JPH10252427A - 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 - Google Patents

内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

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Publication number
JPH10252427A
JPH10252427A JP5726497A JP5726497A JPH10252427A JP H10252427 A JPH10252427 A JP H10252427A JP 5726497 A JP5726497 A JP 5726497A JP 5726497 A JP5726497 A JP 5726497A JP H10252427 A JPH10252427 A JP H10252427A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
annular disk
drive shaft
intake
exhaust valve
internal combustion
Prior art date
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Pending
Application number
JP5726497A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Nakamura
信 中村
Yoshihiko Yamada
吉彦 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Unisia Jecs Corp
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Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd, Unisia Jecs Corp filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP5726497A priority Critical patent/JPH10252427A/ja
Publication of JPH10252427A publication Critical patent/JPH10252427A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動軸1の剛性を高く確保しつつ環状ディス
ク17の偏心量を大きくできるようにする。 【解決手段】 機関と同期回転する駆動軸1の外周に、
気筒毎に分割した円筒状カムシャフト11が回転可能に
嵌合しており、両者を連動させる環状ディスク17の偏
心位置に応じてカムシャフト11が不等速回転する。環
状ディスク17は制御ハウジング18に嵌合して回転自
在に保持される。制御ハウジング18は偏心ブッシュを
介して揺動可能に支持され、制御シャフト26の偏心カ
ム29によって偏心動作する。駆動軸1の軸方向の一部
に、環状ディスク17内周との干渉を回避するように、
小径部34が形成されているので、環状ディスク17は
大きく偏心できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、駆動軸外周に配
置した円筒状カムシャフトを、駆動軸に対し不等速回転
させることで、内燃機関の運転状態に応じて吸気弁・排
気弁の開閉時期や作動角を可変制御する吸排気弁駆動制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】吸気弁・排気弁の開閉時期や作動角を可
変制御する装置は、従来から種々の形式のものが提供さ
れているが、その一つとして例えば実開昭57−198
306号公報や特開平6−185321号公報に記載さ
れているように、不等速軸継手の原理を応用したものが
知られている。これは、機関の回転に同期して回転する
駆動軸の外周に、各気筒毎に分割した円筒状のカムシャ
フトを設け、かつ該カムシャフトの端部のフランジ部と
駆動軸側のフランジ部とにそれぞれ半径方向に沿った係
合溝を形成するとともに、両フランジ部間に介在する環
状ディスクに各係合溝に係合する一対のピンを設けた構
成であって、上記環状ディスクを制御ハウジングでもっ
て回転自在に保持するとともに、該制御ハウジングを介
して環状ディスクをカムシャフトに対し偏心させること
ができるようにしてあり、その偏心量を制御することに
より、バルブリフト特性が変化するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような形式の吸
排気弁駆動制御装置においては、バルブリフト特性の変
化量は環状ディスクの偏心量の大小によって左右される
ので、その特性を大きく変化させようとすると、環状デ
ィスクの偏心可能範囲を大きく確保する必要があるが、
環状ディスクの偏心時に、その内周と駆動軸とが干渉す
る制約があるため、必然的に駆動軸を小径化せざるを得
ない。しかしながら、偏心量を大きくすべく駆動軸を小
径化すると、該駆動軸の剛性が低下し、機関高速時等に
おけるバルブ運動性能が悪化する、という不具合があ
る。
【0004】また駆動軸の径を十分に確保したまま特性
変化量を大きく得ようとすると、環状ディスクや制御ハ
ウジングの径を相対的に大きくする必要が生じ、装置全
体の大型化を招いてしまう。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、機関の
回転に同期して回転する駆動軸と、この駆動軸の外周面
に内周面が相対回転可能に嵌合し、かつ吸排気弁を駆動
するカムを外周に有する円筒状のカムシャフトと、この
カムシャフトの一端部に設けられ、かつ半径方向に沿っ
て係合溝が形成された第1フランジ部と、上記第1フラ
ンジ部に対向するように上記駆動軸側に設けられ、かつ
半径方向に沿って係合溝が形成された第2フランジ部
と、上記両フランジ部の間に配設された環状ディスク
と、この環状ディスクに互いに反対方向に突設され、か
つ両フランジ部の係合溝にそれぞれ係合する一対のピン
と、上記環状ディスクを回転自在に保持するとともに、
軸直角方向に沿って揺動可能な制御ハウジングと、この
制御ハウジングを機関運転状態に応じて揺動させる駆動
機構と、を備えてなる内燃機関の吸排気弁駆動制御装置
において、上記環状ディスクの位置に対応する上記駆動
軸の軸方向の一部に、環状ディスク内周との干渉を避け
るように、該駆動軸の基本軸径に比較して小径となった
小径部が設けられているとともに、この小径部の軸方向
の長さが、上記環状ディスクの軸方向の幅に該環状ディ
スクの軸方向可動量を加えた長さよりも大きく設定され
ていることを特徴としている。
【0006】この構成においては、環状ディスクの回転
中心が駆動軸およびカムシャフトの中心と同心状態にあ
る場合には、駆動軸とカムシャフトとが等速回転し、ま
た環状ディスクが偏心位置にある場合には、両者が不等
速回転する。従って、上記環状ディスクの位置に応じ
て、吸排気弁のバルブリフト特性が連続的に変化する。
【0007】ここで、本発明では、上記環状ディスクが
偏心した際に該ディスクの内周が近接する駆動軸外周
に、上記のように小径部が形成されているので、駆動軸
全体を小径化することなく偏心量を大きく確保できる。
しかも上記小径部の軸方向の長さが、上記環状ディスク
の軸方向の幅に該環状ディスクの軸方向可動量を加えた
長さよりも大きく設定されているので、仮に環状ディス
クが軸方向にがたついたとしても、その内周と駆動軸外
周とが接触することがない。
【0008】また請求項2に係る発明では、上記小径部
底面と上記環状ディスク内周との間の最短距離が、上記
ピンと駆動軸外周面との間の最短距離よりも小さくなる
ように、上記小径部の半径方向の深さが設定されてい
る。
【0009】例えば制御ハウジングを動かす駆動機構の
異常等によって環状ディスクが過度に大きく偏心したよ
うな場合に、仮に、環状ディスク内周が上記駆動軸外周
詳しくは小径部底面に接触したとしても、ピンは駆動軸
には接触せず、該ピンに異常な曲げモーメントが作用す
ることがない。そして、小径部底面は全周に連続してい
るので、何ら支承なく動作し得る。
【0010】また請求項3に係る発明では、上記小径部
底面と上記環状ディスク内周との間の最短距離が、上記
ピンの中心線と上記係合溝の先端との間の最短距離より
も小さくなるように、上記小径部の半径方向の深さが設
定されている。
【0011】請求項2と同様に、例えば制御ハウジング
を動かす駆動機構の異常等によって環状ディスクが過度
に大きく偏心したような場合に、仮に、環状ディスク内
周が上記駆動軸外周詳しくは小径部底面に接触したとし
ても、ピンは係合溝に確実に係合しており、係合溝から
脱落したり、不安定な係合状態となったりすることがな
い。
【0012】さらに請求項4に係る発明では、上記駆動
軸の上記カムシャフトに嵌合した基本軸径部分に、該駆
動軸内部の潤滑油通路に連通する油孔が半径方向に形成
されているとともに、この油孔の位置から第1フランジ
部側の端面に至る範囲でカムシャフト内周面を大径にす
ることにより、上記油孔から環状ディスク内周に潤滑油
を導く環状油路が形成されている。
【0013】この構成においては、駆動軸内部の潤滑油
通路に圧送された潤滑油が、駆動軸の油孔ならびに該駆
動軸とカムシャフトとの間の環状油路を介して、環状デ
ィスク内周に導かれ、ここから環状ディスク外周側へ供
給される。これにより、ピンと係合溝との間が潤滑され
る。ここで、上記油孔を駆動軸の基本軸径部分に設ける
ことにより、強度上有利となる。また、環状油路から出
た潤滑油は駆動軸の凹んだ小径部に集まろうとするの
で、軸方向に他の部位に拡散することなく、ピンおよび
係合溝を確実に潤滑する。
【0014】また請求項5に係る発明は、機関の回転に
同期して回転する駆動軸と、この駆動軸の外周に相対回
転可能に設けられ、かつ吸排気弁を駆動するカムを外周
に有する円筒状のカムシャフトと、このカムシャフトの
一端部に設けられ、かつ半径方向に沿って係合溝が形成
された第1フランジ部と、上記第1フランジ部に対向す
るように上記駆動軸側に設けられ、かつ半径方向に沿っ
て係合溝が形成された第2フランジ部と、上記両フラン
ジ部の間に配設された環状ディスクと、この環状ディス
クに互いに反対方向に突設され、かつ両フランジ部の係
合溝にそれぞれ係合する一対のピンと、上記環状ディス
クを回転自在に保持するとともに、軸直角方向に沿って
揺動可能な制御ハウジングと、この制御ハウジングを機
関運転状態に応じて揺動させる駆動機構と、を備えてな
る内燃機関の吸排気弁駆動制御装置において、上記環状
ディスクの内周は、上記ピンを備えた部分が内周側へ張
り出した非円形をなし、この環状ディスクの位置に対応
する上記駆動軸の軸方向の一部に、環状ディスク内周と
の干渉を避けるように、上記の張り出し部分に対向して
周方向の一部に部分的に切欠部が形成されている。
【0015】このように切欠部からなる凹部を設けるこ
とにより、環状ディスクのピンを支持する部分を内周側
に大きく確保することが可能となり、ピンの支持剛性が
向上する。
【0016】そして、請求項6では、上記環状ディスク
内周の上記張り出し部分の間における最小の内径が、上
記駆動軸の基本軸径よりも大きく設定されている。これ
により、環状ディスクを分割せずに、駆動軸の基本軸径
部分を通して所定位置に組み付けることが可能となる。
【0017】
【発明の効果】本発明に係る内燃機関の吸排気弁駆動制
御装置によれば、バルブリフト特性の変化量を大きく確
保しつつ駆動軸の小径化を回避することができ、駆動軸
の剛性低下によるバルブ運動性能の悪化を防止できる。
また、環状ディスクや制御ハウジングを小径にでき、装
置全体の大型化を回避できる。しかも、環状ディスクが
軸方向にがたついても該環状ディスクと駆動軸とが干渉
することがない。
【0018】また請求項2および請求項3の発明によれ
ば、万一、制御ハウジングを動かす駆動機構の異常等に
よって環状ディスクが過度に大きく偏心したような場合
においても、ピンと駆動軸との接触や、係合溝からの脱
落等が確実に防止され、大きなトラブルを招くことがな
い。
【0019】また請求項4の構成によれば、駆動軸内部
の潤滑油通路から駆動軸外周の環状油路を介して、環状
ディスク内周に確実に潤滑油を案内することができ、ピ
ンと係合溝との間を効率よく潤滑できる。
【0020】さらに、請求項5あるいは請求項6の構成
によれば、駆動軸を小径化せずに環状ディスクのピン支
持部分を大型化でき、ピンの支持剛性を高めることがで
きる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る吸排気弁駆
動制御装置の好ましい実施の形態を図面に基づいて説明
する。
【0022】図1は、この発明に係る吸排気弁駆動制御
装置の要部を示す斜視図、図2はその横断面図、図3お
よび図4は同じく要部の縦断面図である。
【0023】図1および図3に示すように、シリンダヘ
ッドの上部に、全気筒に亙って連続した駆動軸1が配設
されている。この駆動軸1は、内部に潤滑油通路2が形
成された中空状のものであって、図1に示すように一端
にスプロケット3が取り付けられ、タイミングチェーン
4を介して図示せぬクランクシャフトに連動している。
そして、この駆動軸1の外周には、各気筒毎に分割され
た円筒状のカムシャフト11が相対回転可能に嵌合して
おり、各カムシャフト11の端部に、第1フランジ部1
2が設けられている。各カムシャフト11は、例えば吸
気弁5を駆動する一対のカム11aを有し、かつその一
対のカム11aの中間のジャーナル部11bが、シリン
ダヘッド側の隔壁状をなすカムブラケット取付部6に凹
設した半円形軸受面とカムブラケット13との間で回転
自在に支持されている。上記カムブラケット取付部6に
は、シリンダヘッド内部のオイルギャラリに連通する潤
滑油供給通路7が開口しており、カムシャフト11のジ
ャーナル部11bに形成した油孔8および駆動軸1に形
成した油孔9を介して、上記潤滑油供給通路7から駆動
軸1内部の潤滑油通路2に潤滑油が導入されるようにな
っている。
【0024】また、駆動軸1には、短いスリーブ15が
キー15Aによって固定されており、各スリーブ15の
端部に、それぞれ上記第1フランジ部12と対向するよ
うに、第2フランジ部16が形成されている。両フラン
ジ部12,16の間には、円環状をなす環状ディスク1
7が介装されており、この環状ディスク17は、制御ハ
ウジング18の円形の開口部18a内に回転自在に嵌合
保持されている。具体的には、制御ハウジング18の開
口部18a内周面は単純な円筒面をなし、ここに、環状
ディスク17の外周面が回転自在に嵌合している。
【0025】上記第1フランジ部12および第2フラン
ジ部16には、それぞれ半径方向に沿った係合溝19,
20が形成されている。両係合溝19,20は、互いに
180゜異なる位置に配置されている。これらの係合溝
19,20は、その内周側の端部が、カムシャフト11
およびスリーブ15の各内周面にそれぞれ開放されてお
り、また外周側の端部もそれぞれ各フランジ部12,1
6の外周面において開放されている。そして、環状ディ
スク17には、互いに180゜異なる位置にそれぞれ保
持孔が貫通形成されているとともに、それぞれに、第1
ピン23,第2ピン24が回転可能に嵌合している。こ
れらのピン23,24は、互いに逆向きに突出してお
り、第1ピン23の先端部が第1フランジ部12の係合
溝19に摺動可能に係合しているとともに、第2ピン2
4の先端部が第2フランジ部16の係合溝20に摺動可
能に係合している。なお、係合溝19,20に摺接する
各ピン23,24の先端部の側面は、平行な一対の平面
に加工されている。
【0026】上記のカムシャフト11および環状ディス
ク17は、図3および図4に示すように、複数個のスリ
ーブ15の間に挟まれることによって軸方向に位置決め
されており、特に、カムシャフト11一端とスリーブ1
5との間に挟持された波形スプリングワッシャ31によ
って、カムシャフト11が環状ディスク17側に常時付
勢され、両フランジ部12,16と環状ディスク17と
が密接した状態を保持するようになっている。
【0027】上記のような偏心型の可変動弁機構自体
は、例えば前述した特開平6−185321号公報等に
おいて公知の構成であるので、その詳細な説明は省略す
るが、図2の(A)および図3のように環状ディスク1
7が駆動軸1の中心に対し同心位置にあれば、各カムシ
ャフト11は駆動軸1に対し等速回転し、図5(A)の
実線のように、カム11aのプロフィールに沿ったバル
ブリフト特性が得られる。また図2の(B)および図4
のように環状ディスク17の中心Yが駆動軸1の中心X
に対し偏心すると、一種の不等速軸継手となり、図5
(B)に一点鎖線で例示するように、各カムシャフト1
1が駆動軸1に対し不等速回転する。これにより、図5
(A)に一点鎖線で例示するように、バルブリフト特性
およびバルブ作動角が変化する。
【0028】上記環状ディスク17を保持する制御ハウ
ジング18は、駆動軸1と直交する面に沿った板状をな
しており、駆動軸1に平行に配置された固定シャフト2
5および制御シャフト26によって軸直角方向に沿って
移動可能なように支持されている。すなわち、図2に示
すように、制御ハウジング18の開口部18aの上部
に、円形をなすカム嵌合孔27が、開口部18aの側部
に同じく円形をなすブッシュ嵌合孔28が、それぞれ開
口形成されており、カム嵌合孔27に制御シャフト26
が、ブッシュ嵌合孔28に固定シャフト25がそれぞれ
挿通されている。そして、制御シャフト26には、円形
の偏心カム29が各気筒毎に固設されており、この偏心
カム29の外周面が上記カム嵌合孔27に摺動可能に嵌
合している。また、固定シャフト25とブッシュ嵌合孔
28との間には、偏心ブッシュ30が介装されている。
この偏心ブッシュ30は、互いに真円形をなす外周面と
内周面とが偏心しているものであって、その内周面が固
定シャフト25に回転可能に嵌合し、かつ外周面が上記
ブッシュ嵌合孔28に回転可能に嵌合している。従っ
て、偏心カム29を備えた制御シャフト26が回転する
と、制御ハウジング18が図3の上下に揺動し、環状デ
ィスク17の中心が駆動軸1およびカムシャフト11の
中心から偏心するようになっている。
【0029】上記制御シャフト26は、図1に示すよう
に、駆動軸1と平行に配設され、かつ全気筒に亙って連
続しており、その一端が油圧式アクチュエータユニット
22のピストンロッド22aにアーム22bを介して連
結されている。なお、22cは油圧を制御する電磁弁、
22dは制御シャフト26の回転位置を検出するポジシ
ョンセンサである。そして、上記制御シャフト26は、
カムブラケット13の上部に設けた半円形軸受部と該軸
受部に対向して取り付けられたブラケットキャップ21
とによって回転可能に支持されている。上記ブラケット
キャップ21は、該ブラケットキャップ21とカムブラ
ケット13の双方を貫通した一対のボルト(図示せず)
によってシリンダヘッドに固定されている。つまり、カ
ムブラケット13は、このボルトを利用して共締めされ
ている。そして、上記カムブラケット13には、図1に
示すように、駆動軸1の油孔9に合致し得る位置に、油
孔10が貫通形成されており、駆動軸1内部の潤滑油通
路2から上記制御シャフト26の軸受面に潤滑油を導い
ている。
【0030】また固定シャフト25は、やはり全気筒に
亙って一本に連続しており、ここに複数個の偏心ブッシ
ュ30が回転自在に嵌合している。この固定シャフト2
5は、図示せぬ部分においてシリンダヘッドに固定され
ている。
【0031】また、図3および図4に示すように、駆動
軸1に、各気筒毎に直径方向に沿って一対の油孔32が
貫通形成されており、かつこの油孔32は、駆動軸1に
嵌合したカムシャフト11によって覆われる位置に配置
されている。そして、カムシャフト11の内周面は、こ
の油孔32に対応する位置から第1フランジ部12側の
端面に至る軸方向の範囲が、僅かに大径になっており、
これによって、駆動軸1外周面との間に、環状油路33
が形成されている。この環状油路33の先端は、第1フ
ランジ部12側の端面に開放されている。なお、上記環
状油路33以外の部分においては、カムシャフト11内
周面は比較的密に駆動軸1外周面に嵌合している。従っ
て、駆動軸1内部の潤滑油通路2に送り込まれた潤滑油
は、上記油孔32および環状油路33を通して、環状デ
ィスク17内周の空間に流入することになり、ここから
遠心力でもって外周側へ流れ、各ピン23,24と係合
溝19,20との間を確実に潤滑する。
【0032】ここで上記駆動軸1は、基本的に一定の直
径を有する管状をなすものであって、その基本軸径部分
の外周面に、上記カムシャフト11の内周面が摺接して
いる。
【0033】上記の環状ディスク17潤滑用の油孔32
は、この基本軸径部分に形成されている。そして、駆動
軸1の軸方向の一部、詳しくは上記環状ディスク17の
位置に対応する部分に、環状ディスク17との干渉を避
けるように、外径を小さくしてなる小径部34が形成さ
れている。この小径部34は、図3に示すように、環状
ディスク17の板厚(軸方向の幅)よりも僅かに大きな
幅Lでもって形成されている。
【0034】従って、図4に示すように、環状ディスク
17が制御ハウジング18とともに偏心したときに、環
状ディスク17内周と駆動軸1とが干渉することがな
く、十分に大きな特性変化を得ることができる。また、
それだけ駆動軸1の基本軸径を大きく設定することが可
能となり、駆動軸1の剛性の向上ひいては高速域でのバ
ルブ運動性能の向上が図れる。
【0035】また上記小径部34は、図4に示すよう
に、そのカムシャフト11側のエッジから環状ディスク
17端面までの軸方向の距離M2つまり余裕代が、上述
した波形スプリングワッシャ31の最大変位量M1より
も大きく与えられている。従って、仮に、機関の運転中
に振動等により環状ディスク17がカムシャフト11と
ともに軸方向に僅かに動いたとしても、環状ディスク1
7内周が基本軸径部分に乗り上げてしまうようなことは
ない。
【0036】そして、上記小径部34の深さ(基本軸径
との半径差)は、図4に示すように、上記小径部34底
面と上記環状ディスク17内周との間の最短距離S2
が、ピン23,24と駆動軸1基本軸径部分外周面との
間の最短距離S1よりも小さくなるように設定されてい
る。
【0037】従って、例えば制御ハウジング18の制御
機構の異常等によって環状ディスク17が過度に大きく
偏心したような場合に、仮に、環状ディスク17内周が
上記小径部34の底面に接触したとしても、ピン23,
24は駆動軸1には接触せず、該ピン23,24に異常
な曲げモーメントが作用することがない。特に、この実
施例では、円筒面からなる小径部34底面に環状ディス
ク17内周が接触するに過ぎないので、何ら支承なく円
滑な動作を確保でき、機関の運転の継続が可能である。
【0038】さらに、図4に示すように、上述した小径
部34底面と上記環状ディスク17内周との間の最短距
離S2が、ピン23,24の中心線と各係合溝19,2
0の先端との間の最短距離S3よりも小さくなるよう
に、上記小径部34の径が設定されている。
【0039】従って、前述の場合と同様に、何らかの異
常によって環状ディスク17が過度に大きく偏心して、
その内周が小径部34底面に接触したとしても、ピン2
3,24は係合溝19,20に確実に係合した状態を維
持し、係合溝19,20から脱落したり、不安定な係合
状態となったりすることがない。
【0040】また、上記実施例では、上述したように、
駆動軸1の油孔32および環状油路33を通して環状デ
ィスク17内周に潤滑油が導入されるが、上記の油孔3
2は、駆動軸1の相対的に太い基本軸径部分に配置され
ている。そのため、駆動軸1の強度低下が最小限のもの
となる。そして、環状油路33を通して環状ディスク1
7内周側に流れ出た潤滑油は、小径部34に集められ、
軸方向に不必要に拡散しないので、各ピン23,24と
係合溝19,20との間を効率よく潤滑することができ
る。
【0041】次に、図6は、この発明の異なる実施例を
示している。この実施例は、環状ディスク17の内周が
非円形をなすものであって、図示するように、第1,第
2ピン23,24が嵌合する保持孔の部分が内周側に円
弧形に張り出している。そして、この環状ディスク17
内周の張り出し部17aに対向するように、駆動軸1外
周面に、凹部となる一対の切欠部35が形成されてい
る。この切欠部35は、前述した小径部34と同様に、
環状ディスク17の板厚よりも僅かに大きな軸方向の幅
を有し、上記張り出し部17aとの干渉を回避してい
る。なお、上記張り出し部17a以外の部分においては
環状ディスク17内周縁は円形をなしており、かつ、図
6(A)のように同心位置にあるときに、この張り出し
部17a以外の部分に生じる間隙と、上記張り出し部1
7aと切欠部35との間に生じる間隙とは、ほぼ等しい
ものとなっている。換言すれば、環状ディスク17内周
と駆動軸1(切欠部35)との間には、全周に亘ってほ
ぼ一定の間隙が確保されている。
【0042】従って、図6(B)のように最大に偏心し
た状態においても、環状ディスク17と駆動軸1とが干
渉することがない。特に、この構成においては、第1,
第2ピン23,24が嵌合する保持孔の部分を内周側に
部分的に張り出したものとすることで、環状ディスク1
7を小型化しつつ第1,第2ピン23,24の支持剛性
を十分に確保することができる。また、この部分的に張
り出した張り出し部17aに対応して周方向の一部のみ
に切欠部35が形成されているので、全周を小径化する
場合よりも駆動軸1の剛性を高く維持することができ
る。
【0043】また、この実施例においては、一対の張り
出し部17aの間の距離dが、駆動軸1の基本軸径より
も僅かに大きく設定されている。従って、環状ディスク
17を特に分割せずに駆動軸1に順次挿通させて組み立
てることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す要部の斜視図。
【図2】この吸排気弁駆動制御装置の作動を示す断面図
であって、(A)は同心状態、(B)は偏心状態の様子
を示す断面図。
【図3】図2のA−A線に沿った断面図。
【図4】図2のB−B線に沿った断面図。
【図5】この吸排気弁駆動制御装置によるバルブリフト
特性を回転位相差特性とともに示す特性図。
【図6】この発明の異なる実施例を示す図2と同様の断
面図。
【符号の説明】
1…駆動軸 11…カムシャフト 12…第1フランジ部 16…第2フランジ部 17…環状ディスク 18…制御ハウジング 23…第1ピン 24…第2ピン 34…小径部 35…切欠部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関の回転に同期して回転する駆動軸
    と、 この駆動軸の外周面に内周面が相対回転可能に嵌合し、
    かつ吸排気弁を駆動するカムを外周に有する円筒状のカ
    ムシャフトと、 このカムシャフトの一端部に設けられ、かつ半径方向に
    沿って係合溝が形成された第1フランジ部と、 上記第1フランジ部に対向するように上記駆動軸側に設
    けられ、かつ半径方向に沿って係合溝が形成された第2
    フランジ部と、 上記両フランジ部の間に配設された環状ディスクと、 この環状ディスクに互いに反対方向に突設され、かつ両
    フランジ部の係合溝にそれぞれ係合する一対のピンと、 上記環状ディスクを回転自在に保持するとともに、軸直
    角方向に沿って揺動可能な制御ハウジングと、 この制御ハウジングを機関運転状態に応じて揺動させる
    駆動機構と、 を備えてなる内燃機関の吸排気弁駆動制御装置におい
    て、 上記環状ディスクの位置に対応する上記駆動軸の軸方向
    の一部に、環状ディスク内周との干渉を避けるように、
    該駆動軸の基本軸径に比較して小径となった小径部が設
    けられているとともに、この小径部の軸方向の長さが、
    上記環状ディスクの軸方向の幅に該環状ディスクの軸方
    向可動量を加えた長さよりも大きく設定されていること
    を特徴とする内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 上記小径部底面と上記環状ディスク内周
    との間の最短距離が、上記ピンと駆動軸外周面との間の
    最短距離よりも小さくなるように、上記小径部の半径方
    向の深さが設定されていることを特徴とする請求項1記
    載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 上記小径部底面と上記環状ディスク内周
    との間の最短距離が、上記ピンの中心線と上記係合溝の
    先端との間の最短距離よりも小さくなるように、上記小
    径部の半径方向の深さが設定されていることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の内燃機関の吸排気弁
    駆動制御装置。
  4. 【請求項4】 上記駆動軸の上記カムシャフトに嵌合し
    た基本軸径部分に、該駆動軸内部の潤滑油通路に連通す
    る油孔が半径方向に形成されているとともに、この油孔
    の位置から第1フランジ部側の端面に至る範囲でカムシ
    ャフト内周面を大径にすることにより、上記油孔から環
    状ディスク内周に潤滑油を導く環状油路が形成されてい
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内
    燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
  5. 【請求項5】 機関の回転に同期して回転する駆動軸
    と、 この駆動軸の外周に相対回転可能に設けられ、かつ吸排
    気弁を駆動するカムを外周に有する円筒状のカムシャフ
    トと、 このカムシャフトの一端部に設けられ、かつ半径方向に
    沿って係合溝が形成された第1フランジ部と、 上記第1フランジ部に対向するように上記駆動軸側に設
    けられ、かつ半径方向に沿って係合溝が形成された第2
    フランジ部と、 上記両フランジ部の間に配設された環状ディスクと、 この環状ディスクに互いに反対方向に突設され、かつ両
    フランジ部の係合溝にそれぞれ係合する一対のピンと、 上記環状ディスクを回転自在に保持するとともに、軸直
    角方向に沿って揺動可能な制御ハウジングと、 この制御ハウジングを機関運転状態に応じて揺動させる
    駆動機構と、 を備えてなる内燃機関の吸排気弁駆動制御装置におい
    て、 上記環状ディスクの内周は、上記ピンを備えた部分が内
    周側へ張り出した非円形をなし、この環状ディスクの位
    置に対応する上記駆動軸の軸方向の一部に、環状ディス
    ク内周との干渉を避けるように、上記の張り出し部分に
    対向して周方向の一部に部分的に切欠部が形成されてい
    ることを特徴とする内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
  6. 【請求項6】 上記環状ディスク内周の上記張り出し部
    分の間における最小の内径が、上記駆動軸の基本軸径よ
    りも大きく設定されていることを特徴とする請求項5記
    載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
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