JPH10248575A - カロチノイド生産の増量に有用な遺伝子、およびカロチノイドの製造法 - Google Patents

カロチノイド生産の増量に有用な遺伝子、およびカロチノイドの製造法

Info

Publication number
JPH10248575A
JPH10248575A JP9058012A JP5801297A JPH10248575A JP H10248575 A JPH10248575 A JP H10248575A JP 9058012 A JP9058012 A JP 9058012A JP 5801297 A JP5801297 A JP 5801297A JP H10248575 A JPH10248575 A JP H10248575A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gene
fragment
carotenoid
pcr
plasmid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9058012A
Other languages
English (en)
Inventor
Norihiko Misawa
典彦 三沢
Yuji Shimada
裕士 島田
Yutaka Miura
裕 三浦
Keiji Kondo
恵二 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kirin Brewery Co Ltd
Original Assignee
Kirin Brewery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kirin Brewery Co Ltd filed Critical Kirin Brewery Co Ltd
Priority to JP9058012A priority Critical patent/JPH10248575A/ja
Publication of JPH10248575A publication Critical patent/JPH10248575A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 以下の(a)又は(b)のペプチドをコ
ードする遺伝子: (a)配列番号1記載のアミノ酸配列からなるペプチ
ド。 (b)配列番号1記載のアミノ酸配列において1もしく
は数個のアミノ酸が付加、欠失もしくは置換されたアミ
ノ酸配列からなり、かつHMG-CoA レダクターゼ活性を有
するペプチド。;上記の遺伝子をカロチノイド生合成遺
伝子とともに酵母に導入し、該酵母を培地に培養して培
養物からカロチノイドを得ることを特徴とする、カロチ
ノイドの製造法;カロチノイド生合成遺伝子を、酵母Ca
ndida utilisに導入し発現させることを特徴とする、カ
ロチノイドの製造法;上記の遺伝子およびカロチノイド
生合成遺伝子を導入した酵母。 【効果】 本発明によれば、カロチノイド生産の増量に
有用な遺伝子が提供される。当該遺伝子をカロチノイド
合成遺伝子群とともに酵母に導入し、同時に発現させる
ことにより、有用なカロチノイドを大量に生産すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カロチノイド生産
の増量に有用な遺伝子、およびカロチノイドの製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】カロチノイド(carotenoid、カロテノイ
ドとも呼ばれる)とは、通常、炭素鎖が40のイソプレン
骨格からなる自然界に豊富に存在する天然色素の総称で
ある。現在までに、約600種類のカロチノイドが単離さ
れている(Pfander, H., ed., Key to Carotenoids. Ba
sel, Birkhauser, 1987)。カロチノイドの中でも、特
に、アスタキサンチン、リコペン、β-カロチンは、赤
色や黄色の天然着色料として、癌予防や免疫賦活活性を
有する栄養価改善剤として、食用や飼料用にすでに実用
化され、有望視されているものである(三沢典彦,カロ
テノイドの生理活性とバイオテクノロジー,FFIジャー
ナル,169,90-94,1996)。
【0003】カロチノイドは、ステロール、ドリコー
ル、キノン、及びその他のイソプレノイドと途中まで共
通なイソプレン基本生合成経路によって合成される。ア
セチルCoA、アセトアセチルCoAを経て合成されたヒドロ
キシメチルグルタリル-CoA(HMG-CoA)は、HMG-CoAレダ
クターゼによりメバロン酸に変換される。図1に示すよ
うに、メバロン酸は、5-ホスホメバロン酸、5-ピロホス
ホメバロン酸を経た後、最初のイソプレノイドであるC5
のイソペンテニルピロリン酸(IPP)が合成される。IPP
は異性化反応によりジメチルアリルピロリン酸(DMAP
P)に変換され、さらに、DMAPPは、C5のIPPと順次、縮
合することにより、C10のゲラニルピロリン酸(GPP)、
C15のファルネシルピロリン酸(FPP)、C20のゲラニル
ゲラニルピロリン酸(GGPP)というふうに、炭素数を5
つづつ延ばしていく(図1参照)。
【0004】カロチノイドに特異的な生合成経路は、GG
PPにおいてイソプレン基本生合成経路から分岐する。す
なわち、2分子のGGPPが縮合して、最初のカロチノイド
である無色のフィトエン(phytoene)が合成される。フ
ィトエンは、不飽和化反応により、順次、二重結合が導
入されることにより、フィトフルエン(phytofluene;
フィトエンに二重結合1個)、ζ-カロチン(ζ-caroten
e;二重結合2個)、ノイロスポレン(neurosporene;二
重結合3個)、リコペン(lycopene;二重結合4個)に変
換される。さらに、リコペンは環化反応によりβ-カロ
チン(β-carotene)やα-カロチン(α-carotene)に
変換される。そして、β-カロチンやα-カロチンに水酸
基やケト基などが導入され、ゼアキサンチン(zeaxanth
in)、ルテイン(lutein)、アスタキサンチン(astaxa
nthin)などの種々のキサントフィルが合成される。
【0005】一方、カロチノイドの生合成を担う遺伝子
の知見も、近年大きく進展した。現在までに、多くのカ
ロチノイド生合成遺伝子が、植物常在(epiphytic)細
Erwinia やトマト、赤ピーマンなどの植物を始めとし
て、光合成細菌Rhodobacter、ラン藻Synechococcus PCC
7942、カビNeurospora crassaなど、種々の生物から単
離され、それらの機能が明らかにされた(三沢典彦,遺
伝子レベルで解明されたカロチノイド生合成経路,蛋白
質核酸酵素, 41, 337-346, 1996)。
【0006】植物常在細菌Erwiniaのカロチノイド生合
成遺伝子群は、FPPを最初の前駆体として、フィトエ
ン、リコペン、β-カロチン、ゼアキサンチンなどの有
用カロチノイドを生産させるための遺伝子を供給するこ
とができる(図2参照)(三沢典彦,遺伝子レベルで解
明されたカロチノイド生合成経路,蛋白質核酸酵素, 4
1,337-346, 1996)。
【0007】これらのカロチノイド生合成遺伝子を用い
て適切な微生物を形質転換し発現させることによって、
その微生物に、これらの有用カロチノイドの生合成能を
新たに付与したり、カロイノイドの代謝経路を変えたり
する種々の試みもなされている(三沢典彦,セミナー室
メタボリックエンジニアリングの展開−2.大腸菌・
酵母によるカロテノイド生産,化学と生物,35,60-6
8,1997、および、三沢典彦,イソプレノイド生合成遺
伝子による植物の代謝工学,第33回植物化学シンポジ
ウム講演要旨集,22-32,1997)。
【0008】例えば、FPPからβ-カロチンの生合成に必
要な4つのcrt 遺伝子であるcrtE,crtB, crtI, crtY
導入することにより、導入された微生物にβ-カロチン
を産生させることができる(図2参照)。また、アスタ
キサンチンを産生する海洋細菌Agrobacterium aurantia
cum から得られたカロチノイド生合成遺伝子群をErwini
aのカロチノイド遺伝子と組み合わせて発現させること
により、大腸菌などの微生物に、さらに、アスタキサン
チン、カンタキサンチンなどを生産させることも可能と
なった(図2参照)(三沢典彦,遺伝子レベルで解明さ
れたカロチノイド生合成経路,蛋白質核酸酵素, 41, 33
7-346, 1996、及び、Misawa, N., Satomi, Y., Kondo,
K., Yokoyama, A., Kajiwara, S., Saito, T., Ohtani,
T., Miki, W. Structure and functional analysis o
f a marine bacterial carotenoid biosynthesis gene
cluster and astaxanthin biosynthetic pathway propo
sed at the gene level. J. Bacteriol., 177, 6575-6
584, 1995)。
【0009】しかしながら、遺伝子工学的試みによって
しても、既存の発酵法にカロチノイドの生産量において
劣るのが現状であった。たとえば、β-カロチンの合成
に必要な4つのcrt 遺伝子、crtE, crtB, crtI, crtY
酵母Saccharomyces cerevisiaeに導入し、発現させて
も、その酵母は、わずか0.01%(100 μg/g 乾重量)の
β-カロチンしか生産しなかった(Yamano, S., Ishii,
T., Nakagawa, M., Ikenaga, H., Misawa, N., Metabol
ic engineering for production of β-caroteneand ly
copene in Saccharomyces cerevisiae. Biosci. Biote
ch. Biochem., 58, 1112-1114, 1994、及び、Ausich,
R. L., Brinkhaus, F. L., Mukharji, I.,Proffitt, J.
H., Yarger, J. G., Yen, H.-C. B., Biosynthesis of
carotenoids in genetically engineered hosts. Pat
ent application, PCT WO/91/13078, 1991)。これは、
アスタキサンチンまたはβ-カロチンを0.05%(500 μg
/g乾重量)生産する酵母Phaffia rhodozymaの突然変異
株と比べても、かなり劣っている(Girard, P., Falcon
nier, B., Bricout, J., Vladescu, B., Appl. Microbi
ol. Biotechnol., 41, 183-191, 1994)。
【0010】一方、アスタキサンチンやβ-カロチン
は、有機合成法によっても合成される。有機合成法にお
いては、価格的には、従来の発酵法によるカロチノイド
生産に勝っているものの、これらのカロチノイドが飼料
や食品添加剤として用いられることを考慮すると、反応
時に生ずる副生成物等の面で問題が残り、また、消費者
の天然物嗜好にも反している。
【0011】従来、有用カロチノイドの微生物生産を行
うためには、もともと、そのカロチノイドを十分量合成
できる微生物を探し、培養条件の検討や突然変異処理な
どによって、その生産量を上げることを試みることぐら
いしか検討できることはなかった。これに対して、遺伝
子工学的手法によれば、生産菌となる微生物のカロチノ
イド合成能の有無にかかわりなく、増殖が容易でしかも
早く、たとえ食用として用いても安全性が保証されてい
るような微生物を、カロチノイド生産のための宿主とし
て選ぶことを検討できる。
【0012】したがって、カロチノイド生合成遺伝子の
利用して遺伝子工学的にカロチノイドを生産するにあた
っては、発現に最適な微生物を選びだし、その微生物に
どこまで効率的にカロチノイドを生産させられるか、お
よび、その微生物に最終的に蓄積するカロチノイドの含
量をどこまで上げられるかということにかかっているの
である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、カロ
チノイド生合成遺伝子を宿主に導入してカロチノイドを
遺伝子工学的手法により生産するにあたり、従来の発酵
法に凌駕しうる生産量を上げることができ、しかも価格
的には有機合成法に勝るような、効率的なカロチノイド
の製造法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、(1) 有用カロチノ
イド合成のための宿主となる微生物として、食品・飼料
用酵母であるCandidautilis(トルラ酵母)を宿主とな
る微生物として選択すること、(2) またHMG-CoAレダク
ターゼのコア酵素部分をコードする遺伝子をカロチノイ
ド合成遺伝子とともにC. utilis等のカロチノイド産生
酵母に導入し、発現させることによってその酵母のカロ
チノイド生産量を数倍上げることができる技術を確立
し、本発明を完成するに到った。
【0015】すなわち、本発明は、以下の(a)又は
(b)のペプチドをコードする遺伝子: (a)配列番号1記載のアミノ酸配列からなるペプチ
ド。 (b)配列番号1記載のアミノ酸配列において1もしく
は数個のアミノ酸が付加、欠失もしくは置換されたアミ
ノ酸配列からなり、かつHMG-CoA レダクターゼ活性を有
するペプチドである。
【0016】本発明はまた、上記の遺伝子をカロチノイ
ド生合成遺伝子とともに酵母に導入し、該酵母を培地に
培養して培養物からカロチノイドを得ることを特徴とす
る、カロチノイドの製造法である。さらに、本発明は、
カロチノイド生合成遺伝子を、酵母Candida utilisに導
入し発現させることを特徴とする、カロチノイドの製造
法である。さらにまた、本発明は、上記の遺伝子および
カロチノイド生合成遺伝子を導入した酵母である。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0017】
【発明の実施の形態】
1.カロチノイド高生産のための検討 (1) 宿主微生物の選択 本発明において、有用カロチノイド合成のための宿主と
なる微生物として、食品・飼料用酵母であるCandida ut
ilis(トルラ酵母)を使用する。C. utilisは、米国食
品医薬品局(FDA)により、S. cerevisiae、Kluyveromy
ces属酵母とともに食品利用が認められた数少ない安全
性(GRAS)酵母であり、現在、日本では、医薬品・食品
用グルタチオンや調味料用RNAの生産などに用いられて
いる。また、C. utilisは、S. cerevisiae同様に、安価
な培地である糖蜜で増殖できるが、S. cerevisiaeと違
って、好気的条件においては、生育阻害の原因物質であ
るエタノールをまったく生成しないので、高密度培養が
可能である。
【0018】カロチノイド生合成遺伝子をC. utilisに
導入することにより、カロチノイドを高生産を確認する
には、例えば以下のようにして行うことができる。Erwi
niauredovoraのリコペン合成に必要な遺伝子であるcrt
E, crtB, crtIを、それぞれC. utilis由来のグリセルア
ルデヒド-3リン酸脱水素酵素 (GAP)、ホスホグリセル
酸キナーゼ (PGK)、プラズマ膜ATPase (PMA)遺伝子のプ
ロモーターとターミネーター配列の間に組み込み、シク
ロヘキシミド耐性L41遺伝子を薬剤耐性マーカー遺伝子
としたプラスミドを構築し、このプラスミドをC. utili
s IFO 0988株のリボソームタンパク質をコードするL41
遺伝子部位内に挿入する。この薬剤耐性マーカー遺伝子
を用いたC. utilisの形質転換法は、本発明者らによる
文献 (Kondo, K., Saito, T., Kajiwara, S., Takagi,
M., Misawa, N., A transformation system for the ye
ast Candida utilis: Use of a modified endogenous r
ibosomal protein gene as a drug-resistant marker a
nd ribosomal DNA as an integration target for vect
or DNA. J. Bacteriol., 177, 7171-7177, 1995)によ
り行うことができる。
【0019】(2) カロチノイド生合成遺伝子のコドン
使用の改変 本発明においては、アスタキサンチン合成に関与する植
物常在細菌Erwinia uredovoraのcrtE, crtB, crtI, crt
Y遺伝子および海洋細菌Agrobacterium aurantiacum由来
のcrtZ, crtW遺伝子の構造遺伝子の計6遺伝子について
コドン使用の改変を行う。
【0020】まず、上記6遺伝子の全てについてC. uti
lis由来のGAP構造遺伝子のコドン使用頻度を参考に全合
成を行う。合成は、作製する遺伝子において、それがコ
ードするアミノ酸配列を全く変化させることなく、それ
ぞれのアミノ酸をコードするコドンの種類だけを変化さ
せるように行う。具体的には、それぞれの遺伝子に含ま
れるメチオニン、およびトリプトファンを除いた18アミ
ノ酸について、それをコードするコドンがC. utilis由
来のGAP構造遺伝子で多く使用されているものをなるべ
く使用するように設計を行う。
【0021】遺伝子の全合成は以下の方法により行うこ
とができる。構造遺伝子を数個のセグメントに分割して
合成した後、制限酵素切断部位を利用したライゲーショ
ンが可能なように、適切な制限酵素認識部位が構造遺伝
子中に約250〜300 bpおきに生じるように塩基配列の設
計を行う。まず、設計した遺伝子の塩基配列に従って、
2対の50〜100塩基程度の1本鎖オリゴヌクレオチドを
常法で合成し、これを鋳型とする1回目のPCR法を行
い、2本鎖のセグメントを合成する。より具体的には、
たとえば、図3に摸式図を示したように、110 bpの2本
鎖DNAを合成する場合、2本の60塩基のオリゴヌクレオ
チド3および3Cをそれぞれの3'末端側で約60 bpの相補鎖
を形成するように合成し、このオリゴヌクレオチドを鋳
型として、標準的な条件により1回目のPCR反応を行う
ことにより、目的の2本鎖DNAが得られる。さらに、約3
10 bpの2本鎖DNAを合成する場合、上述のようにして得
られた2本鎖DNA、および、60塩基の2本のオリゴヌク
レオチド2と2Cを用いて、2回目のPCR反応を行う。最後
に、この2回目のPCRで得られた2本鎖DNA、および、60
塩基の2本のオリゴヌクレオチド1と1Cを用いて、3回
目のPCR反応を行い、最終的に目的とする2本鎖DNAを得
る。なお、この最終的に合成された2本鎖DNAの両末端
には、特異的な制限酵素部位が存在するようにデザイン
しており、さらに、制限酵素の消化が容易なように、両
末端の制限酵素認識部位の外側に、さらに2 bp程度余分
な配列が付加しておく。
【0022】(3) カロチノイド生産の増量に有用な遺
伝子 本発明における、カロチノイド生産の増量に有用な遺伝
子は、以下の(a)又は(b)のペプチドをコードする
遺伝子: (a)配列番号1記載のアミノ酸配列からなるペプチ
ド。 (b)配列番号1記載のアミノ酸配列において1もしく
は数個のアミノ酸が付加、欠失もしくは置換されたアミ
ノ酸配列からなり、HMG-CoA レダクターゼ活性を有する
ペプチドである。また、本発明における、カロチノイド
生産の増量に有用な遺伝子は配列番号2に示した塩基配
列を有するもののほか、縮重コドンにおいてのみ異なる
同一のポリペプチドをコードする縮重異性体をも包含す
るものである。
【0023】上記遺伝子を取得する一つの手段は、核酸
合成の方法に従って、その鎖長の少なくとも一部を化学
合成することであるが、結合アミノ酸が多数であるとい
うことを考えれば、この化学合成法よりも酵母Candida
utilisなどの染色体DNAまたはcDNAライブラリーを大腸
菌で作製し、このライブラリーから遺伝子工学の分野で
慣用されている方法、たとえば適当なプローブによるハ
イブリダイゼーション法、により、これを取得するほう
が好ましい。
【0024】具体的には、まず、Candida utilis IFO 0
988の染色体DNAを調製し、S. cerevisiaeの2種類のHMG
-CoA レダクターゼのアイソザイム(Hmg1p, Hmg2p)の
うちの一つであるHmg1pのアミノ酸配列を参考にしてPCR
用プライマーを合成し、この染色体DNAを鋳型としてPCR
を行い、S. cerevisiaeのHMG1遺伝子と相同性のあるDNA
断片を取得する。さらに、このDNA断片をプローブとし
て、常法にしたがって作製されたCandida utilis IFO 0
988の染色体DNAライブラリーをスクリーニングすること
により、最終的に、配列番号4に示す、全長のC. utili
sのHMG-CoA レダクターゼ遺伝子を取得できる。この、
C. utilisのHMG-CoAリダクターゼからN末側の膜貫通領
域を除いたC末側の酵素触媒領域のみをコードする改変
遺伝子が、上記のカロチノイド生産の増量に有用な遺伝
子である。
【0025】2.酵母の形質転換および遺伝子発現 酵母への外来遺伝子の導入および発現のための手順ない
し方法は、遺伝子工学の分野により慣用されているもの
であればいずれもよく、例えば、"Vectors forcloning
genes", Methods in Enzymology, 216, p.469-631, 199
2, Acade mic Press、および、"Other bacterial sy
stems", Methods in Enzymology, 204,p.305-636, 199
1, Academic Press 参照)に準じて実施すればよい。
【0026】酵母Saccharomyces cerevisiaeへの外来遺
伝子の導入法は、リチウム法などすでに確立された方法
があり、それを用いて行えばよい(たとえば、秋山裕一
監修バイオインダストリー協会編集、「酵母のニューバ
イオテクノロジー」医学出版センター刊参照)。酵母で
の外来遺伝子の発現は、PGK やGAP(GPD)等のプロモータ
ーおよびターミネーターを用いて、外来遺伝子をこのプ
ロモーターとターミネーターの間に転写のリードスルー
を受けるように挿入した発現カセットを構築し、この発
現カセットを、S. cerevisiaeのベクター、たとえば、Y
Rp系(酵母染色体のARS配列を複製起点とする酵母用マ
ルチコピーベクター)、YEp系(酵母の2μm DNAの複製
起点を持つ酵母用マルチコピーベクター)、YIp系(酵
母の複製起点を持たない酵母染色体組込み用ベクター)
等のベクターに挿入することにより行うことができる
(前述の「酵母のニューバイオテクノロジー」医学出版
センター刊、日本農芸化学会ABCシリーズ「物質生産の
ための遺伝子工学」朝倉書店刊、および、Yamano, S.,
Ishii, T., Nakagawa, M., Ikenaga, H., Misawa, N.,"
Metabolic engineering for production ofβ-carotene
and lycopene in Saccharomyces cerevisiae". Biosc
i. Biotech. Biochem., 58, 1112-1114, 1994参照)。
【0027】酵母Candida utilisへの外来遺伝子の導入
法については、すでに本発明者らにより開示された方法
(近藤、三沢、梶原、特開平8-173170)に従って実施で
きる。具体的にはシクロヘキシミド耐性遺伝子、G418耐
性遺伝子、あるいはハイグロマイシン耐性遺伝子などの
薬剤耐性マーカー遺伝子を含んだプラスミドを直鎖状に
した後、電気パルス法もしくはリチウム法によって、染
色体上に組み込むことができる。外来遺伝子の発現には
同特許に記載されたGAP,PGK,PMAなどのプロモーターを
使用することができる。
【0028】酵母Phaffia rhodozymaへの外来遺伝子の
導入法については、Van Ooyenらにより、開示された方
法(Transformation of Phaffia rhodozyma WO94/06918
Van Ooyen et al 1994)により、G418耐性遺伝子など
の選択マーカー遺伝子を含むプラスミドをリチウム法な
どによって染色体上に組み込むことができる。
【0029】酵母Candida tropicalisへの外来遺伝子の
導入は、特開平4505557により開示された方法で、ま
た、Yarrowia lipolyticaへの外来遺伝子の導入は、特
開昭、60199386、特開昭6121087、特開昭63164889など
により開示された方法により、それぞれ実施可能であ
る。
【0030】(2) において全合成されたカロチノイド合
成遺伝子を宿主C. utilisに導入することにより、カロ
チノイドを生産させるには、例えば以下のようにして行
うことができる。
【0031】(リコペンの生産)(2)で合成したcrtE, c
rtB, crtI遺伝子をそれぞれ、C. utilis由来のGAP, P1
4,PGK遺伝子のプロモーターとGAP, PMA, PGK 遺伝子の
ターミネーター配列の間に挟んで、シクロヘキシミド耐
性L41遺伝子を薬剤耐性マーカー遺伝子として、C. util
is IFO 0988株のリボソームDNA部位内に導入する。
なお、P14のプロモーター配列は、すでに開示された特
許明細書 (特開平8-173170) に記述されている。その結
果得られたC. utilis形質転換体は、菌体乾重量あたり
1.1 mgものリコペンを生産でき、これは、コドン使用を
改変する前の値の約1.5倍である。
【0032】(β-カロチンの生産)(2)で合成したcrt
E、crtI、crtB、crtY遺伝子を、GAP, PGKの外にC.utili
s由来のP14および P57プロモーター配列(特開平8-1731
70参照)と、GAP, PGK, PMAのターミネーター配列の間
にそれぞれ挟んで、シクロヘキシミド耐性L41遺伝子を
マーカー遺伝子としたプラスミドを構築し、C.utilisの
リボソームDNA部位内に導入する。
【0033】(アスタキサンチンの生産)(2) で合成し
た、crtB, crtY, crtW遺伝子を P14, PGK, GAPのプロモ
ーター配列と、PMA, PGK, GAPのターミネーター配列の
間にそれぞれ挟んでシクロヘキシミド耐性L41遺伝子を
マーカー遺伝子としたプラスミドと、crtE, crtI, crtZ
遺伝子をGAP, PGK, P14のプロモーター配列と GAP, PG
K, PMAターミネーター配列の間にそれぞれ挟んでシクロ
ヘキシミド耐性L41遺伝子をマーカー遺伝子としたプラ
スミドを、同時にC. utilisのL41遺伝子座に導入する
(co-transformation)。
【0034】色素定量を行ったところβ-カロチン生産
株については乾燥重量あたりβ-カロチン0.079%、アス
タキサンチン生産株についてはアスタキサンチン0.034
%であった。アスタキサンチン生産量では、同色素を生
産する酵母Phaffia rhodozymaの変異処理を行う前の値
(0.02〜0.03%)より若干高い。また、本組換え酵母に従
来法の変異処理を行うことによっても、さらにその含量
を増加させることも可能である。
【0035】また、(3) の改変遺伝子を、C. utilis由
来のGAP遺伝子のプロモーターとターミネーター配列の
間に挟んで、ハイグロマイシン耐性遺伝子を薬剤耐性マ
ーカー遺伝子として、リコペンを産生するC. utilis 形
質転換体のリボソームDNA部位に導入すると、得られた
C. utilis形質転換体のリコペン産生量は改変遺伝子を
導入する前の値の約4倍となる。ところが、C. utilis
のHMG-CoAリダクターゼ遺伝子の全長を、同様にして、
リコペンを産生するC. utilis 形質転換体のリボソーム
DNA部位に導入し発現させたものでは、リコペンの生産
量の増強はほとんど見い出されない。
【0036】3.微生物の寄託 本発明のカロチノイド生産の増量に有用な遺伝子を含む
大腸菌、および本発明によるリコペン、アスタキサンチ
ンを生産するCandida utilisは、それぞれ工業技術院生
命工学工業技術研究所に下記の通りに寄託されている。
【0037】(i)JM109 (pChGRH)(大腸菌) 寄託番号:FERM BP-5837 受託年月日:平成9年2月25日 (ii)0988 (pChGRH, pCLR1EBI-3)(リコペン産生Candi
da utilis) 寄託番号:FERM BP-5838 受託年月日:平成9年2月25日 (iii)0988 (pCLBWY1, pCLEIZ1)(アスタキサンチン産
生Candida utilis) 寄託番号:FERM BP-5839 受託年月日:平成9年2月25日
【0038】
【実施例】以下の実施例は、本発明をさらに具体的に説
明するためのものであり、本発明を限定するものではな
い。なお、ここで用いられた通常の遺伝子組換え実験
は、特に言及されていない場合は、標準的な方法(Samb
rook, J., Fritsch, E. F.,Maniatis, T., "Molecular
cloning -A laboratory manual." Cold Spring Harbor
Laboratory Press, 1989)に基づいている。
【0039】〔実施例1〕 リコペン生産用プラスミド
pCLEBI13-2の作製 (1) crtE、crtB、crtI遺伝子のオープンリーディングフ
レームの取得 植物常在細菌Erwinia uredovoraのcrtE、crtB、及び、c
rtI遺伝子のオープンリーディングフレームをコードす
るそれぞれのDNA断片は、プラスミド pCRA16 (Misawa,
N. et al., J. Bacteriol. ,172, 6704-6712, 1990)
を鋳型としてPCR法によって取得した。PCR用プライマー
は、オープンリーディングフレームの開始コドンから1
塩基はさんで5'側にXbaI認識部位を、同じく終止コド
ンから1塩基はさんで3'側にBglII認識部位を付加する
ようにデザインした。そして、PCR反応によって得られ
たそれぞれの増幅断片を、XbaIとBglIIで消化後、XbaI-
BglII断片としてゲルから回収を行った。crtEについて
はcrtES と crtEAを用いて、crtBについてはcrtBSとcrt
BAを用いて、crtIについてはcrtISとcrtIAを用いて増幅
させた。以下にそれぞれプライマーとして用いた配列を
示す。
【0040】 crtES 5'-GGT CTA GAA ATG ACG GTC TGC GCA AAA -3' crtEA 5'-CCA GAT CTC TTA ACT GAC GGC AGC GAG -3' crtBS 5'-GGT CTA GAT ATG AAT AAT CCG TCG TTA -3' crtBA 5'-CCA GAT CTG CTA GAG CGG GCG CTG CCA -3' crtIS 5'-GGT CTA GAC ATG AAA CCA ACT ACG GTA -3' crtIA 5'-CCA GAT CTT TCA AAT CAG ATC CTC CAG -3'
【0041】(2) 各遺伝子発現カセットの作製 crtE 遺伝子発現カセットの作製 Candida utilisのグリセルアルデヒド-3リン酸脱水素
酵素(GAP)遺伝子のプロモーター、ターミネーター断
片は、それぞれプラスミドpGAP1(本発明者らが先に出
願した特許 (WO/95/32289号))を鋳型としてPCR法によ
り取得した。プロモーターとしては、開始コドンの上流
−976から開始コドン直前−1までの974 bpのDNA断片
(開始コドンAを+1とする) を以下のプライマーを用い
て取得した。
【0042】 5'-AGCGGCCGCTAGCTTACAGCGAGCACTCAAATCTGCCC-3' 5'-GGGATCCTCTAGATATGTTGTTTGTAAGTGTGTTTTGTATC-3' これらプライマーにおいては、5'側末端にNotI部位
が、3'側の開始コドン直前にXbaIとBamHI部位が形成さ
れるようにデザインした。ターミネーターとしては、終
止コドンの直後+1006から+1728までの723bpのDNA断片を
以下のプライマーを用いてPCR法により取得した。
【0043】 5'-GGGGATCCATTGTATGACTTTTATTTATGG-3' 5'-CCCTGCAGGGATAAAGCTGAAGAATAAT-3' これらプライマーにおいては、5'側の終止コドン直後
にBamHI部位が、3'側にPstI部位が形成されるようにデ
ザインした。
【0044】得られた2つの増幅断片は、TAクローニ
ングキット(Invitrogen社)を用いてpT7Blueにクロー
ニングした。そして、これら2つのDNA断片を、それぞ
れ、NotI−BamHI断片、BamHI−PstI断片として、ゲルか
ら単離した後、pBluescript SK-のNotIとPstI間に挿入
して、プラスミドpGAPPT10を構築した。さらに、pGAPPT
10のXbaI-BamHI部位に、前述したcrtE遺伝子を有するXb
aI-BglII断片を挿入し、プラスミドpGAPEを作製した。
その後、GAPプロモーター−crtE遺伝子−GAPターミネー
ターを含む2.65 kbのNotI-PstI DNA断片をゲルから回収
し、crtE遺伝子発現カセットとした。
【0045】 crtB遺伝子発現カセットの作製 本発明者らが先に出願した特許(WO/95/32289号)に記
載されているプラスミドpPGKPT4を用い、そのプロモー
ター内に含まれるSphI部位(翻訳開始点より830bp上
流)をKlenow断片でfill-inした後、Sse8387I(CCTGCAG
G)リンカーを挿入し、プラスミドpPGKPT6を作製した。
次に、前述したcrtB遺伝子を有するXbaI-BglII断片を、
pPGKPT6のXbaI-BamHI部位に挿入することにより、プラ
スミドをpPGKBを作製した。さらに、PGKプロモーター−
crtB遺伝子−PGKターミネーターを含む2.5 kbのSse8387
I-NotI DNA断片をゲルから回収し、crtB遺伝子発現カセ
ットとした。
【0046】 crtI発現カセットの作製 本発明者らが先に出願した特許(WO/95/32289号)に記
載されているプラスミドpMAPT1のXbaI-BamHI部位に前述
したcrtI遺伝子を有するXbaI-BglII断片を挿入した。こ
のプラスミドをpMAPIと命名した。その後、プラズマ膜
プロトンATPase(PMA)のプロモーター領域とPMAターミ
ネーターの間に挟まれたcrtI遺伝子を含む2.5 kbのNotI
DNA断片をゲルから回収し、crtI遺伝子発現カセットと
した。
【0047】(3) リコペン生産用プラスミドpCLEBI 13-
2の構築 プラスミドpCLBS10 (Kondo, K. et al J. Bacteriol.
,177, 7171-7177, 1995)のPstI部位に、pPGKB由来の2.
5 kbのcrtB発現カセットであるSse8387I-NotI断片、及
び、pGAPE由来の2.65 kbのcrtE発現カセットであるNotI
-PstI断片を同時に挿入し、プラスミドpCLEBを作製し
た。次に、pCLEBのNotI部位にpPMAI由来の2.5 kbのcrtI
発現カセットであるNotI断片を挿入し、目的とするプラ
スミドpCLEBI 13-2を得た(図4参照)。このプラスミ
ドは、C. utilisにリコペンを合成させるためのプラス
ミドである。
【0048】〔実施例2〕 合成遺伝子の作製 β-カロチンの合成に必要とされる植物常在細菌Erwinia
uredovora由来のcrtE, crtB, crtI, crtYの4遺伝子
(Misawa, N. et al., J. Bacteriol. ,172, 6704-671
2, 1990)、及び、β-カロチンからアスタキサンチンの
合成に必要とされる海洋細菌Agrobacterium aurantiacu
m由来のcrtZ, crtWの2遺伝子 (Misawa, N. et al., J.
Bacteriol. ,177, 6575-6584, 1995) の計6個の構造
遺伝子全てについて、全合成を行った。
【0049】Candida utilis由来のグリセルアルデヒド
-3リン酸-脱水素酵素 (GAP)の構造遺伝子領域のコドン
で、メチオニンとトリプトファン以外のコドンの特に使
用率の高いものをまとめた。当該コドンを用いて6遺伝
子がコードするアミノ酸配列を再度DNA配列に変換し
た。その際それぞれの遺伝子に含まれる各アミノ酸につ
いてのコドンのばらつきが、極力GAPと近いものになる
ように、かつ約250〜300 bpごとに特異的な制限酵素部
位が形成され、各遺伝子がこれらの数個のセグメントに
よって構成されるように設計した。形成される制限酵素
部位の都合上、マイナーなコドンも一部使用した。さら
に構造遺伝子の翻訳開始コドン (ATG)より1塩基はさん
で5'上流側にXbaI認識部位を、また翻訳終止コドンよ
り1塩基はさんで3'下流側にBglII認識部位が形成され
るように設計した。
【0050】以上の点を考慮して、crtE, crtB, crtI,
crtY, crtZ, crtWの6遺伝子について、それぞれ、図5
〜7、図8〜10、図11〜14、図15〜17、図18〜19、図20
〜21に示すようにそれぞれ設計を行った。またcrtE遺伝
子はセグメントE-1〜E-4の4セグメントによって、crtB
遺伝子はセグメントB-1〜B-3の3セグメントによって、c
rtI遺伝子はセグメントI-1〜I-6の6セグメントによっ
て、crtY遺伝子はセグメントY-1〜Y-4の4セグメントに
よって、またcrtZ遺伝子はセグメントZ-1〜Z-2の2セグ
メントによって、crtW遺伝子はセグメントW-1〜W-3の3
セグメントによってそれぞれ構成されるように設計し
た。各セグメントの両端には特異的な制限酵素認識部位
が形成されるようにし、また同制限酵素によって各セグ
メントが直接消化されるように、末端の制限酵素認識部
位の両端にさらに2塩基ずつ無意味な配列を付加した。
各セグメントの配列を図22〜24に示す。また、各セグメ
ントの合成の際に用いたプライマーの塩基配列を図25
(crtE)、図26 (crtB)、図27〜28(crtI)、図29〜30 (crt
Y)、図31 (crtZ)、図32 (crtW) に示す。以下に、各遺
伝子ごとにその合成方法を詳細に示す。
【0051】(1) crtE遺伝子の合成 全合成用に設計されたcrtE遺伝子の塩基配列 (図5〜
7) を構成する4つのセグメントE-1〜E-4 (図22) のDN
A断片の合成を行った。セグメントE-1は、両末端にXbaI
とStyI部位を持つ214 bpのDNA断片で、4本の化学合成
されたオリゴヌクレオチドを用いてPCR法により合成さ
れた。セグメントE-1の合成の詳細については、前述し
た摸式図である図3のように、まず、プライマーE-1-F
2、E-1-R2 (図25) を用いて1回目のPCR反応を行った。
PCRの条件はExTaqポリメラーゼ (宝酒造) を用い、dNTP
の量をマニュアルの1/10量 (dA,dG,dC,dT各20μM)で
行い、94℃ 30秒、72℃ 90秒の25サイクル、あるいは94
℃ 30秒、55〜65℃ 60秒、72℃60秒の25サイクルで行っ
た。以下に示す遺伝子合成における2本鎖DNA化のPCR反
応は、プライマーの種類とDNAが異なる以外は、すべて
同様の条件で行った。さらに、このPCR法で得られた反
応液を鋳型として、プライマーE-1-F1、E-1-R1(図25)
を用い、先の条件で2回目のPCR反応を行い、214 bpの
2本鎖DNAであるセグメントE-1を得た。
【0052】セグメントE-2は、両端にStyIとSacI部位
を有する266 bpのDNA断片で、これも4本の化学合成さ
れたオリゴヌクレオチドを用いて、PCR法により作られ
た。まず、プライマーE-2-F2、E-2-R2で1回目のPCRを
行った後、合成された2本鎖DNAを鋳型として、プライ
マーE-2-F1、E-2-R1で2回目のPCRを行い、266 bpの2
本鎖DNA断片であるセグメントE-2を得た。セグメントE-
3は、両端にSacIとHindIII部位を有する227 bpのDNA断
片で、これも4本のオリゴヌクレオチドから作られた。
まず、プライマーE-3-F2、E-3-R2で1回目のPCRを行っ
た後、合成された2本鎖DNAを鋳型としてプライマーE-3
-F1、E-3-R1で2回目のPCRを行い、227 bpの2本鎖DNA
断片を得た。セグメントE-4は、両端にHindIIIとBglII
部位を有する250 bpのDNA断片で、これも4本のオリゴ
ヌクレオチドから作られた。まずプライマーE-4-F2、E-
4-R2で1回目のPCRを行った後、合成された2本鎖DNAを
鋳型としてプライマーE-4-F1、E-4-R1で2回目のPCRを
行い、250 bpの2本鎖DNA断片を得た。
【0053】以上の増幅された4つのDNA断片を、それ
ぞれ、pT7Blueベクター(Invitrogen)に、または、Kleno
w断片処理およびリン酸化処理を行った後にpUC118 Hinc
IIサイトにサブクローニングした。さらに、これらの4
つのDNA断片について塩基配列を決定して、設計したも
のと同一であることを確認した。そして、これらの断片
を、それぞれ、それらの末端を認識する制限酵素で消化
した後、低融点アガロースゲル(FMC BioProducts)を
用いて回収を行い、さらに、β-Agarase-I(日本ジー
ン)を用いて精製を行った。
【0054】これら4つのDNA断片の接続は以下のよう
に行った。まず、ゲルから回収されたセグメントE-1, E
-2, E-3の3断片を、pBSIIKS+のXbaI-HindIII部位に同
時に挿入した。このプラスミドをpcrtE123と命名した。
次に、pUC12のPstI-HindIII部位をKlenow断片処理した
後、BglIIリンカー (CAGATCTG) を挿入して、BglII部位
が新たに導入されたベクター (pUC12Bglと命名) を作製
した。これをXbaI/BglIIで消化した後、このXbaI-BglII
部位に、先のpcrtE123より切り出したセグメントE-1〜3
を含むXbaI-HindIII DNA断片、及び、ゲルから回収され
たセグメントE-4のHindIII-BglII DNA断片を同時に挿入
し、crtE遺伝子の全合成を完了させた。
【0055】(2) crtB遺伝子の合成 全合成用に設計されたcrtB遺伝子の塩基配列 (図8〜1
0) を構成する3つのセグメントB-1〜B-3 (図22) のDNA
断片の合成を行った。セグメントB-1は、両端にXbaIとE
coRV部位を持つ323 bpのDNA断片で、これは化学合成さ
れた4本のオリゴヌクレオチドを用いて、PCRにより合
成された。セグメントB-1の合成の詳細については、ま
ずプライマーB-1-2, B-1-2R (図26) を用いて、crtE遺
伝子の合成方法と同様の条件で1回目のPCR反応を行っ
た (図3参照)。このPCRで得られた反応液を鋳型とし
て、プライマーB-1-1, B-1-1Rを用いて2回目のPCRを行
い、323 bpの2本鎖DNA断片を得た。セグメントB-2は両
端にEcoRVとHindIII部位を有する332 bpの断片で、これ
も4本のオリゴヌクレオチドから作られた。まずプライ
マーB-2-2, B-2-2Rで1回目のPCRを行った後、合成され
た2本鎖DNAを鋳型として、プライマーB-2-1, B-2-1Rで
2回目のPCRを行い、332 bpの2本鎖DNA断片を得た。セ
グメントB-3は両端にHindIIIとBglII部位を有する313 b
pの断片で、これも4本のオリゴヌクレオチドから作ら
れた。まず、プライマーB-3-2, B-3-2Rで1回目のPCRを
行った後、合成された2本鎖DNAを鋳型として、プライ
マーB-3-1, B-3-1Rで2回目のPCRを行い、313 bpの2本
鎖DNA断片を得た。
【0056】以上の増幅された3断片についてpT7Blue
ベクター (Invitrogen) に、またはKlenow断片処理およ
びリン酸化処理を行った後にpUC118のHincII部位にサブ
クローニングした。そして、これらの3つのDNA断片の
塩基配列を決定して、設計したものと同一であることを
確認した。次に、これらのDNA断片を、それぞれ、それ
らの末端を認識する制限酵素で消化したのち、低融点ア
ガロースゲル(FMC BioProducts)を用いて回収を行
い、β-Agarase-I(日本ジーン)で精製を行った。これ
ら3つのDNA断片の接続は以下のように行った。すなわ
ち、ゲルから回収されたセグメントB-1, B-2, B-3の3
断片を、ベクターpUC12BglのXbaI-BglII部位に同時に挿
入し、crtB遺伝子の全合成を完了させた。
【0057】(3) crtI遺伝子の合成 全合成用に設計されたcrtI遺伝子の塩基配列 (図11〜1
4) を構成する6つのセグメントI-1〜I-6 (図22〜23)
のDNA断片の合成を行った。セグメントI-1は両端にXbaI
とSacI部位を持つ253 bpのDNA断片で、これは、化学合
成された4本のオリゴヌクレオチドから作られた。セグ
メントI-1を作製するために、まず、プライマーI-1-2,
I-1-2C (図27) を用いて、crtE遺伝子の合成方法と同様
の条件で1回目のPCRを行った。このPCRで得られた反応
液を鋳型として、プライマーI-1-1, I-1-1Cを用いて2
回目のPCRを行い、253 bpの2本鎖DNA断片を得た。セグ
メントI-2は両端にSacIとAccI部位を有する271 bpの断
片で、これも4本のオリゴヌクレオチドから作られた。
まず、プライマーI-2-2, I-2-2Cで1回目のPCRを行った
後、合成された2本鎖DNAを鋳型として、プライマーI-2
-1, I-2-1Cで2回目のPCRを行い322 bpの2本鎖DNA断
片を得た。セグメントI-3は両端にAccIとHindIII部位を
有する199 bpの断片で、これも4本のオリゴヌクレオチ
ドから作られた。まずプライマーI-3-2, I-3-2Cで1回
目のPCRを行った後、合成された2本鎖DNAを鋳型とし
て、プライマーI-3-1, I-3-1Cで2回目のPCRを行い、19
9 bpの2本鎖DNA断片を得た。セグメントI-4は両端にHi
ndIIIとSacI部位を有する322 bpの断片で、これも4本
のオリゴヌクレオチドから作られた。まずプライマーI-
4-2, I-4-2Cで1回目のPCRを行った後、合成された2本
鎖DNAを鋳型として、プライマーI-4-1, I-4-1Cで2回目
のPCRを行い、322 bpの2本鎖DNA断片を得た。セグメン
トI-5は、両端にSacIとBstPI部位を有する253 bpの断片
で、これも4本のオリゴヌクレオチドから作られた。ま
ずプライマーI-5-2, I-5-2C (図27〜28)でPCRを行った
後、合成された2本鎖DNAを鋳型として、プライマーI-5
-1, I-5-1CでPCRを行い、253 bpの2本鎖断片を得た。
セグメントI-6は、両端にBstPIとBglII部位を有する254
bpの断片で、これも4本のオリゴヌクレオチドから作
られた。まずプライマーI-6-2, I-6-2C (図28) でPCRを
行った後、合成された2本鎖DNAを鋳型として、プライ
マーI-6-1, I-6-1CでPCRを行い254 bpの2本鎖断片を得
た。
【0058】以上の増幅された6断片について、pT7Blu
eベクター(Invitrogen)、またはKlenow断片処理およ
びリン酸化処理を行った後にpUC118のHincII部位にサブ
クローニングした。これらの6断片については、塩基配
列を決定して、設計したものと同一であることを確認し
た。次に、これらのDNA断片を、それぞれ、それらの末
端を認識する制限酵素で消化した後、低融点アガロース
ゲル(FMC BioProducts)を用いて回収を行い、さらに
β-Agarase-I(日本ジーン)を用いて精製を行った。こ
れら6つのDNA断片の接続は以下のように行った。すな
わち、セグメントI-1, I-2, I-3の3断片を、pUC18のXb
aI-HindIII部位に同時に挿入した。このプラスミドをpc
rtI123と命名した。次に、ベクターpUC12BglのXbaI-Bgl
II部位に、先のpcrtI123より単離されたセグメントI-1
〜I-3を含むXbaI-HindIII断片、ゲルから回収されたセ
グメントI-4のHindIII-SacI断片、セグメントI-5のSacI
-BstPI断片、及び、セグメントI-6のBstPI-BglII断片を
同時に挿入し、crtI遺伝子の全合成を完了させた。
【0059】(4) crtY遺伝子の合成 全合成用に設計されたcrtY遺伝子の塩基配列 (図15〜1
7) を構成する4つのセグメントY-1〜Y-4 (図23) のDNA
断片の合成を行った。セグメントY-1は、両端にXbaIとH
indIII部位を持つ263 pのDNA断片で、これは化学合成さ
れた4本のオリゴヌクレオチドから作られた。セグメン
トY-1の合成の詳細については、まず、プライマーY-1-
2, Y-1-2Cを用いて1回目のPCR反応を行った。このPCR
で得られた反応液を鋳型として、プライマーY-1-1, Y-1
-1Cを用いて2回目のPCRを行い、263 bpの2本鎖DNA断
片を得た。セグメントY-2は両端にHindIIIとAccI部位を
有する292 bpの断片で、これも4本のオリゴヌクレオチ
ドから作られた。まずプライマーY-2-2, Y-2-2CでPCRを
行った後、合成された2本鎖DNAを鋳型として、プライ
マーY-2-1, Y-2-1CでPCRを行い、292 bpの2本鎖DNA断
片を得た。セグメントY-3は両端にAccI,StyI部位を有す
る341 bpの断片で、これも4本のオリゴヌクレオチドか
ら作られた。まずプライマーY-3-2, Y-3-2CでPCRを行っ
た後、合成された2本鎖DNAを鋳型として、プライマーY
-3-1, Y-3-1CでPCRを行い、341 bpの2本鎖DNA断片を得
た。セグメントY-4は両端にAccIとBglII部位を有する30
1 bpの断片で、これも4本のオリゴヌクレオチドから作
られた。まず、プライマーY-4-2, Y-4-2CでPCRを行った
後、合成された2本鎖DNAを鋳型として、プライマーY-4
-1, Y-4-1CでPCRを行い301 bpの2本鎖DNA断片を得た。
【0060】以上の増幅された4断片について、pT7Blu
eベクター(Invitrogen)、またはKlenow断片処理およ
びリン酸化処理を行った後にpUC118のHincII部位にサブ
クローニングした。これら4断片ついて塩基配列を決定
して、設計したものと同一であることを確認した。次
に、これらの4つのDNA断片を、それぞれ、それらの末
端を認識する制限酵素で消化した後、低融点アガロース
ゲル(FMC BioProducts)を用いて回収を行い、さらに
β-Agarase-I(日本ジーン)を用いて精製を行った。そ
して、ベクターpUC12BglのXbaI-BglII部位に、ゲルから
回収されたセグメントY-1〜 Y-4の4断片を同時に挿入
して、crtY遺伝子の全合成を完了させた。
【0061】(5) crtZ遺伝子の合成 全合成用に設計されたcrtZ遺伝子の塩基配列 (図18〜1
9) を構成する2つのセグメントZ-1〜Z-2 (図24) のDNA
断片の合成を行った。セグメントZ-1は両端にXbaIとAcc
I部位を持つ263 bpのDNA断片で、これは化学合成された
4本のオリゴヌクレオチドから作られた。セグメントZ-
1の合成の詳細については、まず、プライマーZ-1-F2, Z
-1-R2 (図31) を用いて、1回目のPCR反応を行った。こ
のPCRで得られた反応液を鋳型として、プライマーZ-1-F
1, Z-1-R1を用いて2回目のPCRを行い、263 bpの2本鎖
DNAを得た。セグメントZ-2は両端にAccIとBglII部位を
有する254 bpの断片で、これも4本のオリゴヌクレオチ
ドから作られた。まず、プライマーZ-2-F2, Z-2-R2で1
回目のPCRを行った後、合成された2本鎖DNAを鋳型とし
て、プライマーZ-2-F1, Z-2-R1で2回目のPCRを行い、2
54 bpの2本鎖DNA断片を得た。
【0062】以上の増幅された2断片について、pT7Blu
eベクター(Invitrogen)、またはKlenow断片処理およ
びリン酸化処理を行った後にpUC118のHincII部位にサブ
クローニングした。これら2断片について塩基配列を決
定して、設計したものと同一であることを確認した。次
に、これらのDNA断片を、それぞれ、それらの末端を認
識する制限酵素で消化した後、低融点アガロースゲル
(FMC BioProducts)を用いて回収を行い、さらにβ-Ag
arase-I(日本ジーン)を用いて精製を行った。そし
て、pUC12BglのXbaI-BglII部位に、ゲルから回収された
セグメントZ-1〜Z-2の2つのDNA断片を同時に挿入し
て、crtZ遺伝子の合成を完了させた。
【0063】(6) crtW遺伝子の合成 全合成用に設計されたcrtW遺伝子の塩基配列 (図20〜2
1) を構成する2つのセグメントW-1〜W-3 (図24) のDNA
断片の合成を行った。セグメントW-1は両端にXbaIとAcc
I部位を持つ250 bpのDNA断片で、これは化学合成された
4本のオリゴヌクレオチドから作られた。セグメントW-
1は、前述の図3のように、まず、プライマーR1-2, F1-
2 (図32) を用いて、crtE遺伝子の合成方法と同様の条
件で1回目のPCR反応を行った。このPCRで得られた反応
液を鋳型として、プライマーR1-1, F1-1を用いて2回目
のPCRを行い、250 bpの2本鎖DNAを得た。セグメントW-
2は両端にAccIとKpnI部位を有する332 bpのDNA断片で、
これのみ6本のオリゴヌクレオチドから作られた。まず
プライマーF2-3, R2-3を用いて1回目のPCR反応を行っ
た後、合成された2本鎖DNAを鋳型として、プライマーF
2-2, R2-2で2回目のPCRを行い、さらに新たに合成され
た2本鎖DNAを鋳型として、プライマーF2-1, R2-1で3
回目のPCRを行い、332 bpの2本鎖DNA断片を得た。セグ
メントW-3は両端にKpnIとBglII部位を有する208 bpの断
片で、これも4本のオリゴヌクレオチドから作られた。
まずプライマーF3-2, R3-2で1回目のPCRを行った後、
合成された2本鎖DNAを鋳型として、プライマーR3-1, F
3-1で2回目のPCRを行い、208 bpの2本鎖DNA断片を得
た。
【0064】以上の増幅された3断片について、pT7Blu
eベクター(Invitrogen)、またはKlenow断片処理およ
びリン酸化処理を行った後にpUC118のHincII部位にサブ
クローニングした。これら3断片について塩基配列を決
定して、設計したものと同一であることを確認した。次
に、これらのDNA断片を、それぞれ、それらの末端を認
識する制限酵素で消化した後、低融点アガロースゲル
(FMC BioProducts)を用いて回収を行い、さらに、β-
Agarase-I(日本ジーン)を用いて精製を行った。そし
て、ベクターpUC12BglのXbaI-BglII部位に、ゲルから回
収されたセグメントW-1〜W-3の3断片を同時に挿入し
て、crtW遺伝子の全合成を完了させた。
【0065】〔実施例3〕 種々のCandida utilis導入
用ベクターの作製 (1) rDNA組み込み用ベクターpCRAL10及びpCLR1の作製 DNA組み込み用ベクターpCRAL10は以下のように構築し
た。本発明者らが先に出願した特許(特開平8-173170)
に記載されているプラスミドpCLRE2からApaI分解により
得られるribosomal DNAを含む1.2 kbの断片をpBluescri
pt SK-のApaIサイトにクローン化してプラスミドpCRA1
を構築した。pCRA1をAsp718で分解した後、Klenow断片
処理によりそれぞれを平滑末端とし、NotIリンカーを付
加してpCRA3を作製した。このプラスミドをNotIとBglII
で分解することにより、0.5 kbと0.7 kbのNotI-BglII断
片を回収した。一方、pUC19をHIndIIIとEcoRIで分解し
たのち、Klenow断片処理によりそれぞれを平滑末端とし
た後BglIIリンカーを連結して構築したプラスミドpUCBg
lIIをBglII分解した後、2種類のNotI-BglII断片をクロ
ーニングしてpCRA10を構築した。マーカー遺伝子とする
シクロヘキシミド耐性型L41遺伝子に関しては、DNA断片
をPCRにより取得した。すなわち、−405から+974
までのDNA断片を取得した(開始コドンATGのAを+1とす
る)。この際、遺伝子の5’側プライマー末端にはPstI
部位を付加し、3’側プライマー末端にはSalIサイトを
もつ様にデザインした。PCRに用いたプライマーの配列
は、L41遺伝子の5’側プライマーとして、5'-CCTGCAGG
AAACGTAAACAAAGAGGTTTCA-3'を、3’側プライマーとし
て、5'-GGTCGACTCGCTTTTGTGCGTGTGTGCATT-3'を用いた。
【0066】また、鋳型としてはpCLRE2を用いた。増幅
断片はTAクローニングキット(Invitrogen社)を用い
てプラスミドpT7Blueにクローニングした。構築したプ
ラスミドから断片をPstI-SalI断片として切り出してpCR
A10に連結することにより、ベクターpCRAL10を構築し
た。
【0067】DNA組み込み用ベクター pCLR1は以下のよ
うに作製した。pUC19をHindIII消化した後、Klenow断片
処理により平滑末端とした後NotIリンカーを連結して構
築したプラスミドpUCNotIを作製した。ベクターpCLBS10
(Kondo, K. et al. J. Bacteriol. 177, 7171-7177, 1
995、及び、本発明者らが先に出願した特許 (特開平8-1
73170参照))よりシクロヘキシミド耐性L41遺伝子を含
むXhoI-SacI断片、pCRE2よりrDNAを含むSacI-EcoRI断片
を回収し、pUCNotIのSalI-EcoRI部位に挿入することに
より、ベクターpCLR1を得た。
【0068】(2) シクロヘキシミド耐性L41遺伝子組み
込み用ベクターpCL10の作製 シクロヘキシミド耐性L41遺伝子組み込み用ベクターpCL
10は以下のようにして作製した。本発明者らが先に出願
した文献 (Kondo, K. et al. J. Bacteriol. 177, 7171
-7177, 1995)、及び、特許 (特開平8-173170) に記載さ
れているプラスミドpCLRE2を鋳型として、L41遺伝子をP
CRにより0.7 kbのL5と0.7 kbのL3の2断片として得た。
すなわち、L5PST1とL5BGLを用いてL5断片を、L3BGLとL3
PSTNOTを用いてL3断片を増幅させた。増幅断片はTAク
ローニングキット(Invitrogen社)を用いてプラスミド
pT7Blueにクローニングした。プラスミドをいずれもPst
I、BglII で消化して、L5断片、L3断片を得て、これら
の断片をpUCBglのBglII部位に挿入して、ベクターpCL10
を作製した。以下に用いたPCRプライマーを記す。
【0069】 L5PST1 5' CCT GCA GGA AAC GTA AAC AAA GAG GTT TCA 3' L5BGL 5' GAG ATC TGA TGA TGC CTG TTG ATA TTC ATC 3' L3BGL 5' GAG ATC TCT ACA ATG GCT CGT TCC CA 3' L3PSTNOT 5' CCT GCA GGG CGG CCG CTT TTG TGC GTG TGT GCA TTT 3'
【0070】〔実施例4〕 各種合成遺伝子発現カセッ
トの作製 (1) 合成crtE遺伝子発現カセットの作製 実施例2で得られたcrtE遺伝子を含むXbaI-BglII断片
を、実施例1で得たベクターpGAPPT10のXbaI-BamHI部位
に挿入した。このプラスミドをpGAPE1と命名した。その
後、GAPプロモーターとGAPターミネーターの間に挟まれ
たcrtE遺伝子を含む2.65 kbの発現カセットをNotI-PstI
DNA断片として回収した。
【0071】(2) 合成crtI遺伝子発現カセットの作製 実施例2で得られたcrtI遺伝子を含むXbaI-BglII断片
を、実施例1で作製したベクターpPGKPT6のXbaI-BamHI
部位に挿入した。このプラスミドをpPGKI1と命名した。
次に、PGKプロモーターとPGKターミネーターの間に挟ま
れたcrtI遺伝子を含む3.1 kbの発現カセットをNotI-Sse
8387 DNA断片として回収した。
【0072】(3) 合成crtB遺伝子発現カセットの作製 本発明者らが先に出願した特許(特開平8-173170)に記
載されているpPGKPT5よりPGKのプロモーター、ターミネ
ーター領域を除き、ベクター部分のNotI断片を回収し
た。同断片に同じく同特許に記載してあるpPCV14のプロ
モーターを含むNotI-XbaI断片と、同じく同特許記載のP
MAのターミネーター領域であるXbaI-NotI断片を挿入し
た。
【0073】このターミネーター断片は、pMAPT1(本発
明者らが先に出願した特許 (特開平8-173170))を鋳型
としてPCRにより取得した。プライマーは、 5'-GGTCTAGAGGATCCTAAGCCGCTAATACCCC-3' 5'-GGGCGGCCGCCTGCAGGCGTTCTTGAACTATAAG-3' を用い、5’側プライマー末端にXbaIとBamHI部位、
3’側にNotI部位をそれぞれ付加して合成した。得られ
た増幅断片はTAクローニングキット(Invitrogen社)
を用いてpT7Blueにクローニングしたのち、上記0.46 kb
のXbaI-NotI断片を回収した。このプラスミドをpP14TI
と命名した。pP14TIのXbaI-BamHI部位に実施例2で得ら
れたcrtB遺伝子を含むXbaI-BglII DNA断片を挿入した。
このプラスミドをpP14PB1と命名した。このプラスミド
よりP14プロモーターとPMAターミネーターの間に挟まれ
たcrtB遺伝子を含む約2.4 kbの発現カセットをNotI-Pst
I DNA断片として回収した。
【0074】(4) 合成crtZ遺伝子発現カセットの作製 プラスミドpP14TIのXbaI-BamHI部位に実施例2で得られ
たcrtZ遺伝子を含むXbaI-BglII断片を挿入した。このプ
ラスミドをpP14PZ1と命名した。このプラスミドよりP14
プロモーターとPMAターミネーターの間に挟まれたcrtZ
遺伝子を含む発現カセットを約1.9 kbのNotI-PstI DNA
断片として回収した。
【0075】(5) 合成crtY遺伝子発現カセットの作製 合成crtB発現カセット作製に用いたプラスミドpP14TIよ
りプロモーター領域であるNotI-XbaI断片を除去し、代
わりに本発明者らが先に出願した特許(特開平8-17317
0)に記載してあるpPCV57のプロモーターを約0.9kbのNo
tI-XbaI断片として単離し、同部位に挿入した。このプ
ラスミドをpP57TIと命名した。pP57TIのXbaI-BamHI部位
に実施例2で得られたcrtY遺伝子のXbaI-BglII断片を挿
入した。このプラスミドをpP57PY1と命名した。このプ
ラスミドよりP57プロモーターとPMAターミネーターの間
に挟まれたcrtY遺伝子を含む約2.5 kbの発現カセットを
NotI-PstI DNA断片として回収した。
【0076】また同じくcrtY遺伝子のXbaI-BglII断片
を、pPGKPT6のXbaI-BamHI部位に挿入した。このプラス
ミドをpPGKY1と命名した。このプラスミドよりPGKプロ
モーターとPGKターミネーターの間に挟まれたcrtY遺伝
子を含む発現カセットを約2.8 kbのNotI-Sse8387I断片
として回収した。
【0077】(6) 合成crtW遺伝子発現カセットの作製 実施例2で得られたcrtWのXbaI-BglII断片を、pGAPPT10
のXbaI-BamHI部位に挿入した。このプラスミドをpGAPW1
と命名した。その後、GAPプロモーターとGAPターミネー
ターの間に挟まれたcrtW遺伝子を含む約2.45 kbの発現
カセットをNotI-PstI断片として回収した。
【0078】〔実施例5〕 合成遺伝子を用いたリコペ
ン、β-カロチン、アスタキサンチン生産用プラスミド
の作製 (1) 合成遺伝子を用いたリコペン生産用プラスミドpCL
R1EBI-3の作製 実施例3で得られたCandida utilis導入用ベクターpCLR
1と、実施例4で得られたcrtE, crtB, crtI遺伝子各種
発現カセットを用いてリコペン生産用プラスミドpCLR1E
BI-3の作製を行った(図33参照)。
【0079】まず、pCLR1のPstI-NotI部位にpP14PB1由
来のcrtB遺伝子発現カセットである2.4 kbのPstI-NotI
断片を挿入し、プラスミドpCLR1Bを作製した。次に、pC
LR1BのNotI部位に、pGAPE1由来のcrtE遺伝子発現カセッ
トである2.65 kbのNotI-PstI断片と、pPGKI1由来のcrtI
遺伝子発現カセットである3.1kbのSse8387I-NotI断片を
同時に挿入し、目的とするプラスミドpCLR1EBI-3を作製
した。
【0080】(2) 合成遺伝子を用いたβ-カロチン生産
用プラスミドpCRAL10EBIY-3の作製 実施例3で得られたC. utilis導入用ベクターpCRAL10
と、実施例4で得られたcrtE, crtB, crtI, crtY遺伝子
各種発現カセットを用いてβ-カロチン生産用プラスミ
ドpCRAL10EBIY-3の作製を行った(図34参照)。
【0081】まず、pCRAL10をNotIで消化した後、Kleno
w断片処理後ライゲーション反応を行い、プラスミドpCR
AL10-2を作製した。次に、pCRAL10-2のPstI部位に、pP5
7PY1由来のcrtY遺伝子発現カセットである2.5 kbのNotI
-PstI断片と、pP14PB1由来のcrtB遺伝子発現カセットで
ある2.4 kbのNotI-PstI断片を同時に挿入し、プラスミ
ドpCRAL10BYを得た。さらに、pCRAL10BYのNotI部位に、
pGAPE1由来のcrtE遺伝子発現カセットである2.65 kbのN
otI-PstI断片と、pPGKI1由来のcrtI遺伝子発現カセット
である3.1 kbのSse8387I-NotI断片を同時に挿入し、目
的とするプラスミドpCRAL10EBIY-3 を作製した。
【0082】(3) 合成遺伝子を用いたアスタキサンチ
ン生産用プラスミドpCLEIZ1、pCLBWY1の作製 実施例3で得られたC. utilis導入用ベクターpCL10と、
実施例4で得られた各種crt遺伝子発現カセットを用い
てアスタキサンチン生産用プラスミドpCLEIZ1、pCLBWY1
の作製を行った(図35, 36参照)。まず、図35に示すよ
うに、pCL10のPstI-NotI部位に、pP14PZ1由来のcrtZ遺
伝子発現カセットである1.9 kbのPstI-NotI断片を挿入
し、プラスミドpCLZ1を作製した。次に、pCLZ1のNotI部
位に、pGAPE1由来のcrtE遺伝子発現カセットである2.65
kbのNotI-PstI断片と、pPGKI1由来のcrtI遺伝子発現カ
セットである3.1 kbのSse8387I-NotI断片を同時に挿入
し、目的とするプラスミドpCLEIZ1を作製した。
【0083】また、図36に示すように、pCL10のPstI-No
tI部位に、pPGKY1由来のcrtY遺伝子発現カセットである
2.8 kbのSse8387I-NotI断片を挿入し、プラスミドpCLY1
を作製した。次に、pCLY1のNotI部位に、pP14PB1由来の
crtB遺伝子発現カセットである2.4 kbのNotI-PstII断片
と、pGAPW1由来のcrtW遺伝子発現カセットである2.45kb
のPstI-NotI断片を同時に挿入し、目的とするプラスミ
ドpCLBWY1を作製した。
【0084】〔実施例6〕 リコペン、β-カロチンお
よびアスタキサンチン生産株の作製 (1) 各種プラスミドによるCandida utilisの形質転換 リコペンを生産するCandida utilisを作製するために、
実施例1で作製したリコペン生産用プラスミドpCLEBI13
-2をAflIIで消化したものを用いて、Candida utilis IF
O 0988株 (ATCC9950) の形質転換を行った。形質転換法
は、先に出願した特許(特開平8-173170)に記載された
電気パルス法に従って行った。パルス条件は電気容量を
25μF、抵抗値を1000オーム、電圧を5KV/cmで
あった。
【0085】実施例5で作製した合成遺伝子を用いたリ
コペン生産用プラスミドpCLR1EBI-3、及び、同じく実施
例5で作製したβ-カロチン生産用プラスミドpCRAL10EB
IY-3についても、これらをBglIIで消化したものを用い
て、前述した条件で同様に形質転換を行った。アスタキ
サンチン生産株作製については、実施例5で作製したア
スタキサンチン生産用プラスミドpCLEIZ1、pCLBWY1の両
方を制限酵素BglIIで分解した後、よく混合し、同様に
形質転換を行った。
【0086】(2) 各種Candida utilis形質転換体の培
養 シクロヘキシミド耐性で選択されたクローンのうち、色
相の濃いものを選抜し、シクロヘキシミド 40 μg/mlを
含むYPD培地(1%酵母エキス、2%ペプトン、2%グ
ルコース)10mlを含む試験管で、30°C、150rpmで
48〜72時間、前培養を行い、さらに同培地100 mlを
含むイボ付きコルベン (500ml)に移し、さらに60〜7
2時間、本培養を行った後、定常期に達した菌体を得
た。菌体を遠心分離により集菌後、水で洗浄した後、凍
結乾燥を行った。得られた乾燥菌体の重量を測定した
後、乾燥菌体は、以下の実験に用いるまで遮光下、-8
0°Cで保存した。
【0087】(3) 生産されたカロテノイド色素の同定
および定量 乾燥菌体に2mlの0.45 M Sorbitol, 25 mM EDTA (pH8.
0)を加えて懸諾した。次に100 μlのZymolyase 100T (2
5mg/ml) (キリンビール)を加えて、30。Cで60分保温し
た。さらに、溶液にグラスビーズ (425-600 microns, A
cid-Washed, SIGMA)を加え、3分間ボルテックスした後
に、10 mlのアセトンを加えて1分間ボルテックスをし
た。上清を新しい容器に移した。残った沈殿物に10 ml
の石油エーテルを加えて1分間ボルテックスを行い、上
清を、先程アセトン抽出の上清を加えた容器に加えた。
この石油エーテル抽出を色素が抽出されなくなるまで繰
り返した。抽出溶液を5,000rpm 5分間遠心分離し、2
層に別れた上層をロータリーエバポレーターで乾燥させ
た。乾燥色素を10 mlのクロロフォルムで溶解した後、
高速液体クロマトグラフィー (HPLC) により、色素の同
定及び定量を行った。HPLCの条件は、カラムとして、ノ
バパックHR 6μ C18 (3.9 X 300 mm) (ウォーターズ社
製) を用い、アセトニトリル/メタノール/2-プロパノ
ール (90/6/4)で展開した。この条件でのリコペン、
β-カロチン、アスタキサンチンの保持時間は、それぞ
れ、32分、63分、5.3分であった。色素の同定
は、この保持時間の一致と吸収スペクトルの一致により
行われた。色素の定量は、リコペン、β-カロチン、ア
スタキサンチンの標品(それぞれ、Sigma社、Sigma社、
Roche社から入手)を用いて作製されたHPLCのピーク面
積からの定量式により行われた。なお、アスタキサンチ
ンの同定、定量の場合には、前述したHPLCの条件では、
β-カロチン以降のアスタキサンチン生合成中間体のキ
サントフィル (4-ケトゼアキサンチン、フェニコキサン
チン等) が、アスタキサンチンのピークの近くに出てき
て、区別しにくくなる可能性がある。そこで、アスタキ
サンチンの同定、定量を行う時は、さらに、キサントフ
ィルの同定、定量に適した横山らの条件 (Yokoyama, A,
Miki, W., FEMS Microbiol. Lett. 128, 139-144, 199
5)に従ってHPLCを行うことにより、相当ピークがアスタ
キサンチンであることを確認した。
【0088】プラスミドpCLEBI13-2が導入されたCandid
a utilis形質転換体は、乾燥重量1gあたり760 μ g
(0.076%) のリコペン含量を生産していることがわかっ
た。これは、発明者らが先に行ったSaccharomyces cere
visiaeの形質転換体(crtE,crtB, crtIを、それぞれ、P
GK, GAP (GPD), GAL7のプロモーターを用いて発現させ
ている)によるリコペンの生産量である113 μg/g乾重
量(Yamano, S., Ishii, T., Nakagawa, M., Ikenaga,
H., Misawa, N., Metabolic engineering for producti
on of β-carotene and lycopene in Saccharomyces ce
revisiae. Biosci. Biotech. Biochem., 58, 1112-111
4, 1994)の7倍の値である。
【0089】また、合成遺伝子を有するリコペン生産用
プラスミpCLR1EBI-3が導入されたC.utilis形質転換体
(12-2株)は、乾燥重量1 gあたり1.1 mg (0.11%)
のリコペンを生産することがわかった。これは、pCLEBI
13-2が導入されたC. utilis形質転換体の1.5倍の値であ
った。また、同じく合成遺伝子を有するβ-カロチン生
産用プラスミドpCRAL10EBIY-3が導入されたC. utilis形
質転換体は、乾燥重量1 gあたり790 μ g (0.079%)の
β-カロチンを生産することがわかった。
【0090】さらに、合成遺伝子を有するアスタキサン
チン生産用プラスミドpCLBWY1、pCLEIZ1の両方が導入さ
れたC. utilis形質転換体は、主要カロテノイドとし
て、アスタキサンチンとβ-カロチンを生産することが
わかった。乾燥重量1 gあたりの生産量は、それぞれ、
アスタキサンチン 340μg (0.034%) 、β-カロチン 36
0μg (0.036%) であった。アスタキサンチンの生産量
は、現在、実際に商業生産に使われている同色素を生産
する酵母Phaffia rhodozymaの野性株の値 (0.02〜0.03
%) (Johnson, E. A., An, G.-H., Critical Reviews in
Biotechnol. 11,297-326, 1991) より若干高かった。
【0091】尚、上記のpCLBWY1、pCLEIZ1の両プラスミ
ドを導入したCandida utilis IFO 0988株 (ATCC9950)
は、0988 (pCLBWY1、pCLEIZ1)と命名し、工業技術院生
命工業技術研究所に、平成9 年2 月25日付けでFERM BP-
5839として寄託した。
【0092】〔実施例7〕 Candida utilisから3-ヒド
ロキシ-3メチルグルタリルコエンザイム Aレダクターゼ
遺伝子のクローニング (1) 部分長hmg1の取得 特開平8-173170(0105)で示した方法に従って、Candid
a utilis IFO 0988 (ATCC9550株)の染色体DNAを調製し
た。
【0093】この染色体DNAを鋳型として、ヒドロキシ-
3メチルグルタリル-コエンザイム A(HMG-CoA)レダクタ
ーゼ遺伝子hmg1の一部を含むDNA断片をPCR法により取得
した。プライマーとして、図37に示したSaccharomyces
serevisiaeのHMG-CoA レダクターゼ遺伝子(Anderson,
M. S., Muehlbacher, M., Street, I. P., Proffitt,J.
Poulter, C. D., J. Biol. Chem. 264, 19169-19175,
1989)の807から814番目までのアミノ酸配列 GDAMGMNM
をコードすると考えられる塩基配列に対応するプライマ
ー:5'-GGTGAYGCHATGGGTATGAACAT-3' 、および、同じく
951から959番目までのアミノ酸配列 MPSIEVGIをコード
すると考えられる塩基配列の相補的な塩基配列に対応す
るプライマー:5'-GTACCVACCTCGATNSWTGGCAT-3' を用い
た(YはC或いはTの配列を示す。HはA、C或いはTの
配列を示す。VはA、C或いはGの配列を示す。NはA、
C、G或いはTの配列を示す。SはC或いはGの配列を示
す。WはA 或いはTの配列を示す)。
【0094】PCR反応はLA PCRキットVer.2 (宝酒造)を
用いて、30サイクル行い、約500bpのDNA断片を得た。
得られたDNA断片はpT7Blue T-Vector (Novagen)にDNA L
igation kit Ver.2 (宝酒造)を用いて結合し、プラスミ
ドpTH5を構築した。得られたpTH5の挿入断片部分につい
て,アプライドバイオシステムズ (株) の蛍光プライマ
ーサイクルシークエンスキットを用いてシークエンス反
応を行い、自動DNAシークエンサーを用いて塩基配列を
決定した。塩基配列から推定されるアミノ酸配列6種類
のうち一つがS. serevisiaeのHMG-CoA リダクターゼ遺
伝子 (hmg1)のアミノ酸配列と67%のホモロジーが観察さ
れた。
【0095】次に、pTH5よりC. utilisのhmg1の一部を
含むDNA断片をKpnI、AccIで処理して、約500 bpのDNA断
片として取り出した。特開平8-173170 (0111)で得られ
たC. utilis染色体DNAライブラリーを用いて、約100,00
0コロニーについて、Molecular Cloning 2nd edition
(Sambrook et.al., Cold Spring Harbor Laboratory, 1
989) の p12.21-23に従ってフィルターを作製し、pTH5
より調製したC. utilisのhmg1の一部を含む約500 bpのD
NA断片、KpnI-AccI断片を32P標識し、これをプローブと
してスクリーニングを行った。その結果、8個のポジテ
ィブクローンと思われるクローンが得られた。得られた
クローンのうち一つを選び出してBamHI処理して約4.5 k
bのDNA断片として取り出し、BluescriptII SK-のBamHI
に組み込んでpBH-6を構築した。同様にBluescriptII KS
+のBamHIに組み込んでpHK-8を構築した。
【0096】(2) pBH-6とpHK-8のhmg1を含むDNA断片の
塩基配列決定 pBH-6とpHK-8はApaIとSalIで処理して、double-strande
d Nested Deletion Kit (ファルマシア バイオテク)を
用いて欠失変異体を作製することにより、種々の欠失変
異を持つプラスミドを作製し、4,307 bpからなるBamHI
断片の塩基配列を決定した。塩基配列より推定されるア
ミノ酸配列を用いて、S. cerevisiaeのHMG-CoAレダクタ
ーゼのアミノ酸配列との比較を行ったところ、pBH-6、p
HK-8ともに、HMG-CoAレダクダーゼ遺伝子の3’末端約2
50 bpが含まれていなかった。
【0097】(3) hmg1の3’領域のクローニング 特開平8-173170 (0111)で得られたC. utilis染色体DNA
ライブラリーを鋳型としてhmg1の3’領域をPCR法で取
得した。プライマーとして、プラスミドpBH-6とpHK-8の
塩基配列の+2032から+2061に対応する塩基配列(配列番
号2)と、その5'側にGGGとEcoRI部位のGAATTCを結合さ
せたプライマー:5'-GGGGAATTCAAGAAAGCCTTCAACTCTACTT
CCAGATTT-3' と特開平8-173170 (0111)で得られたC. ut
ilis染色体DNAライブラリーに使用しているベクターで
あるpBR322のBamHI部位から5から34残基離れた部位に対
応する塩基配列と相同のプライマー:5'-GACTACGCGATCA
TGGCGACCACACCCGTC-3'を用いた。
【0098】PCRはLA PCRキットVer.2 (宝酒造)を使
い、30サイクル行った。PCR合成したDNA断片はpT7Blu
e T-Vector (Novagen)にDNA Ligation kit Ver.2 (宝酒
造)を使い結合し、プラスミドpHMG-B1, pHMG-B2, pHMG-
B3, pHMG-B7を構築した。得られたプラスミドの挿入断
片部分について塩基配列を決定した結果、すべて同じ塩
基配列からなり、得られたプラスミドは全てhmg1の3'末
端を含んでいた。以上の結果から、C. utilisの全長のH
MG-CoA レダクターゼ遺伝子(hmg1)のクローニングに
成功した。
【0099】配列番号3に、C. utilisのHMG-CoA レダ
クターゼ(全長)のアミノ配列を示す(矢印のところか
ら始まるのが配列番号1のコア酵素部分である。ただ
し、矢印のRはMに変換されている。)。また、配列番号
4に、C. utilisのHMG-CoA レダクターゼ遺伝子の塩基
配列、およびコードされるタンパク質のアミノ酸配列を
示す(矢印のところから始まるのが配列番号2のコア酵
素部分である。ただし、矢印のRはMに、CGTはATGに変換
されている。)。
【0100】C. utilisのhmg1には、2,805 bpからなる
オープンリーディングフレームが存在した。それから推
定される遺伝子産物である酵素のアミノ酸配列につい
て、S.cerevisiaeのHMG-CoAレダクターゼタンパク質と
の相同性を調べた。その結果、全配列領域では、C. uti
lisとS. cerevisiae間で52.2%のホモロジーが観察され
た。また、C. utilisのHMG1タンパク質におけるアミノ
酸配列477残基以降の領域と、S. cerevisiaeのHMG1タン
パク質におけるアミノ酸配列573残基以降の領域におけ
るアミノ酸配列の相同性は75.5%と比較的高いものであ
った。この領域は、HMG-CoAレダクターゼのコア酵素部
分であると考えられる。
【0101】〔実施例8〕 hmg1高発現用プラスミドの
構築 実施例1で示したプラスミドpGAPPT10を用いてCandida
utilisの染色体中に導入されてhmg1を高発現するような
ベクターを構築した(図38参照)。まず、PCR法によ
り、hmg1の447アミノ酸から934アミノ酸までをコードし
ているDNA断片を取得した。プライマーとして、配列番
号4の塩基配列+1339から+1368に対応する配列と、その
5'側に開始コドンであるATGを、その開始コドンの5'
側にNheI部位を、そのNheI部位の5'側に塩基配列GGGを
持つようにデザインしたプローブ:5'-GGGGCTAGCATGATC
CATACCACAAGATTGGAGGATGCAATC-3'と、配列番号4の終始
コドンを含む塩基配列+2779と+2805の間の塩基配列の相
補鎖に対応する配列と、その5'側にBglII部位を、そのB
glII部位の5'側に塩基配列GGGを持つようにデザインし
たプローブ:5'-GGGAGATCTTGCTTATTTCTTAGCAGCGGCTCTGT
TGTG-3'を用いた。PCRはLA PCRキットVer.2 (宝酒造)を
使い、30サイクル行った。
【0102】得られたDNA断片をNheIとBglIIで消化後、
pGAPPT10のXbaI-BamHI部位に挿入して、プラスミドpChG
を作製した。
【0103】次に、特開平8-173170 (0112)で構築したp
CRE2よりApaI処理して、1.2 kbのrDNA断片をプラスミド
pBluescript SK-に挿入したプラスミドpCRA1を構築し
た。次に、pCRA1のAspI部位をNotI部位に改変したプラ
スミドpCRA3を構築した。さらに、このpCRA3をNotI消化
後、122 kbのrDNA断片を単離し、pChGをNotI処理後、脱
リン酸化したものと結合し、プラスミドpChGRを作製し
た。
【0104】さらに、特開平8-173170(0216)で構築した
pGKHPT1よりNotI消化後、ハイグロマイシン耐性遺伝子
であるL41タンパク質をコードしている3.2 kbの断片を
取り出し、pChGRをNotI処理後、脱リン酸化したものと
結合することにより、目的とするプラスミドpChGRHを構
築した。なお、このpChGRHを導入したE. coli JM 109
は、JM109 (pChGRH)と命名し、工業技術院生命工業技術
研究所に、平成9 年2 月25日付けでFERM BP-5837として
寄託した。
【0105】〔実施例9〕 hmg1 高発現用プラスミド
のCandida utilisへの導入および色素定量 実施例8で得たプラスミドpChGRHをBglII処理したもの
を用いて、特開平8-173170の実施例11の方法に従って、
実施例6で得られた合成遺伝子を有するリコペン生産用
プラスミドpCLR1EBI-3が導入されたC. utilis形質転換
体であるリコペン蓄積株(12-2株)の形質転換を行っ
た。パルス条件は25μFで抵抗値を1,000オームと800オ
ーム、電圧を5 kV/cmと4 kV/cmの計4種類で行った。用
いたpChGRHは一つの条件で5 μgを用いた。電気パルス
後の培養は10時間行い、シクロヘキシミド40μg/ml、ハ
イグロマイシン800 μg/mlを含むYPD寒天培地上にプレ
ーティングし、30。Cで1週間培養した。その結果、濃い
赤色を示すコロニーが得られた。これらの濃い赤色コロ
ニーには、pChGRHとpCLR1EBI-3との両プラスミドが導入
されていた。また、この両プラスミドを導入したCandid
a utilis IFO 0988株 (ATCC9950) は、0988(pChGRH, pC
LR1EBI-3)と命名し、工業技術院生命工業技術研究所
に、平成9 年2 月25日付けでFERM BP-5838として寄託し
た。
【0106】これらの得られた濃い赤色コロニーより3
株(h-3, h-8, h-17と呼ぶ)を選んで、シクロヘキシミ
ド40μug/ml、ハイグロマイシン800 μg/mlを含むYPD培
地200 mlが入っている500 mlの坂口フラスコで培養し
た。培養条件は30。Cで120 rpmで振とう培養であった。
得られた培養液90 mlを用い、5000 rpm、4。C、5分間
遠心して上清を取り除いた。得られた菌体を-80。 Cで凍
結し、その後に凍結乾燥器で凍結乾燥を行った。得られ
た乾燥菌体の重量を測定した。
【0107】次に、実施例6 (3)「カロテノイド色素の
同定および定量」に示された方法に従って、乾燥菌体か
らリコペンを精製し、リコペンの定量を行った。この結
果を図39に示した。コントロール (12-2) の0.11%に比
べ、C. utilisのHMG-CoA レダクターゼのコア酵素部分
(触媒領域)をコードする遺伝子が導入された株は、4
倍量のリコペンを生産することができた。h-3株では、
リコペンの生産量は、乾重量1gあたり4.5 mg/ml (0.45
%) に達した。実施例では、リコペンの例のみを示す
が、同様に、C. utilisのHMG-CoA レダクターゼのコア
酵素部分(触媒領域)をコードする遺伝子を導入するこ
とによって、アスタキサンチンやβ-カロチンの生産量
を増量させることが可能である。
【0108】
【発明の効果】本発明によれば、カロチノイド生産の増
量に有用な遺伝子が提供される。当該遺伝子をカロチノ
イド合成遺伝子群とともに酵母に導入し、同時に発現さ
せることにより、有用なカロチノイドを大量に生産する
ことができる。
【0109】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:489 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列
【0110】配列番号:2 配列の長さ:1470 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列
【0111】
【0112】
【0113】配列番号:3 配列の長さ:934 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列
【0114】
【0115】配列番号:4 配列の長さ:2820 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列
【0116】
【0117】
【0118】
【0119】
【図面の簡単な説明】
【図1】 イソプレノイドの生合成経路を示す。
【図2】 植物常在細菌Erwiniaおよび海洋細菌Agrobac
terium aurantiacumのカロテノイド生合成遺伝子の機能
を示す。
【図3】 カロテノイド生合成遺伝子全合成に用いたPC
R法の説明図を示す。
【図4】 プラスミドpCLEBI13-2の作製法を示す。
【図5】 全合成されたcrtE遺伝子の塩基配列とコード
されるアミノ酸配列を示す。
【図6】 全合成されたcrtE遺伝子の塩基配列とコード
されるアミノ酸配列(続き)を示す。
【図7】 全合成されたcrtE遺伝子の塩基配列とコード
されるアミノ酸配列(続き)を示す。
【図8】 全合成されたcrtB遺伝子の塩基配列とコード
されるアミノ酸配列を示す。
【図9】 全合成されたcrtB遺伝子の塩基配列とコード
されるアミノ酸配列(続き)を示す。
【図10】 全合成されたcrtB遺伝子の塩基配列とコー
ドされるアミノ酸配列(続き)を示す。
【図11】 全合成されたcrtI遺伝子の塩基配列とコー
ドされるアミノ酸配列を示す。
【図12】 全合成されたcrtI遺伝子の塩基配列とコー
ドされるアミノ酸配列(続き)を示す。
【図13】 全合成されたcrtI遺伝子の塩基配列とコー
ドされるアミノ酸配列(続き)を示す。
【図14】 全合成されたcrtI遺伝子の塩基配列とコー
ドされるアミノ酸配列(続き)を示す。
【図15】 全合成されたcrtY遺伝子の塩基配列とコー
ドされるアミノ酸配列を示す。
【図16】 全合成されたcrtY遺伝子の塩基配列とコー
ドされるアミノ酸配列(続き)を示す。
【図17】 全合成されたcrtY遺伝子の塩基配列とコー
ドされるアミノ酸配列(続き)を示す。
【図18】 全合成されたcrtZ遺伝子の塩基配列とコー
ドされるアミノ酸配列を示す。
【図19】 全合成されたcrtZ遺伝子の塩基配列とコー
ドされるアミノ酸配列(続き)を示す。
【図20】 全合成されたcrtW遺伝子の塩基配列とコー
ドされるアミノ酸配列を示す。
【図21】 全合成されたcrtW遺伝子の塩基配列とコー
ドされるアミノ酸配列(続き)を示す。
【図22】 化学合成した各種DNAセグメントを示す。
【図23】 化学合成した各種DNAセグメントを示す。
【図24】 化学合成した各種DNAセグメントを示す。
【図25】 crtE遺伝子の合成のためのPCR用プライマ
ーを示す。
【図26】 crtB遺伝子の合成のためのPCR用プライマ
ーを示す。
【図27】 crtI遺伝子の合成のためのPCR用プライマ
ーを示す。
【図28】 crtI遺伝子の合成のためのPCR用プライマ
ーを示す。
【図29】 crtY遺伝子の合成のためのPCR用プライマ
ーを示す。
【図30】 crtY遺伝子の合成のためのPCR用プライマ
ーを示す。
【図31】 crtZ遺伝子の合成のためのPCR用プライマ
ーを示す。
【図32】 crtW遺伝子の合成のためのPCR用プライマ
ーを示す。
【図33】 プラスミドpCLR1EBI-3の作製法を示す。
【図34】 プラスミドpCRAL10EBIY-3の作製法を示
す。
【図35】 プラスミドpCLEIZ1の作製法を示す。
【図36】 プラスミドpCLBWY1の作製法を示す図。
【図37】 Saccharomyuces cerevisiaeのHMG-CoA レ
ダクターゼ (全長)のアミノ酸配列を示す。
【図38】 プラスミドpChGRHの作製法を示す。
【図39】 各種リコペン生産株のリコペン生産量を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:01) (C12N 1/19 C12R 1:72) (C12P 7/04 C12R 1:72) (72)発明者 近藤 恵二 神奈川県横浜市金沢区福浦1−13−5 麒 麟麦酒株式会社基盤技術研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a)又は(b)のペプチドをコ
    ードする遺伝子: (a)配列番号1記載のアミノ酸配列からなるペプチ
    ド。 (b)配列番号1記載のアミノ酸配列において1もしく
    は数個のアミノ酸が付加、欠失もしくは置換されたアミ
    ノ酸配列からなり、かつHMG-CoA レダクターゼ活性を有
    するペプチド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の遺伝子をカロチノイド
    生合成遺伝子とともに酵母に導入し、該酵母を培地に培
    養して培養物からカロチノイドを得ることを特徴とす
    る、カロチノイドの製造法。
  3. 【請求項3】 酵母がCandida utilisである請求項2記
    載のカロチノイドの製造法。
  4. 【請求項4】 カロチノイド生合成遺伝子がファルネシ
    ルピロリン酸からカロチノイドを合成するのに必要とさ
    れる遺伝子群である、請求項2記載の製造法。
  5. 【請求項5】 カロチノイド生合成遺伝子を、酵母Cand
    ida utilisに導入し発現させることを特徴とする、カロ
    チノイドの製造法。
  6. 【請求項6】 カロチノイド生合成遺伝子がファルネシ
    ルピロリン酸からカロチノイドを合成するのに必要とさ
    れる遺伝子群である請求項5記載の製造法。
  7. 【請求項7】 カロチノイドがアスタキサンチン、リコ
    ペンまたはβ-カロチンである請求項2〜6記載のカロ
    チノイドの製造法。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の遺伝子およびカロチノ
    イド生合成遺伝子を導入した酵母。
  9. 【請求項9】 Candida utilisである請求項8記載の酵
    母。
JP9058012A 1997-03-12 1997-03-12 カロチノイド生産の増量に有用な遺伝子、およびカロチノイドの製造法 Pending JPH10248575A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9058012A JPH10248575A (ja) 1997-03-12 1997-03-12 カロチノイド生産の増量に有用な遺伝子、およびカロチノイドの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9058012A JPH10248575A (ja) 1997-03-12 1997-03-12 カロチノイド生産の増量に有用な遺伝子、およびカロチノイドの製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10248575A true JPH10248575A (ja) 1998-09-22

Family

ID=13072067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9058012A Pending JPH10248575A (ja) 1997-03-12 1997-03-12 カロチノイド生産の増量に有用な遺伝子、およびカロチノイドの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10248575A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6284506B1 (en) 1998-05-06 2001-09-04 Roche Vitamins Inc. 3-Hydroxy-3-methylglutaryl-CoA reductase polynucleotides in isoprenoid production
EP0955363A3 (en) * 1998-05-06 2004-01-28 F. Hoffmann-La Roche Ag Dna sequences encoding enzymes involved in production of isoprenoids
US6869773B2 (en) 1999-12-01 2005-03-22 Dsm Nutritional Products, Inc. Process for the manufacture of carotenoids and biologically useful materials thereof
WO2012169623A1 (ja) * 2011-06-10 2012-12-13 国立大学法人 千葉大学 炭素数50のカロテノイドの製造方法
CN109777815A (zh) * 2019-03-28 2019-05-21 昆明理工大学 HMG-CoA合成酶基因RKHMGCS及其应用

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6284506B1 (en) 1998-05-06 2001-09-04 Roche Vitamins Inc. 3-Hydroxy-3-methylglutaryl-CoA reductase polynucleotides in isoprenoid production
EP0955363A3 (en) * 1998-05-06 2004-01-28 F. Hoffmann-La Roche Ag Dna sequences encoding enzymes involved in production of isoprenoids
US6869773B2 (en) 1999-12-01 2005-03-22 Dsm Nutritional Products, Inc. Process for the manufacture of carotenoids and biologically useful materials thereof
WO2012169623A1 (ja) * 2011-06-10 2012-12-13 国立大学法人 千葉大学 炭素数50のカロテノイドの製造方法
CN109777815A (zh) * 2019-03-28 2019-05-21 昆明理工大学 HMG-CoA合成酶基因RKHMGCS及其应用
CN109777815B (zh) * 2019-03-28 2021-10-29 昆明理工大学 HMG-CoA合成酶基因RKHMGCS及其应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5429939A (en) DNA sequences useful for the synthesis of carotenoids
Álvarez et al. The crtS gene of Xanthophyllomyces dendrorhous encodes a novel cytochrome-P450 hydroxylase involved in the conversion of β-carotene into astaxanthin and other xanthophylls
KR100626511B1 (ko) 이소프레노이드의 향상된 생산 방법
EP0955363A2 (en) Dna sequences encoding enzymes involved in production of isoprenoids
US6821749B1 (en) Methods of producing carotenoids using DNA molecules encoding isopentenyl pyrophosphate isomerase
WO1991013078A1 (en) Biosynthesis of carotenoids in genetically engineered hosts
CN109777815B (zh) HMG-CoA合成酶基因RKHMGCS及其应用
WO2006091924A2 (en) Producing carotenoids
CA2996711C (en) Method of fermentative alpha-ionone production
US7074587B2 (en) Astaxanthin synthase
CN106801028B (zh) 产高含量玉米黄素或虾青素工程菌及其应用
KR20190079575A (ko) 세포 소기관이 변이된 재조합 효모 및 이를 이용한 아이소프레노이드 생산 방법
JPH10248575A (ja) カロチノイド生産の増量に有用な遺伝子、およびカロチノイドの製造法
US20050124031A1 (en) Biosyntheticse genes of blakeslea trispora beta-carotene that code for lycopene cyclase/phytoene synthase (carrp) and phytoene dehydrogenase (carb)
CN112608936A (zh) 调控酵母外源基因表达的启动子,调控方法及其应用
US7422873B2 (en) Mutant carotenoid ketolase
CN115074410A (zh) 一种生物合成虾青素的方法及载体
JP3874897B2 (ja) β−カロチンハイドロキシラーゼ遺伝子およびその使用
RU2794980C1 (ru) Модифицированная нуклеотидная последовательность, кодирующая полипептид, обладающий активностью фитоен синтазы и геранилгеранилпирофосфат синтазы (варианты), ее использование при конструировании трансформантов дрожжей Yarrowia lipolytica, продуцирующих каротиноиды
JP3403381B2 (ja) カロチノイドの生成増大方法
KR102646404B1 (ko) 레티노익산의 미생물 생합성
CN116396877B (zh) 产玉米黄质的解脂耶氏酵母菌及其应用
WO2022102595A1 (ja) 形質転換体並びにそれを用いるカロテノイド組成物の製造方法
CN116445517A (zh) 一种分泌型糖蛋白及其在甾体激素细胞工厂中的应用