JPH10255716A - プラズマイオン源微量元素質量分析装置 - Google Patents

プラズマイオン源微量元素質量分析装置

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JPH10255716A
JPH10255716A JP10083500A JP8350098A JPH10255716A JP H10255716 A JPH10255716 A JP H10255716A JP 10083500 A JP10083500 A JP 10083500A JP 8350098 A JP8350098 A JP 8350098A JP H10255716 A JPH10255716 A JP H10255716A
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JP
Japan
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plasma
mass spectrometer
speed
ion
energy
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Application number
JP10083500A
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Inventor
Yukio Okamoto
幸雄 岡本
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラズマから放射される光子によるS/N比の
劣化を防止する手段を提供すること。 【解決手段】プラズマ生成部と、プラズマからイオンビ
ームを生成する生成部と、イオンビームを集束するレン
ズ部(110)と、イオンの質量を分析する分析部と、分
析されたイオンを検出する検出部((170)とを備えて
なるプラズマイオン源微量元素質量分析装置であって、
前記分析部はエネルギー分析部(150)と質量分析部
(160)とからなっており、上記エネルギー分析部(1
50)は電荷を持たない中性粒子を通過させるための開
口部(151)を有する。 【効果】上記開口部(151)を通して検出信号の妨害と
なる光子や中性粒子を通過させてエネルギー分析器内か
ら除去することによって、高感度化(S/Nの向上)が
達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は材料科学などの分野
における微量元素の定量法としてプラズマイオン源微量
元素質量分析装置に係り、特にプラズマガスイオンと同
重体元素との干渉を低減し、定量性を向上させる手段に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の高周波プラズマを用いたプラズマ
イオン源微量元素質量分析装置は、例えば、アナリス
ト、108(1983年)第159頁から第165頁(A
nalyst,108(1983) pp. 159-165)において論じられてい
る。図2にこの従来装置の概略図を示す。ここで、10
は高周波発振器、20は負荷コイル、30は放電管、4
0はプラズマ、50は補助ガス、60は試料溶液、70
はプラズマ、180はサンプリングコーン、190はス
キマー、200はイオン引出し電極、210は光子スト
ッパ、220はイオンレンズ系、140はスリット、1
60は質量分析器(4重極型)、170はイオン検出器
(チャンネルトロンなど)である。
【0003】一方、マイクロ波プラズマを用いた従来装
置として、スペクトロシミカ アクタ、42B-5(19
87年)第705頁から第712頁(Spectrochimica Ac
ta,42B-5(1987) pp.705-712) に論じられており、その
概略はプラズマ生成部を除いて図2と同じある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、プラ
ズマガス、補助ガスおよび試料のキャリアガスとして、
アルゴン(Ar:原子量40)ガスが用いられている。
このため、Arに起因する分子ピークが多数形成され、
そのために、同重体元素にあたるK(原子量,39)、
Ca(40)、Fe(56)については、Arの分子ピ
ークによる干渉のため定量性が悪くなるなどの問題があ
った。この干渉を低減するために、質量分析器として高
分解能の分析器を用いることも検討されているが、干渉
が強いため精度の著しい改善はなく、高価になるなどの
問題があった。さらに、Arに代ってHeを用いること
も検討されているが、Heの消費量が多いため高価とな
り実用的ではない。
【0005】本発明も上記問題を解決することを目的と
しており、さらに、プラズマから放射される光子による
S/N(信号/雑音)比を向上させる手段を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、図1の本発明の原理図に示す如く、プラズマから引
出された高速のイオンビーム200(例えば、A+,B
+,C+ などの混合から成るとする)は、低速のガス1
30(例えば、A+ の原子・分子)が満たされた(10
-5〜5×102 Torr)共鳴電荷交換反応セル120(入
口:121,出口122)で−原子・分子反応を行い、
その後、エネルギー分析器(例えば90°型静電エネル
ギー分析器など)150でエネギー分析され、さらに、
質量分析器で質量分析されるよう構成した。
【0007】共鳴電荷交換反応セル120は、プラズマ
から引出された高速のイオン(例えば、A+,B+,C+
などの混合ビーム)200を、低速の反応ガス130
(例えば、A)と次のように反応させる。 A+(高速)+A(低速)→A(高速)+A+(低速) …(1) B+(高速)+A(低速)→B(高速)+A+(低速) C+(高速)+A(低速)→C(高速)+A+(低速) …(2) このとき、反応(1)の生ずる確率は、反応(2)の生
ずる確率の10〜100倍以上(AとしてアルゴンAr
のとき、高速イオンのエネルギーの減少とともに増大)
となる(イオンと原子が同種の場合起り易い)。
【0008】すなわち、衝突で交換されるエネルギーが
小さい程:エネルギー共鳴に近い程起り易い)したがっ
て、高速のA+ が高速のAに変換されることになり、低
速のAは低速のA+ に変換される(共鳴電荷交換反
応)。
【0009】このように、電荷交換されたビームは、次
の静電エネルギー分析器150(例えば90°型、限定
するものではない)へ導入する(電位は、例えば外側電
極に+V0/2、内側電極に−V0/2を印加する)。中
性のビーム(高速の中性ビームA)は、前記エネルギー
分析器150では偏向されないので、前記エネルギー分
析器150の外側の電極に設けたアパーチャ151(図
1参照:入射ビームの方向)を直進する。一方、高速の
B+やC+などのイオンビームは、前記エネルギー分析器
150に印加した±V0/2(電極間V0)の電位により
偏向され、前記エネルギー分析器150を通過して、次
の質量分析器へ輸送される。なお、前記低速のイオンビ
ーム(A+)は、前記±V0/2の電位により大きな偏向
を受け、質量分析器に導入されることなく消滅する。
【0010】このようにして、高速のイオンビーム(A
+,B+,C+ など)のうち、高速のB+やC+などが質量
分析され、高速のA+ は高速のAに変換されるので質量
分析はされないことになり、上記従来技術の干渉の問題
は解決される。
【0011】すなわち、原理的には、プラズマ生成部の
ガスと反応ガスとを同種に選び、例えばAr(アルゴリ
ズム)ガスを用い、試料としてKやCaなどが混合した
とき(A+:Ar+,B+:K+,C+:Ca+,A:Arに
対応)、K+やCa+などが検出され、Ar+ はArとし
て中性化され、検出されないことになり、このときの妨
害イオンであるArは除去される(干渉の低減)。な
お、前記Arガスに代ってN2やHeガスを用いてもよ
い。
【0012】また、前記共鳴電荷交換反応セル120で
はプラズマからの光子を吸収し、さらに、前記エネルギ
ー分析器150に設けたアパーチャ151は通過してき
た光子を直進させる効果もあるので、前記光子による前
記S/N比の低下を低減できる(なお、前記エネルギー
分析器の内面を導電性材料で黒色化すると反応を低減で
きるので一層効果的になる)。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、実施例を挙げ、図面を参照して説明する。図3に、
本発明の一実施例を示す。図3において、11はマイク
ロ波プラズマトーチ、21はヘリカルコイル、31は放
電器、41は冷却ガス(空気など)、51はプラズマガ
ス(Ar,He,N2 など)、60は試料(キャリアガ
スを含む)、70はプラズマ、71は拡散プラズマ、8
0はプラズマサンプリング電極(材質Niなど)、81
は80に設けたオリフィス、90はイオン引出し電極
(Niなど)、91は90に設けたオリフィス、100
はイオン加速電極SUS−34など)、101は100
に設けたオリフィス、110はレンズ系(アインツェル
レンズなど)、120は共鳴電荷交換反応セル、121
と122は120に設けたオリフィス、140はスリッ
ト,150はエネルギー分析器(平行平板型を含む任意
の角度の静電エネルギー分析器、通常、90°型、15
1は150の外導体に設けたオリフィス(入射ビームの
軸に一致)、160は質量分析器(通常、四重極型)、
170はイオン検出器(チャンネルトロン、マルチプレ
ート、ホトマルチプライヤなど)である。
【0014】装置各部の主な機能は、図3に示す通り
で、その詳細は次の通りである。すなわちプラズマ生成
部は、例えば、マイクロ波プラズマトーチ11から成
り、同軸ヘリカルコイル21により、マイクロ波電力を
プラズマ70に吸収させる。このとき、プラズマガス5
1として、例えばArを用いると、ドーナツ状のアルゴ
ンプラズマが、例えば大気中で発生し、その中心にネプ
ライザから試料(例えば、K,Caなど)をキャリアガ
ス(このときはAr)とともに導入する。すると、これ
らは霧化→原子化→電離化の過程を経て、プラズマガス
ともにイオン化される(Ar+,K+,Ca+などのイオ
ンを含んだプラズマ70の生成)。
【0015】プラズマ70の中心部は、プラズマサンプ
リング電極(通常接地電位)80に設けたオリフィス8
1(直径0.5〜2mmφ 程度)から、中気圧(1〜1
-1Torr 程度)領域に拡散し、拡散プラズマを形成す
る。この拡散プラズマ71に後して、オリフィス91
(直径0.3〜1.5mmφ程度)を有するイオン引出し
電極90が設けてある。その背後に(ギャップ0.3〜
1.5mm程度)オリフィス101(直径0.1〜1mm
φ 程度)を有するイオン加速電極100が設けてあ
り、前記のイオン引出し電極90との間にイオン引出し
電圧VE が印加されている。このとき、前記イオン引出
し電極90のオリフィス91の近傍にはイオンシースが
形成されて、前記拡散プラズマからイオン(例えば、前
記Ar+,K+,Ca+など)が引出され、イオンビーム
200を形成する。
【0016】このイオンビームはイオンレンズ系110
で集束され、共鳴電荷交換反応セル120内に導入され
る。この共鳴電荷交換反応セル120の内部には、反応
ガス130(本例の場合はArガス)が封入(10-5
5×102Torr)されていて、主に、前記共鳴電荷交換
反応が生じる(高速Ar+ +低速Ar→高速Ar+低速
Ar+)、前記共鳴電荷交換反応で生じた高速のArと低
速のAr+ 、および電荷交換反応を殆ど起さなかった前
記K+ やCa+ などの高速のイオンは、スリット140
を経て、エネルギー分析器150(内面に導電性黒色膜
形成)に導入される。
【0017】前記エネルギー分析器150に導入された
高速のAr,K+,Ca+などと低速のAr+は、エネル
ギー分析器150に印加した電圧V0によって中性のA
rのを除いて偏向される。高速のK+やCa+などが、こ
のエネルギー分析器150を通過するように前記V0
設定すると、低速のAr+は前記エネルギー分析器15
0の電極などに衝突して消滅する(妨害イオンの除
去)。
【0018】図1および図3に示すような90°偏向型
静電エネルギー分析器の場合、入射イオンのエネルギー
Eと両電極(偏向板)間に印加する電圧V0 との間には
E=V/2log(r1/r2)[r1,r2 は、偏向板の内
径,外径を示す)なる関係があり、r1=6.7cm,r
2=7.3cmに設計するとE=6.50Vになる。
【0019】一方、中性で高速のArは、偏向を受け
ず、前記エネルギー分析器150の外電極に設けたオリ
フィス151(入射ビーム軸方向)を直進し、検出器1
80でモニターされる。
【0020】前記エネルギー分析器150を通過した高
速のK+やCa+などのイオンビームは質量分析器160
(4重極型など)に導入されて質量分析され、検出器1
70より信号を得る。これらの信号は、パソコンなどの
コンピュータにてデータ処理され、必要な情報が得られ
るように構成してある。
【0021】なお、本発明では、プラズマの生成につい
てはマイクロ波放電について述べたが、高周波放電やコ
ロナ放電、直流グロー放電などでもよく、特に限定する
ものではない。また、これらプラズマからのイオンの引
出し方法についても、本発明に限定するものではなく、
全てのイオン引出し方法を用いることができる。さら
に、前記エネルギー分析器150は、本説明に用いた9
0°型の静電エネルギー分析器に限定されるものではな
く、平行平板型などのイオンのエネルギーを分析できる
もの、すなわち、低速のイオンをカットできるものであ
ればよい。
【0022】また、本発明は、中性ビーム(前記高速の
Aビーム)発生装置として応用できることは自明であ
る。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように以下に記
載するような効果がある。すなわち、検出信号の妨害と
なる光子や中性粒子をエネルギー分析器内から除去する
ことにより、一層の高感度化(S/N比向上)が達成で
き、本装置の性能は一段と向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図。
【図2】従来装置の構成図。
【図3】本発明の一実施例になる質量分析装置の概略構
成を示す図。
【符号の説明】
11…マイクロ波プラズマストーチ, 41冷却ガス, 51…プラズマガス, 60…試料, 80…プラズマサンプリング電極, 90…イオン引出し電極, 100…イオン加速電極, 120…共鳴電荷交換反応セル, 130…反応ガス, 150…エネルギー分析器, 160…質量分析器, 170…イオン検出器, 200…イオンビーム, VE …イオン引出し電圧。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマ生成部と、該プラズマからイオン
    ビームを生成する生成部と、該イオンビームを集束する
    レンズ部と、イオンの質量を分析する分析部と、分析さ
    れたイオンを検出する検出部とを備えてなるプラズマイ
    オン源微量元素質量分析装置であって、前記イオン質量
    分析部はエネルギー分析部と質量分析部からなり該エネ
    ルギー分析部は電荷を持たない粒子を通過させる開口部
    を有することを特徴とするプラズマイオン源微量元素質
    量分析装置。
  2. 【請求項2】前記開口部は前記レンズ部の光軸上に設け
    られていることを特徴とする請求項1記載のプラズマイ
    オン源微量元素質量分析装置。
  3. 【請求項3】前記エネルギー分析部を通過した光軸上に
    前記電荷を持たない粒子を検出する手段を設けたことを
    特徴とする請求項2記載のプラズマイオン源微量元素質
    量分析装置。
  4. 【請求項4】前記レンズ部はアインツェルレンズから成
    ることを特徴とする請求項1記載のプラズマイオン源微
    量元素質量分析装置。
  5. 【請求項5】前記プラズマ生成部はマイクロ波プラズマ
    トーチから成ることを特徴とする請求項1記載のプラズ
    マイオン源微量元素質量分析装置。
  6. 【請求項6】前記キャリアガスがArガスであることを
    特徴とする請求項1記載のプラズマイオン源微量元素質
    量分析装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001210270A (ja) * 2000-01-25 2001-08-03 Ulvac Japan Ltd 高周波電力印加電極に入射する高速中性粒子のエネルギーの分析方法及び分析装置

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JP2001210270A (ja) * 2000-01-25 2001-08-03 Ulvac Japan Ltd 高周波電力印加電極に入射する高速中性粒子のエネルギーの分析方法及び分析装置

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