JPH10251663A - 共役ジエン類の重合防止方法 - Google Patents

共役ジエン類の重合防止方法

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JPH10251663A
JPH10251663A JP7885597A JP7885597A JPH10251663A JP H10251663 A JPH10251663 A JP H10251663A JP 7885597 A JP7885597 A JP 7885597A JP 7885597 A JP7885597 A JP 7885597A JP H10251663 A JPH10251663 A JP H10251663A
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JP
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extraction solvent
conjugated dienes
supply stage
polymerization
extractive distillation
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JP7885597A
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Keizo Ukita
啓三 浮田
Yuko Onodera
優子 小野寺
Seiji Futamura
誠治 二村
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Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 抽出蒸留装置内における重合体の生成を抑
え;装置内の汚れ、配管詰まり、熱効率の低下、管など
の接続部分の破損などが生じにくくするための共役ジエ
ン類の重合防止方法を提供する。 【解決手段】 イソプレンを含有する石油留分を抽出蒸
留塔によって抽出蒸留して、イソプレンを分離する工程
において、イソプレンを含有する石油留分を抽出蒸留塔
の中間部の留分供給段から、フルフラール及びフルフラ
ール重縮合体が存在するジメチルホルムアミドを留分供
給段よりも上段に設けられた抽出溶媒供給段から、及び
ジエチルヒドロキシルアミンのごときジ低級アルキルヒ
ドロキシルアミンを抽出溶媒供給段よりも上段に設けら
れた禁止剤供給段から、抽出蒸留塔にそれぞれ供給す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共役ジエン類の重
合防止方法に関するものであり、詳細には、石油留分か
ら高純度のイソプレン、ブタジエンなどの共役ジエン類
を精製する際に、精製装置内部における重合体の生成を
抑え、蒸留塔の汚れを防止し、配管詰まりや、熱効率の
低下などを生じにくくする、共役ジエン類の重合防止方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】1,3−ブタジエン、イソプレンなどの
共役ジエン類は液相、気相の両相において偶発的に多孔
質不溶性の重合体、いわゆるポップコーン重合体を生起
しやすい。特に、工業的蒸留においては、適当な操作温
度、高い単量体純度、気相と液相との共存、水分の混入
及び鉄錆の存在などポップコーン重合を起こしやすい諸
条件がそろっている。
【0003】このポップコーン重合体が生起しはじめる
と、これを核として指数的に増殖し、装置内を急速に閉
塞させてしまう。また、この重合体は、すべての既知抽
出溶媒に不溶で、加熱しても溶融しない強靱な重合体で
ある。この重合体を除去するには、機械的手段によりク
リーニングするほか良い方法がなく、このクリーニング
のためには装置を一時停止する必要があって、経済的な
不利は免れない。しかも、機械的なクリーニングでは重
合体の除去が完全には行えないので操業を再開すると、
除去しきれなかった微量の重合体を核として再び増殖が
始まることになる。
【0004】そこで、共役ジエン類を含有する石油留分
の蒸留装置内での重合を防止するために、ジ低級アルキ
ルヒドロキシルアミンの存在下に蒸留するC5炭化水素
の蒸留方法が提案されている(特開昭50−11230
4号公報)。この方法によりイソプレンの蒸留時にポッ
プコーン重合体の発生が抑えられることが開示されてい
る。
【0005】また、イソプレンやブタジエンの精製方法
として特公昭47−41323号や特公昭45−196
82号等には共役ジエン炭化水素を抽出蒸留する方法が
開示されており、その際、抽出溶媒に重合防止剤あるい
は重合連鎖移動剤を添加することができると開示されて
いる。
【0006】さらに、特開昭56−81526号や特公
昭43−20281号には、フルフラール及びフルフラ
ール縮合体を抽出溶媒中に存在させて抽出蒸留する方法
が開示されている。
【0007】しかし、共役ジエン類の抽出蒸留におい
て、抽出溶媒に重合防止剤や、フルフラールを存在させ
るだけの従来の方法では、抽出蒸留装置内、特に還流器
や蒸発缶(再沸缶)における重合体の生成を長期間にわ
たって防止しきれず、配管詰まりを生じさせ、凝縮ある
いは蒸発の熱効率を低下させていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、抽出
蒸留装置内における重合体の生成を抑え、装置内の汚
れ、配管詰まりや、熱効率の低下などを生じにくくする
ための共役ジエン類の重合防止方法を提供することにあ
る。本発明者らは、上記目的を達成するために、鋭意検
討を重ねた結果、抽出蒸留塔の抽出溶媒供給段よりも上
段の位置の段に禁止剤供給段を設け、該禁止剤供給段か
らジ低級アルキルヒドロキシルアミンを供給することに
よって、または、抽出溶媒中に複素環式アルデヒド又は
芳香族アルデヒドなどが特定量存在するように制御し、
且つ、禁止剤供給段から重合禁止剤を供給することによ
って、上記目的を達成できることを見いだし、この知見
に基づいて、本発明を完成するに到った。
【0009】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、(1) 共役ジエン類を含有する石油留分を抽出蒸
留塔によって抽出蒸留して、共役ジエン類を分離する工
程において、抽出溶媒基準で0.01〜10重量%の複
素環式アルデヒド、芳香族ニトロ化合物又は芳香族アル
デヒドを含有する抽出溶媒を抽出溶媒供給段から供給
し、且つ、抽出溶媒供給段よりも上段の位置に禁止剤供
給段を設け、禁止剤供給段から重合禁止剤を供給するこ
とを特徴とする共役ジエン類の重合防止方法が提供され
る。
【0010】本発明の好適な態様として以下の精製方法
が提供される。 (2) 抽出溶媒がアミド化合物であることを特徴とす
る前記(1)の方法。 (3) 抽出溶媒がジメチルホルムアミドであることを
特徴とする前記(1)の方法。 (4) 複素環式アルデヒド、芳香族ニトロ化合物又は
芳香族アルデヒドがフルフラールである前記(1)〜
(3)の方法。 (5) 抽出溶媒中にさらに複素環式アルデヒドの重縮
合体又は芳香族アルデヒドの重縮合体を抽出溶媒基準で
0.5〜10重量%含有させる前記(1)〜(4)の方
法。
【0011】(6) 抽出溶媒中の、複素環式アルデヒ
ド、芳香族ニトロ化合物又は芳香族アルデヒドと、それ
らの重縮合体との合計量が1〜10重量%である前記
(5)の方法。 (7) 複素環式アルデヒドの重縮合体又は芳香族アル
デヒドの重縮合体がフルフラール重縮合体である前記
(5)〜(6)の方法。 (8) 重合禁止剤が、連鎖移動反応により重合禁止ま
たは抑制するものである前記(1)〜(7)の方法。
【0012】(9) 重合禁止剤がジ低級アルキルヒド
ロキシルアミンである前記(1)〜(7)の方法。 (10) 重合禁止剤を塔頂部凝縮器の入口から連続添
加する前記(1)〜(9)の方法。
【0013】また、本発明によれば、(11) 共役ジ
エン類を含有する石油留分を抽出蒸留塔によって抽出蒸
留して、共役ジエン類を分離する工程において、共役ジ
エン類を含有する石油留分を抽出蒸留塔の中間部の留分
供給段から、抽出溶媒を留分供給段よりも上段に設けら
れた抽出溶媒供給段から、及びジ低級アルキルヒドロキ
シルアミンを抽出溶媒供給段よりも上段に設けられた禁
止剤供給段から、抽出蒸留塔にそれぞれ供給することを
特徴とする共役ジエン類の重合防止法が提供される。
【0014】本発明重合防止法の好適な態様として以下
の方法が提供される。 (12) 抽出溶媒がアミド化合物であることを特徴と
する前記(11)の重合防止法。 (13) 抽出溶媒がジメチルホルムアミドであること
を特徴とする前記(11)の重合防止法。
【0015】(14) 抽出溶媒に複素環式アルデヒ
ド、芳香族ニトロ化合物又は芳香族アルデヒド、好適に
はフルフラールが含有されている前記(11)〜(1
3)の重合防止法。 (15) 抽出溶媒中にさらに複素環式アルデヒドの重
縮合体又は芳香族アルデヒドの重縮合体を抽出溶媒基準
で0.5〜10重量%存在させる前記(11)〜(1
4)の重合防止法。
【0016】(16) 抽出溶媒中の、複素環式アルデ
ヒド、芳香族ニトロ化合物又は芳香族アルデヒドと、そ
れらの重縮合体との合計量が1〜10重量%である前記
(15)の重合防止法。 (17) 複素環式アルデヒドの重縮合体又は芳香族ア
ルデヒドの重縮合体がフルフラール重縮合体である前記
(15)〜(16)の重合防止法。 (18) 禁止剤供給段が塔頂部凝縮器の入口である前
記(11)〜(17)の重合防止法。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の共役ジエン類の重合防止
方法は、複素環式アルデヒド、芳香族ニトロ化合物又は
芳香族アルデヒドを抽出溶媒中に含有させ且つ重合禁止
剤を連続添加するものである。
【0018】本発明で使用する複素環式アルデヒド、芳
香族ニトロ化合物又は芳香族アルデヒドは、複素環を持
つアルデヒド、ベンゼン環を持つニトロ化合物又はベン
ゼン環を持つアルデヒドである。複素環式アルデヒドと
しては、フルフラール、5−メチルフルフラール、5−
(ヒドロキシメチル)フルフラール;チオフェンカルバ
ルデヒド;ニコチンアルデヒド、ピリドキサール、など
が挙げられる。これらの内フルフラールが好適である。
【0019】芳香族アルデヒドとしては、ベンズアルデ
ヒド、トルアルデヒド、クミンアルデヒド、フェニルア
セトアルデヒド、ジンナムアルデヒド、フタルアルデヒ
ド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒドなど
が挙げられる。これらの内ベンズアルデヒドが好適であ
る。
【0020】芳香族ニトロ化合物としては、ニトロベン
ゼン、ニトロトルエン、α−ニトロトルエン、ニトロキ
シレン、ニトロメシチレン、ジニトロベンゼン、ジニト
ロトルエン、ジニトロキシレン、トリニトロベンゼン、
トリニトロキシレンなどが挙げられる。これらのうちニ
トロベンゼンが好適である。
【0021】複素環式アルデヒド、芳香族ニトロ化合物
又は芳香族アルデヒドの量は、抽出溶媒供給段における
抽出溶媒に対して、通常、0.01〜10重量%、好ま
しくは0.05〜5重量%である。複素環式アルデヒ
ド、芳香族ニトロ化合物又は芳香族アルデヒドの量が多
くなると、抽出効率が低下傾向になり、少なすぎると、
精製装置内の汚れ防止効果が低下する。
【0022】また、抽出蒸留装置の汚れを防止するため
に、抽出溶媒と複素環式アルデヒド又は芳香族アルデヒ
ドとの併用溶媒に、さらにモノエタノールアミン、モノ
メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミンまた
はエチレンジアミンや;複素環式アルデヒド又は芳香族
アルデヒド重縮合体などのタールを添加して用いるのが
好ましい。これらのうち複素環式アルデヒド又は芳香族
アルデヒド重縮合体、特にフルフラールの重縮合体が好
適に用いられる。
【0023】複素環式アルデヒド重縮合体又は芳香族ア
ルデヒド重縮合体の量は、抽出溶媒供給段における抽出
溶媒に対して、通常、0.5〜10重量%、好ましくは
1〜5重量%である。重縮合体が多くなると抽出効率が
低下傾向になり、少なすぎると、抽出溶媒中の複素環式
アルデヒド又は芳香族アルデヒドが多量に消費され不経
済である。
【0024】本発明で使用する抽出溶媒は、共役ジエン
類を溶解抽出することができるものである。具体的に
は、水、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン、
イソプレンサイクリックサルホン、アセトニトリル、ア
ルコール、グリコール、N−メチルロールダミン、N−
エチルコハク酸イミド、N−メチルピロリドン、N−メ
チル−2−ピロリドン、ヒドロキシルエチルピロリド
ン、N−メチル−5−メチルピロリドン、複素環式アル
デヒド又は芳香族アルデヒド、2−ヘプテノン、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルアセトン酢酸アミド、モルホリン、N−ホルミルモ
ルホリン、N−メチルモルホリン−3−オン、スルホラ
ン、メチルカルビトール、テトラヒドロフラン、アニリ
ン、N−メチルオキサゾリドン、N−メチルイミダゾー
ル、N,N’−ジメチルイミダゾリン−2−オン、1−
オキソ−1−メチルフォスホリン、メチルシアノアセテ
ート、エチルアセトアセテート、エチルアセテート、マ
ロン酸ジメチルエステル、プロピレンカーボネート、メ
チルカービトール、トリエチルホスフェート、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジメチルスルホキシ
ド、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。これらのう
ち、ジメチルホルムアミドが好適である。これら抽出溶
媒は単独で、または2以上を組み合わせて使用すること
ができる。
【0025】抽出溶媒の量は、共役ジエン類を含有する
石油留分100重量部に対して、通常、100〜100
0重量部、好ましくは200〜800重量部である。抽
出溶媒は、共役ジエン類を含有する石油留分を供給する
段(留分供給段)よりも、通常、上段の位置に設けられ
た抽出溶媒供給段から抽出蒸留塔に供給される。
【0026】本発明で使用する重合禁止剤は、共役ジエ
ン類の重合を防止できるものである。具体的には、安定
ラジカルによるラジカルの捕捉により重合禁止または抑
制するものとして、1,1−ジフェニル−2−ピクリル
ヒドラジル、1,3,5−トリフェニルフェルダジル、
2,6−ジt−ブチル−α−(3,5−ジt−ブチル−
4−オキソ−2,5−シクロヘキサンジエン−1−イリ
デン−p−トリルオキシ、2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリドン−1−オキシル、N−(3−N−オ
キシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)−アニリ
ンオキシド、2−(2−シアノプロピル)−フェルダジ
ル;など
【0027】連鎖移動反応により重合禁止または抑制す
るものとしては、ジフェニルピクリルヒドラジン、ジフ
ェニルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン、ジメチル
ヒドロキシルアミン、メチルエチルヒドロキシルアミ
ン、ジプロピルヒドロキシルアミン、ジブチルヒドロキ
シルアミン、ジペンチルヒドロキシルアミンのごとき活
性なNH結合を有するもの;ヒドロキノン、t−ブチル
カテコールのごときフェノール性OH結合をもつもの;
ジチオベンゾイルジスルフィド、p,p’−ジトリルト
リスルフィド、p,p’−ジトリルテトラスルフィド、
ジベンジルテトラスルフィド、テトラエチルチウラムジ
スルフィド;など
【0028】付加反応により重合禁止または抑制するも
のとしては、酸素、硫黄、アントラセン、1,2−ベン
ズアンタラセン、テトラセン、クロラニル;p−ベンゾ
キノン、2,6−ジクロルベンゾキノン、2,5−ジク
ロルベンゾキノンのごとき、ベンゾキノン誘導体、フリ
フルデンマロノニトリル、トリニトロ化合物ベンゼン、
m−ジニトロ化合物ベンゼンのごときニトロ化合物化合
物;ニトロ化合物ソベンゼン、2−メチル−2−ニトロ
化合物ソプロパンのごときニトロ化合物ソ化合物;など
さらに、塩化第二鉄、臭化第二鉄のごとき金属塩などが
挙げられる。
【0029】これら重合禁止剤のうち、連鎖移動反応に
より重合禁止または抑制するもの、特にジ低級アルキル
ヒドロキシルアミン(化1参照)、具体的にはジエチル
ヒドロキシルアミンが好ましい。ジ低級アルキルヒドロ
キシルアミンを用いることによって、複素環式アルデヒ
ド、芳香族ニトロ化合物又は芳香族アルデヒドの量を少
なく又はゼロにすることができる。
【0030】
【化1】
【0031】重合禁止剤を抽出蒸留塔に供給する位置
は、抽出溶媒供給段よりの上段の位置(以下、禁止剤供
給段ということもある。)である。禁止剤供給段として
は、例えば、抽出蒸留塔の抽出溶媒供給段の上段側部、
抽出蒸留塔頂部の凝縮器の入口あるいは出口などが挙げ
られる。これらのうち、塔頂部凝縮器の入口に設けるの
が、凝縮器内での重合体の生成を抑えることができると
ともに、セパレーター後の次工程においても重合体の生
成を抑えることができるので好ましい。
【0032】重合禁止剤の量は、共役ジエン類を含有す
る石油留分と抽出溶媒との合計量に対して、通常、0.
1〜20ppm、好ましくは0.5〜10ppmとなる
量である。
【0033】本発明で使用する石油留分は、共役ジエン
類を含有するものである。該石油留分は、通常、ナフサ
をクラッキングし、エチレン、プロピレンなどのC2及
びC3炭化水素を分離して得られるC4留分またはC5
留分、好適には抽出蒸留を行って共役ジエン類が高濃度
化された留分である。本発明においては、特に、イソプ
レンを含有するC5留分に好適に用いられる。共役ジエ
ン類を含有する石油留分は、通常、抽出蒸留塔の中間段
に供給される。
【0034】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例の
みに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に
断りのない限り重量基準である。
【0035】実施例1 図1に示すイソプレンを含有するC5留分精製実験装置
を用いて、実験を行った。 (第一抽出蒸留)C5留分をシクロペンタンの二量化反
応器に供給し、二量化反応器から抜き出した留分を前蒸
留塔に供給して1,3−ペンタジエン、ジシクロペンタ
ジエンなどを除き、次いで管1を経て第一抽出蒸留塔A
の中間段に供給し、フルフラール1%及びフルフラール
重縮合体3%を含有するジメチルホルムアミドを管2を
経て第一抽出蒸留塔Aに供給した。この第一抽出蒸留塔
頂部には凝縮器5が設けられ、一部は管6を経て還流さ
れ、残部は管7を経てペンタンやペンテンなどの留出物
が取り出された。底部8から取り出された缶出物は第一
放散塔Bの中間段へ供給し、抽出溶媒を第一放散塔Bの
底部14から回収した。
【0036】第一放散塔頂部から取り出された留出物の
一部を管12を経て第一放散塔へ還流し、残部を管13
を経て第一蒸留塔Cの中間段に供給し、底部22から
1,3−ペンタジエンやジシクロペンタジエンが取り出
された。
【0037】(第二抽出蒸留)第一蒸留塔頂部から取り
出された留出物(イソプレン約93%の高濃度化された
石油留分)を管21を経て第二抽出蒸留塔Dの中間段に
供給した。フルフラール1%及びフルフラール重縮合体
3%を含有するジメチルホルムアミドを管23を経て第
二抽出蒸留塔に供給した。さらに凝縮器26の入口の前
に設けた管60を経てジエチルヒドロキシルアミンを石
油留分及び抽出溶媒の合計量に対して3ppmとなる量
を連続的に供給した。第二抽出蒸留塔底部から取り出さ
れた缶出物を、第二放散塔Eの中間段に供給し、その底
部から取り出された缶出物を管36を経て第三放散塔F
の中間段に供給し、第三放散塔底部から管42を経て抽
出溶媒を回収し循環させた。第二放散塔頂部の管34及
び第三放散塔頂部の管39からはアセチレン類やジエン
酸などが取り出された。
【0038】第二抽出蒸留塔頂部から取り出された留出
物(イソプレン約99%含有)を管28を経て第二蒸留
塔Hの中間段に供給し、第二蒸留塔Hの頂部から管48
を経てブチン−2などを取り出し、底部からは管49を
経て高純度のイソプレンを取り出した。この精製方法で
1年間連続運転した。配管、抽出蒸留塔、還流器、蒸留
缶などの精製装置各部におけるポップコーン重合体や汚
れの生成は僅かであった。
【0039】比較例1 実施例1において、供給管60からジエチルヒドロキシ
ルアミンの供給を行わなかった他は実施例1と同様にし
てC5留分の精製を行った。この精製方法で1年間連続
運転した。精製装置各部、特に凝縮器26、管27、管
28、第二蒸留塔H、管29および第二放散塔E内にお
いてポップコーン重合体やゴム状重合体が発生し、クリ
ーニングのために分解掃除が必要になった。6ヶ月目に
再沸器が重合体の生起により閉塞したため分解掃除が必
要になった。
【0040】
【発明の効果】本発明の重合防止方法によれば、共役ジ
エン類を含有する石油留分の精製を行った際に、ポップ
コーン重合体の生起が少なく、装置内が汚れず、配管詰
まりがなく、凝縮器、再沸器などにおける熱効率が低下
することがなく、クリーニングをしなくても期間が長い
ので、長期間の連続操業が可能で経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1で用いた精製実験装置の概
念図。
【符号の説明】
60:ジエチルヒドロキシルアミンを供給するための管 D:第二抽出蒸留塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 11/18 C07C 11/18

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役ジエン類を含有する石油留分を抽出
    蒸留塔によって抽出蒸留して、共役ジエン類を分離する
    工程において、 抽出溶媒基準で0.01〜10重量%の複素環式アルデ
    ヒド、芳香族ニトロ化合物又は芳香族アルデヒドを含有
    する抽出溶媒を抽出溶媒供給段から供給し、且つ、抽出
    溶媒供給段よりも上段の位置に禁止剤供給段を設け、禁
    止剤供給段から重合禁止剤を供給することを特徴とする
    共役ジエン類の重合防止方法。
  2. 【請求項2】 共役ジエン類を含有する石油留分を抽出
    蒸留塔によって抽出蒸留して、共役ジエン類を分離する
    工程において、 共役ジエン類を含有する石油留分を抽出蒸留塔の中間部
    の留分供給段から、抽出溶媒を留分供給段よりも上段に
    設けられた抽出溶媒供給段から、及びジ低級アルキルヒ
    ドロキシルアミンを抽出溶媒供給段よりも上段に設けら
    れた禁止剤供給段から、抽出蒸留塔にそれぞれ供給する
    ことを特徴とする共役ジエン類の重合防止法。
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