JPH10251874A - チタン化合物皮膜及びジルコニウム化合物皮膜の剥離液 - Google Patents
チタン化合物皮膜及びジルコニウム化合物皮膜の剥離液Info
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- JPH10251874A JPH10251874A JP9076699A JP7669997A JPH10251874A JP H10251874 A JPH10251874 A JP H10251874A JP 9076699 A JP9076699 A JP 9076699A JP 7669997 A JP7669997 A JP 7669997A JP H10251874 A JPH10251874 A JP H10251874A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 チタン化合物皮膜及びジルコニウム化合物皮
膜の剥離液を提供する。 【解決手段】 この剥離液は、過酸化水素水、水溶性芳
香族ニトロ化合物及び随意としてpH調整剤を含有す
る。鉄又は鉄合金、チタン又はチタン合金、超硬合金な
どの燒結金属から選択される母材上に施されたチタン化
合物皮膜及びジルコニウム化合物皮膜を剥離させるのに
有効である。
膜の剥離液を提供する。 【解決手段】 この剥離液は、過酸化水素水、水溶性芳
香族ニトロ化合物及び随意としてpH調整剤を含有す
る。鉄又は鉄合金、チタン又はチタン合金、超硬合金な
どの燒結金属から選択される母材上に施されたチタン化
合物皮膜及びジルコニウム化合物皮膜を剥離させるのに
有効である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、装飾品(眼鏡のチ
タンフレームや時計のステンレスフレームなど)や工具
(ポンチ、金型、ドリルの刃など)などに施されている
チタン化合物皮膜(TiN、TiC、TiCN、TiA
lなど)及びジルコニウム化合物皮膜(ZrN、ZrC
など)の剥離液に関する。
タンフレームや時計のステンレスフレームなど)や工具
(ポンチ、金型、ドリルの刃など)などに施されている
チタン化合物皮膜(TiN、TiC、TiCN、TiA
lなど)及びジルコニウム化合物皮膜(ZrN、ZrC
など)の剥離液に関する。
【0002】
【従来の技術】装飾品である時計フレームや時計バン
ド、眼鏡フレームなどや工具に代表されるドリルの刃
(高速度工具鋼鋼材)や金型(合金工具鋼鋼材)などに
は、装飾性や耐摩耗性を向上させるためにCVDやPV
Dの手法を用いてチタン化合物皮膜やジルコニウム化合
物皮膜を形成することが常識となっている。一方で、そ
れらの製造工程での不良品再生や高価な工具や金型の再
利用のため、これらの皮膜を剥離して再度皮膜を形成し
ている。これら皮膜の剥離には、特開昭59−4147
9号の公報で開示されている硝酸水溶液を加温して剥離
する方法、特開平5−112885号の公報で開示され
ている重合リン酸アルカリ塩、ヒドロキシ・カーボネー
ト系有機酸アルカリ塩、エチレンジアミン酢酸アルカリ
塩、水酸化アルカリ、チオグリコール酸アルカリ、過酸
化水素水からなる水溶液で剥離する方法、特開平5−5
03320号の公報で開示されている過酸化水素とアル
カリ源がアンモニウムイオンで与えられ且つpH8を越
える水溶液で剥離する方法、特開昭62−17190号
の公報で開示されている苛性アルカリを主成分とし過酸
化水素水を含有する水溶液で剥離する方法などがある。
ド、眼鏡フレームなどや工具に代表されるドリルの刃
(高速度工具鋼鋼材)や金型(合金工具鋼鋼材)などに
は、装飾性や耐摩耗性を向上させるためにCVDやPV
Dの手法を用いてチタン化合物皮膜やジルコニウム化合
物皮膜を形成することが常識となっている。一方で、そ
れらの製造工程での不良品再生や高価な工具や金型の再
利用のため、これらの皮膜を剥離して再度皮膜を形成し
ている。これら皮膜の剥離には、特開昭59−4147
9号の公報で開示されている硝酸水溶液を加温して剥離
する方法、特開平5−112885号の公報で開示され
ている重合リン酸アルカリ塩、ヒドロキシ・カーボネー
ト系有機酸アルカリ塩、エチレンジアミン酢酸アルカリ
塩、水酸化アルカリ、チオグリコール酸アルカリ、過酸
化水素水からなる水溶液で剥離する方法、特開平5−5
03320号の公報で開示されている過酸化水素とアル
カリ源がアンモニウムイオンで与えられ且つpH8を越
える水溶液で剥離する方法、特開昭62−17190号
の公報で開示されている苛性アルカリを主成分とし過酸
化水素水を含有する水溶液で剥離する方法などがある。
【0003】ところが、特開昭59−41479号の方
法では特開昭62−17190号に記述されているよう
に母材を侵食することなく剥離することが困難であり、
また、母材を侵食しない方法として特開平5−1128
85号、特開平5−503320号、特開昭62−17
190号の剥離液が考案されており、それらは基本的に
はアルカリ側で過酸化水素を含有する水溶液であるのが
特徴である。ところが、母材がチタンであるその上のチ
タン化合物皮膜やジルコニウム化合物皮膜を剥離させる
にあたって、上記の公報で開示されたような剥離剤を用
いると、一部の母材(例えばステンレスなど)において
は問題ないものの、母材がチタンの場合には侵食されて
しまう。また、これらの剥離液を鏡面に研磨された超硬
合金素材の部品や高速度工具鋼鋼材でできた工具に施さ
れたチタン化合物皮膜やジルコニウム化合物皮膜の剥離
に用いた場合には、長時間浸漬した時に、母材を侵食し
て外観を変色させてしまうことが分かった。
法では特開昭62−17190号に記述されているよう
に母材を侵食することなく剥離することが困難であり、
また、母材を侵食しない方法として特開平5−1128
85号、特開平5−503320号、特開昭62−17
190号の剥離液が考案されており、それらは基本的に
はアルカリ側で過酸化水素を含有する水溶液であるのが
特徴である。ところが、母材がチタンであるその上のチ
タン化合物皮膜やジルコニウム化合物皮膜を剥離させる
にあたって、上記の公報で開示されたような剥離剤を用
いると、一部の母材(例えばステンレスなど)において
は問題ないものの、母材がチタンの場合には侵食されて
しまう。また、これらの剥離液を鏡面に研磨された超硬
合金素材の部品や高速度工具鋼鋼材でできた工具に施さ
れたチタン化合物皮膜やジルコニウム化合物皮膜の剥離
に用いた場合には、長時間浸漬した時に、母材を侵食し
て外観を変色させてしまうことが分かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来技術
の剥離方法において母材が侵食される原因としては、上
記の公報で開示されたような剥離液の組成からみて、ア
ルカリ側で過酸化水素を酸化剤又は還元剤として作用さ
せていることにあると考えられる。また、アルカリ側に
する必要性は、上記の公報の中で述べているように、チ
タン化合物皮膜の剥離速度を高めるためである。よっ
て、上記の理由で剥離液の液性がアルカリ側に限定され
ると、上述したチタンや高速度工具鋼鋼材などが母材で
あるものは侵食を受けやすい。従って、本発明は、鉄又
は鉄合金、チタン又はチタン合金、超硬合金などの燒結
金属から選択される母材上に施されたチタン化合物皮膜
及びジルコニウム化合物皮膜を剥離させるにあたって、
母材を侵食することなく該皮膜を剥離することができる
チタン化合物皮膜及びジルコニウム化合物皮膜の剥離液
を提供することを目的とする。
の剥離方法において母材が侵食される原因としては、上
記の公報で開示されたような剥離液の組成からみて、ア
ルカリ側で過酸化水素を酸化剤又は還元剤として作用さ
せていることにあると考えられる。また、アルカリ側に
する必要性は、上記の公報の中で述べているように、チ
タン化合物皮膜の剥離速度を高めるためである。よっ
て、上記の理由で剥離液の液性がアルカリ側に限定され
ると、上述したチタンや高速度工具鋼鋼材などが母材で
あるものは侵食を受けやすい。従って、本発明は、鉄又
は鉄合金、チタン又はチタン合金、超硬合金などの燒結
金属から選択される母材上に施されたチタン化合物皮膜
及びジルコニウム化合物皮膜を剥離させるにあたって、
母材を侵食することなく該皮膜を剥離することができる
チタン化合物皮膜及びジルコニウム化合物皮膜の剥離液
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
鋭意研究した結果、本発明者は、過酸化水素水及びある
種の水溶性芳香族ニトロ化合物を含有する剥離液がチタ
ン化合物皮膜及びジルコニウム化合物皮膜が施された母
材に化学的な侵食を与えることなく広いpH範囲で該皮
膜を首尾よく剥離させることを見出した。しかして、本
発明の主題は、過酸化水素水及び水溶性芳香族ニトロ化
合物を含有する、チタン化合物皮膜及びジルコニウム化
合物皮膜の剥離液にある。
鋭意研究した結果、本発明者は、過酸化水素水及びある
種の水溶性芳香族ニトロ化合物を含有する剥離液がチタ
ン化合物皮膜及びジルコニウム化合物皮膜が施された母
材に化学的な侵食を与えることなく広いpH範囲で該皮
膜を首尾よく剥離させることを見出した。しかして、本
発明の主題は、過酸化水素水及び水溶性芳香族ニトロ化
合物を含有する、チタン化合物皮膜及びジルコニウム化
合物皮膜の剥離液にある。
【0006】本発明の特に好ましい主題は、過酸化水素
水の濃度が35重量%の溶液を基準に表わして50〜8
00mL/Lであり、水溶性芳香族ニトロ化合物の濃度
が1〜300g/Lであることを特徴とする上記の剥離
液にある。
水の濃度が35重量%の溶液を基準に表わして50〜8
00mL/Lであり、水溶性芳香族ニトロ化合物の濃度
が1〜300g/Lであることを特徴とする上記の剥離
液にある。
【0007】特に、本発明の主題は、鉄又は鉄合金、チ
タン又はチタン合金、超硬合金などの燒結金属から選択
される母材上に施されたチタン化合物皮膜及びジルコニ
ウム化合物皮膜を剥離させるための上記の剥離液にあ
る。さらに、好ましくは、本発明の主題は、必要に応じ
て、該母材に化学的な侵食を与えないpH範囲に調整す
るためのpH調整剤をさらに含有する上記の剥離液にあ
る。
タン又はチタン合金、超硬合金などの燒結金属から選択
される母材上に施されたチタン化合物皮膜及びジルコニ
ウム化合物皮膜を剥離させるための上記の剥離液にあ
る。さらに、好ましくは、本発明の主題は、必要に応じ
て、該母材に化学的な侵食を与えないpH範囲に調整す
るためのpH調整剤をさらに含有する上記の剥離液にあ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に従うチタン化合物皮膜及
びジルコニウム化合物皮膜の剥離液は、過酸化水素水と
水溶性芳香族ニトロ化合物を基本とし、必要に応じて液
のpHを有機酸塩、無機酸塩、苛性アルカリ、アンモニ
ア、アミン、アミン塩、ポリアミンで調整して母材への
影響を与えないようにした剥離液である。本発明におけ
る過酸化水素水は、従来の酸化剤又は還元剤の作用だけ
でなくて、剥離して溶解したチタン化合物皮膜中のチタ
ンやジルコニウム化合物皮膜中のジルコニウムをキレー
ト化させる作用を有する。また、該皮膜の剥離を促進さ
せるために酸化剤として水溶性芳香族ニトロ化合物を採
用した。さらに、剥離液のpHは、所望により母材に影
響を与えないように母材の種類に応じて調整される。
びジルコニウム化合物皮膜の剥離液は、過酸化水素水と
水溶性芳香族ニトロ化合物を基本とし、必要に応じて液
のpHを有機酸塩、無機酸塩、苛性アルカリ、アンモニ
ア、アミン、アミン塩、ポリアミンで調整して母材への
影響を与えないようにした剥離液である。本発明におけ
る過酸化水素水は、従来の酸化剤又は還元剤の作用だけ
でなくて、剥離して溶解したチタン化合物皮膜中のチタ
ンやジルコニウム化合物皮膜中のジルコニウムをキレー
ト化させる作用を有する。また、該皮膜の剥離を促進さ
せるために酸化剤として水溶性芳香族ニトロ化合物を採
用した。さらに、剥離液のpHは、所望により母材に影
響を与えないように母材の種類に応じて調整される。
【0009】本発明の剥離液の第一の成分は、過酸化水
素水である。過酸化水素水は、従来の酸化剤又は還元剤
の作用だけではなくて、剥離して溶解したチタン化合物
皮膜中のチタンやジルコニウム化合物皮膜中のジルコニ
ウムをキレート化させる作用を有する。過酸化水素水の
濃度は、広い範囲で変えることができるが、一般に市販
されている濃度のもので十分である。一般に、30〜4
0重量%程度の濃度のもの、好ましくは35重量%程度
の濃度のものが市場で入手できる。本発明の剥離液にお
いて、過酸化水素水の濃度は、35重量%過酸化水素水
を基準に表わして50〜800mL/L、好ましくは1
00〜500mL/Lである。
素水である。過酸化水素水は、従来の酸化剤又は還元剤
の作用だけではなくて、剥離して溶解したチタン化合物
皮膜中のチタンやジルコニウム化合物皮膜中のジルコニ
ウムをキレート化させる作用を有する。過酸化水素水の
濃度は、広い範囲で変えることができるが、一般に市販
されている濃度のもので十分である。一般に、30〜4
0重量%程度の濃度のもの、好ましくは35重量%程度
の濃度のものが市場で入手できる。本発明の剥離液にお
いて、過酸化水素水の濃度は、35重量%過酸化水素水
を基準に表わして50〜800mL/L、好ましくは1
00〜500mL/Lである。
【0010】本発明の剥離液の第二の成分は、水溶性芳
香族ニトロ化合物である。このような水溶性芳香族ニト
ロ化合物として特に好ましいものは、次式(I)
香族ニトロ化合物である。このような水溶性芳香族ニト
ロ化合物として特に好ましいものは、次式(I)
【化1】 (ここで、Rは−SO3 H、−SO3 M、−COOH、
−COOM、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基
及びアミノ基から選択され、Mはアルカリ金属であり、
xは0〜3の整数である。)で表わされるニトロベンゼ
ン化合物である。また、上記と同様の置換基を有するニ
トロナフタリン化合物も同様に使用することができる。
水溶性芳香族ニトロ化合物は、皮膜の剥離を促進させる
ために酸化剤として作用する。さらに、この芳香族ニト
ロ化合物は、それ自体で、それらの置換基Rの種類に応
じて剥離液に広い範囲で変化できるpHを与えることが
でき、しかも本発明の剥離液を非常に広いpH範囲で、
即ち1〜13のpHで使用するのを可能にさせる。
−COOM、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基
及びアミノ基から選択され、Mはアルカリ金属であり、
xは0〜3の整数である。)で表わされるニトロベンゼ
ン化合物である。また、上記と同様の置換基を有するニ
トロナフタリン化合物も同様に使用することができる。
水溶性芳香族ニトロ化合物は、皮膜の剥離を促進させる
ために酸化剤として作用する。さらに、この芳香族ニト
ロ化合物は、それ自体で、それらの置換基Rの種類に応
じて剥離液に広い範囲で変化できるpHを与えることが
でき、しかも本発明の剥離液を非常に広いpH範囲で、
即ち1〜13のpHで使用するのを可能にさせる。
【0011】水溶性芳香族ニトロ化合物としては、ニト
ロ安息香酸、4−クロル−3−ニトロ安息香酸、ニトロ
フタル酸、イソニトロフタル酸、ニトロテレフタル酸、
3−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、
ピクリン酸、アミノニトロ安息香酸、ニトロ−1−ナフ
トエ酸、これらのカルボン酸のアルカリ金属(例えば、
ナトリウム、カリウムなど)塩、ニトロベンゼンスルホ
ン酸、ニトロフェノールスルホン酸、1−ニトロナフタ
リン−2−スルホン酸、これらのスルホン酸のアルカリ
金属(例えば、ナトリウム、カリウムなど)塩などが挙
げられる。これらは単独で又は2種以上を組合せて使用
することができる。水溶性芳香族ニトロ化合物は、剥離
液中に1〜300g/L、好ましくは10〜200g/
Lの濃度で存在できる。
ロ安息香酸、4−クロル−3−ニトロ安息香酸、ニトロ
フタル酸、イソニトロフタル酸、ニトロテレフタル酸、
3−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、
ピクリン酸、アミノニトロ安息香酸、ニトロ−1−ナフ
トエ酸、これらのカルボン酸のアルカリ金属(例えば、
ナトリウム、カリウムなど)塩、ニトロベンゼンスルホ
ン酸、ニトロフェノールスルホン酸、1−ニトロナフタ
リン−2−スルホン酸、これらのスルホン酸のアルカリ
金属(例えば、ナトリウム、カリウムなど)塩などが挙
げられる。これらは単独で又は2種以上を組合せて使用
することができる。水溶性芳香族ニトロ化合物は、剥離
液中に1〜300g/L、好ましくは10〜200g/
Lの濃度で存在できる。
【0012】上記のように、本発明の剥離液は、芳香族
ニトロ化合物の使用により広い範囲のpH(1〜13)
を有することができるが、必要ならば、液自体のpHを
適用する母材の種類などに応じて任意の好適な範囲に調
整することができるようにpH調整剤を含有することが
できる。このようなpH調整剤としては、有機酸(酢
酸、酒石酸、くえん酸など)、有機酸塩(酢酸ソーダ、
炭酸ソーダ、酒石酸ソーダなど)、無機酸(硝酸、硫酸
など)、無機酸塩(硫酸水素カリウム、リン酸一水素二
カリウム、リン酸二水素カリウム、硫酸アンモニウムな
ど)、苛性アルカリ(苛性ソーダ、苛性カリウムな
ど)、アンモニア(アンモニア水)、アミン(モノメチ
ルアミン、ジメチルアミン、トリエタノールアミンな
ど)、アミン塩(EDTA 4Na、EDTA 2N
a、ジエチレントリアミン五酢酸5Na、ヒドロキシエ
チルエチレンジアミン三酢酸3Naなど)、ポリアミン
(ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ポリアリ
ルアミン塩酸塩など)が挙げられる。pH調整剤は、母
材に影響を与えないpH(pH1〜13)をもたらすよ
うに選択される。本発明の剥離液において、上記の成分
以外の残部は水である。
ニトロ化合物の使用により広い範囲のpH(1〜13)
を有することができるが、必要ならば、液自体のpHを
適用する母材の種類などに応じて任意の好適な範囲に調
整することができるようにpH調整剤を含有することが
できる。このようなpH調整剤としては、有機酸(酢
酸、酒石酸、くえん酸など)、有機酸塩(酢酸ソーダ、
炭酸ソーダ、酒石酸ソーダなど)、無機酸(硝酸、硫酸
など)、無機酸塩(硫酸水素カリウム、リン酸一水素二
カリウム、リン酸二水素カリウム、硫酸アンモニウムな
ど)、苛性アルカリ(苛性ソーダ、苛性カリウムな
ど)、アンモニア(アンモニア水)、アミン(モノメチ
ルアミン、ジメチルアミン、トリエタノールアミンな
ど)、アミン塩(EDTA 4Na、EDTA 2N
a、ジエチレントリアミン五酢酸5Na、ヒドロキシエ
チルエチレンジアミン三酢酸3Naなど)、ポリアミン
(ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ポリアリ
ルアミン塩酸塩など)が挙げられる。pH調整剤は、母
材に影響を与えないpH(pH1〜13)をもたらすよ
うに選択される。本発明の剥離液において、上記の成分
以外の残部は水である。
【0013】本発明の剥離液は、鉄又は鉄合金、チタン
又はチタン合、超硬合金などの燒結金属から選択される
母材上に施されたチタン化合物皮膜(TiN、TiC、
TiCN、TiAlなど)及びジルコニウム化合物皮膜
(ZrN、ZrCなど)を剥離させるのに有効である。
上述のように、本発明の剥離液は、チタン化合物皮膜及
びジルコニウム化合物皮膜が施された母材に悪影響を及
ぼさないようなpHに調整される。母材を侵食させない
で該皮膜の剥離を行うことができるpHの好ましい範囲
を例示すれば、鉄系の母材では約7.0〜13.0のp
H、鉄合金の母材では約7.0〜12.0のpH(ステ
ンレス鋼では約1.0〜13.0)、チタン及びチタン
合金では約1.0〜8.0のpH、超硬合金では約7.
0〜12.0であろう。もちろん、これらの範囲に限定
されない。このように、好ましいpHの範囲は、母材金
属によって変わるが、当業者ならば簡単な実験により母
材を侵食しない最適なpHを容易に決定することができ
る。
又はチタン合、超硬合金などの燒結金属から選択される
母材上に施されたチタン化合物皮膜(TiN、TiC、
TiCN、TiAlなど)及びジルコニウム化合物皮膜
(ZrN、ZrCなど)を剥離させるのに有効である。
上述のように、本発明の剥離液は、チタン化合物皮膜及
びジルコニウム化合物皮膜が施された母材に悪影響を及
ぼさないようなpHに調整される。母材を侵食させない
で該皮膜の剥離を行うことができるpHの好ましい範囲
を例示すれば、鉄系の母材では約7.0〜13.0のp
H、鉄合金の母材では約7.0〜12.0のpH(ステ
ンレス鋼では約1.0〜13.0)、チタン及びチタン
合金では約1.0〜8.0のpH、超硬合金では約7.
0〜12.0であろう。もちろん、これらの範囲に限定
されない。このように、好ましいpHの範囲は、母材金
属によって変わるが、当業者ならば簡単な実験により母
材を侵食しない最適なpHを容易に決定することができ
る。
【0014】剥離処理は、剥離すべき皮膜を有する材料
を本発明の剥離液に、一般に、約10℃〜約100℃、
好ましくは約20℃〜約70℃の温度に、チタン化合物
皮膜及びジルコニウム皮膜が剥離できるまで(一般に、
12時間以内)浸漬することだけで容易に達成される。
浸漬中は撹拌することが好ましいであろう。
を本発明の剥離液に、一般に、約10℃〜約100℃、
好ましくは約20℃〜約70℃の温度に、チタン化合物
皮膜及びジルコニウム皮膜が剥離できるまで(一般に、
12時間以内)浸漬することだけで容易に達成される。
浸漬中は撹拌することが好ましいであろう。
【0015】
【実施例】以下の実施例及び比較例において試験片とし
て使用した母材は、鉄としてSC450、鉄合金として
SUS304(ステンレス)、SKH−51(高速度工
具鋼鋼材)、SKD−11(合金工具鋼鋼材)、チタン
としてTP270H、チタン合金としてTAP640
0、超硬合金としてSFである。これらの試験片の上に
は、それぞれ、約1ミクロンのチタン化合物皮膜(Ti
N、TiC、TiCN、TiAl)及びジルコニウム化
合物皮膜(ZrN、ZrC)をイオンプレーティングし
た。
て使用した母材は、鉄としてSC450、鉄合金として
SUS304(ステンレス)、SKH−51(高速度工
具鋼鋼材)、SKD−11(合金工具鋼鋼材)、チタン
としてTP270H、チタン合金としてTAP640
0、超硬合金としてSFである。これらの試験片の上に
は、それぞれ、約1ミクロンのチタン化合物皮膜(Ti
N、TiC、TiCN、TiAl)及びジルコニウム化
合物皮膜(ZrN、ZrC)をイオンプレーティングし
た。
【0016】比較例1及び2 本発明と比較するためにいくつかの剥離液の組成を下記
の表Iに比較例1及び2として示す。
の表Iに比較例1及び2として示す。
【表1】
【0017】比較例1及び2の剥離液に上記の試験片を
浸漬して、チタン化合物皮膜及びジルコニウム化合物皮
膜の剥離試験を行う。比較例1及び2のための処理条件
は次の通りである。 処理温度:60℃(比較例1) 25℃(比較例2) 処理時間:チタン化合物皮膜及びジルコニウム化合物皮膜の剥離できるま で(12時間以内)
浸漬して、チタン化合物皮膜及びジルコニウム化合物皮
膜の剥離試験を行う。比較例1及び2のための処理条件
は次の通りである。 処理温度:60℃(比較例1) 25℃(比較例2) 処理時間:チタン化合物皮膜及びジルコニウム化合物皮膜の剥離できるま で(12時間以内)
【0018】実施例1〜20 本発明に従う剥離液の具体的な組成を下記の表IIに実施
例1〜20として示す。
例1〜20として示す。
【表2】
【表3】
【0019】実施例1〜20の剥離液に上記の試験片を
浸漬して、チタン化合物皮膜及びジルコニウム化合物皮
膜の剥離試験を行う。実施例1〜20のための処理条件
は次の通りである。 処理温度:40℃〜70℃(実施例1〜13) 20℃〜40℃(実施例14〜20) 処理時間:チタン化合物皮膜及びジルコニウム化合物皮膜の剥離できるま で(12時間以内)
浸漬して、チタン化合物皮膜及びジルコニウム化合物皮
膜の剥離試験を行う。実施例1〜20のための処理条件
は次の通りである。 処理温度:40℃〜70℃(実施例1〜13) 20℃〜40℃(実施例14〜20) 処理時間:チタン化合物皮膜及びジルコニウム化合物皮膜の剥離できるま で(12時間以内)
【0020】実施例1〜20並びに比較例1〜2の剥離
液によるチタン化合物皮膜及びジルコニウム化合物皮膜
の剥離試験の結果を下記の表III に要約する。
液によるチタン化合物皮膜及びジルコニウム化合物皮膜
の剥離試験の結果を下記の表III に要約する。
【表4】
【0021】上記の表III の結果から、各種母材とこれ
に適したpHの関係を実施例により表わせば、下記の表
IVに示す通りである。
に適したpHの関係を実施例により表わせば、下記の表
IVに示す通りである。
【表5】
【0022】
【発明の効果】本発明に係るチタン化合物皮膜及びジル
コニウム化合物皮膜の剥離液は、上記の組成で浸漬する
だけで該皮膜の除去が可能である。しかも、母材を侵食
することなしに剥離ができるので再生及び再利用が可能
となり、コスト低減が図れた。
コニウム化合物皮膜の剥離液は、上記の組成で浸漬する
だけで該皮膜の除去が可能である。しかも、母材を侵食
することなしに剥離ができるので再生及び再利用が可能
となり、コスト低減が図れた。
Claims (4)
- 【請求項1】 過酸化水素水及び水溶性芳香族ニトロ化
合物を含有するチタン化合物皮膜及びジルコニウム化合
物皮膜の剥離液。 - 【請求項2】 過酸化水素水の濃度が35重量%の溶液
を基準に表わして50〜800mL/Lであり、水溶性
芳香族ニトロ化合物の濃度が1〜300g/Lであるこ
とを特徴とする請求項1に記載の剥離液。 - 【請求項3】 鉄又は鉄合金、チタン又はチタン合金、
超硬合金などの燒結金属から選択される母材上に施され
たチタン化合物皮膜及びジルコニウム化合物皮膜を剥離
させるための請求項1又は2に記載の剥離液。 - 【請求項4】 剥離液が該母材に化学的な侵食を与えな
いpH範囲に調整するためのpH調整剤を含有する請求
項3に記載の剥離液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9076699A JPH10251874A (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | チタン化合物皮膜及びジルコニウム化合物皮膜の剥離液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9076699A JPH10251874A (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | チタン化合物皮膜及びジルコニウム化合物皮膜の剥離液 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10251874A true JPH10251874A (ja) | 1998-09-22 |
Family
ID=13612760
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9076699A Withdrawn JPH10251874A (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | チタン化合物皮膜及びジルコニウム化合物皮膜の剥離液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10251874A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003060111A (ja) * | 2001-08-09 | 2003-02-28 | Dowa Mining Co Ltd | セラミックス回路基板の製造方法 |
JP2015507692A (ja) * | 2011-12-20 | 2015-03-12 | ソルベイ (チャイナ) カンパニー リミテッド | 金属表面の腐食のための活性化剤としてのフェノール化合物の使用 |
CN112082912A (zh) * | 2020-09-10 | 2020-12-15 | 中车戚墅堰机车车辆工艺研究所有限公司 | 一种钢晶粒度侵蚀剂及其应用 |
-
1997
- 1997-03-13 JP JP9076699A patent/JPH10251874A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003060111A (ja) * | 2001-08-09 | 2003-02-28 | Dowa Mining Co Ltd | セラミックス回路基板の製造方法 |
JP2015507692A (ja) * | 2011-12-20 | 2015-03-12 | ソルベイ (チャイナ) カンパニー リミテッド | 金属表面の腐食のための活性化剤としてのフェノール化合物の使用 |
US9523154B2 (en) | 2011-12-20 | 2016-12-20 | Solvay (China) Co., Ltd. | Use of phenol compounds as activator for metal surface corrosion |
CN112082912A (zh) * | 2020-09-10 | 2020-12-15 | 中车戚墅堰机车车辆工艺研究所有限公司 | 一种钢晶粒度侵蚀剂及其应用 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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