JPH08152617A - カラーフィルター - Google Patents

カラーフィルター

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JPH08152617A
JPH08152617A JP29457594A JP29457594A JPH08152617A JP H08152617 A JPH08152617 A JP H08152617A JP 29457594 A JP29457594 A JP 29457594A JP 29457594 A JP29457594 A JP 29457594A JP H08152617 A JPH08152617 A JP H08152617A
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JP
Japan
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polyamic acid
thin film
pigment
electrodeposition
film layer
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JP29457594A
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English (en)
Inventor
Hideshi Nomura
秀史 野村
Kuniko Kimura
邦子 木村
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】基板上の導電性透明薄膜層上に電着塗装法によ
り形成された、顔料とポリイミドを主成分とする着色層
を有するカラーフィルターである。 【効果】本発明のカラーフィルターは、着色層が顔料と
ポリイミドから構成されているために、耐熱性が優れ
る。また、微細なパターンを形成することができ、通常
の顔料分散法に比べて、少ない工程数で製造することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として電子工業用に
用いられるカラーフィルター、電着液、およびカラーフ
ィルターの製造方法に関する。さらに詳しくは、主とし
て液晶表示素子や撮像素子に用いられるカラーフィルタ
ー等に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子や撮像素子に用いられるカ
ラーフィルターの一般的な製造方法として、染色法、印
刷法、顔料分散法など種々の方法がある。染色法は、色
調が豊富で光の散乱の少ない高品質のカラーフィルター
が得られるが、耐熱性、耐光性、耐薬品性が劣り、ま
た、染色のさいに既に着色された部分が二度染めされな
いように防染対策を施す必要があるなどの点から、工程
が煩雑になるという問題がある。印刷法は、工程が簡便
で低コストでの製造が可能であるが、色パターンの微細
化が困難で、高品質のカラーフィルターを製造すること
が難しいという問題がある。顔料分散法は、微細な色パ
ターンを形成することができ、耐熱性、耐光性、耐薬品
性に優れるカラーフィルターが得られるが、色替えの度
にフォトリソグラフィー工程が必要となり、工程が煩雑
になるという問題がある。
【0003】こうした中で、特公平4−64875号公
報において、微細な色パターンを得ることができ、比較
的工程数の少ない、電着塗装によるカラーフィルターの
製造方法が提案されている。この方法では、基板上に任
意のパターンの導電性透明薄膜層を形成し、電着性高分
子と顔料を混合した電着液に該基板を浸漬して、導電性
透明薄膜層に電圧を印加し、該導電性透明薄膜層上に、
上記電着性高分子と顔料とからなる着色層を形成する。
電着性高分子としては、カルボキシル基などのアニオン
をアルカリで中和したアニオン系電着性高分子と、アミ
ノ基などのカチオンを酸で中和したカチオン系電着性高
分子がある。しかし、カチオン系電着性高分子を用いた
場合、導電性透明薄膜層がたとえば酸化錫−インジウム
(ITO)のような酸化物であると、電圧印加時に還元
反応が起こり、導電性薄膜層の透明度が低下する。この
ような理由で、通常、カラーフィルターの形成にはアニ
オン系電着性高分子が用いられる。
【0004】従来、カラーフィルターの製造に用いられ
てきたアニオン系電着性高分子としては、カルボキシル
基を有するアクリル樹脂、もしくはカルボキシル基を有
するポリエステル樹脂が用いられ、これらにたとえばメ
ラミン樹脂を添加して加熱硬化し、複数回の異なる色の
電着塗装が行える耐アルカリ性を付与してきた。
【0005】しかし、これらの樹脂の耐熱温度は通常2
50℃程度までであり、顔料に比べて耐熱性が劣る。カ
ラーフィルター上にたとえば液晶駆動用の透明電極を形
成する場合、250℃を越える温度で電極形成を行うこ
とができれば、電極の低抵抗化が容易となり、液晶表示
装置をより高性能とすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の欠点に鑑み創案されたもので、その目的とすると
ころは、耐熱性に優れ、微細なパターンが得られ、か
つ、比較的少ない工程数で形成することができるカラー
フィルターを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
以下の構成によって達成される。
【0008】(1)基板上に形成された導電性透明薄膜
層と、該導電性透明薄膜層上に形成された、顔料とポリ
イミドを必須成分とする電着塗膜からなる着色層を有す
ることを特徴とするカラーフィルター。
【0009】(2)(a)顔料、(b)ポリアミック
酸、(c)アンモニアおよび/または有機アミン、およ
び(d)極性溶媒を必須成分とすることを特徴とする電
着液。
【0010】(3)前記(2)記載の電着液に、導電性
透明薄膜層が形成された基板を浸漬して、該導電性透明
薄膜層に電圧を印加することにより、該導電性透明薄膜
層上に、ポリアミック酸と顔料を必須成分とする着色層
を形成し、その後ポリアミック酸のイミド化を行うこと
を特徴とするカラーフィルターの製造方法。
【0011】(4)(e)顔料、(f)ポリアミック酸
以外のアニオン系電着性高分子、(g)アンモニアおよ
び/または有機アミン、および(h)極性溶媒を必須成
分とする電着液に、導電性透明薄膜層が形成された基板
を浸漬して、該導電性透明薄膜層に電圧を印加すること
により、該導電性透明薄膜層上に着色層を形成し、その
後、該着色層を形成した基板を、(i)ポリアミック
酸、(j)アンモニアおよび/または有機アミン、およ
び(k)極性溶媒を必須成分とする電着液に浸漬して、
該導電性透明薄膜層に電圧を印加することにより、該導
電性透明薄膜層上に、ポリアミック酸と顔料を必須成分
とする着色層を形成し、その後ポリアミック酸のイミド
化を行うことを特徴とするカラーフィルターの製造方
法。
【0012】(5)(f)ポリアミック酸以外のアニオ
ン系電着性高分子が、(e)顔料の50重量%以下であ
ることを特徴とする前記(4)記載のカラーフィルター
の製造方法。
【0013】(6)少なくとも一対の電極基板の間に液
晶を封入してなる液晶表示装置であって、少なくとも一
方の電極基板が請求項1記載のカラーフィルターを有す
ることを特徴とする液晶表示装置。
【0014】ポリイミドは通常300℃の高温に耐える
ことができる。また、ポリイミド前駆体であるポリアミ
ック酸は、メラミン樹脂などの硬化剤を添加することな
しに、加熱するだけでポリイミドに硬化転換することが
でき、このようにして得られたポリイミドは、複数回の
異なる色の電着塗装が行える耐アルカリ性をもつ。
【0015】ポリアミック酸は、次の一般式(1)で表
される。
【0016】
【化1】 ここでR1 は炭素数2〜22の4価の有機基、R2 は炭
素数1〜22の2価の有機基、nは1以上の整数を意味
する。ポリイミド膜の力学的特性は、分子量が大きいほ
ど良好である。このため、ポリイミド前駆体であるポリ
アミック酸の分子量も大きいことが望まれる。しかし、
ポリアミック酸の分子量も大きすぎると、ポリアミック
酸の溶液粘度が大きくなりすぎ、合成が困難となる。し
たがって、nの好ましい範囲は2〜1000、より好ま
しくは3〜500、さらに好ましくは5〜100であ
る。なお、ポリアミック酸の分子量には一般にばらつき
があるため、ここでいうnの好ましい範囲とは、この範
囲の中に全ポリアミック酸の50モル%以上、好ましく
は70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上が
入っていることを意味する。
【0017】ポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無
水物とジアミンを反応させることにより得ることができ
る。
【0018】テトラカルボン酸二無水物は、一般式
(2)
【化2】 (式中のR1 は、前記の炭素数2〜22の4価の有機基
を表す。)で示される。本発明では、テトラカルボン酸
二無水物として、たとえば、脂肪族系または脂環式系の
ものを用いることができ、その具体的な例として、1,
2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無
水物、1,2,3,5−シクロペンタンテトラカルボン
酸二無水物、1,2,4,5−ビシクロヘキセンテトラ
カルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサン
テトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9
b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオ
キソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−C]フラン−
1,3−ジオンなどが挙げられる。また、芳香族系のも
のを用いると、耐熱性の非常に良好なポリイミドに変換
しうるポリイミド前駆体組成物を得ることができ、その
具体的な例として、3,3´,4,4´−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水
物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無
水物、3,3´,4,4´−ジフェニルスルホンテトラ
カルボン酸二無水物、4,4´−オキシジフタル酸無水
物、3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、3,3”,4,4”−パラターフェニルテ
トラカルボン酸二無水物、3,3”,4,4”−メタタ
ーフェニルテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。ま
た、フッ素系のものを用いると、短波長領域での透明性
が良好なポリイミドに変換しうるポリイミド前駆体組成
物を得ることができ、その具体的な例として、4,4´
−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水
物などが挙げられる。なお、本発明は、これらに限定さ
れずにテトラカルボン酸二無水物が1種または2種以上
用いられる。
【0019】ジアミンは、一般式(3) H2 N−R2 −NH2 (3) (式中のR2 は、前記の炭素数1〜22の2価の有機基
を表す。)で示される。本発明ではジアミンとして、た
とえば、脂肪族系または脂環式系のものを用いることが
でき、その具体的な例として、エチレンジアミン、1,
3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロ
ヘキサン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジ
シクロヘキシルメタン、4,4´−ジアミノ−3,3´
−ジメチルジシクロヘキシルなどが挙げられる。また、
芳香族系のものを用いると、耐熱性の非常に良好なポリ
イミドに変換しうるポリイミド前駆体組成物を得ること
ができ、その具体的な例として、4,4´−ジアミノジ
フェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエー
テル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´
−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフ
ェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4´−ジアミノジフェニルサルファイド、m−
フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4
−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,
6−ジアミノトルエン、ベンジジン、3,3´−ジメチ
ルベンジジン、3,3´−ジメトキシベンジジン、o−
トリジン、4,4”−ジアミノターフェニル、1,5−
ジアミノナフタレン、3,3´−ジメチル−4,4´−
ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ビス(4−アミ
ノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]エ−テル、ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホ
ンなどが挙げられる。また、フッ素系のものを用いる
と、短波長領域での透明性が良好なポリイミドに変換し
うるポリイミド前駆体組成物を得ることができ、その具
体的な例として、2,2−ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどが挙げ
られる。
【0020】また、一般式(4)
【化3】 (式中のR3 は炭素数1〜10の2価の有機基、R4
5 、R6 、およびR7は炭素数1〜10の1価の有機
基でこれらは同一であっても異なっていてもよく、mは
1〜10の整数を意味する。)で示されるシロキサンジ
アミンを用いると、無機基板との接着性を良好にするこ
とができる。シロキサンジアミンは、通常、全ジアミン
中の1〜20モル%量用いる。シロキサンジアミンの量
が少なすぎれば接着性向上効果が発揮されず、多すぎれ
ば耐熱性が低下する。シロキサンジアミンの具体例とし
ては、ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロ
キサンなどが挙げられる。本発明は、これらに限定され
ずにジアミンが1種または2種以上用いられる。
【0021】ポリアミック酸の合成は、極性有機溶媒中
でジアミンとテトラカルボン酸二無水物を混合して反応
させることにより行うのが一般的である。この時、ジア
ミンとテトラカルボン酸二無水物の混合比により得られ
るポリアミック酸の重合度を調節することができる。こ
うして得られたポリアミック酸溶液から電着液を作成す
ることができる。また、電着液に含まれる極性溶媒にポ
リアミック酸の合成に用いた極性有機溶媒を使用したく
ない場合には、ポリアミック酸溶液から再沈殿、真空乾
燥などの手法を用い、溶媒を除去することによって、ポ
リアミック酸を得て、これを適宜使用すればよい。
【0022】ポリアミック酸の合成時に用いられる極性
有機溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、γ−ブ
チロラクトンなどのラクトン類、N−メチル−2−ピロ
リドンなどのピロリドン類、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノンなどのイミダゾリジノン類などの、ポリ
アミック酸を溶解しうる極性有機溶媒が挙げられるが、
これらに限定されずに、ポリアミック酸を溶解しうる極
性有機溶媒を1種または2種以上用いることができる。
【0023】ポリアミック酸の合成には、テトラカルボ
ン酸ジクロライドとジアミンを極性有機溶媒中で反応さ
せて、その後、塩酸と溶媒を除去することによってポリ
アミック酸を得るなど、前記のほかに種々の方法があ
る。しかし、本発明はその合成法によらずにポリアミッ
ク酸に対して適用が可能である。
【0024】ポリアミック酸を電着するには、ポリアミ
ック酸のカルボキシル基と塩結合を形成することのでき
る支持電解質が必要である。支持電解質としては、金属
アルカリを使用することもできるが、これらが電着後の
着色層に残留した場合、除去が困難であり、たとえば液
晶表示装置にカラーフィルターを用いた場合、装置の電
気的特性に悪影響を及ぼすおそれがあるため、金属アル
カリの使用は好ましくない。本発明で好ましく使用でき
るのは、アンモニア、および/または、アンモニアの水
素原子を有機基で置換した有機アミンである。有機アミ
ンの具体例として、メチルアミン、エチルアミン、n−
プロピルアミン、2−エタノールアミン、2−アミノ−
2−メチル−1−プロパノールなどの第1級アミン、ジ
メチルアミン、2−(メチルアミノ)エタノール、2−
(エチルアミノ)エタノールなどの第2級アミン、2−
ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノ
ール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノールなどの第
3級アミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイ
ド、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイドなどの第
4級アミンなどが挙げられる。本発明ではこれらに限定
されずに、アンモニアまたは有機アミンが1種または2
種以上用いられる。
【0025】ポリアミック酸の電着を行うには、通常、
ポリアミック酸に対しアンモニアおよび/または有機ア
ミンをポリアミック酸のカルボキシル基の0.1倍モル
当量以上、好ましくは0.5倍モル当量以上、より好ま
しくは0.8倍モル当量以上、さらに好ましくは1倍モ
ル当量以上を電着液に含有させる。
【0026】本発明で用いられる顔料に特に制限はない
が、耐光性、耐熱性、耐薬品性に優れたものが好まし
い。代表的な顔料の具体的な例をカラーインデックス
(CI)ナンバーで示す。黄色顔料の例としてはピグメ
ントイエロー20、24、83、86、93、94、1
09、110、117、125、137、138、13
9、147、148、153、154、166、173
などが挙げられる。橙色顔料の例としてはピグメントオ
レンジ13、31、36、38、40、42、43、5
1、55、59、61、64、65などが挙げられる。
赤色顔料の例としてはピグメントレッド9、97、12
2、123、144、149、166、168、17
7、180、192、215、216、224などが挙
げられる。紫色顔料の例としてはピグメントバイオレッ
ト19、23、29、32、33、36、37、38な
どが挙げられる。青色顔料の例としてはピグメントブル
ー15(15:3、15:4、15:6など)、21、
22、60、64などが挙げられる。緑色顔料の例とし
てはピグメントグリーン7、10、36、47などが挙
げられる。黒色顔料の例としてはピグメントブラック7
などが挙げられる。本発明ではこれらに限定されずに種
々の顔料を使用することができる。なお、顔料は必要に
応じて、ロジン処理、酸性基処理、塩基性処理などの表
面処理が施されているものを使用してもよい。
【0027】液晶表示素子に用いられるカラーフィルタ
ーのR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3
色の画素は、CRT蛍光体の色度特性に類似させる必要
があるため、上記の顔料はバックライトと液晶表示素子
の光線透過特性に合うよう、数色組み合わせて調色され
て用いられる。たとえば、R(レッド)は赤色顔料と黄
色顔料または橙色顔料、G(グリーン)は緑色顔料と黄
色顔料または橙色顔料、B(ブルー)は青色顔料と紫色
顔料の組み合わせなどにより調色される。また、カラー
フィルターのブラックマトリクスとして、黒色顔料、ま
たは、場合によりこれに他色の顔料を混合したものを用
いることもできる。
【0028】本発明のカラーフィルターで、着色層にお
ける顔料とポリイミドの構成比は、通常、重量比で1:
9〜8:2、好ましくは2:8〜7:3、より好ましく
は3:7〜6:4の範囲である。顔料の量が少なすぎる
と着色度が問題となる。逆にポリイミドの量が少なすぎ
ると、着色層と導電性透明薄膜層が形成された基板との
接着性が不良となる。また、着色層の厚みは通常、0.
2〜10μm、好ましくは0.5〜5μm、より好まし
くは、0.8〜3μmである。着色層が薄すぎると着色
度が問題となり、厚すぎると光の透過率が小さくなりす
ぎる。
【0029】本発明で用いられる基板としては通常、ソ
ーダガラス、無アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、石
英ガラスなどの透明基板や、シリコン、ガリウム−ひ素
などの半導体基板などが挙げられるが、特にこれらに限
定されない。また、これらの基板上に形成される導電性
透明薄膜層の具体的な例としては、酸化錫−インジウム
(ITO)、酸化インジウム、酸化錫、酸化アンチモン
などの薄膜が挙げられるが、本発明はこれらに限定され
ずに種々の導電性透明薄膜を使用することができる。な
お、電着を行う前に、シランカップリング剤、アルミニ
ウムキレート剤、チタニウムキレート剤などの接着助剤
で導電性透明薄膜層表面を処理しておくと、着色層と導
電性透明薄膜層の接着力を向上させることができる。
【0030】電着を行う際に用いられる極性溶媒の例と
しては、水および前記のポリアミック酸の合成時に使用
しうる極性有機溶媒が挙げられる。また、エタノール、
ブタノールなどのアルコール類、エチレングリコール、
プロピレングリコールなどのグリコール類、メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブなどのセロソルブ類などの極
性溶媒を使用することもできる。これらに限定されず
に、極性溶媒を単独で、または複数を混合して使用する
ことができる。
【0031】また、トルエンやキシレンなどの芳香族炭
化水素類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテルなど
のエーテル類などの非極性溶媒を、電着液に添加しても
よい。ただしこの場合、非極性溶媒の添加量は、電着液
に溶解しうる量に限られ、通常、電着液中の極性溶媒の
50重量%以下、好ましくは20重量%以下、さらに好
ましくは10重量%以下である。
【0032】本発明のカラーフィルターを製造する方法
のひとつは、顔料、ポリアミック酸、アンモニアおよび
/または有機アミン、および極性溶媒を必須成分とする
電着液に、導電性透明薄膜層が形成された基板を浸漬
し、導電性透明薄膜層に対向する電極を設け、着色被膜
を形成する導電性透明薄膜層と対向電極に電圧を印加す
る方法である。この場合、電着液槽自体を対向電極とし
て用いることもできる。導電性透明薄膜層を陽極とする
と、電着液中のカルボキシルアニオンが電気泳動し、導
電性透明薄膜層表面にポリアミック酸が被着する。この
とき、顔料がその表面に吸着していたポリアミック酸と
ともに電気泳動し、電着塗膜中に取り込まれる。このよ
うにして得られた電着塗膜(着色層)中のポリアミック
酸を、加熱処理、あるいは化学処理によりイミド化する
と、本発明のカラーフィルターが得られる。熱イミド化
は、通常200〜400℃、好ましくは250〜350
℃で行われる。また、化学イミド化は、たとえば無水酢
酸とピリジンの極性溶媒溶液に浸漬することにより行う
ことができる。
【0033】この製造方法で用いられる電着液の製造に
は、あらかじめ極性溶媒に顔料を分散した分散液とポリ
アミック酸アミン塩(またはアンモニウム塩)溶液とを
混合する方法、ポリアミック酸アミン塩(またはアンモ
ニウム塩)溶液中で顔料を分散する方法、アンモニアま
たは有機アミンを含む極性溶媒に顔料を分散した分散液
にポリアミック酸溶液を混合する方法、ポリアミック酸
溶液中で顔料を分散し、それにアンモニアまたは有機ア
ミンを添加するなどの方法がある。どの方法でも、顔料
を極性溶媒、ポリアミック酸アミン塩溶液などの液中に
分散させるが、分散方法には特に限定はなく、ボールミ
ル、サンドグラインダー、3本ロールミル、高速度衝撃
ミルなど、種々の方法がとりうる。
【0034】電着を行う時に、電極間に印加する電圧
は、通常0.1〜200V、好ましくは0.5〜100
V、より好ましくは、1〜50Vである。電圧が低すぎ
ると電着着色膜が導電性透明薄膜層に形成されない。逆
に電圧が高すぎると、電着液に水が含まれる場合、水の
電気分解により激しく泡が発生し、電着着色膜にピンホ
ール欠陥が生じる。また、電圧の印加は、通常、1秒〜
60分間、好ましくは5秒〜10分間行う。電着印加時
間が短すぎると、導電性透明薄膜層に電着膜が形成され
ない。一方、電圧印加時間が長すぎると、カラーフィル
ターの製造コストの上昇につながり好ましくない。電圧
の大きさと印加時間により、電着着色膜の厚みを制御す
ることができる。
【0035】なお、顔料の種類により、その表面にポリ
アミック酸が吸着しにくい場合がある。この場合には、
ポリアミック酸以外のアニオン系電着性高分子を、電着
液に添加して顔料の表面に吸着させ、顔料を電気泳動し
やすくしてもよい。ただし、このとき、ポリアミック酸
以外のアニオン系電着性高分子の添加量は、通常、顔料
の50重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好
ましくは10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以
下である。ポリアミック酸以外のアニオン系電着性高分
子の添加量が大きすぎると、得られるカラーフィルター
の耐熱性が低下する。
【0036】また、得られる電着着色膜中の、顔料とポ
リアミック酸の構成比を所望の値にするには、顔料とポ
リアミック酸の電着速度を調整する必要がある。この調
整は、極性溶媒の組成、電着液の温度、顔料とポリアミ
ック酸の量比、ポリアミック酸以外のアニオン系電着性
高分子を用いる場合には、それと顔料およびポリアミッ
ク酸との量比などを制御することにより可能である。
【0037】本発明のカラーフィルターを製造する他の
方法として、顔料、ポリアミック酸以外のアニオン系電
着性高分子、アンモニアおよび/または有機アミン、お
よび極性溶媒を必須成分とする電着液に、導電性透明薄
膜層が形成された基板を浸漬して、該導電性透明薄膜層
に電圧を印加し、該導電性透明薄膜層上に着色層を形成
し、その後、この該着色層を形成した基板を、ポリアミ
ック酸、アンモニアおよび/または有機アミン、および
極性溶媒を必須成分とする電着液に浸漬して、該導電性
透明薄膜層に電圧を印加し、該導電性透明薄膜層上に、
ポリアミック酸と顔料を必須成分とする着色層を形成
し、その後ポリアミック酸のイミド化を行う方法もあ
る。この場合、ポリアミック酸以外のアニオン系電着性
高分子の量は、前記の場合と同様に通常、顔料の50重
量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは
10重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下であ
る。このようなアニオン系電着性高分子とは、カルボキ
シル基やスルホン酸基などの酸性基を有する、ポリアミ
ック酸以外の高分子をいい、具体例としては、アクリル
酸またはメタクリル酸とそのエステルとの共重合樹脂、
カルボキシル基を導入したポリエステル樹脂、ポリブタ
ジエン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂とマレイン酸
の付加物、スルホン酸基を導入したポリスチレン樹脂な
どがあげられるがこれらに限定されない。
【0038】本発明のカラーフィルターの製造に使用さ
れる電着液には、顔料の分散性の向上、着色被膜の表面
状態の改質などの目的で、界面活性剤を添加することが
できる。界面活性剤の添加量は通常、顔料の0.001
〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%である。
添加量が少なすぎると、顔料の分散性や着色被膜の表面
状態の改良の効果がなく、多すぎると逆に、顔料の凝集
を引き起こしたり、表面が荒れるなどの問題が生じ、ま
た、得られるカラーフィルターの耐熱性を低下させる。
界面活性剤の具体例としては、ラウリル硫酸アンモニウ
ム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタ
ノールアミンなどの陰イオン界面活性剤、ステアリルア
ミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロ
ライドなどの陽イオン界面活性剤、ラウリルジメチルア
ミンオキサイド、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシ
エチルイミダゾリウムベタインなどの両性界面活性剤、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチ
レンステアリルエーテル、ソルビタンモノステアレート
などの非イオン界面活性剤などが挙げられる。本発明で
は、これらに限定されずに、界面活性剤が1種または2
種以上用いることができる。界面活性剤の添加は、顔料
の分散工程中またはその工程の前後のどの時点でも行う
ことができる。しかし、添加の時点により顔料の分散性
が変わる場合があるので、注意を要する。
【0039】本発明のカラーフィルターのパターンは、
あらかじめ基板上の導電性透明薄膜層をパターン化して
おき、その上に着色膜を電着することによって形成する
ことができる。また、導電性透明薄膜層上に感光性被膜
を形成し、この膜をフォトリソグラフィー法により所定
のパターンに剥離し、露出した導電性透明薄膜層上に着
色膜を電着することによって形成することもできる。
【0040】このようにして形成されたカラーフィルタ
ーを用いて液晶表示装置を製造するには、例えば以下の
方法によることができる。まずカラーフィルター上に透
明導電膜を形成し、次いで配向膜を形成した後、ラビン
グ処理を行なう。同様に配向膜を形成しラビング処理を
行なった対向電極と組み合わせる。次いで電極間に液晶
を注入して液晶セルの組み立てを行なうことにより、上
記カラーフィルターを液晶セル内部に有するカラー液晶
表示装置が得られる
【0041】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】実施例1 温度計および乾燥窒素導入口と攪拌装置を付した500
0mlの4つ口フラスコに、4,4´−ジアミノジフェ
ニルエ−テル190.2g(0.95モル当量)、ビス
−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサン1
2.4g(0.05モル当量)、およびN−メチル−2
−ピロリドン1000gを投入し、乾燥窒素流入下、4
0℃で1時間攪拌したのち、3,3´,4,4´−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物161.1g
(0.5モル当量)、3,3´,4,4´−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物141.2g(0.48モル
当量)、N−メチル−2−ピロリドン1035.2gを
投入し、乾燥窒素流入下、60℃で3時間攪拌し、その
後、無水マレイン酸3.9g(0.04モル当量)を投
入して同条件下で1時間攪拌し、濃度20重量%のポリ
アミック酸溶液を得た。
【0043】このポリアミック酸溶液100gに2−メ
チルアミノエタノール5.9g(ポリアミック酸のカル
ボキシル基の1倍モル当量)、N−メチル−2−ピロリ
ドン294.1gを混合してポリアミック酸アミン塩溶
液(ポリアミック酸濃度5重量%)を得た。
【0044】ピグメントグリーン7(フタロシアニング
リーン)7.2g、ピグメントイエロー83(ベンジジ
ンイエロー)0.8g、N−メチル−2−ピロリドン7
2gをガラスビーズ200gとともにホモジナイザーを
用い、7000rpmで30分間分散処理後、ガラスビ
ーズを濾過により除去した。このようにして得た顔料分
散液100gにN−メチル−2−ピロリドン100gを
混合して顔料濃度5重量%の顔料分散液を得た。
【0045】この顔料分散液150gを攪拌しながら、
ポリアミック酸アミン塩溶液250gを添加、混合し、
電着液を作成した。
【0046】ITO膜が形成された無アルカリガラスと
白金電極を電着液に浸漬した。ITO膜を陽極として8
Vの電圧を3分間印加した。基板を引き上げたのちに、
N−メチル−2−ピロリドンと水の混合液(重量比3:
7)で洗浄して電圧の印加されていない部分に付着した
電着液を除去した。その後、90℃で10分間、290
℃で40分間加熱処理して膜厚1.6μmの緑色着色膜
を得た。
【0047】着色膜の色度を顕微分光光度計で測定し
た。そして、280℃で60分間加熱処理して再び色度
を測定した。加熱処理前後の色差は1.3(色差が3以
下であれば人間の目で色の違いを認識することができな
い)で、着色膜の耐熱性は良好であった。
【0048】実施例2 温度計および乾燥窒素導入口と攪拌装置を付した300
0mlの4つ口フラスコに、4,4´−ジアミノジフェ
ニルエ−テル190.2g(0.95モル当量)、ビス
−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサン1
2.4g(0.05モル当量)、およびγ−ブチロラク
トン1000gを投入し、乾燥窒素流入下、40℃で1
時間攪拌したのち、3,3´,4,4´−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物161.1g(0.5モル
当量)、ピロメリット酸二無水物102.5g(0.4
7モル当量)、γ−ブチロラクトン888.8gを投入
し、乾燥窒素流入下、60℃で3時間攪拌し、その後、
無水マレイン酸5.9g(0.06モル当量)を投入し
て同条件下で1時間攪拌し、濃度20重量%のポリアミ
ック酸溶液を得た。
【0049】このポリアミック酸溶液200gをジメチ
ルアミノエタノール30.2g(ポリアミック酸のカル
ボキシル基の2倍モル当量)、水569.8gと混合し
てポリアミック酸アミン塩溶液(ポリアミック酸濃度5
重量%)を得た。
【0050】ピグメントレッド177(クロモフタール
レッド)8g、ポリアミック酸アミン塩溶液32g、水
60gをガラスビーズ200gとともにホモジナイザー
を用い、7000rpmで30分間分散処理後、ガラス
ビーズを濾過により除去し、顔料濃度8重量%の顔料分
散液(ポリアミック酸濃度1.6重量%)を得た。顔料
分散液40gに水60g、ポリアミック酸アミン塩溶液
80gを混合して電着液を作成した。
【0051】ストライプ状(幅60μm)にパターン化
されたITO膜が形成された無アルカリガラス、および
白金電極を、電着液に浸漬した。ITO膜を陽極として
4Vの電圧を1分間印加した。基板を引き上げたのち
に、水で洗浄して電圧の印加されていない部分に付着し
た電着液を除去した。その後、80℃で10分間、30
0℃で30分間加熱処理して膜厚1.3μmの赤色着色
膜を得た。
【0052】実施例1と同様の試験を行ったところ色差
は1.9で、着色膜の耐熱性は良好であった。
【0053】実施例3 温度計および乾燥窒素導入口と攪拌装置を付した300
0mlの4つ口フラスコに、3,3´−ジアミノジフェ
ニルスルホン124.1g(0.5モル当量)、m−フ
ェニレンジアミン48.7g(0.45モル当量)、ビ
ス−3−(アミノプロピル)テトラメチルシロキサン1
2.4g(0.05モル当量)、およびγ−ブチロラク
トン800gを投入し、乾燥窒素流入下、40℃で1時
間攪拌したのち、3,3´,4,4´−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物291.3g(0.99モル当
量)、γ−ブチロラクトン635.5gを投入し、乾燥
窒素流入下、60℃で3時間攪拌し、その後、無水マレ
イン酸2.0g(0.02モル当量)を投入して同条件
下で1時間攪拌し、濃度25重量%のポリアミック酸溶
液を得た。
【0054】このポリアミック酸溶液100gに2−メ
チルアミノエタノール23.5g(ポリアミック酸のカ
ルボキシル基の3倍モル当量)および水1126.5g
を混合して、電着用ポリアミック酸アミン塩溶液(ポリ
アミック酸濃度2重量%)を得た。
【0055】アクリル酸およびメタクリル酸ヒドロキシ
エチルを主成分モノマーとする酸価60、ヒドロキシル
価40のアクリル樹脂をアンモニアで中和した水溶液
(アクリル樹脂濃度20重量%)10gとピグメントブ
ルー15(フタロシアニンブルー)30g、水260g
をガラスビーズ1000gとともにホモジナイザーを用
い、7000rpmで30分間分散処理後、ガラスビー
ズを濾過により除去し、顔料分散液を得た。この顔料分
散液150gに水150gを加えて電着用顔料分散液
(顔料濃度5重量%)を作成した。
【0056】ITO膜が形成された無アルカリガラス基
板にポジ型フォトレジストを塗布し、80℃で20分間
加熱乾燥して膜厚2μmのレジスト膜を得た。紫外線露
光機を用い、クロム製のフォトマスクを介して紫外線を
照射した。露光後、テトラメチルアンモニウムヒドロキ
サイドの2.4重量%の水溶液からなる現像液に浸漬
し、フォトレジストの現像を行い、ITO膜が長さ30
0μm幅60μmで露出したモザイクパターンを得た。
【0057】フォトレジストのモザイクパターンを形成
した基板と白金電極を電着用顔料分散液に浸漬し、IT
O膜を陽極として3Vの電圧を2分間印加した。基板を
引き上げたのちに、水で洗浄して電圧の印加されていな
い部分に付着した電着液を除去した。その後、この基板
を白金電極とともに電着用ポリアミック酸アミン塩溶液
に浸漬し、ITO膜を陽極として3Vの電圧を2分間印
加したのち引き上げ、洗浄を行った。90℃で10分
間、120℃で20分間加熱処理したのち、フォトレジ
スト層をメチルセロソルブアセテートで剥離した。そし
て、280℃で60分間加熱処理を行い、膜厚1.1μ
mの青色着色膜を得た。
【0058】実施例1と同様の試験を行ったところ色差
は2.8で、着色膜の耐熱性は良好であった。
【0059】実施例4 ストライプ状(幅60μm)にパターン化されたITO
膜が形成された無アルカリガラス、および白金電極を、
実施例1の電着液に浸漬した。ストライプ状にパターン
化されたITO膜の中で、緑色に着色したいITO膜を
選択し、選択されたITO膜にのみ実施例1と同条件で
電圧を印加し、その後の操作を実施例1と同様に行い、
緑色着色パターンを得た。次に実施例2の電着液を用
い、赤色に着色したいITO膜上に実施例2と同様の操
作により赤色着色パターンを得た。そして、実施例3の
電着用顔料分散液と電着用ポリアミック酸アミン塩溶液
を用い、青色に着色したいITO膜上に実施例3と同様
の操作により青色着色パターンを得た。このようにして
3色の着色パターンが基板上に形成された。
【0060】実施例5 ITO膜が形成された無アルカリガラス基板にポジ型フ
ォトレジストを塗布、加熱乾燥、露光、現像により長さ
300μm幅60μmでITO膜が露出したモザイクパ
ターンを得た。この露出したITO膜上に実施例2の電
着液を用いて赤色の着色層を電着、洗浄を行い、120
℃で20分間加熱したのち、フォトレジスト層をメチル
セロソルブアセテートで剥離した。そして、300℃で
30分間加熱処理を行い、赤色着色膜のパターンを得
た。赤色着色膜のパターンが形成された基板上にポジ型
フォトレジストを塗布、加熱乾燥を行い、赤色の着色膜
が形成された部分と異なる部分を露光し、現像により長
さ300μm幅60μmでITO膜が露出したモザイク
パターンを得た。この露出したITO膜上に実施例3の
電着用顔料分散液と電着用ポリアミック酸アミン塩溶液
を用い、実施例3と同様にして青色着色膜のパターンを
得た。基板上の赤色および青色のパターンの形成されて
いない部分に、実施例1の電着液を用いて実施例1と同
様にして緑色着色膜を形成した。このようにして3色の
着色パターンが基板上に形成された。
【0061】実施例6 実施例1〜5で得られたカラーフィルター上に透明導電
膜を形成し、次いで配向膜を形成した後、ラビング処理
を行なった。配向膜を形成しラビング処理を行なった対
向電極基板とスペーサーを介して組み合わせ、周囲を液
晶注入口を除いてエポキシ樹脂で封止した。液晶注入口
より電極間に液晶を注入し、その後、注入口を紫外線硬
化樹脂で封止して液晶セルの組み立てを行ない、液晶セ
ルを偏光膜で挟んで、上記カラーフィルタを液晶セル内
部に有するカラー液晶表示装置が得られた。
【0062】
【発明の効果】本発明は上述のごとく構成したので、耐
熱性に優れる利点がある。また、この発明によれば、微
細な着色パターンを少ない工程数で形成できるという顕
著な効果を奏するものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された導電性透明薄膜層と、
    該導電性透明薄膜層上に形成された、顔料とポリイミド
    を必須成分とする電着塗膜からなる着色層を有すること
    を特徴とするカラーフィルター。
  2. 【請求項2】(a)顔料、(b)ポリアミック酸、
    (c)アンモニアおよび/または有機アミン、および
    (d)極性溶媒を必須成分とすることを特徴とする電着
    液。
  3. 【請求項3】請求項2記載の電着液に、導電性透明薄膜
    層が形成された基板を浸漬して、該導電性透明薄膜層に
    電圧を印加することにより、該導電性透明薄膜層上に、
    ポリアミック酸と顔料を必須成分とする着色層を形成
    し、その後ポリアミック酸のイミド化を行うことを特徴
    とするカラーフィルターの製造方法。
  4. 【請求項4】(e)顔料、(f)ポリアミック酸以外の
    アニオン系電着性高分子、(g)アンモニアおよび/ま
    たは有機アミン、および(h)極性溶媒を必須成分とす
    る電着液に、導電性透明薄膜層が形成された基板を浸漬
    して、該導電性透明薄膜層に電圧を印加することによ
    り、該導電性透明薄膜層上に着色層を形成し、その後、
    該着色層を形成した基板を、(i)ポリアミック酸、
    (j)アンモニアおよび/または有機アミン、および
    (k)極性溶媒を必須成分とする電着液に浸漬して、該
    導電性透明薄膜層に電圧を印加することにより、該導電
    性透明薄膜層上に、ポリアミック酸と顔料を必須成分と
    する着色層を形成し、その後ポリアミック酸のイミド化
    を行うことを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
  5. 【請求項5】(f)ポリアミック酸以外のアニオン系電
    着性高分子が、(e)顔料の50重量%以下であること
    を特徴とする請求項4記載のカラーフィルターの製造方
    法。
  6. 【請求項6】少なくとも一対の電極基板の間に液晶を封
    入してなる液晶表示装置であって、少なくとも一方の電
    極基板が請求項1記載のカラーフィルターを有すること
    を特徴とする液晶表示装置。
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