JPH10251872A - 耐雨筋汚染性に優れたほうろう被覆Alめっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents

耐雨筋汚染性に優れたほうろう被覆Alめっき鋼板及びその製造方法

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JPH10251872A
JPH10251872A JP6430697A JP6430697A JPH10251872A JP H10251872 A JPH10251872 A JP H10251872A JP 6430697 A JP6430697 A JP 6430697A JP 6430697 A JP6430697 A JP 6430697A JP H10251872 A JPH10251872 A JP H10251872A
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JP
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enamel
steel sheet
plated steel
glaze
frit
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Application number
JP6430697A
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English (en)
Inventor
Katsumasa Anami
克全 阿波
Tomonori Makino
智訓 牧野
Yasuharu Maeda
靖治 前田
Kenji Koshiishi
謙二 輿石
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的低温で焼成され、耐雨筋汚染性に優れ
た特性を持つほうろう被覆Alめっき鋼板を提供する。 【解決手段】 溶融Alめっき鋼板の表面に、ほうろう
釉薬のフリットが軟化点の上限が490℃のSiO2
Na2 O系からなり、焼成後のほうろう表面粗さが中心
線平均粗さRaで0.5〜1.5μmであるほうろう層
を有する。ほうろう層を形成するほうろう釉薬のフリッ
トには、軟化点の上限が490℃のSiO 2 −Na2
系フリットを用い、325メッシュのふるい上に残るフ
リットがほうろう釉薬100ml当たり0.1〜0.5
gとなるように粒度を規定して、低温2段焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐汚染性、特に雨筋汚
染性に優れたほうろう引きAlめっき鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年都市周辺部では、自動車の排気ガス
や煤煙などの大気汚染によって建築物外観などの汚れが
目立っている。有機塗膜として、耐候性、耐薬品性など
高性能な材料としてめざましい発展を遂げているフッ素
系コーティング材料は、フッ素による撥水性のため塗膜
が汚れやすく、特に黒い雨筋が目立つとの評判が定着し
てきている。また、同じく建築物外壁に使用されている
無機質ガラスコーティング材料である鉄ほうろうについ
ては、上記フッ素系コーティング材料よりは雨筋汚染性
が目立たない。しかし、鉄ほうろうは800℃以上の高
温焼成でほうろう釉薬を焼き付けているため金属材料の
変形が著しく、製品として使用するためには矯正加工が
必要となる。さらに、ほうろう被覆層で覆われていない
部分やほうろう被覆層に欠陥があると、下地鋼が外気に
露出し、その部分が腐食しやすいなどの問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決すべく案出されたものであり、比較的低温
で焼成され、耐雨筋汚染性に優れた特性を持つほうろう
被覆Alめっき鋼板を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のほうろう被覆A
lめっき鋼板は、その目的を達成するため、ほうろう釉
薬のフリットが軟化点の上限が490℃のSiO2 −N
2 O系であり、焼成後のほうろう表面粗さが中心線平
均粗さRaで0.5〜1.5μmとすることを特徴とす
る。本発明のほうろう被覆Alめっき鋼板は、軟化点の
上限が490℃のSiO2−Na2 O系フリットを含む
ほうろう釉薬であって、325メッシュのふるい上に残
るフリットがほうろう釉薬100ml当たり0.1〜
0.5gとなるように粒度を調整したほうろう釉薬を用
いて、まず440〜480℃で5〜10分間加熱した
後、Alめっき層の融点より低い焼成温度550〜60
0℃で5〜10分間加熱することにより製造される。
【0005】
【作用】この発明において、普通鋼鋼板にAlめっき層
を形成した溶融Alめっき鋼板を用いる。ほうろう被覆
層で覆われていない部分やほうろう被覆層に欠陥がある
場合でも、下地鋼が腐食しないようにするためである。
本発明に従ったほうろう用フリットは低温焼成型であ
り、軟化点の上限が490℃のSiO2 −Na2 O系フ
リットが使用される。具体的には、酸化物換算でSiO
2 :30〜45重量%、Na2 OとK2 Oとの合計量:
25〜35重量%、TiO2 :15〜25重量%、Zn
O:4〜8重量%、V25 :1〜5重量%の組成を持
つ。このような組成を持つほうろう用フリットは、Al
メッキ層の融点より低い焼成温度550〜600℃で溶
け不足なく溶融される。得られるほうろう層は耐酸性及
びAlメッキ層に対する密着性に優れる。ほうろう層形
成用のフリットは、基板のAlめっき鋼板よりも小さい
熱膨張係数を持つガラスフリットが使用される。フリッ
トの熱膨張係数が基板の熱膨張係数より大きいと冷却過
程でほうろう層にクラックが発生する。軟化点の上限が
490℃のSiO2 −Na2 O系フリットは、併せて、
熱膨張係数条件も満足している。
【0006】このフリットに、添加剤として着色剤、分
散剤、水を加えてボールミルで混合粉砕して、325メ
ッシュのふるい上に残るフリットがほうろう釉薬100
ml当たり0.1〜0.5gとなるよう粒度調整する。
粒度が0.1gより小さいと、焼成時にほうろう層全体
に割れが発生しやすくなる。逆に0.5gより大きい
と、溶融不足によってほうろう表面の平滑性が劣り、光
沢も低下する傾向にある。1段目焼成温度は、440〜
480℃とする。440℃以下では、ほうろう釉薬中に
含まれている分散剤、水等の揮発成分が十分に放出され
ないため泡状欠陥の発生原因となる。480℃を超える
温度では、ほうろう釉薬中の揮発成分が十分放出されな
いうちに、フリット粒子の軟化が始まるため、閉じ込め
られた揮発成分によって泡状欠陥が発生する。
【0007】2段目焼成温度は、550〜600℃の低
温焼成で溶け不足なく溶融され、外観が良好なほうろう
層が形成される。この焼成温度範囲では、ほうろう表面
粗さがRaで0.5〜1.5μmに納まる。550℃以
下では、焼成不足のため十分な表面光沢が得られない。
また、600℃以上では、Alめっき層のAlと母材鋼
板のFeとの相互拡散反応によるAl−Fe合金層がめ
っき表層まで成長するため、ほうろう密着性が低下す
る。また、ほうろう層の厚みは十分な隠蔽性及び密着性
を確保する上から、50〜150μmの範囲に調整され
る。厚みが50μmに満たないほうろう層では隠蔽性が
劣り、基板が透けて見える欠陥が生じる。逆に150μ
mを超える厚みではほうろう密着性が低下し、衝撃など
でほうろう層が欠け落ちやすくなり、外観品質に悪影響
を及ぼす。
【0008】
【実施例】
実施例1:板厚0.6mmの普通鋼鋼板に厚み15μm
のAlめっき層を形成した溶融Alめっき鋼板から15
0×100mmの試験片を切り出した。試験片を550
℃に5分間加熱する空焼きを施した。他方、表1に示す
配合組成を持つほうろう釉薬をボールミルで混合粉砕
し、325メッシュのふるい上に残るフリットがほうろ
う釉薬100ml当たり0.05〜1.2gとなるよう
粒度調整した。空焼後の試験片に、ほうろう釉薬をスプ
レー塗布し、軟化点近傍の温度480℃に5分間加熱し
た後、Alめっき層の融点より低い温度550〜600
℃の範囲の各温度で加熱する2段焼成によって厚み10
0μmのほうろう層を形成した。保持時間は7分に統一
した。
【0009】
【0010】得られたほうろう被覆Alめっき鋼板につ
いて、ほうろう釉薬の粒度の差異による表面粗さ(R
a)(1試料につき5ヶ所)、光沢(75°鏡面反射
率)、外観状態を調査した。調査結果を表2に示す。表
2に見られるように、ほうろう釉薬の粒度が0.1〜
0.5gのとき、ほうろう表面粗さRaが0.5〜1.
5μmとなり、外観状態は良好であった。これに対し
て、ほうろう釉薬の粒度が0.1gより小さい場合に
は、焼成時に微細な割れがほうろう層全体に入り、外観
不良となった。これは、ほうろう釉薬の粒度が小径にな
るほど、ほうろう層の収縮が大きくなり、収縮応力によ
って割れが発生するものと考えられた。逆に、0.5g
より大きいほうろう釉薬の粒度では、溶け不足のため表
面粗さRaが1.5μm以上となり平滑性が劣った。ま
た、光沢も若干低い傾向を示した。
【0011】
【0012】実施例2:表1に示した配合組成を持つほ
うろう釉薬をボールミルで混合粉砕し、325メッシュ
のふるい上に残るフリットがほうろう釉薬100ml当
たり0.1〜0.5gとなるよう粒度調整した。このほ
うろう釉薬を実施例1と同様に試験片にほうろう釉薬を
スプレー塗布し、軟化点近傍の温度480℃に5分間加
熱した後、Alめっき層の融点より低い温度550〜6
00℃の範囲で加熱する2段焼成によって厚み100μ
mのほうろう層を形成した。2段目焼成の保持時間は7
分に統一した。得られたほうろう被覆Alめっき鋼板に
ついて、雨筋汚染性試験(暴露期間1カ月及び6カ月)
後の色差の変化(ΔEの変化)及び初期の水の接触角
(θ)を測定した。雨筋汚染性試験法については、より
効果的な汚染性評価を行うため、図1に示した屋外暴露
試験機を作製し試験を行った。なお、比較例1、2とし
て、2種類の市販のフッ素系コーティング材料を常法に
従って塗膜した試料について、同様に雨筋汚染性試験を
行った。調査結果を示す表3から明らかなように、ほう
ろう被覆Alめっき鋼板は、ΔEの変化が小さく、雨筋
の付きにくい表面性状を有していることが判る。
【0013】
【0014】汚染性試験前のほうろう表面の水の接触角
(θ)を見てみると、7.7〜18.3度と低く、ほう
ろう表面は親水性を有している。すなわち、ほうろう被
覆Alめっき鋼板は、親水表面のため水(雨)による汚
れの除去性が高いと考えられる。これに対して、比較例
のフッ素系コーティング材料ではΔEの変化が大きく、
雨筋汚染性が劣る。汚染性試験前の水の接触角(θ)を
見ると94〜96度と高く、撥水性を示す。このこと
は、フッ素系コーティング材料は、撥水表面のため水
(雨)は弾き返すが、小水滴の連続が残り、水滴の連続
による汚れが次回の水(雨)によっても落ちにくいもの
と考えられる。
【0015】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、SiO2 −Na2 O系フリットの組成及び表面粗さ
が規定されて、耐雨筋汚染性に優れた表面性状を持つほ
うろう被覆Alめっき鋼板が得られる。また、耐食性に
優れたAlめっき層で覆われていることから、ほうろう
被覆の欠陥部を介して露出する下地層の腐食も抑制され
る。SiO2 −Na2 O系フリットの組成及び粒度が規
定されたほうろう釉薬を用いて低温2段焼成することに
より、鉄ほうろうに見られる熱歪みに起因する変形が大
幅に緩和される。更に、密着性にも優れているため、切
断、孔開けなどの加工によってもほうろう被覆層に剥離
・亀裂などの欠陥を発生させることが少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 雨筋汚染性試験に用いた屋外暴露試験機
【符号の説明】
1:試験材 2:雨筋部(ΔE測定部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 輿石 謙二 千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製鋼 株式会社技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Alめっき層の上にほうろう被覆層が形
    成されており、該ほうろう層は、ほうろう釉薬のフリッ
    トが軟化点の上限が490℃のSiO2 −Na2 O系で
    あり、焼成後のほうろう表面粗さが中心線平均粗さRa
    で0.5〜1.5μmである耐雨筋汚染性に優れたほう
    ろう被覆Alめっき鋼板。
  2. 【請求項2】 軟化点の上限が490℃のSiO2 −N
    2 O系フリットを含むほうろう釉薬であって、325
    メッシュのふるい上に残るフリットがほうろう釉薬10
    0ml当たり0.1〜0.5gとなるように粒度を調整
    したほうろう釉薬を用いて、まず440〜480℃で5
    〜10分間加熱した後、Alめっき層の融点より低い2
    段目焼成温度550〜600℃で5〜10分間加熱する
    耐雨筋汚染性に優れたほうろう被覆Alめっき鋼板の製
    造方法。
JP6430697A 1997-03-18 1997-03-18 耐雨筋汚染性に優れたほうろう被覆Alめっき鋼板及びその製造方法 Withdrawn JPH10251872A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20140048181A1 (en) * 2011-03-08 2014-02-20 Thyssenkrupp Steel Europe Ag Flat Steel Product and Method for Producing a Flat Steel Product
JP2021171459A (ja) * 2020-04-28 2021-11-01 タイガー魔法瓶株式会社 容器

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