JPH10253399A - 磁歪式変位検出装置 - Google Patents
磁歪式変位検出装置Info
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- JPH10253399A JPH10253399A JP5760497A JP5760497A JPH10253399A JP H10253399 A JPH10253399 A JP H10253399A JP 5760497 A JP5760497 A JP 5760497A JP 5760497 A JP5760497 A JP 5760497A JP H10253399 A JPH10253399 A JP H10253399A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- permanent magnet
- magnetostrictive material
- magnetostrictive
- displacement
- elastic wave
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
- Length Measuring Devices Characterised By Use Of Acoustic Means (AREA)
- Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】検出精度の向上に有利な磁歪式変位検出装置を
提供する。 【解決手段】この装置は、磁歪材(5)と、磁歪材
(5)の一端側に設けられ弾性波を反射する反射部材
(9)と、永久磁石(6)と、磁歪材(5)に電流パル
スを供給するパルス供給手段(70)と、磁歪材(5)
の他端部の側に設けられ弾性波を受信する受信手段
(4)とをもつ。磁歪材(5)の延設方向において永久
磁石(6)の変位を増幅した物理量を把握し、その物理
量に基づいて永久磁石(6)の相対変位を検出する変位
増幅検出手段が設けられている。
提供する。 【解決手段】この装置は、磁歪材(5)と、磁歪材
(5)の一端側に設けられ弾性波を反射する反射部材
(9)と、永久磁石(6)と、磁歪材(5)に電流パル
スを供給するパルス供給手段(70)と、磁歪材(5)
の他端部の側に設けられ弾性波を受信する受信手段
(4)とをもつ。磁歪材(5)の延設方向において永久
磁石(6)の変位を増幅した物理量を把握し、その物理
量に基づいて永久磁石(6)の相対変位を検出する変位
増幅検出手段が設けられている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁歪式変位検出装
置に関する。本発明は、可動部の変位を検出する場合に
適用できる。
置に関する。本発明は、可動部の変位を検出する場合に
適用できる。
【0002】
【従来の技術】磁歪式変位検出装置として、図4に示す
ように、基体100と、基体100に架設状態に保持さ
れた線状の磁歪材200と、磁歪材200に対向する位
置に磁歪材200と略同軸的に設けられたリング状の永
久磁石300と、磁歪材200に電流パルスを供給する
パルス供給回路400と、受信コイル500とを備えた
ものが知られている。
ように、基体100と、基体100に架設状態に保持さ
れた線状の磁歪材200と、磁歪材200に対向する位
置に磁歪材200と略同軸的に設けられたリング状の永
久磁石300と、磁歪材200に電流パルスを供給する
パルス供給回路400と、受信コイル500とを備えた
ものが知られている。
【0003】永久磁石300は可動部に保持されてお
り、可動部の移動に伴って、磁歪材200の延設方向に
沿ってつまり矢印X1、X2方向に沿って基体100に
対して相対変位する。この磁歪式変位検出装置の検出原
理は次のようである。即ち、パルス供給回路400によ
り磁歪材200にこれの他端部200eから電流パルス
が供給されると、磁歪材200の回りに右ねじの法則に
基づいて円周方向の磁場が発生する。この磁場の変化は
受信コイル500によって電圧信号として検出される。
この磁場が永久磁石300の磁場に加わると、Wiedeman
n 効果により、磁歪材200のうち、永久磁石300の
近傍にねじり歪みが発生する。
り、可動部の移動に伴って、磁歪材200の延設方向に
沿ってつまり矢印X1、X2方向に沿って基体100に
対して相対変位する。この磁歪式変位検出装置の検出原
理は次のようである。即ち、パルス供給回路400によ
り磁歪材200にこれの他端部200eから電流パルス
が供給されると、磁歪材200の回りに右ねじの法則に
基づいて円周方向の磁場が発生する。この磁場の変化は
受信コイル500によって電圧信号として検出される。
この磁場が永久磁石300の磁場に加わると、Wiedeman
n 効果により、磁歪材200のうち、永久磁石300の
近傍にねじり歪みが発生する。
【0004】そして、磁歪材200のねじり歪みに基づ
く弾性波が磁歪材200上を所定の速度(一般的には音
速)で矢印X1方向に向けてつまり受信コイル500に
向けて伝達される。これを直接波という。直接波が受信
コイル500に到達すると、磁歪逆効果に基づいた磁場
変化が受信コイル500により電圧信号として検出さ
れ、更に波形整形回路401で波形整形され、更に信号
処理・時間計測回路402を経て時間計測される。
く弾性波が磁歪材200上を所定の速度(一般的には音
速)で矢印X1方向に向けてつまり受信コイル500に
向けて伝達される。これを直接波という。直接波が受信
コイル500に到達すると、磁歪逆効果に基づいた磁場
変化が受信コイル500により電圧信号として検出さ
れ、更に波形整形回路401で波形整形され、更に信号
処理・時間計測回路402を経て時間計測される。
【0005】従って上記した磁歪式変位検出装置では、
磁歪材200のうち永久磁石300の近傍で発生した弾
性波の直接波が受信コイル500に伝搬される伝搬時間
を計測すれば、受信コイル500と永久磁石300との
距離Lo(図4参照)が検出され、これに基づいて磁歪
材200の延設方向における永久磁石300の相対変位
が検出される。
磁歪材200のうち永久磁石300の近傍で発生した弾
性波の直接波が受信コイル500に伝搬される伝搬時間
を計測すれば、受信コイル500と永久磁石300との
距離Lo(図4参照)が検出され、これに基づいて磁歪
材200の延設方向における永久磁石300の相対変位
が検出される。
【0006】この装置では、図4から理解できるよう
に、コイルバネ600、減衰部材700が配置されてい
る。コイルバネ600は、磁歪材200にこれの延設方
向に沿った張力を付与するためのものである。コイルバ
ネ600による張力付与機能により磁歪材200が緊張
され、磁歪式変位検出装置における検出精度が確保され
る。
に、コイルバネ600、減衰部材700が配置されてい
る。コイルバネ600は、磁歪材200にこれの延設方
向に沿った張力を付与するためのものである。コイルバ
ネ600による張力付与機能により磁歪材200が緊張
され、磁歪式変位検出装置における検出精度が確保され
る。
【0007】また特開平7−306030号公報には、
図6に示すように、磁歪材200、受信コイル500、
永久磁石300が設けられていると共に、磁歪材200
の一端部200cをコイルバネ600で引張って基体1
00の固定部101に固定する方式の磁歪式変位検出装
置が開示されている。この装置では、磁歪材200に沿
って受信コイル500に直接近づくように矢印X1方向
に進行する弾性波を直接波とし、受信コイル500から
遠ざかる方向に一旦矢印X2方向に前進した後、反射部
材800で反射し受信コイル500に近づくように矢印
X1方向に進行する弾性波を反射波とする。
図6に示すように、磁歪材200、受信コイル500、
永久磁石300が設けられていると共に、磁歪材200
の一端部200cをコイルバネ600で引張って基体1
00の固定部101に固定する方式の磁歪式変位検出装
置が開示されている。この装置では、磁歪材200に沿
って受信コイル500に直接近づくように矢印X1方向
に進行する弾性波を直接波とし、受信コイル500から
遠ざかる方向に一旦矢印X2方向に前進した後、反射部
材800で反射し受信コイル500に近づくように矢印
X1方向に進行する弾性波を反射波とする。
【0008】ここでこの装置では、直接波が受信コイル
500へ伝搬される伝搬時間をTAとし、反射波が受信
コイル500へ伝搬される伝搬時間をTBとし、受信コ
イル500と永久磁石300との距離をLO とし、受信
コイル500と反射部材800との距離をLとしたと
き、(LO /2L)=〔TA/(TA+TB)〕に基づ
いて、LO を求め、これにより永久磁石300の変位を
検出することにしている。図6に示す特開平7−306
030号公報に係る技術は、永久磁石300の変位を増
幅して把握するものではない。
500へ伝搬される伝搬時間をTAとし、反射波が受信
コイル500へ伝搬される伝搬時間をTBとし、受信コ
イル500と永久磁石300との距離をLO とし、受信
コイル500と反射部材800との距離をLとしたと
き、(LO /2L)=〔TA/(TA+TB)〕に基づ
いて、LO を求め、これにより永久磁石300の変位を
検出することにしている。図6に示す特開平7−306
030号公報に係る技術は、永久磁石300の変位を増
幅して把握するものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術に係
る磁歪式変位検出装置においては、一層の検出精度の向
上が要望されている。図5は、上記した図4に示す装置
における信号波形を示す。図5(A)は磁歪材200に
供給する電流パルスIcoを示す。図5(B)は、電流
パルスIcoが受信コイル500で受信された信号C1
0を示すと共に、永久磁石300から矢印X1方向に進
行した直接波が受信コイル500で受信された信号C2
0(V max =V1 )を示す。図5(C)は受信コイル5
00で受信された信号C10、C20を波形整形回路4
01で矩形波に波形整形した矩形波信号D10、D20
を示す。前記した波形整形回路401は、しきい値(ス
レショルド電圧)をVO(VO <V1 )としたコンパレ
ータを備えている。従って、直接波の信号C20のう
ち、しきい値VO を越えた領域がオンとされ、VO 未満
の領域がオフとされ、この結果、図5(C)の矩形波形
信号D20が得られる。
る磁歪式変位検出装置においては、一層の検出精度の向
上が要望されている。図5は、上記した図4に示す装置
における信号波形を示す。図5(A)は磁歪材200に
供給する電流パルスIcoを示す。図5(B)は、電流
パルスIcoが受信コイル500で受信された信号C1
0を示すと共に、永久磁石300から矢印X1方向に進
行した直接波が受信コイル500で受信された信号C2
0(V max =V1 )を示す。図5(C)は受信コイル5
00で受信された信号C10、C20を波形整形回路4
01で矩形波に波形整形した矩形波信号D10、D20
を示す。前記した波形整形回路401は、しきい値(ス
レショルド電圧)をVO(VO <V1 )としたコンパレ
ータを備えている。従って、直接波の信号C20のう
ち、しきい値VO を越えた領域がオンとされ、VO 未満
の領域がオフとされ、この結果、図5(C)の矩形波形
信号D20が得られる。
【0010】ところで上記した直接波の伝搬時間は、SI
N 波状の信号C20の中央値C20 k を基準とすること
が好ましい。つまり直接波の伝搬時間の真値TO (図5
(B))それ自体を計測することが好ましい。しかしな
がら波形整形回路401のコンパレータのしきい値がV
O に設定されている関係上、図5(B)に示す真値TO
が計測されない。実際には、しきい値VO に係る垂線W
xを基準としたTO ’が計測値として検出される。図5
(B)から理解できるように、しきい値VO の影響のた
め、計測値TO ’は、真値TOよりもΔTぶん短縮され
る。
N 波状の信号C20の中央値C20 k を基準とすること
が好ましい。つまり直接波の伝搬時間の真値TO (図5
(B))それ自体を計測することが好ましい。しかしな
がら波形整形回路401のコンパレータのしきい値がV
O に設定されている関係上、図5(B)に示す真値TO
が計測されない。実際には、しきい値VO に係る垂線W
xを基準としたTO ’が計測値として検出される。図5
(B)から理解できるように、しきい値VO の影響のた
め、計測値TO ’は、真値TOよりもΔTぶん短縮され
る。
【0011】ΔTを低減するには、しきい値VO を下げ
ることも考えられる。しかし誤動作防止のため、所定の
大きさのしきい値VO は必要である。このように波形整
形の際にコンパレータが使用されるため、伝搬時間の計
測には誤差が生じる。従って検出精度の向上のため、誤
差の低減が要請されている。本発明は上記した実情に鑑
みなされたものであり、各請求項は、検出精度の向上に
有利な磁歪式変位検出装置を提供することを課題とす
る。
ることも考えられる。しかし誤動作防止のため、所定の
大きさのしきい値VO は必要である。このように波形整
形の際にコンパレータが使用されるため、伝搬時間の計
測には誤差が生じる。従って検出精度の向上のため、誤
差の低減が要請されている。本発明は上記した実情に鑑
みなされたものであり、各請求項は、検出精度の向上に
有利な磁歪式変位検出装置を提供することを課題とす
る。
【0012】請求項3は、更に、しきい値で波形整形す
る波形整形回路が用いられた場合における計測誤差を低
減、回避でき、これにより検出精度の向上に有利な磁歪
式変位検出装置を提供することを課題とする。
る波形整形回路が用いられた場合における計測誤差を低
減、回避でき、これにより検出精度の向上に有利な磁歪
式変位検出装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】 請求項1に係る磁歪式変位検出装置は、一方向に延設
された状態で架設され弾性波を発生可能な磁歪材と、磁
歪材の一端側に設けられ弾性波を反射する反射部材と、
磁歪材の延設方向に沿って相対移動可能な永久磁石と、
磁歪材にこれの延設方向に沿って流れる電流パルスを供
給するパルス供給手段と、磁歪材の他端部の側に設けら
れ、電流パルスによる磁場と永久磁石による磁場とに基
づいて磁歪材に発生する永久磁石の相対位置に応じた弾
性波を受信する受信手段と、受信手段による弾性波の受
信に伴い、磁歪材の延設方向における永久磁石の相対変
位を検出する検出手段とを具備する磁歪式変位検出装置
において、検出手段は、磁歪材の延設方向において永久
磁石の変位を増幅した物理量を検出し、その物理量に基
づいて、磁歪材の延設方向における永久磁石の相対変位
を検出する変位増幅手段を具備することを特徴とするも
のである。 請求項2に係る磁歪式変位検出装置によれば、請求項
1において、変位増幅手段は、磁歪材の延設方向におい
て永久磁石と反射部材との距離をL1 としたとき、実質
的に(2×L1 )に関する物理量を検出し、この物理量
に基づいて、磁歪材の延設方向における永久磁石の相対
変位を検出することを特徴とするものである。 請求項3に係る磁歪式変位検出装置は、一方向に延設
された状態で架設され弾性波を発生可能な磁歪材と、磁
歪材の一端側に設けられ弾性波を反射する反射部材と、
磁歪材の延設方向に沿って相対移動可能な永久磁石と、
磁歪材にこれの延設方向に沿って流れる電流パルスを供
給するパルス供給手段と、磁歪材の他端部の側に設けら
れ、電流パルスによる磁場と永久磁石による磁場とに基
づいて磁歪材に発生する永久磁石の相対位置に応じた弾
性波を受信する受信手段と、受信手段による弾性波の受
信に伴い、磁歪材の延設方向における永久磁石の相対変
位を検出する検出手段とを具備する磁歪式変位検出装置
において、検出手段は、磁歪材に沿って受信手段に直接
近づくように進行する弾性波を直接波とし、受信手段か
ら遠ざかる方向に前進した後、反射部材で反射し受信手
段に近づくように進行する弾性波を反射波とし、直接波
が前記受信手段へ伝搬される伝搬時間をTAとし、反射
波が前記受信手段へ伝搬される伝搬時間をTBとしたと
き、(TB−TA)に基づいて、磁歪材の延設方向にお
ける永久磁石の相対変位を検出することを特徴とするも
のである。
された状態で架設され弾性波を発生可能な磁歪材と、磁
歪材の一端側に設けられ弾性波を反射する反射部材と、
磁歪材の延設方向に沿って相対移動可能な永久磁石と、
磁歪材にこれの延設方向に沿って流れる電流パルスを供
給するパルス供給手段と、磁歪材の他端部の側に設けら
れ、電流パルスによる磁場と永久磁石による磁場とに基
づいて磁歪材に発生する永久磁石の相対位置に応じた弾
性波を受信する受信手段と、受信手段による弾性波の受
信に伴い、磁歪材の延設方向における永久磁石の相対変
位を検出する検出手段とを具備する磁歪式変位検出装置
において、検出手段は、磁歪材の延設方向において永久
磁石の変位を増幅した物理量を検出し、その物理量に基
づいて、磁歪材の延設方向における永久磁石の相対変位
を検出する変位増幅手段を具備することを特徴とするも
のである。 請求項2に係る磁歪式変位検出装置によれば、請求項
1において、変位増幅手段は、磁歪材の延設方向におい
て永久磁石と反射部材との距離をL1 としたとき、実質
的に(2×L1 )に関する物理量を検出し、この物理量
に基づいて、磁歪材の延設方向における永久磁石の相対
変位を検出することを特徴とするものである。 請求項3に係る磁歪式変位検出装置は、一方向に延設
された状態で架設され弾性波を発生可能な磁歪材と、磁
歪材の一端側に設けられ弾性波を反射する反射部材と、
磁歪材の延設方向に沿って相対移動可能な永久磁石と、
磁歪材にこれの延設方向に沿って流れる電流パルスを供
給するパルス供給手段と、磁歪材の他端部の側に設けら
れ、電流パルスによる磁場と永久磁石による磁場とに基
づいて磁歪材に発生する永久磁石の相対位置に応じた弾
性波を受信する受信手段と、受信手段による弾性波の受
信に伴い、磁歪材の延設方向における永久磁石の相対変
位を検出する検出手段とを具備する磁歪式変位検出装置
において、検出手段は、磁歪材に沿って受信手段に直接
近づくように進行する弾性波を直接波とし、受信手段か
ら遠ざかる方向に前進した後、反射部材で反射し受信手
段に近づくように進行する弾性波を反射波とし、直接波
が前記受信手段へ伝搬される伝搬時間をTAとし、反射
波が前記受信手段へ伝搬される伝搬時間をTBとしたと
き、(TB−TA)に基づいて、磁歪材の延設方向にお
ける永久磁石の相対変位を検出することを特徴とするも
のである。
【0014】
【発明の実施形態】 各請求項に係る装置においては、パルス供給手段から
電流パルスが磁歪材にこれの延設方向に沿って供給され
る。従来技術と同様に、電流パルスに基づく磁場が永久
磁石の磁場に作用すると、磁歪材のうち永久磁石の近傍
に弾性波が発生する。この弾性波は磁歪材に沿って伝達
され、受信手段で受信される。これに基づいて永久磁石
の相対変位が検出される。 請求項1に係る装置によれば、検出手段の変位増幅手
段により、永久磁石の相対変位を増幅した物理量が検出
される。その物理量に基づいて、磁歪材の延設方向にお
ける永久磁石の相対変位が検出される。即ち、永久磁石
がΔL変位したとすると、ΔLが増幅されて検出され
る。故に、永久磁石の相対変位を検出する検出精度が向
上する。 請求項2に係る装置によれば、磁歪材の延設方向にお
いて永久磁石と反射部材との距離をL1 としたとき、変
位増幅手段は実質的に(2×L1 )に関する物理量を検
出する。この物理量に基づいて、磁歪材の延設方向にお
ける永久磁石の相対位置が検出される。
電流パルスが磁歪材にこれの延設方向に沿って供給され
る。従来技術と同様に、電流パルスに基づく磁場が永久
磁石の磁場に作用すると、磁歪材のうち永久磁石の近傍
に弾性波が発生する。この弾性波は磁歪材に沿って伝達
され、受信手段で受信される。これに基づいて永久磁石
の相対変位が検出される。 請求項1に係る装置によれば、検出手段の変位増幅手
段により、永久磁石の相対変位を増幅した物理量が検出
される。その物理量に基づいて、磁歪材の延設方向にお
ける永久磁石の相対変位が検出される。即ち、永久磁石
がΔL変位したとすると、ΔLが増幅されて検出され
る。故に、永久磁石の相対変位を検出する検出精度が向
上する。 請求項2に係る装置によれば、磁歪材の延設方向にお
いて永久磁石と反射部材との距離をL1 としたとき、変
位増幅手段は実質的に(2×L1 )に関する物理量を検
出する。この物理量に基づいて、磁歪材の延設方向にお
ける永久磁石の相対位置が検出される。
【0015】ここで磁歪材の延設方向において、永久磁
石の現在の位置をLwとしたとき、永久磁石がLwから
ΔL変位したとすると、2×(Lw+ΔL)=2・Lw
+2・ΔLが検出されることになる。即ち、永久磁石の
変位量ΔLが実質的に2倍に増幅されて検出されるた
め、検出精度が向上する。請求項3に係る装置によれ
ば、直接波が受信手段へ伝搬される伝搬時間をTAと
し、反射波が受信手段へ伝搬される伝搬時間をTBとし
たとき、反射波の伝搬時間TBと直接波の伝搬時間TA
との差である(TB−TA)の値に基づいて、磁歪材の
延設方向における永久磁石の相対変位が検出される。反
射波に係るTBと直接波に係るTAとの差は、後述する
ように実質的に(2×L1 )に係る物理量に相当する。
石の現在の位置をLwとしたとき、永久磁石がLwから
ΔL変位したとすると、2×(Lw+ΔL)=2・Lw
+2・ΔLが検出されることになる。即ち、永久磁石の
変位量ΔLが実質的に2倍に増幅されて検出されるた
め、検出精度が向上する。請求項3に係る装置によれ
ば、直接波が受信手段へ伝搬される伝搬時間をTAと
し、反射波が受信手段へ伝搬される伝搬時間をTBとし
たとき、反射波の伝搬時間TBと直接波の伝搬時間TA
との差である(TB−TA)の値に基づいて、磁歪材の
延設方向における永久磁石の相対変位が検出される。反
射波に係るTBと直接波に係るTAとの差は、後述する
ように実質的に(2×L1 )に係る物理量に相当する。
【0016】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図1〜図4を参
照して説明する。本実施例は車両に搭載され車高を検出
するハイトセンサに適用したものである。 (実施例の構成)図1から理解できるように、基体1
は、収容室10aをもつ非磁性材料(例えば真鍮、アル
ミ系合金)で形成された長尺状をなす収容管体10をも
つ。
照して説明する。本実施例は車両に搭載され車高を検出
するハイトセンサに適用したものである。 (実施例の構成)図1から理解できるように、基体1
は、収容室10aをもつ非磁性材料(例えば真鍮、アル
ミ系合金)で形成された長尺状をなす収容管体10をも
つ。
【0017】図1から理解できるように収容管体10
は、矢印X1、X2方向に延設されている。収容管体1
0は、後述する回路70、75、77、78、79を含
むECUと共に、車両のバネ上部分に搭載されている。
磁歪材5は収容室10a内で線状に長くのびている。磁
歪材5は例えばNi−Fe系合金で形成できる。磁歪材
5の一端部5cは、収容管体10の閉鎖壁10fにコイ
ルバネ9を介して、収容管体10の長手方向の一端部1
0cに結合されている。コイルバネ9は、磁歪材5に張
力を付与すると共に、矢印X2方向に進行した弾性波を
反射させる反射部材として機能する。磁歪材5の他端部
5eは、収容管体10の長手方向の他端部10eにホル
ダ18を介して支持されている。収容管体10の他端部
10eには反射部材16が設けられているが、これに代
えてゴム等の高分子材料で形成された減衰部材を収容管
体10の他端部10eに設けても良い。
は、矢印X1、X2方向に延設されている。収容管体1
0は、後述する回路70、75、77、78、79を含
むECUと共に、車両のバネ上部分に搭載されている。
磁歪材5は収容室10a内で線状に長くのびている。磁
歪材5は例えばNi−Fe系合金で形成できる。磁歪材
5の一端部5cは、収容管体10の閉鎖壁10fにコイ
ルバネ9を介して、収容管体10の長手方向の一端部1
0cに結合されている。コイルバネ9は、磁歪材5に張
力を付与すると共に、矢印X2方向に進行した弾性波を
反射させる反射部材として機能する。磁歪材5の他端部
5eは、収容管体10の長手方向の他端部10eにホル
ダ18を介して支持されている。収容管体10の他端部
10eには反射部材16が設けられているが、これに代
えてゴム等の高分子材料で形成された減衰部材を収容管
体10の他端部10eに設けても良い。
【0018】図1から理解できるように磁歪材5を略同
軸的に包囲するように、リング状の永久磁石6が設けら
れている。永久磁石6の内周面6iは収容管体10を介
して磁歪材5に対向している。永久磁石6の軸端面6
a、6cは磁極(N極、S極)とされている。本実施例
では、永久磁石6は2個ではなく1個装備されているだ
けであり、永久磁石シングル方式である。
軸的に包囲するように、リング状の永久磁石6が設けら
れている。永久磁石6の内周面6iは収容管体10を介
して磁歪材5に対向している。永久磁石6の軸端面6
a、6cは磁極(N極、S極)とされている。本実施例
では、永久磁石6は2個ではなく1個装備されているだ
けであり、永久磁石シングル方式である。
【0019】可動部60は、車両のバネ上部分とバネ下
部分との相対変位に応じて左右方向へ移動し、バネ下部
分に対するバネ上部分の高さ、つまり車高に対応した位
置を取る部材である。可動部60に永久磁石6は保持さ
れている。永久磁石6は、可動部60の移動に伴い矢印
X1、X2方向に磁歪材5に沿って、つまり収容管体1
0に沿って相対移動する。
部分との相対変位に応じて左右方向へ移動し、バネ下部
分に対するバネ上部分の高さ、つまり車高に対応した位
置を取る部材である。可動部60に永久磁石6は保持さ
れている。永久磁石6は、可動部60の移動に伴い矢印
X1、X2方向に磁歪材5に沿って、つまり収容管体1
0に沿って相対移動する。
【0020】磁歪材5の他端部5eには、給電信号線7
1を介してパルス供給手段としてのパルス供給回路70
が電気的に接続されている。受信手段としての受信コイ
ル4は磁歪材5の他端部5eの側に位置しており、ホル
ダ18に巻回されて保持されている。図1に示すよう
に、受信コイル4とコイルバネ9の先端部9cとの間の
距離は固定値であり、Lで示される。
1を介してパルス供給手段としてのパルス供給回路70
が電気的に接続されている。受信手段としての受信コイ
ル4は磁歪材5の他端部5eの側に位置しており、ホル
ダ18に巻回されて保持されている。図1に示すよう
に、受信コイル4とコイルバネ9の先端部9cとの間の
距離は固定値であり、Lで示される。
【0021】受信コイル4には、検出手段として機能す
る波形整形回路75が受信信号線73を介して電気的に
接続されている。パルス供給回路70及び波形整形回路
75はそれぞれ信号線70r、75r、75sを介して
信号処理・時間計測回路77、78に接続され、更に信
号線77m、78mを介して信号処理・時間計測回路7
9に接続されている。
る波形整形回路75が受信信号線73を介して電気的に
接続されている。パルス供給回路70及び波形整形回路
75はそれぞれ信号線70r、75r、75sを介して
信号処理・時間計測回路77、78に接続され、更に信
号線77m、78mを介して信号処理・時間計測回路7
9に接続されている。
【0022】本実施例に係る磁歪式変位検出装置の作動
について、信号波形のタイミングを示す図2を参照して
説明する。図2(A)はパルス供給回路70における信
号波形を示す。図2(B)は受信コイル4で受信した信
号波形を示す。図2(C)は受信コイル4で受信した信
号の波形を波形整形回路75で波形整形した矩形波を示
す。
について、信号波形のタイミングを示す図2を参照して
説明する。図2(A)はパルス供給回路70における信
号波形を示す。図2(B)は受信コイル4で受信した信
号波形を示す。図2(C)は受信コイル4で受信した信
号の波形を波形整形回路75で波形整形した矩形波を示
す。
【0023】本実施例では、図2(A)に示す電流パル
スIcがパルス供給回路70から磁歪材5の他端部5e
に供給される。電流パルスIcは磁歪材5の他端部5e
から一端部5cに向かって磁歪材5に沿って矢印X2方
向に流れる。電流パルスIcに基づく磁場変化は、受信
コイル4を通過する際に受信コイル4によって励起信号
C1(図2(B)参照)として検出される。この電流パ
ルスIc供給時刻を開始時刻とする。
スIcがパルス供給回路70から磁歪材5の他端部5e
に供給される。電流パルスIcは磁歪材5の他端部5e
から一端部5cに向かって磁歪材5に沿って矢印X2方
向に流れる。電流パルスIcに基づく磁場変化は、受信
コイル4を通過する際に受信コイル4によって励起信号
C1(図2(B)参照)として検出される。この電流パ
ルスIc供給時刻を開始時刻とする。
【0024】従来からの磁歪式変位検出装置と同様に、
電流パルスIcに基づく磁場が永久磁石6の磁場に作用
すると、永久磁石6の近傍の磁歪材5の部分にねじり歪
みが発生する。この結果、ねじり歪みに基づく弾性波が
磁歪材5上を所定の速度(一般的には音速)で矢印X1
方向に向けて、つまり直接に受信コイル4に向けて進行
する。この弾性波を直接波とする。
電流パルスIcに基づく磁場が永久磁石6の磁場に作用
すると、永久磁石6の近傍の磁歪材5の部分にねじり歪
みが発生する。この結果、ねじり歪みに基づく弾性波が
磁歪材5上を所定の速度(一般的には音速)で矢印X1
方向に向けて、つまり直接に受信コイル4に向けて進行
する。この弾性波を直接波とする。
【0025】更に、ねじり歪みに基づく弾性波が磁歪材
5上を所定の速度で矢印X2方向に向けて進行し、コイ
ルバネ9の先端部9cで反射し、矢印X1方向につまり
受信コイル4に向けて進行する。この弾性波を反射波と
する。前記した直接波が受信コイル4に到達すると、受
信コイル4により直接波信号C2(Vmax =V1 、図2
(B)参照)として検出される。前記した反射波が受信
コイル4に到達すると、磁歪逆効果に基づいた磁場変化
が受信コイル4により反射波信号C3(Vmax =V2 、
図2(B)参照)として検出される。
5上を所定の速度で矢印X2方向に向けて進行し、コイ
ルバネ9の先端部9cで反射し、矢印X1方向につまり
受信コイル4に向けて進行する。この弾性波を反射波と
する。前記した直接波が受信コイル4に到達すると、受
信コイル4により直接波信号C2(Vmax =V1 、図2
(B)参照)として検出される。前記した反射波が受信
コイル4に到達すると、磁歪逆効果に基づいた磁場変化
が受信コイル4により反射波信号C3(Vmax =V2 、
図2(B)参照)として検出される。
【0026】本実施例では、波形整形回路75には、し
きい値(スレショルド電圧)をVO(VO <V1 、VO
<V2 )に設定したコンパレータが設けられている。そ
のため、直接波信号C2では、しきい値VO を越えた領
域はオンとされ、しきい値V O 未満の領域はオフとさ
れ、これにより図2(C)に示すように矩形波D2に波
形整形される。同様に反射波信号C3も、しきい値VO
を境として矩形波D3に波形整形される。
きい値(スレショルド電圧)をVO(VO <V1 、VO
<V2 )に設定したコンパレータが設けられている。そ
のため、直接波信号C2では、しきい値VO を越えた領
域はオンとされ、しきい値V O 未満の領域はオフとさ
れ、これにより図2(C)に示すように矩形波D2に波
形整形される。同様に反射波信号C3も、しきい値VO
を境として矩形波D3に波形整形される。
【0027】ここで直接波信号C2、反射波信号C3は
共にSIN 波状であり、伝搬時間の真値はSIN 曲線の中央
C2k 、C3k で判定することが好ましい。従って図2
(B)から理解できるように、直接波信号C2の伝搬時
間の真値はTO である。反射波信号C3の伝搬時間の真
値は(TO +T1 )である。しかしながらコンパレータ
のしきい値はVO に設定されているため、実際の計測時
間としては、しきい値VO が基準となる。即ち計測値と
しては、しきい値V O に係る垂線Waが基準となる。故
に直接波信号C2の伝搬時間の計測値TAは、実際には
TO ’となる。図2(B)から理解できるように、しき
い値VO の影響で、計測値TO ’は真値TO よりもΔT
1 短縮されている。即ち、直接波信号C2の伝搬時間の
計測値TAは、TA=TO ’=TO −ΔT1 である。
共にSIN 波状であり、伝搬時間の真値はSIN 曲線の中央
C2k 、C3k で判定することが好ましい。従って図2
(B)から理解できるように、直接波信号C2の伝搬時
間の真値はTO である。反射波信号C3の伝搬時間の真
値は(TO +T1 )である。しかしながらコンパレータ
のしきい値はVO に設定されているため、実際の計測時
間としては、しきい値VO が基準となる。即ち計測値と
しては、しきい値V O に係る垂線Waが基準となる。故
に直接波信号C2の伝搬時間の計測値TAは、実際には
TO ’となる。図2(B)から理解できるように、しき
い値VO の影響で、計測値TO ’は真値TO よりもΔT
1 短縮されている。即ち、直接波信号C2の伝搬時間の
計測値TAは、TA=TO ’=TO −ΔT1 である。
【0028】また図2(B)から理解できるように、反
射波信号C3についても、しきい値VO に係る垂線Wc
が基準となる。よって反射波信号C3の伝搬時間の計測
値TBは、(TO ’+T1 ’)となる。図2(B)から
理解できるように、しきい値VO の影響を受け、計測値
TBである(TO ’+T1 ’)は、真値(TO +T1 )
よりもΔT2 短縮されている。換言すれば、反射波信号
C3の伝搬時間の計測値TBは、TB=(TO ’+
T1’)=(TO +T1 )−ΔT2 である。
射波信号C3についても、しきい値VO に係る垂線Wc
が基準となる。よって反射波信号C3の伝搬時間の計測
値TBは、(TO ’+T1 ’)となる。図2(B)から
理解できるように、しきい値VO の影響を受け、計測値
TBである(TO ’+T1 ’)は、真値(TO +T1 )
よりもΔT2 短縮されている。換言すれば、反射波信号
C3の伝搬時間の計測値TBは、TB=(TO ’+
T1’)=(TO +T1 )−ΔT2 である。
【0029】さて本実施例では、永久磁石6の変位を検
出するにあたり、直接波信号C2が受信コイル4に伝搬
される伝搬時間の計測値TAと、反射波信号C3が受信
コイル4に伝搬される伝搬時間の計測値TB(TB>T
A)とを用い、両者の計測値差Tdif 、即ち、(TB−
TA)を求める。従って、次の(1)式のように展開で
きる。
出するにあたり、直接波信号C2が受信コイル4に伝搬
される伝搬時間の計測値TAと、反射波信号C3が受信
コイル4に伝搬される伝搬時間の計測値TB(TB>T
A)とを用い、両者の計測値差Tdif 、即ち、(TB−
TA)を求める。従って、次の(1)式のように展開で
きる。
【0030】 Tdif =TB−TA={(TO +T1 )−ΔT2 }−{TO −ΔT1 } ……(1) =TO +T1 −ΔT2 −TO +ΔT1 ……(2) ここでΔT2 及びΔT1 の双方はコンパレータのしきい
値VO に影響される因子であるため、実質的にΔT2 =
ΔT1 とみなし得る。そのため上記(2)式において、
ΔT2 の項とΔT1 の項とが相殺される。
値VO に影響される因子であるため、実質的にΔT2 =
ΔT1 とみなし得る。そのため上記(2)式において、
ΔT2 の項とΔT1 の項とが相殺される。
【0031】従って、(2)式に基づいて、次の(3−
1)式〜(3−3)式が成立する。 Tdif =TB−TA……(3−1) T1 ’=Tdif ……(3−2) T1 =T1 ’……(3−3) 上記(3−3)式は次のことを意味する。即ち、直接波
信号C2の伝搬時間の真値と、反射波信号C3の伝搬時
間の真値との差である真値T1 (C2K 〜C3 K 間の領
域)を求めるには、計測値TB(TB>TA)と計測値
TAとの間の計測値差を求めれば良い。
1)式〜(3−3)式が成立する。 Tdif =TB−TA……(3−1) T1 ’=Tdif ……(3−2) T1 =T1 ’……(3−3) 上記(3−3)式は次のことを意味する。即ち、直接波
信号C2の伝搬時間の真値と、反射波信号C3の伝搬時
間の真値との差である真値T1 (C2K 〜C3 K 間の領
域)を求めるには、計測値TB(TB>TA)と計測値
TAとの間の計測値差を求めれば良い。
【0032】従って本実施例では上記したごとく、T1
=T1 ’が成立するため、コンパレータのしきい値VO
の影響を実質的に解消でき、計測値差であるT1 ’を求
めれば、反射波信号C3の伝搬時間の真値から直接波信
号C2の伝搬時間の真値までの差である真値T1 を求め
ることができる。このようにしきい値VO の影響を解消
できる本実施例では、使用環境温度等の変動等に起因し
てコンパレータのしきい値VO が変動したとしても、そ
れに起因する誤差を低減または解消するのに有利であ
る。
=T1 ’が成立するため、コンパレータのしきい値VO
の影響を実質的に解消でき、計測値差であるT1 ’を求
めれば、反射波信号C3の伝搬時間の真値から直接波信
号C2の伝搬時間の真値までの差である真値T1 を求め
ることができる。このようにしきい値VO の影響を解消
できる本実施例では、使用環境温度等の変動等に起因し
てコンパレータのしきい値VO が変動したとしても、そ
れに起因する誤差を低減または解消するのに有利であ
る。
【0033】本実施例では図1から理解できるように、
磁歪材5の延設方向において、受信コイル4から永久磁
石6までの距離をLO 、永久磁石6からコイルバネ9の
先端部9cまでの距離をL1 とし、受信コイル4からコ
イルバネ9の先端部9cまでの距離をL(固定値)とす
ると、弾性波の進行した距離は、弾性波の速度Vと走行
した時間の真値T1 との積であるため、次の(4)式が
成立する。更に図1から理解できるように、次の(5)
式が成立する。
磁歪材5の延設方向において、受信コイル4から永久磁
石6までの距離をLO 、永久磁石6からコイルバネ9の
先端部9cまでの距離をL1 とし、受信コイル4からコ
イルバネ9の先端部9cまでの距離をL(固定値)とす
ると、弾性波の進行した距離は、弾性波の速度Vと走行
した時間の真値T1 との積であるため、次の(4)式が
成立する。更に図1から理解できるように、次の(5)
式が成立する。
【0034】2×L1 =V×T1 ……(4) LO =L−L1 ……(5) ここで磁歪材5を伝搬する弾性波の速度Vはその温度に
おいて一定値とみなし得るため、(3−3)式で求めた
T1 を(4)式に代入すれば、2L1 ひいてはL1 が求
まる。(4)式は、永久磁石6の変位を2倍に増幅して
把握するため、変位増幅手段として機能する。
おいて一定値とみなし得るため、(3−3)式で求めた
T1 を(4)式に代入すれば、2L1 ひいてはL1 が求
まる。(4)式は、永久磁石6の変位を2倍に増幅して
把握するため、変位増幅手段として機能する。
【0035】求めたL1 を(5)式に代入すれば、受信
コイル4から永久磁石6までの距離LO が求まる。この
結果、磁歪材5の延設方向における永久磁石6の相対変
位が検出される。図3は上記した操作手順の流れを示
す。ステップS2では、電流パルスIcが供給される。
ステップS4では、直接波のC2の伝搬時間の計測値T
Aが計測される。ここで前記したようにTA=TO ’=
TO −ΔT1 が成立する。
コイル4から永久磁石6までの距離LO が求まる。この
結果、磁歪材5の延設方向における永久磁石6の相対変
位が検出される。図3は上記した操作手順の流れを示
す。ステップS2では、電流パルスIcが供給される。
ステップS4では、直接波のC2の伝搬時間の計測値T
Aが計測される。ここで前記したようにTA=TO ’=
TO −ΔT1 が成立する。
【0036】ステップS6では、反射波のC3の伝搬時
間の計測値TBが計測される。ここでTB=(TO ’+
T1 ’)=(TO +T1 )−ΔT2 が成立する。ステッ
プS8では、計測値の差(TB−TA)、つまり計測値
差Tdif が求められる。ここで前記したように、T1 ’
=Tdif 、T1 =T1 ’が成立する。ステップS10で
は、2L1 =V×T1 に基づいて、L1 が求められる。
ステップS12では、LO =L−L1 に基づいて、LO
が求められる。
間の計測値TBが計測される。ここでTB=(TO ’+
T1 ’)=(TO +T1 )−ΔT2 が成立する。ステッ
プS8では、計測値の差(TB−TA)、つまり計測値
差Tdif が求められる。ここで前記したように、T1 ’
=Tdif 、T1 =T1 ’が成立する。ステップS10で
は、2L1 =V×T1 に基づいて、L1 が求められる。
ステップS12では、LO =L−L1 に基づいて、LO
が求められる。
【0037】(実施例の効果)以上説明したように本実
施例によれば、磁歪材5の長さ方向において永久磁石6
がΔL相対変位したとき、ΔLが増幅され、その増幅に
基づいて永久磁石6の相対変位が検出される。そのため
検出精度の向上に有利である。具体的には、磁歪材5の
延設方向において永久磁石6とコイルバネ9との距離を
L1 としたとき、前記した(4)式に基づき、実質的に
(2×L1 )に関する物理量が把握される。そして(2
×L1 )に関する物理量に基づいて、磁歪材5の延設方
向における永久磁石6の相対変位を検出する。そのため
永久磁石6がΔL相対変位したとき、ΔLが2倍に増幅
される。例えば、磁歪材5の延設方向において永久磁石
6が1mm変位したとき、2mmの変位量として把握さ
れる。従って、永久磁石6の相対変位を検出する検出精
度の向上に有利である。
施例によれば、磁歪材5の長さ方向において永久磁石6
がΔL相対変位したとき、ΔLが増幅され、その増幅に
基づいて永久磁石6の相対変位が検出される。そのため
検出精度の向上に有利である。具体的には、磁歪材5の
延設方向において永久磁石6とコイルバネ9との距離を
L1 としたとき、前記した(4)式に基づき、実質的に
(2×L1 )に関する物理量が把握される。そして(2
×L1 )に関する物理量に基づいて、磁歪材5の延設方
向における永久磁石6の相対変位を検出する。そのため
永久磁石6がΔL相対変位したとき、ΔLが2倍に増幅
される。例えば、磁歪材5の延設方向において永久磁石
6が1mm変位したとき、2mmの変位量として把握さ
れる。従って、永久磁石6の相対変位を検出する検出精
度の向上に有利である。
【0038】本実施例によれば、直接波が受信コイル4
へ伝搬する伝搬時間をTAとし、反射波が受信コイル4
へ伝搬する伝搬時間をTBとしたとき、(TB−TA)
に基づいて、磁歪材5の延設方向における永久磁石6の
相対変位を検出する。このようにすれば、前述の記載か
ら理解できるように、コンパレータのしきい値による影
響を相殺して解消するのに有利である。従って、永久磁
石6の相対変位を検出する検出精度の向上に有利であ
る。
へ伝搬する伝搬時間をTAとし、反射波が受信コイル4
へ伝搬する伝搬時間をTBとしたとき、(TB−TA)
に基づいて、磁歪材5の延設方向における永久磁石6の
相対変位を検出する。このようにすれば、前述の記載か
ら理解できるように、コンパレータのしきい値による影
響を相殺して解消するのに有利である。従って、永久磁
石6の相対変位を検出する検出精度の向上に有利であ
る。
【0039】(他の例)上記した実施例では、収容管体
10は車体等のバネ上部分の固定部に固定されており、
永久磁石6が可動部60に保持されており、可動部60
の移動に伴い永久磁石6が収容管体10の長さ方向に沿
って移動する方式である。しかしこれに限らず、永久磁
石6を固定方式とし、収容管体10を可動部60に保持
し、可動部60の移動に伴い収容管体10を永久磁石6
に対して移動させる方式としても良い。
10は車体等のバネ上部分の固定部に固定されており、
永久磁石6が可動部60に保持されており、可動部60
の移動に伴い永久磁石6が収容管体10の長さ方向に沿
って移動する方式である。しかしこれに限らず、永久磁
石6を固定方式とし、収容管体10を可動部60に保持
し、可動部60の移動に伴い収容管体10を永久磁石6
に対して移動させる方式としても良い。
【0040】上記した実施例では、電流パルスIcの供
給時刻を時間計測の際の開始時刻としているが、これに
限らず、前記した直接波信号C2が受信コイル4に到達
した時刻を、時間計測の際の開始時刻としても良い。
給時刻を時間計測の際の開始時刻としているが、これに
限らず、前記した直接波信号C2が受信コイル4に到達
した時刻を、時間計測の際の開始時刻としても良い。
【0041】
【発明の効果】請求項1に係る装置によれば、検出手段
は、磁歪材の延設方向において永久磁石の変位を増大し
て検出する変位増幅手段を具備する。そのため永久磁石
がΔL相対変位したとき、ΔLが増幅されて検出され、
永久磁石の相対変位を検出する検出精度の向上に有利で
ある。
は、磁歪材の延設方向において永久磁石の変位を増大し
て検出する変位増幅手段を具備する。そのため永久磁石
がΔL相対変位したとき、ΔLが増幅されて検出され、
永久磁石の相対変位を検出する検出精度の向上に有利で
ある。
【0042】請求項2に係る装置によれば、変位増幅手
段は、磁歪材の延設方向において永久磁石と反射部材と
の距離をL1 としたとき、実質的に(2×L1 )に関す
る物理量を検出し、(2×L1 )に基づいて、磁歪材の
延設方向における永久磁石の相対位置を検出する。その
ため永久磁石がΔL相対変位したとき、ΔLが2倍に増
幅されて把握される。従って、永久磁石の相対変位を検
出する検出精度の向上に有利である。
段は、磁歪材の延設方向において永久磁石と反射部材と
の距離をL1 としたとき、実質的に(2×L1 )に関す
る物理量を検出し、(2×L1 )に基づいて、磁歪材の
延設方向における永久磁石の相対位置を検出する。その
ため永久磁石がΔL相対変位したとき、ΔLが2倍に増
幅されて把握される。従って、永久磁石の相対変位を検
出する検出精度の向上に有利である。
【0043】請求項3に係る装置によれば、検出手段
は、磁歪材に沿って受信手段に直接近づくように進行す
る弾性波を直接波とし、受信手段から遠ざかる方向に前
進した後、反射部材で反射し受信手段に近づくように進
行する弾性波を反射波とし、直接波が受信手段へ伝搬す
る伝搬時間をTAとし、反射波が受信手段へ伝搬する伝
搬時間をTBとしたとき、(TB−TA)に基づいて、
磁歪材の延設方向における永久磁石の相対位置を検出す
る。このようにすれば、しきい値を用いて信号を波形整
形する場合における計測誤差を低減、回避するのに有利
である。従って、永久磁石の相対変位を検出する検出精
度の向上に有利である。故に、使用環境温度の変動等に
起因してしきい値の大きさが変動しても、その影響を回
避するのに有利である。
は、磁歪材に沿って受信手段に直接近づくように進行す
る弾性波を直接波とし、受信手段から遠ざかる方向に前
進した後、反射部材で反射し受信手段に近づくように進
行する弾性波を反射波とし、直接波が受信手段へ伝搬す
る伝搬時間をTAとし、反射波が受信手段へ伝搬する伝
搬時間をTBとしたとき、(TB−TA)に基づいて、
磁歪材の延設方向における永久磁石の相対位置を検出す
る。このようにすれば、しきい値を用いて信号を波形整
形する場合における計測誤差を低減、回避するのに有利
である。従って、永久磁石の相対変位を検出する検出精
度の向上に有利である。故に、使用環境温度の変動等に
起因してしきい値の大きさが変動しても、その影響を回
避するのに有利である。
【図1】第1実施例に係る構成図である。
【図2】第1実施例に係る信号波形のタイミングを示す
説明図である。
説明図である。
【図3】第1実施例に係る操作手順を示す説明図であ
る。
る。
【図4】従来技術に係る構成図である。
【図5】従来技術に係る信号波形のタイミングを示す説
明図である。
明図である。
【図6】別の従来技術に係る構成図である。
【符号の説明】 図中、1は基体、4は受信コイル(受信手段)、5は磁
歪材、6は永久磁石、70はパルス供給回路(パルス供
給手段)、75は波形整形回路、9はコイルバネ(反射
部材)を示す。
歪材、6は永久磁石、70はパルス供給回路(パルス供
給手段)、75は波形整形回路、9はコイルバネ(反射
部材)を示す。
Claims (3)
- 【請求項1】一方向に延設された状態で架設され弾性波
を発生可能な磁歪材と、 前記磁歪材の一端側に設けられ弾性波を反射する反射部
材と、 前記磁歪材の延設方向に沿って相対移動可能な永久磁石
と、 前記磁歪材にこれの延設方向に沿って流れる電流パルス
を供給するパルス供給手段と、 前記磁歪材の他端部の側に設けられ、前記電流パルスに
よる磁場と前記永久磁石による磁場とに基づいて前記磁
歪材に発生する前記永久磁石の相対位置に応じた弾性波
を受信する受信手段と、 前記受信手段による弾性波の受信に伴い、前記磁歪材の
延設方向における前記永久磁石の相対変位を検出する検
出手段とを具備する磁歪式変位検出装置において、 前記検出手段は、 前記磁歪材の延設方向において前記永久磁石の変位を増
幅した物理量を検出し、その物理量に基づいて、前記磁
歪材の延設方向における前記永久磁石の相対変位を検出
する変位増幅手段を具備することを特徴とする磁歪式変
位検出装置。 - 【請求項2】前記変位増幅手段は、 前記磁歪材の延設方向において前記永久磁石と前記反射
部材との距離をL1 としたとき、実質的に(2×L1 )
に関する物理量を検出し、この物理量に基づいて、前記
磁歪材の延設方向における前記永久磁石の相対変位を検
出することを特徴とする磁歪式変位検出装置。 - 【請求項3】一方向に延設された状態で架設され弾性波
を発生可能な磁歪材と、 磁歪材の一端側に設けられ弾性波を反射する反射部材
と、 前記磁歪材の延設方向に沿って相対移動可能な永久磁石
と、 前記磁歪材にこれの延設方向に沿って流れる電流パルス
を供給するパルス供給手段と、 前記磁歪材の他端部の側に設けられ、前記電流パルスに
よる磁場と前記永久磁石による磁場とに基づいて前記磁
歪材に発生する前記永久磁石の相対位置に応じた弾性波
を受信する受信手段と、 前記受信手段による弾性波の受信に伴い、前記磁歪材の
延設方向における前記永久磁石の相対変位を検出する検
出手段とを具備する磁歪式変位検出装置において、 前記検出手段は、 前記磁歪材に沿って前記受信手段に直接近づくように進
行する弾性波を直接波とし、前記受信手段から遠ざかる
方向に前進した後、前記反射部材で反射し前記受信手段
に近づくように進行する弾性波を反射波とし、 前記直接波が前記受信手段へ伝搬される伝搬時間をTA
とし、前記反射波が前記受信手段へ伝搬される伝搬時間
をTBとしたとき、 (TB−TA)に基づいて、前記磁歪材の延設方向にお
ける前記永久磁石の相対変位を検出することを特徴とす
る磁歪式変位検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5760497A JPH10253399A (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | 磁歪式変位検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5760497A JPH10253399A (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | 磁歪式変位検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10253399A true JPH10253399A (ja) | 1998-09-25 |
Family
ID=13060472
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5760497A Pending JPH10253399A (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | 磁歪式変位検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10253399A (ja) |
-
1997
- 1997-03-12 JP JP5760497A patent/JPH10253399A/ja active Pending
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