JPH10249415A - 圧延機 - Google Patents

圧延機

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JPH10249415A
JPH10249415A JP5333897A JP5333897A JPH10249415A JP H10249415 A JPH10249415 A JP H10249415A JP 5333897 A JP5333897 A JP 5333897A JP 5333897 A JP5333897 A JP 5333897A JP H10249415 A JPH10249415 A JP H10249415A
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JP
Japan
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rolling
rolls
magnetic field
rolling mill
permanent magnet
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JP5333897A
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Masaaki Kikuchi
正晃 菊池
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧延ロールの摩耗を大幅に低減すること。 【解決手段】複数個の圧延ロール11,12 を配置し、当該
複数個の圧延ロール11,12 を回転させながら加圧して圧
延材料2を圧延する圧延機において、複数個の圧延ロー
ル11,12 と圧延材料2との接触部近傍に、当該接触部に
磁界を印加する磁界発生手段13,14 を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数個の圧延ロー
ルを配置し、これら複数個の圧延ロールを回転させなが
ら加圧して圧延材料を圧延する圧延機に係り、特に圧延
ロールの摩耗を大幅に低減できるようにした圧延機に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、金属材料(例えば鉄等)等の
圧延材料を圧延する際には、各種の圧延機が用いられて
きている。この種の圧延機としては、例えば複数個の圧
延ロールを複数段だけ配置し、これらの圧延ロールを回
転させながら加圧して、圧延材料を圧延する圧延機があ
る。
【0003】ところで、このような圧延機においては、
ある量の圧延材料を圧延すると、圧延ロールが摩耗す
る。このため、圧延ロールが摩耗した場合には、従来で
は、圧延ロールの表面を再加工したり、新品の圧延ロー
ルと交換するようにしている。
【0004】しかしながら、圧延ロールの表面の再加工
は、非常に手間が掛かる。また、圧延ロールの交換は、
非常に面倒である。さらに、こればかりでなく、圧延ロ
ールの交換時には、圧延機の運転を停止させる必要があ
り、工程を組んで効率よく交換作業を行なう必要があ
る。このようなことから、最近では、圧延ロールの摩耗
が少ない圧延機の開発が切に望まれてきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、最近に
おいては、圧延ロールの摩耗が少ない圧延機の開発が強
く望まれてきている。本発明の目的は、圧延ロールの摩
耗を大幅に低減することが可能な圧延機を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、複数個の圧延ロールを配置
し、当該複数個の圧延ロールを回転させながら加圧して
圧延材料を圧延する圧延機において、複数個の圧延ロー
ルと圧延材料との接触部近傍に、当該接触部に磁界を印
加する磁界発生手段を設ける。
【0007】ここで、特に上記磁界発生手段としては、
例えば請求項2に記載したように、永久磁石、または電
磁石のいずれかを用いることが好ましい。また、上記磁
界発生手段としては、例えば請求項3に記載したよう
に、複数個の圧延ロールと圧延材料との接触部に磁界が
かかるように、複数個の圧延ロールの一部を覆って形成
された断面C形状のリターンヨークと、当該リターンヨ
ークを介して磁界を印加する永久磁石とから構成するこ
とが好ましい。
【0008】さらに、上記磁界発生手段としては、例え
ば請求項4に記載したように、複数個の圧延ロールと圧
延材料との接触部に磁界がかかるように、複数個ロール
の両側面の一部を覆って形成された断面C形状のリター
ンヨークと、当該リターンヨークの内側の圧延ロールに
対向する面に配置された永久磁石とから構成することが
好ましい。
【0009】さらにまた、上記磁石の残留磁束密度と、
磁界発生手段と圧延ロールとの空隙との関係を、例えば
請求項5に記載したように、圧延ロールと圧延材料との
接触部にかかる磁束密度が、少なくとも5mT以上、よ
り好ましくは40mT以上となるように設定することが
好ましい。
【0010】従って、請求項1乃至請求項5の発明の圧
延機においては、複数個の圧延ロールと圧延材料との接
触部に磁界を印加する磁界発生手段を設けて、圧延ロー
ルと圧延材料との接触部の磁束密度を所望の値になるよ
うにすることにより、圧延ロールと圧延材料との接触部
である摺動面に磁気を作用させて、気体の吸着、特に酸
素の吸着を活発にし、酸化膜を生成させる。そして、こ
の酸化膜が、圧延ロールと圧延材料との摺動面に介在す
ることによって、新生面同士の接触・凝着が少なくな
り、摩耗粉が微細化して圧延ローラの摩耗を大幅に低減
することができる。
【0011】一方、請求項6の発明では、複数個の圧延
ロールを配置し、当該複数個の圧延ロールを回転させな
がら加圧して圧延材料を圧延する圧延機において、少な
くとも複数個の圧延ロールと圧延材料とが接触する部所
に、所定の残留磁束密度の永久磁石層を形成する。
【0012】ここで、特に上記永久磁石層としては、例
えば請求項7に記載したように、複数個の圧延ロール自
体を強磁性材料で構成し、かつ当該圧延ロール自体を着
磁することにより形成することが好ましい。
【0013】また、上記永久磁石層としては、例えば請
求項8に記載したように、複数個の圧延ロールの外周
に、強磁性材料で構成した円筒体を焼き嵌めし、かつ当
該円筒体を着磁することにより形成することが好まし
い。
【0014】さらに、例えば請求項9に記載したよう
に、複数個の圧延ロールと圧延材料との接触部にかかる
磁束密度が、少なくとも5mT以上、より好ましくは4
0mT以上となるように着磁することが好ましい。
【0015】従って、請求項6乃至請求項9の発明の圧
延機においては、少なくとも複数個の圧延ロールと圧延
材料とが接触する部所に、所定の残留磁束密度の永久磁
石層を形成して、圧延ロールと圧延材料との接触部の磁
束密度を所望の値になるようにすることにより、圧延ロ
ールと圧延材料との接触部である摺動面に磁気を作用さ
せて、気体の吸着、特に酸素の吸着を活発にし、酸化膜
を生成させる。そして、この酸化膜が、圧延ロールと圧
延材料との摺動面に介在することによって、新生面同士
の接触・凝着が少なくなり、摩耗粉が微細化して圧延ロ
ーラの摩耗を大幅に低減することができる。
【0016】以上により、前述した従来のように、圧延
ロールが磨耗した際に、圧延ロールの表面を再加工した
り、あるいは新品の圧延ロールと交換するというような
ことが一切不要となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。 (第1の実施の形態)図1は、本発明による圧延機を適
用する圧延ラインの構成例を示す概略図である。
【0018】なお、ここでは、ホットストリップミルの
圧延ラインへ適用した場合を例として述べる。図1にお
いて、加熱炉1から出た圧延材料(例えば、鉄等の金属
材料)2は、粗圧延機3、仕上圧延機4、ストリップ冷
却装置5を介して、ストリップ6としてコイルに巻き取
られるように、圧延ラインが構成されている。
【0019】なお、粗圧延機3は、図示のように、2段
圧延機10と、4段圧延機40とから構成されている。
図2は、本実施の形態による圧延機の構成例を示す概要
図であり、図2(a)はその正面図、図2(b)は同じ
く側面図をそれぞれ示している。
【0020】なお、ここでは、図1における粗圧延機3
の2段圧延機10に適用した場合を例として述べる。図
2において、2段圧延機10は、圧延ロール11および
圧延ロール12との間で圧延材料2を圧延し、圧延材料
2を仕上げ圧延機4側に送るためのものである。
【0021】本実施の形態では、この2段圧延機10に
おける各圧延ロール11,12と圧延材料2との接触部
近傍に、この接触部に磁界を印加する磁界発生手段を設
けている。
【0022】この磁界発生手段は、磁性材料からなる断
面変形C形状のリターンヨーク13を、圧延ロール11
および圧延ロール12と直交する側面先端に近接するよ
うに配設し、さらにこのリターンヨーク13に、圧延ロ
ール11に対向する面に永久磁石14を固定した構成と
している。
【0023】すなわち、永久磁石14からの磁束が、圧
延ロール11と圧延材料2および圧延ロール12を通
り、さらにリターンヨーク13を通って永久磁石14に
戻るように磁路を形成している。
【0024】ここで、永久磁石14と圧延ロール11と
の間隔δ1 、圧延ロール12とリターンヨーク13との
間隔δ2 は、他の構成部材とリターンヨーク13との間
隔δ3 およびδ4 よりも狭くし、永久磁石14からの磁
束が、圧延ロール11→圧延材料2→圧延ロール12→
リターンヨーク13→永久磁石14を必ず通るようにし
ている。
【0025】また、圧延ロール1および圧延ロール2
は、一般的には、鋳鋼あるいは鋳鉄で構成しており、い
ずれも強磁性材料である。さらに、永久磁石14として
は、例えば酸化物磁石(フェライト磁石)で、かつ残留
磁束密度B0 が200mT(2000G)以上のものを
使用し、永久磁石14と圧延ロール11との間の磁束密
度Bが、少なくとも5mT以上、より好ましくは40m
T(400G)以上となるように設定している。
【0026】次に、以上のように構成した本実施の形態
の圧延機(2段圧延機10)においては、2個の圧延ロ
ール11,12と圧延材料2との接触部に磁界を印加す
る磁界発生手段を設けて、圧延ロール11,12と圧延
材料2との接触部の磁束密度Bを所望の値(少なくとも
5mT以上、より好ましくは40mT(400G)以
上)になるようにしていることにより、圧延ロール1
1,12と圧延材料2との接触部である摺動面に磁気を
作用させて、圧延ロール11,12の摩耗を大幅に低減
することができ、この結果、圧延ロール11,12の寿
命が、大幅に伸びる。
【0027】以下、かかる点に関して詳細に説明する。
最初に、磁気による摩耗低減の作用(原理)について、
図3を参照して述べる。
【0028】圧延ロール11,12と圧延材料2との接
触部である摺動面に磁気を作用させると、気体の吸着、
特に酸素の吸着が活発となって、酸化膜が生成される。
そして、この酸化膜が、圧延ロール11,12と圧延材
料2との接触部である摺動面に介在することによって、
新生面同士の接触・凝着が少なくなり、摩耗粉が微細化
して摩耗が低減することになる。そして、かかる効果
は、摺動材料の化学成分、あるいは磁気特性によって異
なる。
【0029】すなわち、材料(あるいは材料の含有化学
成分)によって、酸素に対する反応や、温度等の環境に
対する敏感性の違いがあるため、その効果は個々の材料
で異なる。
【0030】具体的には、電子軌道に空孔がある遷移金
属、あるいは遷移金属が主成分である磁性材料、例えば
鉄鋼材料は、化学的に非平衡状態にあり、他の元素と結
合し易い状態にある。そして、このような材料からなる
摺動体に磁気を作用させると、他の元素との結合(イオ
ン結合あるいは共有結合)作用が活発化して、酸素吸着
が促進され、これにより摩耗が低減することになる。
【0031】次に、以上述べたような効果を確認するた
めに、試験片を試験するための試験装置について、図3
を用いて説明する。図4(a)は、電磁コイルを用いた
ピン・オン・ディスク型試験装置20の概略構成例を示
す断面図である。
【0032】図4(a)において、回転軸21は、垂直
方向に回転可能に配置され、回転軸21の上端部には、
電動機22からの回転力が伝達されるように構成されて
いる。
【0033】また、回転軸21の下端部には、ピン試験
片挿入穴を有する回転板23が貫挿され、回転軸21の
下端部に螺合される2つのナット24によって、回転板
23が回転軸21に着脱可能に支持されている。
【0034】一方、回転軸21の外周側には、円筒状の
試験片支持体が図示しない固定部に支持され、これは磁
性材料からなる円筒部材25と、この円筒部材25の下
端部にボルト、ナットによって着脱可能に支持され、磁
性材料からなる円形リング上の押え板26とからなって
いる。
【0035】また、円筒部材25と押え板26との間に
は、図5(b)に示すような、円形リング状であって後
述する材料からなるディスク試験片27が挟み込まれ、
さらに回転板23のピン試験片挿入穴には、図5(a)
に示すような、後述する材料からなるピン試験片28の
下端部が挿入され、ピン試験片28の上端部がディスク
試験片27の下面に所定の荷重が印加されると共に、回
転板23の回転に伴なってピン試験片28がディスク試
験片27の下面に摺動するように構成されている。
【0036】一方、円筒部材25と、押え板26と、デ
ィスク試験片27と、ピン試験片28の外周側には、円
筒状の電磁コイル29が配設され、ディスク試験片27
とピン試験片28との摺動面に、所望の磁束密度の磁界
が印加できるようになっている。
【0037】また、ピン試験片28の外周側には、ディ
スク試験片27とピン試験片28との摺動面に印加され
る磁束密度を測定するためのサーチコイル31が配設さ
れている。
【0038】図4(b)は、永久磁石を用いたピン・オ
ン・ディスク型試験装置30の概略構成例を示す断面図
である。図4(b)において、図4(a)と異なる点
は、電磁コイル29を設けない代わりに、所定磁界を発
生する永久磁石32と、この永久磁石32から発生する
磁束の磁気回路を形成するためのリターンヨーク33を
配設した構成としたことである。
【0039】以上のような試験装置を用いて試験を行な
った際の試験条件は、次の通りである。すべり速度が1
0(cm/s)、荷重が20(N)、または100
(N)、面圧が1(N/mm2 )、または5(N/mm
2 )、雰囲気は大気中、温度は室温、磁場の種類は交流
(50Hz)と直流のいずれか、または永久磁石、磁束
密度は0〜100(mT)である。
【0040】以上のような試験条件で、硬鋼線材(SW
RH62A)からなるピン試験片28と、球状黒鉛鋳鉄
(FCD700)からなるディスク試験片27とを組合
せて摩耗試験を行なった結果より、硬鋼線材(SWRH
62A)の摩耗特性図(すべり距離l(m)と摩耗量w
(mg)との関係を示す図)を図6(a)に、また球状
黒鉛鋳鉄(FCD700)の摩耗特性図を図6(b)に
それぞれ示している。
【0041】また、図6の摩耗特性図において、摩耗の
少ない磁束密度B=40,60,80,100(mT)
の摩耗特性を拡大すると、図7に示すようになる。この
図6から明らかなように、すべり距離lが100〜20
0(m)を境にして、摩耗量が大きく変わっている。
【0042】そして、この図6において、初期の摩耗の
多い領域の摩耗を「シビア摩耗」と定義し、また摩耗が
少なくなる領域の摩耗を「マイルド摩耗」と定義するこ
とができる。
【0043】すなわち、このようになるのは、磁界を印
加することによって、気体吸着を促進させ、シビア摩耗
からマイルド摩耗への遷移を早めるからである。図8
は、上記試験装置を用いて試験を行なった際の磁束密度
と摩耗量比(比摩耗量)との関係を示す特性図である。
【0044】この図8から明らかなように、磁束密度B
が40〜100(mT)の間では、磁束密度Bが0の場
合に比べて、ロープ材(硬鋼線材SWRH62A)で1
/2程度、シーブ材(球状黒鉛鋳鉄FCD700)で1
/100程度の摩耗量となっている。
【0045】図9は、上記試験装置を用いて試験を行な
った後のディスク試験片(FCD700)の断面プロフ
ァイルを示す図である。この図9から、荷重が100
(N)で、磁束密度B=40〜100(mT)の時が、
磁束密度B=0,20(mT)に比べて、より一層摩耗
量が少ないことがわかる。
【0046】上述したように、本実施の形態の圧延機で
は、圧延材料2を圧延する2段圧延機10の2個の圧延
ロール11,12と圧延材料2との接触部近傍に、2個
の圧延ロール11,12の両側面の一部を覆って形成さ
れた断面C形状のリターンヨーク13と、リターンヨー
ク13の内側の圧延ロール11に対向する面に配置され
た永久磁石14とから構成されて、上記接触部に磁界を
印加する磁界発生手段を設け、圧延ロール11,12と
圧延材料2との接触部の磁束密度を、少なくとも5mT
以上、より好ましくは40mT以上の値になるようにし
たものである。
【0047】従って、圧延ロール11,12と圧延材料
2との接触部である摺動面に磁気を作用させて、気体の
吸着、特に酸素の吸着を活発にし、酸化膜を生成させ、
この酸化膜が圧延ロール11,12と圧延材料2との摺
動面に介在することによって、新生面同士の接触・凝着
が少なくなるため、摩耗粉が微細化して、圧延ロール1
1,12の摩耗を大幅に低減することが可能となる。
【0048】これにより、前述した従来のように、圧延
ロールが磨耗した際に、圧延ロールの表面を再加工した
り、あるいは新品の圧延ロールと交換するというような
ことが一切不要となる。
【0049】さらに、磁界発生手段として、永久磁石1
4を使用しているので、次のような種々の作用効果を得
ることができる。 (a)電源が不要である。 (b)構成が極めてシンプルで安価である。 (c)圧延ロール11,12、圧延材料2が大きくて
も、永久磁石14の配置が比較的容易である。 (d)局部的磁場を作り易い。 (e)停電しても使用可能である。
【0050】(第2の実施の形態)前述した第1の実施
の形態で説明した各々の特性図(図6乃至図9)は、い
ずれも実施の形態の代表例にすぎず、これが他の材料で
あっても同様な傾向を示すので、ここではその図示なら
びに説明については省略する。
【0051】(第3の実施の形態)前述した第1の実施
の形態では、永久磁石14として、酸化物磁石でかつ残
留磁束密度が100(mT)のものを使用した場合を例
として説明したが、これに限らず、永久磁石14とし
て、金属磁石でかつ残留磁束密度が0.5〜1.45
(T)のもの、希土類磁石でかつ残留磁束密度が0.6
5〜1.20(T)のもの、酸化物磁石でかつ残留磁束
密度が0.20〜0.45(T)のもの、ボンド磁石で
かつ残留磁束密度が0.065〜0.90(T)のもの
の、いずれのものを使用してもよい。
【0052】(第4の実施の形態)前述した第1の実施
の形態では、永久磁石14を、リターンヨーク13の内
周の圧延ロール11に対向する面に配置した場合を例と
して説明したが、これに限らず、永久磁石14の配置位
置は、永久磁石14から磁束がリターンヨーク13を介
して圧延ロール11と圧延材料2との接触部に印加され
る位置であればいかなる位置でもよく、リターンヨーク
13の表面位置、あるいはリターンヨーク13と近接す
る位置であってもよい。
【0053】(第5の実施の形態)前述した第1の実施
の形態では、リターンヨーク13を使用し、永久磁石1
4のN極からの磁束が、リターンヨーク13を介して永
久磁石14のS極に戻る形の磁気回路を形成するように
した場合を例として説明したが、これに限らず、圧延機
のハウジング(ベアリングブラケット)を介して磁気回
路が形成されるようにしても、前述の場合と同様の効果
を得ることが可能である。
【0054】(第6の実施の形態)前述した第1の実施
の形態では、2段圧延機10に、磁界発生手段を設けた
場合を例として説明したが、これに限らず、その他の例
として、前記図1における4段圧延機40に、磁界発生
手段を設けるようにすることも可能である。
【0055】図10は、本実施の形態による圧延機の構
成例を示す概要図であり、図10(a)はその正面図、
図10(b)は同じく側面図をそれぞれ示している。な
お、図10において、前記図2と同一要素には同一符号
を付して示している。
【0056】すなわち、本実施の形態では、図10に示
すように、2個のバックアップロール41,42の近傍
に、永久磁石14を配置する構成としている。本実施の
形態の圧延機においても、圧延材料2を圧延する4段圧
延機40の2個の圧延ロール11,12と圧延材料2と
の接触部である摺動面に磁気を作用させて、気体の吸
着、特に酸素の吸着を活発にし、酸化膜を生成させ、こ
の酸化膜が圧延ロール11,12と圧延材料2との摺動
面に介在することによって、新生面同士の接触・凝着が
少なくなるため、摩耗粉が微細化して、圧延ロール1
1,12の摩耗を大幅に低減することが可能となる。
【0057】(第7の実施の形態)前述した第1の実施
の形態では、圧延ロール11,12と圧延材料2との接
触面に、永久磁石14により磁界を印加する場合を例と
して説明したが、これに限らず、永久磁石を設けずに、
圧延ロール11,12と圧延材料2とが接触する部所
に、所定の残留磁束密度の永久磁石層を形成するように
してもよい。
【0058】図11は、本実施の形態による圧延機の構
成例を示す概要図であり、図11(a)はその正面図、
図11(b)は同じく側面図をそれぞれ示している。な
お、図11において、前記図2と同一要素には同一符号
を付して示している。
【0059】すなわち、本実施の形態では、図11に示
すように、圧延ロール11,12自体を強磁性材料で構
成し、かつこの圧延ロール11,12自体を着磁して着
磁ロール51,52とすることにより、永久磁石層を形
成する構成としている。
【0060】本実施の形態の圧延機においても、圧延材
料2を圧延する2個の圧延ロール11,12と圧延材料
2との接触部である摺動面に磁気を作用させて、気体の
吸着、特に酸素の吸着を活発にし、酸化膜を生成させ、
この酸化膜が圧延ロール11,12と圧延材料2との摺
動面に介在することによって、新生面同士の接触・凝着
が少なくなるため、摩耗粉が微細化して、圧延ロール1
1,12の摩耗を大幅に低減することが可能となる。
【0061】(第8の実施の形態)前述した第1の実施
の形態では、圧延ロール11,12と圧延材料2との接
触面に、永久磁石14により磁界を印加する場合を例と
して説明したが、これに限らず、永久磁石を設けずに、
圧延ロール11,12と圧延材料2とが接触する部所
に、所定の残留磁束密度の永久磁石層を形成するように
してもよい。
【0062】図12は、本実施の形態による圧延機の構
成例を示す概要図であり、図12(a)はその正面図、
図12(b)は同じく側面図をそれぞれ示している。な
お、図12において、前記図2と同一要素には同一符号
を付して示している。
【0063】すなわち、本実施の形態では、図12に示
すように、圧延ロール11,12の外周に、強磁性材料
で構成した円筒体を焼き嵌めし、かつこの円筒体を着磁
して着磁円筒61,62とすることにより、永久磁石層
を形成する構成としている。
【0064】本実施の形態の圧延機においても、圧延材
料2を圧延する2個の圧延ロール11,12と圧延材料
2との接触部である摺動面に磁気を作用させて、気体の
吸着、特に酸素の吸着を活発にし、酸化膜を生成させ、
この酸化膜が圧延ロール11,12と圧延材料2との摺
動面に介在することによって、新生面同士の接触・凝着
が少なくなるため、摩耗粉が微細化して、圧延ロール1
1,12の摩耗を大幅に低減することが可能となる。
【0065】(第9の実施の形態)前述した第1の実施
の形態では、磁界発生手段として、永久磁石14を使用
した場合を例として説明したが、これに限らず、磁界発
生手段として、永久磁石14を使用する代わりに、電磁
石を使用するようにしても、前述の場合と同様に実施し
て同様の作用効果を得ることが可能である。
【0066】さらに、磁界発生手段として電磁石を使用
した本実施の形態の圧延機においては、磁束密度を細か
く変えることができ、円筒状のため全体を磁場条件にし
易いという効果を得ることも可能となる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1乃至請求
項5の発明によれば、圧延材料を圧延する複数個の圧延
ロールと圧延材料との接触部近傍に、当該接触部に磁界
を印加する磁界発生手段を設けるようにしたので、圧延
ロールの摩耗を大幅に低減することが可能な圧延機が提
供できる。
【0068】一方、請求項6乃至請求項9の発明によれ
ば、圧延材料を圧延する複数個の圧延ロールと圧延材料
とが接触する部所に、所定の残留磁束密度の永久磁石層
を形成するようにしたので、圧延ロールの摩耗を大幅に
低減することが可能な圧延機が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による圧延機を適用する圧延ラインの構
成例を示す概略図。
【図2】本発明の第1の実施の形態による圧延機の構成
例を示す概要図。
【図3】同第1の実施の形態の圧延機における作用効果
を説明するための概念図。
【図4】本発明による試験片の試験を行なうためのピン
・オン・ディスク型試験装置の概略構成例を示す断面
図。
【図5】図4のピン・オン・ディスク型試験装置におけ
る試験片の一例を示す概要図。
【図6】図4のピン・オン・ディスク型試験装置により
試験を行なった摩耗特性に及ぼす磁束密度の影響を説明
するための摩耗特性図。
【図7】図6の摩耗特性図の一部を拡大して示す特性
図。
【図8】図4のピン・オン・ディスク型試験装置により
試験を行なった磁束密度と摩耗量比との関係を示す特性
図。
【図9】図4のピン・オン・ディスク型試験装置により
試験を行なった後の試験片の断面プロファイルを示す
図。
【図10】本発明の第6の実施の形態による圧延機の構
成例を示す概要図。
【図11】本発明の第7の実施の形態による圧延機の構
成例を示す概要図。
【図12】本発明の第8の実施の形態による圧延機の構
成例を示す概要図。
【符号の説明】
1…加熱炉、 2…圧延材料、 3…粗圧延機、 4…仕上圧延機、 5…ストリップ冷却装置、 6…ストリップ、 10…2段圧延機、 11…圧延ロール、 12…圧延ロール、 13…リターンヨーク、 14…永久磁石、 21…回転軸、 22…電動機、 23…回転板、 24…ナット、 25…円筒部材、 26…押え板、 27…ディスク試験片、 28…ピン試験片、 29…電磁コイル、 30…ピン・オン・ディスク型試験装置、 31…サーチコイル、 32…永久磁石、 33…リターンヨーク、 40…4段圧延機、 41…バックアップロール、 42…バックアップロール、 51…着磁ロール、 52…着磁ロール、 61…着磁円筒、 62…着磁円筒。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個の圧延ロールを配置し、当該複数
    個の圧延ロールを回転させながら加圧して圧延材料を圧
    延する圧延機において、 前記複数個の圧延ロールと前記圧延材料との接触部近傍
    に、当該接触部に磁界を印加する磁界発生手段を設けて
    成ることを特徴とする圧延機。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の圧延機において、 前記磁界発生手段としては、永久磁石、または電磁石の
    いずれかを用いたことを特徴とする圧延機。
  3. 【請求項3】 前記請求項1に記載の圧延機において、 前記磁界発生手段としては、 前記複数個の圧延ロールと前記圧延材料との接触部に磁
    界がかかるように、前記複数個の圧延ロールの一部を覆
    って形成された断面C形状のリターンヨークと、当該リ
    ターンヨークを介して磁界を印加する永久磁石とから成
    ることを特徴とする圧延機。
  4. 【請求項4】 前記請求項1に記載の圧延機において、 前記磁界発生手段としては、 前記複数個の圧延ロールと前記圧延材料との接触部に磁
    界がかかるように、前記複数個ロールの両側面の一部を
    覆って形成された断面C形状のリターンヨークと、当該
    リターンヨークの内側の前記圧延ロールに対向する面に
    配置された永久磁石とから成ることを特徴とする圧延
    機。
  5. 【請求項5】 前記請求項1乃至請求項4のいずれか1
    項に記載の圧延機において、 前記磁石の残留磁束密度と、前記磁界発生手段と前記圧
    延ロールとの空隙との関係を、 前記圧延ロールと前記圧延材料との接触部にかかる磁束
    密度が、少なくとも5mT以上、より好ましくは40m
    T以上となるように設定したことを特徴とする圧延機。
  6. 【請求項6】 複数個の圧延ロールを配置し、当該複数
    個の圧延ロールを回転させながら加圧して圧延材料を圧
    延する圧延機において、 少なくとも前記複数個の圧延ロールと前記圧延材料とが
    接触する部所に、所定の残留磁束密度の永久磁石層を形
    成したことを特徴とする圧延機。
  7. 【請求項7】 前記請求項6に記載の圧延機において、 前記永久磁石層としては、 前記複数個の圧延ロール自体を強磁性材料で構成し、か
    つ当該圧延ロール自体を着磁することにより形成したこ
    とを特徴とする圧延機。
  8. 【請求項8】 前記請求項6に記載の圧延機において、 前記永久磁石層としては、 前記複数個の圧延ロールの外周に、強磁性材料で構成し
    た円筒体を焼き嵌めし、かつ当該円筒体を着磁すること
    により形成したことを特徴とする圧延機。
  9. 【請求項9】 前記請求項6乃至請求項8のいずれか1
    項に記載の圧延機において、 前記複数個の圧延ロールと前記圧延材料との接触部にか
    かる磁束密度が、少なくとも5mT以上、より好ましく
    は40mT以上となるように着磁したことを特徴とする
    圧延機。
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