JPH10251657A - 廃プラスチック油化システム - Google Patents

廃プラスチック油化システム

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JPH10251657A
JPH10251657A JP6274897A JP6274897A JPH10251657A JP H10251657 A JPH10251657 A JP H10251657A JP 6274897 A JP6274897 A JP 6274897A JP 6274897 A JP6274897 A JP 6274897A JP H10251657 A JPH10251657 A JP H10251657A
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JP
Japan
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waste
pyrolysis
gas
tank
waste heat
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JP6274897A
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English (en)
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Masataka Shichiri
雅隆 七里
Satoshi Kuroishi
智 黒石
Shinji Ozaki
真司 尾崎
Yuji Nishioka
祐二 西岡
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギー原単位および油化コストを低減
し、油化プロセスにより放出される分解ガス等を再利用
し得る廃プラスチック油化システムを提供する。 【解決手段】 廃プラスチックを溶融する溶融槽4と、
その溶融槽4で溶融された廃プラスチックを加熱保持
し、熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解槽7と、熱
分解槽7による熱分解ガスから再生ガスや再生油を分解
生成する再生機構Dとを備えてなる廃プラスチック油化
システムであって、廃棄物を焼却処理する焼却炉8を備
えてなる廃棄物焼却システムBを併設し、廃棄物焼却シ
ステムBで生じた廃熱を熱分解槽7の熱源として供給す
る廃熱供給機構Cを設けてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃プラスチックを
溶融する溶融槽と、その溶融槽で溶融された廃プラスチ
ックを加熱保持し、熱分解して熱分解ガスを生成する熱
分解槽と、前記熱分解槽による熱分解ガスから再生ガス
や再生油を分解生成する再生機構とを備えてなる廃プラ
スチック油化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、廃プラスチック油化システムは、
廃プラスチックを加熱溶融して再生原料としたり、廃プ
ラスチックを燃焼させて熱エネルギーを回収する等、廃
プラスチックを再利用することを目的の一つとして用い
られる。廃プラスチックを油化するには、廃プラスチッ
クを溶融する際に発生す塩化水素ガスが塩酸として生成
されるのを防止すべく乾燥工程を必要とし、また、脱塩
酸反応を行うために溶融保持する溶融工程を必要とし、
さらには、脱塩酸反応を完了した溶融プラスチックを熱
分解ガスにするための熱分解工程などを必要とする。以
上のごとく、廃プラスチック油化システムは各種の加熱
工程を必要とする。特に熱分解工程においては溶融した
プラスチックを約400℃に維持する必要があり、溶融
したプラスチック1kgを熱分解処理するのにおよそ3
00〜400kcal必要である。このため、従来の廃
プラスチック油化システムでは、前記熱分解などに必要
なエネルギーを、別途用意した燃料を燃焼させることに
より得ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとく、従来の
廃プラスチック油化システムには、熱エネルギーを供給
するための燃料或いは燃焼装置が別に必要であった。し
かし、一方で、一般の廃棄物はおよそ2000kcal
/kgのエネルギーを有している。このため、一般の小
型ゴミ焼却炉においては、廃棄物を燃焼させて処理する
が、燃焼時に生じる高温の排ガスは、通常、水噴霧構造
を用いたガス冷却装置を通して冷却し、適切な温度まで
冷却したのち、下工程の集塵機等に送って処理される。
このように、廃プラスチック油化システムにおいては、
廃プラスチックを処理するための熱エネルギーを必要と
する一方、一般のゴミ焼却炉などにおいては余分な熱エ
ネルギーを冷却処理していたため、ゴミ処理全体につい
てみた場合、効率的なゴミ処理設備を構成しているとは
いえず、未だ改善の余地があった。
【0004】本発明の目的は、このような従来技術の欠
点を解消し、エネルギー原単位および油化コストを低減
し、油化プロセスにより放出される分解ガス等を再利用
し得る廃プラスチック油化システムを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(構成1)本発明の廃プラスチック油化システムは、請
求項1に記載したごとく、廃棄物を焼却処理する焼却炉
を備えてなる廃棄物焼却システムを併設し、前記廃棄物
焼却システムで生じた廃熱を前記熱分解槽の熱源として
供給する廃熱供給機構を設けた点に特徴を有する。 (作用・効果)本構成によれば、廃棄物焼却システムの
焼却炉から発生する廃熱であって、従来使用していなか
った廃熱を前記熱分解槽の熱源として使用するから、こ
れまで熱分解槽に別途供給していた加熱用燃料等を不要
にして、油化プロセスのエネルギー原単位および油化コ
ストを低減することができる。
【0006】(構成2)本発明の廃プラスチック油化シ
ステムは、請求項2に記載したごとく、前記廃棄物焼却
システムに、前記焼却炉からの廃熱を利用する廃熱ボイ
ラと、当該廃熱ボイラで生成した蒸気を過熱する外部燃
焼式過熱器と、当該外部燃焼式過熱器で過熱された蒸気
で駆動する蒸気タービンとを有する発電装置を備え、前
記廃熱として、前記外部燃焼式過熱器で発生する燃焼排
ガスの保有熱を利用するように構成することができる。 (作用・効果)本構成は、廃棄物焼却システムのうち特
に発電装置から発生する廃熱を利用するものである。よ
って、従来、熱分解槽に別途供給していた加熱用燃料等
を不要にすることができ、油化プロセスのエネルギー原
単位および油化コストを低減することができる。
【0007】(構成3)本発明の廃プラスチック油化シ
ステムは、請求項3に記載したごとく、前記再生機構で
生成した再生油を前記外部燃焼式過熱器の過熱用燃料と
して用いるように構成することができる。 (作用・効果)従来においては、前記外部燃焼式過熱器
の過熱用燃料としては都市ガス等を用いるのが一般的で
ある。しかし、本構成のごとく、再生油を用いれば、発
電のために別途必要としていた燃料の総量を削減するこ
とができ、ひいては廃プラスチック油化システムにおけ
るエネルギー原単位および油化コストの低減化を図るこ
とができる。また、前記再生油は、その油化プロセスに
おいて既に脱塩処理が行われているから、当該再生油を
燃焼させた場合にも前記外部燃焼式過熱器が腐食するな
どの不都合も生じない。
【0008】(構成4)本発明の廃プラスチック油化シ
ステムは、請求項4に記載したごとく、前記廃棄物焼却
システムに、前記焼却炉からの廃熱を利用する廃熱ボイ
ラと、当該廃熱ボイラで生成した蒸気を過熱する過熱器
と、当該過熱器で過熱された蒸気で駆動する蒸気タービ
ンとを有する第1発電部、及び、ガスタービンを有する
第2発電部を設け、当該ガスタービンからの高温排ガス
で前記過熱器を過熱するコンバインド発電システムを備
えると共に、前記廃熱として、前記過熱器を過熱したあ
との高温排ガスの保有熱を利用するように構成すること
ができる。 (作用・効果)本構成は、廃棄物焼却システムがコンバ
インド発電システムを備える場合に、当該発電システム
から発生する廃熱を利用するものである。本構成の場合
にも、発電のために別途必要としていた燃料の総量を削
減することができ、廃プラスチック油化システムのエネ
ルギー原単位および油化コストの低減化を図ることがで
きる。また、前記ガスタービンでは一般に都市ガス等の
化石燃料を燃焼させるから、当該ガスタービンで発生す
る高温排ガスは原則として水分と二酸化炭素のみを含ん
だクリーンなガスである。このため、当該排ガスが供給
される熱分解層が腐食するおそれは少なく、当該排ガス
を外部に排出するに際して特段の後処理が必要となるこ
ともない。
【0009】(構成5)本発明の廃プラスチック油化シ
ステムは、請求項5に記載したごとく、前記熱分解槽で
熱分解ガスを生成する稼働状態と、前記熱分解槽から残
渣を除去して溶融廃プラスチックを充填する準備状態と
を切り替えるべく、少なくとも二槽の熱分解槽を備える
と共に、そのうち少なくとも一つの熱分解槽が稼働状態
となり、少なくとも一つの熱分解槽が準備状態となるよ
う、前記少なくとも二槽の熱分解槽を、稼働状態と準備
状態とに交互に切り替えられるように構成し、前記廃熱
供給機構を、前記焼却炉からの廃熱を稼働状態にある熱
分解槽に供給した後に準備状態にある熱分解槽に供給す
るように、前記熱分解槽の稼働状態と準備状態とに対応
させて交互に切り替えるように構成することができる。 (作用・効果)溶融プラスチックの熱分解工程は一般に
バッチ処理方式で行うが、本構成のごとく少なくとも二
槽の熱分解槽を交互に切り替え使用することで、溶融プ
ラスチックの熱分解処理を連続的に行うことができる。
また、稼働状態にある熱分解槽で熱交換された排ガスを
準備状態にある熱分解槽に導き、当該準備状態にある熱
分解槽の保温加熱を行う構成とすることで、次に処理す
べき高温の溶融プラスチックを当該熱分解槽に投入した
場合でも、当該熱分解槽の内壁に結露を生じることがな
く、溶融プラスチックから発生するHclガスが塩酸と
なって熱分解槽を腐食させるという不都合の発生を防止
することができる。
【0010】(構成6)本発明の廃プラスチック油化シ
ステムは、請求項6に記載したごとく、前記廃棄物焼却
システムに溶融炉を設け、前記再生機構により生成され
た再生ガスまたは再生油を前記溶融炉の燃料として供給
する燃料供給機構を設けて構成することができる。 (作用・効果)本構成により、廃棄物焼却システム部分
のランニングコスト等を低減することができ、結果とし
て本発明の廃プラスチック油化システムにおける油化プ
ロセスのエネルギー原単位および油化コストを低減する
ことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0012】(概要)本発明に係る廃プラスチック油化
システムAの概要を図1に示す。当該廃プラスチック油
化システムAは、別の廃棄物焼却システムBと併設して
あり、当該廃棄物焼却システムBにて発生する廃熱を利
用して廃プラスチックを油化するものである。本発明に
係る廃プラスチック油化システムAは、以下に示すごと
く、主に原料乾燥工程、溶融工程、熱分解工程、接触分
解工程、回収工程からなる。
【0013】(原料乾燥工程)本発明の廃プラスチック
油化システムAでは、例えば、ポリエチレン(PE)、
ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、塩化
ビニル(PVC)等の熱可塑性プラスチックの処理が可
能である。先ず、これらの廃プラスチックを予め前処理
設備1によってフレーク状に前処理し、通気乾燥機2に
投入して、約80℃の熱風により水分を乾燥除去する。
当該通気乾燥機2では、廃プラスチックの含水率を0.
5%以下にする。即ち、廃プラスチック中に水分が多く
含まれている場合に、後の溶融工程で例えばPVCを分
解したときに発生する塩素ガスが水分に溶融して塩酸が
生成され、設備が腐食するのを防止するためである。乾
燥された廃プラスチックは、この後、計量槽3に搬送さ
れ、当該計量槽3の内部内で雰囲気を窒素置換した後、
重量を計測しながら溶融槽4にスクリューフィーダーに
より投入される。本構成により、処理する廃プラスチッ
クの量を正確に把握することができる。
【0014】(溶融工程)溶融槽4に投入された例えば
PVCを含む廃プラスチックは、加熱炉5により約30
0℃に加熱保持されつつ溶融される。溶融した廃プラス
チックは、脱塩酸反応を行うために攪拌機および循環ポ
ンプを用いて均一に攪拌混合しながら約2時間滞留す
る。当該脱塩酸反応は約200℃で開始し、大部分がこ
の溶融槽4内で終了する。発生したHclガスは中和装
置6に送給し、苛性ソーダで中和した後、微少の含有炭
化水素を除去して食塩水として系外に排出する。
【0015】(熱分解工程)脱塩酸処理した溶融プラス
チックは、溶融槽4から熱分解槽7に送られる。溶融プ
ラスチックはここで約400℃に数時間加熱保持し、熱
分解して熱分解ガスとする。前述のごとく、廃プラスチ
ックの熱分解には約300〜400kcal/kgの熱
エネルギーが必要である。本発明の熱分解槽7では、こ
のエネルギーを、前記併設した廃棄物焼却システムBの
焼却炉8で生じた廃熱を利用して行う。図1に示すごと
く、前記廃棄物焼却システムBは、例えば、ストーカ式
焼却炉8Aと、当該ストーカ式焼却炉8Aで発生するガ
スを中和するガス吸着塔9(廃棄物焼却システムBにお
いては第2ガス吸着塔9B)と、当該ストーカ式焼却炉
8Aで発生する焼却灰を溶融処理する溶融炉10とを備
えており、前記熱分解槽7には、ストーカ式焼却炉8A
で発生した高温の排ガスを前記第2ガス吸着塔9を介し
て導くよう構成してある。前記ストーカ式焼却炉8A
は、廃棄物を処理する焼却炉8としては一般的であり、
各種の規模に構成することができる。従来、排ガスを再
利用するに至らない小規模のストーカ式焼却炉8Aで
は、水噴霧装置等を用いて排ガスを冷却したのち当該排
ガスを集塵機等に導いて処理していた。この点、本発明
の廃プラスチック油化システムAはストーカ式焼却炉8
Aで生じた排ガスの廃熱を利用するものであるから、従
来必要であった水噴霧装置を省略することができ、廃棄
物焼却システムBの構成を簡略化することができる。前
記第2ガス吸着塔9は、排ガス中のHclガスを除去す
る機能を有する。これにより、熱分解槽7等が腐食する
のを抑制することができる。尚、廃棄物を処理する焼却
炉8としては、前記ストーカ式焼却炉8Aの他に例えば
流動床式焼却炉等であってもよい。要するに廃棄物を焼
却することで廃熱を生じるものであれば何れのタイプの
焼却炉8を用いてもよい。
【0016】廃プラスチックの熱分解は、前述のごとく
約400℃で数時間保持する必要があり、基本的にはバ
ッチ方式で行われる。このため、本発明に係る熱分解槽
7は、図2に示すごとく少なくとも二つの熱分解槽を有
して構成する。ここでは、第1熱分解槽7Aと第2熱分
解槽7Bとの二つの熱分解槽を設けた例を示す。第1熱
分解槽7Aには、前記排ガスと熱交換を行うための第1
加熱流路11Aを設け、第2熱分解槽7Bには、前記排
ガスと熱交換を行うための第2加熱流路11Bを設けて
ある。これらの第1熱分解槽7Aおよび第2熱分解槽7
Bは、夫々、熱分解ガスを生成する稼働状態と、熱分解
が終了したのち熱分解槽7の底部近傍に設けた残渣抜き
出し装置により残渣を除去して溶融廃プラスチックを充
填する準備状態とに切り替え可能である。今、前記第1
熱分解槽7Aが稼働状態にあり、前記第2熱分解槽7B
が準備状態にあると仮定すると、前記第2ガス吸着塔9
でHclガスの除去が行われた排ガスは、廃熱供給機構
Cを介して前記第1熱分解槽7Aに供給される。
【0017】当該廃熱供給機構Cは、例えば図2に示す
ごとく、第2ガス吸着塔9から第1加熱流路11Aに至
る第1供給路12Aと、第2ガス吸着塔9から第2加熱
流路11Bに至る第2供給路12B、第1加熱流路11
Aと第2加熱流路11Bとに亘る連通路13、第1加熱
流路11Aから前記廃棄物焼却システムBの排ガス処理
装置14に至る第1排出路15A、第2加熱流路11B
から前記排ガス処理装置に至る第2排出路15Bとから
なる。また、第1供給路12A、第2供給路12B、第
1排出路15A、第2排出路15Bには夫々、第1供給
弁16A、第2供給弁16B、第1排出弁17A、第2
排出弁17Bを設けてある。例えば、第2ガス吸着塔9
からの排ガスを第1熱分解槽7A、第2熱分解槽7Bの
順に循環させたのちに排ガス処理装置14に排出する場
合には、第1供給弁16Aおよび第2排出弁17Bを開
状態に設定すると共に、第2供給弁16Bおよび第1排
出弁17Aを閉状態に設定する。これにより、第2ガス
吸着塔9からの排ガスは、第1供給路12Aを介して第
1加熱流路11Aに供給されたのち、連通路13、第2
加熱流路11B、第2排出路15Bを介して排ガス処理
装置14に送られる。この結果、稼働状態にある第1熱
分解槽7Aが高温に維持され、溶融した廃プラスチック
の熱分解処理が行われる。一方、準備状態にある第2熱
分解槽7Bには、第1熱分解槽7Aである程度の熱を失
った排ガスが供給され、主に第2熱分解槽7Bの保温加
熱が行われる。当該保温加熱を行うのは、第2熱分解槽
7Bの内部に結露が生じるのを防止するためである。即
ち、熱分解槽7の内部温度が低下している状態で、次に
処理すべき溶融プラスチックを投入した場合には、投入
された溶融プラスチックはある程度の高温状態にあるた
め、熱分解槽7内の空気が熱せられ、当該空気が低温状
態にある熱分解槽7の内壁に触れて当該内壁に結露が生
じる。この場合、溶融プラスチックから発生したHcl
ガスのうち溶融工程で脱塩しきれなかったものが、この
結露した水に溶け込んで塩酸を生じさせ、熱分解槽7を
腐食させる原因となる。よって、熱分解槽7の劣化を抑
制するために結露の防止が必要となる。前記第1熱分解
槽7Aでの熱分解処理が終了したのちは、当該第1熱分
解槽7Aを準備状態に切り替えると共に、前記第2熱分
解槽7Bを稼働状態に切り替える。当該切り替えは、第
1供給弁16Aおよび第2排出弁17Bを閉状態に切り
替えると共に、第2供給弁16Bおよび第1排出弁17
Aを開状態に切り替える。この場合には、前記連通路1
3における排ガスの流通方向は切り替え前と反対にな
る。尚、図示は省略するが、前記排ガスが保有する熱の
うち前記第1熱分解槽7Aあるいは第2熱分解槽7Bの
加熱に供されずに残った余剰の廃熱は、熱交換装置を別
に設けるなどして前記過熱炉5に循環供給してもよい。
本構成にすれば、本来、前記過熱炉5で必要とする過熱
用燃料等の消費量を削減することができ、油化プロセス
全体のエネルギー消費量を削減することができる。
【0018】(接触分解工程)図1に示すごとく、熱分
解槽7で発生した熱分解ガスは、先ずHclガスを吸着
するためのガス吸着塔9(廃プラスチック油化システム
Aにおいては第1ガス吸着塔9A)へ送られ、熱分解ガ
スに含まれる微少の残渣が中和除去される。さらに、熱
分解ガスは反応塔18に送られ、合成ゼオライト触媒等
を用いることで、熱分解ガスに含まれる主にワックスや
重油、タール分をより分子量の小さい炭化水素に分解し
て軽質化する。尚、当該接触分解工程および次の回収工
程により、再生ガスや再生油を分解生成する再生機構D
が構成される。
【0019】(回収工程)前記第1ガス吸着塔9Aおよ
び前記反応塔18で接触分解処理されたガスはコンデン
サ19で冷却凝縮し、レシーバタンク20に送給して気
液分離する。このうち液化分離した接触分解油は、その
まま再生油としたり、さらに分留装置21によりガソリ
ンと灯油とに分留する。前記コンデンサ19で凝縮しな
かったガスは、そのまま再生ガスとなる。再生機構Dに
より生成されたもののうち、例えば、再生油等は、廃棄
物焼却システムBの溶融炉10に供給して焼却灰の溶融
処理用の燃料として用いることができるし、再生ガス
は、廃プラスチック油化システムAの加熱炉用燃料とし
て用いることができる。この場合、再生油等或いは再生
ガスの供給は、循環ポンプおよび循環路等で構成する燃
料供給機構Eによって行う。本構成により、廃プラスチ
ック油化システムA或いは廃棄物焼却システムBのラン
ニングコストを低減することができる。
【0020】以上のごとく、本発明の廃プラスチック油
化システムAによれば、併設した廃棄物焼却システムB
で生じた廃熱を利用して廃プラスチックを油化処理し、
さらに、油化プロセスにより放出される分解ガス等を再
利用するから、廃プラスチックを油化する際のエネルギ
ー原単位および油化コスト等を低減することができる。
【0021】〔別実施形態〕上記実施形態の廃熱供給機
構Cでは、前記熱分解槽7に供給する廃熱を、前記廃棄
物焼却システムBを構成するストーカ式焼却炉8Aで発
生する排ガスから得る例を示した。しかし、当該構成に
限られるものではなく、前記熱分解槽7に供給する廃熱
は、例えば以下の実施形態による廃熱供給機構Cから得
るものであってもよい。
【0022】〈1〉別実施形態の一つを図3に示す。こ
こでは、前記廃棄物焼却システムBが蒸気タービン22
を用いた発電装置G1を有しており、当該発電装置G1
で生じる排ガスの保有熱を前記熱分解槽7に供給する例
を示す。具体的には、前記発電装置G1は、前記焼却炉
8からの廃熱を利用する廃熱ボイラ23と、当該廃熱ボ
イラ23で生成した蒸気を過熱する外部燃焼式過熱器2
4aと、当該過熱された蒸気で駆動する蒸気タービン2
2とから構成される。従来においては、前記外部燃焼式
過熱器24aの過熱用燃料としては都市ガス等の化石燃
料を用いるのが一般的である。しかし、本構成では、主
に前記再生機構Dで生成した再生油を前記外部燃焼式過
熱器24aの過熱用燃料として用いる。本構成であれ
ば、発電のために別途必要としていた燃料の総量を削減
することができ、ひいては廃プラスチック油化システム
におけるエネルギー原単位および油化コストの低減化を
図ることができる。本別実施形態では、前記外部燃焼式
過熱器24aで発生した高温の燃焼排ガスを前記熱分解
槽7に供給する。前記再生油は、その油化プロセスにお
いて既に脱塩処理が行われているから、当該再生油を燃
焼させた場合にも塩化物等は発生しない。よって、前記
外部燃焼式過熱器24a、あるいは、前記熱分解槽7が
腐食するなどの不都合は生じない。本別実施形態であれ
ば、前記発電装置G1での発電原単位を低減することが
できると共に、当該廃プラスチック油化システム全体で
の化石燃料の消費量を削減することができる。以上のご
とく、本別実施形態の場合にも廃熱を有効利用して廃プ
ラスチック油化プロセスのエネルギー原単位および油化
コストを低減することができる。
【0023】勿論、前記外部燃焼式過熱器24aの燃料
としては、従来どおり、都市ガス等を用いることができ
る。この場合に発生する燃焼排ガスは、その殆どが水と
二酸化炭素とで構成されるいわゆるクリーンな排ガスで
ある。よって、当該排ガスを前記熱分解槽7へ供給する
場合に、前記熱分解槽7が腐食され易くなることはな
く、特別な耐腐対策を施す必要もないから、メンテナン
スの手間が増大する等の不都合も生じない。また、前記
熱分解槽7を通過したあとの高温排ガスを外気中へ排出
する際にも特段の処理を施す必要がない。
【0024】〈2〉もう一つの別実施形態を図4に示
す。ここでは、例えば、前記廃棄物焼却システムBが、
コンバインド発電システムG2を備えており、当該コン
バインド発電システムG2で生じる高温の排ガスを利用
する例を示す。前記コンバインド発電システムG2は、
第1発電部と第2発電部とから構成される。このうち、
前記第1発電部は、前記焼却炉8からの廃熱を利用する
廃熱ボイラ23と、当該廃熱ボイラ23で生成した蒸気
を過熱する過熱器24bと、当該過熱器24bで過熱さ
れた蒸気で駆動する蒸気タービン22とを有する。一
方、前記第2発電部は、一般のガスタービン25を有す
る。本実施形態では、前記ガスタービン25で生じた燃
焼排ガスを第1発電部の過熱器24bに供給し、過熱器
24bに送られてきた廃熱ボイラ23からの蒸気を当該
燃焼排ガスの保有熱を利用して過熱し、過熱器24bで
の熱交換が終了したあとの排ガスを前記熱分解槽7へ供
給する。前記ガスタービン25も、一般に都市ガスを燃
焼させるものであるから、前記ガスタービン25で生じ
た排ガスは、やはりクリーンなガスである。よって、本
別実施形態の場合にも、上記別実施形態の場合と同様
に、前記廃棄物焼却システムBで発生した廃熱を有効利
用して廃プラスチック油化プロセスのエネルギー原単位
および油化コストを低減することができる。
【0025】尚、上記特許請求の範囲の記載中、図面を
参照し、図面との対照を便利にするために符号を記す
が、当該記入により本発明が添付図面の構成に限定され
るものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃プラスチック油化システムの構成を
示す説明図
【図2】本発明に係る熱分解槽を示す説明図
【図3】別実施形態に係る廃熱供給機構を示す説明図
【図4】別実施形態に係る廃熱供給機構を示す説明図
【符号の説明】
4 溶融槽 7 熱分解槽 8 焼却炉 8A ストーカ式焼却炉 9 ガス吸着塔 10 溶融炉 22 蒸気タービン 23 廃熱ボイラ 24a 外部燃焼式過熱器 24b 過熱器 25 ガスタービン B 廃棄物焼却システム C 廃熱供給機構 D 再生機構 E 燃料供給機構 G1 発電装置 G2 コンバインド発電システム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西岡 祐二 兵庫県尼崎市浜1丁目1番1号 株式会社 クボタ技術開発研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃プラスチックを溶融する溶融槽(4)
    と、その溶融槽(4)で溶融された廃プラスチックを加
    熱保持し、熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解槽
    (7)と、前記熱分解槽(7)による熱分解ガスから再
    生ガスや再生油を分解生成する再生機構(D)とを備え
    てなる廃プラスチック油化システムであって、 廃棄物を焼却処理する焼却炉(8)を備えてなる廃棄物
    焼却システム(B)を併設し、 前記廃棄物焼却システム(B)で生じた廃熱を前記熱分
    解槽(7)の熱源として供給する廃熱供給機構(C)を
    設けてある廃プラスチック油化システム。
  2. 【請求項2】 前記廃棄物焼却システム(B)に、 前記焼却炉(8)からの廃熱を利用する廃熱ボイラ(2
    3)と、当該廃熱ボイラ(23)で生成した蒸気を過熱
    する外部燃焼式過熱器(24a)と、当該外部燃焼式過
    熱器(24a)で過熱された蒸気で駆動する蒸気タービ
    ン(22)とを有する発電装置(G1)を備え、 前記廃熱を、前記外部燃焼式過熱器(24a)で発生す
    る燃焼排ガスの保有熱とする請求項1に記載の廃プラス
    チック油化システム。
  3. 【請求項3】 前記外部燃焼式過熱器(24a)で用い
    る過熱用燃料が、前記再生機構(D)で生成した再生油
    である請求項2に記載の廃プラスチック油化システム。
  4. 【請求項4】 前記廃棄物焼却システム(B)に、 前記焼却炉(8)からの廃熱を利用する廃熱ボイラ(2
    3)と、当該廃熱ボイラ(23)で生成した蒸気を過熱
    する過熱器(24b)と、当該過熱器(24b)で過熱
    された蒸気で駆動する蒸気タービン(22)とを有する
    第1発電部、及び、 ガスタービン(25)を有する第2発電部を設け、当該
    ガスタービン(25)からの高温排ガスで前記過熱器
    (24b)を過熱するコンバインド発電システム(G
    2)を備えると共に、 前記廃熱を、前記過熱器(24b)を過熱したあとの高
    温排ガスの保有熱とする請求項1に記載の廃プラスチッ
    ク油化システム。
  5. 【請求項5】 前記熱分解槽(7)で熱分解ガスを生成
    する稼働状態と、前記熱分解槽(7)から残渣を除去し
    て溶融廃プラスチックを充填する準備状態とを切り替え
    るべく、少なくとも二槽の熱分解槽(7)を備えると共
    に、 そのうち少なくとも一つの熱分解槽(7)が稼働状態と
    なり、少なくとも一つの熱分解槽(7)が準備状態とな
    るよう、前記少なくとも二槽の熱分解槽(7)を、稼働
    状態と準備状態とに交互に切り替えられるように構成
    し、 前記廃熱供給機構(C)を、前記焼却炉(8)からの廃
    熱を稼働状態にある熱分解槽(7)へ供給した後に準備
    状態にある熱分解槽(7)に供給するよう、前記熱分解
    槽(7)の稼働状態と準備状態とに対応させて交互に切
    り替えるように構成してある請求項1から4の何れかに
    記載の廃プラスチック油化システム。
  6. 【請求項6】 前記廃棄物焼却システム(B)に溶融炉
    (10)を設け、前記再生機構(D)により生成された
    再生ガスまたは再生油を前記溶融炉(10)の燃料とし
    て供給する燃料供給機構(E)を設けてある請求項1か
    ら5の何れかに記載の廃プラスチック油化システム。
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