JPH10252424A - 内燃機関用中空弁 - Google Patents

内燃機関用中空弁

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JPH10252424A
JPH10252424A JP10838298A JP10838298A JPH10252424A JP H10252424 A JPH10252424 A JP H10252424A JP 10838298 A JP10838298 A JP 10838298A JP 10838298 A JP10838298 A JP 10838298A JP H10252424 A JPH10252424 A JP H10252424A
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Akiyoshi Mori
彰良 毛利
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Fuji Oozx Inc
Fuji Valve Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空孔内に、金属ナトリウムに代わる冷却媒
体を封入することにより、製造が容易で、かつ安全性の
高い内燃機関用中空弁を提供する。 【解決手段】 少なくともステム部3内に穿設した中空
孔4内に、冷却媒体としてセラミックス粉体、ナトリウ
ム以外の金属粉などの粉粒体5を、粉粒体が中空孔4内
を自由に移動しうる空域4aを残して封入するととも
に、該粉粒体として、大小粒度の異なるものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関用の吸排
気弁として用いられるきのこ状の中空弁に係り、特に、
弁頭部からステム部にかけて形成された中空孔内に、冷
却媒体としての粉粒体を封入した中空弁に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の自動車用エンジンは、過給機を搭
載したり多弁機構を採用するなど、高回転、高出力化の
傾向にある。
【0003】エンジンの許容回転数を高めるうえで最も
障害となるのは、動弁系の重量による慣性質量の増加で
あり、動弁系の構成部品の総重量が大となると、その慣
性力のために、高速回転になる程、バルブのカムに対す
る追従性能が低下し、バルブにおどり等が発生して出力
低下を招く。
【0004】中空弁は、弁体を軽量化させ、動弁系の慣
性質量を軽減させる上において非常に有利であるため、
常時高速回転で使用されるレーシングカーのエンジン
や、一部の乗用車のエンジンに採用されている。
【0005】この種の中空弁には、弁頭部(傘部)からス
テム部にかけて形成された中空孔内に、冷却媒体として
の金属ナトリウムを封入して、弁頭部からステム部への
熱伝達効率を高め、熱負荷を軽減するようにしたものが
ある(特開昭60-145410号公報、実開昭63-151911号公報
参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のような金属ナト
リウムを封入してなる中空弁では、金属ナトリウムが、
水や酸素等と反応し易く、この反応により、中空孔の内
部に酸化ナトリウムや水酸化ナトリウム、水素化ナトリ
ウム等が生成されると、中空孔内の内圧を高めたり、熱
伝達効率を低下させたりするので、中空孔内に残留して
いる水分等を除去するとともに、中空孔への金属ナトリ
ウムの注入作業を、不活性ガスの雰囲気中で行なう必要
があり、また金属ナトリウムは、上記性質に加えて強ア
ルカリ性を有しているため、その注入作業にあたって
は、安全性の面において十分注意を払う必要があるた
め、その製造には、多くの面倒な工程を要し、かつ安全
管理を厳重に行なう必要がある。また、エンジンに組付
けられた後に、スクラップ処理や廃棄処分する際等にお
いて、万一ステム部が切損して、金属ナトリウムが流出
すると非常に危険である。
【0007】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、中空孔内に、金属ナトリウムに代わる冷却媒体を封
入することにより、製造が容易で、かつ安全性の高い中
空弁を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記目的は、少なくともステム部(3)内に穿設し
た中空孔(4)内に、冷却媒体としての粉粒体(5)を、粉
粒体(5)が中空孔(4)内を自由に移動しうる空域(4a)を
残して封入するとともに、該粉粒体(5)を大小粒度の異
なるものとするにより達成することができる。
【0009】(2) 上記(1)項において中空孔内に、粉
粒体よりも高比重で、かつ中空孔内を自由に遊動しうる
程度の大きさとした撹拌部材(6)を封入する態様は、特
に好ましい。
【0010】(3) 上記(1)または(2)項において、粉
粒体を、セラミックス粉末、ナトリウム以外の金属粉ま
たは鋳物砂のうちのいずれかまたは2以上の混合物とす
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を、図面に
基づいて説明する。図1は、内燃機関用として用いられ
る吸排気弁(1)を示し、傘状に拡径した弁頭部(2)と、
それになだらかに連続するステム部(3)とからなり、弁
頭部(2)からステム部(3)の上端部に形成された環状の
コッタ溝(3a)近傍までの中心軸線上には、中空孔(4)が
穿設されている。
【0012】中空孔(4)内には、その容積のほぼ1/3
程度の空域部(4a)を残して、冷却媒体である粉粒体(5)
が封入されている。
【0013】粉粒体(5)の材料としては、エンジンのフ
ァイアリング運転時における熱により、粉粒体(5)が液
化したり、粉粒体(5)同士が融着したり、中空孔(4)の
内壁に付着したりすることがなく、しかも、低比重であ
って、熱せられ易く冷め易い熱伝導性に優れる物質が好
まし、例えば、窒化ケイ素(Si3N4)、炭化ケイ素(SiC)等
のセラミックス粉末、アルミニウム、亜鉛、銅、マグネ
シウム、チタン等の金属粉又はそれらの表面を窒化処理
したもの、上記金属粉同士の混合物、又は金属粉とセラ
ミックスとを混合したもの、及び鋳物砂等を使用するの
がよい。
【0014】なお、金属ナトリウムの粉粒体は、エンジ
ンのファイアリング運転時における熱により液化するの
で、本発明における粉粒体の範疇には入らない。
【0015】また、中空孔(4)の粉粒体を除いた空域部
(4a)には、粉粒体(5)が非酸化性の物質の場合は空気
を、また酸化し易い物質とした場合は、窒素ガス等の不
活性ガスを封入するのがよい。
【0016】エンジンの運転時において、弁頭部(2)が
燃焼ガス等により加熱されると、その熱は、中空孔(4)
の粉粒体(5)を媒体として、かつ粉粒体(5)が、弁の開
閉運動により上下に躍動飛散することにより、ステム部
(3)側に速やかに伝達され、図示しないバルブガイドを
通してシリンダヘッド等に放熱される。その結果、弁頭
部(2)の熱負荷は著しく軽減される。
【0017】本発明の大きな特徴は、粉粒体として、大
小粒度の異なるものを用いることである。粒度とは、粉
粒体の粒子の大きさであって、形状が異なっても粒度が
異なるとは限らない。一般に粒度は、粒径或は比表面積
で表わされる。
【0018】図1においては、粉粒体(5)は、粒度の小
さい粉粒体(5a)の群と粒度の大きい粉粒体(5b)の群の粒
度が大小異なる2群から構成されている。粒度が異なる
粉粒体は、同材質であっても異材質であってもよい。
【0019】図2は、本発明の他の実施例を示すもの
で、この実施例においては、粉粒体(5)中に、それより
も高比重の1個又は複数個の攪拌部材(6)を混入して、
粉粒体(5)の躍動攪拌性能を高め、弁頭部(2)の熱をス
テム部(3)へ一層迅速に逃がすようにしたものである。
【0020】攪拌部材(6)としては、粉粒体(5)が付着
することのない材質、例えば鋼や粉粒体(5)と同材質と
するとともに、その大きさ及び形状は、中空孔(4)内を
自由に遊動しうる程度の球状、又は表面に凹凸を形成し
た概ね球状のもの、もしくは、不定形の魂状等とするの
が好ましい。
【0021】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、中空孔
(4)に封入する冷却媒体を粉粒体(5)としたことによ
り、従来の金属ナトリウムを封入してなる中空弁に比し
て、製造工程が簡略化されてコスト低減が図れるばかり
でなく、危険性がないため、取扱いが簡単で、かつ、万
一弁が折損して粉粒体(5)が流出しても人体に害を及ぼ
す恐れはなく、安全性の高い中空弁を提供しうる。
【0022】更に、粉粒体(5)として、大小粒度の異な
るものを用いているために、粉粒体(5)の躍動撹拌性能
が高められ、弁頭部(2)の熱をステム部(3)へ迅速に逃
がすことができる。
【0023】また、請求項2記載の発明によれば、高比
重の撹拌部材(6)により、粉粒体(5)の躍動撹拌性能が
一層高められ、弁頭部(2)の熱の放散が一段と向上す
る。更に、請求項3記載の発明によれば、請求項1また
は2記載の発明の前記効果を確実に好ましく達成するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中空弁の一実施例を示す縦断正面図で
ある。
【図2】本発明の中空弁の他の実施例を示す縦断正面図
である。
【符号の説明】
(1)吸排気弁 (2)弁頭部 (3)ステム部 (4)中空孔 (4a)空域部 (5)粉粒体 (5a)粒度の小さい粉粒体 (5b)粒度の大きい粉粒体 (6)攪拌部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともステム部内に穿設した中空孔
    内に、冷却媒体としての粉粒体を、粉粒体が中空孔内を
    自由に移動しうる空域を残して封入するとともに、該粉
    粒体が、大小粒度の異なるものよりなっていることを特
    徴とする内燃機関用中空弁。
  2. 【請求項2】 中空孔内に、粉粒体よりも高比重で、か
    つ中空孔内を自由に遊動しうる程度の大きさとした撹拌
    部材を封入してなる請求項1記載の内燃機関用中空弁。
  3. 【請求項3】 粉粒体が、セラミックス粉末、ナトリウ
    ム以外の金属粉または鋳物砂のうちのいずれかまたは2
    以上の混合物である請求項1または2記載の内燃機関用
    中空弁。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007327357A (ja) * 2006-06-06 2007-12-20 Suncall Corp 内燃機関用バルブ構造
JP2008138648A (ja) * 2006-12-05 2008-06-19 Toyota Motor Corp 中空バルブ
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JP2015081597A (ja) * 2013-10-21 2015-04-27 現代自動車株式会社 エンジンのバルブトレーン構造
WO2024088562A1 (en) * 2022-10-25 2024-05-02 Eaton Intelligent Power Limited Systems and methods for engine valve cooling

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