JPH10253823A - カラーフィルターおよび液晶表示装置 - Google Patents

カラーフィルターおよび液晶表示装置

Info

Publication number
JPH10253823A
JPH10253823A JP6122397A JP6122397A JPH10253823A JP H10253823 A JPH10253823 A JP H10253823A JP 6122397 A JP6122397 A JP 6122397A JP 6122397 A JP6122397 A JP 6122397A JP H10253823 A JPH10253823 A JP H10253823A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
color filter
pigment
liquid crystal
pixel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6122397A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideshi Nomura
秀史 野村
Kunihiro Hatanaka
邦宏 畠中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP6122397A priority Critical patent/JPH10253823A/ja
Publication of JPH10253823A publication Critical patent/JPH10253823A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】表面抵抗が小さく、高温下に置かれた場合に
も、画素膜やオーバーコート膜にクラックや細かいしわ
が発生しにくいカラーフィルターを提供し、液晶表示装
置の表示品位の低下を防止する。 【解決手段】R(赤色)、G(緑色)、B(青色)3色
の画素膜上に直接、またはオーバーコート膜を介して、
室温において、比抵抗が3×10-4Ω・cm以下で、か
つ、(2 2 2)面のX線回折ピークの半値幅が0.
1〜0.4°であるITO膜が形成されたことを特徴と
するカラーフィルター、および、このカラーフィルター
を用いて作製した液晶表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラットパネルデ
ィスプレイ、特に液晶表示装置に用いられる、カラーフ
ィルターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置をカラー化するために、透
明基板上にR(赤)、G(緑)、B(青)の3色の画素
を、ライン状またはモザイク状に配置したカラーフィル
ターが用いられている。たとえば、現在広く普及してい
るTN(ツイステッド・ネマティック)方式のTFT
(薄膜トランジスター)カラー液晶表示装置は、カラー
フィルターが形成された透明ガラス基板と、TFTが形
成された透明ガラス基板の間に、液晶を封入した構造と
なっている。
【0003】カラーフィルターは、ガラスなどの透明基
板上に、染料により着色された樹脂膜や、顔料が分散さ
れた樹脂膜、あるいは、無機物からなる多重干渉膜など
からなる、R、G、Bの画素膜のパターンがガラスなど
の透明基板上に形成されているものである。通常、画素
と画素の間隙には、ブラックマトリクスが設けられてい
る。また、場合により、表面を平坦化するためにオーバ
ーコート膜が画素膜上に形成されている。カラーフィル
ター上には、液晶を駆動するために透明導電膜が形成さ
れている。透明導電膜としては、一般に酸化スズ・イン
ジウム(ITO)が用いられる。
【0004】ITO膜の成膜法としては、蒸着、イオン
プレーティング、スパッタリングなど種々の方法があ
る。しかし、比較的容易に、大面積でムラ無く、低抵抗
のITO膜を形成することができることから、スパッタ
リング法が、広く用いられている。
【0005】現在、液晶表示装置の大型化にともない、
さらなるITO膜の表面抵抗の低減が求められている。
これは、大面積において、液晶を駆動しようとした場
合、カラーフィルター上のITO膜の表面抵抗が大きけ
れば、画面の周辺部と中央部とに大きな電位差が生じ、
周辺部と中央部で、表示の明るさに差が発生するためで
ある。ITO膜の表面抵抗を小さくする手段の一つとし
て、膜厚を大きくすることが挙げられるが、膜厚を大き
くするためには、スパッタリング時間を長くする必要が
あり、生産効率の面から好ましくない。また、ITOタ
ーゲットが短時間に消耗するという問題も生じる。この
ため、表面抵抗を小さくするためには、ITO膜の比抵
抗を小さくすることが望まれる。
【0006】スパッタリング法で形成されるITO膜の
比抵抗は、成膜条件によって大きく異なることが知られ
ている。たとえば、特公昭63−54788で、スパッ
タリング時に基板温度を200℃以上にすると、比抵抗
が5×10-4Ω・cmのITO膜が得られると報告され
ている。しかし、カラーフィルター上に200℃以上の
温度でスパッタリングにより、ITO膜を形成した場
合、ITO膜中に大きな圧縮応力が発生する。この圧縮
応力により、カラーフィルターの画素膜やオーバーコー
ト膜にクラックや、細かいしわが発生する場合がある。
これらのクラックや細かいしわにより、液晶表示装置の
表示品位が低下するおそれがある。
【0007】特開平4−356022には、基板温度2
00℃以下で、アルゴンと酸素の分圧を適当な値に制御
することにより、比抵抗が3×10-4Ω・cm以下で、
圧縮応力の小さいITO膜を形成する方法が記載されて
いる。この方法により、ITO膜のオーバーコート膜へ
の付着強度を高くすることが可能とされている。しか
し、この方法では、室温においては、確かに低圧縮応力
となり、画素膜やオーバーコート膜にクラックや、細か
いしわが発生する可能性は小さくなるが、ITO膜上に
配向膜を形成する工程で、カラーフィルターが高温下に
置かれた時、画素膜やオーバーコート膜に前記の問題が
生じる場合があった。これは、ITO膜の熱膨張率がガ
ラス基板の熱膨張率よりも大きいため、熱膨張率差に起
因して発生する熱応力の大きさだけ、高温では室温より
もITO膜中の圧縮応力が増大するためと考えられる。
また、圧縮応力が残留した状態で空気にさらされたまま
長く放置していた場合、吸湿によりITO膜の劣化が起
こり、昇温によりITO膜にクラックが生じ、それが引
き金となって、画素膜やオーバーコート膜にクラックが
発生すると思われる場合があった。
【0008】特開平7−318950に、樹脂ブラック
マトリクス上に画素膜の積層により形成された柱状スペ
ーサを有するカラーフィルターに関する記載がある。こ
の種のカラーフィルターは、液晶表示装置の組み立ての
際に、スペーサ粒子を散布をする必要がなく、スペーサ
粒子による画質の劣化が生じないという利点がある。し
かし、ITO膜をこの種のカラーフィルター上に形成し
た場合、画素膜の積層により形成された柱状スペーサの
周辺部に応力の集中が起こり、特に高温下に置かれた時
に、柱状スペーサの周辺の画素膜にクラックが生じやす
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の諸欠点に鑑み創案されたもので、その目的とする
ところは、表面抵抗が小さく、高温下に置かれた場合に
も、画素膜やオーバーコート膜にクラックや細かいしわ
が発生しにくいカラーフィルターを提供し、液晶表示装
置の表示品位の低下を防止することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
室温(本発明においては20〜30℃の範囲の任意の温
度を意味する)において、比抵抗が3×10-4Ω・cm
以下で、かつ、(22 2)面のX線回折ピークの半値
幅が0.1〜0.4°であるITO膜を具備することを
特徴とするカラーフィルター、および、このカラーフィ
ルターを具備する液晶表示装置によって達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】室温において、(2 2 2)面
のX線回折ピークの半値幅が0.1〜0.4°であるI
TO膜中には、適当な大きさの引張り応力が存在すると
推定される。このようなITO膜は、高温下に置かれ、
熱応力の大きさだけ圧縮応力が増大しても、残留する圧
縮応力は小さいレベルに抑制されると考えられる。この
ようなITO膜が形成されたカラーフィルターは、配向
膜を形成する工程で、高温下に置かれた場合にも、画素
膜やオーバーコート膜にクラックや細かいしわが発生し
にくい。
【0012】室温において、比抵抗が3×10-4Ω・c
m以下で、(2 2 2)面のX線回折ピークの半値幅
が0.1〜0.4°であるITO膜、すなわち、適当な
大きさの引張り応力が存在すると推定されるITO膜を
形成する手段として、たとえば次のような方法がある。
アルゴンなどの不活性ガスと酸素の分圧を適当な値に制
御し、ITO膜の結晶化温度(約150℃)以下の温度
でスパッタリングを行い、その後、ITO膜の結晶化温
度以上の温度のもとでアニールを行うというものであ
る。
【0013】ここで、酸素の分圧が低いほど、スパッタ
リング時のITO膜中への酸素イオンの打ち込み量が小
さくなり、ITO膜中に発生する圧縮応力が小さくなる
が、酸素分圧が小さすぎれば、形成されるITO膜の比
抵抗が大きくなるため、酸素分圧を適正な値に調節する
ことが必要である。また、不活性ガスの分圧も、小さす
ぎれば、スパッタリング時に異常放電現象を引き起こす
場合があり、逆に、大きすぎれば、ITO膜の成膜速度
が小さくなりすぎて、生産効率の低下をもたらす。ま
た、適切な不活性ガスと酸素の分圧の値は、スパッタリ
ングを行う時の温度によって変化する。このように、不
活性ガスと酸素の分圧の制御には注意を要する。
【0014】本発明では、好ましくは圧力0.01〜1
0Pa、より好ましくは、0.1〜1Paの不活性ガス
中に、好ましくは0.01〜10%、より好ましくは、
0.1〜5%の酸素が含有されたガス中で、好ましくは
基板温度が20〜140℃、より好ましくは40〜12
0℃、さらに好ましくは50〜100℃の条件でスパッ
タリングを行う。基板温度が低いほど、結晶化度の小さ
いアモルファス状のITO膜が形成され、圧縮応力低減
の面から好ましいが、基板温度を低くするためには、ス
パッタリング時に発生する熱による温度上昇を抑えるた
めの冷却に要するエネルギーが大きくなるという問題が
ある。
【0015】スパッタリング終了後、好ましくは220
〜320℃の温度範囲、より好ましくは240〜300
℃の温度範囲、さらに好ましくは250〜280℃の温
度範囲でアニール処理を行う。アニール温度が高いほ
ど、結晶化を終了させるのに必要な時間を短縮でき、生
産効率の面から好ましいが、アニール温度が高すぎれ
ば、画素膜やオーバーコート膜の熱劣化が引き起こされ
る。また、アニールは空気中や不活性ガス中、または真
空中などで行うことができるが、ITO膜中の酸素空孔
を消滅させ、キャリア濃度を低下させないために、でき
るだけ酸素が少ない状態でアニールを行うことが望まし
い。
【0016】適当な圧縮応力が残留するアモルファス状
のITO膜を、アニール処理することにより、結晶化に
ともなう膜の体積収縮を引き起こし、室温でITO膜中
に引張り応力を存在させることができる。スパッタリン
グ時の不活性ガス分圧、酸素分圧、基板温度、アニール
時の温度のバランスを適切に保つことにより、本発明
の、室温において、比抵抗が3×10-4Ω・cm以下
で、かつ、(2 2 2)面のX線回折ピークの半値幅
が0.1〜0.4°であるITO膜をカラーフィルター
上に形成することが可能となる。なお、室温において、
(2 2 2)面のX線回折ピークの半値幅が0.12
〜0.24°であることがより好ましい。半値幅が大き
すぎれば、室温でITO膜中に存在する引張り応力が小
さくなりすぎると考えられ、高温下に置かれた場合の圧
縮応力が依然大きく、画素膜やオーバーコート膜にクラ
ックや、細かいしわが発生するおそれがある。一方、半
値幅が小さすぎれば、引張り応力が大きくなりすぎると
推定され、室温において、ITO膜の画素膜またはオー
バーコート膜との付着強度が小さくなり、問題となる可
能性がある。
【0017】本発明でいうX線回折ピークの半値幅は、
次のようにして求めることができる。広角X線回折法に
より、ITO膜の(2 2 2)面の回折ピーク(通常
29〜32°に存在する)データを得る。ベースライン
とピークのトップの値の中間値を計算し、その中間値で
のピークの幅を、実測半値幅βm とする。測定に用いた
X線源のビームの拡がりβ0 を測定することにより、次
式より、本発明でいう半値幅βc が計算される。
【0018】 βc = (βm 2 −β0 2 1/2 (1) なお、本発明では、室温において、比抵抗が3×10-4
Ω・cm以下で、かつ、(2 2 2)面のX線回折ピ
ークの半値幅が0.1〜0.4°であるITO膜を、カ
ラーフィルター上に形成することが可能であれば、どの
ような方法でITO膜の形成を行ってもよく、上記の低
温でスパッタリングを行い、その後高温でアニールを行
う方法に限定されるものではない。
【0019】カラーフィルターが形成される基板として
は、ソーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラ
ス、石英ガラスなどの透明基板が用いられる。通常、こ
の基板上にクロムや、クロムと酸化クロムや窒化クロム
の多層膜などからなる無機系ブラックマトリクスや、黒
色顔料が分散された樹脂などからなる有機系ブラックマ
トリクスなどが形成される。無機系、有機系どちらのブ
ラックマトリクスも本発明において好適に使用される
が、製造および廃棄コストの面から、有機系の顔料分散
樹脂ブラックマトリクスを用いるのが好ましい。
【0020】本発明で用いられる画素膜としては、染色
膜、顔料分散膜、多重干渉膜、選択反射膜などが用いら
れるが、作製の容易さ、耐熱性、耐光性などの点から、
顔料分散膜が好ましい。
【0021】本発明では、顔料を分散保持する樹脂につ
いては、一般にカラーフィルターに使用される樹脂であ
れば特に限定されず、どのようなものも使用が可能であ
る。たとえば、アクリル樹脂、アルキド樹脂、メラミン
樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリアミド
イミド、ポリイミドなど種々の樹脂を用いることができ
る。パターン形成の容易さという面からは、感光性のア
クリル樹脂を用いることが好ましい。しかし、耐熱性の
面からは、ポリイミドの使用が好ましい。本発明のIT
O膜をカラーフィルター上に形成する場合、画素膜の耐
熱性が良好であれば、たとえばより高温でアニール処理
を行うことが可能となる。
【0022】ポリイミドは、通常、ポリイミド前駆体を
熱的または化学的にイミド化することにより得られる。
ポリイミド前駆体としては、ポリアミック酸およびその
エステル化物が通常用いられる。ここで言うポリアミッ
ク酸は、次の一般式(1)で表される。
【0023】
【化1】 ここでR1 は炭素数2〜22の4価の有機基、R2 炭素
数1〜22の2価の有機基、nは1以上の整数を意味す
る。ポリイミド膜の力学的特性は、分子量が大きいほど
良好である。このため、ポリイミド前駆体であるポリア
ミック酸の分子量も大きいことが望まれる。一方、ポリ
イミド前駆体膜を湿式エッチングによりパターン加工を
行う場合、ポリアミック酸の分子量が大きすぎると、現
像に要する時間が長くなりすぎるという問題がある。し
たがって、nの好ましい範囲は2〜1000、より好ま
しくは4〜400、さらに好ましくは6〜100であ
る。なお、ポリアミック酸の分子量には一般にばらつき
があるため、ここでいうnの好ましい範囲とは、この範
囲の中に全ポリアミック酸の50モル%以上、好ましく
は70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上が
入っていることを意味する。
【0024】ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無
水物とジアミンを反応させることにより得ることができ
る。
【0025】テトラカルボン酸二無水物は、一般式
(2)
【化2】 (式中のR1 は、前記の炭素数2〜22の4価の有機基
を表す。)で示される。本発明では、テトラカルボン酸
二無水物として、たとえば、脂肪族系または脂環式系の
ものを用いることができ、その具体的な例として、1,
2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無
水物、1,2,3,5−シクロペンタンテトラカルボン
酸二無水物、1,2,4,5−ビシクロヘキセンテトラ
カルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサン
テトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9
b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオ
キソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−C]フラン−
1,3−ジオンなどが挙げられる。また、芳香族系のも
のを用いると、耐熱性の良好なポリイミドに変換しうる
ポリイミド前駆体組成物を得ることができ、その具体的
な例として、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,
4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、
3,3´,4,4´−ジフェニルスルホンテトラカルボ
ン酸二無水物、4,4´−オキシジフタル酸二無水物、
3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、3,3”,4,4”−パラターフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、3,3”,4,4”−メタターフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。また、
フッ素系のものを用いると、短波長領域での透明性が良
好なポリイミドに変換しうるポリイミド前駆体組成物を
得ることができ、その具体的な例として、4,4´−
(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水
物などが挙げられる。なお、本発明は、これらに限定さ
れずにテトラカルボン酸二無水物が1種または2種以上
用いられる。
【0026】ジアミンは、一般式(3) H2 N−R2 −NH2 (3) (式中のR2 は、前記の炭素数1〜22の2価の有機基
を表す。)で示される。本発明ではジアミンとして、た
とえば、脂肪族系または脂環式系のものを用いることが
でき、その具体的な例として、エチレンジアミン、1,
3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロ
ヘキサン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジ
シクロヘキシルメタン、4,4´−ジアミノ−3,3´
−ジメチルジシクロヘキシルなどが挙げられる。また、
芳香族系のものを用いると、耐熱性の良好なポリイミド
に変換しうるポリイミド前駆体組成物を得ることがで
き、その具体的な例として、4,4´−ジアミノジフェ
ニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−
ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェ
ニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4´−ジアミノジフェニルサルファイド、m−
フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4
−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,
6−ジアミノトルエン、ベンジジン、3,3´−ジメチ
ルベンジジン、3,3´−ジメトキシベンジジン、o−
トリジン、4,4”−ジアミノターフェニル、1,5−
ジアミノナフタレン、3,3´−ジメチル−4,4´−
ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]エ−テル、ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホ
ンなどが挙げられる。また、フッ素系のものを用いる
と、短波長領域での透明性が良好なポリイミドに変換し
うるポリイミド前駆体組成物を得ることができ、その具
体的な例として、2,2−ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどが挙げ
られる。
【0027】また、一般式(4)
【化3】 (式中のR3 は炭素数1〜10の2価の有機基、R4
5 、R6 、およびR7は炭素数1〜10の1価の有機
基でこれらは同一であっても異なっていてもよく、mは
1〜10の整数を意味する。)で示されるシロキサンジ
アミンを用いると、無機基板との接着性を良好にするこ
とができる。シロキサンジアミンは、通常、全ジアミン
中の1〜20モル%量用いる。シロキサンジアミンの量
が少なすぎれば接着性向上効果が発揮されず、多すぎれ
ば耐熱性が低下する。シロキサンジアミンの具体例とし
ては、ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロ
キサンなどが挙げられる。本発明では、これらに限定さ
れずにジアミンが1種または2種以上用いることができ
る。
【0028】ポリアミック酸の合成は、極性有機溶媒中
でジアミンとテトラカルボン酸二無水物を混合して反応
させることにより行うのが一般的である。この時、ジア
ミンとテトラカルボン酸二無水物の混合比により得られ
るポリアミック酸の重合度を調節することができる。
【0029】このほか、テトラカルボン酸ジクロライド
とジアミンを極性有機溶媒中で反応させて、その後、塩
酸と溶媒を除去することによってポリアミック酸を得る
など、ポリアミック酸を得るには種々の方法がある。し
かし、本発明はその合成法によらずにポリアミック酸に
対して適用が可能である。また、上記のポリアミック酸
のエステル化物などの誘導体に対しても適用が可能であ
る。
【0030】本発明で用いることのできる顔料に特に制
限はないが、耐光性、耐熱性、耐薬品性に優れたものが
好ましい。代表的な顔料の具体的な例をカラーインデッ
クス(CI)ナンバーで示す。黄色顔料の例としてはピ
グメントイエロー20、24、83、86、93、9
4、109、110、117、125、137、13
8、139、147、148、153、154、16
6、173などが挙げられる。橙色顔料の例としてはピ
グメントオレンジ13、31、36、38、40、4
2、43、51、55、59、61、64、65などが
挙げられる。赤色顔料の例としてはピグメントレッド
9、97、122、123、144、149、166、
168、177、180、192、215、216、2
24などが挙げられる。紫色顔料の例としてはピグメン
トバイオレット19、23、29、32、33、36、
37、38などが挙げられる。青色顔料の例としてはピ
グメントブルー15(15:3、15:4、15:6な
ど)、21、22、60、64などが挙げられる。緑色
顔料の例としてはピグメントグリーン7、10、36、
47などが挙げられる。ブラックマトリクス用の黒色顔
料の例としてはピグメントブラック7などが挙げられ
る。本発明ではこれらに限定されずに種々の顔料を使用
することができる。なお、顔料は必要に応じて、ロジン
処理、酸性基処理、塩基性処理などの表面処理が施され
ているものを使用してもよい。
【0031】液晶表示装置に用いられるカラーフィルタ
ーのR(赤)、G(緑)、B(青)の3色の画素は、C
RT蛍光体の色度特性に類似させる必要があるため、上
記の顔料はバックライトと液晶表示装置の光線透過特性
に合うよう、数色組み合わせて調色されて用いられる場
合がある。たとえば、R(赤)は赤色顔料と黄色顔料ま
たは橙色顔料、G(緑)は緑色顔料と黄色顔料または橙
色顔料、B(青)は青色顔料と紫色顔料の組み合わせな
どにより調色される。また、カラーフィルターのブラッ
クマトリクスとしては、黒色顔料を単独で、または、黒
色顔料と青色顔料や紫色顔料を組み合わせるなど複数の
顔料を混合して用いることもできる。
【0032】本発明のカラーフィルターを作製する代表
的な方法のひとつとして、水または有機溶媒にマトリク
ス樹脂が溶解した溶液に顔料が分散されたカラーペース
トを用いる方法が挙げられる。カラーペーストに用いら
れる溶媒に特に制限はない。水および一般的な有機溶媒
を用いることができる。画素またはブラックマトリクス
の成分として、ポリイミドを用いる場合、カラーぺ−ス
トに用いられる溶媒は、ポリイミド前駆体を溶解する溶
媒であることが望ましい。ポリイミド前駆体を溶解する
溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N
−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、γ−ブチロラ
クトン、β−プロピルラクトンなどのラクトン類、2−
ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンなどのピロリ
ドン類などの極性有機溶媒が挙げられる。また、通常、
単独ではポリイミド前駆体を溶解しない、エタノール、
ブタノール、エチレングリコールなどのアルコール類、
メチルセロソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ
類などの有機溶媒をポリイミド前駆体を溶解する溶媒と
混合して用いることができる。
【0033】カラーペーストは、分散機を用いて樹脂溶
液中に直接顔料を分散させる方法や、分散機を用いて水
または有機溶媒中に顔料を分散して顔料分散液を作製
し、その後樹脂溶液と混合する方法などにより製造され
る。顔料の分散方法には特に限定はなく、ボールミル、
サンドグラインダー、3本ロールミル、高速度衝撃ミル
など、種々の方法がとりうる。
【0034】カラーぺーストにおいて、樹脂成分と顔料
は、通常、重量比で2:8〜9:1、好ましくは3:7
〜8:2、より好ましくは4:6〜7:3の範囲で混合
して用いられる。樹脂成分の量が少なすぎると、着色被
膜の基板との接着性が不良となり、逆に顔料の量が少な
すぎると着色度が問題となる。
【0035】カラーぺーストの塗布性および着色膜の表
面の均一性を良好にする目的で、あるいは、顔料の分散
性を良好にする目的で、カラーぺーストに界面活性剤を
添加することができる。界面活性剤の添加量は通常、顔
料の0.001〜10wt%、好ましくは0.01〜1
wt%である。添加量が少なすぎると塗布性、着色膜表
面の均一性の改良、あるいは顔料の分散性の改良の効果
がなく、多すぎると逆に塗布性が不良となったり、顔料
の凝集が起こる。界面活性剤の具体例としては、ラウリ
ル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル硫酸トリエタノールアミンなどの陰イオン界面活性
剤、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチル
アンモニウムクロライドなどの陽イオン界面活性剤、ラ
ウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリルカルボキシ
メチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインなどの
両性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ソルビタ
ンモノステアレートなどの非イオン界面活性剤などが挙
げられる。これらに限定されずに、界面活性剤が1種ま
たは2種以上用いることができる。界面活性剤の添加
は、顔料の分散工程中またはその工程の前後のどの時点
でも行うことができる。しかし、添加の時点により顔料
の分散性が変わる場合があるので、注意を要する。
【0036】カラーぺーストを基板上に塗布する方法と
しては、スピンコーター、バーコーター、ブレードコー
ター、ロールコーター、ダイコーター、スクリーン印刷
法などで基板に塗布する方法、基板をカラーペースト中
に浸漬する方法、カラーペーストを基板に噴霧する方法
や、カラーペースト中の樹脂成分が電解質である場合に
は電極上に電着する方法などの種々の方法を用いること
ができる。なお、基板上にカラーペーストを塗布する場
合、シランカップリング剤などの接着助剤で基板表面を
処理しておくと、着色膜と基板の接着力を向上させるこ
とができる。また、電着を行う場合には、基板上に電極
を形成しておかなければならない。
【0037】本発明でカラーフィルターとして用いられ
る着色膜の厚みには特に制限は無いが、通常、0.1〜
10μm、好ましくは、0.5〜3μmである。膜厚が
小さすぎれば、光の吸収が小さくなりすぎ、カラーフィ
ルターとしての光学特性が満足されない。膜厚が大きす
ぎる場合は、逆に光の吸収が大きくなりすぎるなどの問
題が生じ、カラーフィルターとしての光学特性が満足さ
れないおそれがある。次に、画素またはブラックマトリ
クスとして顔料分散膜を使用し、その樹脂成分としてポ
リイミドを、さらにその前駆体としてポリアミック酸を
使用した場合の、カラーフィルターの作製法の一例を以
下に示す。
【0038】カラーぺーストを、前記のような方法で基
板上に塗布した後、風乾、加熱乾燥、真空乾燥などによ
り、ポリイミド前駆体着色膜を形成する。加熱乾燥の場
合、オーブン、ホットプレートなどを使用し、50〜1
80℃の範囲、より好ましくは80〜120℃で30秒
〜3時間行う。温度が低すぎる場合、溶媒がなかなか蒸
発せず、逆に温度が高すぎると現像液への溶解性が低下
する。このようにして得られたポリイミド前駆体着色膜
に、通常の湿式エッチングによりパターンを形成する。
まず、ポリイミド前駆体着色膜上にポジ型フォトレジス
トを塗布し、フォトレジスト被膜を形成する。続いて該
フォトレジスト被膜上にマスクを置き、露光装置を用い
て紫外線を照射する。露光後、ポジ型フォトレジスト用
アルカリ現像液により、フォトレジスト被膜とポリイミ
ド前駆体着色膜のエッチングを同時に行う。エッチング
後、不要となったフォトレジスト被膜を剥離する。
【0039】ポリイミド前駆体着色膜は、その後、加熱
処理することによって、ポリイミド着色膜に変換され
る。加熱処理は通常、空気中、窒素雰囲気中、あるい
は、真空中などで、150〜400℃、好ましくは18
0〜350℃、より好ましくは200〜300℃の温度
のもとで、1分〜3時間、連続的、または段階的に行わ
れる。
【0040】以上の工程をR(赤)、G(緑)、B
(青)の3色のカラーぺースト、および必要に応じてブ
ラックのカラーぺーストいついて行うと、カラーフィル
ターが作製できる。さらに画素膜やブラックマトリクス
上にオーバーコート膜を形成してもよい。
【0041】このようにして作製されたカラーフィルタ
ー上に、たとえば前記のように、適切な不活性ガス分
圧、酸素分圧のもとで低温でスパッタリングを行い、そ
の後高温でアニールするなどして、室温において、比抵
抗が3×10-4Ω・cm以下で、かつ、(2 2 2)
面のX線回折ピークの半値幅が0.1〜0.4°である
ITO膜を形成すると本発明のカラーフィルターが得ら
れる。
【0042】もちろん、本発明は上記の製造法に限定さ
れず、たとえば、無機系ブラックマトリクスを用いたカ
ラーフィルターにも適用可能であるし、感光性アクリル
樹脂を用いたカラーフィルターなどにも適用することが
できる。
【0043】本発明のカラーフィルターと対向基板との
間に液晶を封入し、本発明の液晶表示装置を作製するこ
とができる。液晶の表示方式には特に制限は無く、T
N、STN、GH、FLC、PDLCなどの表示方式に
適用可能である。
【0044】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】実施例1 温度計および乾燥空気導入口と攪拌装置を付した500
0mlの4つ口フラスコに、4,4´−ジアミノジフェ
ニルエ−テル130.1g(0.65モル当量)、3,
4´−ジアミノジフェニルエーテル60.1g(0.3
モル当量)、ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチ
ルシロキサン12.4g(0.05モル当量)、γ−ブ
チロラクトン1000g、N−メチル−2−ピロリドン
を200gを投入し、乾燥窒素流入下、30℃で1時間
攪拌した後、3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物161.1g(0.5モル当
量)、ピロメリット酸二無水物87.2g(0.4モル
当量)、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物26.5g(0.09倍モル当量)、γ−
ブチロラクトン1316.7gを投入し、乾燥窒素流入
下、70℃で2時間攪拌し、その後、無水マレイン酸を
1.96g(0.02モル当量)添加し1時間攪拌し
て、ポリアミック酸溶液(ポリマー濃度16wt%)を
得た。
【0046】ポリアミック酸溶液25gと、ピグメント
ブラック7(カーボンブラック)5g、ピグメントブル
ー15(フタロシアニンブルー)1g、N−メチル−2
−ピロリドン45.3g、ブチルセロソルブ14gをガ
ラスビーズ150gとともにホモジナイザーを用い、7
000rpmで30分間分散処理後、ガラスビーズを濾
過により除去し、黒色カラーペーストを得た。
【0047】また、温度計および乾燥窒素導入口と攪拌
装置を付した5000mlの4つ口フラスコに、4,4
´−ジアミノジフェニルエ−テル140.2g(0.7
モル当量)、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン6
2.1g(0.25モル当量)、ビス−3−(アミノプ
ロピル)テトラメチルシロキサン12.4g(0.05
モル当量)、γ−ブチロラクトン1000g、N−メチ
ル−2−ピロリドンを500gを投入し、乾燥窒素流入
下、40℃で1時間攪拌した後、3,3´,4,4´−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物322.2g
(1モル当量)、γ−ブチロラクトン945.9gを投
入し、乾燥窒素流入下、60℃で3時間攪拌し、ポリア
ミック酸溶液(ポリマー濃度18wt%)を得た。
【0048】このポリアミック酸溶液を20g取り出
し、それにγ−ブチロラクトン18.6g、ブチルセロ
ソルブ6.4gを添加して、ポリマー濃度8wt%の溶
液を得た。
【0049】ピグメントレッド177(アントラキノン
レッド)4g、γ−ブチロラクトン40g、ブチルセロ
ソルブ6gをガラスビーズ100gとともにホモジナイ
ザーを用い、7000rpmで30分間分散処理後、ガ
ラスビーズを濾過により除去し、顔料濃度8wt%の顔
料分散液を得た。顔料分散液30gに、ポリマー濃度8
重量%の溶液30gを添加混合し、赤色カラーぺースト
を得た。
【0050】黒色ペーストの作製に用いたポリアミック
酸溶液(ポリマー濃度16wt%)20gに、γ−ブチ
ロラクトン7.7g、3−メチル−3−メトキシブタノ
ール4gを添加して、ポリマー濃度10wt%の溶液を
得た。
【0051】ピグメントグリーン7(フタロシアニング
リーン)3.6g、ピグメントイエロー83(ベンジジ
ンイエロー)0.4g、γ−ブチロラクトン32g、ブ
チルセロソルブ4gをガラスビーズ120gとともにホ
モジナイザーを用い、7000rpmで30分間分散処
理後、ガラスビーズを濾過により除去し、顔料濃度10
wt%の顔料分散液を得た。顔料分散液32gにポリマ
ー濃度10wt%の溶液28gを添加混合し、緑色カラ
ーぺーストを得た。
【0052】さらに、黒色および緑色カラーぺースト作
製に用いたのと同じポリアミック酸溶液(ポリマー濃度
16wt%)45gと、ピグメントブルー15(フタロ
シアニンブルー)2.8g、N−メチル−2−ピロリド
ン25.5g、ブチルセロソルブ10gをガラスビーズ
150gとともにホモジナイザーを用い、7000rp
mで30分間分散処理後、ガラスビーズを濾過により除
去し、青色カラーペーストを得た。
【0053】黒色カラーペーストを厚さ1.1mmの無
アルカリガラス基板上にスピンコートし、110℃で1
5分間オーブンを用いて空気中で加熱乾燥して、膜厚
1.6μmのポリイミド前駆体膜を得た。この膜上にポ
ジ型フォトレジストを塗布し、80℃で20分間加熱乾
燥して膜厚1.0μmのレジスト膜を得た。紫外線露光
機を用い、クロム製のフォトマスクを介して紫外線を照
射した。露光後、テトラメチルアンモニウムハイドロオ
キサイドの2.38wt%の水溶液からなる現像液に浸
漬し、フォトレジストおよびポリイミド前駆体着色膜の
現像を同時に行った。エッチング後、不要となったフォ
トレジスト層をメチルセロソルブアセテートで剥離し
た。さらにこのようにして得られたポリイミド前駆体着
色被膜を窒素雰囲気中で310℃で20分間熱処理し、
膜厚1.3μmのポリイミド黒色着色膜からなる格子状
のブラックマトリクスを得た。
【0054】次に、赤色カラーぺーストをブラックマト
リクスが形成された無アルカリガラス基板上にスピンコ
ートし、90℃で10分間、110℃で20分間オーブ
ンを用いて空気中で加熱乾燥して、膜厚1.7μmのポ
リイミド前駆体膜を得た。この膜に黒色ポリイミド前駆
体膜と同様なパターン加工処理を施し、ストライプ状の
パターンを形成した後、窒素雰囲気中で300℃で30
分間熱処理し、膜厚1.3μmのポリイミド赤色着色膜
からなる画素を形成した。なお、赤色着色膜のパターン
加工の際、ブラックマトリクスとの境界部で、赤色着色
膜はブラックマトリクス上に乗り上げるようにし、ブラ
ックマトリクスと赤色着色膜の間に空隙が生じないよう
にした。
【0055】また、緑色カラーぺーストを無アルカリガ
ラス基板上にスピンコートし、100℃で20分間オー
ブンを用いて空気中で加熱乾燥して、膜厚1.5μmの
緑色ポリイミド前駆体膜を得た。この膜を赤色ポリイミ
ド前駆体膜と同様にパターン加工し、窒素雰囲気中で2
80℃で1時間熱処理して、膜厚1.2μmのポリイミ
ド緑色着色膜からなる画素を形成した。
【0056】さらに、青色カラーペーストを無アルカリ
ガラス基板上にスピンコートし、120℃で20分間オ
ーブンを用いて空気中で加熱乾燥して、膜厚1.4μm
の青色ポリイミド前駆体膜を得た。この膜を赤色ポリイ
ミド前駆体膜と同様にパターン加工し、窒素雰囲気中で
280℃で1時間熱処理し、膜厚1.1μmのポリイミ
ド青色着色膜からなる画素を形成して、カラーフィルタ
ーを作製した。
【0057】カラーフィルターをDCマグネトロンスパ
ッタリング装置のチャンバー内にセットした。酸化スズ
濃度10%のITOターゲットを使用し、スパッタガス
としてアルゴンを、反応性ガスとして微量の酸素を用
い、スパッタリングを行った。磁場強度400G、出力
1.4kW、ガス圧0.3Pa、酸素濃度2.5%、基
板温度80℃の条件のもとでスパッタリングを行い、ス
パッタリング終了後、基板温度を250℃に上げ、15
分間アニールを行い、膜厚140nmのITO膜をカラ
ーフィルター上に形成し、本発明のカラーフィルターが
得られた。
【0058】温調室(25℃)において、表面抵抗を測
定したところ、20Ω/□であった。膜厚が140nm
であるので、比抵抗は2.8×10-4Ω・cmである。
また、広角X線回折法により、(2 2 2)面の回折
ピークの半値幅を測定したところ、実測値として、0.
25°という値が得られた。X線源のビームの拡がり
は、012°であった。式(1)を用いて計算すること
により、(2 2 2)面の回折ピークの半値幅は、
0.22°であることが確認された。
【0059】ITO膜上に配向膜形成用ポリイミド前駆
体溶液をスピンコートし、窒素雰囲気中で120℃で1
0分間、250℃で20分間熱処理を行い、配向膜を形
成した後、ラビング処理を施した。これと、ITO膜お
よび配向膜を形成しラビング処理を施した無アルカリガ
ラスを、球状スペーサを散布した後、重ね合わせ、周辺
をエポキシ樹脂で1部に開口部を設けて周辺部を封止し
た。その後、開口部より液晶を注入し、開口部を紫外線
硬化樹脂で封止した。このようにして作製した液晶セル
を偏光板で挟んで本発明の液晶表示装置を作製した。
【0060】液晶表示装置の表示特性に特に問題はなか
った。その後、装置を分解して、電子顕微鏡によりカラ
ーフィルターを観察したが、異常はみられなかった。
【0061】比較例1 実施例1と同様にして、無アルカリガラス基板上に、ブ
ラックマトリクスとR、G、Bの画素膜を形成し、カラ
ーフィルター(ITO膜未形成)を得た。
【0062】スパッタリング時の基板温度を80℃から
240℃へ、また、アニール処理を行わないという条件
変更以外は実施例1と同様にして、カラーフィルター上
に膜厚140nmのITO膜を形成した。
【0063】実施例1と同様に、表面抵抗を測定したと
ころ、19Ω/□であった。膜厚が140nmであるの
で、比抵抗は2.7×10-4Ω・cmである。また、広
角X線回折法により得られた実測値、および式(1)よ
り、(2 2 2)面の回折ピークの半値幅は0.51
°であることが確認された。
【0064】実施例1と同様にして液晶表示装置を作製
し、表示特性を調べた。画面に部分的にムラが生じてい
るのが観察された。装置を分解し、ムラが生じた部分に
相当するカラーフィルターの部位を電子顕微鏡により観
察したところ、ブラックマトリクス上に画素膜が乗り上
げている部分で、画素膜にクラックが生じていることが
判明した。
【0065】実施例2 温度計および乾燥窒素導入口と攪拌装置を付した200
0mlの4つ口フラスコ中にγ−アミノプロピルメチル
ジエトキシシラン191.4g(1モル当量)、γ−ブ
チロラクトン541.0g、水36.0g(2モル当
量)を入れ、乾燥窒素流入下、60℃で2間攪拌し、γ
−アミノプロピルメチルジエトキシシランの加水分解を
完了した。その後、ピロメリット酸二無水物76.3g
(0.35モル当量)、およびN−メチル−2−ピロリ
ドン305.4gを投入し、乾燥窒素流入下、60℃で
2時間攪拌した後、無水マレイン酸29.4g(0.3
モル当量)、3−メチル−3−メトキシブタノール11
7.7gを投入して同条件下で1時間攪拌し、硬化性化
合物の溶液を得た。
【0066】実施例1と同様にして、無アルカリガラス
基板上に、ブラックマトリクスとR、G、Bの画素膜を
形成した後、硬化性化合物の溶液をスピンコートした。
窒素雰囲気中で130℃で20分間、280℃で40分
間熱処理を行い、オーバーコート膜を形成した。
【0067】カラーフィルターをDCマグネトロンスパ
ッタリング装置のチャンバー内にセットし、実施例1と
同様に、ただし、ガス圧0.5Pa、酸素濃度1.5
%、基板温度90℃の条件のもとでスパッタリングを行
った。スパッタリング終了後、基板温度を270℃に上
げ、5分間アニールを行い、膜厚170nmのITO膜
をカラーフィルター上に形成し、本発明のカラーフィル
ターが得られた。
【0068】表面抵抗を測定したところ、15Ω/□で
あった。膜厚が170nmであるので、比抵抗は2.6
×10-4Ω・cmである。実施例1と同様にして、(2
22)面のX線回折ピークの半値幅は0.14°であ
ることが確認された。
【0069】実施例1と同様に液晶表示装置を作製し、
表示特性を調べたが、特に問題はなかった。装置を分解
し、電子顕微鏡によりカラーフィルターを観察したが、
異常はみられなっかた。
【0070】比較例2 実施例2と同様にして、オーバーコート膜が画素膜およ
びブラックマトリクス上に形成された、カラーフィルタ
ー(ITO膜未形成)を得た。実施例2と同様に、ただ
し、スパッタリング時の基板温度を230℃へ、また、
アニール処理を行わないという条件変更を行い、オーバ
ーコート膜上に膜厚170nmのITO膜を形成した。
【0071】表面抵抗を測定したところ、17Ω/□で
あった。膜厚が170nmであるので、比抵抗は2.9
×10-4Ω・cmである。また、(2 2 2)面のX
線回折ピークの半値幅は0.48°であった。
【0072】実施例1と同様にして液晶表示装置を作製
し、表示特性を調べた。画面に部分的にムラが生じてい
るのが観察された。装置を分解し、ムラが生じた部分に
相当するカラーフィルターの部位を電子顕微鏡により観
察したところ、ブラックマトリクス上に画素膜が乗り上
げている部分で、画素膜とオーバーコート膜の界面で、
オーバーコート膜にクラックが生じていることが判明し
た。
【0073】実施例3 実施例1と同様に、ただし、ブラックマトリクス、およ
び、R、G、Bの画素膜の厚みがそれぞれ2倍になるよ
うにスピンコート条件を変更し、異なるフォトマスクを
使用して、ブラックマトリクス上に、画素膜の積層によ
り高さ5.4μmの柱状のスペーサが形成された、カラ
ーフィルター(ITO膜未形成)を作製した。
【0074】このカラーフィルターの上に、実施例1と
同様に、ただし、ガス圧0.4Pa、酸素濃度1.0
%、基板温度100℃の条件のもとでスパッタリングを
行った。スパッタリング終了後、基板温度を280℃に
上げ、5分間アニールを行い、膜厚120nmのITO
膜を形成した。ITO膜の比抵抗は2.6×10-4Ω・
cmであった。また、(2 2 2)面のX線回折ピー
クの半値幅は0.19°であった。
【0075】実施例1と同様に、ただし、球状スペーサ
の散布は行わずに、液晶表示装置を作製した。表示特性
を調べたが、特に問題はなかった。装置を分解し、電子
顕微鏡によりカラーフィルターを観察したが、異常はみ
られなっかた。
【0076】比較例3 実施例3と同様に、カラーフィルター(ITO膜未形
成)を作製した。実施例3と同様に、ただし、スパッタ
リング時の基板温度を220℃とし、アニールを行わず
に、膜厚120nmのITO膜をカラーフィルター上に
形成した。ITO膜の比抵抗は2.8×10-4Ω・cm
であった。また、(2 2 2)面のX線回折ピークの
半値幅は0.44°であった。
【0077】実施例3と同様にして液晶表示装置を作製
し、表示特性を調べた。画面に部分的にムラが生じてい
るのが観察された。装置を分解し、ムラが生じた部分に
相当するカラーフィルターの部位を電子顕微鏡により観
察したところ、柱状スペーサの周辺部で、画素膜にクラ
ックが生じていた。
【0078】
【発明の効果】本発明のカラーフィルターは、上述のご
とく構成したので、配向膜の形成工程で、高温下に置か
れても、画素膜やオーバーコート膜にクラックや細かい
しわが発生しにくい。このカラーフィルターを用いて作
製した液晶表示装置は、画素膜やオーバーコート膜のク
ラックに起因する表示品位の低下が起こる可能性が小さ
い。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】室温において、比抵抗が3×10-4Ωcm
    以下で、かつ、(2 22)面のX線回折ピークの半値
    幅が0.1〜0.4°であるITO膜を具備することを
    特徴とするカラーフィルター。
  2. 【請求項2】ITO膜がスパッタリングにより形成され
    たことを特徴とする請求項1記載のカラーフィルター。
  3. 【請求項3】ITO膜が20〜140℃の基板温度でス
    パッタリングにより形成され、その後220〜320℃
    の温度範囲でアニール処理されたことを特徴とする請求
    項1〜2記載のカラーフィルター。
  4. 【請求項4】カラーフィルターの画素膜が、顔料分散樹
    脂であることを特徴とする請求項1〜3記載のカラーフ
    ィルター。
  5. 【請求項5】カラーフィルターの画素膜が、顔料が分散
    されたポリイミドからなることを特徴とする請求項1〜
    4記載のカラーフィルター。
  6. 【請求項6】樹脂ブラックマトリクスを具備する請求項
    1〜5記載のカラーフィルター。
  7. 【請求項7】画素膜の積層により形成された柱状スペー
    サを具備する請求項1〜6記載のカラーフィルター。
  8. 【請求項8】請求項1〜7記載のカラーフィルターを具
    備する液晶表示装置。
JP6122397A 1997-03-14 1997-03-14 カラーフィルターおよび液晶表示装置 Pending JPH10253823A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6122397A JPH10253823A (ja) 1997-03-14 1997-03-14 カラーフィルターおよび液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6122397A JPH10253823A (ja) 1997-03-14 1997-03-14 カラーフィルターおよび液晶表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10253823A true JPH10253823A (ja) 1998-09-25

Family

ID=13165004

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6122397A Pending JPH10253823A (ja) 1997-03-14 1997-03-14 カラーフィルターおよび液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10253823A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004341557A (ja) * 2004-08-23 2004-12-02 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置の作製方法
JP2006216344A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Dainippon Printing Co Ltd フレキシブル透明電極基板および有機elディスプレイデバイス
JP2018120922A (ja) * 2017-01-24 2018-08-02 株式会社東芝 光電変換素子およびその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004341557A (ja) * 2004-08-23 2004-12-02 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置の作製方法
JP2006216344A (ja) * 2005-02-03 2006-08-17 Dainippon Printing Co Ltd フレキシブル透明電極基板および有機elディスプレイデバイス
JP2018120922A (ja) * 2017-01-24 2018-08-02 株式会社東芝 光電変換素子およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2861391B2 (ja) 「液晶表示素子用樹脂ブラックマトリックス」
JP4482969B2 (ja) 液晶表示装置用カラーフィルターおよび液晶表示装置
WO2000012591A1 (fr) Feuille mince de polymere colore, filtre colore et affichage a cristaux liquides
JP3418921B2 (ja) カラーフィルター用着色組成物、およびそれを使用したカラーフィルター、液晶表示装置
JP4449306B2 (ja) カラーフィルター用着色組成物、およびそれを使用したカラーフィルター、液晶表示装置
JP2003227921A5 (ja)
JPH10253823A (ja) カラーフィルターおよび液晶表示装置
JP3219052B2 (ja) カラーフィルター用カラーペーストおよびその製造方法並びにカラーフィルター
JP2000086906A (ja) 熱硬化性樹脂溶液組成物、カラーフィルターおよび液晶表示装置
JPH1164619A (ja) カラーフィルター用カラーペーストおよびその製造方法並びにカラーフィルター
JP3965716B2 (ja) カラーフィルター基板および液晶表示装置
JP2001042117A (ja) カラーフィルター用緑色着色組成物、およびそれを使用したカラーフィルター、液晶表示装置
JPH09184912A (ja) 樹脂ブラック・マトリクスおよび樹脂ブラック・マトリクス用ペースト
JPH10253822A (ja) カラーフィルターおよび液晶表示装置
JPH1123836A (ja) ブラックマトリクス、カラーフィルターおよび液晶表示装置
JP2000275423A (ja) カラーフィルターおよび液晶表示装置
JPH11242108A (ja) カラーフィルターの製造方法、カラーフィルター、および液晶表示装置
JP3521663B2 (ja) カラーペースト、カラーフィルター、および液晶表示装置
JP2003003073A (ja) カラーフィルター用緑着色組成物、およびそれを使用したカラーフィルター
JPH08152617A (ja) カラーフィルター
JP3555322B2 (ja) 顔料分散樹脂溶液組成物、その製造方法およびカラーフィルター
JPH11241041A (ja) 印刷用樹脂組成物、印刷樹脂膜、印刷樹脂膜の製造法、液晶配向膜、液晶挟持基板及び液晶表示装置
JP2003287617A (ja) カラーフィルター用熱硬化性樹脂溶液組成物、カラーフィルター、および液晶表示装置
JP3255126B2 (ja) カラーフィルター、および、液晶表示装置
JP2000186225A (ja) カラーフィルター用顔料の製造方法およびこれを用いたカラーフィルター