JPH10252589A - 車両用エンジンの燃料系およびギヤポンプ - Google Patents

車両用エンジンの燃料系およびギヤポンプ

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JPH10252589A
JPH10252589A JP9057362A JP5736297A JPH10252589A JP H10252589 A JPH10252589 A JP H10252589A JP 9057362 A JP9057362 A JP 9057362A JP 5736297 A JP5736297 A JP 5736297A JP H10252589 A JPH10252589 A JP H10252589A
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賢二 平工
Yuuzou Kadomukai
裕三 門向
Yukio Takahashi
由起夫 高橋
Kenji Okuna
健二 奥名
Yasuo Kita
康雄 喜多
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    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M37/00Apparatus or systems for feeding liquid fuel from storage containers to carburettors or fuel-injection apparatus; Arrangements for purifying liquid fuel specially adapted for, or arranged on, internal-combustion engines
    • F02M37/04Feeding by means of driven pumps
    • F02M37/041Arrangements for driving gear-type pumps

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
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  • Details And Applications Of Rotary Liquid Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】シールブロック形ギヤポンプを車両用エンジン
の燃料系に使用し得るものとする。 【解決手段】シール部材をギヤケースと別個で、かつ低
圧側かみ合い部近傍で1ないし2枚の歯先との間で設け
ると共に、歯先シール角度をほぼ35°±5°(歯数Z
=14〜18)にしたギヤポンプを使用して燃料系を構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の筒内噴射エ
ンジンの燃料系およびその系に使用されて特に効果を発
揮するギヤポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】特開平3−271577号公報には、内
燃機関および自動伝動装置用の歯車ポンプが、そして特
開平2−294578号公報には歯車を使用した歯車ポ
ンプからなる燃料搬送装置が記載されている。
【0003】特開平4−231688号公報には、相互
にかみ合う歯の間に、広がったり狭まったりして容積が
変化するポンプ室を円周方向に形成する内外側歯車回転
子と、内外側歯車回転子相互間で軸方向に開口し、相互
に隔設され、前記容積が変化するポンプ室内に至る流体
入口および出口手段と、入口および出口相互間にて流体
の移送のために歯車回転子を駆動させるように内側歯車
回転子と連結する装置と、前記外側歯車回転子を包囲す
るハウジングを含み、該外側歯車回転子の回転を案内す
る装置と、ハウジングの出口に隣接して設けられ、前記
外側歯車回転子を軸支する軸受装置とを包含し、外側歯
車回転子が該軸受装置以外では該ハウジング内を自由遊
動でき、狭められたポンプ室内の流体圧力により、外側
歯車回転子が前記軸受装置に押しつけられ、拡がったポ
ンプ室における漏出隙間を減少させることを特徴とする
ジロータポンプが記載されている。
【0004】また、特公昭45−16300号公報に
は、密封された歯車ケース内において互いにかみ合う両
歯車の歯先シールを行うシール部材を、歯車ケースと別
個で、かつ低圧側かみ合い部近傍に設けるとともに、こ
のシール部材に油流通孔を形成した油圧歯車ポンプまた
はモータが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】燃料ポンプをエンジン
と直結せず切り離すことによって、ポンプの取り付け上
の制約がなくなり、始動時における燃料の増量性がよく
なり、汎用性が向上する。このため、エンジンから切り
離された電動ギヤポンプが提案されて来た。従来のギヤ
ポンプにあっては効率あるいは燃費の面で更なる向上が
要望される。
【0006】前述した特公昭45−16300号公報に
記載されるギヤポンプは構造が簡単で、粘性の高い流体
に対しては効率がよく、信頼性が高いという特徴をも
つ。ただ、このギヤポンプは、公報にも記載されている
ように、油圧歯車ポンプとして使用されるものであっ
て、粘性の低い燃料を扱う車両の燃料ポンプとして使用
するには適さない。車両の燃料ポンプは、その搬送の対
象が主にガソリンであるためキャビテーションの発生を
防止するものでなければならない。また、車両の燃料系
に使用されるものであるから昇圧性がよく、かつ燃費を
向上させるものでなければならない。
【0007】本発明は、シール形ギヤポンプの特徴を生
かしつつ、車両の燃料ポンプとして使用し得るギヤポン
プおよびこれを使用した車両用エンジンの燃料系、特に
筒内噴射エンジンの燃料系を提供することを目的とす
る。更に、具体的には、(1)ガソリン車における燃料ポ
ンプにおけるキャビテーション発生を防止する、あるい
は(2)昇圧性がよく、かつ燃費を向上することができる
ギヤポンプおよびこれを使用した車両用エンジンの燃料
系を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】油圧用としては公知のシ
ールブロック形ギヤポンプ(各種ギヤポンプの中で最も
効率が高い)を低粘性流体(すなわちガソリン)で使用
する場合は種々の課題を解決しなければならない。
【0009】(1)吸込時のキャビテーション シールブロック形ギヤポンプは吸込ポートが小さく、キ
ャビテーションを起こしやすい。特にガソリンにおいて
顕著である。
【0010】(2)容積効率の向上(漏れの低減) ガソリンは低粘度(油の1/100)のため漏れが多く
なる。
【0011】(3)機械効率の向上(摩擦の低減) 潤滑材の使用は許されない状態での摩擦を低減する必要
がある。
【0012】(4)長寿命化(摩耗の低減、キャビテー
ション壊食の回避) ガソリンは潤滑性に乏しく、キャビテーションを起こし
やすい。
【0013】本発明は、燃料を噴射して火花点火により
燃焼させる車両用エンジンの燃料系において、燃料を噴
射する燃料噴射ノズルと、密封されたギヤケース内にお
いて互いにかみ合う両ギヤの歯先シールを行うシール部
材を、ギヤケースと別個で、かつ低圧側かみ合い部近傍
で1ないし2枚の歯先との間で設けると共に、このシー
ル部材に低圧燃料流通孔を形成し、両ギヤのかみ合い部
および当該シール部以外のケース内部を高圧燃料流通部
とし、かつ歯先シール角度をほぼ35°±5°(歯数Z
=14〜18)にしたギヤポンプと、燃料タンクと、か
つ該燃料タンクと前記低圧燃料流通孔を結ぶ燃料配管な
らびに前記燃料噴射ズルと前記高圧燃料流通部とを結ぶ
配管とからなることを特徴とする車両用エンジンの燃料
系を提供する。
【0014】本発明は、筒内に直接燃料を噴射して火花
点火により燃焼させる筒内噴射エンジンの燃料系におい
て、燃料を噴射する燃料噴射ノズルと、密封されたギヤ
ケース内において互いにかみ合う両ギヤの歯先シールを
行うシール部材を、ギヤケースと別個で、かつ低圧側か
み合い部近傍で1ないし2枚の歯先との間で設けると共
に、このシール部材に低圧燃料流通孔を形成し、両ギヤ
のかみ合い部および当該シール部以外のケース内部を高
圧燃料流通部とし、かつ該高圧燃料流通部の圧力が3〜
10MPa(気圧)とされたギヤポンプと、および燃料
タンクと、該燃料タンクと前記低圧燃料流通孔を結ぶ燃
料配管ならびに前記燃料噴射ノズルと前記高圧燃料流通
部とを結ぶ配管とからなることを特徴とする筒内噴射エ
ンジン用燃料系を提供する。
【0015】本発明は、筒内に直接燃料を噴射して火花
点火により燃焼させる筒内噴射エンジンの燃料系におい
て、燃料を噴射する燃料噴射ノズルと、密封されたギヤ
ケース内において互いにかみ合う両ギヤの歯先シールを
行うシール部材を、ギヤケースと別個で、かつ低圧側か
み合い部近傍で1ないし2枚の歯先との間で設けると共
に、このシール部材に低圧燃料流通孔を形成し、両ギヤ
のかみ合い部および当該シール部以外のケース内部を高
圧燃料流通部とし、かつ該高圧燃料流通部の圧力が3〜
10MPa(気圧)とされ、かつ歯先シール角度をほぼ
35°±5°(歯数Z=14〜18)としたギヤポンプ
と、および燃料タンクと、該燃料タンクと前記低圧燃料
流通孔を結ぶ燃料配管ならびに前記燃料噴射ノズルと前
記高圧燃料流通部とを結ぶ配管とからなることを特徴と
する筒内噴射エンジン用燃料系を提供する。
【0016】本発明は、筒内に直接燃料を噴射して火花
点火により燃焼させる筒内エンジンの燃料系において、
燃料を噴射する燃料噴射ノズルと、密封されたギヤケー
ス内において互いにかみ合う両ギヤの歯先シールを行う
シール部材を、ギヤケースと別個で、かつ低圧側かみ合
い部近傍に設けると共に、このシール部材に低圧燃料流
通孔を形成し、両ギヤのかみ合い部および当該シール部
以外のケース内部を高圧燃料流通部としたギヤポンプ
と、燃料ポンプと、該燃料タンクと前記低圧燃料流通孔
を結ぶ第1の燃料配管ならびに前記燃料噴射ノズルと前
記高圧燃料流通部とを結ぶ第2の配管と、かつ前記第1
の配管の途中に設けられ、前記低圧燃料流通孔における
キャビテーションが防止されるに充分な圧力を燃料に付
与するブースト用ポンプとからなることを特徴とする筒
内噴射エンジン用燃料系を提供する。 好ましくは、前
記ブースト用ポンプの吐出圧力を0.2〜0.5MPa
(気圧)とした。
【0017】本発明は、車両燃料の圧送のために使用さ
れるギヤポンプにおいて、密封されたギヤケース内にお
いて互いにかみ合う両ギヤの歯先シールを行うシール部
材を、ギヤケースと別個で、かつ低圧側かみ合い部近傍
で複数の歯先との間で設けると共に、このシール部材に
低圧燃料流通孔を形成し、両ギヤのかみ合い部および当
該シール部以外のケース内部を高圧燃料流通部とし、か
つギヤとこのギヤの側部に設けられる側板を熱膨張率の
等しい材料としたことを特徴とするギヤポンプを提供す
る。
【0018】本発明は、車両燃料の圧送のために使用さ
れるギヤポンプにおいて、密封されたギヤケース内にお
いて互いにかみ合う両ギヤの歯先シールを行うシール部
材を、ギヤケースと別個で、かつ低圧側かみ合い部近傍
で複数の歯先との間で設けると共に、このシール部材に
低圧燃料流通孔を形成し、両ギヤのかみ合い部および当
該シール部以外のケース内部を高圧燃料流通部とし、か
つ歯先シール角度をほぼ1.5×360°÷歯数(歯数
Z=14〜18)としたことを特徴とするギヤポンプを
提供する。
【0019】本発明は、密封されたギヤケース内におい
て互いにかみ合う両ギヤの歯先シールを行うシール部材
を、ギヤケースと別個で、かつ低圧側かみ合い部近傍で
複数の歯先との間で設けると共に、このシール部材に低
圧燃料流通孔を形成し、両ギヤのかみ合い部および当該
シール部以外のケース内部を高圧燃料流通部とし、かつ
歯先シール角度をほぼ35°±5°(歯数Z=14〜1
8)にしたギヤポンプを提供する。
【0020】本発明は、車両燃料の圧送のために使用さ
れるギヤポンプにおいて、密封されたギヤケース内にお
いて互いにかみ合う両ギヤの歯先シールを行うシール部
材を、ギヤケースと別個で、かつ低圧側かみ合い部近傍
で複数の歯先との間で設けると共に、このシール部材に
低圧燃料流通孔を形成し、両ギヤのかみ合い部および当
該シール部以外のケース内部を高圧燃料流通部とし、か
つギヤの側部に設けられた側板に圧力区画シールを設
け、これを1つの閉曲線をしたことを特徴とするギヤポ
ンプを提供する。
【0021】本発明は、車両燃料の圧送のために使用さ
れるギヤポンプにおいて、密封されたギヤケース内にお
いて互いにかみ合う両ギヤの歯先シールを行うシール部
材を、ギヤケースと別個で、かつ低圧側かみ合い部近傍
で複数の歯先との間で設けると共に、このシール部材に
低圧燃料流通孔を形成し、両ギヤのかみ合い部および当
該シール部以外のケース内部を高圧燃料流通部とし、か
つギヤの側部に設けられた側板に圧力区画シールを設
け、これを階段状の断面としたことを特徴とするギヤポ
ンプを提供する。
【0022】本発明は、密封されたギヤケース内におい
て互いにかみ合う両ギヤの歯先シールを行うシール部材
を、ギヤケースと別個で、かつ低圧側かみ合い部近傍で
複数の歯先との間で設けると共に、このシール部材に低
圧燃料流通孔を形成し、両ギヤのかみ合い部および当該
シール部以外のケース内部を高圧燃料流通部とし、かつ
両ギヤ内のドリブンギヤのシャフトをケースに無物束と
し、両ギヤおよびシール部材からなる内部部品の回転反
力をシール部材背面の中央部で支えるようにしたことを
特徴とするギヤポンプを提供する。
【0023】本発明は、密封されたギヤケース内におい
て互いにかみ合う両ギヤの歯先シールを行うシール部材
を、ギヤケースと別個で、かつ低圧側かみ合い部近傍で
複数の歯先との間で設けると共に、このシール部材に低
圧燃料流通孔を形成し、両ギヤのかみ合い部および当該
シール部以外のケース内部を高圧燃料流通部とし、かつ
歯先シール部におけるシール部材の部分円弧をギヤの側
部に設けられる側板の部分円弧よりも大きくしたことを
特徴とするギヤポンプを提供する。
【0024】
【発明の実施の形態】筒内噴射エンジン用には、従来、
ピストンポンプが用いられていた。ピストンポンプは性
能的には優れているが、部品点数が多く高い加工精度を
必要とするなど、コスト面において問題がある。これに
対してギヤポンプを用いれば、部品点数を低減できるな
ど、コスト的には大幅な低減が可能であるが、性能面に
おいては解決すべき大きな問題を抱えており、実用化は
困難であった。ギヤポンプを車両用エンジンの燃料系、
特に粘性の低いガソリンを高圧で使用する筒内噴射エン
ジンの燃料系に適用した実施例を以下で説明する。
【0025】以下、本発明の実施例について添付の図面
を参照しながら詳細に説明する。
【0026】図1は、本発明の一実施例である車両用エ
ンジンの燃料系の構成図であり、この図に示す燃料系
は、燃料をタンク6より移送するフィードポンプ2と、
フィードポンプより吐出された燃料をさらに加圧する高
圧用のシールブロック形ギヤポンプ3と(以下、ギヤポ
ンプと称す)、ギヤポンプを駆動するモータ8と、フィ
ードポンプの吐出圧力を調節する低圧プレッシャレギュ
レータ4と、ギヤポンプの吐出圧力を調節する高圧プレ
ッシャレギュレータ5と、ギヤポンプより吐出された燃
料を噴射する燃料噴射弁7と、燃料噴射弁に入力電流を
与える駆動回路11と、燃料噴射弁に与える燃料圧力を
計測する圧力センサ12と、各種センサからの情報を元
に駆動回路およびモータに入力信号を与えるコントロー
ルユニット10とを含んで構成されている。
【0027】本実施例ではギヤポンプの吐出圧力の調整
を高圧レギュレータ5により行っているが、これを単な
る固定絞りとし、ギヤポンプの回転数制御により吐出圧
力を調整する方法も可能である。すなわち圧力センサ1
2の情報を基に、コントロールユニット10によりモー
タ8の回転数を制御してギヤポンプの吐出流量を制御す
れば吐出圧力の制御が可能となる。この方式によれば高
圧レギュレータを省略できるだけでなく、任意の圧力に
制御する可変圧力制御も可能となる。
【0028】また、本実施例は本発明の車両用エンジン
の燃料系を筒内噴射式ガソリンエンジンの燃料系に適用
した例であり、筒内噴射式ガソリンエンジンにおいては
圧縮行程の高圧雰囲気中への燃料噴射や、限られた短い
噴射期間で所定の燃料をシリンダ内に噴射することが求
められるため、燃料噴射圧力すなわちギヤポンプの吐出
圧力は従来のポート噴射式エンジンに比べはるかに高圧
の3〜10MPa程度とする必要がある。将来的にはさら
に高圧化する可能性もある。
【0029】ここで、本発明の燃料系に用いるシールブ
ロック形ギヤポンプ3は各種ギヤポンプの中で最も効率
が高い特長があるが、その構造上吸込ポートが小さく、
結果吸込流速が上がりキャビテーションが比較的発生し
易くなる短所がある。すなわち流速が上がるとポンプ内
部の最低圧力が下がり、これが空気分離圧以下になると
キャビテーションが発生する。キャビテーションが発生
すると、それ以上回転速度が大きくなっても吐出量が増
加しなくなり、また吸込ポートで発生した気泡が吐出側
で破壊する際の衝撃圧力によって金属表面が浸食され
る、いわゆるキャビテーションエロージョンが起きるな
どの大きな問題を引き起こす。
【0030】またガソリン自体キャビテーションが起こ
りやすい液体であり、大気圧下においては40℃くらい
から気泡が発生し、50℃くらいではこれがかなりさか
んになる。特に車両のガソリン用ポンプとして用いる場
合には、エンジン等の熱によりガソリンが高温となるた
め、よりキャビテーションが発生し易い状況となりこの
点においてシールブロック形ギヤポンプをそのまま用い
るのは困難である。
【0031】そこで本発明の一実施例である車両用エン
ジンの燃料系では、シールブロック形ギヤポンプ3の前
段にブースト用のフィードポンプ2を配置し、そのブー
スト圧力を概ね0.2〜0.5MPaとすることでキャビテーシ
ョンの発生を抑制し、シールブロック形ギヤポンプの使
用を可能としたものである。すなわちガソリン中に溶解
できる飽和空気量は高圧になるに従い増えるので、フィ
ードポンプにより吸込圧力を上げればキャビテーション
の発生を抑制することができる。
【0032】ただし、その圧力はエンジンの省燃費の観
点からキャビテーションを防止し得る範囲でできるだけ
低圧であることが望ましい。ガソリン自体混合物であり
その物性にばらつきはあるものの、概ね0.2〜0.5MPaの
圧力がキャビテーションの発生を防ぎつつ、小動力での
フィードポンプの駆動を行うに適正な値である。
【0033】以上のようにしてシールブロック式ギヤポ
ンプを車両用エンジンの燃料系に適用することが可能と
なったが、エンジンの低燃費化を図るためにはポンプの
更なる効率向上が望まれる。特にガソリンでは一般の油
圧作動油に比して粘性が約1/100程度と非常に小さ
いためポンプの内部漏れが増大し、容積効率が著しく低
下する。またガソリン自身の潤滑性が期待できないので
摩擦抵抗の増大による機械効率の低下も予想され、磨
耗、焼き付き等に対する信頼性の確保も困難となる。
【0034】このため本発明の一実施例であるシールブ
ロック形ギヤポンプは以下のような特徴を備えたもので
ある。本ポンプの詳細な構造を図2〜図6を用いて説明
する。
【0035】図2は本発明の一実施例であるシールブロ
ック形ギヤポンプの縦断面図であり、図2におけるI−
I断面、II−II断面、III−III断面をそれぞれ図3、図
4、図5に示す。
【0036】図2において、41はフロントカバー、3
7はリアケースで、軸受39a、39a’を介してドラ
イブシャフト201と一体になったドライブギヤ31が
両者41、37に軸支されている。ドリブンギヤ32は
シャフト202と一体で回転可能に支持されており、ド
ライブギヤ31と互いにかみ合って回転しポンプ作用を
行うものである。
【0037】34、34’はその一方の側面が両ギヤ3
1、32の側面にそれぞれ摺接し、ギヤの側面シールを
行う一対のシール側板で、図3、図4に示すように両ギ
ヤのシャフト201、202が貫通される孔を有し、こ
のそれぞれの孔に両軸に保持された軸受39a、39
a’および39b、39b’がはめこまれており、この
シール側板によってドライブギヤ、ドリブンギヤの両軸
が平行かつ所定の間隔を有して支持されている。
【0038】リアケースは図3、図4に示すように内部
が円筒形をなすもので、両ギヤ31、32とは離れてこ
れを包囲し、フロントカバー41とで側板34、34’
および両ギヤ31、32を挟み込んで支持している。側
板34、34’は同一形状のもので両ギヤのシールを行
う側は図3に示す形状に、フロントカバー内面、リアケ
ース内面に面する側は図4に示す形状に形成されてい
る。
【0039】両側板は図3、図4に示すように吸込用流
通孔となる吸込ポート35を有しており、吸込ポート近
傍における外縁Rは両ギヤの歯先円の径にほぼ等しく形
成されている。33は吸込ポート近傍において両ギヤ3
1、32の歯先シールを行うシール部材(以下、シール
ブロックと称する。)でフロントカバー41およびリア
ケース37とは別個に構成される。
【0040】シールブロック33のそれぞれのシール面
は、ギヤ外径を直径とする円弧すなわち側板34’のそ
の部における外縁Rと等しく形成され、図4に示すよう
にシールブロック33はそのシール面が側板34’の外
縁Rに接合した状態で両側板34、34’に両持ち保持
されている。なお、吸込ポート35は側板34、34’
およびシールブロック33とフロントカバー41におい
て形成され、吐出ポート36はフロントカバー41内に
形成されリヤケース37内と連通している(図5参
照)。
【0041】シールブロック形ギヤポンプの特長とし
て、歯先すきまはギヤと側板のただ2つの寸法関係で決
まり、多くの部品の集積加工公差の影響を受けない結
果、性能のばらつきが少ないことが挙げられる。また慣
らし運転時にシールブロックの内面をギヤで削り取るこ
とで加工公差を吸収し、極めて微少な歯先すきまとする
ことで性能向上を果たしている。
【0042】ここで本発明のシールブロック形ギヤポン
プではギヤと側板を熱膨張率の等しい材料とすること
で、車両用ポンプとして求められる広い温度範囲での安
定した性能の確保を実現している。仮に両者の熱膨張率
が異なる場合、温度変化によりギヤの歯先円径と側板の
外縁Rとに寸法差ができるるため、歯先すきまが増大し
て著しく容積効率が低下する可能性がある。
【0043】両ギヤのポンプ作用によって吸込ポート3
5より吸い込まれたガソリンはリアケース内Aに放出さ
れ、このケース内に充満すると、ガソリンは吐出ポート
36より外部に吐出される。
【0044】図4において38は、側板34およびシー
ルブロック33の端面に形成された溝34aおよび33
dにはめ込んだ圧力区画シールで吸込ポート35の接合
面のシールを行うものである。これはリアケース内の圧
力すなわち吐出圧力と、吸込ポート部の圧力すなわち吸
込圧力との圧力差によって、リアケース内のガソリンが
この接合面を通って吸込ポートと連通しないようにする
ためのものである。それと同時に側板背面(側板のフロ
ントカバーまたはリアケースとの接合面)の圧力分布を
決定し、側板内面(側板のギヤとの接合面)の圧力との
軸方向推力をバランスさせ、ギヤに対してスラストな推
力が生じないようにする役割を担うものである。
【0045】すなわち、圧力区画シールの内側を吸込圧
力、外側を吐出圧力に区画することで、側板34、3
4’の両面にはケース内の圧力が大きさ等しく作用する
ようになっており、軸方向の完全な圧力バランスが得ら
れている。それと同時に側板34、34’のギヤ側面シ
ールが良好に行われる。
【0046】40は両側板34、34’とリアケース3
7の内面との間に介在された板ばねで、その押圧荷重は
シールブロック33の背面に設けられた突起33cによ
り受けられ、結果、両側板34、34’とこれに両持ち
支持されたシールブロック33とを矢印401の向きに
(リアケース37の内面に向かって)押圧する働きをす
る。
【0047】また、両側板34、34’と両ギヤ31、
32は側板にはめ込まれたドライブ側の軸受39a、3
9a’によりフロントカバー41、リアケース37に位
置決めされ、ドリブン側の軸受39b、39b’はフロ
ントカバー41、リアケース37に対して無拘束とし
て、ドリブン側のシャフト202がドライブ軸201を
中心として回動可能にしている。このためリアケース内
部品全体はドライブ軸を中心として回転しようとする反
作用モーメントが生じるため、ケース内にシールブロッ
ク33の突起部33cを押し当てて回転止めとしてい
る。
【0048】ただし実際両ギヤ31、32がポンプ作用
を行っている間は、リアケース37内の圧力は吸込ポー
トの圧力より大きく、この圧力差によって、シールブロ
ック33は側板34、34’に圧接保持されるから、板
ばね40による押圧力は相対的に小さくなる。したがっ
て板ばね40の役割はポンプ休止時および運転開始時の
低圧力時における内部部品のふらつき防止具である。
【0049】ドリブン側の軸受39b、39b’を無拘
束とした結果、ポンプ内部の主要部品である両ギヤ、両
側板、シールブロックの位置はドライブ軸を基準に全て
が決まり、ポンプ性能に重大な影響を与える両ギヤの平
行度やギヤと側板との直角度は、多くの部品の加工公差
の集積の影響を受けなくなる。したがってこれらを精度
よく管理することが容易となる。仮にドリブン軸側の軸
受けもドライブ側と同様にフロントカバー41およびリ
アケース37に拘束してしまうと、過剰拘束となる結
果、フロントカバー41、リアケース37の加工公差の
影響を受け、両軸のねじれ等を生じる要因となる。
【0050】以上述べたように本ポンプはいわゆる可動
側板タイプのシールブロック形ギヤポンプであり、両ギ
ヤの側面を側板でシールし、歯先をシールブロックでシ
ールしてポンプの内部漏れを極小化させるものである。
側板の役割は吐出圧力の大小に依らずギヤ側面とのすき
まを常に一定に保つためのものであり、基本的にはギヤ
と接触しているため巨視的なすきまはない。もし側板内
面が高圧になれば側板背面のすきまに導かれたガソリン
も高圧になるので軸方向の圧力平衡が保たれる結果、側
板は常にギヤ側面との接触を保つようになっている。
【0051】もしバランスが崩れてギヤと側板内面との
間に隙間が生じた場合には、高圧部から側板の内面を通
って低圧部であるシャフトの外周面にガソリンが漏れて
しまい、昇圧性、燃費を悪くしてしまう。
【0052】その際側板34、34’は摩擦増加による
負荷トルクの増大や、磨耗、焼き付き等の観点からギヤ
側面に押し付けすぎるのは避けるべきであり、ゴムなど
の弾性体で作られた圧力区画シール38、38’による
初期荷重のみでかるくギヤ側面との接触を保っているの
が理想である。またこの場合に、非常に高い燃費性能を
得ることができる。
【0053】このため本発明の一実施例であるシールブ
ロック形ギヤポンプ3は以下のような構造上の特徴を備
えたものである。 (1)歯先シール角度を1.5×360゜÷歯数とす
る。 (2)圧力区画シールを1つの閉曲線とする。 (3)圧力区画シールを階段状の断面とする。
【0054】まず(1)について説明する。図3におい
てシールブロック形ギヤポンプではギヤ外周の圧力分布
はほとんどが高圧(吐出圧力)域であり、ギヤかみ合い
位置から吸込ポート35にかけてが低圧(吸込圧力)域
である。そして側板34’とシールブロック33が接触
する歯先シール区間33a、33bが低圧から高圧に変
化する遷移領域となる。この遷移領域においてはギヤの
回転により歯の接触位置および歯の接触枚数が変化する
ため側板内面の圧力分布が変動を繰り返す。一方側板背
面の圧力分布は圧力区画シールの溝位置により定まり、
こちらは常に一定であるため、側板両面の軸方向力を全
ての瞬間において平衡させることは不可能である。
【0055】ここで、シールブロック形ギヤポンプの歯
先シールはシールブロック33により低圧側の1〜2枚
の歯先のみで確実に行い、他の部分はわざと高圧にさら
すという考え方に立脚しており、側板内面全面積につい
ての圧力積分値に対し、力の変動分は事実上ごくわずか
である。しかしより正確な圧力バランスを実現するため
にはこの変動分を極小化する必要があり、このため本実
施例のシールブロック形ギヤポンプでは、図6に示す歯
先シール角度αを1.5×360゜÷歯数としたもので
ある。
【0056】低圧側の1〜2枚の歯先をシールするため
にはαは(1〜2)×360゜÷歯数の範囲をとり、例
えば歯数14枚の場合α=25.7゜〜51.4゜の範囲とな
る。ここで、図7は側板内面の円周方向圧力分布を直線
に展開してモデル的に表したものであり、図中の斜線で
示した領域が圧力分布の最大変動分である。この図に示
すように歯先シール角度αを歯先1.5枚分としたα=
38.6゜の場合が、最も変動分が小さくなることがわか
る。
【0057】このとき、歯数が14から18枚のギヤを
用いる場合に、歯先1.5枚分をシールするためのα
は、約38.6から30゜であり、概ね35゜±5゜に
すればよい。
【0058】このようにして側板内面の圧力分布の変動
を最小にすることができたが、圧力バランスを正確に行
うには側板背面の圧力分布も精密に位置決めし、正確に
内面の圧力分布と一致させる必要がある。このため本発
明のシールブロック形ギヤポンプでは、(2)圧力区画
シールを1つの閉曲線としたものであり、1本のシール
で行うことにより自由に溝位置を配置できるため精密な
圧力分布の位置決めが容易となる。
【0059】これに対し従来のシールブロック形ギヤポ
ンプでは、例えば特公昭45−16300号公報に記載
のように、圧力区画シールを複数のOリングの組み合わ
せで行っており、各Oリングの干渉を避けるために側板
背面の圧力分布を精密に行うのは困難であった。また組
立性にも問題があり、側板、シールブロックが軸方向に
自由に動けるため、この両者にまたがるOリングが組み
付け時に脱落しやすいという問題も考えられる。
【0060】本発明のシールブロック形ギヤポンプで
は、圧力区画シールを1つの閉曲線とすることの副次効
果として、シールが脱落し難くなり組立性も向上も実現
できた。
【0061】以上のようにして軸方向のスラスト力をほ
ぼ平衡させることができ、弾性体による初期荷重のみで
かるく側板とギヤが接触している状態を得ることができ
る。ここでいう弾性体とは圧力区画シールのことであ
り、材質としては例えばゴム等が適当である。これは高
温から低温まで車両用に要求される広い温度範囲におい
て安定したシール特性が得られる点で優れており、耐ガ
ソリン性の点からフッ素ゴムなどが適当である。しか
し、ゴムを使用する問題としてガソリンによる膨潤があ
り、このため運転中にギヤを挟み込む荷重が増大する可
能性がある。
【0062】そこで本発明に係るシールブロック形ギヤ
ポンプでは図2に示すように、角断面の溝に対し(3)
圧力区画シール38、38’を階段状断面とすること
で、膨潤してもゴムが逃げられる空間を設け、スラスト
力増大の回避を図ったものである。また通常の丸断面や
角断面のゴムシールに比べ、ゴムのスラスト方向のばね
定数を下げることができるので、膨潤の影響を受け難く
なるだけでなく、多くの部品の加工公差の集積により圧
力区画シールの初期つぶし量が変化しても影響を受け難
くくなる結果、常にかるい初期荷重のみでギヤ側面との
接触を保つ理想的な状態を維持することができる。
【0063】また本発明に係るシールブロック形ギヤポ
ンプでは図6に示すように歯先シール部におけるシール
ブロック33の部分円弧を側板34’の部分円弧よりも
大きく角度をとっている。
【0064】この理由は2つあり、1つは歯先シール角
度αをばらつきなく精度出すための工夫で、この構成に
よれば歯先シール角αは側板の部分円弧の角度のみで決
まるためシールブロック33の部分円弧角度が多少ばら
ついても歯先シール角度αは変化しない。もう1つの理
由はキャビテーションエロージョンの対策であり、ポン
プの耐久性向上のための1手段である。
【0065】本発明に係る燃料系ではフィードポンプの
使用によりキャビテーションの発生を抑制してシールブ
ロック形ギヤポンプの適用を可能にしたが、高温時や機
関停止時には少なからず気泡が発生する可能性がある。
発生した気泡が吸込ポート35から回転するギヤの歯溝
内に入った場合、ギヤが回転して歯先シール区間を越え
て高圧域に入った瞬間に高圧のガソリンが歯溝内に流れ
込むため気泡が押しつぶされて超高圧を発生させる。
【0066】このときシールブロック側の部分円弧を側
板側よりも角度を大きくしておくことで歯溝内と高圧域
とは図6に示すB部より先に連通し、その後全体が高圧
域に開放される。このため高圧のガソリンはギヤ両側面
から歯溝内に同時に流れ込み、歯溝内の気泡はギヤの歯
幅方向の中央部でつぶされる。したがってギヤには超高
圧が作用するが、比較的軟らかい材料を用いる側板に比
べ、ギヤは焼き入れ等の表面硬化処理を施してあるの
で、キャビテーションエロージョンは起き難く、結果ポ
ンプの耐久性、寿命を向上させることが出来る。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、油圧用としては公知の
シールブロック形ギヤポンプを低粘性流体(ガソリン)
を輸送する燃料ポンプを使用することができるものとな
った。この発明によれば、 (1)吸込時のキャビテーションの発生が防止された。
【0068】(2)漏れが低減し、容積効率が向上し
た。
【0069】(3)摩擦が低減し、機械効率が向上し
た。
【0070】(4)長寿命化を達成する見通しを得た。
【0071】すなわち、本発明によれば、シールブロッ
ク形ギヤポンプを車両用エンジンの燃料系に使用できる
見通しを得たので、各種ポンプの中で最も効率の高い特
徴を生かしつつ、昇圧性がよく、かつ燃費を向上する燃
料系ならびにそれに使用し得るギヤポンプを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である車両用エンジンの燃料
系の構成図。
【図2】本発明の一実施例であるシールブロック形ギヤ
ポンプの縦断面図。
【図3】本発明の一実施例であるシールブロック形ギヤ
ポンプの横断面図。
【図4】本発明の一実施例であるシールブロック形ギヤ
ポンプの横断面図。
【図5】本発明の一実施例であるシールブロック形ギヤ
ポンプの縦断面図。
【図6】本発明の一実施例であるシールブロック形ギヤ
ポンプのギヤかみ合い部の詳細図。
【図7】本発明の一実施例であるシールブロック形ギヤ
ポンプのギヤ外周の圧力分布を表す図。
【符号の説明】
1…エンジン、2…フィードポンプ、3…シールブロッ
ク形ギヤポンプ、4…低圧プレッシャレギュレータ、5
…高圧プレッシャレギュレータ、6…燃料タンク、7…
燃料噴射弁、8…モータ、10…コントロールユニッ
ト、11…燃料噴射弁駆動回路、12…圧力センサ、3
1…ドライブギヤ、32…ドリブンギヤ、33…シール
ブロック、34…側板、35…吸込ポート、36…吐出
ポート、37…リヤケース、38…圧力区画シール、3
9…軸受、40…押圧ばね、41…フロントカバー、4
2…Oリング、43…オイルシール、44…止め輪。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥名 健二 愛知県尾張旭市晴丘町池上1番地 株式会 社日立製作所情報機器事業部内 (72)発明者 喜多 康雄 京都府京都市西京区大枝北沓掛町3−5− 9

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料を噴射して火花点火により燃焼させる
    車両用エンジンの燃料系において、 燃料を噴射する燃料噴射ノズルと、 密封されたギヤケース内において互いにかみ合う両ギヤ
    の歯先シールを行うシール部材を、ギヤケースと別個
    で、かつ低圧側かみ合い部近傍で1ないし2枚の歯先と
    の間で設けると共に、このシール部材に低圧燃料流通孔
    を形成し、両ギヤのかみ合い部および当該シール部以外
    のケース内部を高圧燃料流通部とし、かつ歯先シール角
    度をほぼ35°±5°(歯数Z=14〜18)にしたギ
    ヤポンプと、 燃料タンクと、 かつ該燃料タンクと前記低圧燃料流通孔を結ぶ燃料配管
    ならびに前記燃料噴射ノズルと前記高圧燃料流通部とを
    結ぶ配管とからなることを特徴とする車両用エンジンの
    燃料系。
  2. 【請求項2】筒内に直接燃料を噴射して火花点火により
    燃焼させる筒内噴射エンジンの燃料系において、 燃料を噴射する燃料噴射ノズルと、 密封されたギヤケース内において互いにかみ合う両ギヤ
    の歯先シールを行うシール部材を、ギヤケースと別個
    で、かつ低圧側かみ合い部近傍で1ないし2枚の歯先と
    の間で設けると共に、このシール部材に低圧燃料流通孔
    を形成し、両ギヤのかみ合い部および当該シール部以外
    のケース内部を高圧燃料流通部とし、かつ該高圧燃料流
    通部の圧力が3〜10MPa(気圧)とされたギヤポン
    プと、および燃料タンクと、 該燃料タンクと前記低圧燃料流通孔を結ぶ燃料配管なら
    びに前記燃料噴射ノズルと前記高圧燃料流通部とを結ぶ
    配管とからなることを特徴とする筒内噴射エンジン用燃
    料系。
  3. 【請求項3】筒内に直接燃料を噴射して火花点火により
    燃焼させる筒内噴射エンジンの燃料系において、 燃料を噴射する燃料噴射ノズルと、 密封されたギヤケース内において互いにかみ合う両ギヤ
    の歯先シールを行うシール部材を、ギヤケースと別個
    で、かつ低圧側かみ合い部近傍で1ないし2枚の歯先と
    の間で設けると共に、このシール部材に低圧燃料流通孔
    を形成し、両ギヤのかみ合い部および当該シール部以外
    のケース内部を高圧燃料流通部とし、かつ該高圧燃料流
    通部の圧力が3〜10MPa(気圧)とされ、かつ歯先
    シール角度をほぼ35°±5°(歯数Z=14〜18)
    としたギヤポンプと、および燃料タンクと、 該燃料タンクと前記低圧燃料流通孔を結ぶ燃料配管なら
    びに前記燃料噴射ノズルと前記高圧燃料流通部とを結ぶ
    配管とからなることを特徴とする筒内噴射エンジン用燃
    料系。
  4. 【請求項4】筒内に直接燃料を噴射して火花点火により
    燃焼させる筒内エンジンの燃料系において、 燃料を噴射する燃料噴射ノズルと、 密封されたギヤケース内において互いにかみ合う両ギヤ
    の歯先シールを行うシール部材を、ギヤケースと別個
    で、かつ低圧側かみ合い部近傍に設けると共に、このシ
    ール部材に低圧燃料流通孔を形成し、両ギヤのかみ合い
    部および当該シール部以外のケース内部を高圧燃料流通
    部としたギヤポンプと、 燃料タンクと、 該燃料タンクと前記低圧燃料流通孔を結ぶ第1の燃料配
    管ならびに前記燃料噴射ノズルと前記高圧燃料流通部と
    を結ぶ第2の配管と、かつ前記第1の配管の途中に設け
    られ、前記低圧燃料流通孔におけるキャビテーションが
    防止されるに充分な圧力を燃料に付与するブースト用ポ
    ンプとからなることを特徴とする筒内噴射エンジン用燃
    料系。
  5. 【請求項5】請求項4において、 前記ブースト用ポンプの吐出圧力を0.2〜0.5MP
    a(気圧)としたことを特徴とする筒内噴射エンジン用
    燃料系。
  6. 【請求項6】車両燃料の圧送のために使用されるギヤポ
    ンプにおいて、 密封されたギヤケース内において互いにかみ合う両ギヤ
    の歯先シールを行うシール部材を、ギヤケースと別個
    で、かつ低圧側かみ合い部近傍で複数の歯先との間で設
    けると共に、このシール部材に低圧燃料流通孔を形成
    し、両ギヤのかみ合い部および当該シール部以外のケー
    ス内部を高圧燃料流通部とし、かつギヤとこのギヤの側
    部に設けられる側板を熱膨張率の等しい材料としたこと
    を特徴とするギヤポンプ。
  7. 【請求項7】車両燃料の圧送のために使用されるギヤポ
    ンプにおいて、 密封されたギヤケース内において互いにかみ合う両ギヤ
    の歯先シールを行うシール部材を、ギヤケースと別個
    で、かつ低圧側かみ合い部近傍で複数の歯先との間で設
    けると共に、このシール部材に低圧燃料流通孔を形成
    し、両ギヤのかみ合い部および当該シール部以外のケー
    ス内部を高圧燃料流通部とし、かつ歯先シール角度をほ
    ぼ1.5×360°÷歯数(歯数Z=14〜18)とし
    たことを特徴とするギヤポンプ。
  8. 【請求項8】密封されたギヤケース内において互いにか
    み合う両ギヤの歯先シールを行うシール部材を、ギヤケ
    ースと別個で、かつ低圧側かみ合い部近傍で複数の歯先
    との間で設けると共に、このシール部材に低圧燃料流通
    孔を形成し、両ギヤのかみ合い部および当該シール部以
    外のケース内部を高圧燃料流通部とし、かつ歯先シール
    角度をほぼ35°±5°(歯数Z=14〜18)にした
    ことを特徴とするギヤポンプ。
  9. 【請求項9】車両燃料の圧送のために使用されるギヤポ
    ンプにおいて、 密封されたギヤケース内において互いにかみ合う両ギヤ
    の歯先シールを行うシール部材を、ギヤケースと別個
    で、かつ低圧側かみ合い部近傍で複数の歯先との間で設
    けると共に、このシール部材に低圧燃料流通孔を形成
    し、両ギヤのかみ合い部および当該シール部以外のケー
    ス内部を高圧燃料流通部とし、かつギヤの側部に設けら
    れた側板に圧力区画シールを設け、これを1つの閉曲線
    としたことを特徴とするギヤポンプ。
  10. 【請求項10】車両燃料の圧送のために使用されるギヤ
    ポンプにおいて、 密封されたギヤケース内において互いにかみ合う両ギヤ
    の歯先シールを行うシール部材を、ギヤケースと別個
    で、かつ低圧側かみ合い部近傍で複数の歯先との間で設
    けると共に、このシール部材に低圧燃料流通孔を形成
    し、両ギヤのかみ合い部および当該シール部以外のケー
    ス内部を高圧燃料流通部とし、かつギヤの側部に設けら
    れた側板に圧力区画シールを設け、これを階段状の断面
    としたことを特徴とするギヤポンプ。
  11. 【請求項11】密封されたギヤケース内において互いに
    かみ合う両ギヤの歯先シールを行うシール部材を、ギヤ
    ケースと別個で、かつ低圧側かみ合い部近傍で複数の歯
    先との間で設けると共に、このシール部材に低圧燃料流
    通孔を形成し、両ギヤのかみ合い部および当該シール部
    以外のケース内部を高圧燃料流通部とし、かつ両ギヤ内
    のドリブンギヤのシャフトをケースに無物束とし、両ギ
    ヤおよびシール部材からなる内部部品の回転反力をシー
    ル部材背面の中央部で支えるようにしたことを特徴とす
    るギヤポンプ。
  12. 【請求項12】密封されたギヤケース内において互いに
    かみ合う両ギヤの歯先シールを行うシール部材を、ギヤ
    ケースと別個で、かつ低圧側かみ合い部近傍で複数の歯
    先との間で設けると共に、このシール部材に低圧燃料流
    通孔を形成し、両ギヤのかみ合い部および当該シール部
    以外のケース内部を高圧燃料流通部とし、かつ歯先シー
    ル部におけるシール部材の部分円弧をギヤの側部に設け
    られる側板の部分円弧よりも大きくしたことを特徴とす
    るギヤポンプ。
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