JP2002250885A - 導波路光源装置および当該装置を備えた画像形成装置 - Google Patents

導波路光源装置および当該装置を備えた画像形成装置

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JP2002250885A
JP2002250885A JP2001050848A JP2001050848A JP2002250885A JP 2002250885 A JP2002250885 A JP 2002250885A JP 2001050848 A JP2001050848 A JP 2001050848A JP 2001050848 A JP2001050848 A JP 2001050848A JP 2002250885 A JP2002250885 A JP 2002250885A
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Akiyoshi Hamada
明佳 濱田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギ消費を多くすることなく光ビームの
光量調整を安定して行える導波路光源装置を提供するこ
と。 【解決手段】 半導体レーザLD1から出射され、導波
路基板12内に導波路として形成されたコア21を介し
て出射されるレーザビームLB1の光量を、製造時にお
いて適正に調整したときに、導波路基板12のクラッド
25内に漏れるレーザビームを検出センサ31、32で
検出し、そのときの検出信号の値を光量基準値として予
め記憶しておく。そして、画像形成時において、次の走
査ラインの露光走査が開始される前に、半導体レーザL
D1を駆動させ、そのときの検出センサ31、32から
の検出信号の値が、上記光量基準値と同じ値になるよう
に半導体レーザLD1の出力を調整し、調整された出力
で当該次の走査ラインの露光走査を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光源部から出射さ
れた光ビームを3次元光導波路部材を介して出射する構
成の導波路光源装置および当該装置を備えた画像形成装
置に関し、特に導波路光源装置から出射される光ビーム
の光量を一定に制御する技術の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】デジタル複写機、レーザプリンタ等のデ
ジタル式の画像形成装置の分野では、近年、複数の半導
体レーザから出射されるそれぞれのレーザビームを、各
レーザビームに対応して形成された導波路を備える3次
元光導波路基板を介して出射する構成の導波路光源装置
を用いたもの(例えば、特開平11−160557号公
報参照)が出現してきており、光源装置の小形化に有利
な構成であることから注目されている。
【0003】ところで、デジタル式の画像形成装置は、
一般的に、表面が帯電された感光体ドラムをレーザビー
ムで露光して潜像を形成し、形成された潜像を現像、転
写プロセスを経て記録シート上に画像を形成している。
そのため、感光体ドラムを露光する各レーザビームの光
量に差があると、記録シート上に形成される画像にムラ
が生じ画質の劣化につながることから、感光体ドラム上
における各レーザビームの露光量が一定になるように、
1走査ライン毎に半導体レーザの出力を調整することが
行われている。
【0004】例えば、感光体ドラムの露光走査開始端の
近辺にフォトダイオードなどの受光素子を配設して、こ
こを露光走査したときの検出信号に基づいて各半導体レ
ーザの出力を調整する構成(以下、この構成例を「第1
の従来例」という。)や、光源装置と感光体ドラム間の
光路途中にレーザビームを分離するビームスプリッタを
配し、分離された一方のレーザビームを感光体ドラムの
露光走査に用い、他方のレーザビームを受光素子に入射
させ、その検出信号に基づいて各半導体レーザの出力を
調整する構成(以下、この構成例を「第2の従来例」と
いう。)などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の従来例の構成では、レーザビームの光量調整を安定
して行えない場合があるという問題があった。すなわ
ち、感光体ドラムの露光走査開始端に受光素子を配する
構成のため、受光素子が光源装置から離れてしまう。そ
のため、光源装置と受光素子を結ぶ配線が長くなって、
画像形成装置内の他のユニットからの突発的な電気ノイ
ズなどがその配線に乗りやすくなり、その影響により正
確な検出信号が得られなくなると、レーザビームの光量
調整を安定して行えなくなってしまう。
【0006】一方、第2の従来例の構成では、受光素子
を感光体ドラムの近辺に配置しなくてもレーザビームの
光量を検出できるため、第1の従来例の構成よりも、受
光素子を光源装置に近づけることができ、ノイズの影響
を少なくできるが、レーザビームを光路途中で分離する
構成のため、第1の従来例の構成に比べて半導体レーザ
の出力を上げる必要が生じ、エネルギ消費が多くなると
いう問題がある。
【0007】上記のような問題は、導波路光源装置とし
て1本のレーザビームを出射する構成のものを用いた場
合に、感光体ドラム上におけるレーザビームの露光量を
一定に調整する場合にも起こりうるものである。本発明
は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであっ
て、エネルギ消費を多くすることなく光ビームの光量調
整を安定して行える導波路光源装置および当該装置を備
えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、光量制御が可能な光源部からの光ビーム
を、3次元光導波路部材を介して出射する構成の導波路
光源装置であって、前記3次元光導波路部材のクラッド
内に漏れた光ビームの少なくとも一部を検出する第1の
検出素子と、第1の検出素子により検出される信号に基
づいて光源部から出射される光ビームの光量を制御する
制御手段とを備えることを特徴とする。
【0009】また、前記第1の検出素子は、その光ビー
ム検出面が前記クラッドの外面の少なくとも一部に当接
もしくは近接する位置に配されていることを特徴とす
る。また、前記制御手段は、前記3次元光導波路部材の
導波路として用いられるコアから出射された光ビームの
光量が適正なときに、第1の検出素子により検出される
信号の値を第1の光量基準値として記憶している第1の
記憶部を備え、第1の検出素子により検出される信号の
値が前記第1の光量基準値と同じになるように、光源部
から出射される光ビームの光量を制御することを特徴と
する。
【0010】さらに、前記コアから出射された光ビーム
の少なくとも一部を検出する第2の検出素子を備え、前
記制御手段は、前記コアから出射された光ビームの光量
が適正なときに、第2の検出素子により検出される信号
の値を第2の光量基準値として記憶している第2の記憶
部を備え、所定のタイミングで、第2の検出素子により
検出される光ビームの光量が第2の光量基準値になるよ
うに、光源部から出射される光ビームの光量を制御する
と共に、第1の記憶部に記憶されている第1の光量基準
値を、現在、第1の検出素子により検出されている信号
の値に書き換えることを特徴とする。
【0011】また、前記光源部は、複数の発光素子を備
えると共に、前記3次元光導波路部材は、各発光素子に
対応して、当該各発光素子から出射される光ビームの導
波路となる複数のコアを備え、前記制御手段は、各発光
素子について、当該第1の検出素子により検出される信
号に基づいて当該発光素子から出射される光ビームの光
量を個別に制御することを特徴とする。
【0012】また、本発明は、光源装置から出射される
光ビームを走査手段により走査して像担持体上に潜像を
形成する画像形成装置であって、前記光源装置に前記導
波路光源装置を用いたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る導波路光源装
置の実施の形態について、図面を参照しながら説明す
る。 (実施の形態1)図1は、本発明の導波路光源装置を備
えたレーザ走査光学装置の全体構成の概略を示す斜視図
であり、説明の都合上、導波路光源装置(以下、単に
「光源装置」という。)10については部分的に透視図
としている。
【0014】同図に示されるように、レーザ走査光学装
置は、4本のレーザビームLB1〜LB4により感光体
ドラム20を露光走査するマルチビーム走査光学装置で
あって、半導体レーザLD1〜LD4からのレーザビー
ムLB1〜LB4を3次元光導波路基板(以下、単に
「導波路基板」という。)12を介して出射する構成の
光源装置10、光源装置10からのレーザビームLB1
〜LB4をコリメートするコリメータレンズ15、コリ
メートされたレーザビームLB1〜LB4を面倒れ補正
のために副走査方向に集光するシリンドリカルレンズ1
6、図示しないポリゴンモータにより矢印A方向に高速
回転し、シリンドリカルレンズ16からのレーザビーム
LB1〜LB4を主走査方向に走査するポリゴンミラー
17、走査レンズ群18、折り返しミラー19および検
出センサ33を含んでいる。
【0015】折り返しミラー19により反射されたレー
ザビームLB1〜LB4は、矢印a方向に回転する感光
体ドラム20表面を同時に露光走査し、感光体ドラム2
0表面に、1回の露光走査で4ライン分の静電潜像が形
成される。図2(a)は、図1に示す光源装置10の導
波路基板12を矢印B方向から見たときの図であり、図
2(b)は、図2(a)に示す導波路基板12を矢印C
方向から見たときの図であり、図2(c)は、図2
(a)に示す導波路基板12をD−D線で切断したとき
の矢視断面図である。
【0016】光源装置10は、導波路基板12、半導体
レーザLD1〜LD4、検出センサ31、32、および
ここでは図示していないが半導体レーザLD1〜LD4
の駆動制御等を行う制御部(図3参照)などからなる。
導波路基板12は、シリコンウェハからなる基板120
上に、ポリイミドからなる膜状の導波路部材121が積
層されてなり、図示しない基台に保持されている。
【0017】導波路部材121は、その内部に半導体レ
ーザLD1〜LD4からのレーザビームLB1〜LB4
を伝播させるための4本の導波路21〜24がレーザビ
ームの進行方向に沿って帯状に形成されている。この導
波路21〜24として形成された部分は、その周囲の部
分よりも屈折率が高くなっており、導波路21〜24が
光ファイバでいうコアとして、その周囲の部分25がク
ラッドとして機能するようになっている(以下、導波路
部材121の導波路を「コア」と、導波路周囲の部分を
「クラッド」という。)。
【0018】なお、図2では、導波路21〜24として
形成された部分を解りやすくするために、クラッド25
の内部に位置する導波路21〜24を実線で示すように
すると共に基板120に対するクラッド25の厚さを誇
張して示している。実際には、基板120の厚さが約
0.4mm、クラッド25の厚さが約30μmとなって
いる。また、各導波路21〜24は、断面形状が四角形
(図2(c)参照)になっており、その幅および高さが
約4μmになっている。
【0019】クラッド25のレーザビーム入射側の側面
122には、コア21〜24の一端(以下、「入射端」
という。)211〜241が当該側面122と面一な状
態で露出している。一方、クラッド25のレーザビーム
出射側の側面123と、基板120の側面112とは、
ほぼ面一となっており、クラッド25の側面123に
は、コア21〜24の他端(以下、「出射端」とい
う。)212〜242が当該側面123と面一な状態で
露出しており、この各出射端212〜242からレーザ
ビームLB1〜LB4がコリメータレンズ15に向けて
出射される。ここでは、隣接する各出射端212〜24
2の間隔が約20μmにされており、感光体ドラム20
上において600dpiの解像度に対応できるように構
成されている。
【0020】半導体レーザLD1〜LD4は、副走査方
向(図2(a)の上下方向)にほぼ等間隔をおいて、基
板120の取付面111上に配された電極部(不図示)
に、そのレーザビーム出射口(以下、単に「出射口」と
いう。)51〜54が、コア21〜24の入射端211
〜241と近接して対向する位置に半田付けや銀ペース
トなどにより固定される。
【0021】このような構成において、例えば半導体レ
ーザLD1が駆動された場合、出射口51から出射され
たレーザビームLB1は、その大部分がコア21の入射
端211からコア21内に入るが、その一部は、クラッ
ド25の側面122からクラッド25内に進入する。こ
のように一部のレーザビームがクラッド25内に漏れる
のは、出射口51とコア21の入射端211とが空間を
介して対向しており、一般的に出射口51とコア21の
入射端211との開口径が異なるため、出射口51の位
置を調整しても、出射口51から拡散光として出射され
るレーザビームの一部がどうしてもコア21の入射端2
11から外れてクラッド25内に入り込んでしまうから
である。
【0022】図2(a)に示す一点鎖線61は、当該側
面122からクラッド25内に進入したレーザビームを
模式的に示したものである。同図に示すように、クラッ
ド25内に入ったレーザビームは、半導体レーザLD1
の出射口51が向いている方向、ここでは同図の右方向
にある程度拡散しながら進行していく。クラッド25内
に進入するレーザビームは、そのほとんどが導波路基板
12の側面122からクラッド25内に入るものである
が、コア21内を通るレーザビームであっても、例えば
コア21の湾曲部分において臨界角と入射角の関係から
クラッド25に出ていくものもある。以下、導波路基板
12の側面122からクラッド25内に入るレーザビー
ムおよびコアからクラッド25に出ていくレーザビーム
を含めて、クラッド25内に漏れたレーザビームとして
「漏れ光」という。
【0023】なお、コア21内に入るレーザビームとク
ラッド25の側面122からクラッド25内に入るレー
ザビームの割合は、半導体レーザLD1の取付面111
上への固定位置により変わる。また、漏れ光としてクラ
ッド25内に入ったレーザビームは、コアとクラッドの
屈折率の関係からクラッド25内からコア21内に戻っ
て、コア21の出射端212から出射することはなく、
感光体ドラム20を露光するためのレーザビームとして
用いられることはない。したがって、通常は、半導体レ
ーザLD1から出射されたレーザビームを効率よく感光
体ドラム20への露光に用いるべく、コア内に入る割合
が出来るだけ大きくなるように半導体レーザLD1の固
定位置が調整される。
【0024】以上説明したことは、他の半導体レーザL
D2〜LD4をそれぞれ個別に駆動した場合にも生じ
る。一点鎖線62は、半導体レーザLD2を駆動した場
合、一点鎖線63は、半導体レーザLD3を駆動した場
合、一点鎖線64は、半導体レーザLD4を駆動した場
合に、導波路基板12の側面122からクラッド25内
に入って進行するレーザビームを模式的に示したもので
ある。
【0025】検出センサ31、32は、共にフォトダイ
オードからなる受光素子であり、漏れ光を受光して光強
度を表わす信号を制御部100に送出する。本実施の形
態では、漏れ光をできるだけ多く受光できるように、導
波路基板12のレーザビームLB1〜LB4出射側に2
つの検出センサ31、32を配置し、その受光面がクラ
ッド25の側面123に当接された状態で、基板120
の側面112に配された電極部(不図示)上に半田付け
や銀ペーストなどにより固定される。
【0026】本発明は、半導体レーザLD1〜LD4を
個別に順次駆動させ、そのときにクラッド25内に漏れ
るレーザビームを検出センサ31、32で検出し、その
検出信号に基づいて、感光体ドラム20上を露光するレ
ーザビームの光量が適切な光量になるように、駆動させ
た半導体レーザの出力を調整するものである。この処理
は、後述の光量信号補正処理において実行される。
【0027】このように本実施の形態の光源装置10
は、導波路基板12を用いており、そのためハーフミラ
ーやプリズムなどを用いて各レーザビームの光路を変更
させて副走査方向におけるビーム間隔を所定の間隔、例
えば20μmまで狭くするといった、導波路基板を用い
ない構成の光源装置に比べて、ハーフミラーやそれの角
度を調整するための調整機構などを必要としない分、大
幅な小型化を実現できる。
【0028】なお、導波路基板を作製する技術は、公知
の技術であり、例えば特開平11−160557号公報
に詳しい。また、半導体レーザLD1〜LD4や検出セ
ンサ31、32などの部材をチップ化し、これらを製造
工程において自動化実装すれば、量産時の大幅なコスト
ダウンを図ることができる。図3は、制御部100の構
成を示すブロック図である。
【0029】同図に示すように、制御部100は、CP
U101、駆動回路102〜105、光量信号値記憶部
106からなり、CPU101などの構成部材が1枚の
基板上に実装され、導波路基板12に近接した位置に配
設される。CPU101は、画像形成装置の制御部(不
図示)から、画像形成のための画像信号が送られてくる
と、その画像信号に基づいて半導体レーザLD1〜LD
4を駆動させるための駆動信号1〜4を生成し、駆動回
路102〜105へ送出する。その際、半導体レーザL
D1〜LD4の出力、すなわち発光量を指示するための
光量信号1〜4も合わせて送出する。この光量信号1、
2、3、4は、0〜255までの数値データであり、光
量信号値記憶部106に、光量信号値X1、X2、X
3、X4として記憶されているものである。
【0030】駆動回路102は、CPU101からの駆
動信号1に応じて半導体レーザLD1に駆動電流を供給
するが、その際、光量信号1の大きさに応じて供給する
電流量を変えており、半導体レーザLD1の出力、すな
わちレーザビームLB1の光量を変化させる。ここで
は、光量信号1の値が大きくなると、発光量が大きくな
るように駆動電流が半導体レーザLD1に供給される。
【0031】他の駆動回路103、104、105につ
いても駆動回路102と同様の構成であり、それぞれが
CPU101からの駆動信号2〜4と光量信号2〜4に
応じて半導体レーザLD2、LD3、LD4を駆動させ
る。光量信号値記憶部106は、EEPROMなどの不
揮発性メモリであり、光量信号値X1〜X4および後述
の光量基準値D1〜D4を記憶するための管理テーブル
を備えている。光量信号値X1〜X4は、光量信号補正
処理が実行される毎に、CPU101により上書き保存
されるようになっている。
【0032】光量基準値D1〜D4は、出力調整時の基
準値となる数値データであり、光源装置10の製造時に
決定されて光量信号値記憶部106に記憶される。製造
時において、まず半導体レーザLD1だけを駆動し、コ
ア21の出射端212から出射されるレーザビームLB
1の光量が適正な光量(感光体ドラム20上を露光する
のに適正となる光量)になるように半導体レーザLD1
の出力を調整すると共に、そのときの漏れ光を検出セン
サ31、32で検出する。そして、検出センサ31、3
2それぞれから送られてくる光強度を表わす信号のデー
タを加算した値を上記適正な光量に対する漏れ光の光強
度を表わすデータとし、これを光量基準値D1として光
量信号値記憶部106に記憶させる。
【0033】上述したように、半導体レーザLD1は、
導波路基板12の取付面111上に半田付け等により固
定されており、その状態では通常、半導体レーザLD1
と導波路基板12の位置関係が変わることはほとんどな
いと考えられる。そうであれば、半導体レーザLD1の
出射口51とコア21の入射端211の位置関係も、製
造時と製造時以降とで変わらないことになるから、半導
体レーザLD1を駆動させたときに出射口51から出射
されるレーザビームの内、コア21の入射端211に入
る分と、クラッド25内に入る分との割合も変わらない
ことになる。また、コア21の湾曲部分からクラッド2
5側に出ていくレーザビームの割合も製造時から変わら
ないと考えられる。すなわち、コア21の出射端212
から出射される分と、クラッド25内に入る分との割合
が変わらないと考えられる。このような構成は、他の半
導体レーザLD2〜LD4についても同様である。
【0034】そこで、本実施の形態では、製造時におい
て、各半導体レーザLD1〜LD4を個別に駆動し、各
コア21〜24から出射されるレーザビームLB1〜L
B4の光量がそれぞれ適正なときの、検出センサ31、
32により検出される漏れ光の光強度を表わす信号の値
を、光量基準値D1〜D4として予め光量信号値記憶部
106に記憶させておく。
【0035】そして、画像形成時において露光走査前
に、光量信号補正処理として、まず半導体レーザLD1
を駆動させ、そのときに検出センサ31、32により受
光される漏れ光の光強度を表わす値が、記憶されている
光量基準値D1と同じ値になるように半導体レーザLD
1の出力を調整する。次に半導体レーザLD2を駆動さ
せ、そのときに受光した漏れ光の光強度を表わす値が光
量基準値D2と同じ値になるように半導体レーザLD2
の出力を調整する。続いて半導体レーザLD3、LD4
についても同様に漏れ光の光強度を表わす値がそれぞれ
光量基準値D3、D4と同じ値になるように出力調整す
る。そして、次の4ライン分についての露光走査を行う
ときに、調整された出力で各半導体レーザLD1〜LD
4を駆動させることで、各コア21〜24から出射され
るレーザビームLB1〜LB4の光量を適正にするもの
である。
【0036】検出センサ33は、フォトダイオードから
なり、走査されるレーザビームLB1〜LB4を検出す
るものであり、いわゆるSOS(Start Of S
can)センサの役目を果たすものである。また、受光
面が感光体ドラム20上の露光走査面と光学的に等価な
位置に配置されているので、当該検出センサ33は、実
質的に感光体ドラム20上における露光量の光強度を検
出することもできるセンサである。
【0037】制御部100は、検出センサ33からレー
ザビームLB1〜LB4を受光したことを示す信号が送
られてくると、それから所定時間経過後に、感光体ドラ
ム20上への1回分の露光走査(すなわち4ライン分の
露光走査)を開始するために、半導体レーザLD1〜L
D4を駆動させる。また、CPU101は、感光体ドラ
ム20上への現在の4ライン分の露光走査が終了してか
ら、次の4ライン分の露光走査が開始されるまでの間
(非描画時間内)に、光量信号補正処理を実行する。
【0038】図4は、光量信号補正処理の内容を示すフ
ローチャートである。同図に示すように、制御部100
は、まず半導体レーザLD1について光量調整が終了し
たか否かを判断する(ステップS1)。ここでは、まだ
終了していないと判断して(ステップS1で「N」)、
ステップS4へ進み、変数nの値を「1」に設定する。
この変数nは、出力調整すべき半導体レーザを特定する
ために用いられるものであり、後述のステップS19に
おいて当該処理を終了する直前に「0」に設定されるも
のである。ここでは、nに「1」が設定されたので、半
導体レーザLD1の出力調整がこれから行われる。
【0039】半導体レーザLD1の出力調整を行うため
に、CPU101は、まず光量信号値記憶部106内の
管理テーブルに記憶されている光量信号値X1のデータ
を読み出す(ステップS8)。そして、半導体レーザL
D1を点灯させるための駆動信号1と、読み出した光量
信号値X1のデータを光量信号1として駆動回路102
に送出し、半導体レーザLD1を点灯させる(ステップ
S9)。
【0040】そして、検出センサ31、32双方に受光
される漏れ光の光量Y1を、検出センサ31、32から
それぞれ送られてくる光強度を表わす信号のデータを加
算することにより求める(ステップS10)。次に、光
量信号値記憶部106の管理テーブルに記憶されている
光量基準値D1のデータを読み出す(ステップS1
1)。
【0041】そして、求められた漏れ光の光量Y1のデ
ータと光量基準値D1のデータとが等しいか否かを判断
する(ステップS12)。ここで、Y1=D1であれば
(ステップS12で「Y」)、コア21の出射端212
から出射されるレーザビームLB1の光量が適正になっ
ていると判断して、ステップS16へ移る。一方、Y1
=D1でなければ、Y1>D1であるか否かを判断する
(ステップS13)。
【0042】Y1>D1と判断した場合は(ステップS
13で「Y」)、コア21の出射端212から出射され
るレーザビームLB1の光量が適正値よりも大きいこと
になるので、半導体レーザLD1の出力を下げるべく、
現在の光量信号値X1のデータから「1」を引いた値を
新たなX1として(ステップS14)、ステップS9に
戻り、当該新たなX1のデータを光量信号1として半導
体レーザLD1を駆動させる。このとき半導体レーザL
D1の出力は、X1の値を「1」下げた分だけ低下して
いることになる。一方、ステップS13でY1>D1で
ない、すなわちY1<D1と判断した場合は、逆に半導
体レーザLD1の出力を上げるべく、現在の光量信号値
X1のデータから「1」を加算した値を新たなX1とし
て(ステップS14)、ステップS9に戻る。このとき
は半導体レーザLD1の出力は、X1の値を「1」上げ
た分だけ上昇していることになる。
【0043】最終的にステップS12において、Y1=
D1となるまで、ステップS9〜S15の処理を繰り返
し行い、Y1=D1となると、ステップS16におい
て、光量信号値記憶部106の管理テーブルに記憶され
ている光量信号値X1のデータを、現在のX1のデータ
に書き換える。そして、半導体レーザLD1の駆動を停
止して消灯させる(ステップS17)。これで、半導体
レーザLD1についての出力調整が終了したことにな
る。
【0044】続いて、CPU101は、現在の「n」の
値が「4」であるか否かを判断する(ステップS1
8)。ここでは、n=1なので、ステップS18で
「N」となって、ステップS1に戻る。半導体レーザL
D1の出力調整が終了したので(ステップS1で
「Y」)、ステップS2において、半導体レーザLD2
の出力調整が終了したか否かを判断し、まだであれば
(ステップS2で「N」)、ステップS5において変数
nの値を「2」にして、ステップS8へ移る。
【0045】ステップS8では、今度は半導体レーザL
D2の出力調整を行うために、光量信号値記憶部106
内の管理テーブルに記憶されている光量信号値X2の値
を読み出す。そして、半導体レーザLD2を点灯させ
(ステップS9)、そのときに出射されたレーザビーム
LB2の内、検出センサ31、32双方に受光される漏
れ光の光量Y2を算出すると共に(ステップS10)、
半導体レーザLD2についての光量基準値D2を光量信
号値記憶部106内の管理テーブルから読み出す(ステ
ップS11)。そして、Y2=D2になるまで半導体レ
ーザLD2の出力調整を、半導体レーザLD1のときと
同様に実行する(ステップS9〜S15)。
【0046】ステップS12において、Y2=D2にな
れば、光量信号値記憶部106の管理テーブルに記憶さ
れている光量信号値X2を、現在のX2の数値に書き換
え(ステップS16)、半導体レーザLD2を消灯させ
る(ステップS17)。これで、半導体レーザLD2に
ついての出力調整が終了したことになる。ステップS1
8では、現在の「n」の値が「2」であるので、「N」
と判断し、ステップS1に戻り、ステップS1で
「Y」、S2で「Y」、S3で「N」と判断して、ステ
ップS6において変数nを「3」に設定して、ステップ
S8に移る。ステップS8〜S17では、半導体レーザ
LD1、LD2と同様の処理を行い、半導体レーザLD
3についての出力調整を行う。
【0047】再びステップS18では、現在の「n」の
値が「3」であるので、「N」と判断し、ステップS1
に戻り、ステップS1で「Y」、S2で「Y」、S3で
「Y」と判断して、ステップS7において変数nを
「4」に設定して、ステップS8に移り、ステップS8
〜S17において半導体レーザLD1、LD2と同様の
処理を行い、半導体レーザLD4についての出力調整を
行う。
【0048】ステップS18では、現在の変数nの値が
「4」であるので、「Y」と判断して、ステップS19
では変数nの値を「0」に戻して光量信号補正処理を終
了する。以上説明した処理が、1回の非描画時間内に行
われることになる。CPU101は、次の4ライン分の
露光走査を実行する際には、現在、光量信号値記憶部1
06に記憶されている光量信号値X1〜X4を読み出
し、これを光量信号1〜4として駆動回路102〜10
5に送出して半導体レーザLD1〜LD4を点灯させ
る。
【0049】このように光量信号補正処理は、1回の露
光走査が終了する毎に実行され、光量信号値X1〜X4
の値が当該処理が実行される毎に適正値に書き換えられ
ていくので、たとえ周辺温度の変動により半導体レーザ
LD1〜LD4の出力に変動が生じても、感光体ドラム
20表面を露光走査するレーザビームLB1〜LB4の
光量を走査ライン毎に適正に維持できることになる。
【0050】このように、本発明は、クラッド25内に
漏れる漏れ光を検出してレーザビームの光量を制御する
構成なので、上記第2の従来例の構成のような、光路途
中にビームスプリッタを配するために半導体レーザの出
力を上げる必要が生じ、エネルギ消費が多くなるという
問題が起こらない。また、導波路基板12上に検出セン
サ31、32を配置して漏れ光を検出する構成なので、
上記第1の従来例の構成に比べて当該センサまでの配線
を十分に短くすることができ、そのため外部からのノイ
ズが乗りにくくなり、光量調整を安定して行うことがで
きる。
【0051】なお、導波路を形成できればよいので、導
波路部材121としては、ポリイミドなどの樹脂部材に
限らず、石英ガラスやソーダガラスなどの素材を用いる
こともできる。また、板状のものに限らず、例えばブロ
ック状であってもよい。また、上記では、クラッド25
の側面123と基板120の側面112とをほぼ面一に
して検出センサ31、32を当該側面112に固定する
ようにしたが、例えば図5に示すように基板120の面
1201上に当該検出センサを配置するようにしてもよ
い。
【0052】また、検出センサ31、32の検出面を導
波路基板12の側面123に当接させたが、漏れ光を検
出でき、ノイズの影響を受けにくい範囲であれば、必ず
しも当接させる必要はなく、例えば図5に示す構成にし
て、当該各検出面を当該側面123から離間させ近接す
る位置に配するようにしてもよい。また、上記では非描
画時間内に、4つの半導体レーザLD1〜LD4につい
ての光量調整を順次行うようにしたが、非描画時間が大
変短いことから、例えば1回の露光走査が終わる毎に、
調整対象となる半導体レーザを順次変えて光量調整を実
行していく処理にしてもよい。
【0053】(実施の形態2)上記実施の形態1では、
コアの出射端から出射されるレーザビームの光量とクラ
ッド内に進入するレーザビーム(漏れ光)の光量との割
合が変わらないことを前提に、例えば半導体レーザLD
1については、漏れ光の光量Y1が光量基準値D1とな
るように半導体レーザLD1の出力を調整することで、
コア21から出射されるレーザビームLB1の光量が適
正になるように制御した。
【0054】しかしながら、例えば画像形成装置からの
機械的振動が導波路基板12に継続的に伝播されたり、
半導体レーザLD1から発する熱が半田付け等している
部分に伝播されることなどにより、コア21の入射端2
11に対する半導体レーザLD1の出射口51の位置が
微小な単位で経時的に徐々に変化する場合も考えられ
る。
【0055】上述したように、光量基準値D1は、光源
装置10の製造時において、コア21から出射されるレ
ーザビームLB1の光量が適正になったときの漏れ光の
光量の値として、光量信号値記憶部106に記憶される
ものである。したがって、コア21の入射端211に対
する半導体レーザLD1の出射口51の位置が製造時の
位置から変われば、導波路基板12の側面122からク
ラッド25内に入るレーザビームの量も変わり、上記割
合も変わってくることになる。そうなれば、記憶されて
いる光量基準値D1の値は、もはやコア21から出射さ
れるレーザビームLB1が適正なときの漏れ光の光量に
相当するものではなくなってしまい、記憶されたままの
光量基準値D1に応じて光量調整を行うと、レーザビー
ムLB1の光量を適正に維持できなくなってしまう。こ
のことは、他の半導体レーザLD2〜LD4についても
同様である。
【0056】そこで、本実施の形態2では、光量基準値
補正処理において、光量基準値D1〜D4それぞれを所
定のタイミングで適正値に書き換えていくことにより、
各コア21〜24から出射されるレーザビームLB1〜
LB4の光量を適正に維持できるように制御している。
図6は、光量基準値補正処理の内容を示すフローチャー
トであり、この処理は、制御部100のCPU101に
より実行され、半導体レーザLD1〜LD4を個別に順
次駆動させ、半導体レーザLD1〜LD4それぞれにつ
いて光量基準値D1〜D4の値を書き換えていくもので
ある。
【0057】なお、半導体レーザLD1〜LD4の位置
が変化するとしても、それは長期に渡るものと考えられ
るため、この光量基準値補正処理は、上記所定のタイミ
ング、例えば画像形成装置本体の電源がオンされてから
1枚目の記録シートへの画像形成動作が開始される前に
限って実行されるようになっている。また、感光体ドラ
ム20が適正な光量で露光走査されたときに、検出セン
サ33により検出される光強度を表わす信号の値(適正
光量値)Lが、製造時において光量信号値記憶部106
内の管理テーブルに予め記憶されるようになっている。
また、当該処理が行われるときには、ポリゴンミラー1
7が所定の回転数で回転されているものとする。
【0058】図6に示すように、CPU101は、まず
半導体レーザLD1について光量基準値D1の書き換え
が終了したか否かを判断する(ステップS21)。ここ
では、まだ終了していないと判断して(ステップS21
で「N」)、ステップS24へ進み、変数mの値を
「1」に設定する。この変数mは、出力調整すべき半導
体レーザを特定するために用いられるものであり、上述
の「n」と同じ働きをし、後述のステップS40におい
て当該処理を終了する直前に「0」に設定されるもので
ある。ここでは、mに「1」が設定されたので、半導体
レーザLD1についての光量基準値D1の書き換えがこ
れから行われる。
【0059】CPU101は、まず光量信号値記憶部1
06内の管理テーブルに記憶されている光量信号値X1
のデータを読み出す(ステップS28)。そして、半導
体レーザLD1を点灯させるための駆動信号1と、読み
出した光量信号値X1のデータを光量信号1としてそれ
ぞれ駆動回路102に送出し、半導体レーザLD1を点
灯させる(ステップS29)。
【0060】そして、ポリゴンミラー17により走査さ
れたレーザビームLB1が検出センサ33の上を通過し
たときに、当該検出センサ33から送られてくるレーザ
ビームLB1の光強度を表わす信号を受信して、感光体
ドラム20上における露光量P1のデータを求める(ス
テップS30)。検出センサ33からの検出信号により
露光量P1を求められるのは、上述したように、検出セ
ンサ33の受光面が、感光体ドラム20上の露光走査面
と光学的に等価な位置に配置されており、検出センサ3
3が実質的に感光体ドラム20上を露光するレーザビー
ムの光強度を検出しているからである。
【0061】そして、光量信号値記憶部106の管理テ
ーブルに記憶されている適正光量値Lのデータを読み出
す(ステップS11)。そして、求められた露光量P1
と適正光量値Lのデータとが等しいか否かを判断する
(ステップS31)。ここで、P1=Lであれば(ステ
ップS31で「Y」)、コア21の出射端212から出
射されるレーザビームLB1の光量が適正になっている
と判断して、ステップS35へ移る。一方、P1=Lで
なければ、P1>Lであるか否かを判断する(ステップ
S32)。
【0062】P1>Lと判断した場合は(ステップS3
2で「Y」)、コア21から出射されるレーザビームL
B1の光量が適正値よりも大きいことになるので、半導
体レーザLD1の出力を下げるべく、現在の光量信号値
X1の値から「1」を引いたデータを新たなX1として
(ステップS33)、ステップS29に戻り、当該新た
なX1のデータを光量信号1として半導体レーザLD1
を駆動させる。このときは半導体レーザLD1の出力
は、X1の値を「1」下げた分だけ低下していることに
なる。
【0063】一方、ステップS32でP1>Lでない、
すなわちP1<Lと判断した場合は、逆に半導体レーザ
LD1の出力を上げるべく、現在のX1の値から「1」
を加算したデータを新たなX1として(ステップS3
4)、ステップS29に戻る。このときは半導体レーザ
LD1の出力は、X1の値を「1」上げた分だけ上昇し
ていることになる。
【0064】最終的にステップS31において、P1=
Lとなるまで、ステップS29〜S34の処理を繰り返
し行い、P1=Lとなると、ステップS35において、
このときの漏れ光の光量Y1を検出センサ31、32そ
れぞれから送られてくる信号に基づいて算出する(ステ
ップS35)。そして、算出された光量Y1のデータを
新たな光量基準値D1として、光量信号値記憶部106
の管理テーブルに記憶されているD1のデータを、当該
新たな光量基準値D1のデータに書き換える(ステップ
S36)。
【0065】そして、光量信号値記憶部106の管理テ
ーブルに記憶されている光量信号値X1を、現在の光量
信号値X1の値に書き換えて(ステップS37)、半導
体レーザLD1を消灯させる(ステップS38)。これ
で、半導体レーザLD1についての光量基準値D1の書
き換えが終了したことになる。ステップS39では、現
在の「m」の値が「1」であるので、「N」と判断し、
ステップS21に戻り、ステップS21で「Y」、S2
2で「N」と判断して、ステップS25において変数m
を「2」に設定して、ステップS28に移る。ステップ
S28〜S38では、半導体レーザLD1と同様の処理
を行い、半導体レーザLD2について光量基準値D2の
書き換えを行う。
【0066】再び、ステップS39では、現在の「n」
の値が「2」であるので、「N」と判断し、ステップS
21に戻り、ステップS21で「Y」、S22で
「Y」、S23で「N」と判断して、ステップS26に
おいて変数mを「3」に設定して、ステップS28に移
り、ステップS28〜S38において半導体レーザLD
1と同様の処理を行い、半導体レーザLD3について光
量基準値D3の書き換えを行う。
【0067】再び、ステップS39では、現在の「n」
の値が「3」であるので、「N」と判断し、ステップS
21に戻り、ステップS21、S22、S23で「Y」
と判断して、ステップS27において変数mを「4」に
設定して、ステップS28に移り、ステップS28〜S
38において半導体レーザLD1と同様の処理を行い、
半導体レーザLD4について光量基準値D4の書き換え
を行う。
【0068】ステップS39では、現在の変数nの値が
「4」であるので、「Y」と判断して、ステップS40
では変数mの値を「0」に戻して光量基準値補正処理を
終了する。このように本実施の形態2では、光量基準値
補正処理において、感光体ドラム20を露光走査するレ
ーザビームLB1〜LB4それぞれの光量を個別に適正
に調整したときの漏れ光の光量Y1〜Y4のデータを新
たな光量基準値D1〜D4のデータとして書き換えてい
く。したがって、次の光量信号補正処理では、書き換え
られた新たな光量基準値D1〜D4に基づいて半導体レ
ーザLD1〜LD4の出力調整が行われることになり、
たとえ経時的に半導体レーザLD1〜LD4の出射口5
1〜54と、各出射口51〜54に対応するコア21〜
24の入射端211〜241との間に相対的な位置変化
が生じても、感光体ドラム20を露光するレーザビーム
LB1〜LB4の光量を適正に維持できることになる。
【0069】なお、本実施の形態2は、導波路基板12
から離れた位置に配される検出センサ33からの検出信
号を受信して感光体ドラム20上のレーザビームLB1
〜LB4の露光量を検出する構成のため、上記第1の従
来例のようなノイズの影響が考えられるが、当該処理
は、上述したように画像形成装置本体の電源がオンされ
てから1枚目の記録シートへの画像形成動作が開始され
るまでの間にだけ行われる処理であり、光量信号補正処
理のように露光走査が1回行われる毎に実行される処理
に比べて極めて実行回数が少なく、そのため突発的な電
気ノイズの影響を受けにくい。また、処理時間に十分余
裕が有るため、検出信号を複数回検出して平均化するこ
ともでき、実際にはノイズの影響を受けない状態で検出
センサ33からの信号を受信することができる。
【0070】なお、本実施の形態2では、検出センサ3
3を用いて感光体ドラム20の露光量を検出するように
したが、これに限られず、例えば折り返しミラー19の
走査終了端付近に別の検出センサを配置し、当該別の検
出センサで露光量を検出する構成にすることもできる。
この場合、適正光量値Lの値として、感光体ドラム20
が適正な光量で露光走査されたときに、当該別の検出セ
ンサにより検出される光強度を表わす信号の値が、製造
時において記憶されることになる。
【0071】(変形例)なお、本発明は、上記実施の形
態に限定されないのは言うまでもなく、以下のような変
形例を考えることができる。 (1)上記実施の形態1では、2つの検出センサ31、
32を用いてクラッド25内の漏れ光を検出するように
したが、例えば図7に示す構成にすることもできる。
【0072】図7に示す光源装置200は、基台22
0、4本のコア201〜204が内部に形成された導波
路基板210、半導体レーザLD1〜LD4、検出セン
サ209などからなる。導波路基板210は、基台22
0上に配置されている。半導体レーザLD1〜LD4
は、各出射口が導波路基板210の各コア201〜20
4の入射端に近接して対向配置されるように基台220
上に実装される。
【0073】破線205〜208は、導波路基板210
の側面2102からクラッド2101内に入って進行す
るレーザビームをそれぞれ模式的に示している。フォト
ダイオードからなる検出センサ209は、基台220上
に実装され、クラッド2101内の漏れ光を検出する。
このように、各半導体レーザLD1〜LD4の出射口が
向いている方向(破線205〜208で示す方向)に検
出センサ209を取り付ければ、クラッド2101内の
漏れ光を効率よく検出することができる。なお、本図で
は制御部を示していないが、基本的に制御部は上記実施
の形態1のものと同じ構成なので、ここでの説明を省略
する。また、このことは、本変形例に示す他の構成例に
ついても同じことがいえるので、以下、制御部について
の説明を省略することにする。
【0074】図8は、半導体レーザLD1〜LD4と導
波路基板315を光ファイバケーブル301〜304で
接続した構成例を示す図である。同図に示す光源装置3
00は、4本のコア305〜308が内部に形成された
導波路基板315と、半導体レーザLD1〜LD4と、
当該半導体レーザLD1〜LD4を導波路基板310と
結ぶ光ファイバケーブル301〜304と、フォトダイ
オードからなる検出センサ313、314などからな
る。
【0075】導波路基板315、検出センサ313、3
14は、図示しない基台上に配置される。光ファイバケ
ーブル301〜304の一端は、半導体レーザLD1〜
LD4の各レーザビーム出射口と結合され、その他端
は、コア305〜308の各入射端と結合されており、
半導体レーザLD1〜LD4から出射されたレーザビー
ムLB1〜LB4が、光ファイバケーブル301〜30
4を介してコア305〜308内に入るようになってい
る。
【0076】破線で示す309〜312は、光ファイバ
ケーブル301〜304からコア305〜308の各入
射端に向けて出射されたレーザビームの内、導波路基板
315の側面3151からクラッド3152内に入り進
行するレーザビームをそれぞれ模式的に示している。検
出センサ313、314は、クラッド3152内の漏れ
光を検出する。
【0077】半導体レーザLD1〜LD4と導波路基板
315とを柔軟性のある光ファイバケーブル301〜3
04で結んでいるので、半導体レーザLD1〜LD4を
基台上に固定する必要がなくなり、半導体レーザLD1
〜LD4の取付位置について設計の自由度が広がり有利
となる。 (2)上記実施の形態1では、導波路基板12のレーザ
ビーム出射側の側面123に検出センサ31、32を配
置して漏れ光を検出するようにしたが、漏れ光を効率よ
く検出できるのであれば、当該基板の側面に限らず、例
えば図9〜図11に示すように基板の上面に配置するこ
ともできる。
【0078】図9に示す光源装置400は、断面の形状
が山形の基台401と、当該基台401の両斜面上を覆
うように配置され、内部にコア403が形成された導波
路基板402と、半導体レーザLD1と、フォトダイオ
ードからなる検出センサ405などからなる。半導体レ
ーザLD1は、そのレーザビーム出射口がコア403の
入射端と近接して対向するように基台401上に実装さ
れている。
【0079】同図の波線404は、当該レーザビーム出
射口から出射されたレーザビームの内、導波路基板40
2の側面からクラッド内に入って進行するレーザビーム
を模式的に示したものである。検出センサ405は、波
線404で示すレーザビームだけでなく、コア403の
屈曲部から漏れるレーザビームをも検出できるように、
導波路基板402の出射端側の斜面上に配置されてい
る。
【0080】本構成例では、導波路基板402からのレ
ーザビームの出射方向を任意に変更することができ、レ
ーザ走査光学装置内における光源装置の取付位置につい
て設計の自由度が広がり有利となる。なお、ここでは半
導体レーザLD1だけしか示していないが、副走査方向
(同図の紙面垂直方向)に複数の半導体レーザとそれに
対応するコアとを並設する構成にすることもできる。
【0081】また、図10に示すような構成にすること
もできる。図10に示す光源装置500は、基台501
と、内部にコア503が形成された導波路基板502
と、半導体レーザLD1と、フォトダイオードからなる
検出センサ505などからなる。基台501の一方の端
部には、斜面5011が形成されており、半導体レーザ
LD1は、当該斜面5011上であって、レーザビーム
出射口がコア503の入射端と近接して対向する位置に
実装されている。
【0082】同図の破線504は、当該レーザビーム出
射口から出射されたレーザビームの内、導波路基板50
2の側面からクラッド内に入ったレーザビームを模式的
に示したものである。検出センサ505は、破線504
で示すレーザビームを十分に検出できるようにコア50
3の入射端付近の導波路基板402上に配置されてい
る。
【0083】さらに、図11に示すような構成にするこ
ともできる。図11に示す光源装置600は、基台60
1と、内部にコア603が形成された導波路基板602
と、半導体レーザLD1と、半導体レーザLD1と導波
路基板602とを結ぶ光ファイバケーブル605と、フ
ォトダイオードからなる検出センサ606などからな
る。
【0084】導波路基板602は、基台601上に配設
されている。光ファイバケーブル605の一端は、半導
体レーザLD1のレーザビーム出射口と結合され、その
他端は、レーザビームが斜め上方向に向かって出射され
るようにコア603の入射端と結合されており、半導体
レーザLD1からのレーザビームLB1が、光ファイバ
ケーブル605を介してコア603内に入るようになっ
ている。
【0085】破線で示す604は、光ファイバケーブル
605から出射されたレーザビームの内、導波路基板6
02の端面からクラッド内に入ったレーザビームを模式
的に示したものである。検出センサ606は、破線60
4で示すレーザビームを十分に検出できるようにコア6
03の入射端付近の導波路基板602上に配置されてい
る。
【0086】半導体レーザLD1と導波路基板602と
を柔軟性のある光ファイバケーブル605で結んでいる
ので、上記図8の構成と同様に、半導体レーザLD1を
基台601上に固定する必要がなくなり、半導体レーザ
LD1の取付位置について設計の自由度が広がり有利と
なる。なお、クラッド内に入ったレーザビームの内、検
出センサに検出されなかったものは、導波路基板(すな
わちクラッド)の側面や上面などから外側に出ていくこ
とになる。したがって、例えば導波路基板の周囲に検出
センサを配して当該基板から出ていくレーザビームも検
出できるように構成すれば漏れ光の全部を検出するよう
にすることもできる。
【0087】(3)上記実施の形態1では、本発明に係
る導波路光源装置をレーザ走査光学装置の光源装置に適
用した例について説明したが、レーザ走査光学装置の光
源装置に限らず、複数の光ビームを被照射面に向けて照
射する光源装置に適用することもできる。また、一の発
光素子から発射された1本の光ビームを導波路基板を介
して出射する構成の導波路光源装置としてもよい。
【0088】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、3次元光導波路部材のクラッド内に漏れる光ビーム
を検出して光ビームの光量を制御する構成なので、上記
第2の従来例の構成のような、光路途中にビームスプリ
ッタを配するために光源部の出力を上げる必要が生じエ
ネルギ消費が多くなるという問題が起こらない。また、
光源装置内に検出素子を配置する構成なので、光源部と
検出素子を十分に近づけることができる。したがって、
上記第1の従来例の構成に比べて配線を十分に短くする
ことができ、そのため外部からのノイズが乗りにくくな
り、光量調整を安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導波路光源装置の適用例としてのレー
ザ走査光学装置の全体構成の概略を示す斜視図である。
【図2】(a)は、図1に示す光源装置の導波路基板を
矢印B方向から見たときの図であり、(b)は、(a)
に示す導波路基板を矢印C方向から見たときの図であ
り、(c)は、(a)に示す導波路基板をD−D線で切
断したときの矢視断面図である。
【図3】上記光源装置の制御部の構成を示すブロック図
である。
【図4】光量信号補正処理の内容を示すフローチャート
である。
【図5】上記とは別の導波路基板の構成を示す図であ
る。
【図6】光量基準値補正処理の内容を示すフローチャー
トである。
【図7】上記とは別の光源装置の構成例を示す図であ
る。
【図8】上記とはさらに別の光源装置の構成例を示す図
である。
【図9】上記とはさらに別の光源装置の構成例を示す図
である。
【図10】上記とはさらに別の光源装置の構成例を示す
図である。
【図11】上記とはさらに別の光源装置の構成例を示す
図である。
【符号の説明】
10、200、300、400、500、600 光
源装置 12、210、315、402、502、602 導
波路基板 15 コリメータレンズ 21〜24、201〜204、305〜308、40
3、503、603導波路(コア) 25、2101、3152 クラッド 31〜33、209、313、314、405、50
5、606検出センサ 51〜54 レーザビーム出射口 61〜64、205〜208、309〜312、40
4、504、604漏れ光 100 制御部 101 CPU 102〜105 駆動回路 106 光量信号値記憶部 120 基板 211〜241 入射端 212〜242 出射端 220、401、501、601 基台 301〜304、605 光ファイバケーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C362 AA12 AA53 AA54 BA67 2H045 BA22 BA32 CB42 5C072 BA13 CA06 DA21 HA02 HA13 HB11 5C074 BB03 CC26 DD08 EE02 GG05 GG19 HH02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光量制御が可能な光源部からの光ビーム
    を、3次元光導波路部材を介して出射する構成の導波路
    光源装置であって、 前記3次元光導波路部材のクラッド内に漏れた光ビーム
    の少なくとも一部を検出する第1の検出素子と、 第1の検出素子により検出される信号に基づいて光源部
    から出射される光ビームの光量を制御する制御手段とを
    備えることを特徴とする導波路光源装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の検出素子は、その光ビーム検
    出面が前記クラッドの外面の少なくとも一部に当接もし
    くは近接する位置に配されていることを特徴とする請求
    項1に記載の導波路光源装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記3次元光導波路部
    材の導波路として用いられるコアから出射された光ビー
    ムの光量が適正なときに、第1の検出素子により検出さ
    れる信号の値を第1の光量基準値として記憶している第
    1の記憶部を備え、 第1の検出素子により検出される信号の値が前記第1の
    光量基準値と同じになるように、光源部から出射される
    光ビームの光量を制御することを特徴とする請求項1も
    しくは2に記載の導波路光源装置。
  4. 【請求項4】 前記コアから出射された光ビームの少な
    くとも一部を検出する第2の検出素子を備え、 前記制御手段は、前記コアから出射された光ビームの光
    量が適正なときに、第2の検出素子により検出される信
    号の値を第2の光量基準値として記憶している第2の記
    憶部を備え、 所定のタイミングで、第2の検出素子により検出される
    光ビームの光量が第2の光量基準値になるように、光源
    部から出射される光ビームの光量を制御すると共に、第
    1の記憶部に記憶されている第1の光量基準値を、現
    在、第1の検出素子により検出されている信号の値に書
    き換えることを特徴とする請求項3に記載の導波路光源
    装置。
  5. 【請求項5】 前記光源部は、複数の発光素子を備える
    と共に、前記3次元光導波路部材は、各発光素子に対応
    して、当該各発光素子から出射される光ビームの導波路
    となる複数のコアを備え、 前記制御手段は、各発光素子について、当該第1の検出
    素子により検出される信号に基づいて当該発光素子から
    出射される光ビームの光量を個別に制御することを特徴
    とする請求項1もしくは2に記載の導波路光源装置。
  6. 【請求項6】 光源装置から出射される光ビームを走査
    手段により走査して像担持体上に潜像を形成する画像形
    成装置であって、 前記光源装置に請求項1〜5のいずれかに記載の導波路
    光源装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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