JPH10255716A - プラズマイオン源微量元素質量分析装置 - Google Patents
プラズマイオン源微量元素質量分析装置Info
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- JPH10255716A JPH10255716A JP10083500A JP8350098A JPH10255716A JP H10255716 A JPH10255716 A JP H10255716A JP 10083500 A JP10083500 A JP 10083500A JP 8350098 A JP8350098 A JP 8350098A JP H10255716 A JPH10255716 A JP H10255716A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】プラズマから放射される光子によるS/N比の
劣化を防止する手段を提供すること。 【解決手段】プラズマ生成部と、プラズマからイオンビ
ームを生成する生成部と、イオンビームを集束するレン
ズ部(110)と、イオンの質量を分析する分析部と、分
析されたイオンを検出する検出部((170)とを備えて
なるプラズマイオン源微量元素質量分析装置であって、
前記分析部はエネルギー分析部(150)と質量分析部
(160)とからなっており、上記エネルギー分析部(1
50)は電荷を持たない中性粒子を通過させるための開
口部(151)を有する。 【効果】上記開口部(151)を通して検出信号の妨害と
なる光子や中性粒子を通過させてエネルギー分析器内か
ら除去することによって、高感度化(S/Nの向上)が
達成できる。
劣化を防止する手段を提供すること。 【解決手段】プラズマ生成部と、プラズマからイオンビ
ームを生成する生成部と、イオンビームを集束するレン
ズ部(110)と、イオンの質量を分析する分析部と、分
析されたイオンを検出する検出部((170)とを備えて
なるプラズマイオン源微量元素質量分析装置であって、
前記分析部はエネルギー分析部(150)と質量分析部
(160)とからなっており、上記エネルギー分析部(1
50)は電荷を持たない中性粒子を通過させるための開
口部(151)を有する。 【効果】上記開口部(151)を通して検出信号の妨害と
なる光子や中性粒子を通過させてエネルギー分析器内か
ら除去することによって、高感度化(S/Nの向上)が
達成できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は材料科学などの分野
における微量元素の定量法としてプラズマイオン源微量
元素質量分析装置に係り、特にプラズマガスイオンと同
重体元素との干渉を低減し、定量性を向上させる手段に
関する。
における微量元素の定量法としてプラズマイオン源微量
元素質量分析装置に係り、特にプラズマガスイオンと同
重体元素との干渉を低減し、定量性を向上させる手段に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の高周波プラズマを用いたプラズマ
イオン源微量元素質量分析装置は、例えば、アナリス
ト、108(1983年)第159頁から第165頁(A
nalyst,108(1983) pp. 159-165)において論じられてい
る。図2にこの従来装置の概略図を示す。ここで、10
は高周波発振器、20は負荷コイル、30は放電管、4
0はプラズマ、50は補助ガス、60は試料溶液、70
はプラズマ、180はサンプリングコーン、190はス
キマー、200はイオン引出し電極、210は光子スト
ッパ、220はイオンレンズ系、140はスリット、1
60は質量分析器(4重極型)、170はイオン検出器
(チャンネルトロンなど)である。
イオン源微量元素質量分析装置は、例えば、アナリス
ト、108(1983年)第159頁から第165頁(A
nalyst,108(1983) pp. 159-165)において論じられてい
る。図2にこの従来装置の概略図を示す。ここで、10
は高周波発振器、20は負荷コイル、30は放電管、4
0はプラズマ、50は補助ガス、60は試料溶液、70
はプラズマ、180はサンプリングコーン、190はス
キマー、200はイオン引出し電極、210は光子スト
ッパ、220はイオンレンズ系、140はスリット、1
60は質量分析器(4重極型)、170はイオン検出器
(チャンネルトロンなど)である。
【0003】一方、マイクロ波プラズマを用いた従来装
置として、スペクトロシミカ アクタ、42B-5(19
87年)第705頁から第712頁(Spectrochimica Ac
ta,42B-5(1987) pp.705-712) に論じられており、その
概略はプラズマ生成部を除いて図2と同じある。
置として、スペクトロシミカ アクタ、42B-5(19
87年)第705頁から第712頁(Spectrochimica Ac
ta,42B-5(1987) pp.705-712) に論じられており、その
概略はプラズマ生成部を除いて図2と同じある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、プラ
ズマガス、補助ガスおよび試料のキャリアガスとして、
アルゴン(Ar:原子量40)ガスが用いられている。
このため、Arに起因する分子ピークが多数形成され、
そのために、同重体元素にあたるK(原子量,39)、
Ca(40)、Fe(56)については、Arの分子ピ
ークによる干渉のため定量性が悪くなるなどの問題があ
った。この干渉を低減するために、質量分析器として高
分解能の分析器を用いることも検討されているが、干渉
が強いため精度の著しい改善はなく、高価になるなどの
問題があった。さらに、Arに代ってHeを用いること
も検討されているが、Heの消費量が多いため高価とな
り実用的ではない。
ズマガス、補助ガスおよび試料のキャリアガスとして、
アルゴン(Ar:原子量40)ガスが用いられている。
このため、Arに起因する分子ピークが多数形成され、
そのために、同重体元素にあたるK(原子量,39)、
Ca(40)、Fe(56)については、Arの分子ピ
ークによる干渉のため定量性が悪くなるなどの問題があ
った。この干渉を低減するために、質量分析器として高
分解能の分析器を用いることも検討されているが、干渉
が強いため精度の著しい改善はなく、高価になるなどの
問題があった。さらに、Arに代ってHeを用いること
も検討されているが、Heの消費量が多いため高価とな
り実用的ではない。
【0005】本発明も上記問題を解決することを目的と
しており、さらに、プラズマから放射される光子による
S/N(信号/雑音)比を向上させる手段を提供するこ
とを目的とする。
しており、さらに、プラズマから放射される光子による
S/N(信号/雑音)比を向上させる手段を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、図1の本発明の原理図に示す如く、プラズマから引
出された高速のイオンビーム200(例えば、A+,B
+,C+ などの混合から成るとする)は、低速のガス1
30(例えば、A+ の原子・分子)が満たされた(10
-5〜5×102 Torr)共鳴電荷交換反応セル120(入
口:121,出口122)で−原子・分子反応を行い、
その後、エネルギー分析器(例えば90°型静電エネル
ギー分析器など)150でエネギー分析され、さらに、
質量分析器で質量分析されるよう構成した。
に、図1の本発明の原理図に示す如く、プラズマから引
出された高速のイオンビーム200(例えば、A+,B
+,C+ などの混合から成るとする)は、低速のガス1
30(例えば、A+ の原子・分子)が満たされた(10
-5〜5×102 Torr)共鳴電荷交換反応セル120(入
口:121,出口122)で−原子・分子反応を行い、
その後、エネルギー分析器(例えば90°型静電エネル
ギー分析器など)150でエネギー分析され、さらに、
質量分析器で質量分析されるよう構成した。
【0007】共鳴電荷交換反応セル120は、プラズマ
から引出された高速のイオン(例えば、A+,B+,C+
などの混合ビーム)200を、低速の反応ガス130
(例えば、A)と次のように反応させる。 A+(高速)+A(低速)→A(高速)+A+(低速) …(1) B+(高速)+A(低速)→B(高速)+A+(低速) C+(高速)+A(低速)→C(高速)+A+(低速) …(2) このとき、反応(1)の生ずる確率は、反応(2)の生
ずる確率の10〜100倍以上(AとしてアルゴンAr
のとき、高速イオンのエネルギーの減少とともに増大)
となる(イオンと原子が同種の場合起り易い)。
から引出された高速のイオン(例えば、A+,B+,C+
などの混合ビーム)200を、低速の反応ガス130
(例えば、A)と次のように反応させる。 A+(高速)+A(低速)→A(高速)+A+(低速) …(1) B+(高速)+A(低速)→B(高速)+A+(低速) C+(高速)+A(低速)→C(高速)+A+(低速) …(2) このとき、反応(1)の生ずる確率は、反応(2)の生
ずる確率の10〜100倍以上(AとしてアルゴンAr
のとき、高速イオンのエネルギーの減少とともに増大)
となる(イオンと原子が同種の場合起り易い)。
【0008】すなわち、衝突で交換されるエネルギーが
小さい程:エネルギー共鳴に近い程起り易い)したがっ
て、高速のA+ が高速のAに変換されることになり、低
速のAは低速のA+ に変換される(共鳴電荷交換反
応)。
小さい程:エネルギー共鳴に近い程起り易い)したがっ
て、高速のA+ が高速のAに変換されることになり、低
速のAは低速のA+ に変換される(共鳴電荷交換反
応)。
【0009】このように、電荷交換されたビームは、次
の静電エネルギー分析器150(例えば90°型、限定
するものではない)へ導入する(電位は、例えば外側電
極に+V0/2、内側電極に−V0/2を印加する)。中
性のビーム(高速の中性ビームA)は、前記エネルギー
分析器150では偏向されないので、前記エネルギー分
析器150の外側の電極に設けたアパーチャ151(図
1参照:入射ビームの方向)を直進する。一方、高速の
B+やC+などのイオンビームは、前記エネルギー分析器
150に印加した±V0/2(電極間V0)の電位により
偏向され、前記エネルギー分析器150を通過して、次
の質量分析器へ輸送される。なお、前記低速のイオンビ
ーム(A+)は、前記±V0/2の電位により大きな偏向
を受け、質量分析器に導入されることなく消滅する。
の静電エネルギー分析器150(例えば90°型、限定
するものではない)へ導入する(電位は、例えば外側電
極に+V0/2、内側電極に−V0/2を印加する)。中
性のビーム(高速の中性ビームA)は、前記エネルギー
分析器150では偏向されないので、前記エネルギー分
析器150の外側の電極に設けたアパーチャ151(図
1参照:入射ビームの方向)を直進する。一方、高速の
B+やC+などのイオンビームは、前記エネルギー分析器
150に印加した±V0/2(電極間V0)の電位により
偏向され、前記エネルギー分析器150を通過して、次
の質量分析器へ輸送される。なお、前記低速のイオンビ
ーム(A+)は、前記±V0/2の電位により大きな偏向
を受け、質量分析器に導入されることなく消滅する。
【0010】このようにして、高速のイオンビーム(A
+,B+,C+ など)のうち、高速のB+やC+などが質量
分析され、高速のA+ は高速のAに変換されるので質量
分析はされないことになり、上記従来技術の干渉の問題
は解決される。
+,B+,C+ など)のうち、高速のB+やC+などが質量
分析され、高速のA+ は高速のAに変換されるので質量
分析はされないことになり、上記従来技術の干渉の問題
は解決される。
【0011】すなわち、原理的には、プラズマ生成部の
ガスと反応ガスとを同種に選び、例えばAr(アルゴリ
ズム)ガスを用い、試料としてKやCaなどが混合した
とき(A+:Ar+,B+:K+,C+:Ca+,A:Arに
対応)、K+やCa+などが検出され、Ar+ はArとし
て中性化され、検出されないことになり、このときの妨
害イオンであるArは除去される(干渉の低減)。な
お、前記Arガスに代ってN2やHeガスを用いてもよ
い。
ガスと反応ガスとを同種に選び、例えばAr(アルゴリ
ズム)ガスを用い、試料としてKやCaなどが混合した
とき(A+:Ar+,B+:K+,C+:Ca+,A:Arに
対応)、K+やCa+などが検出され、Ar+ はArとし
て中性化され、検出されないことになり、このときの妨
害イオンであるArは除去される(干渉の低減)。な
お、前記Arガスに代ってN2やHeガスを用いてもよ
い。
【0012】また、前記共鳴電荷交換反応セル120で
はプラズマからの光子を吸収し、さらに、前記エネルギ
ー分析器150に設けたアパーチャ151は通過してき
た光子を直進させる効果もあるので、前記光子による前
記S/N比の低下を低減できる(なお、前記エネルギー
分析器の内面を導電性材料で黒色化すると反応を低減で
きるので一層効果的になる)。
はプラズマからの光子を吸収し、さらに、前記エネルギ
ー分析器150に設けたアパーチャ151は通過してき
た光子を直進させる効果もあるので、前記光子による前
記S/N比の低下を低減できる(なお、前記エネルギー
分析器の内面を導電性材料で黒色化すると反応を低減で
きるので一層効果的になる)。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、実施例を挙げ、図面を参照して説明する。図3に、
本発明の一実施例を示す。図3において、11はマイク
ロ波プラズマトーチ、21はヘリカルコイル、31は放
電器、41は冷却ガス(空気など)、51はプラズマガ
ス(Ar,He,N2 など)、60は試料(キャリアガ
スを含む)、70はプラズマ、71は拡散プラズマ、8
0はプラズマサンプリング電極(材質Niなど)、81
は80に設けたオリフィス、90はイオン引出し電極
(Niなど)、91は90に設けたオリフィス、100
はイオン加速電極SUS−34など)、101は100
に設けたオリフィス、110はレンズ系(アインツェル
レンズなど)、120は共鳴電荷交換反応セル、121
と122は120に設けたオリフィス、140はスリッ
ト,150はエネルギー分析器(平行平板型を含む任意
の角度の静電エネルギー分析器、通常、90°型、15
1は150の外導体に設けたオリフィス(入射ビームの
軸に一致)、160は質量分析器(通常、四重極型)、
170はイオン検出器(チャンネルトロン、マルチプレ
ート、ホトマルチプライヤなど)である。
き、実施例を挙げ、図面を参照して説明する。図3に、
本発明の一実施例を示す。図3において、11はマイク
ロ波プラズマトーチ、21はヘリカルコイル、31は放
電器、41は冷却ガス(空気など)、51はプラズマガ
ス(Ar,He,N2 など)、60は試料(キャリアガ
スを含む)、70はプラズマ、71は拡散プラズマ、8
0はプラズマサンプリング電極(材質Niなど)、81
は80に設けたオリフィス、90はイオン引出し電極
(Niなど)、91は90に設けたオリフィス、100
はイオン加速電極SUS−34など)、101は100
に設けたオリフィス、110はレンズ系(アインツェル
レンズなど)、120は共鳴電荷交換反応セル、121
と122は120に設けたオリフィス、140はスリッ
ト,150はエネルギー分析器(平行平板型を含む任意
の角度の静電エネルギー分析器、通常、90°型、15
1は150の外導体に設けたオリフィス(入射ビームの
軸に一致)、160は質量分析器(通常、四重極型)、
170はイオン検出器(チャンネルトロン、マルチプレ
ート、ホトマルチプライヤなど)である。
【0014】装置各部の主な機能は、図3に示す通り
で、その詳細は次の通りである。すなわちプラズマ生成
部は、例えば、マイクロ波プラズマトーチ11から成
り、同軸ヘリカルコイル21により、マイクロ波電力を
プラズマ70に吸収させる。このとき、プラズマガス5
1として、例えばArを用いると、ドーナツ状のアルゴ
ンプラズマが、例えば大気中で発生し、その中心にネプ
ライザから試料(例えば、K,Caなど)をキャリアガ
ス(このときはAr)とともに導入する。すると、これ
らは霧化→原子化→電離化の過程を経て、プラズマガス
ともにイオン化される(Ar+,K+,Ca+などのイオ
ンを含んだプラズマ70の生成)。
で、その詳細は次の通りである。すなわちプラズマ生成
部は、例えば、マイクロ波プラズマトーチ11から成
り、同軸ヘリカルコイル21により、マイクロ波電力を
プラズマ70に吸収させる。このとき、プラズマガス5
1として、例えばArを用いると、ドーナツ状のアルゴ
ンプラズマが、例えば大気中で発生し、その中心にネプ
ライザから試料(例えば、K,Caなど)をキャリアガ
ス(このときはAr)とともに導入する。すると、これ
らは霧化→原子化→電離化の過程を経て、プラズマガス
ともにイオン化される(Ar+,K+,Ca+などのイオ
ンを含んだプラズマ70の生成)。
【0015】プラズマ70の中心部は、プラズマサンプ
リング電極(通常接地電位)80に設けたオリフィス8
1(直径0.5〜2mmφ 程度)から、中気圧(1〜1
0-1Torr 程度)領域に拡散し、拡散プラズマを形成す
る。この拡散プラズマ71に後して、オリフィス91
(直径0.3〜1.5mmφ程度)を有するイオン引出し
電極90が設けてある。その背後に(ギャップ0.3〜
1.5mm程度)オリフィス101(直径0.1〜1mm
φ 程度)を有するイオン加速電極100が設けてあ
り、前記のイオン引出し電極90との間にイオン引出し
電圧VE が印加されている。このとき、前記イオン引出
し電極90のオリフィス91の近傍にはイオンシースが
形成されて、前記拡散プラズマからイオン(例えば、前
記Ar+,K+,Ca+など)が引出され、イオンビーム
200を形成する。
リング電極(通常接地電位)80に設けたオリフィス8
1(直径0.5〜2mmφ 程度)から、中気圧(1〜1
0-1Torr 程度)領域に拡散し、拡散プラズマを形成す
る。この拡散プラズマ71に後して、オリフィス91
(直径0.3〜1.5mmφ程度)を有するイオン引出し
電極90が設けてある。その背後に(ギャップ0.3〜
1.5mm程度)オリフィス101(直径0.1〜1mm
φ 程度)を有するイオン加速電極100が設けてあ
り、前記のイオン引出し電極90との間にイオン引出し
電圧VE が印加されている。このとき、前記イオン引出
し電極90のオリフィス91の近傍にはイオンシースが
形成されて、前記拡散プラズマからイオン(例えば、前
記Ar+,K+,Ca+など)が引出され、イオンビーム
200を形成する。
【0016】このイオンビームはイオンレンズ系110
で集束され、共鳴電荷交換反応セル120内に導入され
る。この共鳴電荷交換反応セル120の内部には、反応
ガス130(本例の場合はArガス)が封入(10-5〜
5×102Torr)されていて、主に、前記共鳴電荷交換
反応が生じる(高速Ar+ +低速Ar→高速Ar+低速
Ar+)、前記共鳴電荷交換反応で生じた高速のArと低
速のAr+ 、および電荷交換反応を殆ど起さなかった前
記K+ やCa+ などの高速のイオンは、スリット140
を経て、エネルギー分析器150(内面に導電性黒色膜
形成)に導入される。
で集束され、共鳴電荷交換反応セル120内に導入され
る。この共鳴電荷交換反応セル120の内部には、反応
ガス130(本例の場合はArガス)が封入(10-5〜
5×102Torr)されていて、主に、前記共鳴電荷交換
反応が生じる(高速Ar+ +低速Ar→高速Ar+低速
Ar+)、前記共鳴電荷交換反応で生じた高速のArと低
速のAr+ 、および電荷交換反応を殆ど起さなかった前
記K+ やCa+ などの高速のイオンは、スリット140
を経て、エネルギー分析器150(内面に導電性黒色膜
形成)に導入される。
【0017】前記エネルギー分析器150に導入された
高速のAr,K+,Ca+などと低速のAr+は、エネル
ギー分析器150に印加した電圧V0によって中性のA
rのを除いて偏向される。高速のK+やCa+などが、こ
のエネルギー分析器150を通過するように前記V0を
設定すると、低速のAr+は前記エネルギー分析器15
0の電極などに衝突して消滅する(妨害イオンの除
去)。
高速のAr,K+,Ca+などと低速のAr+は、エネル
ギー分析器150に印加した電圧V0によって中性のA
rのを除いて偏向される。高速のK+やCa+などが、こ
のエネルギー分析器150を通過するように前記V0を
設定すると、低速のAr+は前記エネルギー分析器15
0の電極などに衝突して消滅する(妨害イオンの除
去)。
【0018】図1および図3に示すような90°偏向型
静電エネルギー分析器の場合、入射イオンのエネルギー
Eと両電極(偏向板)間に印加する電圧V0 との間には
E=V/2log(r1/r2)[r1,r2 は、偏向板の内
径,外径を示す)なる関係があり、r1=6.7cm,r
2=7.3cmに設計するとE=6.50Vになる。
静電エネルギー分析器の場合、入射イオンのエネルギー
Eと両電極(偏向板)間に印加する電圧V0 との間には
E=V/2log(r1/r2)[r1,r2 は、偏向板の内
径,外径を示す)なる関係があり、r1=6.7cm,r
2=7.3cmに設計するとE=6.50Vになる。
【0019】一方、中性で高速のArは、偏向を受け
ず、前記エネルギー分析器150の外電極に設けたオリ
フィス151(入射ビーム軸方向)を直進し、検出器1
80でモニターされる。
ず、前記エネルギー分析器150の外電極に設けたオリ
フィス151(入射ビーム軸方向)を直進し、検出器1
80でモニターされる。
【0020】前記エネルギー分析器150を通過した高
速のK+やCa+などのイオンビームは質量分析器160
(4重極型など)に導入されて質量分析され、検出器1
70より信号を得る。これらの信号は、パソコンなどの
コンピュータにてデータ処理され、必要な情報が得られ
るように構成してある。
速のK+やCa+などのイオンビームは質量分析器160
(4重極型など)に導入されて質量分析され、検出器1
70より信号を得る。これらの信号は、パソコンなどの
コンピュータにてデータ処理され、必要な情報が得られ
るように構成してある。
【0021】なお、本発明では、プラズマの生成につい
てはマイクロ波放電について述べたが、高周波放電やコ
ロナ放電、直流グロー放電などでもよく、特に限定する
ものではない。また、これらプラズマからのイオンの引
出し方法についても、本発明に限定するものではなく、
全てのイオン引出し方法を用いることができる。さら
に、前記エネルギー分析器150は、本説明に用いた9
0°型の静電エネルギー分析器に限定されるものではな
く、平行平板型などのイオンのエネルギーを分析できる
もの、すなわち、低速のイオンをカットできるものであ
ればよい。
てはマイクロ波放電について述べたが、高周波放電やコ
ロナ放電、直流グロー放電などでもよく、特に限定する
ものではない。また、これらプラズマからのイオンの引
出し方法についても、本発明に限定するものではなく、
全てのイオン引出し方法を用いることができる。さら
に、前記エネルギー分析器150は、本説明に用いた9
0°型の静電エネルギー分析器に限定されるものではな
く、平行平板型などのイオンのエネルギーを分析できる
もの、すなわち、低速のイオンをカットできるものであ
ればよい。
【0022】また、本発明は、中性ビーム(前記高速の
Aビーム)発生装置として応用できることは自明であ
る。
Aビーム)発生装置として応用できることは自明であ
る。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように以下に記
載するような効果がある。すなわち、検出信号の妨害と
なる光子や中性粒子をエネルギー分析器内から除去する
ことにより、一層の高感度化(S/N比向上)が達成で
き、本装置の性能は一段と向上した。
載するような効果がある。すなわち、検出信号の妨害と
なる光子や中性粒子をエネルギー分析器内から除去する
ことにより、一層の高感度化(S/N比向上)が達成で
き、本装置の性能は一段と向上した。
【図1】本発明の原理説明図。
【図2】従来装置の構成図。
【図3】本発明の一実施例になる質量分析装置の概略構
成を示す図。
成を示す図。
11…マイクロ波プラズマストーチ, 41冷却ガス, 51…プラズマガス, 60…試料, 80…プラズマサンプリング電極, 90…イオン引出し電極, 100…イオン加速電極, 120…共鳴電荷交換反応セル, 130…反応ガス, 150…エネルギー分析器, 160…質量分析器, 170…イオン検出器, 200…イオンビーム, VE …イオン引出し電圧。
Claims (6)
- 【請求項1】プラズマ生成部と、該プラズマからイオン
ビームを生成する生成部と、該イオンビームを集束する
レンズ部と、イオンの質量を分析する分析部と、分析さ
れたイオンを検出する検出部とを備えてなるプラズマイ
オン源微量元素質量分析装置であって、前記イオン質量
分析部はエネルギー分析部と質量分析部からなり該エネ
ルギー分析部は電荷を持たない粒子を通過させる開口部
を有することを特徴とするプラズマイオン源微量元素質
量分析装置。 - 【請求項2】前記開口部は前記レンズ部の光軸上に設け
られていることを特徴とする請求項1記載のプラズマイ
オン源微量元素質量分析装置。 - 【請求項3】前記エネルギー分析部を通過した光軸上に
前記電荷を持たない粒子を検出する手段を設けたことを
特徴とする請求項2記載のプラズマイオン源微量元素質
量分析装置。 - 【請求項4】前記レンズ部はアインツェルレンズから成
ることを特徴とする請求項1記載のプラズマイオン源微
量元素質量分析装置。 - 【請求項5】前記プラズマ生成部はマイクロ波プラズマ
トーチから成ることを特徴とする請求項1記載のプラズ
マイオン源微量元素質量分析装置。 - 【請求項6】前記キャリアガスがArガスであることを
特徴とする請求項1記載のプラズマイオン源微量元素質
量分析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10083500A JPH10255716A (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | プラズマイオン源微量元素質量分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10083500A JPH10255716A (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | プラズマイオン源微量元素質量分析装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7319981A Division JP2804913B2 (ja) | 1995-12-08 | 1995-12-08 | プラズマイオン源微量元素質量分析装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10255716A true JPH10255716A (ja) | 1998-09-25 |
Family
ID=13804209
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10083500A Pending JPH10255716A (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | プラズマイオン源微量元素質量分析装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10255716A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001210270A (ja) * | 2000-01-25 | 2001-08-03 | Ulvac Japan Ltd | 高周波電力印加電極に入射する高速中性粒子のエネルギーの分析方法及び分析装置 |
-
1998
- 1998-03-30 JP JP10083500A patent/JPH10255716A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001210270A (ja) * | 2000-01-25 | 2001-08-03 | Ulvac Japan Ltd | 高周波電力印加電極に入射する高速中性粒子のエネルギーの分析方法及び分析装置 |
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