JPH10249844A - 繊維補強ポリマーセメント組成物とその形成方法 - Google Patents
繊維補強ポリマーセメント組成物とその形成方法Info
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- JPH10249844A JPH10249844A JP5871397A JP5871397A JPH10249844A JP H10249844 A JPH10249844 A JP H10249844A JP 5871397 A JP5871397 A JP 5871397A JP 5871397 A JP5871397 A JP 5871397A JP H10249844 A JPH10249844 A JP H10249844A
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Landscapes
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- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 機械的強度伸び能力および付着強度に優れ
た繊維補強ポリマーセメント組成物とその形成方法の提
供 【解決手段】ポリマーセメントマトリックスの内部に網
状の繊維体を平面に拡げた状態で含有させる。また、構
造体の表面にポリマーセメントマトリックスの下地層を
設け、固化前の該下地層表面を網状の繊維体で覆い、さ
らに該繊維体をポリマーセメントマトリックスの上層で
覆うことにより、構造体表面に上記組成物を形成する。
た繊維補強ポリマーセメント組成物とその形成方法の提
供 【解決手段】ポリマーセメントマトリックスの内部に網
状の繊維体を平面に拡げた状態で含有させる。また、構
造体の表面にポリマーセメントマトリックスの下地層を
設け、固化前の該下地層表面を網状の繊維体で覆い、さ
らに該繊維体をポリマーセメントマトリックスの上層で
覆うことにより、構造体表面に上記組成物を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接合強度が大きく
剥離し難く、しかも機械的強度と靱性に優れ、耐震補強
材として最適な繊維補強ポリマーセメント系組成物とそ
の形成方法に関する。
剥離し難く、しかも機械的強度と靱性に優れ、耐震補強
材として最適な繊維補強ポリマーセメント系組成物とそ
の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セメントモルタルやセメントコンクリー
トなどのセメント系組成物の機械的強度を高めるため、
これらの組成物に補強繊維を混入することが従来から知
られている。例えば、特開昭60-151263号にはピッチ系
炭素繊維をポリマーセメントに配合した繊維補強材が記
載されており、特開平01-255505号には型枠表面に樹脂
モルタルを塗布し、その上に繊維混入セメントモルタル
を充填し硬化脱型する繊維補強セメントモルタルが記載
されている。しかし、これらの繊維補強セメント組成物
は、繊維をマトリックス全体に分散させたものであり、
繊維の分散性を良くするために繊維長の短いものが用い
られている。このため組成物中の繊維は3次元方向に無
秩序に配列しており、組成物の平面方向の強度および靭
性を高めるうえでは限界がある。
トなどのセメント系組成物の機械的強度を高めるため、
これらの組成物に補強繊維を混入することが従来から知
られている。例えば、特開昭60-151263号にはピッチ系
炭素繊維をポリマーセメントに配合した繊維補強材が記
載されており、特開平01-255505号には型枠表面に樹脂
モルタルを塗布し、その上に繊維混入セメントモルタル
を充填し硬化脱型する繊維補強セメントモルタルが記載
されている。しかし、これらの繊維補強セメント組成物
は、繊維をマトリックス全体に分散させたものであり、
繊維の分散性を良くするために繊維長の短いものが用い
られている。このため組成物中の繊維は3次元方向に無
秩序に配列しており、組成物の平面方向の強度および靭
性を高めるうえでは限界がある。
【0003】一方、このような短繊維を分散させたもの
に代えて、網状の繊維体を用いたものも知られており、
例えば、特願昭63-111045号には樹脂で表面処理した網
状繊維体をモルタルセメント中に埋設した繊維補強セメ
ントモルタル成形体が記載されている。また、特開平01
-157445号にはセメントモルタル板の一方の表面近くに
ネット状の長繊維を配置し、他方の表面側には短繊維を
ランダムに配合した補強構造体が記載されている。しか
し、従来の上記繊維補強材はセメント組成物単味のモル
タルであり、繊維体との接合がポリマーセメントモルタ
ルに比べて十分ではないため、セメントマトリックスと
繊維体が一体になって荷重に抵抗するのは限度があり、
また構造体表面に施工した際に剥離する場合がある等の
問題を有していた。
に代えて、網状の繊維体を用いたものも知られており、
例えば、特願昭63-111045号には樹脂で表面処理した網
状繊維体をモルタルセメント中に埋設した繊維補強セメ
ントモルタル成形体が記載されている。また、特開平01
-157445号にはセメントモルタル板の一方の表面近くに
ネット状の長繊維を配置し、他方の表面側には短繊維を
ランダムに配合した補強構造体が記載されている。しか
し、従来の上記繊維補強材はセメント組成物単味のモル
タルであり、繊維体との接合がポリマーセメントモルタ
ルに比べて十分ではないため、セメントマトリックスと
繊維体が一体になって荷重に抵抗するのは限度があり、
また構造体表面に施工した際に剥離する場合がある等の
問題を有していた。
【0004】また、特開昭63-134548号には、セメント
組成物中に補強繊維を分散させると共に格子状繊維体を
配合したセメント製品が記載されているが、このセメン
ト組成物としてはポリエステル等を混入したレジンコン
クリートや軽量気泡コンクリート等が示されており、レ
ジンコンクリートは製造の際、特殊な設備を要し、工場
で製造を行う必要があるため、現場作業が行えず、耐震
補強材には適さない。また軽量気泡コンクリートは気泡
を含有するために強度が低く、耐震用補強材には適さな
い。
組成物中に補強繊維を分散させると共に格子状繊維体を
配合したセメント製品が記載されているが、このセメン
ト組成物としてはポリエステル等を混入したレジンコン
クリートや軽量気泡コンクリート等が示されており、レ
ジンコンクリートは製造の際、特殊な設備を要し、工場
で製造を行う必要があるため、現場作業が行えず、耐震
補強材には適さない。また軽量気泡コンクリートは気泡
を含有するために強度が低く、耐震用補強材には適さな
い。
【0005】
【発明の解決課題】本発明は従来の繊維補強セメント系
マトリックスにおける上記問題を解決したものであっ
て、繊維体とセメントマトリックスとの接合強度が大き
いために剥離し難く、しかも機械的強度と靱性に優れ、
耐震補強材として最適な繊維補強ポリマーセメント系組
成物とその形成方法を提供するものである。
マトリックスにおける上記問題を解決したものであっ
て、繊維体とセメントマトリックスとの接合強度が大き
いために剥離し難く、しかも機械的強度と靱性に優れ、
耐震補強材として最適な繊維補強ポリマーセメント系組
成物とその形成方法を提供するものである。
【0006】すなわち本発明によれば、(1)ポリマーセ
メントマトリックスの内部に網状の繊維体が平面に拡げ
られた状態で含有されていることを特徴とする繊維補強
ポリマーセメント組成物に関するものである。また、本
発明は、(2)ポリマーセメントマトリックスがポリマー
セメントのペースト、モルタルまたはコンクリートであ
る繊維補強ポリマーセメント組成物、(3)繊維体が炭素
繊維、合成樹脂繊維、スチール繊維、セラミックス繊維
またはガラス繊維により形成されている繊維補強ポリマ
ーセメント組成物を含む。
メントマトリックスの内部に網状の繊維体が平面に拡げ
られた状態で含有されていることを特徴とする繊維補強
ポリマーセメント組成物に関するものである。また、本
発明は、(2)ポリマーセメントマトリックスがポリマー
セメントのペースト、モルタルまたはコンクリートであ
る繊維補強ポリマーセメント組成物、(3)繊維体が炭素
繊維、合成樹脂繊維、スチール繊維、セラミックス繊維
またはガラス繊維により形成されている繊維補強ポリマ
ーセメント組成物を含む。
【0007】さらに本発明は、(4)構造体の表面にポリ
マーセメントマトリックスの下地層を設け、固化前の該
下地層表面を網状の繊維体で覆い、さらに該繊維体をポ
リマーセメントマトリックスの上層で覆うことにより、
構造体表面に繊維補強ポリマーセメント組成物を形成す
ることを特徴とする該組成物の形成方法に関するもので
ある。本発明の上記形成方法は、(5)ポリマーセメント
マトリックスを吹付け、または塗布して下地層ないし上
層を形成する形成方法を含む。
マーセメントマトリックスの下地層を設け、固化前の該
下地層表面を網状の繊維体で覆い、さらに該繊維体をポ
リマーセメントマトリックスの上層で覆うことにより、
構造体表面に繊維補強ポリマーセメント組成物を形成す
ることを特徴とする該組成物の形成方法に関するもので
ある。本発明の上記形成方法は、(5)ポリマーセメント
マトリックスを吹付け、または塗布して下地層ないし上
層を形成する形成方法を含む。
【0008】
【発明の実施形態】(A)組成物の成分・構造 本発明に係る繊維補強ポリマーセメント組成物は、ポリ
マーセメントマトリックスの内部に網状の繊維体を平面
全体に拡げた状態で含有させたものである。ここで、ポ
リマーセメントマトリックスとはポリマーセメントをマ
トリックスとするペースト、モルタル、コンクリートを
云う。セメントは普通ポルトランドセメント、混合セメ
ント等の各種セメントを用いることができる。材料の配
合比は、例えば、水セメント比(W/C)20%〜70%、
砂セメント比100%〜300%が適当である。添加さ
れるポリマーはSBSラテックス等のラテックス系、酢酸
ビニル等のエマルジョン系、エポキシ等の熱硬化性ポリ
マー等のポリマーセメントに通常用いられているもので
あれば良い。ポリマーセメント比は特に限定されず、概
ね5%〜20%程度であれば良い。
マーセメントマトリックスの内部に網状の繊維体を平面
全体に拡げた状態で含有させたものである。ここで、ポ
リマーセメントマトリックスとはポリマーセメントをマ
トリックスとするペースト、モルタル、コンクリートを
云う。セメントは普通ポルトランドセメント、混合セメ
ント等の各種セメントを用いることができる。材料の配
合比は、例えば、水セメント比(W/C)20%〜70%、
砂セメント比100%〜300%が適当である。添加さ
れるポリマーはSBSラテックス等のラテックス系、酢酸
ビニル等のエマルジョン系、エポキシ等の熱硬化性ポリ
マー等のポリマーセメントに通常用いられているもので
あれば良い。ポリマーセメント比は特に限定されず、概
ね5%〜20%程度であれば良い。
【0009】上記ポリマーセメントマトリックスに含有
される繊維体は、連続した長繊維によって形成されたも
のであって、平面全体の応力に対応できるように網状の
ものが用いられる。網目の形状は限定されず、格子状で
も良く、多角形の網目が形成されたものでも良い。網目
の大きさはポリマーセメントの種類や性状に応じて適宜
定めれば良く、一般的には0.1〜500mm孔径のもの
が適当である。また、マトリックス(ポリマーセメント)
に対する網状繊維体の混入率は0.01〜10体積%程
度であれば良い。
される繊維体は、連続した長繊維によって形成されたも
のであって、平面全体の応力に対応できるように網状の
ものが用いられる。網目の形状は限定されず、格子状で
も良く、多角形の網目が形成されたものでも良い。網目
の大きさはポリマーセメントの種類や性状に応じて適宜
定めれば良く、一般的には0.1〜500mm孔径のもの
が適当である。また、マトリックス(ポリマーセメント)
に対する網状繊維体の混入率は0.01〜10体積%程
度であれば良い。
【0010】繊維体の材質は炭素繊維、アラミド繊維等
の合成樹脂繊維、スチール繊維、セラミックス繊維、ま
たはガラス繊維等を用いることができる。このうちスチ
ール繊維からなるものはポリマーとの接合性が良く、マ
トリックスから剥離し難いので有利である。スチール繊
維の径は0.1mm以下の極細繊維が適当である。
の合成樹脂繊維、スチール繊維、セラミックス繊維、ま
たはガラス繊維等を用いることができる。このうちスチ
ール繊維からなるものはポリマーとの接合性が良く、マ
トリックスから剥離し難いので有利である。スチール繊
維の径は0.1mm以下の極細繊維が適当である。
【0011】この網状繊維体はポリマーセメント組成物
の内部に平面全体に拡げた状態で含有される。従って、
短繊維をマトリックス全体に分散させたものと異なり、
曲強度や引張強度などの機械的強度が大きい。短繊維を
分散させたものは外力に対して局所的な抵抗力しか得ら
れないが、本発明の組成物では、網状の繊維体が組成物
内部全体に拡がっているので、繊維体全体がマトリック
スと一体になって荷重に抵抗するので優れた機械的強度
と靱性が得られる。
の内部に平面全体に拡げた状態で含有される。従って、
短繊維をマトリックス全体に分散させたものと異なり、
曲強度や引張強度などの機械的強度が大きい。短繊維を
分散させたものは外力に対して局所的な抵抗力しか得ら
れないが、本発明の組成物では、網状の繊維体が組成物
内部全体に拡がっているので、繊維体全体がマトリック
スと一体になって荷重に抵抗するので優れた機械的強度
と靱性が得られる。
【0012】(B)該組成物の形成方法 本発明の上記繊維補強ポリマーセメント組成物は、以下
の方法により構造体表面に形成することができる。すな
わち、図1に示すように、まず構造体10の表面20に
ポリマーセメントマトリックス30を設けて下地層30
aを形成する。次に、該下地層30aが固化する前に該
下地層表面を、図2に示すような網状の繊維体40で覆
い、この繊維体40をポリマーセメントマトリックス3
0で覆って上層30bを形成し、これらを一体に固化さ
せることにより繊維補強ポリマーセメント組成物50が
形成される。
の方法により構造体表面に形成することができる。すな
わち、図1に示すように、まず構造体10の表面20に
ポリマーセメントマトリックス30を設けて下地層30
aを形成する。次に、該下地層30aが固化する前に該
下地層表面を、図2に示すような網状の繊維体40で覆
い、この繊維体40をポリマーセメントマトリックス3
0で覆って上層30bを形成し、これらを一体に固化さ
せることにより繊維補強ポリマーセメント組成物50が
形成される。
【0013】ポリマーセメントマトリックスの下地層3
0aおよび上層30bは、該マトリックスの吹付けや塗
布により形成することができる。このように本発明の繊
維補強ポリマーセメント組成物を形成する補強方法では
既設構造物の表面にポリマーセメントモルタルを吹き付
けて、網状繊維をその上に配置し、その後、さらにポリ
マーセメントモルタルを吹き付けて表面を仕上げること
により既設構造物の補強を行う。この方法は、吹き付け
工法によるので重機等を用いず、施工性に優れている。
また、施工スペースが限られている部分等の施工も十分
に可能である。更に網状の繊維を用いているため、軽量
で取り扱いが簡便である。
0aおよび上層30bは、該マトリックスの吹付けや塗
布により形成することができる。このように本発明の繊
維補強ポリマーセメント組成物を形成する補強方法では
既設構造物の表面にポリマーセメントモルタルを吹き付
けて、網状繊維をその上に配置し、その後、さらにポリ
マーセメントモルタルを吹き付けて表面を仕上げること
により既設構造物の補強を行う。この方法は、吹き付け
工法によるので重機等を用いず、施工性に優れている。
また、施工スペースが限られている部分等の施工も十分
に可能である。更に網状の繊維を用いているため、軽量
で取り扱いが簡便である。
【0014】
【実施例】普通ポルトランドセメント(秩父小野田社
製)に、粒径3mmの砂を配合し、さらにSBRゴムラテ
ックスを加えてなる表1に示す配合比のポリマーセメン
トモルタルをマトリックスとして用い、また繊維体とし
て極細鋼繊維からなるネット(網目の大きさ0.1mm)を用
い、型枠に下地層のポリマーセメントモルタルを5mm厚
に充填した後に、該マトリックスが硬化する前に、下地
層表面全体に上記繊維体のネットを拡げて敷き、更に、
この上に上記ポリマーセメントモルタルを5mm厚に充填
して板厚10mmの繊維補強ポリマーセメント組成物を製
造した。これらの組成物を補強材として、切り欠き試験
体による3点曲げ試験を実施した。一方、比較例とし
て、繊維体を配合しない以外は同様にして製造した試料
(No.3)、ポリマーを添加しないセメントモルタルを用い
た以外は同様にして製造した試料(No.4)、上記モルタル
に代えてポリエステル樹脂を用いた他は同様にして製造
した試料(No.5)についても同様の試験を行った。なお、
3点切り欠き曲げ試験は、図3に示すように、底部中央
に切り欠22を設けた直方体(240×400×200mm)の試料
20をスパン200mmの台21の上に載せ、センサー2
3を取り付け、中央に載荷板24を押し付けて荷重を加
えた。試験結果を図4に示した。
製)に、粒径3mmの砂を配合し、さらにSBRゴムラテ
ックスを加えてなる表1に示す配合比のポリマーセメン
トモルタルをマトリックスとして用い、また繊維体とし
て極細鋼繊維からなるネット(網目の大きさ0.1mm)を用
い、型枠に下地層のポリマーセメントモルタルを5mm厚
に充填した後に、該マトリックスが硬化する前に、下地
層表面全体に上記繊維体のネットを拡げて敷き、更に、
この上に上記ポリマーセメントモルタルを5mm厚に充填
して板厚10mmの繊維補強ポリマーセメント組成物を製
造した。これらの組成物を補強材として、切り欠き試験
体による3点曲げ試験を実施した。一方、比較例とし
て、繊維体を配合しない以外は同様にして製造した試料
(No.3)、ポリマーを添加しないセメントモルタルを用い
た以外は同様にして製造した試料(No.4)、上記モルタル
に代えてポリエステル樹脂を用いた他は同様にして製造
した試料(No.5)についても同様の試験を行った。なお、
3点切り欠き曲げ試験は、図3に示すように、底部中央
に切り欠22を設けた直方体(240×400×200mm)の試料
20をスパン200mmの台21の上に載せ、センサー2
3を取り付け、中央に載荷板24を押し付けて荷重を加
えた。試験結果を図4に示した。
【0015】
【表1】
【0016】試料No.1、No.2はポリマーセメントモルタ
ルに繊維を配合したものであり、図1に示すように比較
試料No.3、No.4、No.5に比べて荷重変位曲線下の面積が
大きく(同一変位で荷重値が大きい)、補強材が被補強
材の伸び能力を高めていることが分かる。一方、No.3は
ポリマーセメントモルタルのみの試料であり、最大荷重
に達した後は急激に耐力が小さくなる。またNo.4,5は
マトリックス(モルタル、樹脂)に繊維を配合した試料
であり、No.3に比較すると荷重変位曲線下の面積は大き
くなるもののNo.1およびNo.2に及ばない。試料No.1とN
o.2の違いはポリマーセメントモルタルの強度の違い
(ポリマー含有率の大小)に基づいている。試料No.1は
No.2に比較して強度が高いものの塑性域において伸びが
小さくなっている。
ルに繊維を配合したものであり、図1に示すように比較
試料No.3、No.4、No.5に比べて荷重変位曲線下の面積が
大きく(同一変位で荷重値が大きい)、補強材が被補強
材の伸び能力を高めていることが分かる。一方、No.3は
ポリマーセメントモルタルのみの試料であり、最大荷重
に達した後は急激に耐力が小さくなる。またNo.4,5は
マトリックス(モルタル、樹脂)に繊維を配合した試料
であり、No.3に比較すると荷重変位曲線下の面積は大き
くなるもののNo.1およびNo.2に及ばない。試料No.1とN
o.2の違いはポリマーセメントモルタルの強度の違い
(ポリマー含有率の大小)に基づいている。試料No.1は
No.2に比較して強度が高いものの塑性域において伸びが
小さくなっている。
【0017】
【発明の効果】本発明の繊維補強ポリマーセメント組成
物は構造物表面に対する接着強度が高く、また繊維体と
マトリックスの接合性にも優れ、さらに高い靱性と機械
的強度を有する。従って、構造物の変形に対する防止効
果が高い。また、比較的大きな振動が繰り返し作用して
も剥離する虞がないので耐震補強材として最適であり、
高速道路や鉄道用架橋、あるいはその周辺の建築物など
の表面補強材として有用である。
物は構造物表面に対する接着強度が高く、また繊維体と
マトリックスの接合性にも優れ、さらに高い靱性と機械
的強度を有する。従って、構造物の変形に対する防止効
果が高い。また、比較的大きな振動が繰り返し作用して
も剥離する虞がないので耐震補強材として最適であり、
高速道路や鉄道用架橋、あるいはその周辺の建築物など
の表面補強材として有用である。
【図1】本発明の繊維補強ポリマーセメント組成物の形
成方法を示す説明図。
成方法を示す説明図。
【図2】図1の組成物に用いた網状繊維体の概略平面
図。
図。
【図3】3点荷重試験の方法を示す説明図。
【図4】上記試験結果を示すグラフ。
10:構造体、20:構造体表面、30:ポリマーセメ
ントマトリックス、30a:下地層、30b:上層、4
0:網状繊維体、50:繊維補強ポリマーセメント組成
物。
ントマトリックス、30a:下地層、30b:上層、4
0:網状繊維体、50:繊維補強ポリマーセメント組成
物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 盛男 千葉県佐倉市大作2丁目4番2号 秩父小 野田株式会社中央研究所内
Claims (5)
- 【請求項1】 ポリマーセメントマトリックスの内部に
網状の繊維体が平面に拡げられた状態で含有されている
ことを特徴とする繊維補強ポリマーセメント組成物。 - 【請求項2】 ポリマーセメントマトリックスがポリマ
ーセメントのペースト、モルタルまたはコンクリートで
ある請求項1に記載の繊維補強ポリマーセメント組成
物。 - 【請求項3】 繊維体が炭素繊維、合成樹脂繊維、スチ
ール繊維、セラミックス繊維、またはガラス繊維により
形成されている請求項1または2に記載の繊維補強ポリ
マーセメント組成物。 - 【請求項4】 構造体の表面にポリマーセメントマトリ
ックスの下地層を設け、固化前の該下地層表面を網状の
繊維体で覆い、さらに該繊維体をポリマーセメントマト
リックスの上層で覆うことにより、構造体表面に繊維補
強ポリマーセメント組成物を形成することを特徴とする
該組成物の形成方法。 - 【請求項5】 ポリマーセメントマトリックスを吹付
け、または塗布して下地層ないし上層を形成する請求項
4に記載の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5871397A JPH10249844A (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 繊維補強ポリマーセメント組成物とその形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5871397A JPH10249844A (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 繊維補強ポリマーセメント組成物とその形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10249844A true JPH10249844A (ja) | 1998-09-22 |
Family
ID=13092145
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5871397A Pending JPH10249844A (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 繊維補強ポリマーセメント組成物とその形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10249844A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001295476A (ja) * | 2000-04-12 | 2001-10-26 | Yoshiyuki Ogushi | コンクリート躯体の補強方法 |
JP2006137071A (ja) * | 2004-11-11 | 2006-06-01 | Building Research Institute | ひび割れ幅低減セメント系部材およびスチール・コード・シートならびにセメント系部材のひび割れ幅低減補強工法 |
JP2010138055A (ja) * | 2008-12-15 | 2010-06-24 | Shun Furugoori | 樹脂モルタル硬化体及びその施工方法 |
CN104213668A (zh) * | 2014-08-01 | 2014-12-17 | 广西青龙化学建材有限公司 | 一种高强彩色grc板及其制造方法 |
CN112960951A (zh) * | 2021-03-01 | 2021-06-15 | 中冶建筑研究总院有限公司 | 混凝土与纤维复合筋组合的预制结构及混凝土制备方法 |
-
1997
- 1997-03-13 JP JP5871397A patent/JPH10249844A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041026 |
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