JP2960967B2 - ケト基導入酵素,それをコードするdnaおよびケトカロチノイドの製造法 - Google Patents

ケト基導入酵素,それをコードするdnaおよびケトカロチノイドの製造法

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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、鯛、鮭、海老等の養殖魚介類の色揚げに有
用であり、また着色料や抗酸化剤としては食品に利用さ
れるアスタキサンチン等のケトカロテノイドの合成に必
要なケト基導入酵素、それをコードするDNA、該DNAを含
む組換えベクター、該DNAを導入した微生物、および該
微生物を利用したケトカロテノイドの製造法に関するも
のである。
背景技術 ケトカロチノイドとは、ケト基を含むカロチノイド色
素の総称である。カロチノイドは、メバロン酸を出発物
質として、ステロイドやテルペンノイドと途中まで共通
なイソプレノイド生合成経路によって合成される(第6
図参照)。イソプレン基本生合成系により生じる、基本
単位のC5のイソペンテニルピロリン酸(IPP)とその異
性体であるジメチルアリルピロリン酸(DMAPP)が縮合
してC10のゲラニルピロリン酸(GPP)が生成され、更に
IPPが縮合してC15のファネルシルピロリン酸(FPP)が
生成される。FPPは、再度IPPと縮合することによってC2
0のゲラニルゲラニルピロリン酸(GGPP)を生じ、次にG
GPP同士が縮合して、最初のカロチノイドである無色の
フィトエンが作られる。フィトエンは、一連の不飽和反
応により、フィトフルエン、ζ−カロチン、ノイロスポ
レン、リコピンに変換される。続いて、リコピンが環化
反応により、2つのβ−イオノン環を有するβ−カロチ
ンに変換され、最後に、β−カロチンにケト基や水酸基
などが導入されて、アスタキサンチンやゼアキサンチン
等が合成されていると考えられている(Britton,G.,“B
iosynthesis of carotenoids".Plant Pigments.London,
Academic Press,1988,p.133−182.(Goodwin,T.W.ed.)
参照)。
最初、発明者等は、植物常在非光合成細菌Erwinia ur
edovoraのカロチノイド生合成遺伝子群を、その黄色の
色調を指標にして、大腸菌の染色体DNAライブラリーか
らクローニングした。さらに、これらの遺伝子の色々な
組合わせを大腸菌等の微生物で発現させることにより、
大腸菌等の微生物にフィトエン、リコピン、β−カロチ
ン、及びβ−カロチンに水酸基が導入された黄色のカロ
チノイド色素であるゼアキサンチンを生産させることを
可能にした(第7図参照)(Misawa,N.,Nakagawa,M.,Ko
bayashi,K.,Yamano,S.,Izawa,Y.,Nakamura,K.,Harashim
a,K.,“Elucidation of the Erwinia uredovora carote
noid biosynthetic pathway by functional analysis o
f gene products expressed in Escherichia coli.",J.
Bacteriol.,172,p.6704−6712,1990.、Misawa,N.,Yaman
o,S.,Ikenaga,H.,“Production of β−carotene in Zy
momonas mobilis and Agrobacterium tumefaciens by i
ntroduction of the biosynthesis genes from Erwinia
uredovora.",Appl.Environ.Microbiol.,57,p.1847−18
49,1991及び特開平3−58786号公報参照)。
ところで、赤色のケトカロチノイドであるアスタキサ
ンチンは、特に海洋生物の鯛、鮭等の赤色魚類や、蟹、
海老等の甲殻類に広く存在する代表的な動物カロチノイ
ドである。一般に、動物はカロチノイドを生合成するこ
とができないので、微生物や植物によって合成されたカ
ロチノイドを外界より摂取する必要がある。そのため、
従来より鯛、鮭、海老等の養殖魚介類の色揚げの目的に
アスタキサンチンは広く用いられてきた。
また、アスタキサンチンは食品用着色料として使用さ
れている他、癌の原因となる生体内で発生する活性化酸
素を除去する抗酸化剤としても注目を集めている(松野
隆男、幹渉、「動物におけるカロチノイドの生理機能と
生物活性」化学と生物、28,p.219−227,1990参照)。
アスタキサンチンの供給源としては、南極オキアミ等
の甲殻類、酵母Phaffiaの培養物、緑藻Haematococcusの
培養物、及び有機合成法により得られた化合物が知られ
ている。しかし、南極オキアミ等の甲殻類を用いる場
合、その摂取や抽出の際に脂質を始めとする夾雑物との
分離が困難であり、多大な労力とコストを要する。酵母
Phaffiaの培養物でも、その細胞壁が強固でしかもアス
タキサンチンの生産量が低いため、摂取や抽出に多大な
コストを要する。また、緑藻Haematococcusの培養物の
場合、培養時にアスタキサンチン合成に不可欠な光を供
給しなければならず、太陽光摂取のための立地条件や人
工光供給のための培養装置等の設備が必要であり、さら
に混在するクロロフィルや副生産物の脂肪酸エステルと
の分離が困難である。これらのことから上記の生物起源
のアスタキサンチンは、コスト的に有機合成法により得
られたものに勝てないのが現状であった。しかしなが
ら、有機合成法による場合、アスタキサンチンが魚介類
の飼料や食品添加物として用いられることを考慮する
と、反応時に生ずる副生成物等の面で問題が残り、かつ
消費者の天然物嗜好にも反している。
以上のことより、昨今、安全でかつ消費者の天然物嗜
好に合致した生物起源の安価なアスタキサンチンの製造
法の開発が望まれている。
そこで、アスタキサンチンの生合成を担う遺伝子群を
取得することができれば非常に有用であると考えられ
る。なぜなら、アスタキサンチンの生産能の有無にかか
わりなく、食品としての安全性やアスタキサンチンの潜
在的生産能の面で最適な微生物にアスタキサンチン合成
遺伝子群を導入、発現させることにより、その生産能を
微生物に与えることができるからである。この場合、混
在する副生産物の問題もなく、今日の進歩した遺伝子操
作の手法をもってすれば、有機合成法を凌駕するレベル
までアスタキサンチンの生産量を上げることも難しくな
いと考えられる。ゼアキサンチンまでを合成する遺伝子
群は、前述したように、発明者等により、すでに非光合
成細菌Erwinia uredovoraから取得されている。しかし
ながら、アスタキサンチンを合成するのに必要なケト基
導入酵素をコードする遺伝子等の取得は、前述したよう
なアスタキサンチンの産業上の有用性の故に、多くの研
究機関で試みられてきているにもかかわらず、未だ誰も
成功に至ってはいないのが現状である。この原因として
は、ケト基導入酵素等のカロチノイド生合成に関与する
下流の酵素は膜タンパク質であり、それらの酵素の精製
や活性測定が不可能であったために、それらの酵素の知
見が無かったことが挙げられる。特に、ケト基導入酵素
については、酵素の知見だけでなく、それをコードする
遺伝子の知見も皆無であった。したがって、今日まで、
アスタキサンチンを遺伝子工学的手法を用いて、微生物
等に生産させることは不可能であった。
発明の開示 従って、本発明は、アスタキサンチンを始めとするケ
ト基を含むケトカロチノイドを生産するために必要なケ
ト基導入酵素をコードする遺伝子を提供することを目的
とする。
また、本発明は、ケト基導入酵素を提供することも目
的とする。
さらに、本発明は、前記のケト基導入酵素をコードす
る遺伝子を含む組換えベクターを提供することも目的と
する。
さらにまた、本発明は、前記のケト基導入酵素をコー
ドする遺伝子を導入した微生物を提供することも目的と
する。
また別に、本発明は、前記のケト基導入酵素をコード
する遺伝子を導入した微生物を利用するケトカロチノイ
ドの製造法を提供することも目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結
果、緑藻Haematococcus pluvialisのcDNAからケト基導
入酵素をコードする遺伝子をクローニングし、該遺伝子
の組み込んだベクターDNAを作製し、該ベクターDNAを大
腸菌に導入し、かくして得られた大腸菌を培養した培地
からエキネノン、カンタキサンチン、アスタキサンチ
ン、4−ケトゼアキサンチン等のケトカロチノイドを採
取することに成功し、本発明を完成させるに至った。す
なわち、本発明は、β−イオノン環を有する化合物のβ
−イオノン環の4位のメチレン基をケト基に転換する酵
素活性を有するポリペプチドを提供する。また、本発明
は、β−イオノン環を有する化合物のβ−イオノン環の
4位のメチレン基をケト基に転換する酵素活性を有する
ポリペプチドをコードする塩基配列を含むDNAを提供す
る。さらに、本発明は、前記のDNAを含む組換えベクタ
ーを提供する。さらにまた、本発明は、前記のDNAを導
入した微生物も提供する。また別に、本発明は、前記の
DNAを導入した微生物を培地で培養し、培養物からケト
カロチノイドを採取することを特徴とする、ケトカロチ
ノイドの製造法を提供する。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.ケト基導入酵素 本発明のケト基導入酵素は、β−イオノン環を有する
化合物のβ−イオノン環の4位のメチレン基をケト基に
転換する酵素活性を有するポリペプチドである。このポ
リペプチドは、実質的に配列表の配列番号1に示される
アミノ酸配列(第1図のAからDまでのアミノ酸配
列)、配列番号2に示されるアミノ酸配列(第2図のB
からDまでのアミノ酸配列)、または、配列番号3に示
されるアミノ酸配列(第3図のCからDまでのアミノ酸
配列)を含むものであってもよい。ここで、「実質的に
配列表の配列番号1、配列番号2、または、配列番号3
に示されるアミノ酸配列」とは、配列表の配列番号1、
配列番号2、または、配列番号3に示されるアミノ酸配
列の他、β−イオノン環を有する化合物のβ−イオノン
環の4位をメチレン基をケト基に転換する酵素活性を有
する限りにおいて、配列表の配列番号1、配列番号2、
または、配列番号3に示されるアミノ酸配列のいくつか
について欠失、置換、付加等の変異があってもよいアミ
ノ酸配列を意味する。たとえば、配列表の配列番号1、
配列番号2、または配列番号3に示されるアミノ酸配列
の第1番目のアミノ酸(Met)が欠失しているものなど
も包含される。
本発明のケト基導入酵素は、ある実施態様において、
β−カロチンを基質としてエキネノンを経てカンタキサ
ンチンを合成することができる。また、3−ヒドロキシ
−β−イオノン環の4位のメチレン基をケト基に転換す
ることもできる。その具体的な例の1つとして、ゼアキ
サンチンを基質として4−ケトゼアキサンチンを経てア
スタキサンチンを合成することができる(第8図参
照)。カロチノイドであるβ−カロチンやゼアキサンチ
ンは1分子中に2分子のβ−イオノン環を有しているの
で、まず4位のメチレン基がケト基に転換されることに
より、それぞれエキネノン及び4−ケトゼアキサンチン
が生じ、更にβ−イオノン環の4′位(4位と同等)の
メチレン基がケト基に転換されることにより、それぞれ
カンタキサンチン及びアスタキサンチンが生じるからで
ある。
2.ケト基導入酵素遺伝子(bkt) 本発明のケト基導入酵素をコードする遺伝子(以下、
「bkt」と称する。)はβ−イオノン環を有する化合物
のβ−イオノン環の4位のメチレン基をケト基に転換す
る酵素活性を有するポリペプチドをコードする塩基配列
を含むDNAである。この典型的な例は、緑藻Haematococc
us pluvialis(NIES−144)よりクローニングできるbkt
遺伝子であり、これは実質的に第1図のAからDまでの
アミノ酸配列(配列表の配列番号1に示されるアミノ酸
配列)、第2図のBからDまでのアミノ酸配列(配列表
の配列番号2に示されるアミノ酸配列)、または第3図
のCからDまでのアミノ酸配列(配列表の配列番号3に
示されるアミノ酸配列)を含むポリペプチドをコードす
る塩基配列を含むDNAである。配列表の配列番号1、配
列番号2、および配列番号3に示されるアミノ酸配列を
コードする塩基配列の一例を、それぞれ、配列表の配列
番号4と5、6、および7に示す。なお、配列表の配列
番号4に示す塩基配列は、コード領域である配列表の配
列番号5に示す塩基配列の上流に非コード領域を含むも
のである。また、本発明のbkt遺伝子は、配列表の配列
番号4、5、6、および7に示される塩基配列を含むも
のの他に、縮重コドンにおいてのみ異なる同一のポリペ
プチドをコードする縮重異性体を含むものも包含するこ
とはいうまでもない。
bkt遺伝子産物(以下、「BKT」と称する。)、すなわ
ち、本発明のケト基導入酵素は、前記したように、β−
イオノン環を有する化合物のβ−イオノン環の4位のメ
チレン基をケト基に転換する酵素活性を有しており、あ
る実施態様において、β−カロチンを基質としてエキネ
ノンを経てカンタキサンチンを合成することができる
(第8図参照)。また、BKTは、3−ヒドロキシ−β−
イオノン環の4位のメチレン基をケト基に転換すること
もでき、例えば、ゼアキサンチンを基質として4−ケト
ゼアキサンチンを経てアスタキサンチンを合成すること
ができる(第8図参照)。なお、このような酵素活性を
有するポリペプチド及びこれをコードするDNAは、従来
知られていなかったものであり、このポリペプチドおよ
びこれをコードするDNAは、現在までに知られているど
のようなポリペプチドおよびDNAとも全体的なホモロジ
ーは有していない。また、β−イオノン環や3−ヒドロ
キシ−β−イオノン環に限らず、1つの酵素がメチレン
基をいきなりケト基に変換するという知見は今まで存在
しなかったものである。
ところで、非光合成細菌Erwiniaのカロチノイド合成
遺伝子群、crtE、crtB、crtI及びcrtYを用いることによ
り、大腸菌等の微生物にβ−カロチン生産能を与えるこ
とができ、更に上記の4つの遺伝子に加えcrtZ遺伝子群
も用いることにより、大腸菌等の微生物にゼアキサンチ
ン生産能を与えることができる(第7図及び前記のWO91
−13078号公開公報参照)。
したがって、BKTの基質であるβ−カロチンやゼアキ
サンチンはこれらErwiniaのcrt遺伝子群により供給され
るので、Erwiniaのcrt遺伝子を保持する大腸菌等の微生
物に更に本発明のDNA(bkt遺伝子)を導入すると、β−
カロチン産生微生物ではエキネノンを経てカンタキサン
チンを、ゼアキサンチン産生微生物では4−ケトゼアキ
サンチンを経てアスタキサンチンを生産することが可能
となる(第8図参照)。ただし、ゼアキサンチン産生微
生物ては、ゼアキサンチンの中間代謝産物としてβ−ク
リプトキサンチンが微量含まれることから、さらにこの
β−クリプトキサンチンを基質として、上記の主要代謝
経路の他に、β−クリプトキサンチンから3−ヒドロキ
シエキネノン、4−ケトゼアキサンチンを経てアスタキ
サンチンを生産する経路およびβ−クリプロキサンチン
から3−ヒドロキシエキネノンまたは3′−ヒドロキシ
エキネノンを経てフェニコキサンチンを生産する経路も
存在すると考えられ、このマイナーな代謝経路の産物と
して、3′−ヒドロキシエキネノン、3−ヒドロキシエ
キネノン及びフェニコキサンチンを生産することができ
ると考えられる(第9図参照)。
3.DNAの取得 本発明のケト基導入酵素BKTのアミノ酸配列をコード
する塩基配列を含むDNAを取得する一つの手段は、核酸
合成の方法に従って、その鎖長の少なくとも一部を化学
合成することである。しかし、結合アミノ酸が多数であ
るということを考えれば、この化学合成法よりも緑藻Ha
ematococcus(代表的なものにHaematococcus pluvialis
やHaematococcus lacustris等がある)からmRNAを取得
し、それから大腸菌でcDNAライブラリーを作製し、この
ライブラリーから遺伝子工学の分野で慣用されている方
法、たとえば適当なプローブによるハイブリダイゼーシ
ョン法または本発明者等が用いた発現クローニング法に
より、これを取得するほうが好ましいと言える。
具体的には、Haematococcus pluvialisの全RNAを分離
し、オリゴテックス−dT30スーパー(宝酒造(株))を
用いてポリA+RNAを精製する。このポリA+RNAを鋳型にし
て、逆転写酵素SUPERSCRIPT RT(GIBCO BRL)で相補鎖D
NAを合成し、続いてE.coli DNA リガーゼ、E.coli DNA
ポリメラーゼ、E.coli DNA RNase H(全てGIBCO BRL)
を用いて2本鎖cDNAを合成する。合成したcDNAを大腸菌
用発現ベクターpSPORT1(GIBCO BRL)に組み込み、cDNA
ライブラリーを作製する。このcDNAライブラリーを用
い、β−カロチンを産生する大腸菌(上記したErwinia
のcrt遺伝子群を保持する大腸菌)を形質転換する。得
られた形質転換体の色調変化から、ケト基導入酸素遺伝
子を保持した大腸菌をスクリーニングする。この方法
は、ケト基が導入され、ケトカロチノイドのひとつであ
るカンタキサキンチンが合成されると大腸菌の色調がβ
−カロチンの黄色からカンタキサンチンの赤色に変わる
ことを利用したものである。得られた赤色の形質転換大
腸菌から目的のcDNAを持つプラスミドを単離し、cDNAを
大腸菌ベクターpBluescript II SK+およびpBluescript
II KS+(STRATAGENE)につなぎ換える。これらプラス
ミドについて種々の長さの欠失を有する欠失変異体作成
を行う、それらについて塩基配列の決定を行う。
4.bkt遺伝子にハイブリダイズするDNA 現在までに数種類の緑藻Haematococcusが分離、同定
されており、これらは全てアスタキサンチン等のケトカ
ロチノイドを合成すると考えられている。また、酵母で
はあるが同じ真核生物のPhaffia rhodozymaもアスタキ
サンチン等のケトカロチノイドを合成することが報告さ
れている(Johnson,E.A.and An,G.−Hwan,“Astaxanthi
n from microbial sources",Critical Reviews in Biot
echnology,11,297−326,1991)。前述したHaematococcu
s pluvialis NIES−144のbkt遺伝子をプローブとして用
い、そのホモロジーを利用したハイブリダイゼーション
によって他の上記アスタキサンチン産生藻類あるいは微
生物から、ケト基導入酵素の遺伝子を取得することがで
きる。発明者等は、アスタキサンチンを合成できるHaem
atococcusの中から、Haematococcus pluvialis NIES−1
44とはその資化性や光に対する表現型の異なる2種、す
なわち、Haematococcus lacustris UTEX 294(The Cult
ure Collection of Algae at the University of Texas
at Austinから分譲)、Haematococcus lacustris C−3
92〔東京大学応用微生物研究所(現分子細胞生物学研究
所)付属微生物微細藻類総合センターより分譲〕を選択
し、これらの染色体DNAを調製し、Haematococcus pluvi
alis NIES−144のbkt遺伝子をプローブとして、サザン
ハイブリダイゼーションを行った。その結果は発明者等
の予想通り、bktのプローブは2種類の緑藻Haematococc
usのいずれの染色体DNAに由来する特定のDNA断片にも強
くハイブリダイズした。従って本発明は、このような前
記DNA(配列番号4、5、6及び7)とハイブリダイズ
するDNAをも包含する。
5.大腸菌等の微生物の形質転換 本発明のDNAを外来遺伝子として適当な細菌(例え
ば、大腸菌、Zymomonas mobilis、Agrobacterium tumef
aciens)や酵母(Saccharomyces cerevisiae)等の微生
物に導入して発現させることにより、種々のケトカロチ
ノイドを製造することができる。
以下に、好ましい微生物への外来遺伝子の導入法の概
要について記載する。大腸菌等の微生物への外来遺伝子
の導入および発現のための手順ないし方法としては、本
明細書において記載したもの以外にも、遺伝子工学の分
野により慣用されているもの、例えば、“Vectors for
cloning genes",Methods in Enzymology,216,p.469−63
1,1992,Academic Press、および、“Other bacterial s
ystems",Methods in Enzymology,204,p.305−636,1991,
Academic Press参照)に準じた手法ないし方法を用いる
ことができる。
<大腸菌への遺伝子導入> 大腸菌への外来遺伝子の導入法としては、ハナハンの
方法、ルビジウム法などすでに確立されたいくつかの効
率的方法があり、それらを用いることができる(たとえ
ば、Sambrook,J.,Fritsch,E.F.,Maniatis,T.,“Molecul
ar cloning−A laboratory manual."Cold Spring Harbo
r Laboratory Press,第1章第74頁〜第84頁,1989参
照)。大腸菌で外来遺伝子を発現させるためには、常法
に従い(たとえば、前述の“Molecular cloning−A lab
oratory manual.第17章第3頁〜第41頁”)。
参照)、たとえば、lacのプロモーターを有する大腸菌
発現ベクターに外来遺伝子を挿入したものを大腸菌に導
入するとよい。本発明者等は、lacのプロモーター等を
有する大腸菌用cDNA発現ベクターpSPORT1(GIBCO BRL
社)中に、lacのプロモーターの転写のリードスルーを
受ける方向に、Haematococcusのbkt遺伝子を挿入し、こ
れを大腸菌に導入した。
<酵母への遺伝子導入> 酵母Saccharomyces cerevisiaeへの外来遺伝子の導入
法としては、リチウム法などすでに確立された方法があ
り、それを用いることができる(たとえば、秋山裕一監
修バイオインダストリー協会編集、「酵母のニューバイ
オテクノロジー」医学出版センター刊参照)。酵母で外
来遺伝子を発現させるためには、PGKやGPD等のプロモー
ターおよびターミネーターを用いて、外来遺伝子をこの
プロモーターとターミネーターの間に転写のリードスル
ーを受けるように挿入した発現カセットを構築し、この
発現カセットを、S.cerevisiaeのベクター、たとえば、
YRp系(酵母染色体のARS配列を複製起点とする酵母用マ
ルチコピーベクター)、YEp系(酵母の2μmDNAの複製
起点を持つ酵母用マルチコピーベクター)、YIp系(酵
母の複製起点を持たない酵母染色体組込み用ベクター)
等のベクターに挿入し、これを酵母に導入するとよい
(前述の「酵母ニューバイオテクノロジー」医学出版セ
ンター刊、日本農芸化学会ABCシリーズ「物質生産のた
めの遺伝子工学」朝倉書店刊、および、Yamano,S.,Ishi
i,T.,Nakagawa,M.,Ikenaga,H.,Misawa,N.,“Metabolic
engineering for production of β−carotene and lyc
opene in Saccharomyces cerevisiae".Biosci.Biotech.
Biochem.,58,P.1112−1114,1994参照)。
<Zymomonas mobilisへの遺伝子導入> エタノール生産細菌Zymomonas mobilisへの外来遺伝
子の導入は、グラム陰性菌に共通な接合伝達法により行
うことができる。Zymomonas mobilisで外来遺伝子を発
現させるためには、外来遺伝子を挿入した発現ベクター
(たとえば、Zymomonas mobilis用ベクターpZA22)をZy
momonas mobilisに導入するとよい(中村克巳、「Zymom
onas細菌の分子育種」、日本農芸化学会誌,63,p.1016−
1018,1989、および、Misawa,N.,Yamano,S.,Ikenaga,H.,
“Production of b−carotene in Zymomonas mobilis a
nd Agrobacterium tumefaciens by introduction of th
e biosynthesis genes from Erwinia uredovora".Appl.
Environ.Microbiol.,57,p.1847−1849,1991参照)。
<Agrobacterium tumefaciensへの遺伝子導入> 植物病原細菌Agrobacterium tumefaciensへの外来遺
伝子の導入は、グラム陰性菌に共通な接合伝達法により
行うことができる。Agrobacterium tumefaciensで外来
遺伝子を発現させるためには、外来遺伝子を挿入した発
現ベクター(たとえば、Agrobacterium tumefaciens用
ベクターpBI121)をAgrobacterium tumefaciensに導入
するとよい(Misawa,N.,Yamano,S.,Ikenaga,H.,“Produ
ction of β−carotene in Zymomonas mobilis and Agr
obacterium tumefaciens by introduction of the bios
ynthesis genes from Erwinia uredovora".Appl.Enviro
n.Microbiol.,57,p.1847−1849,1991参照) 6.微生物によるケトカロチノイド生産(bkt遺伝子発
現) 前述した、微生物への外来遺伝子の導入のための手法
ないし方法によって、緑藻Haematococcus由来のアスタ
キサンチンを始めとするケトカロチノイド合成遺伝子群
を導入し、これを発現させることが可能である。
ファルネシルピロリン酸(FPP)はカロチノイドだけ
でなく、セスキテルペン、トリテルペン、ステロール、
ホパノール等のテルペノイドと共通な基質である。一般
に、微生物は、カロチノイドを合成できないものでも、
テルペノイドは合成しているのて、すべての微生物は基
本的に中間代謝産物としてFPPを有しているはずであ
る。一方、非光合成細菌Erwiniaのカロチノイド合成遺
伝子群は、FPPを基質として、Haematococcusのbkt遺伝
子産物の基質、すなわち、β−カロチン、ゼアキサンチ
ンまで合成させることが可能である(第7図参照)。発
明者等は、大腸菌だけでなく前記した微生物、すなわ
ち、酵母Saccharomyces cerevisiae、エタノール生産細
菌Zymomonas mobilis、植物病原細菌Agrobacterium tum
efaciensにErwinisのcrt遺伝子群を導入し、これらの微
生物が、予想どおり、β−カロチン等のカロチノイドを
生産できるようになることを、すでに確認している(Ya
mano,S.,Ishii,T.,Nakagawa,M.,Ikenaga,H.,Misawa,N.,
“Metabolic engineering for production of β−caro
tene and lycopene in Saccharomyces cerevisiae".Bio
sci.Biotech.Biochem.,58,p.1112−1114,1994、Misawa,
N.,Yamano,S.,Ikenaga,H.,“Production of β−carote
ne in Zymomonas mobilis and Agrobacterium tumefaci
ens by introduction of the biosynthesis genes from
Erwinia uredovora".Appl.Environ.Microbiol.,57,p.1
847−1849,1991、および、特開平3−58786号公報参
照)。
したがって、Erwinia由来のカロチノイド合成遺伝子
群と本発明のDNA(典型的にはHaematococcus由来のカロ
チノイド合成遺伝子bkt)を組み合わせて同一の微生物
に同時に導入することにより、遺伝子導入発現系が確立
しているすべての微生物にアスタキサンチン等のケトカ
ロチノイドを生産させることが可能となる。あるいは、
本来カロチノイド合成遺伝子群を有している微生物や予
めカロチノイド合成遺伝子群を導入した微生物に、本発
明のDNAを導入することにより、該微生物にケトカロチ
ノイドを生産させることもできる。以下に、各種ケトカ
ロチノイドの微生物による生産法について説明する。
<カンタキサンチン、エキネノンの生産> β−カロチン合成に必要なErwinia uredovoraのcrt
E、crtB、crtI、crtY遺伝子およびケト基導入酵素遺伝
子であるHaematococcusのbkt遺伝子を大腸菌等の微生物
に導入し発現させることにより、最終産物としてカンタ
キサンチンを生産させることができる。また、bkt遺伝
子の発現レベルの調節等によリ合成中間体のエキネノン
も得ることができる。例えば、大腸菌を用いてカンタキ
サンチン、エキネノンを生産するためには、Erwinia ur
edovoraのcrtE、crtB、crtI、crtY遺伝子を含む断片を
大腸菌ベクター(例えば、pACYC184)に挿入したプラス
ミド(例えば、pACCAR16ΔcrtX)、および、Haematococ
cusのbkt遺伝子を含む断片を大腸菌ベクター(例えば、
pBluescript II KS+)に挿入したプラスミド(例え
ば、pHP51(第10図参照))の両プラスミドを大腸菌
(例えば、JM101)に導入し、それを、例えば、アンピ
シリンとクロラムフェニコールを含むLB培地または2YT
培地等の培地で30〜37℃の培養条件で定常期まで培養
し、菌体を集め、アセトン等の有機溶媒を用いてカロチ
ノイド色素を抽出すればよい。このようにして得られる
カロチノイド色素には、カンタキサンチンおよびエキネ
ノンが含まれうる。
<アスタキサンチン、4−ケトゼアキサンチンの生産> ゼアキサンチン合成に必要なErwinia uredovoraのcrt
E、crtB、crtI、crtY、crtZ遺伝子およびケト基導入酵
素遺伝子であるHaematococcusのbkt遺伝子を大腸菌等の
微生物に導入し発現させることにより、最終産物とし
て、アスタキサンチンを生産させることができる。ま
た、bkt遺伝子の発現レベルの調節等により合成中間体
の4−ケトゼアキサンチンも得ることができる。例え
ば、大腸菌を用いてアスタキサンチン、4−ケトゼアキ
サンチンを生産するためには、Erwinia uredovoraのcrt
E、crtB、crtI、crtY、crtZ遺伝子を含む断片を大腸菌
ベクター(例えば、pACYC184)に挿入したプラスミド
(例えば、pACCAR25ΔcrtX)、および、Haematococcus
のbkt遺伝子を含む断片を大腸菌ベクター(例えば、pBl
uescript II KS+)に挿入したプラスミド(例えば、pH
P51)の両プラスミドを大腸菌(例えば、JM101)に導入
し、それを、例えば、アンピシリンとクロラムフェニコ
ールを含むLB培地または2YT培地等の培地で30〜37℃の
培養条件で定常期まで培養し、菌体を集め、アセトン等
の有機溶媒を用いてカロチノイド色素を抽出すればよ
い。このようにして得られるカロチノイド色素には、ア
スタキサンチンおよび4−ケトゼアキサンチンが含まれ
うる。
<3′−ヒドロキシエキネノン、3−ヒドロキシエキネ
ノン、フェニコキサンチンの生産> ゼアキサンチン合成に必要なErwinia uredovoraのcrt
E、crtB、crtI、crtY、crtZ遺伝子およびケト基導入酵
素遺伝子であるHaematococcusのbkt遺伝子を大腸菌等の
微生物に導入し発現させることにより、主要産物とし
て、アスタキサンチン、4−ケトゼアキサンチンを生産
させることができるが、マイナー中間代謝産物として、
3′−ヒドロキシエキネノン、3−ヒドロキシエキネノ
ン及びフェニコキサンチンが存在するはずである。
これらの色素の生産方法は、上記の方法に準じるが、
詳細は実施例を参照されたい。
7.微生物の寄託 本発明のDNAである単離されたbkt遺伝子を組み込んだ
プラスミドpHP51を導入した大腸菌DH5αは、工業技術院
生命工学工業技術研究所に下記の通りに寄託されてい
る。
寄託者が付した識別のための表示:DH5α(pHP51) 寄託番号:FERM BP−4757 受託年月日:平成6年7月26日 図面の簡単な説明 第1図は、緑藻Haematococcus pluvialis NIES−144
のケト基導入酵素遺伝子(bkt)の塩基配列とコードさ
れるポリペプチドのアミノ酸配列を示す。
第2図は、緑藻Haematococcus pluvialis NIES−144
のケト基導入酵素遺伝子(bkt)の塩基配列とコードさ
れるポリペプチドのアミノ酸配列を示す。
第3図は、緑藻Haematococcus pluvialis NIES−144
のケト基導入酵素遺伝子(bkt)の塩基配列とコードさ
れるポリペプチドのアミノ酸配列を示す。
上記の第1〜3図においては、開始コドンが異なって
いる。
第4図は、緑藻Haematococcus pluvialis NIES−144
のケト基導入酵素遺伝子(bkt)を含むDNA鎖の塩基配列
を示す。図中、A、BおよびCは開始コドンの位置を示
す。
第5図は、第4図に続く配列を示す。
第6図は、β−カロチンまでのカロチノイド生合成経
路を示す。
第7図は、非光合成細菌Erwinia uredovoraのカロチ
ノイド生合成経路とカロチノイド合成遺伝子の機能を示
す。
第8図は、緑藻Haematococcus pluvialis NIES−144
のケト基導入酵素遺伝子(bkt)と非光合成細菌Erwinia
uredovoraの水酸基導入酵素遺伝子(crtZ)の機能とケ
トカロチノイドの主要生合成経路を示す。
第9図は、緑藻Haematococcus pluvialis NIES−144
のケト基導入酵素遺伝子(bkt)と非光合成細菌Erwinia
uredovoraの水酸基導入酵素遺伝子(crtZ)の機能とケ
トカロチノイドのマイナーな生合成経路を示す。
第10図は、緑藻Haematococcus pluvialis NIES−144
のケト基導入酵素遺伝子(bkt)を含む2種のプラスミ
ドpHP5およびpHP51を示す。
pHP5はpSPORT Iに、pHP51はpBluescript II KS+に、
lacのプロモーターのリードスルーを受ける方向に挿入
されている。制限酵素切断部位は次のように省略されて
示されている。S,Sal I;Ss,Sst I;P,Pst I;Sp,Sph I;N,
Not I;X,Xba I:K.Kpn I;Sa,Sac I. 第11図は、緑藻Haematococcus pluvialis NIES−144
のケト基導入酵素遺伝子(bkt)の開始コドンを含む領
域の塩基配列と各種デレーションプラスミドの開始部位
を示す。
第12図は、緑藻Haematococcus pluvialis NIES−144
のbkt遺伝子の1.7kbDNA断片をプローブとした、3種類
のHaematococcusに対するサザン分析(電泳動写真)を
示す。
レーン1〜3:Haematococcus pluvialis NIES−144 レーン4〜6:Haematococcus lacustris UTEX294 レーン7〜9:Haematococcus lacustris C−392 レーン1、4、7:Hind III消化物 レーン2、5、8:Pst I消化物 レーン3、6、9:Xba I消化物 発明を実施するための最良の方法 以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発
明の範囲はこれらの実施例により限定されるものではな
い。
[実施例1] 生物材料と培地組成 遺伝子取得に用いたHaematococcus pluvialisは、財
団法人 地球・人間環境フォーラム(Global Environme
ntal Forum)に登録されているNIES−144株である。Hae
matococcus pluvialisを基本培地(酵母エキス 0.2
%、酢酸ナトリウム 0.12%、L−アスパラギン 0.04
%、塩化マグネシウム・六水和物 0.02%、硫酸第一鉄
・七水和物 0.001%、塩化カルシウム・二水和物 0.0
02%)を用い、20℃、12時間明/12時間暗(20μE/m2・
s)で約4日間培養した。又、Haematococcus pluviali
sのアスタキサンチン合成を誘導する為に、Haematococc
us pluvialis NIES−144株に酢酸を最終濃度45mM、硫酸
第一鉄・七水和物を最終濃度450μMになるように加
え、20℃、光強度125μE/m2・sで約12時間培養して、
シスト化を誘導した。
[実施例2] Haematococcus pluvialisの全DNAの調製 Haematococcus pluvialis NIES−144株を400mlの基本
培地に植菌して20℃、光強度20μE/m2・s、明暗サイク
ル12時間明/12時間暗で約4日間培養した。培養液から
菌体を集菌し、液化窒素で凍結して、乳鉢で菌体が粉末
状になるまで破砕した。粉末状の破砕菌体に15mlの抽出
緩衝液(0.1M Tris−HCl pH8.0,0.1M EDTA,0.25M NaCl,
0.1mg/ml Proteinase K)を加えて激しく攪拌し、55℃
で2時間保温した後、6000xg、10分間、4℃で遠心して
沈殿物を取り除いた。上清に0.6倍量のイソプロパノー
ルを加え、−20℃で30分間冷却した後、7500xg、15分
間、4℃で遠心した。沈殿したDNA含有物を2mlのTE緩衝
液(10mM トリス−HCl pH8.0,1mM EDTA)で溶解し、等
量のフェノール:クロロホルム(1:1)と混合して遠心
し、上層を抽出した。続いて80μlの5M NaClと5mlのエ
タノールを加えて−20℃で30分間冷却した後、12000x
g、15分間、4℃で遠心した。更に70%エタノールで沈
殿物をリンスした後、乾燥して0.5mlのTE緩衝液(10mM
Tris−HCl pH8.0,1mM EDTA)に溶解し、2.5μlの10mg/
mlのRNase Aを加えたものをHaematococcus pluvialisの
全DNA溶液とした。
[実施例3] PCRによるHaematococcus pluvialisから
のcrtZ相同領域の単離の試み Erwinia uredovoraとErwinia herbicolaのcrtZ遺伝子
(Misawa,N.,Nakagawa,M.,Kobayashi,K.,Yamano,S.,Iza
wa,Y.,Nakamura,K.,Harashima,K.,“Elucidation of th
e Erwinia uredovora carotenoid biosynthetic pathwa
y by functional analysis of gene products expresse
d in Escherichia coli.",J.Bacteriol.,172,p.6704−6
712,1990、Hundle,B.S.,Beyer,P.,Kleinig,H.,Englert,
G.,Hearst,J.E.,“Carotenoids of Erwinia herbicola
and an Escherchia coli HB101 strain carrying the E
rwinia herbicola oarotenoid gene cluster.",Phytoch
em.Phytobiol.,54,p.89−93,1991)にコードされるアミ
ノ酸配列を比較することから相同性の高い領域を見つけ
だし、その領域のアミノ酸配列から予想される使用コド
ンを組合わせて、以下の混合プライマーを3種類合成し
た。
〔N:A,G,CまたはT,R:AまたはG,Y:CまたはT,S:A,Gまたは
T〕 No.1とNo.2及びNo.1とNo.3の混合プライマーを使って
Haematococcus pluvialisの全DNA溶液を鋳型としてPCR
(polymerase chain reaction)を行った。最終濃度が
それぞれ、約100ngのHaematococcus pluvialisの全DNA
溶液、各100μMの混合プライマー、10mM MgSO4、1xVen
t Buffer(10mM KCl,20mM Tris−HCl(pH8.8),10mM(N
H42SO4,2mM MgSO4,0.1% Triton X−100),250μM dN
TP、2 U Vent DNA polymerase(New England Biolabs,I
nc.)になるように混合し、94℃ 30秒間、55℃ 30秒
間、72℃ 30秒間で30サイクル、及び94℃ 30秒間、60
℃ 30秒間、72℃ 30秒間で30サイクルの反応条件でPC
Rを行い、電気泳動法で反応生成物の有無を確認した。
しかし、いずれの場合も、明確な単一の生成物を検出す
ることは出来なかった。
[実施例4] Haematococcus pluvialisの全RNAの調製 Haematococcus pluvialis NIES−144株を800mlの基本
培地に植菌して20℃、光強度20μE/m2・s、明暗サイク
ル12時間明/12時間暗で約4日間培養し、続いて酢酸を
最終濃度45mM、硫酸第一鉄・七水和物を最終濃度450μ
Mになるように加え、20℃、光強度125μE/m2・sで約1
2時間培養した。培養液から菌体を集菌し、液化窒素で
凍結して、乳鉢で菌体が粉末状になるまで破砕した。粉
末状の破砕菌体に3mlのISOGEN−LS((株)ニッポンジ
ーン)を加え、室温で5分間放置し、更に0.8mlのクロ
ロホルムを加えた後、15秒間激しく攪拌して3分間、室
温で放置した。12000xg、15分間、4℃で遠心して上層
を抽出し、2mlのイソプロパノールを加えて10分間、室
温で放置後、12000xg、10分間、4℃で遠心した。続い
て70%エタノールで沈殿物をリンスした後、乾燥して1m
lのTE緩衝液(10mM トリス−HCl(pH8.0),1mM EDTA)
に溶解したものをHaematococcus pluvialisの全RNA溶液
とした。この調製法で4.1mgの全RNAが得られた。
[実施例5] Haematococcus pluvialisのcDNA発現ラ
イブラリーの作製 オリゴテックス−dT30スーパー(宝酒造(株))を用
いてHaematococcus pluvialisの全RNA約1mgからポリA
+RNAを精製した。精製方法は、添付の製品説明書の使
用方法に従った。この精製方法で約14μgのポリA+mR
NAを精製した。
cDNAの作製は、スーパースクリプトTMプラスミドシス
テム(GIBCO BRL社)を用い、添付の説明書の使用方法
を一部改変して以下の通りに行った。約5μgのポリA
+RNAを用い、制限酵素Not Iの認識配列と15mersのオリ
ゴdTからなる合成DNAをプライマーとして逆転写酵素SUP
ERSCRIPT RTで相補鎖DNAを合成し、続いてE.coli DNA
リガーゼ、E.coli DNA ポリメラーゼ、E.coli DNA RNas
e Hを用いて2本鎖cDNAを合成した後、制限酵素Sal Iの
リンカーをT4 DNA リガーゼで結合させ、最終的にcDNA
の上流末端がSal I部位、ポリAの下流がNot I部位にな
るようにした。電気泳動法を用いて、これらcDNAのサイ
ズ分画を行い、0.7kb〜3.5kbの範囲の分画を集めた。こ
の分画のcDNA約28ngと35ngのcDNA発現ベクターpSPORT I
(GIBCO BRL社)をNot IとSal Iで消化したものとを上
キットに含まれているライゲーションバッファー(50mM
トリス−HCl pH 7.6,10mM MgCl2,1mM ATP,1mM DTT,5%
PEG 8000)及びT4 DNA リカーゼを用いてライゲーショ
ンした。このcDNA発現ベクターpSPORT Iは、Sal I部位
の上流にlacプロモーターをもち、大腸菌内でcDNAを発
現させることができるベクターである。次にライゲーシ
ョンしたDNA溶液を全て使って、Molecular Cloning 2nd
edition:Cold Spring Harbor Laboratory,1.21−1.41
(1989)の方法に従って調製した大腸菌(Escherichia
coli)DH5αのコンピテントセルの形質転換を行った。
約4万個の形質転換株が得られ、これらを全て集めた
後、Molecular Cloning 2nd edition:Cold Spring Harb
or Laboratory,1.21−1.41(1989)の方法に従い、プラ
スミドDNAを調製した。その結果、0.6mgのプラスミドDN
Aが得られ、これをHaematococcus pluvialisのcDNA発現
ライブラリーとした。
[実施例6] ケト基導入酵素遺伝子を保持した大腸菌
の色調変化を利用したスクリーニング (1)β−カロチン産生大腸菌の作製 Erwinia uredovoraのcrtZ以外のカロチノイド合成遺
伝子群(crtX,crtE,crtY,crtI,crtB遺伝子)を有するプ
ラスミドpCAR16(Misawa,N.Nakagawa,M.Kobayashi,K.Ya
mano,S.Izawa,Y.Nakamura,K.Harashima,K.,“Elucidati
on of the Erwinia uredovora carotenoid biosyntheti
c pathway by functional analysis of gene products
expressed in Escherichia coli."J.Bacteriol.,172,p.
6704−6712,1990、及び特開平3−58786号公報参照)の
BstE II消化、Klenow酵素処理、リガーゼ反応を行うこ
とにより、crtX遺伝子をフレームシフトにより失活させ
た後、β−カロチン産生に必要なcrtE,crtY,crtI,crtB
遺伝子を含む6.0kbのAsp718(KpnI)−EcoR I断片を切
り出した。この断片を大腸菌ベクターpACYC184(ATCC37
033より入手)のEcoR V部位に挿入し、目的とするプラ
スミド(pACCAR16ΔcrtXと命名)を得た。このpACCAR16
ΔcrtXを有する大腸菌は、クロラムフェニコール耐性を
示し、β−カロチンを生産することができる。
(2)ケト基導入酵素遺伝子のスクリーニング ケトカロチノイドは、Haematococcus pluvialis内で
はβ−カロチンを経て生合成されると考えられる(Brit
ton,G.,“Biosynthesis of carotenoids".Plant Pigmen
ts.London,Academic Press,1988,p.133−182.(Goodwi
n,T.W.ed.)参照)。そこで上記のpACCAR16ΔcrtXを保
持する大腸菌JM101がβ−カロチン(黄色)を産生する
ことを利用して、この大腸菌に上記のcDNA発現ライブラ
リーを導入し、得られた形質転換体の色調変化から、ケ
ト基導入酵素遺伝子を保持した大腸菌をスクリーニング
した。ケト基が導入され、ケトカロチノイドのひとつで
あるカンタキサンチンが合成されると大腸菌の色調がβ
−カロチンの黄色からカンタキサンチンの赤色に変わる
と予想された。
まず、Molecular Cloning 2nd edition:Cold Spring
Harbor Laboratory,1.21−1.41(1989)の方法を用い、
pACCAR16ΔcrtXを保持する大腸菌JM101のコンピテント
セルを作製した。
次に、このコンピテントセル1mlに対して100ngのcDNA
発現ライブラリーを導入し、約4万個の形質転換体に対
してスクリーニングを行い、他の株と色調がやや異なる
赤みがかった株を1株単離した。(この株の色素は、実
施例7においてカンタキサンチンと同定)なお、この株
が保持しているcDNA発現プラスミドをpHP5と命名した。
プラスミドpHP5の構成を第10図に示す。
[実施例7] ケト基導入酵素遺伝子の塩基配列決定 pHP5に挿入されているHaematococcus pluvialis由来
の1.7kb cDNAを制限酵素Sal IとXba Iで切り出し、大腸
菌ベクターpBluescript II KS+およびpBluescript II
SK+のSal I/Xba I部位に挿入して、2種のプラスミド
(pHP51およびpHP52と命名)を得た。このうちプラスミ
ドpH51の制限酵素地図を第10図に示す。pHP51及びpHP52
は、それぞれ、上記cDNAがlacのプロモーターのリード
スルーを受ける方向及び受けない方向に挿入されてたも
のである。
作製したプラスミドpHP51、pHP52について以下の手順
で種々の長さの欠失を有する欠失変異体作製を行い、そ
れらについて塩基配列の決定を行った。pHP51はSac Iと
Xba Iとで分解し、pHP52はKpn IとSal Iとで分解した
後、フェノール/クロロホルム抽出を行い、エタノール
沈殿によりDNAを回収した。それぞれのDNAを100μlのE
xo IIIバッファー(50mM Tris−HCl,100mM NaCl,5mM Mg
Cl2,10mM 2−メルカプトエタノール、pH8.0)に溶解
し、180ユニットのExo IIIヌクレアーゼを加えて37℃で
保温した。30秒ごとに10μlの反応溶液をサンプリング
して、10μlのMBバッファー(40mM NaCl,2mM ZnCl2,10
%グリセロール、pH4.5)の入った氷上のチューブに移
した。サンプリング終了後、得られた10本のチューブを
65℃、10分間保温して酵素を失活させた後、5ユニット
のマングビーンヌクレアーゼを加えて37℃で30分間保温
した。反応後、アガロースゲル電気泳動により、1つの
プラスミドのついて10種のそれぞれ欠失の程度が異なる
DNA断片を回収した。回収したDNAはKlenow酵素により末
端を平滑化し、16℃、一晩ライゲーション反応した後、
大腸菌DH5αを形質転換した。得られた種々のクローン
についてプラスミドを調製し、アプライドバイオシステ
ム(株)の蛍光プライマーサイクルシークエンスキット
を用いてシークエンス反応を行い、自動シークエンサー
を用いて塩基配列を決定した。
決定した1677塩基対(bp)からなる配列を第4図およ
び第5図(配列番号4)に示す。オープンリーディング
・フレーム検索の結果、大腸菌内で発現するのに必要な
リボソーム結合部位を開始コドンの上流に持つ3つのオ
ープンリーディングフレーム(第1図のA〜D(配列表
の配列番号5に示す)、第2図のB〜D(配列表の配列
番号6に示す)第3図のC〜D(配列表の配列番号7に
示す))が見いだされた。なお、実施例8で示すよう
に、Cより短くすると大腸菌内での酵素活性が無くなる
ので、これより下流には、開始コドンは存在しないと考
えられることから、第3図のCより下流の領域について
は上記のオープンリーデイングフレームの検索からは省
略した。
[実施例8] ケト基導入酵素遺伝子の開始コドンの決
定 第11図に上記オープンリーディング・フレームの上流
部分の塩基配列を示す。開始コドンの可能性がある部位
は、5ケ所(塩基位置168〜170、189〜191、264〜266、
348〜350、423〜425、これらの位置は第11図において枠
で囲われている。)存在する。第11図に示す開始コドン
における168位の塩基、189位の塩基、および264位の塩
基は、それぞれ、第1図のA、第2図のB、および第3
図のCで示した位置に相当する。そこで機能タンパク質
として必要な最小領域を決定するために、実施例5と同
様の方法によりpHP51の欠失変異体作成を行い、上流領
域が欠失したプラスミドを数種作製した。第11図には、
それぞれの欠失プラスミドの番号と上流末端位置を示
す。これらプラスミドを実施例6に記したpACCAR16Δcr
tXを保持する大腸菌JM101にそれぞれ導入し、その産生
色素を同定した結果、番号30、27、31、37、12の欠失プ
ラスミドを保持する大腸菌では、カンタキサンチンの産
生が認められたが、番号10、6、38では認められなかっ
た。また、番号12の場合、塩基位置264〜266の開始コド
ンATGのAまでが欠失しているが、欠失変異体を作成し
た際にこのATGがGTGとなり、大腸菌はGTGでも開始コド
ンと認識しうることから、この位置の開始コドンからペ
プチド合成が始まっていると考えられる。したがって26
4〜266の開始コドン以下のオープンリーディングフレー
ム(第3図のC〜D(配列表の配列番号7に示す。))
からコードされるポリペプチド鎖であれば十分ケト基導
入酵素活性を示すことが明らかになった。
[実施例9] ケトカロチノイド色素の同定 (1)カンタキサンチンの同定 pHP5またはpHP51をβ−カロチン産生大腸菌JM101に導
入したもの(大腸菌(pACCAR16ΔcrtX、pHP5またはpHP5
1))(橙色を呈している)を150μg/mlをアンピシリン
(Ap、明治製菓製)、30μg/mlのクロラムフェニコール
(Cm、三共製)、1mMのIPTG、7mg FeSO4・7H2Oおよび9.
3mg Na2・EDTAを含む2YT培地(1.6%トリプトン、1%
イーストエキス、0.5% NaCl)2リットルで、30℃、24
〜30時間培養した。培養液から集菌した菌体を、300ml
のアセトンにより抽出した。これを濃縮後、200mlのク
ロロホルム/メタノール(9/1)で2回抽出し、濃縮乾
固した。さらに、これを小量のクロロホルム/メタノー
ル(9/1)に溶解後、メルク社製の分取用シリカゲルTLC
プレートを用いて、クロロホルム/メタノール(50/1)
で展開することにより、薄層クロマトグラフィー(TL
C)を行った。このTLCにより、スポットはRf値0.53、0.
78および1の3スポットに分かれた。抽出された色素全
体の75%に相当する最も濃い赤色色素(Rf値0.53)を、
TLCプレートからかきとった。この赤色色素をさらに小
量のクロロホルム/メタノール(9/1)に溶解後、セフ
ァデクスLH−20カラムクロマトグラフィー(15 X 300m
m)にかけ、クロロホルム/メタノール(9/1)で展開溶
出することにより、純品を2mg得た。本物質の紫外−可
視スペクトル、1H−NMR、FD−MSスペクトル(m/e 56
4)、および、シリカゲルTLCの移動度(クロロホルム/
メタノール(50/1)で展開でRf値0.53)が、カンタキサ
ンチンの標準品(BASF社製)とすべて一致したため、本
物質をカンタキサンチン(構造式は第8図参照)と同定
した。
また、最初に抽出された色素の10%に相当する赤色色
素(TLCでRf値0.78)を、TLCプレートからかきとり、少
量のメタノールに溶かした。この色素の紫外−可視スペ
クトル、シリカゲルTLCの移動度(クロロホルム/メタ
ノール(50/1)で展開でRf値0.78)、および、ノバパッ
クHR6μC18(3.9×300mm)(ウォーターズ社製)を用い
たHPLCの移動度(アセトニトリル/メタノール/2−プロ
パノール(90/6/4)で1.0ml/分の速度での展開でRT16
分)よりエキネノン(構造式は第8図参照)であると考
えられた。
次いで、最初に抽出された色素の残り15%に相当する
黄色色素(TLCでRf値1)をTLCプレートからかきとり、
少量のメタノールに溶かした。この色素の紫外−可視ス
ペクトル、および、ノバパックHR6μC18(3.9X300mm)
(ウォーターズ社勢)を用いたHPLCの移動度(アセトニ
トリル/メタノール/2−プロパノール(90/6/4)で1.0m
l/分の速度での展開でRT62分)が、β−カロチンの標準
品(オールトランス型、Sigma社製)とすべて一致した
ため、本物質は未反応のβ−カロチン(構造式は第8図
参照)であることがわかった。
(2)アスタキサンチン、4−ケトゼアキサンチンの同
定 ゼアキサンチン産生大腸菌を次のようにして作製し
た。すなわち、Er.uredovoraの全カロチノイド合成遺伝
子群を有するプラスミドpCAR25(Misawa,N.,Nakagawa,
M.,Kobayashi,K.,Yamano,S.,Izawa,Y.,Nakamura,K.,Har
ashima,K.,“Elucidation of the Erwinia uredovora c
arotenoid biosynthetic pathway by functional analy
sis of gene products expressed in Escherichia col
i".J.Bacteriol.,172,p.6704−6712,1990及び特開平3
−58786号)の制限酵素BstE II消化、Klenow fragment
処理、ライゲーション反応を行うことにより、crtX遺伝
子をフレームシフトにより失活させた後、ゼアキサンチ
ン産生に必要なcrtE、crtB、crtI、crtY、crtZ遺伝子を
含む6.5kb Asp718(KpnI)−EcoR I断片を切りだした。
そして、この断片を大腸菌ベクターpACYC184のEcoR V部
位に挿入し、目的とするプラスミド(pACCAR25ΔcrtXと
命名)を得た。
pHP5またはpHP51をこのゼアキサンチン産生大腸菌JM1
01に導入したもの(大腸菌(pACCAR16ΔcrtX、pHP5また
はpHP51))(橙色を呈している)を150μg/ml Ap、30
μg/mlのCm、1mMのIPTG、7mg FeSO4・7H4Oおよび9.3mg
Na4・EDTAを含む2YT培地(1.6%トリプトン、1%イー
ストエキス、0.5% NaCl)2リットルで、30℃、24〜30
時間培養した。培養液から集菌した菌体を、300mlのア
セトンにより抽出した。これを濃縮後、200mlのクロロ
ホルム/メタノール(9/1)で2回抽出し、濃縮乾固し
た。さらに、これを小量のクロロホルム/メタノール
(9/1)に溶解後、メルク社製の分取用シリカゲルTLCプ
レートを用いて、クロロホルム/メタノール(15/1)で
展開することにより、薄層クロマトグラフィー(TLC)
を行った。元の橙色色素は、このTLCにより、主要スポ
ットは、Rf値0.40、0.54、0.72の3スポットに分かれ
た。これらの色素を、TLCプレートから、かきとった
後、少量のクロロホルム/メタノール(9/1)に溶解
し、セファデクスLH−20カラムクロマトグラフィー(15
X 300mm)にかけ、クロロホルム/メタノール(9/1)で
展開溶出することにより、各々の純品を、それぞれ、約
1mg、1mg、2mg得た。
抽出された色素全体の約半分に相当するRf0.72の色素
は、紫外−可視スペクトル、1H−NMR、FD−MSスペクト
ル(m/e 596)の結果より、アスタキサンチンと同一の
平面構造を持つものであることが明かになった。そこ
で、ジエチルエーテル:2−プロパノール:エタノール5:
5:2に溶解し、CDスペクトルを測定したところ、3S,3′
Sの立体構造をとることがわかったため、本物質をアス
タキサンチン(構造式は第8図参照)と同定した。ま
た、Rf0.54の色素は、その紫外−可視スペクトル、1H−
NMR、FD−MSスペクトル(m/e 582)、および、シリカゲ
ルTLCの移動度(クロロホルム/メタノール(15/1)で
の展開でRf値0.54)から、4−ケトゼアキサンチン(構
造式は第8図参照)と同定された。なお、Rf 0.40の色
素は、紫外−可視スペクトル、シリカゲルTLCの移動度
(クロロホルム/メタノール(15/1)で展開でのRf値0.
40)、および、ノバパックHR6μC18(3.9×300mm)(ウ
ォーターズ社製)を用いたHPLCの移動度(アセトニトリ
ル/メタノール/2−プロパノール(90/6/4)で1.0ml/分
の速度での展開でRT6.5分)がゼアキサンチンの標準品
(BASF社製)とすべて一致したため、本物質は未反応の
ゼアキサンチン(構造式は第8図参照)であることがわ
かった。
以上のことから、ケト基導入酵素遺伝子の機能につい
て以下のように考えることができる。
実施例9(1)より、Haematococcusのケト基導入酵
素遺伝子(bkt)は、β−カロチンを基質として、エキ
ネノンを経てカンタキサンチンへの変換を触媒するケト
基導入酵素(β−carotene ketolase)をコードしてい
ることは明かである(第8図参照)。このことは1つの
酵素BKTがβ−イオノン環の4位及び4′位のメチレン
基をいきなりケト基に変換してしまうことを示してい
る。このような機能を持つ酵素は今まで知られていなか
ったものである。さらに、実施例9(2)より、Haemat
ococcusのbkt遺伝子は、上記の活性以外に、ゼアキサン
チンを基質として、4−ケトゼアキサンチンを経てアス
タキサンチンへの変換を触媒するケト基導入酵素(zeax
anthin ketolase)をコードしていることは明かである
(第8図参照)。このことは1つの酵素BKTが3−及び
3′−ヒドロキシ−β−イオノン環の4位および4′位
のメチレン基をいきなりケト基に変換してしまうことを
示している。このような機能を持つ酵素も今まで知られ
ていなかったものである。したがって、Haematococcus
のケト基導入酵素遺伝子bktは、3位(3′位)の位置
に水酸基が付加しているしていないにかかわりなく、4
位(4′位)のメチレン基をいきなりケト基に変換する
β−イオノンまたは3−ヒドロキシ−β−イオノン環ケ
ト基導入酵素(β−ionone or 3−hydroxy−β−ionone
ring ketolase)をコードしているということができ
る。なお、β−イオノン環や3−ヒドロキシ−β−イオ
ノン環に限らず、1つの酵素がメチレン基をいきなりケ
ト基に変換するという知見は今まで存在しなかったもの
である。
一方、植物常在細菌Erwiniaや光合成細菌Rhodobacter
のカロチノイド合成遺伝子を用いた我々の研究により、
一般に、カロチノイド生合成酵素は、基質となるカロチ
ノイド分子の半分を認識して作用することが明かになっ
てきた。たとえば、Erwiniaのリコピン環化酵素遺伝子
であるcrtYはリコピン分子の半分ずつを認識して環化す
る。したがって、Rhodobacterのフィトエンデサチュラ
ーゼ遺伝子crt Iを用いることによりリコピンの変わり
にノイロスポレンを大腸菌に合成させ、これにErwinia
のcrtYを作用させると、ノイロスポレンにおけるリコピ
ンと共通な半分の分子構造だけをcrtY遺伝子産物は認識
し、半分だけ環化したβ−ゼアカロチンを産生する(Li
nden,H.,Misawa,N.,Chamovitz,D.,Pecker,I.,Hirschber
g,J.,Sandmann,G.,“Functional complementation in E
scherichi a coli of different phytoene desaturase
genes and analysis of accumulated carotenes".Z.Nat
urforsch.,46c,p.1045−1051,1991)。また、本発明に
おいても、β−カロチンにBKTを作用させると、まず1
つケト基が導入されたエキネノンが合成されるし、ゼア
キサンチンにBKTを作用させると、まず1つケト基導入
された4−ケトゼアキサンチンが合成される。これは、
BKTが基質の半分の分子を認識して4位の位置にケト基
を導入するからと考えることができる。一方、Erwinia
のcrtE、crtB、crtI、crtY、crtZ遺伝子を有する大腸菌
は、前述したように、ゼアキサンチンを産生するが、そ
の中間代謝産物として、β−カロチンに1つの水酸基が
導入されたβ−クリプトキサンチンを検出することがで
きる。このことは、そこにBKTが存在すると、β−クリ
プトキサンチンを基質として3′−ヒドロキシエキネノ
ンや3−ヒドロキシエキネノンを合成することができ、
さらに、これらにBKTが作用してフェニコキサンチンを
合成することができると考えることができる。今回は、
我々は、培養物中にこれらのケトカロチノイドを同定す
るには至っていないが、その理由は、今回行われた条件
では、これらが微量しか存在しないためであると思われ
る。事実、Haematococcusと並んで代表的アスタキサン
チン産生微生物であるPhaffia rhodozymaにおいては、
アスタキサンチン中間代謝産物として3−ヒドロキシエ
キネノンやフェニコキサンチンが検出されている(Andr
ewes,A.G.,Phaff,H.J.,Starr,M.P.,“Carotenoids of P
haffia rhodozyma,a red−pigmented fermenting yeas
t".Phytochemistry,15,p.1003−1007,1976)。以上のこ
とより、第8図に示したアスタキサンチンの主要代謝経
路の他に、第9図に示したマイナーな代謝経路も存在す
ると考えることができる。
[実施例10] 他の緑藻Haematococcusの染色体DNAに対
するサザン分析 他の緑藻Haematococcusの染色体上に単離したbktと相
同性を示す領域が得られるか否かを検討した。実施例2
に記したHaematococcus pluvialis NIES−144からの全D
NAの調製法と同じ方法でHaematococcus lacustris UTEX
294とHaematococcus lacustris C−392の全DNAを調製
し、Haematococcus pluvialis NIES−144の全DNAと共に
制限酵素Hind III、Pst IあるいはXba Iで消化してアガ
ロースゲル電気泳動法で分離した。分離したDNA断片を
0.5N NaOH、1.5M NaClのアルカリ溶液で変性した後、一
晩かけてナイロンメンブレンにトランスファーさせた。
DNAが吸着したナイロンメンブレンをハイブリダイゼー
ション溶液(6×Denhardt、5×SSC、0.2%SDS、100μ
g/ml ssDNA)に浸し、4時間、55℃でプレハイブリダイ
ゼーションを行った。次にbkt遺伝子の1.7kb DNA断片を
MegaprimeTM DNA labelling systems(アマシャム)と
[α−32P]dCTP(〜110 TBq/mmol)とを用いて標識化
し、上記のプレハイブリダイゼーション溶液に加えて16
時間、55℃でハイブリダイゼーションを行った。ハイブ
リダイゼーション後、2×SSC、0.1%SDSで60℃、1時
間洗浄し、オートラジオグラフィーによって相同性を示
すシグナルを検出した結果、Haematococcus pluvialis
NIES−144では、Hind III消化物で15kb、10kb、1.9kb、
Pst I消化物では6.1kb、3.3kb、2.8kb、2.3kb、2.0kb、
1.4kb、0.8kb、Xba I消化物で5.1kbの位置にそれぞれ強
いシグナルが得られた。これに対して、Haematococcus
lacustris UTEX 294では、Hind III消化物で15kb、7.7k
b、1.9kb、Pst I消化物では10kb、5.0kb、4.0kb、3.4k
b、2.9kb、1.5kb、0.82kb、Xba I消化物では20kb以上の
DNAの位置だけにそれぞれ強いシグナルが得られ、Haema
tococcus lacustris C−392では、Hind III消化物で15k
b、12kb、1.9kb、Pst I消化物では6.5kb、3.0kb、2.3k
b、2.0kb、1.4kb、0.8kb、Xba I消化物では5.3kbの位置
にそれぞれ強いシグナルが得られた(第12図)。
産業上の利用可能性 β−イオノン環の4位のメチレン基をケト基に転換す
る酵素をコードする本発明のDNAを外来遺伝子として大
腸菌等の微生物に導入し、発現させることにより、大腸
菌等の微生物にアスタキサンチン、4−ケトゼアキサン
チン、カンタキサンチン、エキネノン、その他のケト基
を含むケトカロチノイドの生合成能を付与することが可
能となった。ケト基を含むケトカロチノイドの生合成能
を付与された大腸菌等の、微生物を用いることにより、
ケト基を含むケトカロチノイドを少ない労力およびコス
トで大量に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C12P 23/00 C12R 1:19) 微生物の受託番号 FERM BP−4757 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 - 15/90 EPAT(QUESTEL) BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) CA(STN)

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の(a)又は(b)のポリペプチド。 (a)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列から
    なるポリペプチド (b)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列にお
    いて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
    加されたアミノ酸配列からなり、かつβ−イオノン環を
    有する化合物のβ−イオノン環の4位のメチレン基をケ
    ト基に転換する酵素活性を有するポリペプチド
  2. 【請求項2】以下の(a)又は(b)のポリペプチド。 (a)配列表の配列番号2に示されるアミノ酸配列から
    なるポリペプチド (b)配列表の配列番号2に示されるアミノ酸配列にお
    いて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
    加されたアミノ酸配列からなり、かつβ−イオノン環を
    有する化合物のβ−イオノン環の4位のメチレン基をケ
    ト基に転換する酵素活性を有するポリペプチド
  3. 【請求項3】以下の(a)又は(b)のポリペプチド。 (a)配列表の配列番号3に示されるアミノ酸配列から
    なるポリペプチド (b)配列表の配列番号3に示されるアミノ酸配列にお
    いて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
    加されたアミノ酸配列からなり、かつβ−イオノン環を
    有する化合物のβ−イオノン環の4位のメチレン基をケ
    ト基に転換する酵素活性を有するポリペプチド
  4. 【請求項4】β−イオノン環を有する化合物がβ−カロ
    チンである請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載のポ
    リペプチド。
  5. 【請求項5】β−イオノン環がその3位の位置で1つの
    水素原子が水酸基により置換されていてもよい請求の範
    囲第1〜3項のいずれかに記載のポリペプチド。
  6. 【請求項6】3位の位置で1つの水素原子が水酸基によ
    り置換されているβ−イオノン環を有する化合物がゼア
    キサンチンである請求の範囲第5項記載のポリペプチ
    ド。
  7. 【請求項7】以下の(a)又は(b)のポリペプチドを
    コードするDNA。 (a)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列から
    なるポリペプチド (b)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列にお
    いて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
    加されたアミノ酸配列からなり、かつβ−イオノン環を
    有する化合物のβ−イオノン環の4位のメチレン基をケ
    ト基に転換する酵素活性を有するポリペプチド
  8. 【請求項8】配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配
    列を含むポリペプチドをコードする塩基配列が配列表の
    配列番号4に示されるものである請求の範囲第7項記載
    のDNA。
  9. 【請求項9】配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配
    列を含むポリペプチドをコードする塩基配列が配列表の
    配列番号5に示されるものである請求の範囲第7項記載
    の遺伝子。
  10. 【請求項10】以下の(a)又は(b)のポリペプチド
    をコードするDNA。 (a)配列表の配列番号2に示されるアミノ酸配列から
    なるポリペプチド (b)配列表の配列番号2に示されるアミノ酸配列にお
    いて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
    加されたアミノ酸配列からなり、かつβ−イオノン環を
    有する化合物のβ−イオノン環の4位のメチレン基をケ
    ト基に転換する酵素活性を有するポリペプチド
  11. 【請求項11】配列表の配列番号2に示されるアミノ酸
    配列を含むポリペプチドをコードする塩基配列が配列表
    の配列番号6に示されるものである請求の範囲第10項記
    載のDNA。
  12. 【請求項12】以下の(a)又は(b)のポリペプチド
    をコードするDNA。 (a)配列表の配列番号3に示されるアミノ酸配列から
    なるポリペプチド (b)配列表の配列番号3に示されるアミノ酸配列にお
    いて1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付
    加されたアミノ酸配列からなり、かつβ−イオノン環を
    有する化合物のβ−イオノン環の4位のメチレン基をケ
    ト基に転換する酵素活性を有するポリペプチド
  13. 【請求項13】配列表の配列番号3に示されるアミノ酸
    配列を含むポリペプチドをコードする塩基配列が配列表
    の配列番号7に示されるものである請求の範囲第12項記
    載のDNA。
  14. 【請求項14】β−イオノン環を有する化合物がβ−カ
    ロチンである請求の範囲第7〜13項のいずれかに記載の
    DNA。
  15. 【請求項15】β−イオノン環がその3位の位置で1つ
    の水素原子が水酸基により置換されていてもよい請求の
    範囲第7〜13項のいずれかに記載のDNA。
  16. 【請求項16】3位の位置で1つの水素原子が水酸基に
    より置換されているβ−イオノン環を有する化合物がゼ
    アキサンチンである請求の範囲第15項記載のDNA。
  17. 【請求項17】請求の範囲第7〜16項のいずれかに記載
    のDNAにハイブリダイズし、β−イオノン環を有する化
    合物のβ−イオノン環の4位のメチレン基をケト基に転
    換する酵素活性を有するポリペプチドをコードする塩基
    配列を含むDNA。
  18. 【請求項18】プラスミドpHP51(FERM BP−4757)に挿
    入されていて、β−イオノン環を有する化合物のβ−イ
    オノン環の4位のメチレン基をケト基に転換する酵素活
    性を有するポリペプチドをコードする塩基配列を含むDN
    A。
  19. 【請求項19】請求の範囲第17または18項のいずれかに
    記載のDNAを含む組換えベクター。
  20. 【請求項20】請求の範囲第17または18項のいずれかに
    記載のDNAを導入した微生物。
  21. 【請求項21】請求の範囲第20項記載の微生物を培地で
    培養し、培養物からケトカロチノイドを採取することを
    特徴とする、ケトカロチノイドの製造法。
  22. 【請求項22】ケトカロチノイドがエキネノンおよびカ
    ンタキサンチンからなる群より選択される少なくとも一
    種の化合物である請求の範囲第21項記載の方法。
  23. 【請求項23】ケトカロチノイドが4−ケトゼアキサン
    チンおよびアスタキサンチンからなる群より選択される
    少なくとも一種の化合物である請求の範囲第21項記載の
    方法。
  24. 【請求項24】請求の範囲第20項記載の微生物が細菌ま
    たは酵母である請求の範囲第21項記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2133424A1 (en) 2004-11-29 2009-12-16 Kirin Beer Kabushiki Kaisha Peptide transporting to chromoplasts in petals and method of constructing plant having yellowish petals by using the same

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