JPH10252556A - ランキンサイクルエンジン - Google Patents

ランキンサイクルエンジン

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Publication number
JPH10252556A
JPH10252556A JP6336597A JP6336597A JPH10252556A JP H10252556 A JPH10252556 A JP H10252556A JP 6336597 A JP6336597 A JP 6336597A JP 6336597 A JP6336597 A JP 6336597A JP H10252556 A JPH10252556 A JP H10252556A
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JP
Japan
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cylinder
liquid phase
heating
cycle engine
space
Prior art date
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Pending
Application number
JP6336597A
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English (en)
Inventor
Yutaka Momose
豊 百瀬
Jiyunichi Mita
淳一 三多
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ランキンサイクルエンジンにおいて、作動流体
の必要量の気相を常に確保して、液相の往復運動の振幅
を常時略一定として安定な駆動状態を継続するようにす
る。 【解決手段】作動流体を収容して加熱する液相加熱室1
4をシリンダ11とは独立して形成し、液相加熱室14
の空間部14bとシリンダ11の加熱空間部11aとを
第1連結管路16を介して連結し、液相加熱室14にて
加熱された作動流体を、シリンダ11の内圧と液相加熱
室14の内圧の圧力差によりシリンダ11内へ供給す
る。作動流体は、その必要量が高温の状態でシリンダ1
1の加熱空間部11aへ的確に供給され、加熱空間部1
1aで直ちに気相状態に蒸発し膨張してシリンダ11内
の圧力を増大させ、シリンダ11内の液相の往復運動を
繰り返し行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水、有機溶液等を
作動流体とするランキンサイクルエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】ランキンサイクルエンジンの一形式とし
て、図3に模式的に示すランキンサイクルエンジンが知
られている。このランキンサイクルエンジンは、作動流
体として水を採用しているもので、作動流体である水W
を所定量収容するシリンダ1と、シリンダ1における中
間部を冷却して冷却室1aに構成する冷却器2と、シリ
ンダ1における冷却室1aに隣接する上方の部位を加熱
して加熱室1bに構成する加熱器3を備え、作動流体の
液相界面である水Wの界面に作用する水蒸気の蒸気圧
を、水蒸気を加熱室1bで加熱膨張して増圧させるとと
もに加熱膨張した水蒸気を冷却室1aで冷却凝縮して減
圧させることにより、水Wを往復運動させて、この水W
の往復運動の駆動力を取出して利用するものである。
【0003】しかして、当該形式のランキンサイクルエ
ンジンにおいては、運転停止時における水Wの界面を冷
却室1aと加熱室1b間の中間部位に位置するように調
整され、かつ加熱室1bには水Wがわずかに貯溜されて
いる。この状態のランキンサイクルエンジンを運転する
には、加熱室1b内に貯溜されている水Wを加熱して蒸
発膨張して蒸気に変化させて、シリンダ1内の蒸気圧を
増大させる。これにより、シリンダ1内の水Wの界面に
は蒸気の大きな圧力が付与され、水Wは押動されてその
界面が冷却室1aに達する。
【0004】シリンダ1内の水Wの界面が冷却室1aに
達すると、冷却室1a内に侵入した蒸気は冷却凝縮して
その圧力が減少し、水Wは移動方向を反転して加熱室1
b側へ漸次移動し、水Wの界面が加熱室1bに達する
と、加熱室1b内に侵入した水Wが加熱膨張してその界
面には蒸気の大きな圧力が付与され、水Wは再度押圧さ
れて移動する。
【0005】このランキンサイクルエンジンにおいて
は、水Wの往復運動が繰り返し行われ、この押復運動の
駆動力が外部に取り出されて利用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このランキ
ンサイクルエンジンにおいては、シリンダ1内での水
(液相)の質量、蒸気(気相)の容積、水(作動流体)
の粘度等を考慮して水(液相)の界面の初期位置を調整
し、加熱室内に侵入する作動流体の侵入量を適正な量に
設定しなければならない。
【0007】しかしながら、この設定は非常に微妙な調
整であって熟練者といえども極めて難しい。作動流体の
加熱室内への侵入量が少ない場合には、作動流体の蒸発
量が少なくて液相の界面に付与される気相の圧力が設定
圧力まで上昇せず、液相の往復運動の振幅が意図した振
幅より小さくなる。これとは逆に、作動流体の加熱室内
への侵入量が多い場合には、作動流体の蒸発に大きな熱
量が必要となって加熱室内の温度が充分には上昇せず、
液相の往復運動の振幅が小さくなる。
【0008】また、液相の往復運動の振幅が一旦小さく
なると、加熱室内に侵入する作動流体の侵入量が減少す
るとともにこの減少状態が漸次助長され、ランキンサイ
クルエンジンは最後には停止することにもなる。従っ
て、本発明の目的は、作動流体の必要量の気相を常に確
保して、液相の往復運動の振幅を常時略一定として、ラ
ンキンサイクルエンジンの安定した状態の運転を継続さ
せることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のランキンサイク
ルエンジンは、液相および気相に相変化する作動流体を
所定量収容するシリンダと、同シリンダの一端側の空間
部を加熱して同空間部を加熱空間部に構成する加熱手段
と、該シリンダの中間部を冷却して同中間部を冷却空間
部に構成する冷却手段とを備え、該作動流体の液相界面
に作用する同作動流体の気相圧力を、同気相を前記加熱
空間部で加熱膨張して増圧させるとともに加熱膨張した
前記気相を前記冷却空間部で冷却凝縮して減圧させるこ
とにより、前記作動流体の液相を往復運動させるもので
ある。
【0010】このランキンサイクルエンジンは、前記作
動流体を収容して加熱する液相加熱室を前記シリンダと
は独立して形成するとともに、同液相加熱室と前記シリ
ンダの加熱空間部とを連結管路を介して連結して、前記
液相加熱室にて加熱された作動流体を、同液相加熱室の
内圧と前記シリンダの内圧との圧力差により、前記連結
管路を通して前記加熱空間部に供給するようにしたこと
を特徴とするものである。
【0011】本発明に係るランキンサイクルエンジンに
おいては、前記液相加熱室と前記シリンダにおける前記
作動流体の液相収容部とを第2の連結管路を介して連結
するとともに、同第2の連結管路の途中または前記液相
加熱室に逆止弁を介装して、前記液相加熱室への前記作
動流体の補充を前記第2の連結管路を通して前記シリン
ダから行うように構成することができる。
【0012】また、本発明のランキンサイクルエンジン
においては、前記連結管路の途中に、同連結管路の連通
路を絞る絞り手段を配設する構成、前記冷却手段とし
て、冷却媒体が循環する冷却コイルを採用して、同冷却
コイルを前記シリンダの中間部に配設する構成、前記シ
リンダにおける前記冷却コイルの先端側の部位に、前記
作動流体が流通可能な多孔板を配設する構成を採用する
ことができる。
【0013】なお、本発明のランキンサイクルエンジン
においては、作動流体として、取扱いが簡単で安価な水
を採用することが好ましい。
【0014】
【発明の作用・効果】このように構成したランキンサイ
クルエンジンにおいては、運転中、シリンダとは独立し
て形成した液相加熱室に収容されている作動流体を加熱
して、液相加熱室の空間部の気相圧力を略一定にしてあ
り、同気相圧力がシリンダ内の気相圧力に比較して所定
圧高い状態になると、この圧力差により、液相加熱室か
ら作動流体が高温の状態でシリンダの加熱空間部に供給
される。加熱空間部に供給された作動流体は、加熱空間
部で直ちに気相状態に蒸発し膨張して、シリンダ内の気
相圧力を増大する。
【0015】このため、増圧された気相圧力が、シリン
ダにおける作動流体の液相界面に作用して同液相を押圧
して一方の方向へ漸次移動させる。この間、気相は断熱
膨張するとともに、液相界面が漸次移動して冷却空間部
に達すると、液相界面の近傍に位置する気相は漸次冷却
されて凝縮して気相圧力が漸次減少し、液相は最大限移
動した時点では、上記とは逆に気相を圧縮しつつ他方向
へ漸次移動し、液相が最大限移動した時点またはその近
傍の時点で、液相加熱室内の気相との圧力差により、シ
リンダの加熱空間部には、液相加熱室から高温の作動流
体が一定量、液相または液相および気相の混合した状態
で供給される。
【0016】従って、シリンダの加熱空間部に供給され
た作動流体は、加熱空間部で直ちに気相状態に蒸発し膨
張してシリンダ内の気相圧力を増大させ、シリンダ内の
液相の上記した往復運動を繰り返し行わせる。このよう
に、このランキンサイクルエンジンにおいては、シリン
ダの加熱空間部への作動流体の供給をシリンダとは独立
して設けた液相加熱室から、液相加熱室内の気相圧力と
シリンダ内の気相圧力との圧力差により行うように構成
しているため、シリンダの加熱空間部には必要な量の作
動流体を的確に供給し得て、シリンダ内の作動流体の液
相の往復運動の振幅を常時略一定にすることができ、ラ
ンキンサイクルエンジンの駆動状態を安定にすることが
できるとともに、この安定した駆動状態を継続させるこ
とができる。この場合、シリンダの加熱空間部への作動
流体の供給には供給ポンプを必要とせず、かつ作動流体
の供給のタイミングをとるための特別のセンサーを必要
としない。
【0017】また、当該ランキンサイクルエンジンにお
いては、作動流体を高温の状態でシリンダの加熱空間部
へ供給するように構成しているため、シリンダの加熱空
間部での作動流体の蒸発膨張が迅速かつ効率よく行わ
れ、加熱空間部での作動流体の蒸発膨張の遅延に起因す
るランキンサイクルエンジンの駆動に対する影響を防止
することができる。
【0018】当該ランキンサイクルエンジンにおいて、
液相加熱室とシリンダにおける作動流体の液相収容部と
を第2の連結管路を介して連結するとともに、同第2の
連結管路の途中または前記液相加熱室に逆止弁を介装し
て、液相加熱室への作動流体の補充を第2の連結管路を
通してシリンダから行うように構成すれば、シリンダ内
の作動流体を液相加熱室へ、かつ液相加熱室からシリン
ダへと供給するサイクルを構成し得て、ランキンサイク
ルエンジンへの作動流体の外部からの補給が不要とな
る。
【0019】また、当該ランキンサイクルエンジンにお
いて、液相加熱室の空間部とシリンダの加熱空間部とを
連結する連結管路の途中に、同連結管路の連通路を絞る
絞り手段を配設すれば、絞り手段による連通路の絞り度
合を適正に選定することにより、シリンダ内における作
動流体の液相の往復運動の振動状態と加熱空間部への作
動流体の供給とを適正なタイミングとすることができ
て、ランキンサイクルエンジンの運転を最大出力の運転
状態とすることができる。
【0020】また、当該ランキンサイクルエンジンにお
いて、冷却手段として、冷却媒体が循環する冷却コイル
を採用して、同冷却コイルをシリンダの中間部に配設す
れば、作動流体の液相も好適に冷却されるため、作動流
体の液相の温度の上昇に起因するエンジン出力の継時的
な低下を防止し得て、ランキンサイクルエンジンの長時
間の安定した連続運転が可能となる。
【0021】また、当該ランキンサイクルエンジンにお
いて、シリンダに配設した冷却コイルの先端側に、作動
流体が流通可能な多孔板を配設すれば、同多孔板が作動
流体の液相の往復運動時に生じる液相の加熱空間部の加
熱面への飛散を防止または抑制することにより、加熱空
間部での作動流体の加熱不良を防止し得て、ランキンサ
イクルエンジンの運転に対する悪影響を解消することが
できる。さらには、多孔板は、作動流体の液相および気
相を冷却するための補助機能をも発揮する。
【0022】なお、当該ランキンサイクルエンジンにお
いては、作動流体として水を採用することが好ましく、
作動流体として水を採用することにより、ランキンサイ
クルエンジンの取扱いを容易にし、かつ同エンジンのラ
ンニングコストを低減することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて説
明すると、図1には本発明に係る第1のランキンサイク
ルエンジンが示され、図2には本発明に係る第2のラン
キンサイクルエンジンが示されている。図1に示す第1
のランキンサイクルエンジン10Aは、シリンダ11、
加熱手段12、冷却器13、液相加熱室14、多孔板1
5、および第1連結管路16を備えている。シリンダ1
1は、略U字状に屈折して形成されているもので、一端
は閉塞されかつ他端は開放されている。シリンダ11内
には、所定量の作動流体が収容される。当該ランキンサ
イクルエンジンにおいては、作動流体として水Wが採用
されている。
【0024】加熱手段12は、熱風ダクト12aと、シ
リンダ11の一端側の外周に長手方向に多数設けた加熱
フィン12bと、液相加熱室14を構成する容器本体1
4aの外周に長手方向に多数設けた加熱フィン12cを
備え、各加熱フィン12b,12cは熱源から熱風ダク
ト12aを通して供給される熱風の熱を蓄熱して、一方
の加熱フィン12bはシリンダ11の一端側の上方空間
部を加熱すべく機能し、かつ他方の加熱フィン12cは
液相加熱室14内を加熱すべく機能する。
【0025】従って、一方の加熱フィン12bはシリン
ダ11の上方空間部を加熱する加熱手段を構成し、シリ
ンダ11における一端側の上方空間部を加熱空間部11
aに構成している。また、他方の加熱フィン12cは液
相加熱室14内を加熱する加熱手段を構成している。冷
却器13は、パイプの一部をコイル状に巻回されて形成
されているもので、冷却コイル13aと、冷却コイル1
3aに冷却媒体を給排するための導管13bを備えてい
る。冷却器13においては、冷却コイル13aがシリン
ダ11内の中間部に位置するように配設されていて、冷
却コイル13aは導管13bを通して給排される冷却媒
体の冷却作用により、シリンダ11内の中間部を冷却す
べく機能する。従って、冷却器13は、シリンダ11内
の中間部を冷却空間部11bに構成している。当該ラン
キンサイクルエンジン10Aにおいては、冷却媒体とし
て冷却水を採用している。
【0026】液相加熱室14は加熱容器にて構成されて
いるもので、容器本体14aには作動流体である水Wが
収容されていて、水面上に空間部14bが形成されてい
る。液相加熱室14とシリンダ11とは第1連結管路1
6を介して連結されていて、第1連結管路16はシリン
ダ11の加熱空間部11aの上端部と液相加熱室14の
空間部14bの上端部とを連結している。第1連結管路
16においては、その先端側にシリンダ11の加熱空間
部11aに臨むノズル16aが設けられており、またそ
の途中にはバルブ16bが介装されている。バルブ16
bは、第1連結管路16の連通路を所望の開度に絞る絞
り機能を有する。
【0027】多孔板15は、シリンダ11内にて、冷却
器13を構成する冷却コイル13aの上端部に設けられ
ている。多孔板15は、金網、パンチングメタル等から
なるもので、作動流体である水Wおよび水蒸気を流通可
能なものであり、特に、多孔板15は水Wの流通時にお
ける水Wの飛散を防止しまたは抑制する機能を有する。
【0028】なお、当該ランキンサイクルエンジン10
Aは、駆動力の取出し手段である出力ピストン21に駆
動的に連結されている。出力ピストン21は、シリンダ
11の他端側の内部にその開口部11cから挿入され
て、作動流体である水Wの他端側水面の上方に臨んでお
り、水面との間に空間部11dを形成している。出力ピ
ストン21は、連結ロッド22を介してフライホイール
23に連結されている。
【0029】このように構成したランキンサイクルエン
ジン10Aにおいては、運転停止時、作動流体である水
Wの界面は、シリンダ11における加熱空間部11aと
冷却空間部11bの中間(図1の1点鎖線で示す初期位
置L1)に位置し、運転中には、作動流体の気相である
水蒸気の押圧作用により、図1の実線で示す下死点L2
まで下降するとともに、降下後押圧作用に対する水Wの
反力により、図1の2点鎖線で示す上死点L3まで上昇
し、この往復運動を繰り返し行う。
【0030】運転開始に当たっては、水Wの界面が初期
位置L1にある状態で、熱源からの熱風を熱風ダクト1
2aを通して液相加熱室14と、シリンダ11の加熱空
間部11aに供給するとともに、熱風の供給状態を運転
中継続する。これにより、液相加熱室14内の水Wが加
熱されて蒸発して液相加熱室14の空間部14bの圧力
を上昇させ、空間部14bの内圧とシリンダ11の内圧
間に所定の圧力差が生じた時点で、空間部14bの水蒸
気が第1連結管路16の連通路、およびバルブ16bを
通してノズル16a側に移行し、水蒸気が混在した高温
水の状態でノズル16aからシリンダ11の加熱空間部
11aの上方へ噴出される。加熱空間部11aに供給さ
れた水Wは、加熱空間部11a内で直ちに蒸発し膨張し
て、シリンダ11の内圧を増大させる。
【0031】このため、加熱空間部11a内の増大した
圧力が、シリンダ11における水Wの界面に作用して水
Wを押下げて、界面を下死点L2まで漸次移動させる。
この間、シリンダ11内の蒸気は断熱膨張するが、界面
が漸次移動して冷却空間部11bに達すると、界面の近
傍に位置する蒸気は漸次冷却されて凝縮してシリンダ1
1の内圧が漸次減少し、界面は下死点L2に達する。
【0032】その後、水Wは、蒸気が混在する上方の空
気を圧縮しつつ上方へ押上げられて、界面が上死点L3
まで漸次移動する。界面が上死点L3に達した時点で
は、シリンダ11の内圧と液相加熱室14の空間部14
bの内圧との間の圧力差が所定の値になって、シリンダ
11の加熱空間部11aには、液相加熱室14から高温
の水が一定量、水蒸気を混在させた状態で噴出される。
【0033】従って、シリンダ11の加熱空間部11a
に供給された水Wは、加熱空間部11a内で直ちに蒸発
し膨張してシリンダ11の内圧を増大させ、シリンダ1
1内の水Wの上記した往復運動を繰り返し行わせる。水
Wのかかる往復運動は、シリンダ11の空間部11dの
空気層を介して出力ピストン21に伝達され、出力ピス
トン21は水Wの往復運動に応じて往復運動して、フラ
イホイール23を回転させて駆動力を出力する。
【0034】このように、当該ランキンサイクルエンジ
ン10Aにおいては、シリンダ11の加熱空間部11a
への水Wの供給をシリンダ11とは独立して設けた液相
加熱室14から、液相加熱室14の内圧とシリンダ11
の内圧との圧力差により行うように構成しているため、
シリンダ11の加熱空間部11aには必要な量の水Wを
的確に供給し得て、シリンダ11内の水Wの往復運動の
振幅を常時略一定にすることができ、ランキンサイクル
エンジン10Aの駆動を安定化させることができる。こ
の場合、シリンダ11の加熱空間部11aへの水Wの供
給には供給ポンプを必要とはせず、また水Wの供給タイ
ミングをとるための特別のセンサーも必要としない。
【0035】また、当該ランキンサイクルエンジン10
Aにおいては、水Wを高温の状態でシリンダ11の加熱
空間部11aに噴出するように構成しているため、シリ
ンダ11の加熱空間部11aでの水Wの蒸発膨張を迅速
かつ効率よく行うことができて、加熱空間部11aでの
水Wの蒸発膨張の遅延に起因するランキンサイクルエン
ジンの運転に対する悪影響を防止することができる。
【0036】また、当該ランキンサイクルエンジン10
Aにおいては、液相加熱室14の空間部14bとシリン
ダ11の加熱空間部11aとを連結する第1連結管路1
6の途中に、第1連結管路16の連通路を絞るバルブ1
6bを介装しているので、バルブ16bによる連通路の
開度を調整することにより、シリンダ11における水W
の往復運動の振動状態と加熱空間部11aへの水Wの供
給とを適正にタイミングさせることができて、ランキン
サイクルエンジンの運転状態を、最大出力の運転状態に
容易にすることができる。
【0037】また、当該ランキンサイクルエンジン10
Aにおいて、冷却手段として冷却コイル13aを有する
冷却器13を採用して、冷却コイル13aをシリンダ1
1の中間部に配設して水Wが好適に冷却されるようにし
ているため、水Wの温度上昇に起因するエンジン出力の
継時的な低下を防止し得て、ランキンサイクルエンジン
の長時間の連続運転が可能となる。
【0038】また、当該ランキンサイクルエンジン10
Aにおいては、シリンダ11内に配設した冷却コイル1
3aの上端側に、水Wが流通する多孔板15を配設し
て、多孔板15が水Wの往復運動時に生じる水Wの加熱
空間部11aの加熱面への飛散を防止または抑制してい
るため、加熱空間部11aでの水Wの加熱不良を防止し
得て、ランキンサイクルエンジンの運転に対する悪影響
を解消することができる。さらには、多孔板15は、水
Wおよび水蒸気を冷却するための補助機能をも発揮す
る。
【0039】なお、当該ランキンサイクルエンジン10
Aにおいては、出力ピストン21と水Wの水面間に空間
部11dを設けて空気層を介在させているため、水Wの
往復運動と出力ピストン21のストロークとにわずかな
アンバランスが生じても、空気層がこのアンバランスを
緩衝して、フライホイール23を円滑に回転させるべく
機能する。
【0040】図2は、本発明の他の一例に係るランキン
サイクルエンジンを示すもので、当該ランキンサイクル
エンジン10Bは、基本的には第1のランキンサイクル
エンジン10Aと同様のものであり、液相加熱室14が
シリンダ11の水Wの収容部11eに第2の第2連結管
路17にて連結されている点、多孔板15が配設されて
いない点、および連結間路16にバルブ16bが介装さ
れていない点で、第1のランキンサイクルエンジン10
Aとは相違する。
【0041】従って、当該ランキンサイクルエンジン1
0Bについては、ランキンサイクルエンジン10Aと同
一の構成部材、同一の構成部には同一の符号を付してそ
の詳細な説明を省略し、以下ではランキンサイクルエン
ジン10Aとの相違する点についてのみの説明にとどめ
る。ランキンサイクルエンジン10Bにおいては、シリ
ンダ11の収容部に一端を連結された第2連結管路17
の他端が液相加熱室14の底部に連結されていて、液相
加熱室14の底部に設けた逆止弁14cを介して液相加
熱室14における水Wの滞留部に連結されている。ま
た、液相加熱室14は、シリンダ11内の水Wの界面の
初期位置L1より下方に配設されている。このため、当
該ランキンサイクルエンジン10Bにおいては、液相加
熱室14への水Wの補充をシリンダ11から、第2連結
管路17および逆止弁14cを通して行うことができ、
シリンダ11内の水Wを液相加熱室14へ、かつ液相加
熱室14からシリンダ11へ供給するサイクルが構成さ
れて、ランキンサイクルエンジン10Bへの水Wの外部
からの補給が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例に係るランキンサイクルエンジン
を示す概略構成図である。
【図2】本発明の他の一例に係るランキンサイクルエン
ジンを示す概略構成図である。
【図3】従来のランキンサイクルエンジンの一例を示す
概略構成図である。
【符号の説明】
10A,10B…ランキンサイクルエンジン、11…シ
リンダ、11a…加熱空間部、11b…冷却空間部、1
1c…開口部、11d…空間部、12…加熱手段、12
a…熱風ダクト、12b,12c…加熱フィン、13…
冷却器、13a…冷却コイル部、13b…導管部、14
…液相加熱室、14a…容器本体、14b…空間部、1
4c…逆止弁、15…多孔板、16,17…連結管路、
16a…ノズル、16b…バルブ、21…出力ピスト
ン、22…連結ロッド、23…フライホイール、W…水
(作動流体)、L1…初期位置、L2…下死点、L3…上
死点。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液相および気相に相変化する作動流体を収
    容するシリンダと、該シリンダの一端側の空間部を加熱
    して同空間部を加熱空間部に構成する加熱手段と、該シ
    リンダの中間部を冷却して同中間部を冷却空間部に構成
    する冷却手段とを備え、該作動流体の液相界面を該加熱
    空間部に上昇させることにより該液相の一部を気相に変
    えて気相圧力を高めかつ該気相を前記加熱空間部で加熱
    膨張させて増圧させることにより該液相を下降させ、次
    に加熱膨張して該冷却空間部に達した該気相を該冷却空
    間部で冷却凝縮して該液相とすることにより該気相を減
    圧させて該液相を上昇させ、該作動流体の液相を往復運
    動させるランキンサイクルエンジンであり、 前記液相を収容して加熱する液相加熱室を前記加熱空間
    部とは独立して形成するとともに、該液相加熱室と該加
    熱空間部とを第1連結管路を介して連結し、該液相加熱
    室にて加熱された該液相を、該液相加熱室の内圧と前記
    シリンダの内圧との圧力差により、該シリンダの該加熱
    空間部に供給するようにしたことを特徴とするランキン
    サイクルエンジン。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のランキンサイクルエンジ
    ンにおいて、前記液相加熱室と前記シリンダにおける前
    記液相収容部とを第2連結管路を介して連結するととも
    に、該第2連結管路の途中または該液相加熱室に逆止弁
    を介装して、該液相加熱室への該液相の補充を該第2連
    結管路を通して該シリンダから行うようにしたランキン
    サイクルエンジン。
  3. 【請求項3】請求項1に記載のランキンサイクルエンジ
    ンにおいて、前記第1連結管路の途中に、該第1連結管
    路の連通路を絞る絞り手段を配設したランキンサイクル
    エンジン。
  4. 【請求項4】請求項1に記載のランキンサイクルエンジ
    ンにおいて、前記冷却手段として、冷却媒体が循環する
    冷却コイルを採用して、該冷却コイルを前記シリンダの
    前記冷却空間部に配設したするランキンサイクルエンジ
    ン。
  5. 【請求項5】請求項4に記載のランキンサイクルエンジ
    ンにおいて、前記シリンダの前記冷却コイルの先端側の
    部位に、前記作動流体が流通可能な多孔板を配設したラ
    ンキンサイクルエンジン。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3,4または5に記載のラ
    ンキンサイクルエンジンにおいて、前記作動流体として
    水を採用するランキンサイクルエンジン。
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