JPH10251565A - 室内汚染対策用水性ポリッシュ、水性クリヤ−被覆材、及びこれらを用いた室内汚染低減化方法 - Google Patents

室内汚染対策用水性ポリッシュ、水性クリヤ−被覆材、及びこれらを用いた室内汚染低減化方法

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JPH10251565A
JPH10251565A JP5572797A JP5572797A JPH10251565A JP H10251565 A JPH10251565 A JP H10251565A JP 5572797 A JP5572797 A JP 5572797A JP 5572797 A JP5572797 A JP 5572797A JP H10251565 A JPH10251565 A JP H10251565A
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inorganic oxide
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aqueous
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JP5572797A
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Masami Sugishima
正見 杉島
Tadahiro Nakao
忠広 中尾
Nobuhito Hirata
信人 平田
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】室内の床、壁面、天井などに使用される合板や
ビニル壁紙に塗布し、これらから揮散するホルマリンや
可塑剤類などの有害物を吸着又は分解する被膜を形成し
うる室内汚染対策用水性ポリッシュ、水性クリヤ−被覆
材、及びこれらを用いて有害物による室内汚染を低減化
する方法を提供する。 【解決手段】酸価10〜500の水溶性又は水分散性樹
脂及び平均粒子径が500nm以下で光触媒活性を有す
る無機酸化物を主成分として含有し、且つ該無機酸化物
を樹脂固形分100重量部に対して0.02〜20重量
部となるよう含有する。この水性ポリッシュ又は水性ク
リヤ−被覆材を、床、壁面、天井に適用される内装材表
面に塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室内の床、壁面、
天井などに使用される合板やビニル壁紙に塗布し、これ
らから揮散するホルマリンや可塑剤類などの有害物を吸
着又は分解する被膜を形成しうる室内汚染対策用水性ポ
リッシュ(つや出し剤)、水性クリヤ−被覆材、及びこ
れらを用いて有害物による室内汚染を低減化する方法に
関する。
【0002】
【従来技術及びその課題】現在、国内の建築仕上げにお
いて、乾式工法の占める比率は極めて高く、特に室内の
床・壁面、天井においては、フロ−リング等の合板やパ
−ティクルボ−ド、ビニル壁紙、塩化ビニル床材等を内
装材として用いた仕上げが多い。これらは、生産コスト
が安く、しかも施工しやすいことから、経済効率が良
く、また意匠性の面でも優れた点が多い。しかしなが
ら、これらを内装材とする仕上げでは、通常、合板の接
着剤部分に含まれるホルマリン(ホルムアルデヒド)や
ビニル材に含まれる可塑剤(DOP、TCP、DOA
等)・難燃剤(TCEP等)などの有害物が室内に揮散
する。近年、住宅の密閉性向上に伴ない、これら有害物
の居住空間における濃度が非常に高まり、人体への悪影
響が懸念されるようになってきた。例えばアトピ−、ア
レルギ−、発ガン性、神経性症状との関連も指摘される
ようになってきている。
【0003】これに対して、本出願人は先に、ビニル壁
紙の廃却の問題を軽減すべく、ビニル壁紙改修用水性塗
料を用いることを提案した(特開平8−41383号公
報)。これによれば、ビニル壁紙が経年で色あせたりタ
バコのヤニ等による染みが生じた際に、該ビニル壁紙上
に該塗料を塗装することで、従来困難とされていたビニ
ル壁紙の改装が可能となり、またビニル壁紙からの可塑
剤揮散を抑制する効果も得られた。しかしながらホルマ
リンなどの有害物揮散の抑制効果は不十分であり、これ
らによる室内汚染を防止する方策の開発が望まれてい
た。
【0004】一方、近年の高齢化に伴ない、在宅看護が
増加しており、室内を浮遊する細菌や塵による高齢者の
室内感染の恐れがあり、室内の消毒や空気の清浄を頻繁
に要するため看護者にはかなりの負担であった。
【0005】これに対し、院内感染等に対して提案され
ている酸化チタン粉末等の半導体の光触媒機能を利用し
て殺菌することが挙げられる(例えば、特開平6−20
9985、特開平7−102678号公報)。これらは
頻繁なメンテナンスが不要で且つ薬剤によらない殺菌方
法として有用であるが、無機建材への適用に限られてお
り、合板やビニル壁紙等へ直接塗布することができなか
った。これは合板やビニル壁紙等の有機材料面では親水
性基が少ないために、該面に適用されても十分な光触媒
機能が発揮されないだけでなく、その光活性のために該
有機材料の劣化が促進される恐れがあるためである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意検討した結果、室内の床、壁面、天井
などに適用される内装材表面に、特定の樹脂及び光触媒
活性を有する無機酸化物を含有する水性ポリッシュ又は
水性クリヤ−被覆材を塗布することにより、形成された
被膜内で合板やビニル壁紙から揮散してくるホルマリン
などの有害物を吸収して分解し、一方被膜表面に付着し
た室内浮遊の細菌を殺菌し、さらにタバコのヤニ等も分
解して、効果的に室内汚染を低減化することを見出し本
発明に到達した。
【0007】即ち本発明は、酸価10〜500の水溶性
又は水分散性樹脂、及び平均粒子径が500nm以下で
光触媒活性を有する無機酸化物を主成分として含有し、
且つ該無機酸化物を樹脂固形分100重量部に対して
0.02〜20重量部となるよう含有することを特徴と
する室内汚染対策用水性ポリッシュ、酸価10〜500
の水溶性又は水分散性樹脂、及び平均粒子径が500n
m以下で光触媒活性を有する無機酸化物を主成分として
含有し、且つ該無機酸化物を樹脂固形分100重量部に
対して0.02〜20重量部となるよう含有することを
特徴とする室内汚染対策用水性クリヤ−被覆材、及びこ
れらを、床、壁面、天井に適用される内装材表面に塗布
してなる室内汚染低減化方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の態様】本発明の水性ポリッシュに含有さ
れる水溶性又は水分散性樹脂は、酸価10〜500、好
ましくは30〜300を有する樹脂であり、具体的には
カルボキシル基含有重合性不飽和モノマ−とその他の重
合性不飽和モノマ−とを共重合して得られるカルボキシ
ル基含有共重合体の水溶又は水分散化物であることが好
適である。製造方法としては、従来公知の方法が採用で
き、例えば有機溶剤中でモノマ−混合物を溶液重合せし
めてなるカルボキシル基含有共重合体を塩基で中和して
水溶又は水分散化する方法や、水及び乳化剤の存在下で
モノマ−混合物を乳化重合させてなる方法が挙げられ
る。
【0009】該水溶性又は水分散性樹脂の酸価が10未
満では、得られる被膜の光触媒機能が十分発揮されず、
一方500を越えると樹脂の粘度が著しく上昇し塗装作
業性が低下し、また得られる被膜の耐水性も低下するの
で好ましくない。
【0010】カルボキシル基含有重合性不飽和モノマ−
としては、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無
水マレイン酸などが使用でき、さらにジメチロ−ルプロ
ピオン酸、ジオ−ル及びジイソシアネ−ト化合物を反応
させてなるカルボキシル基含有ポリウレタンの末端イソ
シアネ−ト基の一部又は全部に2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレ−トなどを付加させて得られるカルボ
キシル基含有マクロマ−などを使用してもよい。
【0011】その他の重合性不飽和モノマ−としては、
例えばメチル(メタ)アクリレ−ト、エチル(メタ)ア
クリレ−ト、プロピル(メタ)アクリレ−ト、ブチル
(メタ)アクリレ−ト、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレ−ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ラ
ウリル(メタ)アクリレ−ト、イソボルニル(メタ)ア
クリレ−トなどの(メタ)アクリル酸の炭素数1〜24
個のアルキル又はシクロアルキルエステル;2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレ−トなどの(メタ)アクリル酸の炭素
数2〜8個のヒドロキシアルキルエステル;スチレン、
ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物;ダイアセト
ン(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、エ
チレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニ
ル、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げ
られ、これらは所望の性能に応じて適宜使用される。
【0012】上記水溶性又は水分散性樹脂には、必要に
応じて従来公知の他の水分散性樹脂、例えばポリエチレ
ン、スチレン−ブタジエン系樹脂;ポリ酢酸ビニル、エ
チレン−酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル等のビニル系
樹脂、ウレタン系樹脂などを併用してもよい。
【0013】本発明の水性ポリッシュに含有される光触
媒活性を有する無機酸化物は、バンド・ギャップを有す
る半導体粒子であり、そのバンド・ギャップ以上のエネ
ルギ−を持つ光(例えば太陽光や人工照明光の紫外線)
が照射されると光励起により生成した電子と正孔が半導
体粒子表面に移動し、その強い酸化能力によってこれに
接する細菌やホルマリンなどを分解する機能を発揮する
ものである。該無機酸化物として、具体的には、例えば
TiO2 、RuO2 、CoO、Ce2 3 、Cr
2 3 、Rh2 3 、V2 5 、ZnOなどが挙げら
れ、特に安全性、経済性の点からTiO2 、ZnOが好
適である。TiO2 なる酸化チタンには正方晶系に属す
るルチル型、アナタ−ゼ型と、斜方晶系に属するブルッ
カイト型の3種類の結晶型があるが、光触媒活性を有す
る酸化チタンとしてはアナタ−ゼ型の酸化チタンであ
る。
【0014】光触媒活性を有する無機酸化物は、平均粒
子径が500nm以下、好ましくは3〜300nmであ
る。該粒子径が500nmを越えると、光触媒活性、分
散性が低下し、また貯蔵安定性が低下するので好ましく
ない。
【0015】上記無機酸化物は、さらに光触媒活性を高
めるため該無機酸化物表面に、Fe、Mo、Ru、O
s、Re、V、Rh、Ag、Cu、Znなどの金属成分
を酸化物或いは金属イオンの形で担持せしめることがで
き、このうち抗菌性付与の点から、Ag、Cu及びZn
から選ばれる少なくとも1種の抗菌性金属成分を担持せ
しめることが好適である。これら金属成分の担持方法と
しては、従来公知の方法が採用でき、例えばAgの担持
では酸化銀をアンモニア水で溶解して銀のアミン錯塩水
溶液とし、この中に該無機酸化物を入れ撹拌した後、濾
過残渣物を150℃で48時間加熱乾燥して得るなどが
適当である。
【0016】光触媒活性を有する無機酸化物の配合は、
例えば水性ポリッシュ又は水性クリヤ−中に該無機酸化
物の粉末を直接混入した後、ディスパ−、サンドミル、
シェ−カ−等の撹拌機で分散してもよいが、前記水溶性
又は水分散性樹脂に混合し、適度な粘度(50〜100
KU)を有する中で分散してペ−ストとしてから塗料化
するのが望ましい。
【0017】また光触媒活性を有する無機酸化物の粉末
をコロイド粒子としてなる溶液として配合してもよい。
無機酸化物コロイド溶液として配合すると、上記のよう
な分散工程が不要でしかも粉末がより微細な状態で水性
ポリッシュ中に配合できるので、光触媒活性や抗菌性の
点から好適である。無機酸化物コロイド溶液としては、
例えば、特開平6−80527号公報、特開平7−33
616号公報などに開示されており、TiO2 単一酸化
物のコロイド粒子やSiO2 ・Al2 3 ・TiO2
どの複合酸化物のコロイド粒子が挙げられる。これらは
前述の抗菌性金属成分をコロイド粒子表面に付着、或い
は無機酸化物と混合した形でコロイド粒子とすることが
できる。
【0018】光触媒活性を有する無機酸化物の含有量
は、水性ポリッシュ中の樹脂固形分100重量部に対し
て0.02〜20重量部、好ましくは0.1〜5重量部
とする。該配合量が0.02重量部未満では、光触媒機
能が十分に発揮されず、一方20重量部を越えると、得
られる被膜の透明性が損なわれ内装材の素材感が失われ
るので好ましくない。
【0019】本発明の水性ポリッシュには、被膜強度を
向上させるために、脂肪酸の金属塩を樹脂固形分100
重量部に対して0.01〜10重量部配合してもよい。
脂肪酸の金属塩としては、例えばステアリン酸、ラウリ
ン酸、ナフテン酸、パルミチン酸などの脂肪酸の亜鉛、
カルシウム、マグネシウム、ストロンチウムなどの金属
塩が挙げられる。
【0020】また本発明の水性ポリッシュには、水分散
可能なワックスを樹脂固形分100重量部に対して0.
01〜10重量部配合してもよい。ワックスとしては、
例えばポリエチレンワックス、ポリプロピレンワック
ス、パラフィンワックス、マイクロクリスタンワック
ス、カルナバワックス、蜜ロウ等が挙げられる。
【0021】さらに本発明の水性ポリッシュには、必要
に応じて、亜鉛アンモニウムカ−ボネ−ト、ジルコニウ
ムアンモニウムカ−ボネ−ト等の金属錯体の架橋剤や、
界面活性剤、可塑剤、消泡剤、増粘剤、防腐剤、凍結防
止剤、有機溶剤、染料、帯電防止剤などの添加剤を適宜
選択して配合することができる。
【0022】次いで本発明の水性クリヤ−被覆材は、酸
価10〜500の水溶性又は水分散性樹脂、及び平均粒
子径が500nm以下で光触媒活性を有する無機酸化物
を主成分として含有するものである。かかる酸価10〜
500の水溶性又は水分散性樹脂としては、前記水性ポ
リッシュの説明で述べたものが特に制限なく使用でき、
光触媒活性を有する無機酸化物としては、前記水性ポリ
ッシュの説明で述べたものが特に制限なく使用できる。
該光触媒活性を有する無機酸化物の含有量は、前記水性
ポリッシュと同様に、水性クリヤ−被覆材中の樹脂固形
分100重量部に対して0.02〜20重量部、好まし
くは0.1〜5重量部である。
【0023】本発明の水性クリヤ−被覆材には、さらに
必要に応じて、前記水性ポリッシュの説明で述べた脂肪
酸の金属塩や、界面活性剤、分散剤、消泡剤、増粘剤、
造膜助剤、防腐剤、凍結防止剤、有機溶剤、顔料などの
塗料用添加剤を適宜選択して配合することができる。
【0024】本発明の水性クリヤ−被覆材では、得られ
る被膜(乾燥膜厚20μm)の隠蔽率が0.5以下であ
ることが内装材の意匠の面から望ましい。該被膜隠蔽率
が0.5以下であればつや有り、つや消し、着色クリヤ
−いずれであってもよい。
【0025】本発明では、床、壁面、天井に適用される
内装材表面に、上記の通り得られる室内汚染対策用の水
性ポリッシュ又は水性クリヤ−被覆材を塗布してホルマ
リン等の揮発や室内浮遊細菌による室内汚染を防止する
ものである。
【0026】室内の床・壁面、天井に適用される内装材
としては、合板やパ−ティクルボ−ド、ビニル壁紙、塩
化ビニル床材等が挙げられる。これらは、例えば合板の
接着剤部分に含まれるホルマリン(ホルムアルデヒド)
やビニル材に含まれる可塑剤(DOP、TCP、DOA
等)・難燃剤(TCEP等)などの室内汚染物質を揮発
するものである。
【0027】上記室内汚染対策用の水性ポリッシュは、
これらの室内汚染物質を揮発する内装材表面に、通常、
5〜100g/m2 、好ましくは10〜30g/m2
塗布量で、例えばモップ、スポンジ、ウェス、ロ−ラ
−、スプレ−、ハケ等を用いて塗布される。また水性ク
リヤ−被覆材は、上記内装材表面に、通常、10〜30
0g/m2 、好ましくは30〜150g/m2 の塗布量
で、例えばロ−ラ−、スプレ−、ハケ等を用いて塗布さ
れる。
【0028】上記塗布は随時行うことができるが、ホル
マリンの揮発量は新築時が一番多いので、例えば新築後
通気を確保の上で揮発分を放出させておき、入居直前に
床の合板表面に上記水性ポリッシュを、あるいは合板上
に貼り付けられたビニル壁紙の上などに上記水性ポリッ
シュ又は水性クリヤ−被覆材を塗布する、などの仕様が
適当である。またポリッシュ膜の機能低下時には、これ
を洗浄剤等で除去して再度塗布するのが適当である。
【0029】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。尚、「部」及び「%」は特に断りのない限り
重量基準によるものとする。
【0030】無機酸化物の分散ペ−ストの調整 下記5種類の無機酸化物について、夫々210部を上水
300部及び「ノプコサントK」(サンノプコ社製、分
散剤)9部と共に1リットルのステンレス容器に配合
し、ディスパ−で20分間撹拌後、さらに1リットルの
卓上サンドミルにて20分間分散し、各分散ペ−ストを
作成した。
【0031】:アナタ−ゼ型酸化チタン、テイカ社
製、商品名「JA−1」、平均粒子径180nm :アナタ−ゼ型酸化チタン、テイカ社製、商品名「S
T−157」、平均粒子径20nm :酸化亜鉛、三井金属工業社製、商品名「Z−NOU
VE」、平均粒子径100〜200nm :ルチル型酸化チタン、テイカ社製、商品名「JR−
600A」、平均粒子径250nm :アナタ−ゼ型酸化チタン、平均粒子径600nm、
以下のように得た。
【0032】30%硫酸チタン水溶液を水酸化ナトリウ
ムでpH4に調整し、80℃で約30分熟成後急冷して
加水分解核を得た。この加水分解核を30%硫酸チタン
水溶液に1%添加し蒸気加熱により約2時間沸騰させて
白色含水酸化チタンの沈殿物を得た。これを瀘過し蒸留
水にて洗浄後リン酸を0.1%添加し回転焼却炉に入れ
約900℃になるまで昇温し焼成してアナタ−ゼ型酸化
チタンを得、これを粉砕器にて粉砕して上記粒子径の酸
化チタンを得た。
【0033】また無機酸化物のコロイド溶液として下記
3種を用意した。
【0034】:銅含有チタニアコロイド、触媒化成工
業社製、商品名「ATOMY OVAL−C」、5nm :亜鉛含有チタニアコロイド、触媒化成工業社製、商
品名「ATOMY OVAL−Z」、5nm :銀含有チタニアコロイド、触媒化成工業社製、商品
名「ATOMY BALL」、10nm水溶性又は水分散性樹脂の調整 下記表1にアクリル酸の共重合量により酸価を調整して
乳化重合により作成された4種のアクリル酸−スチレン
系共重合体エマルション、及び分子量1,500〜3,
000になるよう共重合し中和により作成された2種の
スチレン−マレイン酸系共重合体水溶液を示す。尚、エ
マルション(A)及び(F)には、ステアリン酸亜鉛を
夫々樹脂固形分100重量部に対して0.5部及び1部
配合した。
【0035】
【表1】
【0036】水性ポリッシュの製造 実施例1 このアクリル酸−スチレン系共重合体エマルション
(A)400部、スチレン−マレイン酸系共重合体水溶
液(E)25部、固形分15%のポリエチレンエマルシ
ョン75部、ジエチレングリコ−ルモノエチレンエ−テ
ル10部、無機酸化物分散ペ−スト20部及びフッ素
系界面活性剤0.03部を、1リットルのステンレス容
器に配合し、ディスパ−で30分間撹拌し、上水で適宜
希釈し、固形分15%の水性ポリッシュ(P−1)を得
た。
【0037】実施例2〜5及び比較例1、2 実施例1において、アクリル酸−スチレン系共重合体エ
マルション種、スチレン−マレイン酸系共重合体水溶液
種及び無機酸化物種を表2に示す組合せとする以外は実
施例1と同様の操作により各水性ポリッシュを得た。
【0038】実施例6 1リットルのステンレス容器に、アクリル酸−スチレン
系共重合体エマルション(A)350部、ポリエチレン
エマルション(岐阜セラミック製造所製、固形分15
%)75部、ジエチレングリコ−ルモノエチレンエ−テ
ル10部、無機酸化物分散ペ−スト20部及びフッ素
系界面活性剤0.03部を配合し、ディスパ−で30分
間撹拌し、上水で適宜希釈し、固形分15%の水性ポリ
ッシュ(P−6)を得た。
【0039】比較例3 実施例6において、アクリル酸−スチレン系共重合体エ
マルション種、スチレン−マレイン酸系共重合体水溶液
種及び無機酸化物種を表2に示す組合せとする以外は実
施例6と同様の操作により水性ポリッシュ(P−9)を
得た。
【0040】水性クリヤ−被覆材の製造 実施例7、8及び比較例4 1リットルのステンレス容器に、表3に示す組成及び配
合量で各成分を順次配合し、ディスパ−で30分間撹拌
し上水で適宜希釈して、水性クリヤ−被覆材(C−1)
〜(C−3)を得た。尚、表中の(注1)、(注2)
は、以下の通りである。
【0041】(注1)「アデカノ−ルUH−420」、
商品名、旭電化工業社製 (注2)「スラオフ72N」、商品名、武田薬品工業社
評価試験 (1)試験用サンプルの作成 ろ紙に、上記で得た各水性ポリッシュ及び水性クリヤ−
被覆材を刷毛にて10g/m2 の塗布量で2回塗布した
後、室温で7日間乾燥させ、各試験用サンプルを作成し
た。
【0042】(2)ホルマリン遮断性の評価 各試験用サンプルを、1%ホルマリン水溶液10ccの
入った70ccマヨネ−ズビンの口にエポキシ系接着剤
で接合して、マヨネ−ズビンの口をろ紙面で密封した。
このビンを3日間放置後、1リットルのジュアビンの中
に入れて密封し、これを陽光の下に3日間放置後、ジュ
アビン内のホルマリン濃度を検知管にて測定した。これ
より下記評価基準に従いホルマリン遮断性を評価した。
結果を表2及び表3に示す。
【0043】 ◎:0.5ppm未満 ○:0.5〜50ppm △:50〜250ppm ×:250ppm以上 (3)抗菌性の評価 大腸菌及び黄色ブドウ球菌を生理食塩水中に夫々懸濁さ
せ、その30μmを3cm×3cmに切断した各試験用
サンプル面に夫々滴下し、28℃で24時間放置後、生
菌数を測定して下記式より夫々の死滅率(%)を求め
た。結果を表2及び表3に示す。
【0044】死滅率(%)=[(初期生菌数)−(24時
間後の生菌数)]/(初期生菌数)×100
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】塗装 実施例9、10及び比較例5、6 5×70×150mmの市販のベニヤ板に、上記で得た各
水性ポリッシュを塗布量が約10g/m2 となるように
スポンジで塗布し2時間乾燥後、同様に塗り重ねて室温
で7日間乾燥させた。得られたポリッシュ板を1リット
ルのジュアビンの中に入れて密封し、これを陽光の下に
3日間放置後、ジュアビン内のホルマリン濃度を検知管
にて測定した。これより下記評価基準に従いホルマリン
遮断性を評価した。結果を表4に示す。
【0048】 ○:0.2ppm未満 △:0.2〜2ppm ×:2ppm以上 実施例11及び比較例7 0.8×70×150mmのビニル壁紙(JIS K 6
734適合品)の表面に、上記で得た各水性クリヤ−被
覆材を塗装粘度に希釈して塗布量が約60g/m2 とな
るように刷毛塗りし2時間乾燥後、同様に塗り重ねて室
温で7日間乾燥させた。得られた被覆板を1リットルの
ジュアビンの中に入れて密封し、これを陽光の下に1ケ
月間放置後、ジュアビン内の可塑剤成分の気中濃度より
下記基準で可塑剤遮断性を評価した。結果を表5に示
す。
【0049】 ○:0.005ppm未満 △:0.005〜0.05ppm ×:0.05ppm以上
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、室内の床、壁面、天井
などに適用される内装材表面に、特定の樹脂及び光触媒
活性を有する無機酸化物を含有する水性ポリッシュ又は
水性クリヤ−被覆材を塗布することにより、形成された
被膜内では合板やビニル壁紙から揮散してくるホルマリ
ンなどの有害物を吸収して分解し、一方被膜表面では付
着した室内浮遊の細菌を殺菌し、さらにタバコのヤニ等
も分解して、効果的に室内汚染を低減化することが可能
である。
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 5/00 C09D 5/00 Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸価10〜500の水溶性又は水分散性
    樹脂、及び平均粒子径が500nm以下で光触媒活性を
    有する無機酸化物を主成分として含有し、且つ該無機酸
    化物を樹脂固形分100重量部に対して0.02〜20
    重量部となるよう含有することを特徴とする室内汚染対
    策用水性ポリッシュ。
  2. 【請求項2】 水溶性又は水分散性樹脂が、カルボキシ
    ル基含有重合性不飽和モノマ−とその他の重合性不飽和
    モノマ−の共重合体である請求項1記載の水性ポリッシ
    ュ。
  3. 【請求項3】 光触媒活性を有する無機酸化物が、酸化
    チタン、酸化亜鉛である請求項1又は2記載の水性ポリ
    ッシュ。
  4. 【請求項4】 光触媒活性を有する無機酸化物が、銀、
    銅及び亜鉛から選ばれる少なくとも1種の抗菌性金属成
    分を担持する請求項1ないし3のいずれか1項記載の水
    性ポリッシュ。
  5. 【請求項5】 光触媒活性を有する無機酸化物が、該無
    機酸化物の微粉末をコロイド粒子としてなる溶液として
    配合される請求項1ないし4のいずれか1項記載の水性
    ポリッシュ。
  6. 【請求項6】 脂肪酸の金属塩を、樹脂固形分100重
    量部に対して0.01〜10重量部含有する請求項1な
    いし5のいずれか1項記載の水性ポリッシュ。
  7. 【請求項7】 酸価10〜500の水溶性又は水分散性
    樹脂、及び平均粒子径が500nm以下で光触媒活性を
    有する無機酸化物を主成分として含有し、且つ該無機酸
    化物を樹脂固形分100重量部に対して0.02〜20
    重量部となるよう含有することを特徴とする室内汚染対
    策用水性クリヤ−被覆材。
  8. 【請求項8】 床、壁面、天井に適用される内装材表面
    に、酸価10〜500の水溶性又は水分散性樹脂及び平
    均粒子径が500nm以下で光触媒活性を有する無機酸
    化物を主成分として含有し且つ該無機酸化物を樹脂固形
    分100重量部に対して0.02〜20重量部となるよ
    う含有する室内汚染対策用水性ポリッシュを、塗布量5
    〜100g/m2 となるよう塗布してなる室内汚染低減
    化方法。
  9. 【請求項9】 床、壁面、天井に適用される内装材表面
    に、酸価10〜500の水溶性又は水分散性樹脂及び平
    均粒子径が500nm以下で光触媒活性を有する無機酸
    化物を主成分として含有し且つ該無機酸化物を樹脂固形
    分100重量部に対して0.02〜20重量部となるよ
    う含有する室内汚染対策用水性クリヤ−被覆材を、塗布
    量30〜300g/m2 となるよう塗布してなる室内汚
    染低減化方法。
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