JPH10252557A - ランキンサイクルエンジン - Google Patents

ランキンサイクルエンジン

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Publication number
JPH10252557A
JPH10252557A JP6337997A JP6337997A JPH10252557A JP H10252557 A JPH10252557 A JP H10252557A JP 6337997 A JP6337997 A JP 6337997A JP 6337997 A JP6337997 A JP 6337997A JP H10252557 A JPH10252557 A JP H10252557A
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JP
Japan
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rankine cycle
cylinder
heating
space
liquid phase
Prior art date
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Pending
Application number
JP6337997A
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English (en)
Inventor
Yutaka Momose
豊 百瀬
Jiyunichi Mita
淳一 三多
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ランキンサイクルエンジンを複数のランキンサ
イクルユニットにて構成して、ランキンサイクルエンジ
ンの出力を増大させる。 【解決手段】作動流体を収容して加熱する加熱室10e
を各ランキンサイクルユニット10a〜10cのシリン
ダ11とは独立して形成し、加熱室10eの空間部16
bと各シリンダ11の加熱空間部11aを連結通路17
を介して連結して、加熱室10eにて加熱された作動流
体を、加熱室10eと各シリンダ11間の圧力差によ
り、各シリンダ11の加熱空間部11aへタイミングバ
ルブ17cを介して同期して供給する。また、各ランキ
ンサイクルユニット10a〜10cの出力取出部を一体
化して、同出力取出部から各ランキンサイクルユニット
10a〜10cの駆動力を総和した出力を取出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水、有機溶液等を
作動流体とするランキンサイクルエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】ランキンサイクルエンジンの一形式とし
て、図2に模式的に示すランキンサイクルエンジンが知
られている。当該ランキンサイクルエンジンは、作動流
体として水を採用しているもので、作動流体である水W
を所定量収容するシリンダ1と、シリンダ1における中
間部を冷却して冷却室1aに構成する冷却器2と、シリ
ンダ1における冷却室1aに隣接する部位を加熱して加
熱室1bに構成する加熱器3を備え、作動流体の液相界
面である水Wの界面に作用する水蒸気の蒸気圧を、水蒸
気を加熱室1bで加熱膨張して増圧させるとともに加熱
膨張した水蒸気を冷却室1aで冷却凝縮して減圧させる
ことにより、水Wを往復運動させて、この水Wの往復運
動の駆動力をエンジン出力として取出して利用するもの
である。
【0003】しかして、当該形式のランキンサイクルエ
ンジンにおいては、運転停止時における水Wの界面を冷
却室1aと加熱室1b間の中間部位に位置するように調
整され、かつ加熱室1bには水Wがわずかに貯溜されて
いる。この状態のランキンサイクルエンジンを運転する
には、加熱室1b内に貯溜されている水Wを加熱して蒸
発膨張して蒸気に変化させて、シリンダ1内の蒸気圧を
増大させる。これにより、シリンダ1内の水Wの界面に
は大きな蒸気力が付与され、水Wは押動されてその界面
が冷却室1aに達する。
【0004】シリンダ1内の水Wの界面が冷却室1aに
達すると、冷却室1a内に侵入した蒸気は冷却凝縮して
その圧力が減少し、水Wは移動方向を反転して加熱室1
b側へ漸次移動し、水Wの界面が加熱室1bに達する
と、加熱室1b内に侵入した水Wが蒸発膨張して、水W
の界面には大きな蒸気力が付与され、水Wは再度押圧さ
れて移動する。
【0005】当該ランキンサイクルエンジンでは、この
ような水Wの往復運動が繰り返し行われ、この往復運動
の駆動力がエンジン出力として外部に取り出されて利用
される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、当該形式の
ランキンサイクルエンジンの出力を増大するには、シリ
ンダの径、および作動流体の液層の振幅を増大するとと
もに、各シリンダ数を増加する手段が考えられる。これ
らの出力増大手段のうち、各シリンダ数を増加させる手
段では、全てのシリンダにおける作動流体の液層の振
幅、振動数、および振動タイミング等の要因を一致させ
る必要があるが、これらの全ての要因を全てのシリンダ
間で一致させることは非常に困難である。
【0007】従って、本発明はかかる問題に対処したも
ので、その主たる目的は、上記した形式のランキンサイ
クルエンジンを1ユニットとして、このランキンサイク
ルユニットを複数使用することにより、ランキンサイク
ルエンジンの出力を増大させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はランキンサイク
ルエンジンに関するもので、本発明に係るランキンサイ
クルエンジンは、液相および気相に相変化する作動流体
を所定量収容するシリンダと、同シリンダの一端側の空
間部を加熱して同空間部を加熱空間部に構成する加熱手
段と、同シリンダの中間部を冷却して同中間部を冷却空
間部に構成する冷却手段とを備え、前記作動流体の液相
界面に作用する同作動流体の気相圧力を、同気相を前記
加熱空間部で加熱膨張して増圧させるとともに加熱膨張
した前記気相を前記冷却空間部で冷却凝縮して減圧させ
ることにより、前記作動流体の液相を往復運動させるラ
ンキンサイクルユニットを複数個備えたランキンサイク
ルエンジンであり、前記作動流体の液相を前記各シリン
ダの加熱空間部に供給する連結通路と、前記各シリンダ
の加熱空間部への該作動流体の供給を同期させるタイミ
ングバルブとを設け、かつ前記各ランキンサイクルユニ
ットの出力取出部を一体化したことを特徴とする。
【0009】当該ランキンサイクルエンジンにおいて
は、前記各ランキンサイクルユニットを構成する各シリ
ンダとは独立して形成された前記作動流体の液相を収納
する液相室を設け前記第1連結通路は該液相室の該液相
を前記各シリンダの加熱空間部に供給するように構成す
ることができる。さらに、前記シリンダ内の前記作動流
体の液相を前記液相室に供給する第2連結通路を設ける
ようにしても良い。また、前記液相室は前記液相を加熱
する液相加熱室としても良い。
【0010】そして、当該ランキンサイクルエンジンに
おいては、前記各ランキンサイクルユニットを構成する
各シリンダの加熱空間部と前記加熱室の空間部とを1本
の連結通路にて連結するとともに、同連結通路の前記各
シリンダに対する全ての連結部位より上流側の部位に前
記タイミングバルブを介装して構成することができる。
【0011】また、当該ランキンサイクルエンジンにお
いては、前記各ランキンサイクルユニットを構成する各
シリンダの他端側を出力取出部を有する1本のシリンダ
に互いに並列的に連結して、前記各ランキンサイクルユ
ニットの出力取出部を一体化する構成とすることができ
る。また、当該ランキンサイクルエンジンにおいては、
前記各ランキンサイクルユニットを構成する各シリンダ
のシリンダ径、前記各加熱空間部における加熱面積、お
よび前記各冷却空間部における冷却面積を略同一に構成
するとともに、前記作動流体の前記各シリンダ内での液
層界面の位置を略同一に設定する構成とすることができ
る。
【0012】
【発明の作用・効果】このように構成したランキンサイ
クルエンジンにおいては、運転中、第1連通管路を通
し、タイミングバルブの開口により各ランキンサイクル
ユニットの各シリンダの加熱空間部に同時に作動流体の
液相が供給される。加熱空間部に供給された作動流体
は、加熱空間部で直ちに気相状態に蒸発し膨張して、シ
リンダ内の気相圧力を増大させる。
【0013】このため、増圧された気相圧力が、各シリ
ンダにおける作動流体の液相界面に作用して、同液相を
押圧して一方の方向へ漸次移動させる。この間、気相は
断熱膨張するとともに、液相界面が漸次移動して冷却空
間部に達すると、液相界面の近傍に位置する気相は漸次
冷却されて凝縮して気相圧力が漸次減少し、液相は最大
限移動した後反転して、上記とは逆に気相を圧縮しつつ
他方向へ漸次移動する。液相が最大限移動した時点また
はその近傍の時点で、加熱室内の気相との圧力差によ
り、各シリンダの加熱空間部には、連結通路から作動流
体が一定量、液相、または液相および気相の混合した状
態で供給される。
【0014】従って、各ランキンサイクルユニットを構
成する各シリンダの加熱空間部に供給された作動流体
は、加熱空間部で直ちに気相状態に蒸発し膨張して各シ
リンダ内の気相圧力を増大させ、各シリンダ内の液相の
上記した往復運動を繰り返し行わせる。ところで、当該
ランキンサイクルエンジンにおいては、各シリンダの加
熱空間部への作動流体の供給をタイミングバルブを通し
て同期させており、かつ各ランキンサイクルユニットの
出力取出部を一体化しているため、各ランキンサイクル
ユニットの駆動力を総和した大きな出力を取出すことが
できる。
【0015】この場合、各ランキンサイクルユニットを
構成する各シリンダの加熱空間部を1本の連結通路にて
連結するとともに、同連結通路の前記各シリンダに対す
る全ての連結部位より上流側の部位に前記タイミングバ
ルブを介装する構成にすれば、各シリンダへの作動流体
の供給タイミングを1個のタイミングバルブで同期させ
ることができるため、当該ランキンサイクルエンジンの
構成を簡単、かつ廉価に提供できる。
【0016】この場合、各ランキンサイクルユニットを
構成する各シリンダの他端側を出力取出部を有する1本
のシリンダに互いに並列的に連結して、前記各ランキン
サイクルユニットの出力取出部を一体化する構成にすれ
ば、当該ランキンサイクルエンジンの構成を一層簡単に
し得て、一層廉価に提供できる。また、当該ランキンサ
イクルエンジンにおいて、各ランキンサイクルユニット
を構成する各シリンダのシリンダ径、各加熱空間部にお
ける加熱面積、および各冷却空間部における冷却面積を
略同一に構成するとともに、作動流体の各シリンダ内で
の液層界面の位置を略同一に設定する構成にすれば、各
シリンダにおける作動流体の液層の往復運動の振動タイ
ミング、振動数、振幅を同期し得て、各ランキンサイク
ルユニットの最大駆動力を総合した出力を取出すことが
できる。
【0017】なお、当該ランキンサイクルエンジンにお
いては、各ランキンサイクルユニットを構成する各シリ
ンダの加熱空間部への作動流体の供給を、各シリンダと
は独立して設けた加熱室から、加熱室内の気相圧力と各
シリンダ内の気相圧力との圧力差により行うように構成
とすることにより、各シリンダの加熱空間部には必要な
量の作動流体を的確に供給し得て、各シリンダ内の作動
流体の液相の往復運動の振動タイミング、振動数、およ
び振幅を常時略一定にすることができ、各ランキンサイ
クルユニット、従ってランキンサイクルエンジンの駆動
状態を安定にすることができるとともに、この安定した
駆動状態を継続させることができる。
【0018】この場合、各シリンダの加熱空間部への作
動流体の供給には供給ポンプを必要とせず、かつ作動流
体の供給のタイミングをとるための特別のセンサーを必
要としない。また、当該ランキンサイクルエンジンにお
いては、作動流体を高温の状態で各シリンダの加熱空間
部へ供給するように構成しているため、各シリンダの加
熱空間部での作動流体の蒸発膨張が迅速かつ効率よく行
われ、加熱空間部での作動流体の蒸発膨張の遅延に起因
するランキンサイクルエンジンの運転に対する影響を防
止することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて説
明すると、図1には本発明の一例に係るランキンサイク
ルエンジンが示されている。当該ランキンサイクルエン
ジンは、複数のランキンサイクルユニット10a,10
b,10cと、加熱機構10dと、加熱室10eを備え
ている。
【0020】各ランキンサイクルユニット10a〜10
cは同一構成のもので、各ランキンサイクルユニット1
0a〜10cを構成するシリンダ11は、上端部が閉塞
されていて、各下端開口部にて、互いに並列した起立状
態で第2シリンダ12に連結されている。第2シリンダ
12の一端部は開口していて、一端開口部12aは出力
取出部を構成している。各シリンダ11内には、冷却器
13および多孔板14が配設されているとともに、各シ
リンダ11および第2シリンダ12内には作動流体であ
る水Wが所定量収容されている。
【0021】加熱機構10dは、熱風ダクト15aと、
各シリンダ11の上端側の外周に長手方向に多数設けた
加熱フィン15bと、加熱室10eを構成する容器本体
16aの外周に長手方向に多数設けた加熱フィン15c
を備え、各加熱フィン15b15cは熱源から熱風ダク
ト15aを通して供給される熱風の熱を蓄熱して、一方
の各加熱フィン15bは各シリンダ11の上端側の上方
空間部を加熱すべく機能し、かつ他方の加熱フィン15
cは加熱室10e内を加熱すべく機能する。
【0022】従って、一方の各加熱フィン15bは各シ
リンダ11の上方空間部を加熱する加熱手段として機能
し、各シリンダ11における一端側の上方空間部を加熱
空間部11aに構成している。また、他方の加熱フィン
15cは加熱室10e内を加熱する加熱手段として機能
する。各冷却器13は、パイプの一部をコイル状に巻回
されて形成されているもので、冷却コイル13aと、冷
却コイル13aに冷却媒体を給排するための導管13b
を備えている。各冷却器13においては、冷却コイル1
3aがシリンダ11内の中間部に位置するように配設さ
れていて、冷却コイル13aは導管13bを通して給排
される冷却媒体の冷却作用により、各シリンダ11内の
中間部を冷却すべく機能する。従って、各冷却器13
は、各シリンダ11内の中間部を冷却空間部11bに構
成している。当該ランキンサイクルエンジンにおいて
は、冷却媒体として冷却水を採用している。
【0023】加熱室10eは加熱容器にて構成されてい
るもので、容器本体16aには作動流体である水Wが収
容されていて、水面上に空間部16bが形成されてい
る。加熱室10eと各シリンダ11とは連結通路17を
介して連結されており、連結通路17は各シリンダ11
の加熱空間部11aの上端部と加熱室10eの空間部1
6bの上端部とを連結している。
【0024】連結通路17においては、管本体17aに
設けた複数の分岐管部にノズル17bが設けられてい
て、各ノズル17bが各シリンダ11の加熱空間部11
aの上端部に臨んでいる。また、管本体17aにおける
全てのノズル17bの配設部位より上流側の部位に、タ
イミングバルブ17cが介装されている。タイミングバ
ルブ17cは、管本体17aの連通路を所望の開度に絞
る絞り機能を有する。
【0025】各多孔板14は、各シリンダ11内にて、
各冷却器13を構成する冷却コイル13aの上端部に設
けられている。各多孔板15は、金網、パンチングメタ
ル等からなるもので、作動流体である水Wおよび水蒸気
を流通可能なものであり、特に、各多孔板15は水Wの
流通時における水Wの飛散を防止しまたは抑制する機能
を有する。
【0026】なお、当該ランキンサイクルエンジンは、
駆動力の取出し手段である出力ピストン21に駆動的に
連結されている。出力ピストン21は、第2シリンダ1
2の一端開口部12aからその内部に挿入されて、作動
流体である水Wの水面の上方に臨んでおり、水面との間
に空間部12bを形成している。出力ピストン21は、
連結ロッド22を介してフライホイール23に連結され
ている。
【0027】このように構成したランキンサイクルエン
ジンにおいては、運転停止時、各シリンダ11内におけ
る作動流体である水Wの界面は、各シリンダ11の加熱
空間部11aと冷却空間部11bの中間にて同一高さの
初期位置に位置し、運転中には、作動流体の気相である
水蒸気の押圧作用により下死点まで下降するとともに、
下降後には押圧作用に対する水Wの反力により上死点ま
で上昇し、この往復運動を各シリンダ11内で同期して
繰り返し行う。
【0028】運転開始に当たっては、水Wの界面が初期
位置にある状態で、熱源からの熱風を熱風ダクト15a
を通して加熱室10eと、各シリンダ11の加熱空間部
11aに供給するとともに、熱風の供給状態を運転中継
続する。これにより、加熱室10e内の水Wが加熱され
て蒸発して加熱室10eの空間部16bの圧力を上昇さ
せ、空間部16bの内圧と各シリンダ11の内圧間に所
定の圧力差が生じた時点で、空間部16bの水蒸気が連
結通路17の連通路、およびタイミングバルブ17cを
通して各ノズル17b側に移行し、水蒸気が混在した高
温水の状態で各ノズル17baから各シリンダ11の加
熱空間部11aの上方へ噴出される。各加熱空間部11
aに供給された水Wは、各加熱空間部11a内で直ちに
蒸発し膨張して、各シリンダ11の内圧を増大させる。
【0029】このため、各加熱空間部11a内の増大し
た圧力が、各シリンダ11における水Wの界面に作用し
て水Wを押下げて、界面を下死点まで漸次移動させる。
この間、各シリンダ11内の蒸気は断熱膨張するが、界
面が漸次移動して冷却空間部11bに達すると、界面の
近傍に位置する蒸気は漸次冷却されて凝縮して各シリン
ダ11の内圧が漸次減少し、界面は下死点に達する。
【0030】その後、水Wは、蒸気が混在する上方の空
気を圧縮しつつ上方へ押上げられて、界面が上死点まで
漸次移動する。界面が上死点に達した時点では、各シリ
ンダ11の内圧と加熱室10eの空間部16bの内圧と
の間の圧力差が所定の値になって、各シリンダ11の加
熱空間部11aには、加熱室10eから高温の水が一定
量、水蒸気を混在させた状態で噴出される。
【0031】従って、各シリンダ11の加熱空間部11
aに供給された水Wは、各加熱空間部11a内で直ちに
蒸発し膨張して各シリンダ11の内圧を増大させ、各シ
リンダ11内の水Wの上記した往復運動を繰り返し行わ
せる。水Wのかかる往復運動は、第2シリンダ12の水
に伝達され、第2シリンダ12の空間部12bの空気層
を介して出力ピストン21に伝達され、出力ピストン2
1は水Wの往復運動に応じて往復運動して、フライホイ
ール23を回転させて駆動力を出力する。
【0032】ところで、当該ランキンサイクルエンジン
においては、各ランキンサイクルユニット10a〜10
cのシリンダ11の加熱空間部11aへの水の供給がタ
イミングバルブ17cを通して同期して行われ、かつ各
ランキンサイクルユニット10a〜10cの出力取出部
を一体化して第2シリンダ12側から取出す構成のた
め、各ランキンサイクルユニット10a〜10cの駆動
力を総和した大きな出力を取出すことができる。
【0033】この場合、各ランキンサイクルユニット1
0a〜10cを構成する各シリンダ11の加熱空間部1
1aと加熱室10eの空間部16bとを1本の連結通路
17にて連結するとともに、連結通路17の各ノズル1
7bより上流側の部位にタイミングバルブ17cを介装
しているため、水の各シリンダ11への供給を1個のタ
イミングバルブ17cで行うとができて、ランキンサイ
クルエンジンの構成を簡単、かつ廉価に提供できる。ま
た、各ランキンサイクルユニット10a〜10cを構成
する各シリンダ11の他端側を出力取出部を有する第2
シリンダ12に互いに並列的に連結して、各ランキンサ
イクルユニット10a〜10cの出力取出部を一体化し
ているため、ランキンサイクルエンジンの構成を一層簡
単にし得て、一層廉価に提供できる。
【0034】また、当該ランキンサイクルエンジンにお
いて、各ランキンサイクルユニット10a〜10cを構
成する各シリンダ11を同一に構成するとともに、各加
熱空間部11aにおける加熱面積、および各冷却空間部
11cにおける冷却面積を同一に構成し、かつ各シリン
ダ11内での水Wの界面の初期位置を同一に設定してい
るため、各シリンダ11における水Wの往復運動の振動
タイミング、振動数、および振幅が同期され、各ランキ
ンサイクルユニット10a〜10cの最大駆動力を総和
した出力を取出すことができる。
【0035】なお、当該ランキンサイクルエンジンにお
いては、各ランキンサイクルユニット10a〜10cの
各シリンダ11の加熱空間部11aへの水Wの供給を各
シリンダ11とは独立して設けた加熱室10eら、加熱
室10eの内圧と各シリンダ11の内圧との圧力差によ
り行うように構成しているため、各シリンダ11の加熱
空間部11aには必要な量の水Wを的確に供給し得て、
各シリンダ11内の水Wの往復運動の振幅を常時略一定
にすることができ、ランキンサイクルエンジンの駆動を
安定化させることができる。この場合、各シリンダ11
の加熱空間部11aへの水Wの供給には供給ポンプを必
要とはせず、また水Wの供給タイミングをとるための特
別のセンサーも必要としない。
【0036】また、当該ランキンサイクルエンジンにお
いては、水Wを高温の状態で各シリンダ11の加熱空間
部11aに噴出するように構成しているため、各シリン
ダ11の加熱空間部11aでの水Wの蒸発膨張を迅速か
つ効率よく行うことができて、加熱空間部11aでの水
Wの蒸発膨張の遅延に起因するランキンサイクルエンジ
ンの運転に対する悪影響を防止することができる。
【0037】また、当該ランキンサイクルエンジンにお
いては、各ランキンサイクルユニット10a〜10cの
シリンダ11の冷却手段として冷却コイル13aを有す
る冷却器13を採用して、冷却コイル13aを各シリン
ダ11の中間部に配設して水Wが好適に冷却されるよう
にしているため、水Wの温度上昇に起因するエンジン出
力の継時的な低下を防止し得て、ランキンサイクルエン
ジンの長時間の連続運転が可能となる。
【0038】また、当該ランキンサイクルエンジンにお
いては、各シリンダ11内に配設した冷却コイル13a
の上端側に、水Wが流通する多孔板15を配設して、多
孔板15が水Wの往復運動時に生じる水Wの加熱空間部
11aの加熱面への飛散を防止または抑制しているた
め、加熱空間部11aでの水Wの加熱不良を防止し得
て、ランキンサイクルエンジンの運転に対する悪影響を
解消することができる。さらには、多孔板15は、水W
および水蒸気を冷却するための補助機能をも発揮する。
【0039】なお、当該ランキンサイクルエンジンにお
いては、出力ピストン21と水Wの水面間に空間部12
bを設けて空気層を介在させているため、水Wの往復運
動と出力ピストン21のストロークとにわずかなアンバ
ランスが生じても、空気層がこのアンバランスを緩衝し
て、フライホイール23を円滑に回転させるべく機能す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例に係るランキンサイクルエンジン
を示す概略構成図である。
【図2】従来のランキンサイクルエンジンの一例を示す
概略構成図である。
【符号の説明】
10a,10b,10c…ランキンサイクルユニット、
10d…加熱機構、10e…加熱室、11…シリンダ、
11a…加熱空間部、11b…冷却空間部、12…第2
シリンダ、12a…開口部、12b…空間部、13…冷
却器、13a…冷却コイル、13b…導管、14…多孔
板、15a…熱風ダクト、15b,15c…加熱フィ
ン、16a…容器本体、16b…空間部、17…連結通
路、17a…管本体、17b…ノズル、17c…タイミ
ングバルブ、21…出力ピストン、22…連結ロッド、
23…フライホイール。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液相および気相に相変化する作動流体を所
    定量収容するシリンダと、同シリンダの一端側の空間部
    を加熱して同空間部を加熱空間部に構成する加熱手段
    と、同シリンダの中間部を冷却して同中間部を冷却空間
    部に構成する冷却手段とを備え、前記作動流体の液相界
    面に作用する同作動流体の気相圧力を、同気相を前記加
    熱空間部で加熱膨張して増圧させるとともに加熱膨張し
    た前記気相を前記冷却空間部で冷却凝縮して減圧させる
    ことにより、前記作動流体の液相を往復運動させるラン
    キンサイクルユニットを複数個備えたランキンサイクル
    エンジンであり、 前記作動流体の液相を前記各シリンダの加熱空間部に供
    給する連結通路と、前記各シリンダの加熱空間部への該
    作動流体の供給を同期させるタイミングバルブとを設
    け、かつ前記各ランキンサイクルユニットの出力取出部
    を一体化したことを特徴とするランキンサイクルエンジ
    ン。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のランキンサイクルエンジ
    ンにおいて、前記各ランキンサイクルユニットを構成す
    る各シリンダとは独立して形成された前記作動流体の液
    相を収納する液相室をもち前記連結通路は該液相室の該
    液相を前記各シリンダの加熱空間部に供給するランキン
    サイクルエンジン。
  3. 【請求項3】請求項2に記載のランキンサイクルエンジ
    ンにおいて、前記シリンダ内の前記作動流体の液相を前
    記液相室に供給する連結通路をもつランキンサイクルエ
    ンジン。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のランキンサイクルエンジ
    ンにおいて、前記液相室は前記液相を加熱する液相加熱
    室であるランキンサイクルエンジン。
  5. 【請求項5】請求項1,2、3または4に記載のランキ
    ンサイクルエンジンにおいて、前記各ランキンサイクル
    ユニットを構成する各シリンダのシリンダ径、前記各加
    熱空間部における加熱面積、および前記各冷却空間部に
    おける冷却面積を略同一に構成するとともに、前記作動
    流体の前記各シリンダ内での液層界面の位置を略同一に
    設定したランキンサイクルエンジン。
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