JPH10251959A - スパンボンド不織布の製造方法 - Google Patents

スパンボンド不織布の製造方法

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JPH10251959A
JPH10251959A JP9048869A JP4886997A JPH10251959A JP H10251959 A JPH10251959 A JP H10251959A JP 9048869 A JP9048869 A JP 9048869A JP 4886997 A JP4886997 A JP 4886997A JP H10251959 A JPH10251959 A JP H10251959A
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air
corona discharge
nonwoven fabric
electrode
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Fumihiko Shimizu
文彦 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィラメント群の開繊が長期間にわたって良
好に維持させると共に、均一な目付と優れた開繊性を有
するスパンボンド不織布の製造方法の提供。 【解決手段】 熱可塑性樹脂を溶融紡糸してスパンボン
ド不織布の製造方法であって、コロナ放電ユニットのコ
ロナ放電電極において該電極の入り口から出口に向かっ
て、全幅方向にわたって電極針の裂と交互に設置された
任意の数のスリット状の空気噴射口から空気流を、通過
する連続フィラメント群に噴射させ、かつ該空気噴射口
の最上列の上には、幅方向に間隔を置いて配置され多数
の個々に独立した空気噴射ノズル孔群と、該空気噴射ノ
ズル孔からの空気量をそれぞれ独立して調整できるよう
に多数の調整弁を設け、目付を幅方向において連続的に
測定できる装置から発信される目付の信号と連動させ前
記調整弁の開度を管理して空気流の量を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱溶融押出し機の
紡出口より紡出された連続フィラメント群をコロナ放電
電界中に強制に通過させ、その際に空気流を連続フィラ
メント群に垂直に吹き付け、それによりフィラメント群
の開繊性を長期間にわたって良好に維持させると共に、
均一な目付と優れた開繊性を有するスパンボンド不織布
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、スパンボンド法により空気流
と共に搬送される熱溶融押出し機から紡出されたフィラ
メント群を高速空気流で引き取り延伸、開繊してネット
コンベアからなる支持体上に捕集、堆積させて、均一に
開繊し、分散したフィラメントからなる不織ウェブを製
造する方法においては、前記フィラメント群を衝突板に
当てて、摩擦による接触帯電やコロナ放電による強制帯
電により静電気をフィラメントに付与し、フィラメント
間の相互反発によって各フィラメントを開繊し、均一な
不織ウェブとする技術が一般に用いられている。
【0003】つまり、均一な不織ウェブを得るためには
フィラメント同士の開繊が完全になされる必要があり、
その開繊はフィラメント同士の静電気による反発力の大
小に大きく影響される。従って、フィラメントは高い帯
電量を与えられるほど静電気による反発力も大きくなる
ので、それだけ開繊性に優れるものとなる。しかしなが
ら、フィラメントへの帯電は、均一になされているかど
うかも重要であり不均一な場合は開繊性も劣る。従っ
て、単に帯電量を高くするだけでなく、均一に帯電量を
増加させることがフィラメントの開繊状態を良好にする
方法であるといえる。
【0004】このようにコロナ放電による開繊方法によ
って、連続フィラメント群の構成繊維を個々に分散させ
ることは十分に可能で大抵の場合この方法が有効である
が、一方、フィラメント本数が多くなったり、紡出時に
走行速度が増した場合には、フィラメント同士が完全に
開繊されずに数十本以上の束になった状態で支持体上に
捕集・堆積されるようになり、そして得られた不織布を
全体に渡って見渡すと目付むらの発生を抑えることが困
難であるという問題がある。また、横断面が狭く、幅広
な矩型断面の高速気流牽引装置を用いた場合、すだれ状
に導入された連続フィラメント群を幅方向に均一に高速
気流と共に噴射するには高度な技術を要する。即ち、そ
のためには高速気流牽引装置の内部、特に噴射口の形状
を高精度に仕上げる必要があるが、これは仕上げに極め
て高度の技術を要する他に設備費や維持費を高騰させる
原因にもなる。
【0005】一方、本発明者は不織布の目付を調整する
ため、高速気流牽引装置から空気流と共に搬送されるす
だれ状の連続フィラメント群をコロナ放電電極と平板状
ターゲット電極からなるコロナ放電ユニットに導いて開
繊させるスパンボンド不織布の製造方法において、コロ
ナ放電装置の下流でコロナ放電電極側の位置に、フィラ
メント群の幅方向の全幅にわたって配置された空気噴射
口を有する空気墳射装置と、該空気噴射口からの空気量
を幅方向において部分的に調整できる多数の調整弁とを
設け噴射空気により前記連続フィラメント群を平板状タ
ーゲット電極側に押し付けながらコロナ放電電極中を通
過させて開繊し、かつ調整弁により装置の幅方向におい
て部分的に空気量を調整する方法を提案した(特願平8
−224764号)。
【0006】しかしながら、この方法ではコロナ放電後
にフィラメント群の密度を調整することができ、目付は
ほぼ均一になるが、繊維の開繊が部分的に不良になると
いう問題が依然として残った。さらに、熱可塑性樹脂を
溶融紡糸する際に低重合物が口金から気体状になって発
生し、高速気流牽引装置によってこの気体状の低重合物
が連続フィラメント群とこれに随伴する空気流により、
コロナ放電ユニットに導かれ、コロナ放電電極内の電極
針或いはその周辺に付着してコロナ放電の電圧を低下さ
せ、連続フィラメント群の開繊性を低下させる問題も依
然として残されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、かかる現
状に鑑み、連続フィラメント群の開繊性をさらに改善す
べく鋭意検討した結果、すだれ状で前記コロナ放電電極
ユニットを通過する連続フィラメント群にコロナ放電電
極側の全幅方向において連続フィラメント群が通過し始
めて通過し終わる間中空気を噴射し、空気流をコロナ放
電用針状電極の周りを流下させ、しかも前記コロナ放電
電極の上部の入り口側には、スリット口の代わりに幅方
向において個々の多数の独立した空気ノズル孔を設けて
前記連続フィラメント群のコロナ放電電極を通過し始め
る際に、該コロナ電極ユニットを通過した後の連続フィ
ラメント群の幅方向における目付の変動に連動して空気
量を部分的に調整して空気を噴射すると、長期間にわた
る運転においても熱可塑性樹脂に含有される低揮発成分
による電極針への付着物が殆どなく、しかも目付が均一
で優れた開繊性が得られることを見出し本発明を完成さ
せるに至った。本発明の目的は、連続フィラメント群の
開繊を長期間良好に維持すると共に、均一な目付と優れ
た開繊性を有するスパンボンド不織布の製造方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、紡糸口
金より熱可塑性樹脂を溶融紡糸して集束された連続フィ
ラメント群を高速気流牽引装置により牽引して細化延伸
し、該高速気流牽引装置から空気流と共に搬送されるす
だれ状の連続フィラメント群を、コロナ放電電極側の全
幅方向において、コロナ放電電極と平板状ターゲット電
極からなるコロナ放電ユニットに導いて開繊させ、次い
で支持体上に捕集・堆積させてウェブを形成させ、更に
該ウェブを熱エンボスロール間に導入して長繊維同士を
熱圧着させるスパンボンド不織布の製造方法において、
該コロナ放電ユニットのコロナ放電電極側の入り口と出
口の間の全幅方向にわたって設置された任意の数のスリ
ット状の空気噴射口から空気流を、通過する連続フィラ
メント群に噴射させ、かつ該空気噴射口の最上列の上に
は、幅方向に間隔を置いて配置された多数の個々に独立
した空気噴射ノズル孔群と、該空気噴射ノズル孔からの
空気量をそれぞれ独立して調整できるように多数の調整
弁とを設け、更に、熱エンボスロール後に設けられてい
る、スパンボンド不織布の目付を幅方向において連続的
に測定できる装置から発信される目付の信号と連動させ
前記調整弁の開度を管理して空気流の量を調整すること
を特徴とするスパンボンド不織布の製造方法である。本
発明の第2は、前記コロナ放電電極において該電極の入
り口から出口へ向かって電極針の列とスリット状の空気
噴射口が交互に設けられていることを特徴とする本発明
第1に記載のスパンボンド不織布の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図1と2を参照し
て説明する。図1は、本発明に係るスパンボンド不織布
の製造方法に用いる装置の一例を示す模式図であり、図
2は本発明に係わる空気噴射口と空気噴射ノズル孔を備
えたコロナ放電用針状電極の一例を示す斜視図である。
紡糸口金1より吐出された熱可塑性樹脂の連続フィラメ
ント群2は、高速気流牽引装置3によって細化、延伸さ
れ、更に空気流とともに噴射された連続フィラメント群
2は、直流高電圧電源4に接続されたコロナ放電が可能
なコロナ放電電極(針状電極)5と、接地された平板状
ターゲット電極6からなるコロナ放電電界中を通過し、
連続フィラメント群は帯電させられる。
【0010】コロナ放電電極(針状電極)5には、入り
口側(上方)から出口側(下方)において連続フィラメン
ト群2の全幅方向にわたってスリット状の空気噴射口1
4(図2)が複数列設けられており、該空気噴射口14
は連続フィラメント群2の流れ方向に1〜10mm、幅
方向にはコロナ放電電極(針状電極)5の設置幅以上に
開口されている。この空気噴射口14は、前記コロナ放
電電極(針状電極)5において入り口側から出口側に向か
って、コロナ放電用電極針16の列と交互に設けられ、
各々の空気噴射口14にはそれぞれ空気供給配管が接続
されており、幅方向全幅に均一に空気を噴射できるよう
に調整されている。更に、最上列の入り口側の空気噴射
口14の上側には、幅方向に間隔を置いて配設された、
それぞれが独立した多数の空気噴射ノズル孔15の群
と、各ノズル孔からの噴射空気量を個々に調整するため
の流量調整弁17と減圧調整弁18(図2)が設けられ
ており、コロナ放電電極(針状電極)5に導入される連
続フィラメント群2の密度は全幅方向においてノズル孔
毎に独立して噴射される空気により均一に調整される。
【0011】又、幅方向に配列する複数個の空気噴射ノ
ズル孔15の間隔は10〜30mmの範囲とする。この間
隔が30mmを超えると、連続フィラメント群2の密度が
非常に高いところを十分に調整することが困難となり、
逆に、前記間隔が10mm未満では必要以上にノズル孔が
密になり過ぎて、設備が無駄である。以上の操作によ
り、コロナ放電電界中に入る前のフィラメント群2の密
度は幅方向において均一に調整されるので、フィラメン
ト1本1本に均一な帯電を付与することができ、非常に
良好な繊維の開繊性が得られる。
【0012】このようにして、前記フィラメント群2
は、針状電極と平板状電極からなるコロナ放電電極ユニ
ット入り口に設けられている、即ちスリット状の空気噴
射口14の最上列に設けられている多数の独立した空気
噴射ノズル孔15(図2)から、独立して管理されてい
る空気の噴射流により、平板状ターゲット電極6に押し
付けられて、上方から下方へ通過させられ、その際にフ
ィラメント群の密度は均一化される。続いて、この連続
フィラメント群2は、更に空気噴射口14(図2)から
噴射された空気流を受けながらコロナ放電電界中を通過
して帯電による電気的な反発により開繊される。前記空
気噴射ノズル孔15(図2)からの空気量は、熱エンボ
スロール8(図1)の後ろに設けられている目付測定装置
11(図1)からの信号により目付が大きい領域のノズ
ル孔からは空気量が多く、目付が小さい領域のノズル孔
からは空気量が小さくなるように流量調整弁17の開度
が管理される。
【0013】本発明では前記空気噴射ノズル孔15から
の空気流が連続フィラメント群2の幅方向における密度
差を調整するとともに、空気噴射口14(図2)から噴
射された空気流は連続フィラメント群2と一緒に流れて
いる熱可塑性樹脂からの低揮発成分を含む空気流とコロ
ナ放電用電極針16(図2)とが接触しないように防護
し、或いは仮に低揮発分を含む空気流と前記電極針16
とが接触しても絶えず新鮮な空気流で前記電極針16
(図2)を洗浄する役目を果たし、こうして高速気流牽
引装置3から連続フィラメント群2と一緒に流出する空
気流中に含まれる熱可塑性樹脂からの低揮発成分で前記
電極針16(図2)が汚染されるのを防止することがで
きるため、常時一定のコロナ放電電圧をかけることがで
きる。このようにして目付のより一層の均一化及び良好
な開繊が達成される。
【0014】前記連続フィラメント群2は、コロナ放電
電界中を通過後、エンドレスに回転している網製の支持
体からなる捕集コンベア7の上に捕集・堆積させられウ
ェブが形成される。次いで、このウェブは、凹凸ロール
と平滑ロールから構成される熱エンボスロール8によっ
て繊維が多数の点で熱圧着されてスパンボンド不織布9
とされ、巻取機10でロール状に巻き取られる。熱エン
ボスロール8と巻取機10の間には目付測定装置11が
取り付けられており、ウェブの全幅における目付を測定
し、その個々の目付の情報をコンピューター12により
演算処理し、これをコントローラー13を介して、信号
として取出されて送られ、空気噴射ノズル15孔(図
2)の流量調整弁17を自動管理し、前記したように、
目付の大きい領域は空気流量を多くし、逆に目付が小さ
い領域は空気流量を少なくするという風に空気流量を調
整して密度が均一にされ、それによって目付の均一化の
ための調整が行われる。
【0015】本発明において用いられる熱可塑性樹脂と
しては、繊維形態能を形成するものであれば特に限定さ
れるものではないが、ポリプロピレン、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレン、ナイロン等の樹脂、もし
くはこれらの混合物、共重合体等を挙げることができ、
適宜選択して用いられる。本発明において、押出し紡糸
機で紡出されたフィラメント群は空気流とともにコロナ
放電電界中を通過させられ帯電されるが、本発明に用い
られるコロナ放電方法は、公知の任意の方法がそのまま
用いられる。しかしながら、本発明では針状電極と平板
状電極とを組み合わせた装置からなるコロナ放電方法が
好ましく、その場合、10〜50mmの間隔を有する電
極間に、通常−10〜−50KVの電圧を印加し、コロ
ナ放電が発生する状態をつくり、その両電極間にフィラ
メント群を通過させるのがよい。このときコロナ放電の
ために印加する電圧は、アーク放電しない限界の電圧、
即ちアーク放電する手前の電圧をかけるのが一般的に好
ましい。
【0016】図2においては、空気噴射口14は連続し
た一体のスリット状噴射口を例示しているが、前記噴射
口の形状はこれに限定されるものではなく、例えば、電
極針毎に仕切られたスリット状の噴射口であっても、
又、スリット状ではなく、円形状の噴射口であってもよ
い。つまり、空気噴射口から噴射された空気流は、電極
針の後端部から先端部に向かって流れ、常に電極針の周
辺を空気流が流れるようにすればよい。この理由は、噴
射された空気流は、熱可塑性樹脂を溶融紡糸する際にそ
の低重合物が連続フィラメント群とこれに随伴する空気
流により、コロナ放電ユニットに導かれ、コロナ放電電
極の電極針あるいはその周辺に付着してコロナ放電の電
圧を低下させ、連続フィラメント群の開繊性を低下させ
るのを防止するためである。
【0017】本発明においては空気量を調整するため
に、流量調整弁17と圧力調整弁18を用いるが、これ
らのために適宜必要に応じて任意の圧力及び流量の調整
装置が用いられる。前記したように、本発明の空気噴射
ノズル孔15は幅方向に間隔を置いて多数配置され、各
ノズルの噴射空気圧力を個々に調整するための流量調整
弁17があり、該調整弁は、連続フィラメント群2の密
度を調整する機能を有し、検出されたフィラメント密度
が高い領域の空気流を多くすることによってフィラメン
トが分散し、フィラメント密度を均一にすることができ
る。ノズル孔の形状や孔径はフィラメントの密度が調整
できれば特に限定されるものではない。このように、幅
方向全幅にわたってフィラメント密度が調整され、それ
によってウェブの目付を調整することが可能である。
【0018】以上説明したように、本発明ではスパンボ
ンド不織布を製造する際に、連続フィラメント群の幅方
向における密度をコロナ放電ユニットにおいて最上段で
調整し、それによって均一な目付を有するウェブを形成
するとともに、その他の段で連続フィラメント群に随伴
して流れている空気流中に含まれ、溶融紡糸の際に生成
される熱可塑性樹脂からの低揮発性成分がコロナ放電用
電極に付着堆積することも防止できるので、フィラメン
ト群の開繊を長期間良好に維持しながら、均一な目付と
優れた開繊性を有するスパンボンド不織布を得ることが
できる。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明は勿論これらに限定されるものでは
ない。
【0020】実施例1 図1と2に示すような溶融押出し紡糸装置を用いて、ス
パンボンド不織布を製造した。熱可塑性樹脂としてポリ
プロピレンを用い、矩型状の紡糸口金(紡糸孔2000
個)から1孔当たり毎分1gの吐出量で溶融紡糸し、紡
出された連続フィラメント群2を矩型スリットを有する
高速気流牽引装置3により、高速空気で引き取り、延伸
しながら平板状電極に衝突させ、以下に述べるコロナ放
電用電極ユニットに導入し、開繊し、繊度2デニール、
目付25g/m2のウェブを得た。前記コロナ放電用電
極ユニットは、高速気流牽引装置2の下方に設けられて
おり、直流高電圧電源4に接続されたコロナ放電電極
(針状電極)5と接地されたステンレス製の平板状ター
ゲット電極6より構成され、この両電極間にコロナ放電
電圧−20KVで印加してフィラメント群2を開繊させ
た。
【0021】空気噴射口14は、開口厚みが2mm、幅
が1200mm、数は6列であった。空気圧力は調整弁
17の出口圧力を2kgf/cm2Gとして1000l
/分で空気流を噴射した。さらに、コロナ放電用電極ユ
ニットの入り口側に設けた空気噴射ノズル孔15は、3
mmφで15mm間隔で取り付けられており、空気圧力
は、調整弁17の入り口圧力を2gf/cm2Gとして
個々の空気噴射ノズル孔15は0〜20l/分の範囲で
別々に空気流を噴射した。
【0022】この時、空気噴射ノズル孔15から噴射さ
れる空気量の調整は、目付測定装置(横河エンジニアリ
ングサービス社製)11により目付を連続的に測定し、
その測定結果によりスパンボンド不織布9の幅方向にお
いて目付の大きい部分を特定し、コンピューター12を
介して信号に変換後、調整弁17を自動的に調整して目
付調整した。得られた不織布の開繊性とコロナ放電電極
の電極針の汚れ具合は、紡糸開始から1ヶ月使用した後
のもの及び状態を目視で評価し、更に得られた不織布の
両サイドの耳部を50mmづつ取り除いたものについて
500mmの長さに切断し、20試料について重量を測
定し、その平均値、Xと標準偏差値、Sを求め、(1)
式から相対標準偏差値を求めた。この相対偏差値は、変
動係数(Coefficientof Variation)とも呼ばれ、測定
データの分布の広がり(ばらつき)を数量的に示すもの
で、数値が小さいほどばらつきが少ないことを意味して
いる。 相対標準偏差値=(S/X)×100… (1) ただし、Sは標準偏差値、Xは平均値を示す。
【0023】比較例1 空気噴射口14と噴射ノズル孔15から空気流を噴射し
ないこと以外は、実施例1と同様にしてスパンボンド不
織布を製造した。得られた不織布を実施例1と同様にし
て評価した。
【0024】比較例2 空気噴射口14からの空気流を噴射せずに、噴射ノズル
孔15からのみ空気流を噴射したこと以外は、実施例1
と同様にしてスパンボンド不織布を製造した。得られた
不織布を実施例1と同様にして評価した。
【0025】比較例3 空気噴射口14からのみ空気流を噴射し、噴射ノズル孔
15から空気流を噴射しなかったこと以外は、実施例1
と同様にしてスパンボンド不織布を製造した。得られた
不織布を実施例1と同様にして評価した。
【0026】得られた結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1からわかるように、本発明により製造
されたスパンボンド不織布にはフィラメント同士が数十
本の束になった状態がほとんど確認されず、紡糸開始か
ら1ヶ月経っても極めて開繊状態が良好であるととも
に、1ヶ月間コロナ放電を行った後の電極針の汚れは、
使用開始直後と変わらず、電極針の交換は必要としなか
った。目付けのばらつきも極めて小さいものであった。
これに対して、空気噴射口14から空気を噴射しなかっ
た場合(比較例1と2)、紡糸日数が経つにつれて電極
針の汚れがひどくなり、コロナ放電電圧の低下により開
繊が悪化した。噴射ノズル孔からのみ空気を噴射すると
(比較例2)、若干開繊性が改善できる程度であった。
噴射ノズル孔15から空気を噴射しなかった場合(比較
例1と3)、フィラメントの密度が不均一であるために
相対標準偏差値が悪く、特に噴射ノズル孔15と空気噴
射口14のから空気を噴射しない場合(比較例1)、前
記の数値は高く、結束繊維がコロナ放電だけでは開繊で
きず、多く存在し、幅方向における均一な開繊性が得ら
れなかった。空気噴射口14から空気を噴射した場合
(比較例3)には、電極針の汚れはなかった。
【0029】
【発明の効果】本発明はフィラメント群の開繊性を長期
間にわたって良好に維持させると共に、均一な目付と優
れた開繊性を有するスパンボンド不織布の製造方法を提
供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るスパンボンド不織布の製造方法
に用いる装置の一例を示す模式図である。
【図2】 本発明に係る空気噴射口と空気噴射ノズル孔
を備えたコロナ放電用針状電極の一例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 紡糸口金 2 連続フィラメント群 3 高速気流牽引装置 4 直流高電圧電源 5 コロナ放電電極(針状電極) 6 平板状ターゲット電極 7 捕集コンベア 8 熱エンボスロール 9 スパンボンド不織布 10 巻取機 11 目付測定装置 12 コンピューター 13 コントローラー 14 空気噴射口 15 空気噴射ノズル孔 16 コロナ放電用電極針 17 流量調整弁 18 圧力調整弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紡糸口金より熱可塑性樹脂を溶融紡糸し
    て集束された連続フィラメント群を高速気流牽引装置に
    より牽引して細化延伸し、該高速気流牽引装置から空気
    流と共に搬送されるすだれ状の連続フィラメント群を、
    コロナ放電電極側の全幅方向において、コロナ放電電極
    と平板状ターゲット電極からなるコロナ放電ユニットに
    導いて開繊させ、次いで支持体上に捕集・堆積させてウ
    ェブを形成させ、更に該ウェブを熱エンボスロール間に
    導入して長繊維同士を熱圧着させるスパンボンド不織布
    の製造方法において、該コロナ放電ユニットのコロナ放
    電電極側の入り口と出口の間の全幅方向にわたって設置
    された任意の数のスリット状の空気噴射口から空気流
    を、通過する連続フィラメント群に噴射させ、かつ該空
    気噴射口の最上列の上には、幅方向に間隔を置いて配置
    された多数の個々に独立した空気噴射ノズル孔群と、該
    空気噴射ノズル孔からの空気量をそれぞれ独立して調整
    できるように多数の調整弁とを設け、更に、熱エンボス
    ロール後に設けられている、スパンボンド不織布の目付
    を幅方向において連続的に測定できる装置から発信され
    る目付の信号と連動させ前記調整弁の開度を管理して空
    気流の量を調整することを特徴とするスパンボンド不織
    布の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記コロナ放電電極において該電極の入
    り口から出口へ向かって電極針の列とスリット状の空気
    噴射口が交互に設けられていることを特徴とする請求項
    1記載のスパンボンド不織布の製造方法。
JP9048869A 1997-03-04 1997-03-04 スパンボンド不織布の製造方法 Pending JPH10251959A (ja)

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