
    形状創成装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記可動部として、前
    記同軸型共振器の内部の空間の容積を変化させる方向に
    可動な導体板を有することを特徴とする形状創成装置。
  5. 【請求項5】請求項3または4において、前記可動部と
    して、前記内部導体との距離が可動な電力供給板を有
    し、前記電力供給板は、前記接続口に接続された同軸管
    の内部導体と接続され、前記内部導体と対向する向きに
    配置されることを特徴とする形状創成装置。
  6. 【請求項6】請求項3において、前記可動部として、前
    記内部導体と前記筐体とを接続する容量可変コンデンサ
    を有することを特徴とする形状創成装置。
  7. 【請求項7】請求項3において、前記可動部をそれぞれ
    駆動するための駆動源と、前記可動部の動作を制御する
    ための制御部と、前記同軸管接続口に接続された同軸管
    を伝搬する電流と電圧とを検出するための検出器とをさ
    らに有し、 前記制御部は、前記検出器の検出する電流と電圧との位
    相が一致し、電圧と電流の比から求められるインピーダ
    ンスが前記同軸管のインピーダンスと一致するように、
    前記駆動源を駆動させることを特徴とする形状創成装
    置。
  8. 【請求項8】請求項1において、前記加工電極は、前記
    共振器の一部を構成し、前記支持手段は、前記共振器内
    の空間に前記被加工物を支持し、前記反応ガス供給手段
    は、前記共振器内の空間に前記反応ガスを供給すること
    を特徴とする形状創成装置。
  9. 【請求項9】請求項3において、前記加工電極は、前記
    内部導体と接続されていることを特徴とする形状創成装
    置。
  10. 【請求項10】内部に空間を有する導体の筐体と、前記
    筐体内の空間に配置された内部導体とを備える同軸型共
    振器を有し、 前記内部導体の一端は、加工電極形状であり、 前記同軸型共振器内には、内部空間を、前記内部導体の
    前記加工電極形状側の端部が位置する第1の空間と、他
    端側の第2の空間とを隔絶するための誘電体の隔壁が配
    置され、 前記第1の空間には、被加工物を支持するための支持手
    段と、反応ガスを導入する反応ガス供給手段が配置さ
    れ、 前記第2の空間には、前記同軸型共振器内に電力を導入
    するための導入口と、前記同軸型空洞共振器の電気定数
    を可変にするための可動部が配置されることを特徴とす
    る形状創成装置。
  11. 【請求項11】請求項10において、前記可動部は、少
    なくとも2つの電気定数を可変にするために少なくとも
    2つ配置されていることを特徴とする形状創成装置。
  12. 【請求項12】請求項11において、前記可動部が変化
    させる電気定数は、これらの電気定数の変化により、前
    記共振器に電力を導入する際の前記共振器のインピーダ
    ンスの実数部および虚数部の値が変化するものであるこ
    とを特徴とする形状創成装置。
  13. 【請求項13】請求項12において、前記可動部とし
    て、第2の空間の容積を変化させる方向に可動な導体板
    を有することを特徴とする形状創成装置。
  14. 【請求項14】請求項12または13において、前記可
    動部として、前記内部導体との距離が可動な電力供給板
    を有し、前記電力供給板は、前記導入口に接続された同
    軸管の内導体と接続され、前記内部導体と対向する向き
    に配置されることを特徴とする形状創成装置。
  15. 【請求項15】請求項12において、前記可動部とし
    て、前記内部導体と前記筐体とを接続する容量可変コン
    デンサを有することを特徴とする形状創成装置。
  16. 【請求項16】請求項10において、前記筐体は、その
    径および形状のうちの少なくとも一方が、前記第1の空
    間と前記第2の空間とで異なることを特徴とする形状創
    成装置。
  17. 【請求項17】請求項10において、前記筐体は、前記
    隔壁の位置における径が、前記第1の空間および第2の
    空間の径よりも小さいことを特徴とする形状創成装置。
JP8179474A 1996-07-09 1996-07-09 形状創成装置 Pending JPH1025583A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8179474A JPH1025583A (ja) 1996-07-09 1996-07-09 形状創成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8179474A JPH1025583A (ja) 1996-07-09 1996-07-09 形状創成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1025583A true JPH1025583A (ja) 1998-01-27

Family

ID=16066487

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8179474A Pending JPH1025583A (ja) 1996-07-09 1996-07-09 形状創成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1025583A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001028300A1 (fr) * 1999-10-15 2001-04-19 Tokyo Electron Limited Dispositif d'adaptation et appareil de traitement au plasma
WO2011087094A1 (ja) * 2010-01-18 2011-07-21 東京エレクトロン株式会社 電磁波給電機構およびマイクロ波導入機構
WO2020116256A1 (ja) * 2018-12-06 2020-06-11 東京エレクトロン株式会社 プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
WO2022091821A1 (ja) * 2020-10-29 2022-05-05 東京エレクトロン株式会社 プラズマ処理装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001028300A1 (fr) * 1999-10-15 2001-04-19 Tokyo Electron Limited Dispositif d'adaptation et appareil de traitement au plasma
US7112926B2 (en) 1999-10-15 2006-09-26 Tokyo Electron Limited Matching unit and plasma processing system
WO2011087094A1 (ja) * 2010-01-18 2011-07-21 東京エレクトロン株式会社 電磁波給電機構およびマイクロ波導入機構
CN102474974A (zh) * 2010-01-18 2012-05-23 东京毅力科创株式会社 电磁波供电机构以及微波导入机构
WO2020116256A1 (ja) * 2018-12-06 2020-06-11 東京エレクトロン株式会社 プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
JP2020092028A (ja) * 2018-12-06 2020-06-11 東京エレクトロン株式会社 プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法
US11990316B2 (en) 2018-12-06 2024-05-21 Tokyo Electron Limited Plasma processing apparatus and plasma processing method
WO2022091821A1 (ja) * 2020-10-29 2022-05-05 東京エレクトロン株式会社 プラズマ処理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4877999A (en) Method and apparatus for producing an hf-induced noble-gas plasma
KR100700763B1 (ko) 정합기 및 플라즈마처리장치
US6326584B1 (en) Methods and apparatus for RF power delivery
US4557819A (en) System for igniting and controlling a wafer processing plasma
JP2002540582A (ja) 可変高周波結合を有するコイルを備えたプラズマ・プロセッサ
EP1702344B1 (en) Stabilizing plasma and generator interactions
TWI448212B (zh) 電漿處理之設備與方法
EP2533268B1 (en) Multiple frequency plasma etch reactor
WO2011016979A2 (en) Apparatus for vhf impedance match tuning
JPH09129618A (ja) 電力比を広帯域で調整可能な位相反転プラズマリアクタ
JPH08124862A (ja) プラズマ処理装置
TW520621B (en) Vertically translatable chuck assembly and method for a plasma reactor system
JPH1025583A (ja) 形状創成装置
KR100508738B1 (ko) 플라즈마 처리장치
US20050106873A1 (en) Plasma chamber having multiple RF source frequencies
JP2003077893A (ja) プラズマリアクター
US5124526A (en) Ion source
JPH11900A (ja) 形状創成装置および制御方法
KR100852412B1 (ko) 플라즈마 보강 반도체 웨이퍼 처리 체임버내에서플라즈마내의 고조파를 접지로 라우팅하는 방법 및 장치
JPH02137502A (ja) 誘電体共振回路の周波数調整方式
JP3822857B2 (ja) プラズマ発生方法、プラズマ装置および半導体製造装置
KR102024185B1 (ko) 소스 매처
US5474488A (en) Method of forming electrodes on a dielectric resonator part
JP3907425B2 (ja) 誘導結合プラズマ処理装置
JP2002043298A (ja) 半導体装置の製造方法及び半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060314

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060829