JPH10255765A - 非水電解質電池 - Google Patents

非水電解質電池

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JPH10255765A
JPH10255765A JP9070635A JP7063597A JPH10255765A JP H10255765 A JPH10255765 A JP H10255765A JP 9070635 A JP9070635 A JP 9070635A JP 7063597 A JP7063597 A JP 7063597A JP H10255765 A JPH10255765 A JP H10255765A
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JP
Japan
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electrolyte
battery
polymer
electrode
positive electrode
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JP9070635A
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Mikio Okada
幹雄 岡田
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の固体電解質を使用した非水電解質電池
は、固体電解質中のイオンの拡散速度が有機電解液と比
較して非常に遅いために、電極反応に必要なリチウムイ
オンの供給が十分におこなわれず、高率での充放電及び
低温での充放電をおこなった場合に十分な電池性能が得
られないという問題点があった。本発明は、有機電解液
を使用した場合の電池性能を維持したまま電池の安全性
を向上させ、結果として、活物質の利用率の向上による
電池の高容量化及び安全化素子の省略による電池の低コ
スト化を可能とするものである。 【解決手段】有孔性高分子電解質を備えた正極を備え、
正極と負極との間に有孔性高分子電解質を備えた膜を備
え、孔体積の30%以上95%以下の体積の電解液を保
持させた正極、負極あるいは有孔性高分子電解質を備え
た非水電解質電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質電池に
関するものである。
【従来の技術】現在市販されているリチウムイオン二次
電池は、正極にコバルト酸リチウム等の遷移金属の複合
酸化物活物質、負極にグラファイト等の炭素系活物質を
用い、ポリエチレン又はポリプロピレン等の多孔性セパ
レータを介在させてこれらの正・負極を対向させた構造
となっている。そして、エチレンカーボネート、エチル
メチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチル
カーボネート等の各種炭酸エステルにLiPF6、Li
BF4等のリチウム塩を溶解させた溶液を電解液として
用いている。リチウムイオン二次電池の正・負極は、活
物質粒子、結着剤としての高分子、そして活物質の電子
伝導性が不十分である場合にはアセチレンブラック等の
導電剤を混練したものを集電体に塗布し、プレスして製
作している。このようにして製作した正・負極は、活物
質粒子の隙間が孔となっており、その孔に電解液を染み
込ませることによって、電極反応に必要なリチウムイオ
ンの移動経路を十分に確保し、十分な電池性能を得るこ
とができるようになっている。上記のリチウムイオン電
池及び負極に金属リチウムを使用したリチウム電池等の
非水電解質電池は、電解質に水溶液を使用した鉛蓄電
池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池などと
異なり、電解質に可燃性の有機電解液を使用するため、
その安全性上の問題から、活物質の利用率を制限する必
要があり電池の容量が制限され、また、安全弁、保護回
路、PTC素子等の、様々な安全化素子を備える必要が
あり、コストが高くなるという問題がある。従って、有
機電解液の代わりに、より化学反応性に乏しい固体高分
子電解質を用いることによって電池の安全性を向上さ
せ、上記の安全化素子を省略することが試みられてい
る。また、電池形状の柔軟性、製造工程の簡易化、製造
コストの削減等の目的においても固体高分子電解質の適
用が試みられている。高分子電解質としては、ポリエチ
レンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテ
ルとアルカリ金属塩との錯体が多く研究されている。し
かし、ポリエーテルは十分な機械的強度を保ったまま高
いイオン導電性を得ることが困難であり、しかも導電率
が温度に大きく影響されるために室温で十分な導電率が
得られないことから、ポリエーテルを側鎖に有するくし
型高分子、ポリエーテル鎖と他のモノマーの共重合体、
ポリエーテルを側鎖に有するポリシロキサンまたはポリ
フォスファゼン、ポリエーテルの架橋体などが試みられ
ている。さらに、高分子に電解液を含浸させることによ
ってゲル状の固体電解質を製作し、非水電解質電池に適
用することも試みられている。このゲル状の固体電解質
において使用されている高分子には、ポリアクリロニト
リル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリビ
ニルサルフォン、ポリビニルピロリジノン等がある。フ
ッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合
体を用いることによって高分子の結晶化度を低下させ、
電解液を含浸し易くして導電率を向上させることも試み
られている。また、ニトリルゴム、スチレンブタジエン
ゴム、ポリブタジエン、ポリビニルピロリドン等のラテ
ックスの乾燥によって高分子膜を製作し、これに電解液
を含浸させることによってリチウムイオン導電性高分子
膜を製作することも試みられている。しかし、有機電解
液の代わりに固体電解質を用いた場合には、電解質中の
イオンの拡散速度が遅くなるために、充放電の際に正・
負極で必要とされるリチウムイオンの供給が十分におこ
なわれず、高率充放電、低温充放電をおこなった場合に
十分な電池性能が得られないという問題点があった。
【発明が解決しようとする課題】従来の有機電解液を使
用した非水電解質電池は、電解液で膨潤も湿潤もしない
ポリエチレン又はポリプロピレンをセパレータとして用
いていた。従って、セパレータが電解液を吸収して電極
全体に均一に電解液を行き渡らせることがないために、
電池への電解液の注液量が少ない場合には、電解液が電
池全体に均一に行き渡らないために、十分な電池性能が
得られなかった。従って、十分な電池性能を得るために
は、多量に電解液を注液する必要があり、その結果とし
て電極及びセパレータの孔中、及び電極とセパレータと
の隙間は、すべて電解液で占められていた。従って、釘
刺し等の安全性試験をおこなった場合、圧力上昇に対し
てクッションとなる気体が電極近傍に存在しないため
に、内部短絡箇所の発熱による、その近辺の電解液の気
化によって局所的に圧力が急激に増大し、発熱連鎖反応
の発端となる反応が生じ易くなり、その安全性が低下す
る。従って、電池の安全性を向上させるために、活物質
の利用率を制限する必要があり電池の容量が制限され、
また、様々な安全化素子を備える必要があるためにコス
トが高くなるといった問題点があった。従来の固体電解
質を使用した非水電解質電池は、固体電解質中のイオン
の拡散速度が有機電解液と比較して非常に遅いために、
電極反応に必要なリチウムイオンの供給が十分におこな
われず、高率での充放電及び低温での充放電をおこなっ
た場合に十分な電池性能が得られないという問題点があ
った。本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであ
り、有機電解液を使用した場合の電池性能を維持したま
ま電池の安全性を向上させ、結果として、活物質の利用
率の向上による電池の高容量化及び安全化素子の省略に
よる電池の低コスト化を可能とするものである。
【課題を解決するための手段】そこで、下記発明により
上記課題を解決するものである。本発明非水電解質電池
は、有孔性高分子電解質を備えた正極を備え、正極と負
極との間に有孔性高分子電解質を備えた膜を備え、孔体
積の30%以上95%以下の体積の電解液を保持させた
正極、負極あるいは有孔性高分子電解質を備えたこと、
さらに、ポリビニリデンフルオライド、ポリアクリロニ
トリル、ポリ塩化ビニル、および前記有機高分子を構成
する各種モノマーを構造中に有する共重合体のうち少な
くとも一つを備えたことを特徴とする。
【発明の実施の形態】本発明における非水電解質電池
は、膨潤又は電解液で膨潤又は湿潤する有孔性高分子電
解質を正・負極間及び正極に備える。その有孔性高分子
は、電解液で膨潤又は湿潤する性質を有するために、電
池への注液量が少ない場合であっても、電解液を吸収し
て電極全体に均一に行き渡らせることができる。従っ
て、有孔性の高分子電解質の孔及び、電極の孔などの孔
のすべてを占めるのに十分な電解液量よりも少量の電解
液を電池に保持させることによって、有孔性の高分子電
解質の孔中又は、電極の孔中などに気体の部分が残るよ
うにした場合であっても、電解液を電極全体に行き渡ら
せて十分な電池性能を得ることができる。従って、釘刺
し等の安全性試験をおこなった場合、圧力上昇に対して
クッションとなる気体が電極近傍に存在するために、内
部短絡箇所の発熱によってその近辺の電解液が気化した
場合であっても、局所的な圧力上昇が大幅に緩和され、
発熱連鎖反応の発端となる反応が生じ難くなり、その安
全性が向上する。従って、電池の安全性を向上させるた
めに、制限されていた活物質の利用率を向上させること
が可能となるために高容量の電池とすることができ、ま
た、様々な安全化素子を省略することが可能になるため
にコストを低くすることができる。また、本発明におい
ては、従来の固体電解質電池と異なり、高分子が気体と
遊離の電解液とを保持した孔を有するために、遊離の電
解液中をイオンが高速で拡散して十分な電池性能が得ら
れる。本発明において使用する、電解液で膨潤又は湿潤
する有孔性高分子は、電池中で高分子電解質として作用
するために、高分子の孔中の電解液中のみでなく、電解
液で膨潤又は湿潤した高分子の部分をもイオンが移動可
能となる。従って、従来のイオン伝導性を示さないポリ
エチレン又はポリプロピレンのセパレータの代わりに有
孔性高分子電解質を備えた膜を用いることによって、膜
の孔中の電解液量を減らした場合であっても電池性能の
低下を防ぐことが可能となり、電池の安全性を向上させ
ることができる。本発明において使用する、電解液で膨
潤又は湿潤する有孔性高分子は、電池中で高分子電解質
として作用するために、高分子の孔中の電解液中のみで
なく、電解液で膨潤又は湿潤した高分子の部分をもイオ
ンが移動可能となる。従って、電極の高分子によって覆
われた部分へも十分にイオンの供給が行われる。本発明
による高分子電解質は孔を有しているために、イオンは
高分子電解質の孔中の電解液中を高速に移動することが
でき、また、電極の高分子電解質に覆われた部分から高
分子電解質の孔までの距離は非常に短い。従って、高分
子電解質中のイオンの拡散係数が電解液と比較して小さ
い場合であっても、速やかに電極へのイオンの供給が行
われ、十分な電池性能が得られる。正極と正・負極間の
高分子電解質とで単位体積当たりの高分子量を比較した
場合、電極においては活物質の隙間の孔のみにしか高分
子を充填することができないために、正・負極間の高分
子電解質の方が単位体積当たりの高分子量は数倍多くな
る。従って、電池への注液量が少ない場合であっても、
正・負極間に電解液で膨潤又は湿潤する高分子を用いた
場合には、正・負極間の高分子が電解液を速やかに吸収
して電池全体に行き渡らせることができるために、注液
から短時間のうちに十分な電池性能が得られる。また、
有孔性高分子電解質を備えた正極を用いることによっ
て、正極中に電解液を均一に分布させることが可能とな
るため、充放電時の正極中での電流分布が均一になり、
高率での充放電が可能となる。また、高分子電解質は有
機電解液よりも化学反応性に乏しい又は化学反応速度が
遅いため、有孔性高分子電解質を備えた正極を用いるこ
とによって、正極での電解液の酸化を抑制することがで
き、電池の自己放電を抑制し、電池を長寿命化すること
ができる。また、正極において有孔性高分子電解質が一
定の体積を占めるため、正極の孔中及び近傍の電解液量
を減らすことができ、短絡時等の電解液の気化による正
極近傍での内圧上昇を抑制することができる。そのため
に、正極活物質がより高いレベルまで充電された場合に
おいても正極と電解液との反応による発熱および急激な
電池の内圧上昇を抑制することができ、電池の安全性を
向上させることができる。また、正極が高分子電解質を
保持しているため、電池の異常発熱時に正極から放出さ
れた酸素の負極への移動速度を低下させることができ、
酸素と負極との急激な発熱反応を抑制することができる
ため、電池の安全性を向上させることができる。
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を用いて説明す
る。 (実施例1)下記の手順にしたがって、本発明による非
水電解質電池を製作した。グラファイト81Wt%、ポ
リビニリデンフルオライド(PVDF)9Wt%、N−
メチル−2−ピロリドン(NMP)10Wt%を混合し
た活物質ペーストを幅22mm、長さ500mm、厚さ
14μmの銅箔上に塗布し、150℃で乾燥してNMP
を蒸発させた。この作業を銅箔の両面に対しておこな
い、両面に活物質層を備えた負極を製作した。コバルト
酸リチウム70Wt%、アセチレンブラック6Wt%、
PVDF9Wt%、NMP15Wt%を混合したものを
幅20mm、長さ480mm、厚さ20μmのアルミニ
ウム箔上に塗布し、150℃で乾燥してNMPを蒸発さ
せた。この作業をアルミニウム箔の両面に対しておこな
い、両面に活物質層を備えた正極を製作した。上記の正
極の両面に、PVDF20Wt%をNMP80Wt%に
溶解した高分子ペーストを、ドクターブレード法を用い
て塗布した。その際、ドクターブレードの刃の隙間を1
00μmに設定した。この正極を、2時間放置して、高
分子ペーストを浸透圧によって活物質層の孔中に浸透さ
せた後に水中に浸漬させて、NMPを水で置換するとい
う湿式法を用いて、PVDFに対して連通多孔化処理を
施してPVDFを固化した。有孔性PVDFは、正極の
孔中及び表面の両方に配置され、正極表面のPVDF層
の厚さは10μmであった。以上の方法によって、有孔
性PVDFを備えた正極を製作した。つぎに、正・負極
間の短絡防止膜として用いる、多孔性リチウムイオン伝
導性PVDF膜をつぎのように湿式法によって製作し
た。分子量60,000のPVDF粉末12gを88g
のNMPに溶解し、PVDFペーストを製作した。この
PVDFペーストを、ポリエチレンコートしたリケイ紙
上に100μmのブレードギャップでドクターブレード
法によって塗布し、水中に浸漬してNMPを水で置換す
ることによって、連通孔を有する多孔度約80%、厚さ
約25μmのPVDF膜を製作した。このようにして準
備した有孔性PVDF膜、正極及び負極を重ねて巻き、
高さ47.0mm、幅22.2mm、厚さ6.4mmの
ステンレスケース中に挿入して、角形電池を組み立て
た。この電池の内部に、エチレンカーボネート(EC)
とジエチルカーボネート(DEC)とを体積比率1:1
で混合し、1mol/lのLiPF6を加えた電解液を
真空注液によって加え、正極が備える有孔性PVDF及
び正・負極間の有孔性PVDF膜を電解液で膨潤させ
て、有孔性の高分子電解質とした。電解液の注液量を変
化させることによって、8種類の本発明による電池
(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、
(G)及び(H)を各2個製作した。比較例として、正
極への高分子の塗布をおこなわず、正・負極間の短絡防
止膜として、有孔性PVDF膜の代わりに多孔度40%
のポリエチレン製セパレータ膜を用いたこと、及び電解
液の注液量以外は、本発明による(A)と同様にして、
公称容量400mAh程度の従来から公知である電池
(I)を製作した。この電池への電解液の注液量は、十
分な電池性能を示すのに必要な最小量とした。これらの
本発明による電池(A)、(B)、(C)、(D)、
(E)、(F)、(G)及び(H)、及び従来から公知
である電池(I)の各2個を用いて、25℃において、
1CAの電流で4.1Vまで充電し、続いて4.1Vの
定電圧で2時間充電した後、2CAの電流で2.5Vま
で放電した。これらの試験の結果、本発明による電池
(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、
(G)及び(H)、及び従来から公知である電池(I)
は、同程度の放電容量を示し、その電池性能に差はみら
れなかった。上記の充放電試験の後に、本発明による電
池(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、
(G)及び(H)、及び従来から公知である電池(I)
の各1個を解体し、正・負極及び、正・負極間の有孔性
PVDF膜又はセパレータが保持する電解液量の測定を
おこなった結果、各電池において正・負極及び、有孔性
PVDF膜又はセパレータの孔体積に占める電解液の体
積比はすべて同じであった。これらの結果を表1及び表
2に示す。
【表1】
【表2】 また、本発明による電池(A)、(B)、(C)、
(D)、(E)、(F)、(G)及び(H)、及び従来
から公知である電池(I)の各1個を用いてつぎのよう
な安全性の比較試験をおこなった。これらの電池を用い
て、室温において、1CAの電流で4.5Vまで充電
し、続いて4.5Vの定電圧で2時間充電した後、3m
m径の釘を電池に刺して貫通させた。その結果を表1及
び表2に示す。これらの結果から、本発明による電池
(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、
(G)及び(H)は、従来から公知である電池(I)よ
りも安全性に優れた電池であるということができ、また
本発明による電池においては、正・負極及び、正・負極
間の有孔性PVDF膜が保持する電解液量が少ないほど
安全性に優れた電池であるということができる。前記実
施例では、有機高分子電解質の高分子としてポリビニリ
デンフルオライドを使用しているが、これ以外にもポリ
アクリロニトリル、ポリ塩化ビニル及びビニリデンフル
オライドとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体を用
いて同様の電池製作、充放電試験及び安全性試験をおこ
なったが、すべてポリビニリデンフルオライドを用いた
場合と同様の結果を示した。前記実施例では、有機高分
子電解質の高分子としてポリビニリデンフルオライドを
使用しているが、これに限定されるものではなく、ポリ
エチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエ
ーテル、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンフルオ
ライド、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリメチルアクリレート、ポリビニルアルコール、
ポリメタクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリ
ビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリブタジエ
ン、ポリスチレン、ポリイソプレン、もしくはこれらの
誘導体を、単独で、あるいは混合して用いてもよい。ま
た、前記有機高分子を構成する各種モノマーを構造中に
有する共重合体を用いてもよい。また、前記実施例にお
ける電池においては、正極の孔中及び表面の両方に高分
子電解質を配置したが、孔中又は表面の一方だけに高分
子電解質を配置させてもよい。また、前記実施例におけ
る電池においては、有孔性高分子電解質として湿式法に
よって多孔化したPVDFを用いたが、高分子の多孔化
法はこれに限定されるものではなく、発泡剤を用いる方
法、粉末を接着する方法、又は、高分子中に固体を析出
させる方法のいずれであってもよい。また、前記実施例
における電池においては、非水電解液としてECとDE
Cとの混合溶液を用いているが、これに限定されるもの
ではなく、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、
γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシ
ド、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジ
エトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテト
ラヒドロフラン、ジオキソラン、メチルアセテート等の
極性溶媒、もしくはこれらの混合物を使用してもよい。
さらに、前記実施例においては、非水電解液に含有させ
る塩としてLiPF6を使用しているが、その他に、L
iBF4、LiAsF6、LiClO4、LiSCN、Li
I、LiCF3SO3、LiCl、LiBr、LiCF3
2等のリチウム塩、もしくはこれらの混合物を用いて
もよい。さらに、前記実施例においては、正極材料たる
アルカリ金属を吸蔵放出可能な化合物として LiCo
2を使用したが、これに限定されるものではない。こ
れ以外にも、無機化合物としては、組成式LixMO2
又はLiyM24(ただし、Mは遷移金属、0≦x≦
1、0≦y≦2)で表される、複合酸化物、トンネル状
の空孔を有する酸化物、層状構造の金属カルコゲン化物
を用いることができる。その具体例としては、LiCo
2、LiNiO2、LiMn24、Li2Mn24、Mn
2、FeO2、V25、V613、TiO2、TiS2等が挙げ
られる。また、有機化合物としては、例えばポリアニリ
ン等の導電性有機高分子等が挙げられる。さらに、無機
化合物、有機化合物を問わず、前記各種活物質を混合し
て用いてもよい。さらに、前記実施例においては、負極
材料たる化合物としてグラファイトを使用しているが、
その他に、Al、Si、Pb、Sn、Zn、Cd等とリ
チウムとの合金、LiFe23等の遷移金属複合酸化
物、MoO2、スズ酸化物等の遷移金属酸化物、グラフ
ァイト、カーボン等の炭素質材料、Li5(Li3N)等
の窒化リチウム、もしくは金属リチウム箔、又はこれら
の混合物を用いてもよい。
【発明の効果】以上述べたように、本発明にかかる非水
電解質電池は、つぎのことを特徴とする。本発明におけ
る非水電解質電池は、膨潤又は電解液で膨潤又は湿潤す
る有孔性高分子電解質を正・負極間及び正極に備える。
その有孔性高分子は、電解液で膨潤又は湿潤する性質を
有するために、電池への注液量が少ない場合であって
も、電解液を吸収して電極全体に均一に行き渡らせるこ
とができる。従って、有孔性の高分子電解質の孔及び、
電極の孔などの孔のすべてを占めるのに十分な電解液量
よりも少量の電解液を電池に保持させることによって、
有孔性の高分子電解質の孔中又は、電極の孔中などに気
体の部分が残るようにした場合であっても、電解液を電
極全体に行き渡らせて十分な電池性能を得ることができ
る。従って、釘刺し等の安全性試験をおこなった場合、
圧力上昇に対してクッションとなる気体が電極近傍に存
在するために、内部短絡箇所の発熱によってその近辺の
電解液が気化した場合であっても、局所的な圧力上昇が
大幅に緩和され、発熱連鎖反応の発端となる反応が生じ
難くなり、その安全性が向上する。従って、電池の安全
性を向上させるために、制限されていた活物質の利用率
を向上させることが可能となるために高容量の電池とす
ることができ、また、様々な安全化素子を省略すること
が可能になるためにコストを低くすることができる。ま
た、本発明においては、従来の固体電解質電池と異な
り、高分子が気体と遊離の電解液とを保持した孔を有す
るために、遊離の電解液中をイオンが高速で拡散して十
分な電池性能が得られる。本発明において使用する、電
解液で膨潤又は湿潤する有孔性高分子は、電池中で高分
子電解質として作用するために、高分子の孔中の電解液
中のみでなく、電解液で膨潤又は湿潤した高分子の部分
をもイオンが移動可能となる。従って、従来のイオン伝
導性を示さないポリエチレン又はポリプロピレンのセパ
レータの代わりに有孔性高分子電解質を備えた膜を用い
ることによって、膜の孔中の電解液量を減らした場合で
あっても電池性能の低下を防ぐことが可能となり、電池
の安全性を向上させることができる。本発明において使
用する、電解液で膨潤又は湿潤する有孔性高分子は、電
池中で高分子電解質として作用するために、高分子の孔
中の電解液中のみでなく、電解液で膨潤又は湿潤した高
分子の部分をもイオンが移動可能となる。従って、電極
の高分子によって覆われた部分へも十分にイオンの供給
が行われる。本発明による高分子電解質は孔を有してい
るために、イオンは高分子電解質の孔中の電解液中を高
速に移動することができ、また、電極の高分子電解質に
覆われた部分から高分子電解質の孔までの距離は非常に
短い。従って、高分子電解質中のイオンの拡散係数が電
解液と比較して小さい場合であっても、速やかに電極へ
のイオンの供給が行われ、十分な電池性能が得られる。
正極と正・負極間の高分子電解質とで単位体積当たりの
高分子量を比較した場合、電極においては活物質の隙間
の孔のみにしか高分子を充填することができないため
に、正・負極間の高分子電解質の方が単位体積当たりの
高分子量は数倍多くなる。従って、電池への注液量が少
ない場合であっても、正・負極間に電解液で膨潤又は湿
潤する高分子を用いた場合には、正・負極間の高分子が
電解液を速やかに吸収して電池全体に行き渡らせること
ができるために、注液から短時間のうちに十分な電池性
能が得られる。また、有孔性高分子電解質を備えた正極
を用いることによって、正極中に電解液を均一に分布さ
せることが可能となるため、充放電時の正極中での電流
分布が均一になり、高率での充放電が可能となる。ま
た、高分子電解質は有機電解液よりも化学反応性に乏し
い又は化学反応速度が遅いため、有孔性高分子電解質を
備えた正極を用いることによって、正極での電解液の酸
化を抑制することができ、電池の自己放電を抑制し、電
池を長寿命化することができる。また、正極において有
孔性高分子電解質が一定の体積を占めるため、正極の孔
中及び近傍の電解液量を減らすことができ、短絡時等の
電解液の気化による正極近傍での内圧上昇を抑制するこ
とができる。そのために、正極活物質がより高いレベル
まで充電された場合においても正極と電解液との反応に
よる発熱および急激な電池の内圧上昇を抑制することが
でき、電池の安全性を向上させることができる。また、
正極が高分子電解質を保持しているため、電池の異常発
熱時に正極から放出された酸素の負極への移動速度を低
下させることができ、酸素と負極との急激な発熱反応を
抑制することができるため、電池の安全性を向上させる
ことができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有孔性高分子電解質を備えた正極を備え、
    正極と負極との間に有孔性高分子電解質を備えた膜を備
    え、孔体積の30%以上95%以下の体積の電解液を保
    持させた正極、負極あるいは有孔性高分子電解質を備え
    たことを特徴とする非水電解質電池。
  2. 【請求項2】ポリビニリデンフルオライド、ポリアクリ
    ロニトリル、ポリ塩化ビニル、および前記有機高分子を
    構成する各種モノマーを構造中に有する共重合体のうち
    少なくとも一つを備えたことを特徴とする、請求項1記
    載の非水電解質電池。
JP9070635A 1997-03-06 1997-03-06 非水電解質電池 Pending JPH10255765A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001023693A (ja) * 1999-07-08 2001-01-26 Sony Corp 固体電解質電池
JP2007180039A (ja) * 2007-01-30 2007-07-12 Sony Corp 固体電解質電池の製造方法

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