JP3403381B2 - カロチノイドの生成増大方法 - Google Patents
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Description
において、カロチノイド含量を増量させるDNA鎖を使用
することに関するものである。
常、炭素鎖が40のイソプレン骨格からなる自然界に豊富
に存在する天然色素の総称である。現在までに、約600
種類のカロチノイドが単離、同定されている [Key to C
arotenoids. Basel・Boston, Birkhauser, 1987. (Pfan
der, H. ed.) 参照] 。カロチノイドは、ステロイドや
テルペノイドと途中まで共通なイソプレノイド生合成経
路によって合成される。イソプレン基本生合成経路によ
り、ヒドロキシメチルグルタリル-CoA(HMG-CoA)は、
メバロン酸を経て、C5のイソペンテニルピロリン酸(IP
P)に変換され、IPPは異性化反応によりジメチルアリル
ピロリン酸(DMAPP)に変換される。さらに、DMAPPは、
C5のIPPと順次、縮重合することにより、C10のゲラニル
ピロリン酸(GPP)、C15のファルネシルピロリン酸(FP
P)、C20のゲラニルゲラニルピロリン酸(GGPP)という
ふうに、炭素数を5つづつ延ばしていくのである(図
1)。
イソプレン基本生合成経路から分岐する。すなわち、2
分子のGGPPが縮合して、最初のカロチノイドである無色
のフィトエン(phytoene)が合成される。フィトエンは
不飽和反応によりリコペン(lycopene)に変換され、さ
らに、リコペンは環化反応によりβ-カロチン(β-caro
tene)に変換される。そして、β-カロチンに水酸基や
ケト基などが導入され、ゼアキサンチン(zeaxanthin)
やアスタキサンチン(astaxanthin)などの種々のキサ
ントフィルが合成される。
Erwinia uredovoraのカロチノイド生合成遺伝子群を、
その黄色の色調を指標に大腸菌にクローニングし、これ
らの遺伝子の機能を明らかにした後、これらの遺伝子の
いろいろな組み合わせを導入、発現させることにより、
大腸菌、酵母などの微生物に、フィトエン、リコペン、
β-カロチン、ゼアキサンチンなどを生産させることを
可能にした(図2参照): [Misawa, N., Nakagawa,
M., Kobayashi, K., Yamano, S., Izawa, Y., Nakamur
a, K., Harashima K., "Elucidation of the Erwinia u
redovora carotenoid biosynthetic pathway by functi
onal analysis of gene products expressed in Escher
ichia coli". J. Bacteriol., 172, p.6704-6712, 199
0、及び、Misawa, N., Yamano, S., Ikenaga, H., "Pro
duction of β-carotene in Zymomonas mobilis and Ag
robacterium tumefaciens by introduction of the bio
synthesis genes from Erwinia uredovora". Appl. Env
iron. Microbiol., 57, p.1847-1849, 1991 、及び、Ya
mano, S., Ishii, T., Nakagawa, M., Ikenaga, H., Mi
sawa, N., "Metabolic engineering for production of
β-carotene and lycopene in Saccharomyces cerevis
iae". Biosci. Biotech. Biochem., 58, p.1112-1114,
1994 、及び、本発明者らによる特許出願特開平3-58786
号公報(特願平2-53255号明細書):「カロチノイドの
合成に有用なDNA鎖」参照] 。すなわち、Er. uredovora
のカロチノイド生合成遺伝子群により FPPからカロチ
ノイドを合成することができるが、FPPは、カロチノイ
ドだけでなく、ステロイドやテルペノイドの共通の基質
であるので、カロチノイドを合成できない微生物でも、
FPPは有している。したがって、たとえば、FPPから β-
カロチンの生合成に必要な4つのcrt遺伝子、crtE, crt
B, crtI, crtYを導入すると、その導入された微生物は
β-カロチンを産生するようになる(図2参照)。さら
に、発明者らは、同様の手法により、海洋細菌 Agrobac
terium aurantiacum のカロチノイド生合成遺伝子群を
大腸菌にクローニングし、これらの遺伝子と上記のEr.
uredovoraのカロチノイド遺伝子のいろいろな組み合わ
せを発現させることにより、大腸菌などの微生物に、さ
らに、アスタキサンチン、カンタキサンチンなどを生産
させることも可能にした(図3参照):(三沢典彦ら、
「遺伝子レベルでのアスタキサンチン生合成経路の解
明」第36回天然有機化合物討論会講演要旨集p.175-180,
1994)。前述したカロチノイドの中でも、特に、アスタ
キサンチン、ゼアキサンチン、β-カロチンは、赤色や
黄色の天然着色料として、癌予防や免疫賦活活性やプロ
ビタミンA活性を有する栄養価改善剤として、食用や飼
料用にすでに実用化され、有望視されているものであ
る。したがって、発明者らが取得したカロチノイド生合
成遺伝子を用いることによって、これらを外来遺伝子と
して遺伝子工学的手法により大腸菌などの微生物を形質
転換し発現させることによって、大腸菌などの微生物
に、これらの有用カロチノイドの生合成能を付与するこ
とが可能となった。これまでは、有用カロチノイドの微
生物生産を行うためには、そのカロチノイドを十分量合
成できる微生物を探し、培養条件の検討や突然変異処理
などによって、その生産量を上げることを試みることぐ
らいしか検討できることはなかった。発明者らの研究に
より、生産菌となる微生物のカロチノイド合成能の有無
にかかわりなく、増殖が容易でしかも速く、たとえ食用
として用いても安全性が保証されているような微生物
を、カロチノイド生産のための宿主として選ぶことがで
きるようになった。もちろん、最初から有用カロチノイ
ドを十分量合成できるような微生物を宿主として用い、
Er.uredovora やAg.aurantiacum のカロチノイド生合成
遺伝子の導入により、その生産量をさらに上げたり、最
終カロチノイド産物を変換したりすることも可能であ
る。たとえば、最終産物としてβ-カロチンを合成でき
る微生物に、Ag.aurantiacumのcrtW とcrtZ遺伝子を導
入し、発現させることにより、アスタキサンチンを最終
産物として生産する微生物に変換することが可能となっ
た。
は、有機合成法によっても合成される。有機合成法にお
いては、これらのカロチノイドが飼料や食品添加剤とし
て用いられることを考慮すると、反応時に生ずる副生成
物等の面で問題が残り、また、消費者の天然物嗜好にも
反している。しかしながら、価格的には、従来の発酵法
によるカロチノイド生産は有機合成法に勝てないのが現
状であった。すでに述べてきたように、上記のカロチノ
イド生合成遺伝子の利用により、発酵法によるカロチノ
イドの生産法を改善することが可能であり、そのことに
より、価格的に有機合成法に対抗することが可能になる
と考えられるが、その成否は、微生物に蓄積するカロチ
ノイドの含量をどこまで上げられるかということにかか
っているのである。それゆえ、微生物によるカロチノイ
ドの生産において、カロチノイド含量を増量させるよう
な技術が望まれていた。
において、カロチノイドの合成量を増量させるための手
段としては、NTGなどの突然変異剤によるランダムミュ
ーテーションにより、カロチノイド含量が増量した変異
株を選抜するという伝統的方法しかなかった。しかし、
この方法は技術者の多大の時間と労力を必要とし、しか
も、カロチノイドの合成量の増量に成功したとしても、
理論的裏付けが無いので、その後、頻繁に起こる回帰自
然突然変異によるカロチノイド含量の減少を食い止める
のにも多大の時間と労力を必要としたのである。
生物によるカロチノイドの生合成において、その生産量
を増量させることにある。
解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、たった1種類の遺
伝子を含むDNA鎖をカロチノイド産生微生物に導入し、
発現させることにより、その微生物のカロチノイド生産
量を数倍上げることができる技術を開発した。すなわ
ち、本発明者らは、タンパク質のアミノ酸配列が、実質
的に、IPPからDMAPPの変換を触媒する酵素であるIPPイ
ソメラーゼをコードする遺伝子を含むDNA鎖を、Er.ured
ovoraなどのカロチノイド合成遺伝子を有する大腸菌な
どの微生物に導入すると、リコペン、β-カロチンなど
のカロチノイド含量がコントロールの1.5〜4.5倍に増量
することを見い出し、本発明を完成するに至った。な
お、タンパク質のアミノ酸配列が、実質的に、IPPからD
MAPPの変換を触媒する酵素であるIPPイソメラーゼをコ
ードする遺伝子は、アスタキサンチン産生微生物である
Phaffia rhodozymaやHaematococcus pluvialisなどから
得られた。
のカロチノイドの生成増大方法である。 (1) イソペンテニルピロリン酸(IPP)イソメラ
ーゼ活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列を
含むDNA鎖を、カロチノイド産生微生物に導入して該
形質転換微生物を培地で培養することを特徴とする、カ
ロチノイドの生成増大方法。 (2) イソペンテニルピロリン酸(IPP)イソメラ
ーゼ活性を有するポリペプチドが、以下の(a)又は
(b)のポリペプチドである、上記(1)のカロチノイ
ドの生成増大方法。 (a)配列番号1、2又は3に示したアミノ酸配列を有
するポリペプチド (b)配列番号1、2又は3に示したアミノ酸配列にお
いて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
加されたアミノ酸配列を有するポリペプチド
チノイドの製造方法である。 (3) イソペンテニルピロリン酸(IPP)イソメラ
ーゼ活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列を
含むDNA鎖を、カロチノイド産生微生物に導入して該
形質転換微生物を培地で培養することを特徴とする、カ
ロチノイドの製造方法。 (4) イソペンテニルピロリン酸(IPP)イソメラ
ーゼ活性を有するポリペプチドが、以下の(a)又は
(b)のポリペプチドである、上記(3)のカロチノイ
ドの製造方法。 (a)配列番号1、2又は3に示したアミノ酸配列を有
するポリペプチド (b)配列番号1、2又は3に示したアミノ酸配列にお
いて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
加されたアミノ酸配列を有するポリペプチド
技術」の項で詳しく述べたように、非光合成土壌細菌Er
winia uredovoraおよび海洋細菌Agrobacterium auranti
acumなどのカロチノイド生合成遺伝子を導入することに
より、大腸菌などの微生物は、アスタキサンチン、ゼア
キサンチン、β-カロチン、リコペンなどの有用カロチ
ノイドを生産するようになる。一方、価格的に、有機合
成法に競合するためには、カロチノイドの生産量をでき
るだけ上げる必要がある。本発明によるIPPイソメラー
ゼ遺伝子(アミノ酸配列が実質的にIPPイソメラーゼで
あるポリペプチドをコードする遺伝子を含む)は、この
カロチノイドの生産量の増量に極めて有用である。現在
の進んだ遺伝子工学的手法により、外来遺伝子の発現レ
ベルを上げることにより、その外来遺伝子がコードする
タンパク質の生産量を上げることは比較的容易である。
しかしながら、いくらタンパク質の生産量を上げたとこ
ろで、そのタンパク質(酵素)が必要とする基質量が限
られていれば、カロチノイドなどのバイオケミカルズの
高生産には結びつかない。たとえば、カロチノイド合成
遺伝子群の発現レベルを向上させたところで、それらの
最初の基質であるFPPが細胞内に十分に無ければ、カロ
チノイドの高生産に結びつかない。今回、IPPイソメラ
ーゼ遺伝子を導入することによりカロチノイド生産量の
増量に成功したのは、そのことによりFPPまでの上流の
経路(図1参照)が太くなり、結果的にFPPの供給量が
増えることにより、カロチノイドの増量に結びついたと
考察することができる。しかしながら、本発明は、IPP
からDMAPP、または、DMAPPからIPPへの変換を触媒する
酵素であるIPPイソメラーゼ、または、IPPイソメラーゼ
と相同性を有するタンパク質をコードする遺伝子を、カ
ロチノイドを生産する大腸菌などの微生物に導入し、発
現させると、これらカロチノイドの生産量が増量される
ことを見いだしたことに端を発している。すなわち、E
r. uredovoraのカロチノイド生合成群の利用によりβ-
カロチンを産生する大腸菌を宿主として、Phaffiarhodo
zyma、Haematococcus pluvialis などのcDNA発現ライブ
ラリーを作製し、β-カロチン含量が増加することによ
り、黄色の色調が明るくなり橙色に近づいたコロニーが
出現したので、その大腸菌が有するプラスミドを分析し
た結果、Saccharomyces cerevisiaeのIPPイソメラーゼ
と高い相同性を有する遺伝子が存在することを見いだし
たのである。従来から、HMG-CoAからメバロン酸への反
応を触媒するHMG-CoAレダクターゼ(図1)がカロチノ
イドを含むテルペノイドの律速段階酵素かもしれないと
いう推察は存在していたが、IPPイソメラーゼについて
はそのような報告は無く、IPPイソメラーゼをコードす
る遺伝子を導入することにより、カロチノイドの生産量
が増量されるというのは新知見であった。
量を増量させる特性を有していてアミノ酸配列が実質的
にIPPイソメラーゼであるポリペプチドをコードする塩
基配列を含むDNA鎖、及び、このDNA鎖をカロチノイド産
生微生物に導入して該形質転換微生物を培地で培養し、
培養物のカロチノイド含量を増量させることを特徴とす
る、カロチノイドの製造法を提供するものである。本発
明によるDNA鎖は、前記(1)(2)に記載されるDNA鎖、また
はそれらとストリンジェントな条件下でハイブリダイズ
するDNA鎖である。
チドは、アミノ酸配列が実質的に配列番号1(図4、5で
はA〜B)、配列番号2(図6、7 ではC〜D)に示した配列
を有するものである。本発明において、これらのDNA鎖
によってコードされるポリペプチド(すなわちアミノ酸
配列が実質的にIPPイソメラーゼであるタンパク質)
は、前述のようなカロチノイド増量活性を有する限りア
ミノ酸のいくつかについて欠失、置換、付加等の変化が
あってもよい。このことは、「アミノ酸配列が実質的に
配列番号1、配列番号2に示した配列を有する」という
ことと対応している。たとえば、この酵素の第1番目の
アミノ酸(Met)が欠失しているものなどもこのアミノ
酸配列の変化によるポリペプチドないしは酵素に包含さ
れる。なお、各ポリペプチドをコードする本発明DNA鎖
は、配列番号1、2(図4, 5, 6, 7)に示したアミノ酸
配列をコードする塩基配列をもつものの他に、縮重コド
ンにおいてのみ異なる同一のポリペプチドをコードする
縮重異性体をも包含するものであることはいうまでもな
い。
を有するDNA鎖を取得する一つの手段は、核酸合成の方
法に従って、その鎖長の少なくとも一部を化学合成する
ことであるが、結合アミノ酸が多数であるということを
考えれば、この化学合成法よりもHaematococcus pluvia
lisまたはPhaffia rhodozymaなどのcDNAライブラリーを
大腸菌で作製し、このライブラリーから遺伝子工学の分
野で慣用されている方法、たとえば適当なプローブによ
るハイブリダイゼーション法、により、これを取得する
ほうが好ましいと言える。
子発現 上述のような本発明DNA鎖を、適当なカロチノイド産生
細菌(たとえば、Erwinia uredovoraのカロチノイド生
合成遺伝子群を含む大腸菌、Zymomonas mobis)やカロ
チノイド産生酵母(たとえば、Erwinia uredovoraのカ
ロチノイ ド生合成遺伝子群を含むSaccharomyces cere
visiae)などの微生物に導入することにより、カロチノ
イド含量を増量させることができる。
導入法の概要について記載したものである。大腸菌等の
微生物への外来遺伝子の導入および発現のための手順な
いし方法は、本発明において下記したところ以外のもの
においても、遺伝子工学の分野により慣用されているも
のを含み、その手法ないし方法(たとえば、"Vectorsfo
r cloning genes", Methods in Enzymology, 216, p.46
9-631, 1992, Academic Press、および、"Other bacter
ial systems", Methods in Enzymology, 204,p.305-63
6, 1991, Academic Press 参照)に準じて実施すればよ
い。
は、ハナハンの方法、ルビジウム法などすでに確立され
たいくつかの効率的方法があり、それを用いて行えばよ
い(たとえば、Sambrook, J., Fritsch, E. F., Mania
tis, T., "Molecular cloning-A laboratory manual."
Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989 参照)。
大腸菌での外来遺伝子の発現は常法に従って行えばよい
が(たとえば、前述の "Molecular cloning -A laborat
ory manual." 参照)、たとえば、pUC系やpBluescript
系等のlacのプロモーター等を有する大腸菌用ベクター
を用いて行うことができる。発明者等は、lacのプロモ
ーター等を有する大腸菌用ベクター pSPORT1またはpBlu
escript II KSを用いて、lacのプロモーターの転写のリ
ードスルーを受ける方向に、Haematococcus pluviali
s、Phaffia rhodozyma、Saccharomyces cerevisiaeのIP
Pイソメラーゼ遺伝子を挿入し、これらの遺伝子を大腸
菌で発現させた。
への外来遺伝子の導入法は、リチウム法などすでに確立
された方法があり、それを用いて行えばよい(たとえ
ば、秋山裕一監修バイオインダストリー協会編集、「酵
母のニューバイオテクノロジー」医学出版センター 刊
参照)。酵母での外来遺伝子の発現は、PGKやGPD等のプ
ロモーターおよびターミネーターを用いて、外来遺伝子
をこのプロモーターとターミネーターの間に転写のリー
ドスルーを受けるように挿入した発現カセットを構築
し、この発現カセットを、S. cerevisiae のベクター、
たとえば、YRp系(酵母染色体のARS配列を複製起点とす
る酵母用マルチコピーベクター)、YEp系(酵母の2μm
DNAの複製起点を持つ酵母用マルチコピーベクター)、
YIp系(酵母の複製起点を持たない酵母染色体組込み用
ベクター)等のベクターに挿入することにより行うこと
ができる(前述の「酵母のニューバイオテクノロジー」
医学出版センター刊、日本農芸化学会ABCシリーズ「物
質生産のための遺伝子工学」朝倉書店刊、および、Yama
no, S., Ishii, T., Nakagawa, M., Ikenaga, H., Misa
wa, N.,"Metabolic engineering for production of β
-carotene and lycopene in Saccharomyces cerevisia
e". Biosci. Biotech. Biochem., 58, P.1112-1114, 1
994参照)。
菌Zymomonas mobilisへの外来遺伝子の導入法は、グラ
ム陰性菌に共通な接合伝達法により行うことができ、Zy
momonas mobilisでの外来遺伝子の発現は、たとえばZym
omonas mobilis用ベクターpZA22を用いて行うことがで
きる(中村克己、「Zymomonas細菌の分子育種」、日本
農芸化学会誌, 63, p.1016-1018, 1989、および、Misaw
a, N., Yamano, S., Ikenaga, H., "Productionof β-c
arotene in Zymomonas mobilis and Agrobacterium tum
efaciens by introduction of the biosynthesis genes
from Erwinia uredovora". Appl. Environ. Microbio
l., 57, p.1847-1849, 1991参照)。
めの手法ないし方法によって、カロチノイド合成遺伝子
群およびIPPイソメラーゼ遺伝子を導入し、発現させる
ことことにより、多量のカロチノイドを生産できる微生
物を得ることが可能となる。ファルネシルピロリン酸
(FPP)はカロチノイドだけでなく、セスキテルペン、
トリテルペン、ステロール、ホパノールなどのテルペノ
イドと共通な基質である。一般に、微生物は、カロチノ
イドを合成できないものでも、テルペノイドは合成して
いるので、すべての微生物は、基本的に、中間代謝産物
として FPPを有しているはずである。一方、非光合成細
菌Erwinia uredovoraのカロチノイド合成遺伝子群は、F
PPを基質として、リコペン、β-カロチン、ゼアキサン
チンなどの有用カロチノイドまで合成させることが可能
であり、海洋細菌Agrobacteriumaurantiacumのカロチノ
イド合成遺伝子群と組み合わせることにより、カンタキ
サンチン、アスタキサンチンなどの有用カロチノイドま
で合成させることが可能である(図2および図3参
照)。発明者らは、大腸菌だけでなく前記した微生物、
すなわち、酵母Saccharomyces cerevisiae 、エタノー
ル生産細菌Zymomonas mobilis などにErwinia uredovor
aのcrt遺伝子群を導入し、これらの微生物が、予想どお
り、β-カロチンなどのカロチノイドを生産できるよう
になることを、すでに確認している [Yamano, S., Ishi
i, T., Nakagawa, M., Ikenaga, H., Misawa, N., "Met
abolic engineering for production of β-carotene a
nd lycopene in Saccharomyces cerevisiae". Biosci.
Biotech. Biochem., 58, P.1112-1114, 1994、Misawa,
N., Yamano, S., Ikenaga, H., "Production ofβ-car
otene in Zymomonas mobilis and Agrobacterium tumef
aciens by introductionof the biosynthesis genes fr
om Erwinia uredovora". Appl. Environ. Microbiol.,
57, p.1847-1849, 1991、および、本発明者らによる特
許出願特開平3-58786号公報(特願平2-53255号明細
書):「カロチノイドの合成に有用なDNA鎖」]。
ノイド合成遺伝子群や海洋細菌由来のカロチノイド合成
遺伝子群(典型的には、Ag. aurantiacus由来のカロチ
ノイド合成遺伝子群)を適当に組み合わせて同一の微生
物に同時に導入することにより、原理的には、遺伝子導
入発現系が確立しているすべての微生物に、アスタキサ
ンチン、ゼアキサンチンなどの有用カロチノイドを生産
させることが可能となるはずである。その際に、前述し
た方法により、IPPイソメラーゼ遺伝子(典型的には、H
aematococcus pluvialis、Phaffia rhodozyma、また
は、Saccharomyces cerevisiaeなどのIPPイソメラーゼ
遺伝子)を導入し、上記、カロチノイド合成遺伝子と同
時に発現させることにより、有用カロチノイドの生産量
を増量させることが可能となる。
スミドを含む大腸菌JM109 株は、工業技術院生命工学工
業技術研究所に下記の通りに寄託されている。括弧内は
プラスミドの名称である。 (i) JM109 (pRH1) 寄託番号:FERM BP-5032 受託年月日:平成7年3月6日 (ii) JM109 (pHP11) 寄託番号:FERM BP-5031 受託年月日:平成7年3月6日 (iii) JM109 (pSI1) 寄託番号:FERM BP-5033 受託年月日:平成7年3月6日
明するためのものであり、本発明を限定するものではな
い。なお、ここで用いられた通常の遺伝子組換え実験
は、特に言及されていない場合は、標準的な方法(Samb
rook, J., Fritsch, E. F.,Maniatis, T., "Molecular
cloning -A laboratory manual." Cold Spring Harbor
Laboratory Press, 1989)に基づいている。
can Type Culture Collection : ATCCに登録されている
ATCC 24230株を用いた。Ph. rhodozymaを培養する培地
として、YM培地(酵母エキス 0.3%、麦芽エキス 0.3
%、バクトペプトン 0.5%、グルコース 1%)を用い
た。アスタキサンチン産生緑藻Haematococcus pluviali
sは、財団法人 地球・人間環境フォーラム ( Global
Environmental Forum )に登録されている NIES-144 株
を用いた。Ha. pluvialisを培養する培地として、基本
培地(酵母エキス 0.2%、酢酸ナトリウム 0.12%、L
-アスパラギン 0.04%、塩化マグネシウム・六水和物
0.02%、硫酸第一鉄・七水和物 0.001%、塩化カルシ
ウム・二水和物 0.002%)を用い、20℃、12時間明(2
0 μE/m2・s)/12時間暗条件下で約4日間培養した。ま
た、Ha. pluvialisのアスタキサンチン合成を誘導する
ために、シスト化という、いわゆる分化を誘導しなけれ
ばならない。シスト化の誘導条件としては、酢酸を最終
濃度45 mM、硫酸第一鉄・七水和物を最終濃度450 μMに
なるように加え、20℃、光強度 125 μE/m2・sで約12時
間培養した。実験室酵母Saccharomyces cerevisiae は、
Yeast Genetic Stock Center に登録されているS288C株
を用いた。Sa. cerevisiaeを培養する培地として、YPD
培地(酵母エキス 1%、バクトペプトン 2%、グルコ
ース 2%)を用いた。
の調製Phaffia rhodozyma ATCC 24230株を400 mlのYM培地に植
菌して20℃、約24時間振盪培養した。培養液の濁度がOD
600=0.4になったところで菌体を集菌し、液化窒素で凍
結したものを-80℃の冷凍庫に保存して、これを全RNAの
調製の材料とした。凍結した菌体を氷上で融解した後、
6 mlのANEバッファー(10 mM 酢酸ナトリウム、100 mM
塩化ナトリウム、1 mM EDTA :pH 6.0)を加え懸濁し、
続いて界面上までガラスビーズを加えた。更に600 μl
の10% SDSと6 mlの65℃に温めたフェノールを加え、65
℃で5分間保温した。この際30秒毎にボルテックスを行
い、菌体を破砕した。保温後、室温まで素早く冷却して
1500×g、10分間、室温で遠心分離した。上層を抽出し
て等量のフェノールを加え、2分間ボルテックスを行
い、1500xg、10分間、室温で遠心分離した。続いて等
量のフェノール:クロロホルム(1:1)、クロロホルム
を用いて同上の操作を行った後、抽出した上層に10分の
1量の3 M 酢酸ナトリウムと3倍量のエタノールを加え、
-20℃の冷凍庫で30分間冷却した。15000 ×g、15分
間、4℃で遠心し、70%エタノールでリンスし、乾燥し
た後、200 μlの滅菌水に溶解したものをPh. rhodozyma
の全RNA溶液とした。この調製法で1.6 mgの全RNAが得ら
れた。
の全RNAの調製Haematococcus pluvialis NIES-144 株を800 mlの基本
培地に植菌して20℃、光強度20 μE/m2・s、明暗サイク
ル12時間明/12時間暗条件下で約4日間培養し、続いて
酢酸を最終濃度45 mM、硫酸第一鉄・七水和物を最終濃
度450μMになるように加え、20℃、光強度125μE/m2・s
で約12時間培養した。培養液から菌体を集菌し、液化窒
素で凍結して、乳鉢で菌体が粉末状になるまで破砕し
た。粉末状の破砕菌体に3 mlのISOGEN-LS [(株) ニッポ
ンジーン] を加え、室温で5分間放置し、さらに0.8 ml
のクロロホルムを加えた後、15秒間激しく攪拌して3分
間、室温で放置した。12000×g、15分間、4℃で遠心分
離して上層を抽出し、2 mlのイソプロパノールを加えて
10分間、室温で放置後、12000×g、10分間、4℃で遠心
分離した。続いて70%エタノールで沈殿物をリンスし、
乾燥した後、1mlのTE緩衝液(10 mMトリス-HCl pH8.0,
1 mM EDTA)に溶解したものをHa. pluvialisの全RNA溶液
とした。この調製法で4.1 mgの全RNAが得られた。
matococcus pluvialisのcDNA発現ライブラリーの作製 オリゴテックスーdT30スーパー [宝酒造(株)]を用いてh
affia rhodozyma及びHaematococcus pluvialisの各全RN
A約1 mgからポリA+RNAをそれぞれ精製した。精製方法
は、添付の製品説明書の使用方法に従った。この方法で
Ph. rhodozymaでは、約 26 μg、Ha. pluvialisでは約
14 μgのポリA+mRNAを精製した。cDNAの作製は、スーパ
ースクリプトTMプラスミドシステム(GIBCO BRL社)を
用い、添付の説明書の使用方法を一部改変して以下の通
りに行った。約 5μgのポリA+mRNAを用い、制限酵素Not
Iの認識配列と15mersのオリゴdTからなる合成DNAをプラ
イマーとして逆転写酵素SUPERSCRIPT RTで相補鎖DNAを
合成し、続いてEscherichia. coli DNA リガーゼ、E.co
li DNA ポリメラーゼ、E.coli DNA RNaseHを用いて2本
鎖cDNAを合成した後、制限酵素SalIのリンカーをT4 DNA
リガーゼで結合させ、最終的にcDNAの上流末端がSalI
部位、ポリAの下流がNotI 部位になるように作製した。
電気泳動法を用いて、これらcDNAのサイズ分画を行い、
0.7kb〜3.5 kbの範囲の分画を集めた。この分画のcDNA
とcDNA発現ベクターpSPORT INotI-SalI-Cut とを上キッ
トに含まれているライゲーションバッファー(50 mMトリ
ス-HCl pH 7.6, 10m M MgCl2, 1 mM ATP, 1 mM DTT, 5%
PEG 8000)及びT4DNA リガーゼを用いてライゲーション
した。このcDNA発現ベクターpSPORT Iは、SalI 部位の
上流にlacプロモーターをもち、大腸菌内でcDNAを発現
させることができるベクターである。次にライゲーショ
ンしたDNA溶液を全て使って、Molecular Cloning 2nd e
dition : Cold Spring Harbor Laboratory ,1.21-1.41
(1989)の方法に従って調製した大腸菌(E. coli)DH5α
のコンピテントセルの形質転換を行った。Ph. rhodozym
aで約20万個、Ha. pluvialisで約4万個の形質転換株が
得られ、これらを全て集めた後、Molecular Cloning 2n
d edition : Cold Spring Harbor Laboratory ,1.21-1.
41 (1989) の方法に従い、プラスミドDNAを調製した。
その結果、各々0.9 mg、0.6 mgのプラスミドDNAが得ら
れ、これをそれぞれPh. rhodozyma及びHa. pluvialisの
cDNA発現ライブラリーとした。
腸菌の作製Erwinia uredovoraのcrtZ 以外のカロチノイド合成遺伝
子群を有するプラスミドpCAR16 [Misawa, N., Nakagaw
a, M., Kobayashi, K., Yamano, S., Izawa, Y., Nakam
ura, K., Harashima, K., "Elucidation of the Erwini
a uredovora carotenoid biosynthetic pathway by fun
ctional analysis of gene products expressed in Esc
herichia coli." Journal of Bacteriology, 172, p.67
04-6712,1990、及び本発明者らによる特許出願特開平3-
58786号公報(特願平2-53255号明細書):「カロチノイ
ドの合成に有用なDNA鎖」] のBstEII 消化、Klenow酵素
処理、リガーゼ反応を行うことにより、crtX遺伝子をフ
レームシフトにより失活させた後、β-カロチン産生に
必要なcrtE, crtB, crtI, crtY遺伝子(図2)を含む6.
0 kb Asp718(KpnI)-EcoRI断片を切り出した。この断片
を大腸 菌ベクターpACYC184のEcoRV部位に挿入し、目
的とするプラスミド(pACCAR16ΔcrtXと命名、図10)を
得た。このpACCAR16ΔcrtXを有する大腸菌は、クロラム
フェニコール耐性を示し、かつβ-カロチンを生産して
黄色の色調を示す。
化、Klenow酵素処理、リガーゼ反応を行うことにより、
crtXとcrtY遺伝子を含む2.26 kb BstEII-SnaBI 断片を
取り除いた後、リコペン産生に必要なcrtE, crtB, crtI
遺伝子(図2)を含む3.75 kb Asp718 (KpnI)-EcoRI断
片を切り出した。この断片を大腸菌ベクターpACYC184の
EcoRV 部位に挿入し、目的とするプラスミド(pACCRT-E
IBと命名、図10)を得た。このpACCRT-EIBを有する大腸
菌は、クロラムフェニコール耐性を示し、かつリコペン
を生産して赤色の色調を示す(Cunningham Jr, F. X.,
Chamovitz, D.,Misawa, N., Gatt, E., Hirschberf,
J., "Cloning and functional expressionin Escherich
ia coli of a cyanobacterial gene for lycopene cycl
ase, theenzyme that catalyzes the biosynthesis of
β-carotene". FEBS Lett., 328, 130-138, 1993)。
消化、Klenow酵素処理、リガーゼ反応を行うことによ
り、crtX, crtY, crtI遺伝子を含む3.7 kb BstEII-Eco
52I断片を取り除いた後、フィトエン産生に必要なcrtE,
crtB遺伝子(図2)を含む2.3 kb Asp718 (KpnI)-Eco
RI断片を切り出した。この断片を大腸菌ベクターpACYC1
84のEcoRV 部位に挿入し、目的とするプラスミド(pACC
RT-EBと命名、図10)を得た。このpACCRT-EBを有する大
腸菌は、クロラムフェニコール耐性を示しすが、フィト
エンは無色のため、色調には変化はない(Linden, H.,
Misawa, N., Chamovitz, D., Pecker, I., Hirschberg,
J., Sandmann, G., "Functional complementation in
Escherichia coli of different phytoene desaturase
genes and analysis of accumulated carotenes". Z.
Naturforsch., 46c, 1045-1051,1991)。
させる遺伝子のスクリーニング 上記プラスミドpACCAR16ΔcrtXを保持する大腸菌JM101
がβ-カロチンを産生して黄色くなることを利用して、
この大腸菌にPhaffia rhodozymaまたはHaematococcus p
luvialisのcDNA発現ライブラリーを導入することで、よ
り黄色の色調が濃くなった形質転換体が現われるかどう
かの検討を行った。まず、Molecular Cloning 2nd edit
ion : Cold Spring Harbor Laboratory, 1.21-1.41 (19
89)の方法を用い、pACCAR16ΔcrtXを保持する大腸菌JM1
01のコンピテントセルを作製した。次に、このコンピテ
ントセル 1 mlに対してPh. rhodozymaおよびHa. pluvia
lisのcDNA発現ライブラリーを各100ngずつを導入し、そ
れぞれ約20万個および約4万個の形質転換体を、150μg/
mlのアンピシリン、30 μg/mlのクロラムフェニコー
ル、1 mMのIPTGを含むLBプレート(1%バクトトリプト
ン、0.5%酵母エキス、1% NaCl、1.5%寒天)上に蒔く
ことによるスクリーニングを行い、他の株より黄色の色
調が濃い株をPh. rhodozymaで5株、Ha. pluvialisで10
株、単離することができた。これらの株からプラスミド
DNAを抽出して制限酵素分析を行った結果、各々の5株、
10株は、それぞれ共通のDNA断片を含んでいることがわ
かった。なお、これらのcDNA発現ライブラリーに由来す
るプラスミドのうち、Ph. rhodozyma由来のプラスミド
の1つをpRH1(図11)、Ha. pluvialis由来のプラスミ
ドの1つをpHP1と命名し、さらにpHP1をSalI とNotI で
消化てcDNA断片部分を取り出し、pBluescriptII KS+に
挿入たものをpHP11(図11)と命名し、これらのプラス
ミドを以後の実験に用いた。
させる遺伝子の塩基配列決定 プラスミドpRH1、pHP1について以下の手順で種々の長さ
の欠失を有するデレーションプラスミドの作製を行い、
それらにを用いて塩基配列の決定を行った。pRH1はEcoR
I とPstI またはNotIとSphI で分解し、pHP1はAatII と
BamHIまたはKpnIとEcoRIで分解した後、フェノール/ク
ロロホルム抽出を行い、エタノール沈殿によりDNAを回
収した。それぞれのDNAを100 μlのExoIIIバッファー
(50 mM Tris-HCl, 100 mM NaCl, 5 mM MgCl2, 10 mM 2
-メルカプトエタノール、pH 8.0)に溶解し、180ユニッ
トのExoIIIヌクレアーゼを加えて37℃で保温した。30秒
ごとに10 μlをサンプリングして、10 μlのMBバッファ
ー(40 mM NaCl, 2 mM ZnCl2, 10%グリセロール、pH
4.5)の入った氷上のチューブに移した。サンプリング
終了後、得られた10本のチューブを65℃、10分間保温し
て酵素を失活させた後、5ユニットのマングビーンヌク
レアーゼを加えて37℃で30分保温した。さらに、アガロ
ースゲル電気泳動により、1つのプラスミド由来のもの
について10種のそれぞれ欠失の程度が異なるDNA断片を
回収した。回収したDNAはKlenow酵素により末端を平滑
化し、16℃、一晩ライゲーション反応した後、大腸菌DH
5αを形質転換した。得られた種々のクローンについて
プラスミドを調製し、アプライドバイオシステム(株)
の蛍光プライマーサイクルシークエンスキットを用いて
シークエンシング反応を行い、自動シークエンサーを用
いて塩基配列を決定した。
DNAは1099塩基対 (bp) の塩基配列からなり(配列番号
4)、251アミノ酸からなるポリペプチドをコードする
オープン・リーディング・フレームが存在することがわ
かった(図4〜5におけるAからBに対応)。pHP1のHaemat
ococcus pluvialis由来cDNAは1074 bpの塩基配列からな
り(配列番号5)、259アミノ酸からなるポリペプチド
をコードするオープン・リーディング・フレームが存在
することがわかった(図6〜7 におけるCからDに対
応)。このオープン・リーディング・フレームから予想
されたアミノ酸配列をGene Bankにて相同性を検索した
結果、Ph. rhodozymaおよびHa. pluvialisのアミノ酸配
列は、両方とも、それぞれ、そのアミノ酸配列がすでに
報告されているSaccharomyces cerevisiaeのIPPイソメ
ラーゼ遺伝子(Anderson, M. S., Muehlbacher, M., St
reet, I. P., Profitt, J., Poulter, C. D., "Isopent
enyldiphosphate: dimethylallyl diphosphate isomera
se -an improved purification of the enzyme and iso
lation of the gene from Saccharomyces cerevisiae".
J. Biol. Chem., 264, P.19169-19175, 1989 参照)
と27.0%およびび20.3%のアイデンティティーという高
い相同性を有していることがわかったので、IPPイソメ
ラーゼ遺伝子であると同定された。
の全DNAの調製Saccharomyces cerevisiaeの全DNAの調製は、Methods i
n Yeast Genetics; alaboratory course manual : Cold
Spring Harbor Laboratory, p131-132 (1990)に示され
た方法で以下の様に行った。Sa. cerevisiae S288Cを10
mlのYPD培地に植菌し、一晩、30℃で培養した。培養し
た菌体を集菌し、0.5 mlの滅菌水で懸濁して洗浄した。
再度、菌体を集菌して上清を取り除き、0.2 mlの2% Tri
ton X-100, 1% SDS, 100 mM NaCl,10 mM Tris-Cl (pH
8),1 mM EDTAと0.2 mlのフェノール:クロロホルム:イ
ソアミルアルコール(25:24:1)と0.3gのガラスビーズを
加え、3〜4分間ボルテックスにかけた後、0.2 mlのTE b
uffer (10mM Tris-Cl(pH8), 1 mM EDTA)を加えた。5分
間遠心分離した後、上層を移して1 mlのエタノールを加
え、再度、2分間の遠心分離を行った。得られた沈殿物
を0.4 mlのTE bufferに溶解し、2μlの10mg/mlのRNase
Aを加えてから、5分間37℃に放置した。次に10μlの4 M
酢酸アンモニウムと1 mlのエタノールを加え、よく混
合した後、2分間遠心して沈殿物を回収した。沈殿物を
乾燥した後、50 μlのTE bufferに溶解してSa. cerevis
iae S288Cの全DNAとした。この操作で、3.4μgの全DNA
が得られた。
cerevisiaeのIPPイソメラーゼ遺伝子の単離 前述の文献(Anderson, M. S., Muehlbacher, M., Stre
et, I. P., Profitt,J., Poulter, C. D., "Isopenteny
l diphosphate: dimethylallyl diphosphateisomerase
-an improved purification of the enzyme and isolat
ion of the gene from Saccharomyces cerevisiae".
J. Biol. Chem., 264, P.19169-19175,1989 )に報告さ
れているSa. cerevisiaeのIPPイソメラーゼ遺伝子の塩
基配列をもとに、以下のプライマーを合成した。 プライマーNo.1 5'-TCGATGGGGGTTGCCTTTCTTTTTCGG-3' プライマーNo.2 5'-CGCGTTGTTATAGCATTCTATGAATTTGCC-
3'
流側末端がTaqI 部位、下流側末端がAccII部位になるよ
うにデザインした。PCRは、200ngのSa. cerevisiae全DN
AとPfuDNAポリメラーゼ (STRATAGENE)を使って30サイク
ルで行った。PCRで得られたIPPイソメラーゼ遺伝子を大
腸菌内で発現させるために、TaqI とAccIで消化し、ベ
クターpBluescriptII KS+ のClaI 部位とSmaI 部位に挿
入した。このプラスミドをpSI1と命名した(図11)。こ
のSa. cerevisiae由来DNAは1058bpの塩基配列からなり
(配列番号6)、288アミノ酸からなるIPPイソメラーゼ
をコードする遺伝子が存在していた(図8〜9におけるE
からFに対応)。
入によるリコペン生産量の増量 ベクターpSPORT1、Phaffia rhodozymaのIPPイソメラー
ゼ遺伝子を含むプラスミドpRH1、Haematococcus pluvia
lisのIPPイソメラーゼ遺伝子を含むプラスミドpHP11、
および、Saccharomyces cerevisiaeのIPPイソメラーゼ
遺伝子を含むプラスミドpSI1(図11)を、それぞれ、pA
CCRT-EIB(図10)を含むリコペン生産大腸菌JM101 (以
後、L:と簡略化して表す)に導入し、150 μg/mlのアン
ピシリン(Ap)、30 μg/mlのクロラムフェニコール(C
m)、1 mMのIPTGを含むLBプレート上にプレーティング
し、28℃で一晩培養を行った。その結果、3種類のIPP
イソメラーゼ遺伝子を含むものは、いずれも、ベクター
のみが入ったコントロールと比べて、リコペン産生によ
る赤色がかなり濃くなることがわかった。さらに、これ
らの大腸菌の生育速度は、コントロールよりも早く、培
養中、常に、コントロールより大きなコロニーを形成し
ていた。これは、IPPイソメラーゼ遺伝子の導入、発現
により、FPPまでの上流の経路(図1参照)が太くな
り、結果的にFPPの供給量が増えることにより、リコペ
ンの増量に結びついたと考察することができ、さらに、
IPPイソメラーゼ遺伝子を含まないコントロールより増
殖速度が早くなったのは、FPPの増量により、リコペン
増量だけでなく、大腸菌の生育に必要なFPP由来の膜成
分(たとえば、FPPやGGPP結合タンパク質)にも十分
量、基質を供給できるようになったためではないかと考
えることができる。
ペン生産量の増量はさらに液体培養によっても確かめら
れた。5 mlのAp, Cmを含むLB培地で、28℃、一晩振盪培
養したものから、その2 mlを200 mlのAp, Cm, 0.1 mMの
IPTGを含む2YT培地(1.6%バクトトリプトン、1%酵母
エキス、0.5%NaCl)で28℃、230 rpm で振盪培養を行
った。数時間ごとに5 mlづつサンプリングを行い、生育
速度とリコペン含量の測定を行った。生育速度は、650
nmの吸光度を測定することにより求めた。リコペン含量
は以下のようにして求めた。すなわち、遠心分離により
細胞を集め、2.5mlのアセトンを加え、30分間放置し
た。この間、時折、ボルテックスにかけた。濾過を行っ
た後、474 nmの吸光度を測定し、リコペン1 mM, 1 cmセ
ルあたりの吸光度が185.0としてリコペン含量の定量を
行った。分光光度計は、JASCO UVIDEC-220Bを用いた。
なお、これらの株が本当にリコペンを生産しており、47
4 nmの吸光度はリコペンに起因していることを、HPLCに
より確認した。この条件は、実施例11に示されている。
結果を、図12(生育曲線)、図13(リコペン生産曲線)
に示した。生育速度(図12)においては、IPPイソメラ
ーゼ遺伝子を含まないコントロールも含めて、いずれの
株も、差は認められなかった。この結果は、前述のプレ
ート上での結果と異なっている。おそらく、液体培養の
場合は、寒天培養と違って、IPPイソメラーゼ遺伝子を
含まないコントロールにおいても、大腸菌の生育に必要
なFPP由来の膜成分(たとえば、FPPやGGPP結合タンパク
質)への基質の供給に余裕があるためであると考えるこ
とができる。一方、リコペンの生産においては、IPPイ
ソメラーゼ遺伝子を含まないコントロールと、他のIPP
イソメラーゼ遺伝子を含む3株とは、大きな差が見られ
た。IPPイソメラーゼ遺伝子を含む3株は、培養中、常
に、コントロールより、数倍高いリコペンの生産量を示
した。培養28時間後のリコペン生産量を大腸菌菌体あた
りの重さ(乾重量)で示したのが、図14である。IPPイ
ソメラーゼ遺伝子を含む3株は、IPPイソメラーゼ遺伝
子を含まないコントロールの3.6〜4.5倍の生産量を示し
た。なお、pHP11を含むリコペン産生大腸菌では、乾重
量1 gあたり1.03 mg のリコペンを生産することができ
た。
入によるβ-カロチン生産量の増量 ベクターpSPORT1およびPhaffia rhodozymaのIPPイソメ
ラーゼ遺伝子を含むプラスミドpRH1を、それぞれ、pACC
AR16ΔcrtX(図10)を含むβ-カロチン産生大腸菌JM101
(以後、β:と簡略化して表す)に導入したものを5 ml
のAp, Cmを含むLB培地で、28℃、一晩振盪培養したもの
から、その1 mlを100 mlのAp, Cm, 0.1mMのIPTGを含む2
YT培地で28℃、230 rpmで、28時間、振盪培養を行っ
た。遠心分離により、これらから菌体を集め、0.85% N
aClで洗った後、40 mlのアセトンに懸濁し、30分間放置
した。この間、時折、ボルテックスにかけた。濾過した
後、454 nmの吸光度を測定し、β-カロチン 1 mM, 1 cm
セルあたりの吸光度が134.4としてβ-カロチン含量の定
量を行った。その結果を図14に示した。pRH1を含むβ-
カロチン産生大腸菌は、乾重量1 gあたり709 μgのβ-
カロチンを生産し、これは、IPPイソメラーゼ遺伝子を
含まないコントロールの1.5倍の値を示した。
これらの株が本当にβ-カロチンを生産しており、454 n
mの吸光度はβ-カロチンに起因していることを、HPLCに
より確認した。すなわち、カラムとして、ノバパックHR
6μ C18(3.9×300 mm)(ウォーターズ社製)を用い
て、アセトニトリル/メタノール/2-プロパノール(90
/6/4)で展開を行い、フォトダイオードアレイ検出器
996(ウォーターズ社製)によりモニターを行った。そ
の結果、可視部のピークのほぼ100%がβ-カロチンであ
った。なお、β-カロチンの標品として、シグマ製のβ-
カロチン有機合成品を用いた。
入によるフィトエン生産量の増量 ベクターpSPORT1、Phaffia rhodozymaのIPPイソメラー
ゼ遺伝子を含むプラスミドpRH1、及び、Haematococcus
pluviaslisのIPPイソメラーゼ遺伝子を含むプラスミドp
HP11を、それぞれ、pACCRT-EB(図10)を含むフィトエ
ン産生大腸菌JM101 (以後、P:と簡略化して表す)に導
入したものを5 mlのAp, Cmを含むLB培地で、28℃、一晩
振盪培養したものから、その1 mlを100 mlのAp, Cm, 0.
1 mMのIPTGを含む2YT培地で28℃、230 rpmで、28時間、
>振盪培養を行った。遠心分離により、これらから菌体
を集め、0.85% NaClで洗った後、40 mlのアセトンに懸
濁し、30分間放置した。この間、時折、ボルテックスに
かけた。濾過した後、ロータリーエバポレーターによる
乾燥後、40 mlの石油エーテルと水で分配を行い、エー
テル層の286nmの吸光度を測定し、フィトエン 1 mM, 1
cmセルあたりの吸光度が41.2としてフィトエン含量の定
量を行った。また、実施例11に示したHPLCを行った結
果、286nmの吸光度の70%がフィトエンに起因すること
がわかったので、上記の定量値の70%をフィトエン含量
とした。結果を図14に示した。IPPイソメラーゼ遺伝子
を含むフィトエン産生大腸菌は、IPPイソメラーゼ遺伝
子を含まないコントロールの1.7〜2.1倍の生産量を示し
た。
伝子の導入により、β-カロチン、リコペン、及び、フ
ィトエン産生大腸菌における、これらのカロチノイドの
生産量が、実際に、数倍増量することを示した。これ
は、IPPイソメラーゼ遺伝子の導入、発現により、FPPま
での上流の経路(図1参照)が太くなり、結果的にFPP
の供給量が増えることにより、これらのカロチノイドの
増量に結びついたと考えられので、ここで示したβ-カ
ロチン、リコペン、フィトエンだけでなく、他にも、ア
スタキサンチン、ゼアキサンチンなど、すべてのカロチ
ノイドに当てはまると考えることができる。
イドの生合成において、その生産量を有意に増量させる
ことのできるDNA鎖、ならびに該DNA鎖をカロチノイド産
生微生物に導入し、発現させることにより、その微生物
のカロチノイド生産量を数倍上げることができる方法が
提供される。該DNA鎖は、カロチノイドだけでなく、カ
ロチノイドと共通の基質(FPP)を有するテルペノイド
等の微生物による生産に応用して同様な生産量の増量が
期待される。
成経路を示す。
イド生合成経路とカロチノイド合成遺伝子の機能を示
す。
チノイド生合成経路とカロチノイド合成遺伝子の機能を
示す。実線は主要な生合成経路、点線はマイナーな生合
成経路を表す。
aのIPPイソメラーゼ遺伝子の塩基配列とコードされるポ
リペプチドのアミノ酸配列を示す。図中、記号AからB
は、251アミノ酸からなるポリペプチドをコードするオ
ープン・リーディング・フレームを表す。
uvialisのIPPイソメラーゼ遺伝子の塩基配列とコードさ
れるポリペプチドのアミノ酸配列を示す。図中、記号C
からDは、259アミノ酸からなるポリペプチドをコードす
るオープン・リーディング・フレームを表す。
イソメラーゼ遺伝子の塩基配列とコードされるポリペプ
チドのアミノ酸配列を示す。図中、記号EからFは、288
アミノ酸からなるポリペプチドをコードするオープン・
リーディング・フレームを表す。
ノイド生合成遺伝子を含むプラスミドを示す。
ialis 、Saccharomyces cerevisiaeのIPPイソメラーゼ
遺伝子を含むプラスミドを示す。
を示す。controlは、IPPイソメラーゼ遺伝子を含まない
コントロールを示す。
生産曲線を示す。controlは、IPPイソメラーゼ遺伝子を
含まないコントロールを示す。
カロチン(β:)、フィトエン(P:)の生産量を示す。c
ontrolは、IPPイソメラーゼ遺伝子を含まないコントロ
ールを示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 イソペンテニルピロリン酸(IPP)イ
ソメラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする塩基
配列を含むDNA鎖を、カロチノイド産生微生物に導入
して該形質転換微生物を培地で培養することを特徴とす
る、カロチノイドの生成増大方法。 - 【請求項2】 イソペンテニルピロリン酸(IPP)イ
ソメラーゼ活性を有するポリペプチドが、以下の(a)
又は(b)のポリペプチドである、請求項1に記載のカ
ロチノイドの生成増大方法。 (a)配列番号1、2又は3に示したアミノ酸配列を有
するポリペプチド (b)配列番号1、2又は3に示したアミノ酸配列にお
いて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
加されたアミノ酸配列を有するポリペプチド - 【請求項3】 イソペンテニルピロリン酸(IPP)イ
ソメラーゼ活性を有するポリペプチドをコードする塩基
配列を含むDNA鎖を、カロチノイド産生微生物に導入
して該形質転換微生物を培地で培養することを特徴とす
る、カロチノイドの製造方法。 - 【請求項4】 イソペンテニルピロリン酸(IPP)イ
ソメラーゼ活性を有するポリペプチドが、以下の(a)
又は(b)のポリペプチドである、請求項3に記載のカ
ロチノイドの製造方法。 (a)配列番号1、2又は3に示したアミノ酸配列を有
するポリペプチド (b)配列番号1、2又3に示したアミノ酸配列におい
て1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加
されたアミノ酸配列を有するポリペプチド
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Biochemistry,1990年,Vol.29,No.32,pp.7531−7538 |
J.Biol.Chem.,1989年,Vol.264,No.32,pp.19169−19175 |
Cited By (2)
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WO2007049416A1 (ja) | 2005-10-28 | 2007-05-03 | Tosoh Corporation | カロテノイド合成微生物の作製方法およびカロテノイドの製造方法 |
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