JPH10253997A - 光スイッチ、光マトリクスボード、多層構造光マトリクスボード、光主配線盤および光スイッチの製造方法 - Google Patents

光スイッチ、光マトリクスボード、多層構造光マトリクスボード、光主配線盤および光スイッチの製造方法

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JPH10253997A
JPH10253997A JP5482097A JP5482097A JPH10253997A JP H10253997 A JPH10253997 A JP H10253997A JP 5482097 A JP5482097 A JP 5482097A JP 5482097 A JP5482097 A JP 5482097A JP H10253997 A JPH10253997 A JP H10253997A
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JP
Japan
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optical
optical switch
board
switch
light
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Application number
JP5482097A
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Inventor
Takahiro Oda
高広 小田
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屈折率整合液の管理等を無用とし、簡略な構
成であり、高速なスイッチング動作を実現する。 【解決手段】 光MDF10は、光マトリクスボード1
2、制御部14、主制御部16、レーザ部18および駆
動部20を具えている。光マトリクスボード12には光
導波路コア32が格子状に設けられており、この交差部
に光スイッチ34が設けられている。これら光スイッチ
34は、薄膜体40と反射体42とからなる。反射体4
2は、熱可逆的に大きさを変化させる材料で構成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光ファイバ通信
網における線路側光ファイバおよび局内側光ファイバの
間のクロスコネクト作業や回線試験作業を行う光主配線
盤に関する。
【0002】
【従来の技術】光主配線盤すなわち光MDF(Main-Dis
tributing-Frame )は、次世代の通信網の核となる広帯
域総合ディジタル通信網(B−ISDN)を実現するた
めに不可欠な装置の1つである。この光MDFにより、
線路側光ファイバと局内側光ファイバとの間の任意の光
ファイバ間のクロスコネクトを行わせる。光MDFの性
能に関しては様々な要求が挙げられている。例えば、遠
隔自動操作化、小型化および大規模化等の要求である。
また、経済性に優れていて、自己保持性、波長無依存
性、低損失性および双方向性等を有することも必要であ
る。しかしながら、これら全ての要求を満足させる光M
DFは出現していないのが現状である。
【0003】従来の光MDFは、例えば、文献1「NT
T R&D Vol.42 No.9 1993 p
p.1125−1133」や文献2「NTT R&D
Vol.44 No.8 1995 pp.683−6
88」に開示されている。これらの文献に開示されてい
る光MDFは、マトリクス状に配置された光導波路コア
を具え、この光導波路コアの交差部分に溝を有してい
る。そして、この溝内に、光導波路コアと同一の屈折率
を有する屈折率整合液(マッチングオイル)を注入また
は排出することによって溝部分の屈折率を変える。屈折
率整合液が溝内に無いときには、溝の壁面で光が全反射
されるようになっている。そして、屈折率整合液が溝に
注入されると、光は溝の壁面を透過する。このようにし
て、光導波路コア中を伝播する光の進行(伝播)方向を
変えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光MDFによれば、屈折率整合液の注入および排出を行
うための機構が複雑になり大型化してしまうという問題
があった。また、微細な溝の位置を検出するための位置
決め機構も複雑化してしまっていた。
【0005】そして、注入した屈折率整合液の液もれ等
の管理が大変であった。さらに、屈折率整合液を排出し
たとき、溝に液が残存してしまう場合の屈折率の管理
や、排出した液の管理等が問題であった。
【0006】従って、従来より、小型化が可能であり、
切替え操作が容易に行える構成の光MDFの出現が望ま
れていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の光スイッチに
よれば、高分子材料からなる薄膜体と、この薄膜体中に
分散した状態で設けられており、その大きさが熱可逆的
に変化する反射体とを具えることを特徴とする。
【0008】このような反射体に外部から熱を与えると
大きさが変化するので、この反射体から反射される光の
光量を変えることができる。すなわち、熱の与え方に応
じて、これら薄膜体および反射体を具える光スイッチ
は、透明状態あるいは反射状態に切り替わる。よって、
この光スイッチによれば、光を反射させる場合と、光を
透過させる場合とを、熱の与え方により切り替えること
ができる。
【0009】この発明の光スイッチにおいて、好ましく
は、前記薄膜体の材料をポリ塩化ビニール系樹脂とし、
前記反射体の材料を脂肪族の有機化合物とするのが良
い。
【0010】また、この発明の光スイッチにおいて、好
ましくは、前記薄膜体の材料をポリスチレンおよびポリ
ブタジエンのブロック共重合体とし、前記反射体の材料
をステアリン酸とするのが良い。
【0011】また、この発明の光スイッチの製造方法に
よれば、高分子材料からなる薄膜体と、この薄膜体中に
分散した状態で設けられており、その大きさが熱可逆的
に変化する反射体とを具えた光スイッチの製造方法にお
いて、前記高分子材料と前記反射体の材料とを溶媒中に
溶解させた溶液を作成する工程と、前記溶液を支持部の
表面に塗布する工程と、前記支持部に塗布された溶液を
加熱して溶媒を蒸発させる工程とを含み、前記蒸発の後
に前記支持部上に残存した板状体を前記光スイッチとす
ることを特徴とする。
【0012】このように、材料を溶解させた溶液を支持
部に塗布した状態で、溶媒を蒸発させる。支持部表面の
平面度を高くしてあるので、支持部上に板状体が残存す
ることになる。この結果、支持部上に、反射体が分散し
た構造の薄膜体が板状体として形成される。
【0013】また、次の方法によっても光スイッチを作
成することができる。すなわち、この発明の光スイッチ
の製造方法によれば、高分子材料からなる薄膜体と、こ
の薄膜体中に分散した状態で設けられており、その大き
さが熱可逆的に変化する反射体とを具えた光スイッチの
製造方法において、前記高分子材料を溶媒中に溶解させ
た溶液を作成する工程と、粉末状態である前記反射体の
材料を前記溶液中に投入する工程と、前記反射体の材料
が投入された前記溶液の撹拌を行う工程と、前記撹拌を
済ませた溶液を支持部の表面に塗布する工程と、前記支
持部に塗布された溶液を加熱して溶媒を蒸発させる工程
とを含み、前記蒸発の後に前記支持部上に残存した板状
体を前記光スイッチとすることを特徴とする。
【0014】このように、粉末状態の反射体材料を、予
め溶液にしておいた高分子材料中に投入してもよい。
【0015】さらに、この発明の光スイッチの製造方法
によれば、高分子材料からなる薄膜体と、この薄膜体中
に分散した状態で設けられており、その大きさが熱可逆
的に変化する反射体とを具えた光スイッチの製造方法に
おいて、前記高分子材料と前記反射体の材料とを混合さ
せた混合体を作成する工程と、前記混合体が溶融するま
で加熱を行い、溶融体を作成する工程と、前記溶融体を
支持部の表面に塗布する工程と、前記支持部に塗布され
た溶液を加熱して溶媒を蒸発させる工程とを含み、前記
蒸発の後に前記支持部上に残存した板状体を前記光スイ
ッチとすることを特徴とする。
【0016】このように、溶媒中に材料を投入して溶液
とするのではなく、各材料の混合体を加熱して溶融体を
作成してもよい。そして、この溶融体を支持部に塗布し
て加熱を行い、板状体を形成することができる。
【0017】次に、この発明の光マトリクスボードによ
れば、マトリクス状に光導波路コアが配置されたボード
と、この光導波路コアの交差部に入射される光の伝播方
向を、透過または反射させることで切替えできるよう
に、前記交差部に設けられた光スイッチとを具える光マ
トリクスボードにおいて、前記光スイッチは、高分子材
料からなる薄膜体と、この薄膜体中に分散した状態で設
けられており、その大きさが熱可逆的に変化する反射体
とを具えることを特徴とする。
【0018】このように、与えられた熱に応じて光の進
行方向を変化させる光スイッチを、光導波路コアの交差
部に設けてあるので、光導波路コアを伝播する光の進行
方向を変化させることができる。光スイッチは、例えば
レーザ光を照射して加熱することができる。従って、従
来のように、屈折率整合液の注入および排出を行う必要
がない。尚、ここでいう光導波路コアは、光導波路を構
成するクラッド層およびコア層の内の、コア層に相当す
る。
【0019】また、この発明の多層構造光マトリクスボ
ードによれば、複数の光マトリクスボードを積層させた
構造の多層構造光マトリクスボードであって、前記光マ
トリクスボードは、マトリクス状に光導波路コアが配置
されたボードと、この光導波路コアの交差部に入射され
る光の伝播方向を、透過または反射させることで切替え
できるように、前記交差部に設けられた光スイッチとを
具える多層構造光マトリクスボードにおいて、前記各光
マトリクスボードの前記光導波路コアおよび光スイッチ
が、それぞれのボードの面に垂直な方向から見たとき
に、各光スイッチが重ならないように、設けられている
ことを特徴とする。
【0020】このように、複数の光マトリクスボード
を、各光スイッチが重なり合わないように、積層させて
あるので、全光スイッチの位置を、ボードの上方から検
出することが可能である。例えば、ボード上面の屈折率
と光スイッチの屈折率とを異ならせておくと、ボードの
上方から光を照射することにより、反射光の光量の違い
から光スイッチの位置を特定することができる。この
際、各光スイッチが重なっていないので、全ての光スイ
ッチがこの方式により検出可能である。このように構成
すると、高密度実装が可能である。
【0021】また、この発明の光主配線盤によれば、マ
トリクス状に光導波路コアが配置されたボードと、この
光導波路コアの交差部に入射される光の伝播方向を、透
過または反射させることで切替えできるように、前記交
差部に設けられた光スイッチとを具える光マトリクスボ
ードにより、線路側光ファイバと局内側光ファイバとの
間の接続を行う光主配線盤において、前記光スイッチ
は、高分子材料からなる薄膜体と、この薄膜体中に分散
した状態で設けられており、その大きさが熱可逆的に変
化する反射体とを具えた光スイッチであって、この光ス
イッチを加熱するためのレーザ部と、このレーザ部を切
替え対象である光スイッチの位置に移動させる駆動部
と、これらレーザ部および駆動部の制御を行う制御部と
を具えることを特徴とする。
【0022】このように、光マトリクスボードに設けら
れた所望の光スイッチに対して、レーザ部により加熱を
行い、光導波路コアを伝播する光の進行方向を適当なタ
イミングで変化させることができる。従来のように複雑
な機構を必要としないので、装置の小型化や動作の高速
化が可能になる。
【0023】この発明の光主配線盤において、好ましく
は、前記レーザ部は、前記光スイッチの位置を特定する
ための検出部を具えるのが良い。
【0024】また、この発明の光主配線盤において、好
ましくは、前記検出部は、前記光マトリクスボードに向
けて光を照射する発光部と、この光マトリクスボードか
らの反射光を受光する受光部とを具えており、前記ボー
ドの表面の屈折率と前記光スイッチの屈折率とを異なら
せてあるのが良い。
【0025】このように、ボードの表面の屈折率と光ス
イッチの屈折率(薄膜体の屈折率)とを異ならせてある
ので、光マトリクスボードの表面からの反射光を検出す
ることにより、光スイッチの位置を特定することができ
る。
【0026】また、この発明の光主配線盤において、好
ましくは、前記制御部は、前記光スイッチの加熱前に前
記検出部で検出された光スイッチからの反射光の光量
と、基準値とを記憶させた記憶部と、前記光スイッチの
加熱後に前記検出部で検出された光スイッチからの反射
光の光量と前記記憶部に記憶されている光量との比較を
行う比較部と、この比較部の比較結果が前記基準値の範
囲内であるか否かを判定する判定部とを具えるのが良
い。
【0027】このように、この構成の制御部によれば、
光マトリクスボードからの反射光の光量を検出し、その
光量を基準値と比較することにより、光スイッチの反射
特性を確認することができる。従って、この制御部によ
り、光スイッチが反射状態にあるか透明状態にあるかと
いった、光スイッチの切替え状態を確認することができ
る。
【0028】また、この発明の光主配線盤において、好
ましくは、前記制御部は、前記比較結果が前記基準値の
範囲外である場合には、再度の加熱作業を指示するよう
に構成されているのが良い。
【0029】このように構成されていると、光スイッチ
の加熱作業が不十分であった場合に、その作業エラーを
制御部で認識して処理することができる。従って、光M
DF内部で高速な検査が可能になる。
【0030】この発明の光主配線盤において、好ましく
は、前記光スイッチが透明状態になる温度まで加熱した
後の前記比較結果が前記基準値の範囲外である場合に
は、前記制御部は、前記光スイッチを、反射状態になる
温度まで加熱してから室温まで冷却し、次に、前記光ス
イッチを、透明状態になる温度まで加熱してから室温ま
で冷却させる作業を指示するように構成されているのが
良い。
【0031】このように構成されていると、結晶が硬化
してしまって透明状態にならなくなった反射体を、再活
性化させることができる。従って、経時変化による結晶
の硬化が起こったときでも、光MDF内部で、光スイッ
チを透明状態にする処理が行える。
【0032】この発明の光主配線盤において、好ましく
は、前記駆動部は、前記レーザ部を前記ボードの面内に
おけるX方向に移動させるX軸スライダと、前記レーザ
部を前記X方向に直交した前記ボードの面内におけるY
方向に移動させるY軸スライダとを具えており、前記光
スイッチの長手方向が前記Y方向に揃えられているのが
良い。
【0033】このように構成すると、光スイッチの長手
方向に沿ってレーザ部を移動させることができる。これ
により、温度むらが発生しないように、光スイッチの加
熱が行える。
【0034】また、この発明の光主配線盤において、好
ましくは、前記光マトリクスボードを、前記ボードの面
に垂直な方向に複数の前記光マトリクスボードを積層さ
せた構造の多層構造光マトリクスボードとし、各光マト
リクスボードの前記光導波路コアおよび光スイッチが、
前記方向から見たときに、各光スイッチが重ならないよ
うに、設けられているのが良い。
【0035】このように構成すると、光マトリクスボー
ドの高密度実装が可能である。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して、この発明に
つき説明する。尚、図は、この発明が理解できる程度
に、構成、配置関係および大きさを概略的に示してい
る。また、以下に記載される数値等の条件は単なる一例
に過ぎず、従って、この発明は、この実施の形態に何ら
限定されることがない。
【0037】[第1の実施の形態]図1は、この実施の
形態の光MDFの構成を示すブロック図である。図1に
示されるように、この構成例の光MDF10は、光マト
リクスボード12と、制御部14と、主制御部16と、
レーザ部18と、駆動部20とを具えている。そして、
この光MDF10は、線路側光ファイバ36と局内側光
ファイバ38との間の接続を行う装置である。
【0038】尚、主制御部16は、複数の光MDFの制
御を行う装置であるが、図1には1つの光MDF10だ
けを示してある。例えば、公衆網22を介して、第1操
作端末26および第2操作端末28から切替え対象の光
スイッチの位置データが主制御部16に入力されるよう
に構成されている。主制御部16は、光MDF10や光
MDF10以外の図示されていない複数の光MDFを制
御する装置である。主制御部16は、操作端末26およ
び28から送られた位置データに基づき、切替え対象の
光スイッチを有した光MDFに対して、スイッチング動
作の指令を出す。また、この主制御部16に対しては、
各光MDFから光スイッチの切替え終了(動作結果)の
信号が出力されるようになっている。そして、この場
合、主制御部16は、公衆網22を介して、保守センタ
24に光MDFの動作結果を知らせるように構成されて
いる。
【0039】光マトリクスボード12は、ボード30、
光導波路コア32および光スイッチ34を具えている。
光伝播路としての光導波路コア32は、ボード30の表
面にマトリクス状に配置されるように設けられている。
すなわち、光導波路コア32は、互いに直交する行方向
および列方向にそれぞれ直線的に延在するように、ボー
ド30上に形成されている。
【0040】光マトリクスボード12の端部には光導波
路コア32の端面が露出しており、その端面には、線路
側光ファイバすなわち加入者ケーブル36と、局内側光
ファイバすなわち局内ケーブル38とが接続される。こ
の構成例では、加入者ケーブル36と局内ケーブル38
とは、これら光伝播路が光導波路コア32を介してボー
ド30上でクロスされるように、光マトリクスボード1
2に設けられる。図1において、加入者ケーブル36
は、行方向(図1のa方向)に延在する光導波路コア3
2の一端に接続されている。また、局内ケーブル38
は、列方向(図1のb方向)に延在する光導波路コア3
2の一端に接続されている。
【0041】この構成例では、光導波路コア32を、光
スイッチ34の高分子材料40と同じ材料すなわちポリ
塩化ビニール系樹脂を用いて構成している。また、これ
に限られることなく、例えば、塩化ビニルおよび酢酸ビ
ニルの共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリアク
リレート等を用いてもよい。また、光導波路コア32と
してSiO2 を用いてもよい。ボード30としては、半
導体製造工程で多用されるポリイミドが用いられる。
【0042】また、光導波路コア32の各交差部には、
光スイッチ34がそれぞれ1つずつ設けられている。加
入者ケーブル36から光導波路コア32の交差部に入射
される光信号は、各光スイッチ34により透過または反
射されて、その伝播方向が切替えられる。
【0043】図2は、光スイッチ34の構成および動作
状態を示す図である。この実施の形態の光スイッチ34
は、薄膜体40および反射体42をもって構成されてい
る。すなわち、光スイッチ34は、高分子材料からなる
薄膜体40と、薄膜体40中に分散した状態で設けられ
ており、その大きさが熱可逆的に変化する反射体42と
を具えている。図2において、薄膜体40は高分子材料
40であり、シート状の直方体形状をしている。その高
分子材料40の内部に、実質的に均一な密度となるよう
に、複数個の反射体42が設けられている。反射体42
としては、低分子の有機化合物が用いられる。
【0044】上述の有機化合物42は、外部から加えら
れた熱に応じて、その大きさを可逆的に変化させるもの
である。光スイッチ34から反射される光の光量は、個
々の有機化合物42の大きさに応じて変化する。図2
(A)には透明状態のときの光スイッチ34の様子が示
されており、図2(B)には白濁状態のときの光スイッ
チ34の様子が示されている。透明状態のときの有機化
合物42の大きさは、比較的小さい。従って、外部から
入射される光の大部分は、各々の光路上に有機化合物4
2が存在する確率が低いため、反射されずに光スイッチ
34すなわち高分子材料40中をそのまま透過する(図
2(A))。これに対して、白濁状態のときの有機化合
物42は、透明状態のときと比べてサイズが大きくなっ
ている。従って、外部から入射される光が有機化合物4
2に反射される割合が高くなるので、光スイッチ34は
大部分の光を透過させずに反射させる(図2(B))。
【0045】このように、光スイッチ34は熱可逆的に
反射率が変化する薄膜状反射ミラーである。このような
光スイッチ34が、光導波路コア32の交差部にそれぞ
れ設けられている。そして、高分子材料40の屈折率
は、光導波路コア32の屈折率と同じにしてあるので、
光スイッチ34が透明状態である場合には、光導波路コ
ア32の交差部に入射した光をそのまま直進させる。ま
た、光スイッチ34が白濁状態のときには、交差部に入
射した光はその進行方向と直交する方向に反射される。
従って、加入者ケーブル36から入射した光は、光スイ
ッチ34の反射状態を変えることにより、任意の局内ケ
ーブル38から出射する。
【0046】次に、光スイッチ34の反射特性につき説
明する。図3は、光スイッチ34の反射特性を示すグラ
フである。図3のグラフは、横軸に温度を取り、縦軸に
透過率を取って示したものである。グラフ中の実線で示
した曲線aは、透明状態Bから白濁状態Aに至る過程を
示している。逆に、グラフ中の破線で示した曲線bは、
白濁状態Aから透明状態Bに至る過程を示している。横
軸には、低温度側から温度T1、T2およびT3を順次
に取ってある。縦軸に示す透過率は、グラフ中の上側が
高透過率となるように取ってある。
【0047】反射体42すなわち有機化合物42の大き
さが変化するのは、熱に応じて結晶状態が変化するため
である。先ず、白濁状態Aすなわち温度T1近傍の状態
にある反射体42に対して熱を加え、その温度を温度T
3とする過程につき説明する。先ず、温度T1の状態に
ある反射体42に熱を加えると、その透過率は曲線bに
従って増加する。そして、グラフ中に示されるT2近傍
の温度になると、反射体42は単結晶状態から多結晶状
態に変遷する。多結晶状態の反射体42のサイズは、単
結晶状態のサイズに比べて小さい。この状態の反射体4
2は半溶融状態であり、この状態から温度T1の状態に
冷却しても、同じ曲線bを通って透過率は減少し、再び
白濁状態Aになる。この場合には、多結晶状態から再び
単結晶状態へ成長が可能である。
【0048】白濁状態Aから熱を加えていくと、反射体
42の大部分は多結晶状態になる。この状態のときに、
光スイッチ34の透過率は最大となる(図3のD状
態)。また、さらに熱を加えて温度T3以上にすると、
反射体42は溶融状態となる。この状態で加熱を止めて
温度T1程度にまで冷却を行っても、透過率は変化せず
に高透過率状態に保持される。これは、多結晶から単結
晶に成長が行われず、多結晶が析出されるためである。
このように、白濁状態の光スイッチ34を温度T3以上
になるまで加熱し、その後、温度T1近傍まで冷却させ
ることにより、光スイッチ34は透明状態に変化する。
【0049】次に、透明状態Bの光スイッチ34を白濁
状態Aに変化させる過程につき説明する。透明状態Bの
光スイッチ34を白濁状態にするには、先ず、上述の温
度T3になるまで光スイッチ34を加熱する。温度T3
以上になると、反射体42は溶融状態となり、透過率が
減少して反射状態となる(図3のC状態)。その後冷却
を行い、温度T1付近まで温度を下げる。この過程で反
射体42は多結晶状態を経て、これら多結晶から単結晶
が成長する。従って、光スイッチ34は白濁状態Aとな
り、高反射率を示すようになる。
【0050】尚、この構成例の光MDF10において
は、光スイッチ34を室温T1まで冷却させるために、
自然的な冷却だけでなく、強制フィン(扇風機の一種)
を利用している。そして、光スイッチ34を温度T2ま
たはT3まで加熱するのに、後述する加熱用レーザを用
いている。
【0051】光スイッチ34を構成する高分子材料40
をポリ塩化ビニール系樹脂とするとき、反射体42は脂
肪族の有機化合物とするのが好適である。このような有
機化合物としては、例えば、飽和ハロゲン脂肪酸、不飽
和ハロゲン脂肪酸、飽和ハロゲン脂肪酸と不飽和ハロゲ
ン脂肪酸とのエステル、アミド塩およびアンモニウム塩
が挙げられる。また、具体的には、ラウリン酸、ドデカ
ン酸、ミリスチル酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカン酸、アラギン酸、
オレイン酸等の高級脂肪酸が用いて好適である。このよ
うな材料で光スイッチ34を構成した場合、図3におけ
る温度T1は室温(20℃±5℃が一般的である。尚、
この例のように有機化合物として脂肪族を用いた場合に
は、温度上限を35℃以下に設定するのがよい。)、温
度T2は70℃〜100℃、および温度T3は120℃
以上となる。
【0052】また、高分子材料40をポリスチレンおよ
びポリブタジエンのブロック共重合体とし、反射体42
をステアリン酸としても良好な特性の光スイッチ34が
得られる。この場合には、図3における温度T1は室温
(上記温度範囲)、温度T2は57℃、および温度T3
は70℃である。
【0053】尚、以上説明した光スイッチ34の温度特
性域を高温にずらすことで、光マトリクスボードの耐温
度特性が高められる。高温状況の環境下で光マトリクス
ボードが使用される場合、上述した温度T2およびT3
が低温であると、常に光スイッチ34は透明状態となっ
てしまう。このような場合、光スイッチの重要な特性で
ある自己保持性(電源のON/OFFに対し、スイッチ
自身の状態が変化しない性質)が得られなくなってしま
う。従って、この観点からいえば、温度T2は80℃以
上とするのが好適である。このような温度特性の設定す
なわち材料の選択をすることにより、環境条件に強い光
スイッチが得られる。
【0054】この構成例の光スイッチ34を光マトリク
スボード12のスイッチ要素とするので、光導波路を伝
播する光の道順が熱により記録されるようになる。そし
て、この道順すなわち記録パタンは自己的に保持される
ので、このような光スイッチ34は一種の記憶素子であ
る。また、光スイッチ34の状態を切替えるための熱
は、例えばレーザ光を照射することで加えることができ
るので、記録パタンの書き換えが非接触の状態で行える
といった利点も有している。従って、切替え作業が高速
化される。
【0055】図4は、光スイッチ34が光マトリクスボ
ード12に設けられた様子を示す図である。図4(A)
には、光導波路コア32の交差部を含む一部の領域が平
面図として示されている。また、図4(B)には、図4
(A)のA−A線で切った切り口の断面が示されている
(ハッチングは省略されている)。各光スイッチ34
は、光導波路コア32のそれぞれの交差部に、光スイッ
チ34の反射面(図4のa面)がボード30の面に対し
て垂直になるように、設けられる。また、その反射面
は、加入者ケーブル36の側に面した状態になってい
る。すなわち、加入者ケーブル36から入射した光は、
先ず、光スイッチ34の反射面aに入射する。そして、
光スイッチ34の切替え状態に応じて入射光のその後の
進行方向が決定される。
【0056】また、光スイッチ34の長手方向は、加入
者ケーブル36から入射される光に対する反射面が実質
的に傾斜角45°になるような方向に揃えられている。
すなわち、図4において、傾斜角Φ=45°であり、従
って、光スイッチ34への光の入射角も45°となる。
また、その長手方向の長さLは、光導波路コア32中を
伝播する光を遮れるような長さに設定されている。そし
て、光スイッチ34の深さd2もまた、光導波路コア3
2の深さd1よりも大きく設定されている。尚、光スイ
ッチ34の反射面aの側には、光スイッチ34で反射さ
れた光が光導波路コア32中を伝播して局内ケーブル3
8の側に出射されるように、ある程度の大きさの光導波
路コア領域が光伝播スペースとして設けられている。
【0057】また、この構成例では、光スイッチ34に
レーザ光を照射して加熱を行う。レーザ光の照射は、ボ
ード30の上方から、図4の紙面に垂直な方向から光が
照射されるように行われる。この加熱による光スイッチ
34の深さ方向の温度むらを少なくするため、光スイッ
チ34の深さd2は40μm以下としてある。また、同
じ理由から、ミラー幅すなわち光スイッチ34を構成す
る薄膜体40の膜厚Wを100μm以下にしてある。
尚、これらの値は一例に過ぎずこれのみに限らない。他
の値を設定する場合には、熱可逆性記録材料(すなわち
薄膜体40および反射体42の各材料)の熱特性(図
3)、レーザ光のスポット径、信号光の波長等を相関的
に考慮して、最適値を決めるのが良い。
【0058】このような構成によると、光スイッチ34
が白濁状態のときには、加入者ケーブル36から入射し
た光は光スイッチ34で全反射され、局内ケーブル38
の側に伝播する。また、上述したように、光スイッチ3
4を構成する高分子材料40の屈折率と光導波路コア3
2の屈折率とを同じにしてあるので、光スイッチ34が
透明状態のときには、加入者ケーブル36から入射した
光は光スイッチ34を透過して、次の光導波路コアの交
差部に向けて直進する。
【0059】図5は、光マトリクスボード12のスイッ
チング状態を示す平面図である。図5において、白濁状
態の光スイッチ34を黒塗りの長方形で示してあり、透
明状態の光スイッチ34を中抜きの長方形で示してあ
る。また、図中には、信号光の伝播経路が矢印で示され
ている。図中の光マトリクスボード12は、3つの入力
ポートI1、I2およびI3と、3つの出力ポートO
1、O2およびO3とを具えている。これら入力ポート
には加入者ケーブル36がそれぞれ接続され、これら出
力ポートには局内ケーブル38がそれぞれ接続される。
図5にあっては、入力ポートI1および入力ポートI3
に信号光が入射されている。
【0060】入力ポートI1に入射した信号光は、3つ
目の交差部に設けられた光スイッチ34により、全反射
される。そして、この信号光は出力ポートO3から出力
される。また、入力ポートI3に入射した信号光は、2
つ目の交差部に設けられた光スイッチ34により全反射
されて、出力ポートO2から出力される。このように、
信号光は、透明状態の光スイッチ34をそのまま直進
し、白濁状態の光スイッチ34で出力ポート側に全反射
される。従って、光マトリクスボード上の各光スイッチ
34のスイッチング状態(反射状態、切替え状態)を指
定することで、任意の入力ポートおよび出力ポート間が
光学的に結合される。
【0061】以上説明したように、光スイッチ34は、
光マトリクスボード12において、信号光の道順を記憶
する素子として活用されることが分かる。また、光スイ
ッチ34は、熱的にそのスイッチング動作が制御される
ことから、温度ヒューズとしても用いられる。つまり、
スイッチ34をある装置に張り付けておくと、スイッチ
34が張り付けられている装置が高温状態となって図3
に示した温度T2を超えた場合には、スイッチ34は白
濁状態から透明状態に移り変るので、そのことを利用す
ればよい。具体的には、スイッチ34を透過した光を受
光するための受光器を用意しておき、その受光器の検出
信号を測定することにより、装置の温度状態を感知する
ことができる。このように、この実施の形態の光スイッ
チは、通常の温度ヒューズとして用いることもできる。
【0062】次に、光スイッチの製造方法につき説明す
る。図6は、製造方法の説明に供する製造工程図であ
る。第1の製造方法では、先ず、高分子材料40と反射
体42の材料とを溶媒中に溶解させた溶液46を作成す
る。溶媒は、樹脂母材および有機低分子物質の種類に応
じたものを用いればよく、この場合の一例としては、メ
チルイソブチルケトン、ベンゼン、四塩化炭素、エタノ
ール、メチルエチルケトンが挙げられる。そして、この
溶液46を支持部44の表面に塗布する(図6
(A))。この支持部44は、高い平面精度を有した表
面を有する部材である。次に、支持部44の表面に塗布
された溶液46を加熱して溶媒を蒸発させる。この工程
を行った結果、支持部44の表面に板状体48が残存す
る。この板状体48が光スイッチ34となる。
【0063】次に、第2の製造方法では、先ず、高分子
材料を溶媒中に溶解させた溶液を作成する。その溶液中
に、粉末状態である反射体の材料を投入し、撹拌を行う
ことにより上述の溶液46とする。そして、第1の製造
方法と同様に、溶液46の塗布および溶媒の蒸発を行う
ことにより、支持部44上に板状体が得られる。
【0064】次に、第3の製造方法では、先ず、高分子
材料と反射体の材料とを混合してこれらの混合体を作成
する。そして、この混合体が溶融するまで加熱を行い、
溶融体を作成する。後は第1の製造方法と同様に、この
溶融体を支持部44の表面に塗布して、溶媒を蒸発させ
て板状体を作成すればよい。
【0065】尚、以上説明したように、光スイッチ34
を作成してからこれをボード30に取り付けてもよい
が、これに限らず、次のようにしてもよい。すなわち、
上述の高分子材料および反射体材料の溶融体を、光導波
路コア中の交差部に設けられた溝に流し込んで成型を行
う。このような溝は、平面導波路型の回路形成に用いら
れる火炎堆積法、フォトリソグラフィ、エッチング等を
用いて容易に製作される。
【0066】次に、この構成例の光MDF10に具えら
れたレーザ部18および駆動部20につき説明する。レ
ーザ部18は、光スイッチ34を加熱するための装置で
あり、駆動部20は、レーザ部18を切替え対象である
光スイッチ34の位置に移動させる装置である。図1に
おいて、レーザ部18は光マトリクスボード12の上方
の位置に設けられており、上側から光スイッチ34に向
けてレーザ光を照射する。また、駆動部20は、X軸ス
ライダ50およびY軸スライダ52を具えている。
【0067】上述のX軸スライダ50は、レーザ部18
をボードの面内におけるX方向に平行移動させる装置で
ある。また、Y軸スライダ52は、レーザ部18をX方
向に直交したボードの面内におけるY方向に平行移動さ
せる装置である。レーザ部18は、これらX軸スライダ
50およびY軸スライダ52の上に設けられている。図
1において、X軸スライダ50は、X方向に延在する二
条の第1および第2X軸摺動フレーム54aおよび54
bの上に設けられている。X軸スライダ50は、これら
X軸摺動フレーム54aおよび54bの上をX軸方向に
摺動する。従って、この摺動動作の結果、X軸スライダ
50上のレーザ部18はX軸方向に移動する。また、Y
軸スライダ52も、図示されない摺動フレーム(例えば
X軸スライダ50の上に設けられている。)の上を平行
に摺動されるように構成されている。このY軸スライダ
52により、レーザ部18はY軸方向に平行移動する。
【0068】これらレーザ部18および駆動部20は、
制御部14により制御される。すなわち、制御部14
は、レーザ部18の位置情報を駆動部20に出力した
り、レーザ部18に対して適当な位置でレーザ光を照射
させたり指示をする。このように、制御部14からの指
示に応じて、駆動部20がレーザ部18を光マトリクス
ボード12上の適当な位置に運び、レーザ部18がその
位置にある光スイッチ34に対して適当な時間だけレー
ザ光を照射する構成となっている。
【0069】上述したように、レーザ部18は、駆動部
20によって、制御部14から指定された位置に移動さ
せられる。このとき、レーザ部18は、ボード上の光ス
イッチ34の位置を特定するための検出部を具えている
のがよい。図7は、レーザ部18の構成を示す側面図で
ある。図7に示すように、レーザ部18は、光スイッチ
34の加熱を行うための加熱用レーザ56を具えてい
る。そして、この構成例のレーザ部18は、検出部58
を具えている。
【0070】検出部58は、発光部としての発光素子6
0と、受光部としての受光素子62とを具えている。そ
して、発光素子60から出射した光が光マトリクスボー
ド12の上面で反射され、その反射光が受光素子62に
受光されるように構成されている。発光素子60および
受光素子62と、ボード12の上面との間には、スリッ
ト板64が設けられており、このスリット板64の開口
部(スリット)を光は通過する。また、発光素子60か
ら出力された光は、スリット板64およびレンズ66a
によりスポット光として集光され、ボード12の上面に
入射する。スリット板64の厚さとレンズ66aの位置
とは、このスポット光のスポット径がミラー幅Wと同程
度あるいはそれ以下になるように調節されている。そし
て、ボード12の上面から反射した光は、レンズ66b
およびスリット板64により集光されて受光素子62に
より受光される。
【0071】また、ボード30の表面の屈折率と光スイ
ッチ34の屈折率とを異ならせてある。例えば、ボード
30の表面にだけ、反射率の高い材料であるアルミニウ
ムを鏡面状にコーティングしてある。また、これとは反
対に、光スイッチ34の上部すなわちボード30から露
出している端面にだけ、アルミニウムをコーティングし
てもよい。このようにすると、ボード30の表面で反射
された反射光の光量と、光スイッチ34の表面で反射さ
れた反射光の光量とが異なる。従って、この光量の違い
を検出することにより、光スイッチ34の位置が特定さ
れる。
【0072】上述の加熱用レーザ56から出力されるレ
ーザ光は、集光レンズ68によりスポット光に集光され
てから光スイッチ34に入射する。そのスポット径は、
ミラー幅Wの2倍程度の大きさになるように集光されて
いる。この場合のスポット径は、図3を参照して説明し
た加熱温度が達成できる程度の大きさに設定されてい
る。
【0073】尚、スポット径を大きくすると、駆動部2
0によるレーザ部18の位置決め誤差が緩和されるとい
った利点がある。しかしながら、レーザ部18の小型化
のためには、スポット径ができるだけ小さい方が、加熱
効率が高められるので好適である。また、このようにレ
ーザ部18の小型化のためにはスポット径を小さくしな
ければならないが、そのためには、駆動部18の位置決
め精度を高くしておく必要がある。
【0074】この構成例では、スリット板64のスリッ
トのサイズと、レンズの焦点距離との設定により、検出
範囲を小さく絞り、光スイッチ34の検出精度を高めて
いる。また、X軸スライダ50およびY軸スライダ52
の送り分解能を高くする(すなわち最小移動距離を小さ
くする)ことで検出精度を高めている。このように、上
述した2つの要求を満足させるように、スポット径、レ
ーザパワー、レーザ部18および集光レンズ68の位置
等が調整されている。また、加熱用レーザ56の出力お
よび照射時間は、図3を参照して説明した熱特性に合う
ように、最適に設定されている。
【0075】上述した検出部58によって、光スイッチ
34の位置が検出される。また、位置ずれが判明した場
合には、レーザ部18の位置を微動させることにより、
光スイッチ34の位置を探索させるように構成されてい
る。
【0076】尚、このようにして光スイッチ34の位置
が特定されると、その光スイッチ34に対して加熱作業
が開始される。加熱作業は、光スイッチ34の長手方向
すなわちY方向にレーザ部18を移動させながら行われ
る。この構成例の光MDF10は、X軸スライダ50お
よびY軸スライダ52を、レーザ部18を移動させるた
めの装置として具えている。そして、光スイッチ34の
長手方向はY方向に揃えられている。従って、光スイッ
チ34の端から端まで(図1の端部αから端部βまで)
が、レーザ部18のY方向への移動に従い、順次に加熱
される。このようにすると、温度むらを発生させずに、
光スイッチ全体が一様に加熱される。
【0077】また、この構成例によれば、加熱用レーザ
56の照射方向と光信号用レーザの伝播方向とが直交し
ている。従って、加熱用レーザ56から照射されたレー
ザ光が光導波路コア32内に入り込み、信号光を制御す
るための素子を破壊したりするおそれがない。
【0078】次に、制御部14につき説明する。最初
に、光スイッチ34の切替え状態(スイッチング状態)
を検出する制御部14の構成につき説明する。図8は、
制御部14の構成を示すブロック図である。制御部14
は、記憶部70と、比較部72と、判定部74とを具え
ている。
【0079】先ず、記憶部70は、光スイッチ34の加
熱前に検出部58で検出された光スイッチ34からの反
射光の光量と、基準値とを記憶させるための装置であ
る。この反射光の光量の検出には、上述した検出部58
が利用されている。本来、検出部58は光スイッチ34
の位置を特定するためのものであるが、この構成例で
は、この検出部58が、光スイッチ34からの反射光の
光量を検出するための装置として用いられている。検出
部58は、光スイッチ34の位置を特定するために、そ
して、この例では、光スイッチ34から反射された光の
光量を検出するために、発光素子60により光を照射さ
せる。そして検出部58は、光マトリクスボード12か
ら反射されたその光を受光素子62により受光する。上
述したように、反射光の光量の相違を検出することによ
り、光スイッチ34の位置が特定される。
【0080】続いて、加熱用レーザ56を動作させて光
スイッチ34を加熱するのであるが、その前に、このと
きの受光素子62の出力信号を、光スイッチ34からの
反射光の光量Q1として記憶部70に記憶させる。ま
た、基準値とは、予め記憶部70に記憶された数値デー
タである。この記憶部70は、通常のメモリ装置により
構成される。
【0081】上述の比較部72は、光スイッチの加熱後
に検出部58で検出された光スイッチ34からの反射光
の光量と、記憶部70に記憶されている光量との比較を
行う装置である。記憶部70には、上述の光量Q1すな
わち加熱前の光スイッチ34からの反射光の光量Q1が
記憶されている。先ず、この光量Q1が記憶部70から
比較部72に読み出される。続いて、加熱作業の後に、
検出部58により、光スイッチ34からの反射光の光量
Q2が検出される。この光量Q2も比較部70に読み出
されて、そこで、光量Q1およびQ2の比較が行われ
る。比較部72を、通常の差分演算回路等で構成し、Q
1およびQ2間の差を検出する構成としてもよい。
【0082】次に、判定部74は、比較部72の比較結
果が基準値の範囲内であるか否かを判定する装置であ
る。比較部72からは、比較結果例えばQ1およびQ2
間の差が読み出される。基準値は、比較結果が判定部7
4に入力されると共に、記憶部70から判定部74に読
み出される。そして、判定部74は、読み出した基準値
の範囲内に比較結果があるか否かといった情報を出力す
る。例えば、比較結果が基準値の範囲内のときには、判
定部74は、「光スイッチ34は透明状態である」とい
った内容の信号を外部に出力する。また、比較結果が範
囲外のときには、判定部74は、「光スイッチ34は白
濁状態である」といった内容の信号を外部に出力する。
このようにして、光スイッチ34の切替え状態が確認さ
れる。
【0083】この構成例の光MDFでは、加熱作業が完
了した後に、制御部14が主制御部16および公衆網2
2を介して保守センタ端末24に動作結果を報告する。
すなわち、制御部14の上述した機能により光スイッチ
34の切替え状態の確認が行われ、その確認をした旨が
保守センタ端末24に報告される。このとき、切替えエ
ラーが発生していなければ作業完了となる。しかし、切
替えエラーが発生すなわち所望の切替え状態が得られて
いない状態のときには、加熱不良による反射濃度の異常
と考えられるため、再度の加熱作業を行うようになって
いる。すなわち、制御部14は、比較結果が基準値の範
囲外である場合には、再度の加熱作業を指示するように
構成されている。加熱作業の指示は、駆動部20および
レーザ部18に対してなされる。このような再度の加熱
作業を指示する制御プログラムは、制御部14にセット
されている。制御部14は、所望の切替え状態が得られ
るまで(この場合には比較結果が基準値の範囲内となる
まで)、再度の加熱作業を指示する。
【0084】このような制御部14の構成によれば、光
MDF10および保守センタ端末24の間で回線切替え
(光スイッチ34の切替え状態)の確認をしなくとも、
光MDF10内部で確認がなされるため、この確認時間
が短縮される。従って、光MDFの動作の高速化が可能
になる。
【0085】次に、上述した反射濃度の異常としては、
次の3通りの場合が考えられる。先ず、1)レーザ光が
光スイッチ34に適切に当っていないことによる照射不
良である。この構成例のレーザ部18は、上述した検出
部58を具えているので、このような照射不良の問題は
生じない。生じるとすれば、加熱用のレーザ光の光軸と
位置検出用のレーザ光の光軸とがずれている場合であ
る。このような光軸のずれは、上述した制御部14の切
替え状態確認機能を用いることで検出される。
【0086】次に、2)熱可逆性記録材料の破損による
反射濃度の異常がある。この場合にも、上述した制御部
14の切替え状態確認機能を用いることで確認が可能で
あるので問題ない。
【0087】最後に、3)熱可逆性記録材料の経時変化
による白濁の残存が挙げられる。熱可逆性記録材料の結
晶状態は、経時変化により硬化する場合がある。このよ
うな場合、光スイッチ34は白濁状態のままとなってし
まい、透明状態にすることができなくなる。このような
硬化状態は、図3を参照して説明した熱特性に従い加熱
作業を行っても解消されない。そこで、この場合には、
制御部14は、次の加熱作業を指示する。
【0088】すなわち、光スイッチ34が透明状態にな
る温度T3まで加熱した後の比較部72の比較結果が基
準値の範囲外である場合(光スイッチ34が白濁状態の
場合)には、(1)制御部14は、光スイッチ34を、
反射状態(白濁状態)になる温度T2まで加熱してから
室温T1まで冷却する。続いて、(2)制御部14は、
光スイッチ34を、透明状態になる温度T3まで加熱し
てから室温T1まで冷却させる。このような加熱作業に
より、熱可逆性記録材料の結晶状態は再活性化されるの
で、光スイッチ34を透明状態へ変化させることが可能
になる。
【0089】このように、この構成例の制御部14は、
白濁状態のままになってしまった光スイッチ34を、再
び透明状態にすることができる。従って、光MDFの内
部でこのような処理が可能であるため、回線の高速検査
が行える。
【0090】[第2の実施の形態]次に、第2の実施の
形態の光MDFの構成につき説明する。この実施の形態
の光MDFは、第1の実施の形態の光マトリクスボード
12を多層構造光マトリクスボード78に置き換えた構
成となっている。図9は、この多層構造光マトリクスボ
ード78の構成を示す図である。図9(A)は、多層構
造光マトリクスボード78の平面構成を示す図であっ
て、図9(B)は、図9(A)に示した多層構造光マト
リクスボード78のB−B線で切った切り口の断面を示
す図である。
【0091】図9に示す多層構造光マトリクスボード7
8は、第1の実施の形態で説明した複数の光マトリクス
ボード12を積層させた構造をしている。この実施の形
態では、3層の光マトリクスボード12a、12bおよ
び12cを上側からこの順序で積層させてある。各光マ
トリクスボード12a、12bおよび12cを構成する
ボード、光スイッチおよび光導波路コアには、第1の実
施の形態と同じものを用いているので、第1の実施の形
態で使用した番号を付しており、ボード12a、12b
および12cに応じてそれぞれ番号の右側にa、b、c
を付して示してある。
【0092】そして、この多層構造光マトリクスボード
78にあっては、各光マトリクスボード12a、12
b、12cの光導波路コア32a、32b、32cおよ
び光スイッチ34a、34b、34cが、それぞれのボ
ードの面に垂直な方向(すなわち図9の紙面に垂直な方
向)から見たときに、各光スイッチ34a、34b、3
4cが重ならないように、設けられている。また、第2
層目の光マトリクスボード12bと第3層目の光マトリ
クスボード12cとに設けられている光スイッチ34b
および34cの上側には、透過路76がそれぞれ設けら
れている。この透過路76の材料には、光導波路コア3
2a、b、cと同様の材料が用いられている。従って、
それぞれの光導波路コア中の光の伝播を、この透過路7
6が妨害することがない。また、このような材料を用い
てあるので、上側すなわち光マトリクスボード12aの
側から多層構造光マトリクスボード78を見たときに、
全ての光スイッチ34a、34bおよび34cが視認可
能である。すなわち、このように構成してあるので、全
ての光スイッチに対して上側から加熱用レーザ光を照射
することが可能である。また、第1の実施の形態で説明
した検出部58をもって、全ての光スイッチの位置を特
定することが可能である。
【0093】従って、この構成の多層構造光マトリクス
ボード78によれば、第1の実施の形態で説明した他の
構成すなわち制御部14、レーザ部18および駆動部2
0と共に光MDFを構成することができる。しかも、こ
の構成例によれば、第1の実施の形態で説明した光マト
リクスボード12を用いた構成に比べ、接続回線数を増
大させることができる。
【0094】
【発明の効果】この発明の光スイッチによれば、高分子
材料からなる薄膜体と、この薄膜体中に分散した状態で
設けられており、その大きさが熱可逆的に変化する反射
体とを具えている。このような反射体に外部から熱を与
えると大きさが変化するので、この反射体から反射され
る光の光量を変えることができる。すなわち、熱の与え
方に応じて、これら薄膜体および反射体を具える光スイ
ッチは、透明状態あるいは反射状態に切り替わる。よっ
て、この光スイッチによれば、光を反射させる場合と、
光を透過させる場合とを、熱の与え方により切り替える
ことができる。このような光スイッチを光MDFのスイ
ッチ要素として用いると、熱によりスイッチ状態を切り
替えることができるので、非接触状態で切り替えが可能
である。従って、高速なスイッチング動作が可能であ
る。また、構造が簡単であるため、光マトリクスボード
あるいは光MDFの構成を簡略なものとすることができ
る。
【0095】次に、この発明の光マトリクスボードによ
れば、マトリクス状に光導波路コアが配置されたボード
と、この光導波路コアの交差部に入射される光の伝播方
向を、透過または反射させることで切替えできるよう
に、上述の交差部に上述の光スイッチを設けている。こ
のように、与えられた熱に応じて光の進行方向を変化さ
せる光スイッチを、光導波路コアの交差部に設けてある
ので、光導波路コアを伝播する光の進行方向を変化させ
ることができる。光スイッチは、例えばレーザ光を照射
して加熱することができる。従って、従来の光マトリク
スボードのように、屈折率整合液の注入および排出を行
う必要がない。よって、高速なスイッチング動作が可能
になり、また、屈折率整合液の管理等の大変な作業を無
用とすることができる。
【0096】また、この発明の多層構造光マトリクスボ
ードによれば、複数の光マトリクスボードを積層させた
構造の多層構造光マトリクスボードである。そして、各
光マトリクスボードの光導波路コアおよび光スイッチ
が、それぞれのボードの面に垂直な方向から見たとき
に、各光スイッチが重ならないように、設けられてい
る。このように、複数の光マトリクスボードを、各光ス
イッチが重なり合わないように、積層させてあるので、
全光スイッチの位置を、ボードの上方から検出すること
が可能である。例えば、ボード上面の屈折率と光スイッ
チの屈折率とを異ならせておくと、ボードの上方から光
を照射することにより、反射光の光量の違いから光スイ
ッチの位置を特定することができる。この際、各光スイ
ッチが重なっていないので、全ての光スイッチがこの方
式により検出可能である。このように構成すると、高密
度実装が可能である。
【0097】また、この発明の光主配線盤によれば、光
マトリクスボードに設けられた所望の光スイッチに対し
て、レーザ部により加熱を行い、光導波路コアを伝播す
る光の進行方向を適当なタイミングで変化させることが
できる。従って、従来のように複雑な機構を必要としな
いので、装置の小型化や動作の高速化が可能になる。
【0098】また、この発明の光主配線盤によれば、ボ
ードの表面の屈折率と光スイッチの屈折率(薄膜体の屈
折率)とを異ならせてあるので、光マトリクスボードの
表面からの反射光を検出することにより、光スイッチの
位置を特定することができる。
【0099】また、この発明の光主配線盤によれば、制
御部が、光マトリクスボードからの反射光の光量を検出
し、その光量を基準値と比較することにより、光スイッ
チの反射特性を確認するように構成されている。従っ
て、この制御部により、光スイッチが反射状態にあるか
透明状態にあるかといった、光スイッチの切替え状態を
確認することができる。
【0100】また、この発明の光主配線盤によれば、制
御部は、光スイッチの加熱作業が不十分であった場合
に、その作業エラーを制御部で認識して処理するように
構成されている。従って、光MDF内部で高速な検査が
可能になる。
【0101】また、この発明の光主配線盤によれば、結
晶が硬化してしまって透明状態にならなくなった反射体
を、再活性化させることができる。従って、経時変化に
よる結晶の硬化が起こったときでも、光MDF内部で、
光スイッチを透明状態にする処理が行える。
【0102】この発明の光主配線盤によれば、駆動部
は、レーザ部をボードの面内におけるX方向に移動させ
るX軸スライダと、レーザ部をX方向に直交したボード
の面内におけるY方向に移動させるY軸スライダとを具
えており、光スイッチの長手方向がY方向に揃えられて
いる。このように構成すると、光スイッチの長手方向に
沿ってレーザ部を移動させることができる。従って、温
度むらが発生しないように、光スイッチの加熱が行え
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】光MDFの構成を示す図である。
【図2】光スイッチの構成と動作状態を示す図である。
【図3】光スイッチの反射特性を示す図である。
【図4】光スイッチの設置状態を示す図である。
【図5】光マトリクスボードのスイッチング状態を示す
図である。
【図6】光スイッチの製造工程を示す図である。
【図7】レーザ部の構成を示す図である。
【図8】制御部の構成を示す図である。
【図9】多層構造光マトリクスボードの構成を示す図で
ある。
【符号の説明】
10:光MDF 12、12a、12b、12c:光マトリクスボード 14:制御部 16:主制御部 18:レーザ部 20:駆動部 22:公衆網 24:保守センタ端末 26:第1操作端末 28:第2操作端末 30、30a、30b、30c:ボード 32、32a、32b、32c:光導波路コア 34、34a、34b、34c:光スイッチ 36:加入者ケーブル 38:局内ケーブル 40:薄膜体(高分子材料) 42:反射体(有機化合物) 44:支持部 46:溶液 48:板状体 50:X軸スライダ 52:Y軸スライダ 54a:第1X軸摺動フレーム 54b:第2X軸摺動フレーム 56:加熱用レーザ 58:検出部 60:発光素子 62:受光素子 64:スリット板 66a、66b:レンズ 68:集光レンズ 70:記憶部 72:比較部 74:判定部 76:透過路 78:多層構造光マトリクスボード

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子材料からなる薄膜体と、 該薄膜体中に分散した状態で設けられており、その大き
    さが熱可逆的に変化する反射体とを具えることを特徴と
    する光スイッチ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光スイッチにおいて、 前記薄膜体の材料をポリ塩化ビニール系樹脂とし、前記
    反射体の材料を脂肪族の有機化合物とすることを特徴と
    する光スイッチ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の光スイッチにおいて、 前記薄膜体の材料をポリスチレンおよびポリブタジエン
    のブロック共重合体とし、前記反射体の材料をステアリ
    ン酸とすることを特徴とする光スイッチ。
  4. 【請求項4】 マトリクス状に光導波路コアが配置され
    たボードと、該光導波路コアの交差部に入射される光の
    伝播方向を、透過または反射させることで切替えできる
    ように、前記交差部に設けられた光スイッチとを具える
    光マトリクスボードにおいて、 前記光スイッチは、高分子材料からなる薄膜体と、 該薄膜体中に分散した状態で設けられており、その大き
    さが熱可逆的に変化する反射体とを具えることを特徴と
    する光マトリクスボード。
  5. 【請求項5】 複数の光マトリクスボードを積層させた
    構造の多層構造光マトリクスボードであって、前記光マ
    トリクスボードは、マトリクス状に光導波路コアが配置
    されたボードと、該光導波路コアの交差部に入射される
    光の伝播方向を、透過または反射させることで切替えで
    きるように、前記交差部に設けられた光スイッチとを具
    える多層構造光マトリクスボードにおいて、 前記各光マトリクスボードの前記光導波路コアおよび光
    スイッチが、それぞれのボードの面に垂直な方向から見
    たときに、各光スイッチが重ならないように、設けられ
    ていることを特徴とする多層構造光マトリクスボード。
  6. 【請求項6】 マトリクス状に光導波路コアが配置され
    たボードと、該光導波路コアの交差部に入射される光の
    伝播方向を、透過または反射させることで切替えできる
    ように、前記交差部に設けられた光スイッチとを具える
    光マトリクスボードにより、線路側光ファイバと局内側
    光ファイバとの間の接続を行う光主配線盤において、 前記光スイッチは、高分子材料からなる薄膜体と、 該薄膜体中に分散した状態で設けられており、その大き
    さが熱可逆的に変化する反射体とを具えた光スイッチで
    あって、 該光スイッチを加熱するためのレーザ部と、 該レーザ部を切替え対象である光スイッチの位置に移動
    させる駆動部と、 これらレーザ部および駆動部の制御を行う制御部とを具
    えることを特徴とする光主配線盤。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の光主配線盤において、 前記レーザ部は、前記光スイッチの位置を特定するため
    の検出部を具えることを特徴とする光主配線盤。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の光主配線盤において、 前記検出部は、前記光マトリクスボードに向けて光を照
    射する発光部と、 該光マトリクスボードからの反射光を受光する受光部と
    を具えており、 前記ボードの表面の屈折率と前記光スイッチの屈折率と
    を異ならせてあることを特徴とする光主配線盤。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の光主配線盤において、 前記制御部は、前記光スイッチの加熱前に前記検出部で
    検出された光スイッチからの反射光の光量と、基準値と
    を記憶させた記憶部と、 前記光スイッチの加熱後に前記検出部で検出された光ス
    イッチからの反射光の光量と前記記憶部に記憶されてい
    る光量との比較を行う比較部と、 該比較部の比較結果が前記基準値の範囲内であるか否か
    を判定する判定部とを具えることを特徴とする光主配線
    盤。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の光主配線盤におい
    て、 前記制御部は、前記比較結果が前記基準値の範囲外であ
    る場合には、再度の加熱作業を指示するように構成され
    ていることを特徴とする光主配線盤。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の光主配線盤におい
    て、 前記光スイッチが透明状態になる温度まで加熱した後の
    前記比較結果が前記基準値の範囲外である場合には、 前記制御部は、前記光スイッチを、反射状態になる温度
    まで加熱してから室温まで冷却し、次に、 前記光スイッチを、透明状態になる温度まで加熱してか
    ら室温まで冷却させる作業を指示するように構成されて
    いることを特徴とする光主配線盤。
  12. 【請求項12】 請求項6に記載の光主配線盤におい
    て、 前記駆動部は、前記レーザ部を前記ボードの面内におけ
    るX方向に移動させるX軸スライダと、 前記レーザ部を前記X方向に直交した前記ボードの面内
    におけるY方向に移動させるY軸スライダとを具えてお
    り、 前記光スイッチの長手方向が前記Y方向に揃えられてい
    ることを特徴とする光主配線盤。
  13. 【請求項13】 請求項6に記載の光主配線盤におい
    て、 前記光マトリクスボードを、前記ボードの面に垂直な方
    向に複数の前記光マトリクスボードを積層させた構造の
    多層構造光マトリクスボードとし、 各光マトリクスボードの前記光導波路コアおよび光スイ
    ッチが、前記方向から見たときに、各光スイッチが重な
    らないように、設けられていることを特徴とする光主配
    線盤。
  14. 【請求項14】 高分子材料からなる薄膜体と、該薄膜
    体中に分散した状態で設けられており、その大きさが熱
    可逆的に変化する反射体とを具えた光スイッチの製造方
    法において、 前記高分子材料と前記反射体の材料とを溶媒中に溶解さ
    せた溶液を作成する工程と、 前記溶液を支持部の表面に塗布する工程と、 前記支持部に塗布された溶液を加熱して溶媒を蒸発させ
    る工程とを含み、 前記蒸発の後に前記支持部上に残存した板状体を前記光
    スイッチとすることを特徴とする光スイッチの製造方
    法。
  15. 【請求項15】 高分子材料からなる薄膜体と、該薄膜
    体中に分散した状態で設けられており、その大きさが熱
    可逆的に変化する反射体とを具えた光スイッチの製造方
    法において、 前記高分子材料を溶媒中に溶解させた溶液を作成する工
    程と、 粉末状態である前記反射体の材料を前記溶液中に投入す
    る工程と、 前記反射体の材料が投入された前記溶液の撹拌を行う工
    程と、 前記撹拌を済ませた溶液を支持部の表面に塗布する工程
    と、 前記支持部に塗布された溶液を加熱して溶媒を蒸発させ
    る工程とを含み、 前記蒸発の後に前記支持部上に残存した板状体を前記光
    スイッチとすることを特徴とする光スイッチの製造方
    法。
  16. 【請求項16】 高分子材料からなる薄膜体と、該薄膜
    体中に分散した状態で設けられており、その大きさが熱
    可逆的に変化する反射体とを具えた光スイッチの製造方
    法において、 前記高分子材料と前記反射体の材料とを混合させた混合
    体を作成する工程と、 前記混合体が溶融するまで加熱を行い、溶融体を作成す
    る工程と、 前記溶融体を支持部の表面に塗布する工程と、 前記支持部に塗布された溶液を加熱して溶媒を蒸発させ
    る工程とを含み、 前記蒸発の後に前記支持部上に残存した板状体を前記光
    スイッチとすることを特徴とする光スイッチの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007334348A (ja) * 2006-06-13 2007-12-27 Sharp Corp 光学素子、および同素子を備えているディスプレイ、リフレクタ、およびバックライト

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US8325416B2 (en) 2006-06-13 2012-12-04 Sharp Kabushiki Kaisha Re-writeable optical element and a display, reflector and backlight incorporating the same

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