JPH10254235A - 現像ロールおよびその製法 - Google Patents

現像ロールおよびその製法

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JPH10254235A
JPH10254235A JP5623697A JP5623697A JPH10254235A JP H10254235 A JPH10254235 A JP H10254235A JP 5623697 A JP5623697 A JP 5623697A JP 5623697 A JP5623697 A JP 5623697A JP H10254235 A JPH10254235 A JP H10254235A
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resin layer
developing roll
elastic layer
layer
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政典 石田
Akihiro Maeda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ニップを安定化させる程度の低硬度の弾性体層
と、トナーを高帯電させるとともに微弱電圧下では良導
電性となりうる導電性樹脂層とを有するとともに、高い
トナー搬送力を発揮できる表面粗さを備え、しかも初期
画像の高画質化と長期間の使用においての画質の安定化
を実現することのできる現像ロールおよびその製法を提
供する。 【解決手段】軸体13と、上記軸体13の外周に沿って
その外周面が凹凸粗面に形成された弾性体層16と、上
記弾性体層16表面の凹凸粗面形状に沿わせた状態で弾
性体層16の外周面に形成され、かつ絶縁性粉末粒子が
含有された導電性樹脂層17とを備えた現像ロール18
であって、上記弾性体層16の硬度(JIS−A)が5
〜30°に設定され、上記導電性樹脂層17に含有され
た絶縁性粉末粒子の平均粒径が1.0〜5.0μmに設
定され、かつ上記現像ロール18の表面粗さ(Ra)が
0.7〜3.5μmに設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機、
プリンタ、ファクシミリ等に用いられる現像ロールおよ
びその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真複写機は、図4に示す
ように構成され、つぎのようにして複写が行われる。す
なわち、まず、軸1aを中心に矢印方向に回転する感光
ドラム1がコロトロン2により一様に帯電される。3は
露光機構部でここを介して原稿光像のスリット露光4が
感光ドラム1表面に到達し、原稿像に対応した静電潜像
が感光ドラム1表面に形成される。5はケース5a内に
内蔵された現像ロールであり、層形成部材6の摺接によ
って摩擦帯電され、ケース5a内のトナーが付着され
る。そして、上記現像ロール5表面のトナーが感光ドラ
ム1表面の静電潜像に転写され、感光ドラム1表面にト
ナー像が形成される。このトナー像が、給紙ローラ7に
よって矢印のように移送された複写紙8上に、転写装置
9を介して転写される。そして、定着ロール10によっ
て複写紙8上に定着される。このようにして複写が行わ
れる。なお、図4において、11は感光ドラム1表面の
転写残像や残像トナーを除去するクリーナー、12は感
光ドラム1を零電化してつぎの帯電に備えさせるイレー
サーランプである。
【0003】上記現像ロール5は、一般に、円筒状もし
くは中実状の軸体(導電性基体)と、その外周面に、感
光ドラム1および層形成部材6との接触状態(以下「ニ
ップ」と略す)を安定させるための弾性体層と、さらに
その外周面に導電性樹脂層とを備えた構成をとる。この
ような現像ロール5において、初期画像の高画質化や長
期間の使用による画質の安定化のためにトナーの搬送力
の向上を目的として、現像ロール5表面を粗面化するこ
とが知られている。例えば、上記現像ロール5表面(導
電性樹脂層)を粗面化する方法としては、上記導電性
樹脂層の形成材料中に充填剤粒子を配合して、導電性樹
脂層表面を粒子の突出により粗面化する方法、上記導
電性樹脂層の表面を機械加工(サンドブラスト、研磨加
工等)することにより粗面化する方法等が従来から行わ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
複写画像のさらなる高画質化の要求に対して、単に現像
ロール5表面を粗面化するだけでは、満足できる結果が
得られなくなってきている。すなわち、上記の方法に
より現像ロール5の表面を粗面化する場合、充分な表面
粗さを確保するためには、含有させる充填材粒子(絶縁
性粉末粒子)の粒径が大きくならざるを得ず、結果、現
像ロール5の表面に局部的に絶縁度の高いところが生
じ、そのため微弱電圧下での導電性が失われ、残像等の
障害が生じるという問題がある。さらに、上記充填材粒
子(絶縁性粉末粒子)が現像ロール5表面から欠落し、
その結果トナーがその欠落部に堆積し固着してトナー層
形成に支障を来し、複写画像の濃度むらを生じてしまう
危険性が常につきまとうという問題もある。また、上記
の方法により現像ロール5の表面を粗面化する場合、
高画質化のために最近用いられている比較的低硬度の弾
性体層に対し、そのままでは表面を粗面化することがで
きないという問題がある。そして、このような場合に
は、弾性体層を冷凍して硬度を高くし、それから機械加
工により粗面化して解凍することが考えられているが、
この方法では冷凍・解凍という余分な工程が増えてしま
い作業上問題がある。さらに、このように冷凍・解凍工
程を経た弾性体層は、短期間で劣化してしまい、現像ロ
ール5の長期間の使用に適さない。
【0005】このようなことから、複写画像の高画質化
を実現するには、下記の(イ)〜(ニ)の特性を全て満
足する現像ロール5が要求されている。 (イ)ニップを安定化させることのできる弾性体層の低
硬度化。 (ロ)高いトナー搬送力を有する表面粗さ。 (ハ)トナーを高帯電させることのできる充填材(絶縁
材)の使用。 (ニ)トナーの過剰帯電を防止する微弱帯電下での良導
電性。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、ニップを安定化させる程度の低硬度の弾性体層
と、トナーを高帯電させるとともに微弱電圧下では良導
電性となりうる導電性樹脂層とを有するとともに、高い
トナー搬送力を発揮できる表面粗さを備え、しかも初期
画像の高画質化と長期間の使用においての画質の安定化
を実現することのできる現像ロールおよびその製法の提
供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、軸体と、上記軸体の外周に沿ってその外
周面が凹凸粗面に形成された弾性体層と、上記弾性体層
表面の凹凸粗面形状に沿わせた状態で弾性体層の外周面
に形成され、かつ絶縁性粉末粒子が含有された導電性樹
脂層とを備えた現像ロールであって、上記弾性体層の硬
度(JIS−A)が5〜30°に設定され、上記導電性
樹脂層に含有された絶縁性粉末粒子の平均粒径が1.0
〜5.0μmに設定され、かつ上記現像ロールの表面粗
さ(Ra)が0.7〜3.5μmに設定されている現像
ロールを第1の要旨とする。
【0008】また、内周面が凹凸粗面形状である円筒状
金型を準備する工程と、上記金型の中心に軸体を保持し
た状態で、軸体と金型内周面との間の空隙に弾性体層形
成材料を注型して、軸体の外周面に金型内周面の凹凸粗
面形状が転写された弾性体層を形成する工程と、上記弾
性体層外周面の凹凸粗面形状に沿わせた状態で導電性樹
脂層形成材料を被覆させて導電性樹脂層を形成する工程
とを備える現像ロールの製法を第2の要旨とする。
【0009】すなわち、本発明者らは、複写画像の高画
質化を実現するため、ニップが安定し、かつトナーを適
度に帯電させることのできる現像ロールを得るため、一
連の研究を重ねた。その結果、軸体の外周に特定の硬度
を有する弾性体層を設け、さらにその外周に平均粒径が
特定の範囲である絶縁性粉末粒子を含有し、かつ表面粗
さが特定の範囲に設定されている導電性樹脂層を設ける
ことにより、所期の目的を達成できることを見いだし、
本発明に到達した。
【0010】また、内周面が凹凸粗面形状の円筒状金型
を用いて、軸体の外周面に形成する弾性体層に上記金型
の凹凸粗面形状を転写することにより、弾性体層に凹凸
粗面形状を付与し、その弾性体層の外周に導電性樹脂層
形成材料を被覆することにより、容易に導電性樹脂層の
表面を凹凸粗面形状にすることができることを見いだし
た。このようにして得られた現像ロールはトナー搬送力
に優れ、要求される諸特性を全て満足するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0012】本発明の現像ロールは、例えば、図1に示
すように、軸体13と、上記軸体13の外周に沿って形
成された弾性体層16と、上記弾性体層16の外周面に
形成された導電性樹脂層17とを備えたものである。
【0013】この現像ロール18において、上記軸体1
3としては、導電性を有するものであれば特に限定され
るものではなく、金属製の中実体からなる芯金や、内部
を中空にくり抜いた金属製の円筒体が用いられる。上記
軸体13の材料としては、アルミニウム、ステンレス等
があげられる。
【0014】上記軸体13の外周に形成される弾性体層
16の形成材料としては、ゴム成分と、これに適宜の添
加剤を配合したものが用いられる。
【0015】上記ゴム成分としては、フッ素ゴム、シリ
コンゴム等が用いられる。なかでも、弾性体層16の低
硬度化をより実現できるシリコンゴムが好ましい。
【0016】上記ゴム成分とともに含有される添加剤と
しては、加硫剤、加硫促進剤導電材等があげられる。ま
た、必要に応じて補強材、反応抑制材、軟化剤等を適宜
に添加してもよい。
【0017】なお、弾性体層16形成材料としては、ゴ
ム成分を弾性体層16形成材料全体に対して、70〜9
5重量%(以下「%」と略す)含有していることが好ま
しい。すなわち、上記範囲内でないと、弾性体層16の
低硬度化を実現できなくなるおそれがあるからである。
【0018】上記弾性体層16の外周に形成される導電
性樹脂層17の形成材料としては、樹脂成分と、絶縁性
粉末と、導電材と、必要であれば他の添加剤を配合した
ものが用いられる。
【0019】上記樹脂成分としては、アクリル樹脂、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂、シリコン樹脂等があげられる。なかでも、
トナー離型性に優れ、複写画像の高画質化を実現できる
ポリアミド樹脂が好ましい。
【0020】上記絶縁性粉末としては、シリカ、ウレタ
ン粉末、ナイロン粉末、フッ素樹脂粉末等があげられ
る。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上併用し
てもよい。なかでも、トナーを高帯電させることのでき
るシリカが好ましい。
【0021】そして、上記絶縁性粉末粒子の平均粒径
は、1.0〜5.0μmの範囲に設定しなければならな
い。なかでも、平均粒径を2.0〜4.0μmの範囲に
設定することが好適である。すなわち、絶縁性粉末粒子
の平均粒径が1.0μm未満であると、トナーの帯電を
充分に行うことができなくなり、複写画像の濃度を低下
させてしまうからである。逆に、平均粒径が5.0μm
を超えると、絶縁性粉末粒子を含有させる導電性樹脂層
に、絶縁部分を局部的に存在させることになり、そのた
め微弱電圧下での良導電性を確保できなくなるからであ
る。
【0022】また、上記絶縁性粉末の配合割合として
は、樹脂成分100重量部(以下「部」と略す)に対し
て10〜25部の範囲に設定することが好ましい。なか
でも、より好ましくは、15〜20部の範囲である。す
なわち、上記範囲内でないと、トナーの帯電に対して不
都合が生じ、複写画像に障害を生じるおそれがあるから
である。
【0023】上記導電材としては、特に限定されるもの
ではなく、従来公知のものが用いられる。例えば、金属
粉末、導電性化合物、導電性粉末、無機錯体等があげら
れる。上記金属粉末としては、アルミニウム粉末、ステ
ンレス粉末等、上記導電性化合物としては、c−Zn
O、c−TiO2 、c−SnO2 等の導電性酸化物があ
げられる。なお、上記「c−」とは導電性を有するとい
う意味である。そして、上記導電性粉末としては、グラ
ファイト、カーボンブラック等があげられる。また、上
記無機錯体としては、LiClO4 等があげられる。こ
れらの導電材は単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。これら導電材のなかでも、環境安定性、高分散性と
いう点から、導電性粉末を用いることが好ましい。ま
た、2種以上併せて用いる場合は、環境安定性、耐リー
ク性という点から、導電性粉末と無機錯体との組合わせ
を用いることが好ましい。
【0024】そして、上記導電材の配合割合としては、
樹脂成分100部に対して5〜20部の範囲に設定する
ことが好ましい。なかでも、より好ましくは、10〜1
5部の範囲である。すなわち、上記範囲内でないと、ト
ナーに対する帯電性付与と、導電性樹脂層17の除電と
をスムーズに行うことができないおそれがあるからであ
る。
【0025】本発明の現像ロール18は、上記弾性体層
16形成材料および導電性樹脂層17形成材料を用い、
例えばつぎのようにして作製される。すなわち、まず、
弾性体層16形成材料用の各成分をニーダー等の混練機
で混練し、コンパウンドである弾性体層16形成材料を
作製する。また、導電性樹脂層17形成材料を適宜に配
合し、ボールミル、ロール等で混練し、この混合物に有
機溶媒等を加えて混合、攪拌することにより、導電性樹
脂層17形成用のコーティング液を調製する。なお、上
記コーティング液の濃度は、形成する層の厚みに応じて
適宜に設定される。すなわち、層の厚みはコーティング
液の粘度調整が大きな要因となり、この粘度調整によっ
て設定され、上記粘度はコーティング液の濃度によって
決定される。このような観点から、上記コーティング液
の濃度は、10〜30%の範囲に設定することが好まし
い。特に好ましくは15〜20%である。そして、粘度
としては、50〜150cpsに調製することが好まし
い。
【0026】上記コーティング液に用いる有機溶媒とし
ては、メチルエチルケトン、メタノール、トルエン、イ
ソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、ジメチルホ
ルムアミド等があげられる。これらは単独でもしくは2
種以上併せて用いられる。特にメタノールを用いること
が樹脂成分の溶解性の点で好ましく、2種以上併せて用
いる場合は、洗浄安定性の点から、メタノール、トルエ
ンといった有機溶媒に、水を組み合わせて用いることが
好ましい。
【0027】ついで、金属製の軸体(芯金)13を準備
し、図3に示すように、上記金属製の軸体(芯金)13
をセットした下蓋19および金型20内に、弾性体層1
6形成材料を注型し、上蓋21を金型20に外嵌する。
なお、上記金型20は、サンドブラスト等により、内周
面が凹凸粗面形状となっている。そして、この表面粗さ
(Ra)は、0.5〜4.5μmの範囲に設定されてい
ることが好ましい。より好ましくは、2.0〜3.0μ
mである。すなわち、上記範囲内でないと、現像ロール
18の表面に目的とする表面粗さ(Ra)を付与するこ
とができなくなるおそれがあるからである。なお、上記
表面粗さ(Ra)とは、JIS B 0601−198
2の表面粗さの定義と表示により示されるなかの中心線
平均粗さ(Ra)のことである。そして、この表面粗さ
(Ra)は、触針電気拡大式表面粗さ測定器(JIS
B 0651−1976)を用いて測定されるものであ
る。
【0028】つづいて、この弾性体層16形成材料が注
型された金型20全体を加熱して弾性体層16形成材料
(コンパウンド)を加硫する(例えば、180〜200
℃×20分間)。そして、加熱加硫した後、金型から取
り出して、二次加硫により加硫剤の残渣を蒸発させる
(例えば、200℃×4時間)。このようにして、表面
に金型20内周面の凹凸粗面形状が転写された弾性体層
16を形成する。
【0029】つぎに、上記弾性体層16表面に導電性樹
脂層17形成材料となるコーティング液を塗布し、もし
くはこの弾性体層16が形成されたものを軸体13ごと
コーティング液中に浸漬して引き上げた後、乾燥および
加熱処理を行うことにより弾性体層16の外周面に導電
性樹脂層17を形成する。上記コーティング液の塗布方
法としては、ディッピング法、スプレーコーティング
法、ロールコート法等があげられる。このようにして、
図1に示すような現像ロール18を作製することができ
る。なお、図1において、14は軸体13の両端開口に
内嵌されたエンドキャップである。この現像ロール18
表面は、図2に示すように、軸体13の外周に凹凸粗面
化された弾性体層16が形成され、その弾性体層16に
沿った状態で導電性樹脂層17が形成されている。そし
て、この導電性樹脂層17の表面がその下の弾性体層1
6の凹凸粗面形状に由来する凹凸粗面形状となってい
る。なお、本発明の現像ロール18は、上記2層構造に
限定されるものでなく、例えば、導電性樹脂層17が2
層以上の複数層からなるものであっても差し支えはな
い。
【0030】このようにして得られた現像ロール18の
表面粗さ(Ra)は、0.7〜3.5μmの範囲に設定
されていなければならない。なかでも、より好ましく
は、1.2〜2.0μmである。すなわち、上記表面粗
さ(Ra)が0.7未満であると、トナーの高搬送力を
充分に確保することができず、その結果トナーの帯電が
過剰になり、複写画像の高画質化を実現できないからで
あり、表面粗さ(Ra)が3.5μmを超えると、トナ
ー搬送力が必要以上に大きくなってしまい複写画像の高
画質化を実現できないからである。
【0031】また、上記弾性体層16の硬度(JIS−
A)は、5〜30°の範囲に設定しなければならない。
なかでも、好ましくは8〜20°、より好ましくは10
〜15°である。すなわち、上記硬度(JIS−A)が
5°未満であると、硬度が低すぎて、現像ロール18の
形状を維持することが困難であるからであり、硬度(J
IS−A)が30°を超えると、ニップを安定化するこ
とができず、現像ロール18の長期間の使用に適さない
からである。なお、上記硬度(JIS−A)は、JIS
K 6301に基づいて測定されるものである。
【0032】このようにして得られた現像ロール18
は、弾性体層16が低硬度であるため、ニップが安定で
あり、さらに導電性樹脂層17に含有された絶縁性粉末
粒子の平均粒径が特定の範囲に設定され、かつ現像ロー
ル18の表面粗さ(Ra)が特定の範囲に設定されてい
るため、トナーの帯電が適度となり、複写画像の高画質
化を実現できる。
【0033】なお、上記現像ロール18全体の体積抵抗
率は、1.0×102 〜1.0×107 Ω・cmの範囲
に設定されていることが好ましい。より好ましくは、
1.0×103 〜1.0×105 Ω・cmである。すな
わち、上記範囲内でないと、複写画像の高画質化を実現
できないおそれがあるからである。
【0034】また、上記導電性樹脂層17の厚みは、3
〜30μmの範囲に設定されていることが好ましい。よ
り好ましくは、5〜20μmである。すなわち、上記範
囲内でないと、弾性体層16の凹凸粗面形状を導電性樹
脂層17の形状に充分に活かすことができず、そのため
高トナー搬送力を確保できず、トナーの帯電状態が良好
とならないおそれがあるからである。
【0035】なお、導電性樹脂層17に含有された絶縁
性粉末粒子は、弾性体層16の凹凸粗面形状に沿って形
成される導電性樹脂層17の表面粗さを低減するもので
あることが好ましい。すなわち、絶縁性粉末粒子が表面
粗さを低減させないところ(例えば、凹凸粗面の凸部)
に存在していると、現像ロール18の長期間の使用によ
って、絶縁性粉末粒子が欠落してしまい、その結果その
欠落部にトナーが堆積・固着し、トナー層形成に支障を
来し複写画像の濃度むらを生じてしまうおそれがあるか
らである。さらに、絶縁性粉末粒子により、現像ロール
18表面の凹凸粗面形状が急峻ではなく、ソフトな凹凸
粗面形状となっていれば、凹凸粗面の摩耗による急激な
トナー搬送力の低下を生じるおそれがない。したがっ
て、現像ロールの長期間の使用に対して、複写画像の画
質の安定化を特に実現できる。
【0036】また、本発明の現像ロール18は、感光ド
ラムに接触するタイプ用に限定されるものでなく、感光
ドラムに接触しないタイプ用にも好適に用いられる。
【0037】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0038】まず、下記の方法に従って、弾性体層形成
材料と、導電性樹脂層形成材料とを調製した。
【0039】〔弾性体層形成材料〕下記の表1に示す各
成分を用い同表に示す割合で配合することにより弾性体
層形成材料(コンパウンド)を作製した。
【0040】
【表1】
【0041】〔導電性樹脂層形成材料〕下記の表2に示
す各成分を用い同表に示す割合で配合し、ボールミルを
用い混練した。なお、絶縁性粉末(シリカ粉末)に関し
ては、下記の表3〜表6に示す平均粒径のものを配合し
た。ついで、この混合物に、有機溶媒としてメタノール
を用い、これと脱イオン水とを混合した溶媒を加え、混
合、攪拌してコーティング液を調製した。
【0042】
【表2】
【0043】
【実施例1〜8、比較例1〜10】軸体としてアルミニ
ウム製円筒体(外周直径20mm×厚み0.7mm)を
準備し、これを内周面が凹凸粗面形状である金型(サン
ドブラストにより粗面化したもの)の中心に保持した。
なお、金型内周面の表面粗さ(Ra)については、下記
の表3〜表6に示した。ついで、この金型とアルミニウ
ム製円筒体との間の空隙に同表に示す弾性体層形成材料
を注型し、加熱加硫(190℃×20分間)させた後、
脱型し、さらに二次加硫処理(200℃×4時間)する
ことにより芯金の外周に弾性体層を形成した。そして、
同表に示す導電性樹脂層形成材料(コーティング液)を
用い、デッピング法により、上記弾性体層の外周面に導
電性樹脂層を形成した。つぎに、導電性樹脂層を乾燥さ
せ加熱処理を行うことにより、目的とする現像ロールを
得た。なお、上記導電性樹脂層形成材料(コーティング
液)の粘度を同表に併せて示した。また、上記弾性体層
および導電性樹脂層の厚み、弾性体層の硬度(JIS−
A)、導電性樹脂層の表面粗さ(Ra)を前述の方法で
測定し、またこのようにして得られた各現像ロールの体
積抵抗率を下記の方法で測定し、同表に併せて示した。
さらに、上記各現像ロールを、図4に示す構成の電子写
真複写機に組み込み、初期のトナー搬送量、画質、画像
濃度、および3万枚複写した後のトナー搬送量、画質、
画像濃度を下記の方法で評価・測定し、下記の表7〜表
9に示した。
【0044】〔体積抵抗率〕JIS K 6911の抵
抗率試験法に準じて、印加電圧100V時の体積抵抗率
を求めた。
【0045】〔トナー搬送量〕現像ロール表面上に形成
されたトナーを専用吸引機にて吸引し、吸引トナー重量
/吸引部面積にてトナー搬送量(mg/cm2 )を算出
した。
【0046】〔画質〕複写画像の画質を目視により評価
した。そして、画質が良好なものには○、濃度むらや残
像が見られ、画質が良好でないものには×をつけた。
【0047】〔画像濃度〕現像ロールを電子写真複写機
に組み込み、画像出しを行いベタ黒コピーをとった。そ
して、そのコピーの濃度を反射濃度計(マクベス社製)
により測定した。この測定における測定値が1.3以上
であれば画像が良好といえる。なお、濃度むらや残像が
出ているものは濃度が最も薄い部位を測定した。
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】
【表7】
【0053】
【表8】
【0054】
【表9】
【0055】
【従来例1〜3】下記の表10に示す各原料を用い前記
と同様にして、弾性体層形成材料および導電性樹脂層形
成材料を調製した。ついで、軸体としてアルミニウム製
円筒体(外周直径20mm×厚み0.7mm)を準備
し、これを金型の中心に保持した。なお、この金型の内
周面は粗面化処理を行わなかった。また、金型内周面の
表面粗さ(Ra)については、表11に示した。つづい
て、この金型とアルミニウム製円筒体との間の空隙に同
表に示す弾性体層形成材料を注型し、加熱加硫(190
℃×20分間)させた後、脱型し、さらに二次加硫処理
(200℃×4時間)することにより芯金の外周に弾性
体層を形成した。そして、同表に示す導電性樹脂層形成
材料(コーティング液)を用い、デッピング法により、
上記弾性体層の外周面に導電性樹脂層を形成した。つぎ
に、導電性樹脂層を乾燥させ加熱処理を行うことによ
り、目的とする現像ロールを得た。なお、上記導電性樹
脂層形成材料(コーティング液)の粘度を同表に併せて
示した。また、上記弾性体層および導電性樹脂層の厚
み、弾性体層の硬度(JIS−A)、導電性樹脂層の表
面粗さ(Ra)、現像ロールの体積抵抗率を前述と同様
の方法で測定し、同表に併せて示した。さらに、上記各
現像ロールを、図4に示す構成の電子写真複写機に組み
込み、初期のトナー搬送量、画質、画像濃度、および3
万枚複写した後のトナー搬送量、画質、画像濃度を前述
と同様の方法で評価・測定し、下記の表12に示した。
【0056】
【表10】
【0057】
【表11】
【0058】
【表12】
【0059】上記実施例1品〜8品はすべて、弾性体層
の硬度(JIS−A)が特定の範囲内となっており、ま
た導電性樹脂層に含有している絶縁性粒子の平均粒径が
特定の範囲内となっており、しかも得られた現像ロール
の表面粗さ(Ra)が特定の範囲内となっている。この
ため、初期においても、3万枚複写後であっても、トナ
ーの搬送力が向上し、しかも複写画像の高画質化を実現
している。
【0060】
【発明の効果】以上のように、本発明の現像ロールは、
弾性体層の硬度が特定の範囲(低硬度)となるよう設定
されているため、ニップが安定したものとなる。また、
導電性樹脂層に含有されている絶縁性粉末粒子が特定の
小粒径のものに設定されているため、トナーの帯電を過
剰にすることなく高帯電でき、しかも導電性樹脂層の良
導電性を微弱電圧下でも確保している。そして、この現
像ロールの表面粗さが特定の範囲となるよう設定されて
いるため、高トナー搬送力を実現でき、それゆえ現像ロ
ール表面に長期にわたって付着しているトナーがなくな
り、トナーの過剰帯電を回避できる。したがって、本発
明の現像ロールは、初期における複写画像の高画質化を
実現でき、しかも長期にわたって高画質の複写画像を安
定に維持することができる。
【0061】また、本発明の製法によれば、従来の現像
ロールのように成形後の研削加工により凹凸粗面を形成
するのではなく、成形工程と同時に凹凸粗面を形成する
ことができるため、作業工程の短縮化を図ることができ
るとともに、容易に目的とする範囲の凹凸粗面を付与す
ることができるという利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の現像ロールの一例を示す断面図であ
る。
【図2】図1に示す現像ロールのX−X断面矢視図であ
る。
【図3】本発明の現像ロールの製法を示す説明図であ
る。
【図4】電子写真複写機の複写機構を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
13 軸体 16 弾性体層 17 導電性樹脂層 18 現像ロール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸体と、上記軸体の外周に沿ってその外
    周面が凹凸粗面に形成された弾性体層と、上記弾性体層
    表面の凹凸粗面形状に沿わせた状態で弾性体層の外周面
    に形成され、かつ絶縁性粉末粒子が含有された導電性樹
    脂層とを備えた現像ロールであって、上記弾性体層の硬
    度(JIS−A)が5〜30°に設定され、上記導電性
    樹脂層に含有された絶縁性粉末粒子の平均粒径が1.0
    〜5.0μmに設定され、かつ上記現像ロールの表面粗
    さ(Ra)が0.7〜3.5μmに設定されていること
    を特徴とする現像ロール。
  2. 【請求項2】 内周面が凹凸粗面形状である円筒状金型
    を準備する工程と、上記金型の中心に軸体を保持した状
    態で、軸体と金型内周面との間の空隙に弾性体層形成材
    料を注型して、軸体の外周面に金型内周面の凹凸粗面形
    状が転写された弾性体層を形成する工程と、上記弾性体
    層外周面の凹凸粗面形状に沿わせた状態で導電性樹脂層
    形成材料を被覆させて導電性樹脂層を形成する工程とを
    備えることを特徴とする現像ロールの製法。
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