JPH1024958A - 結束用モノフィラメントおよびそれを用いた結束方法 - Google Patents
結束用モノフィラメントおよびそれを用いた結束方法Info
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- JPH1024958A JPH1024958A JP18174196A JP18174196A JPH1024958A JP H1024958 A JPH1024958 A JP H1024958A JP 18174196 A JP18174196 A JP 18174196A JP 18174196 A JP18174196 A JP 18174196A JP H1024958 A JPH1024958 A JP H1024958A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 筒状体などの別部品を必要とせずに、柔軟
で取扱いやすく、しかも結束力の優れた結束用モノフィ
ラメントおよび結束作業性の優れた結束方法を提供す
る。 【解決手段】 本発明の結束用モノフィラメントは、
低融点ポリマーと、この低融点ポリマーの融点よりも2
0℃以上高い融点を有する高融点ポリマーからなり、前
記低融点ポリマーが少なくとも表層側に位置する多成分
系モノフィラメントであって、このモノフィラメントの
交差部を張力下で加熱することにより、前記低融点ポリ
マー同士を融着させて接合部を形成可能にしたことを特
徴とする。 また、本発明の結束方法は、上記多成分系
モノフィラメントからなる結束用モノフィラメントを、
被結束物に周回して形成した環状の交差部に張力をか
け、この交差部を接触させながら加熱することにより、
前記低融点ポリマー同士を融着させて接合部を形成する
ことを特徴とする。
で取扱いやすく、しかも結束力の優れた結束用モノフィ
ラメントおよび結束作業性の優れた結束方法を提供す
る。 【解決手段】 本発明の結束用モノフィラメントは、
低融点ポリマーと、この低融点ポリマーの融点よりも2
0℃以上高い融点を有する高融点ポリマーからなり、前
記低融点ポリマーが少なくとも表層側に位置する多成分
系モノフィラメントであって、このモノフィラメントの
交差部を張力下で加熱することにより、前記低融点ポリ
マー同士を融着させて接合部を形成可能にしたことを特
徴とする。 また、本発明の結束方法は、上記多成分系
モノフィラメントからなる結束用モノフィラメントを、
被結束物に周回して形成した環状の交差部に張力をか
け、この交差部を接触させながら加熱することにより、
前記低融点ポリマー同士を融着させて接合部を形成する
ことを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複数の線材や棒材な
どを束ねて結束することなどに使用する結束用モノフィ
ラメントおよびそれを用いた結束方法に関するものであ
り、さらに詳しくは、筒状体などの別部品を必要とせず
に、柔軟で取扱いやすく、しかも結束力の優れた結束用
モノフィラメントおよび結束作業性の優れた結束方法に
関するものである。
どを束ねて結束することなどに使用する結束用モノフィ
ラメントおよびそれを用いた結束方法に関するものであ
り、さらに詳しくは、筒状体などの別部品を必要とせず
に、柔軟で取扱いやすく、しかも結束力の優れた結束用
モノフィラメントおよび結束作業性の優れた結束方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば電線などの複数の物品(被結束
物)を連結するための部材としては、合成樹脂製の結束
バンドや連結具が実用に供されており、これらの結束部
材は、帯状や紐状の線状体を被結束物に巻回して環状連
結部を形成し、この環状連結部を係止固定することによ
って、複数の被結束物を一括して結束する機能を有して
いる。
物)を連結するための部材としては、合成樹脂製の結束
バンドや連結具が実用に供されており、これらの結束部
材は、帯状や紐状の線状体を被結束物に巻回して環状連
結部を形成し、この環状連結部を係止固定することによ
って、複数の被結束物を一括して結束する機能を有して
いる。
【0003】そして、上記環状連結部を係止固定する方
法としては、従来から種々の提案がなされており、その
具体例としては、帯状や紐状の線状体を筒状体に貫通さ
せ、この貫通部にピンを打込むことにより係止固定する
方法、および線状体にあらかじめ孔、歯形および突起な
どを形成しておき、これを一方の筒状体の孔の内側に形
成した係止爪に係止固定する方法などが挙げられる。
法としては、従来から種々の提案がなされており、その
具体例としては、帯状や紐状の線状体を筒状体に貫通さ
せ、この貫通部にピンを打込むことにより係止固定する
方法、および線状体にあらかじめ孔、歯形および突起な
どを形成しておき、これを一方の筒状体の孔の内側に形
成した係止爪に係止固定する方法などが挙げられる。
【0004】しかしながら、上記の従来法は、線状体の
環状連結部を係止固定する力は優れているものの、線条
体を貫通させる筒状体を必要とするばかりか、さらには
この筒状体または線状体にピン、切欠きおよび係止爪な
どを配置する必要があるため、筒状体の外形が大きくな
り、電気配線などで高密度配線する場合に、大きな筒状
体が邪魔をして作業性が阻害されるという問題があっ
た。また、結束した束を配管に導通する場合に、大きな
筒状体が配管の入り口で引っ掛かって導通作業に支障を
来すという問題もあった。
環状連結部を係止固定する力は優れているものの、線条
体を貫通させる筒状体を必要とするばかりか、さらには
この筒状体または線状体にピン、切欠きおよび係止爪な
どを配置する必要があるため、筒状体の外形が大きくな
り、電気配線などで高密度配線する場合に、大きな筒状
体が邪魔をして作業性が阻害されるという問題があっ
た。また、結束した束を配管に導通する場合に、大きな
筒状体が配管の入り口で引っ掛かって導通作業に支障を
来すという問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。
来技術における問題点の解決を課題として検討した結果
達成されたものである。
【0006】したがって、本発明の目的は、筒状体など
の別部品を必要とせずに、柔軟で取扱いやすく、しかも
結束力の優れた結束用モノフィラメントおよび結束作業
性の優れた結束方法を提供することにある。
の別部品を必要とせずに、柔軟で取扱いやすく、しかも
結束力の優れた結束用モノフィラメントおよび結束作業
性の優れた結束方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の結束用モノフィラメントは、低融点ポリ
マーと、この低融点ポリマーの融点よりも20℃以上高
い融点を有する高融点ポリマーからなり、前記低融点ポ
リマーが少なくとも表層側に位置する多成分系モノフィ
ラメントであって、このモノフィラメントの交差部を張
力下で加熱することにより、前記低融点ポリマー同士を
融着させて接合部を形成可能にしたことを特徴とする。
めに、本発明の結束用モノフィラメントは、低融点ポリ
マーと、この低融点ポリマーの融点よりも20℃以上高
い融点を有する高融点ポリマーからなり、前記低融点ポ
リマーが少なくとも表層側に位置する多成分系モノフィ
ラメントであって、このモノフィラメントの交差部を張
力下で加熱することにより、前記低融点ポリマー同士を
融着させて接合部を形成可能にしたことを特徴とする。
【0008】また、本発明の結束方法は、上記多成分系
モノフィラメントからなる結束用モノフィラメントを、
被結束物に周回して形成した環状の交差部に張力をか
け、この交差部を接触させながら加熱することにより、
前記低融点ポリマー同士を融着させて接合部を形成する
ことを特徴とする。
モノフィラメントからなる結束用モノフィラメントを、
被結束物に周回して形成した環状の交差部に張力をか
け、この交差部を接触させながら加熱することにより、
前記低融点ポリマー同士を融着させて接合部を形成する
ことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、図面にしたがって本発明
を詳述する。
を詳述する。
【0010】図1は本発明の結束用モノフィラメントの
斜視図であり、図2は本発明の結束用モノフィラメント
を用いて被結束物を結束した状態を示す斜視図である。
斜視図であり、図2は本発明の結束用モノフィラメント
を用いて被結束物を結束した状態を示す斜視図である。
【0011】図1(a)に示した結束用モノフィラメン
ト1は、丸断面の鞘部を低融点ポリマー2で形成し、芯
成分を高融点ポリマー3で形成した二成分系複合モノフ
ィラメントにより構成した例を示したものである。
ト1は、丸断面の鞘部を低融点ポリマー2で形成し、芯
成分を高融点ポリマー3で形成した二成分系複合モノフ
ィラメントにより構成した例を示したものである。
【0012】また、図1(b)に示した結束用モノフィ
ラメント1は、図1と同様の構成の二成分系複合モノフ
ィラメントを、断面形状が平面部4を有する平面状とな
るように構成した例を示したものである。
ラメント1は、図1と同様の構成の二成分系複合モノフ
ィラメントを、断面形状が平面部4を有する平面状とな
るように構成した例を示したものである。
【0013】本発明の結束用モノフィラメントを構成す
る合成樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン
12およびこれらとその他成分の共重合体などのポリア
ミド、各種ポリアミドエラストマー、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンイソフタレート、ポリエチレンナフタレートおよびこ
れらとその他成分の共重合体などのポリエステル、各種
ポリエステルエラストマー、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アク
リル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体、エ
チレン/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/メタ
クリル酸エステル共重合体、エチレン系アイオノマー、
オレフィン系エラストマー、塩素化ポリエチレンなどの
ポリオレフィン系ポリマ、軟質・硬質のポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデンおよび
エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体などのハロ
ゲン化ビニル系ポリマ、ポリウレタン、ポリアセタール
系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂などの熱可
塑性合成樹脂が挙げられ、これらの合成樹脂は、着色
剤、可塑剤、耐熱剤、耐候剤、難燃剤、発泡剤、滑剤、
増量剤、強化材および砥材などの添加剤を任意に含有す
ることができる。
る合成樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイ
ロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン
12およびこれらとその他成分の共重合体などのポリア
ミド、各種ポリアミドエラストマー、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンイソフタレート、ポリエチレンナフタレートおよびこ
れらとその他成分の共重合体などのポリエステル、各種
ポリエステルエラストマー、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/アク
リル酸共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合体、エ
チレン/アクリル酸エステル共重合体、エチレン/メタ
クリル酸エステル共重合体、エチレン系アイオノマー、
オレフィン系エラストマー、塩素化ポリエチレンなどの
ポリオレフィン系ポリマ、軟質・硬質のポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデンおよび
エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体などのハロ
ゲン化ビニル系ポリマ、ポリウレタン、ポリアセタール
系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂などの熱可
塑性合成樹脂が挙げられ、これらの合成樹脂は、着色
剤、可塑剤、耐熱剤、耐候剤、難燃剤、発泡剤、滑剤、
増量剤、強化材および砥材などの添加剤を任意に含有す
ることができる。
【0014】本発明でいう多成分系モノフィラメントと
は、これらの熱可塑性合成樹脂のうち、少なくとも融点
が20℃好ましくは30℃以上の差を有する2種類のポ
リマーを選択して、低融点のポリマーを少なくとも表層
部に位置させたものである。
は、これらの熱可塑性合成樹脂のうち、少なくとも融点
が20℃好ましくは30℃以上の差を有する2種類のポ
リマーを選択して、低融点のポリマーを少なくとも表層
部に位置させたものである。
【0015】なお、本発明でいう融点とは、結晶性のポ
リマーであれば結晶が融解する温度であり、非晶性のポ
リマーであればポリマーが融解して流動する温度であ
る。
リマーであれば結晶が融解する温度であり、非晶性のポ
リマーであればポリマーが融解して流動する温度であ
る。
【0016】本発明で使用する多成分系モノフィラメン
トとしては、2種類のポリマーの界面接着性の観点か
ら、2種類共にポリアミド系またはポリエステル系また
はポリオレフィン系のように同質系のポリマーから選択
したものであることことが好ましく、さらには高融点ポ
リマーがナイロン66またはナイロン6、低融点ポリマ
ーがナイロン6またはナイロン系共重合体の組合せ、ま
たは高融点ポリマーがポリエチレンテレフタレートまた
はポリブチレンテレフタレート、低融点ポリマーがポリ
ブチレンテレフタレートまたはポリエステル系共重合体
の組合せであることが好ましい。
トとしては、2種類のポリマーの界面接着性の観点か
ら、2種類共にポリアミド系またはポリエステル系また
はポリオレフィン系のように同質系のポリマーから選択
したものであることことが好ましく、さらには高融点ポ
リマーがナイロン66またはナイロン6、低融点ポリマ
ーがナイロン6またはナイロン系共重合体の組合せ、ま
たは高融点ポリマーがポリエチレンテレフタレートまた
はポリブチレンテレフタレート、低融点ポリマーがポリ
ブチレンテレフタレートまたはポリエステル系共重合体
の組合せであることが好ましい。
【0017】また、本発明の結束用モノフィラメント
は、低融点ポリマーが高融点ポリマーの全面であっても
あるいは一部分であっても、少なくともその表層部に位
置していればよい。すなわち、鞘部を低融点ポリマーで
構成し芯部を高融点ポリマーで構成してもよいし、低融
点ポリマーが表層部の一部分に位置してもよい。
は、低融点ポリマーが高融点ポリマーの全面であっても
あるいは一部分であっても、少なくともその表層部に位
置していればよい。すなわち、鞘部を低融点ポリマーで
構成し芯部を高融点ポリマーで構成してもよいし、低融
点ポリマーが表層部の一部分に位置してもよい。
【0018】高融点ポリマーの表層部に低融点ポリマー
を位置させる方法としては、それぞれのポリマーを別々
の押出機を用いて溶融して一つの吐出孔から流出させる
ことにより多成分系モノフィラメントを形成することか
らなるいわゆる複合紡糸法、およびあらかじめ形成した
高融点ポリマーのモノフィラメントに低融点ポリマーを
溶融被覆または液状被覆することからなるいわゆるコー
テイング法などが挙げられる。
を位置させる方法としては、それぞれのポリマーを別々
の押出機を用いて溶融して一つの吐出孔から流出させる
ことにより多成分系モノフィラメントを形成することか
らなるいわゆる複合紡糸法、およびあらかじめ形成した
高融点ポリマーのモノフィラメントに低融点ポリマーを
溶融被覆または液状被覆することからなるいわゆるコー
テイング法などが挙げられる。
【0019】本発明の結束用モノフィラメントの断面形
状は、外形、内形ともに丸断面であってもよく、扁平、
多角、ないしは多葉断面であっても、また外形と内形が
異なる形状であっても差し支えないが、断面形状の少な
くとも一面が平面状に形成されており、低融点ポリマー
がモノフィラメントの平面状に形成された少なくとも表
層部に位置することが好ましい。
状は、外形、内形ともに丸断面であってもよく、扁平、
多角、ないしは多葉断面であっても、また外形と内形が
異なる形状であっても差し支えないが、断面形状の少な
くとも一面が平面状に形成されており、低融点ポリマー
がモノフィラメントの平面状に形成された少なくとも表
層部に位置することが好ましい。
【0020】本発明の結束用モノフィラメントにおける
低融点ポリマーと高融点ポリマーの構成比率は、低融点
ポリマーが5〜50重量%、特に10〜40重量%であ
ることが好ましい。低融点ポリマーが5%以下では、交
差部の結束力を十分に得ることが困難となり、50%以
上では高融点ポリマーの比率が小さくなるために、交差
部を張力下で加熱して低融点ポリマー同士を融着させる
時に、高融点ポリマーが加熱下での張力に抗しきれずに
モノフィラメントが切断することがあるため好ましくな
い。
低融点ポリマーと高融点ポリマーの構成比率は、低融点
ポリマーが5〜50重量%、特に10〜40重量%であ
ることが好ましい。低融点ポリマーが5%以下では、交
差部の結束力を十分に得ることが困難となり、50%以
上では高融点ポリマーの比率が小さくなるために、交差
部を張力下で加熱して低融点ポリマー同士を融着させる
時に、高融点ポリマーが加熱下での張力に抗しきれずに
モノフィラメントが切断することがあるため好ましくな
い。
【0021】なお、結束用モノフィラメントは、必ずし
も延伸・配向したものでなくてもよいが、柔軟性を得る
ためには細くて強い部材が望ましく、延伸して太さを細
くすると共に、強度を向上させることが好ましい。
も延伸・配向したものでなくてもよいが、柔軟性を得る
ためには細くて強い部材が望ましく、延伸して太さを細
くすると共に、強度を向上させることが好ましい。
【0022】結束用モノフィラメントの太さは、特に制
限しないが、太くしても結束点の結束強度の向上効果は
小さいので、必要以上に太くすることは柔軟性が低下す
ることから好ましくない。したがって、丸断面に換算し
た直径を3mm以下にすることが一般的である。
限しないが、太くしても結束点の結束強度の向上効果は
小さいので、必要以上に太くすることは柔軟性が低下す
ることから好ましくない。したがって、丸断面に換算し
た直径を3mm以下にすることが一般的である。
【0023】本発明の結束用モノフィラメントは、予め
所定長に切断するか、またはロールに巻回した状態で使
用され、後者の場合にはロールから所定長引き出し被結
束物に巻回してから切断すればよい。また、結束用モノ
フィラメントの何本かを集束して使用してもよい。
所定長に切断するか、またはロールに巻回した状態で使
用され、後者の場合にはロールから所定長引き出し被結
束物に巻回してから切断すればよい。また、結束用モノ
フィラメントの何本かを集束して使用してもよい。
【0024】次に、本発明の結束方法について説明す
る。
る。
【0025】図2に示した実施例は、上記した本発明の
結束用モノフィラメント1を、被結束物6に周回して形
成した環状の交差部5に張力をかけ、この交差部5を接
触させながら加熱して、低融点ポリマー2同士を融着さ
せて接合部を形成することによって結束した例を示す。
結束用モノフィラメント1を、被結束物6に周回して形
成した環状の交差部5に張力をかけ、この交差部5を接
触させながら加熱して、低融点ポリマー2同士を融着さ
せて接合部を形成することによって結束した例を示す。
【0026】すなわち、まず被結束物6、例えば電線束
の外周に結束用モノフィラメント1を環状に巻回し、そ
の両端を平行に交差させて交差部5を形成する。この際
に、電線束6をしっかり締め付けて結束するためには、
交差部5の結束用モノフィラメント1の両端に張力をか
けて交差部5を接合しなければならない。そのために、
電線束を締め付けるに必要な張力をかけた状態で、交差
部5を熱ピン、熱風、超音波加熱あるいは高周波加熱な
どの方法を用いることによって、表層部に位置する低融
点ポリマー2を融解するが、高融点ポリマー3は融解し
ない温度で加熱し、交差部5に位置する低融点ポリマー
同士を融着させ、次いで冷却固化させることにより交差
部5は接合する。この間、結束用モノフィラメントは張
力下で加熱されており、融解した低融点ポリマー2は、
この張力に抗し得ないが、高融点ポリマーが張力に抗し
て電線束の締付力を保持することができる。
の外周に結束用モノフィラメント1を環状に巻回し、そ
の両端を平行に交差させて交差部5を形成する。この際
に、電線束6をしっかり締め付けて結束するためには、
交差部5の結束用モノフィラメント1の両端に張力をか
けて交差部5を接合しなければならない。そのために、
電線束を締め付けるに必要な張力をかけた状態で、交差
部5を熱ピン、熱風、超音波加熱あるいは高周波加熱な
どの方法を用いることによって、表層部に位置する低融
点ポリマー2を融解するが、高融点ポリマー3は融解し
ない温度で加熱し、交差部5に位置する低融点ポリマー
同士を融着させ、次いで冷却固化させることにより交差
部5は接合する。この間、結束用モノフィラメントは張
力下で加熱されており、融解した低融点ポリマー2は、
この張力に抗し得ないが、高融点ポリマーが張力に抗し
て電線束の締付力を保持することができる。
【0027】なお、上記においては、本発明の結束用モ
ノフィラメントにより複数の電線を束ねた束状物を結束
することを主体に説明したが、本発明の結束用モノフィ
ラメントおよび結束方法は、例えば靴などの対になる複
数のものの連結や、被結束物に対する例えば値札などの
連結にも適用可能である。
ノフィラメントにより複数の電線を束ねた束状物を結束
することを主体に説明したが、本発明の結束用モノフィ
ラメントおよび結束方法は、例えば靴などの対になる複
数のものの連結や、被結束物に対する例えば値札などの
連結にも適用可能である。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳述す
る。
る。
【0029】[実施例1〜3、比較例1〜2]通常の芯
鞘複合紡糸口金を用い、芯成分として融点265℃のナ
イロン66、鞘成分として融点185℃のナイロン6/
ナイロン66共重合体を、それぞれ別々の溶融押出機か
ら供給して溶融押出し、4.0倍に延伸することによ
り、外径1.0mm、内径(芯の径)0.8mmの芯鞘
型の二成分モノフィラメントを得た(実施例1)。
鞘複合紡糸口金を用い、芯成分として融点265℃のナ
イロン66、鞘成分として融点185℃のナイロン6/
ナイロン66共重合体を、それぞれ別々の溶融押出機か
ら供給して溶融押出し、4.0倍に延伸することによ
り、外径1.0mm、内径(芯の径)0.8mmの芯鞘
型の二成分モノフィラメントを得た(実施例1)。
【0030】次に、上記の二成分モノフィラメントを長
さ10cmに切断したものを、電線10本を束ねた被結
束物に巻き付け、一回捻りをいれて交差部を形成した。
モノフィラメントの一端は固定し、他端は電線束に締付
張力がかかるように引張力をかけながら、適度に加熱し
た半田ゴテを用いてその交差部を加熱することにより、
表層部に位置するポリマーを融解し、引き続き冷却して
固化させた。
さ10cmに切断したものを、電線10本を束ねた被結
束物に巻き付け、一回捻りをいれて交差部を形成した。
モノフィラメントの一端は固定し、他端は電線束に締付
張力がかかるように引張力をかけながら、適度に加熱し
た半田ゴテを用いてその交差部を加熱することにより、
表層部に位置するポリマーを融解し、引き続き冷却して
固化させた。
【0031】次いで、引張力を解除して結束物を取り出
したところ、得られた結束物は、電線束を十分に締め付
けて結束されており、環状を形成した方向に手の力で引
張力を加えても接合部が破壊することがなかった。
したところ、得られた結束物は、電線束を十分に締め付
けて結束されており、環状を形成した方向に手の力で引
張力を加えても接合部が破壊することがなかった。
【0032】一方、常法により製作した4.0倍に延伸
した直径1.0mmのナイロン66単独のモノフィラメ
ントを、長さ10cmに切断して上記と同様な方法で交
差部を形成し、引張力をかけながらモノフィラメント同
士を交差、接触させ、適度に加熱した半田ゴテを用いて
その交差部を加熱したところ、加熱している部位からモ
ノフィラメントが引きちぎれてしまい、電線束が散乱し
た。すなわち、加熱されたモノフィラメントが引張力に
耐えられずに切断しために結束することができなかっ
た。
した直径1.0mmのナイロン66単独のモノフィラメ
ントを、長さ10cmに切断して上記と同様な方法で交
差部を形成し、引張力をかけながらモノフィラメント同
士を交差、接触させ、適度に加熱した半田ゴテを用いて
その交差部を加熱したところ、加熱している部位からモ
ノフィラメントが引きちぎれてしまい、電線束が散乱し
た。すなわち、加熱されたモノフィラメントが引張力に
耐えられずに切断しために結束することができなかっ
た。
【0033】さらに、鞘部に使用する低融点ポリマーと
して、融点180℃のナイロン12(実施例2)および
融点160℃のナイロン6/ナイロン66/ナイロン6
10共重合体を(実施例3)をそれぞれ用いることによ
って、実施例1と同様の二成分モノフィラメントを製作
した(実施例2,3)。
して、融点180℃のナイロン12(実施例2)および
融点160℃のナイロン6/ナイロン66/ナイロン6
10共重合体を(実施例3)をそれぞれ用いることによ
って、実施例1と同様の二成分モノフィラメントを製作
した(実施例2,3)。
【0034】これら実施例2,3の二成分モノフィラメ
ントと、上記実施例1の二成分モノフィラメントを、そ
れぞれ長さ15cmに切断して、直径3cmの丸棒に巻
き付け、一回捻りをいれて交差部を形成した。そして、
モノフィラメントの一端は固定し、他端は丸棒に締付張
力がかかるように引張力をかけながら、適度に加熱した
半田ゴテを用いてその交差部を加熱して表層部に位置す
るポリマーを融解し、引き続き冷却して固化させてから
引張力を解除した。交差部は接合されてモノフィラメン
トは環状を形成した。
ントと、上記実施例1の二成分モノフィラメントを、そ
れぞれ長さ15cmに切断して、直径3cmの丸棒に巻
き付け、一回捻りをいれて交差部を形成した。そして、
モノフィラメントの一端は固定し、他端は丸棒に締付張
力がかかるように引張力をかけながら、適度に加熱した
半田ゴテを用いてその交差部を加熱して表層部に位置す
るポリマーを融解し、引き続き冷却して固化させてから
引張力を解除した。交差部は接合されてモノフィラメン
トは環状を形成した。
【0035】このようにして形成した交差部について、
交差部の反対側を切断してその両端を引張試験機にとり
つけて破壊強さを測定した結果を表1に示す(測定温度
20℃)。
交差部の反対側を切断してその両端を引張試験機にとり
つけて破壊強さを測定した結果を表1に示す(測定温度
20℃)。
【0036】なお、比較のために市販の結束バンド(C
ONVEX−100)を用いた場合の破壊強さの測定結
果を、表1に比較例2として併記する。
ONVEX−100)を用いた場合の破壊強さの測定結
果を、表1に比較例2として併記する。
【0037】
【表1】 [実施例4]芯部を融点260℃ポリエチレンテレフタ
レート、鞘部を融点170℃のブチレンテレフタレート
/ブチレンイソフタレート/脂肪族ジカルボン酸エステ
ル共重合体にする以外は、実施例1と同様に二成分モノ
フィラメントを製作して、電線束を結束した。
レート、鞘部を融点170℃のブチレンテレフタレート
/ブチレンイソフタレート/脂肪族ジカルボン酸エステ
ル共重合体にする以外は、実施例1と同様に二成分モノ
フィラメントを製作して、電線束を結束した。
【0038】得られた結束物は、電線束を十分に締め付
けて結束されており、環状を形成した方向に手の力で引
張力を加えても接合部が破壊することがなかった。
けて結束されており、環状を形成した方向に手の力で引
張力を加えても接合部が破壊することがなかった。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の結束用モ
ノフィラメントは、筒状体などの別部品を必要とせずに
簡単な構造で、かつ柔軟で取扱いやすく、被結束物を高
い結束力で結束することができる。
ノフィラメントは、筒状体などの別部品を必要とせずに
簡単な構造で、かつ柔軟で取扱いやすく、被結束物を高
い結束力で結束することができる。
【0040】また、本発明の結束方法によれば、優れた
結束作業性のもとで、高能率に被結束物の結束を行うこ
とができる。
結束作業性のもとで、高能率に被結束物の結束を行うこ
とができる。
【0041】したがって、本発明によれば、電線束、繊
維束、ブリッスル束などの束状物の結束や、対状物の係
合、および被係合物に対するラベルの係合などを効率的
に行うことができる。
維束、ブリッスル束などの束状物の結束や、対状物の係
合、および被係合物に対するラベルの係合などを効率的
に行うことができる。
【図1】図1は本発明の結束用モノフィラメントの斜視
図である。
図である。
【図2】図2は本発明の結束用モノフィラメントを用い
て被結束物を結束した状態を示す斜視図である。
て被結束物を結束した状態を示す斜視図である。
1 結束用モノフィラメント 2 低融点ポリマー 3 高融点ポリマー 4 平面部 5 交差部 6 被結束物(電線束)
Claims (7)
- 【請求項1】 低融点ポリマーと、この低融点ポリマ
ーの融点よりも20℃以上高い融点を有する高融点ポリ
マーからなり、前記低融点ポリマーが少なくとも表層側
に位置する多成分系モノフィラメントであって、このモ
ノフィラメントの交差部を張力下で加熱することによ
り、前記低融点ポリマー同士を融着させて接合部を形成
可能にしたことを特徴とする結束用モノフィラメント。 - 【請求項2】 多成分系モノフィラメントが、鞘部を
低融点ポリマーで構成し、芯部を高融点ポリマーで構成
したものであることを特徴とする請求項1に記載の結束
用モノフィラメント。 - 【請求項3】 モノフィラメントの断面形状の少なく
とも一面が平面状に形成されていることを特徴とする請
求項1または2に記載の結束用モノフィラメント。 - 【請求項4】 低融点ポリマーがモノフィラメントの
平面状に形成された表層部に位置することを特徴とする
請求項1〜3のいずれか1項に記載の結束用モノフィラ
メント。 - 【請求項5】 低融点ポリマーの構成比率が5〜50
重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
1項に記載の結束用モノフィラメント。 - 【請求項6】 高融点ポリマーがナイロン66または
ナイロン6、低融点ポリマーがナイロン6またはナイロ
ン系共重合体であることを特徴とする請求項1〜5のい
ずれか1項に記載の結束用モノフィラメント。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の
結束用モノフィラメントを、被結束物に周回して形成し
た環状の交差部に張力をかけ、この交差部を接触させな
がら加熱することにより、低融点ポリマー同士を融着さ
せて接合部を形成することを特徴とする結束方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18174196A JPH1024958A (ja) | 1996-07-11 | 1996-07-11 | 結束用モノフィラメントおよびそれを用いた結束方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18174196A JPH1024958A (ja) | 1996-07-11 | 1996-07-11 | 結束用モノフィラメントおよびそれを用いた結束方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1024958A true JPH1024958A (ja) | 1998-01-27 |
Family
ID=16106082
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18174196A Pending JPH1024958A (ja) | 1996-07-11 | 1996-07-11 | 結束用モノフィラメントおよびそれを用いた結束方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1024958A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019069800A (ja) * | 2017-10-11 | 2019-05-09 | ユニチカ株式会社 | 結束具 |
-
1996
- 1996-07-11 JP JP18174196A patent/JPH1024958A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019069800A (ja) * | 2017-10-11 | 2019-05-09 | ユニチカ株式会社 | 結束具 |
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