JPH10246699A - ゲルマニウムの分析法及び分析装置 - Google Patents

ゲルマニウムの分析法及び分析装置

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JPH10246699A
JPH10246699A JP9047593A JP4759397A JPH10246699A JP H10246699 A JPH10246699 A JP H10246699A JP 9047593 A JP9047593 A JP 9047593A JP 4759397 A JP4759397 A JP 4759397A JP H10246699 A JPH10246699 A JP H10246699A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】試料中に極微量で存在しているゲルマニウムの
濃度を迅速に定量する分析法及び分析装置を提供するこ
と。 【解決手段】塩化水素含有水性キャリア液にゲルマニウ
ム含有試料を注入し、更に塩化水素含有キャリア液と混
合してゲルマニウムハロゲン化物を生成させ、次いでゲ
ルマニウムハロゲン化物の抽出が可能な有機抽出溶媒と
混合し、ゲルマニウムハロゲン化物含有有機相と塩化水
素含有水性相とに分離し、分離した有機相をモリン含有
蛍光誘導体化試薬と混合し、その後蛍光光度を測定し、
その測定値と検量線とに基づいて試料中のゲルマニウム
濃度を定量する、フローインジェクション法によるゲル
マニウムの分析法、及びゲルマニウムを含有する試料中
のゲルマニウム濃度を、フローインジェクション分析法
で定量するための分析装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゲルマニウムの分析
法及び分析装置に関し、より詳しくは、亜鉛の電解製錬
において極微量で存在していても電解効率、電着亜鉛の
表面状態に悪影響を与えるゲルマニウムの濃度を電解前
の清浄工程において迅速に定量する分析法及び分析装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属亜鉛の電解製造においては、電解液
の供給源として、亜鉛鉱石を焙焼して得た焼鉱を硫酸で
溶解したものを用いている。この溶解液中には種々の不
純物が含まれているため、これら不純物を電解前の清浄
工程で除去している。それらの不純物の中でもゲルマニ
ウムは、極微量存在していても電解効率の低下、電着亜
鉛の表面状態の悪化等の悪影響をもたらすため、清浄工
程液中のゲルマニウム濃度を一定値以下に管理する必要
がある。
【0003】従来から実施されている、清浄工程液中の
ゲルマニウム濃度の定量分析法としては、多量に共存し
ている硫酸亜鉛や、ゲルマニウムの定量に妨害を与える
不純物を、四塩化炭素等を用いる溶媒抽出分離又は水酸
化物共沈分離等の前処理で除去した後、吸光光度計また
は誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)等で
検出する方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来から
実施されている分析法においては、ゲルマニウムと共存
成分との分離のための前処理を手作業で実施しているた
め、分離操作、測定を実施して分析結果が出るまでに約
1時間半を要し、又、その間分析者は作業のために拘束
され、更にICP−MSは高価な装置であるため、亜鉛
製錬現場で利用するのには適さない等の欠点があり、又
工程へのフィードバックに時間を要していた。
【0005】本発明の目的は、試料中に極微量で存在し
ているゲルマニウムの濃度を迅速に定量する分析法及び
分析装置を提供することにある。本発明のその他の目的
は、亜鉛鉱石を焙焼して得た焼鉱を硫酸で溶解したもの
を電解液の供給源として用いる亜鉛の電解製錬におい
て、極微量で存在しているゲルマニウムの濃度を電解前
の清浄工程において迅速に定量する分析法及び分析装置
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するために種々検討の結果、ゲルマニウムと共存
成分との分離には溶媒抽出法を採用するが、フローイン
ジェクション分析(以下、FIAと記載する)法を採用
することにより、キャリア液の流れ中で自動的に抽出及
び水相と有機相との分離を達成できる設計とし、さらに
抽出有機相中のゲルマニウムを高感度で検出可能なモリ
ン蛍光誘導体とし、蛍光光度検出器で検出する方式を採
用することによりゲルマニウムの濃度を迅速に定量でき
ることを見いだし、本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明のゲルマニウムの分析法は、
塩化水素含有水性キャリア液にゲルマニウム含有試料を
注入し、更に塩化水素含有キャリア液と混合してゲルマ
ニウムハロゲン化物を生成させ、次いでゲルマニウムハ
ロゲン化物の抽出が可能な有機抽出溶媒と混合し、ゲル
マニウムハロゲン化物含有有機相と塩化水素含有水性相
とに分離し、分離した有機相をモリン含有蛍光誘導体化
試薬と混合し、その後蛍光光度を測定し、その測定値と
検量線とに基づいて試料中のゲルマニウム濃度を定量す
ることを特徴とするフローインジェクション法によるゲ
ルマニウムの分析法である。
【0008】本発明のゲルマニウムの分析法は、ゲルマ
ニウム含有試料として亜鉛の電解製錬における電解前
の、ゲルマニウムを極低濃度で含有する清浄工程液を用
いてゲルマニウムの含有量を測定するのに特に有用であ
る。また、本発明のゲルマニウムの分析法においては、
塩化水素含有水性キャリア液として塩酸を用いることが
できるが、塩化水素と臭化カリウム又は沃化カリウムと
を含有する溶液を用いることが抽出率を向上させる点で
好ましい。有機抽出溶媒としてクロロホルムを用いるこ
とが好ましく、ゲルマニウムハロゲン化物含有有機相と
塩化水素含有水性相との分離にメンブランフィルター及
び背圧調整器を用いることが好ましい。
【0009】このメンブランフィルターは親油性のメン
ブランフィルターであっても、親水性のメンブランフィ
ルターであってもよく、親油性のメンブランフィルター
を用いた場合にはゲルマニウムハロゲン化物含有有機相
がメンブランフィルターを通過して取り出され、塩化水
素含有水性相がメンブランフィルターを通過せずに排出
される。一方、親水性のメンブランフィルターを用いた
場合にはゲルマニウムハロゲン化物含有有機相がメンブ
ランフィルターを通過せずに取り出され、塩化水素含有
水性相がメンブランフィルターを通過して排出される。
背圧調整器の組み込みの容易さの点や塩化水素含有水性
キャリア液の酸性度の点から判断して、親油性のポリテ
トラフルオロエチレン製メンブランフィルターを用いる
ことが特に好ましい。
【0010】また、本発明の分析装置は、ゲルマニウム
を含有する試料中のゲルマニウム濃度を、フローインジ
ェクション分析法で定量するための分析装置において、
キャリア液を送液する第一流路と、該第一流路に順次設
けられた第一定流量ポンプと、試料液注入用インジェク
ターと、混合部コイルと、抽出部コイルと、溶媒抽出装
置と、反応部コイルと、蛍光光度検出器と、キャリア液
を送液する第二定流量ポンプを有しており且つ該インジ
ェクターと該混合部コイルとの間で該第一流路に合流し
ている第二流路と、抽出溶媒を送液する第三定流量ポン
プを有しており且つ該混合部コイルと該抽出部コイルと
の間で該第一流路に合流している第三流路と、蛍光誘導
体化試薬を送液する第四定流量ポンプを有しており且つ
該溶媒抽出装置と該反応部コイルとの間で該第一流路に
合流している第四流路と、該溶媒抽出装置から水性相を
排出するための排出流路と、該溶媒抽出装置での溶媒抽
出のバランスを調整するための背圧調整器と、該蛍光光
度検出器と電気的に連結した記録計又はデータ処理装置
とを有することを特徴とする。
【0011】本発明の分析装置においては、溶媒抽出装
置にメンブランフィルターを用いることが好ましい。こ
のメンブランフィルターは前記したように親油性のメン
ブランフィルターであっても、親水性のメンブランフィ
ルターであってもよいが、親油性のメンブランフィルタ
ーを用いる場合にはゲルマニウムハロゲン化物含有有機
相がメンブランフィルターを通過して取り出され、塩化
水素含有水性相がメンブランフィルターを通過せずに排
出され、一方、親水性のメンブランフィルターを用いる
場合にはゲルマニウムハロゲン化物含有有機相がメンブ
ランフィルターを通過せずに取り出され、塩化水素含有
水性相がメンブランフィルターを通過して排出されるこ
とになる。背圧調整器はメンブランフィルターを通過せ
ずに取り出される流路に設ける必要があり、また、ゲル
マニウムハロゲン化物含有有機相が流通する第一流路に
設けるよりも塩化水素含有水性相を排出するための排出
流路に設ける方が容易であるので、メンブランフィルタ
ーとして親油性のポリテトラフルオロエチレン製メンブ
ランフィルターを用いることが特に好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のゲルマニウムの分析法及
び分析装置を以下に図1に基づいて具体的に説明する。
図1は自動溶媒抽出装置を備えた本発明のFIA装置の
構成図であり、キャリア液を送液する第一流路には第一
定流量ポンプP1、試料液注入用インジェクターSI、
混合部コイルC1、抽出部コイルC2、親油性のポリテ
トラフルオロエチレン製メンブランフィルターの組み込
まれた溶媒抽出装置PS、反応部コイルC3、及び蛍光
光度検出器Dがこの順序で設けられている。また、キャ
リア液を送液する第二定流量ポンプP2を有する第二流
路は該インジェクターSIと該混合部コイルC1との間
で該第一流路に合流しており、抽出溶媒を送液する第三
定流量ポンプP3を有する第三流路は該混合部コイルC
1と該抽出部コイルC2との間で該第一流路に合流して
おり、蛍光誘導体化試薬を送液する第四定流量ポンプP
4を有する第四流路は該溶媒抽出装置PSと該反応部コ
イルC3との間で該第一流路に合流している。更に、該
溶媒抽出装置PSから水性相を排出するための排出流路
は溶媒抽出のバランスを調整するための背圧調整器V1
を有しており、また、記録計又はデータ処理装置Rが該
蛍光光度検出器Dと電気的に連結している。
【0013】本発明においてはキャリア液として塩化水
素含有水性溶液を用いるので、キャリア液と接触する全
ての部分、即ち、第一定流量ポンプP1、第二定流量ポ
ンプP2、インジェクターSI、混合部コイルC1、抽
出部コイルC2、溶媒抽出装置PS、反応部コイルC
3、蛍光光度検出器D、背圧調整器V1、及びそれらを
連結する配管の接液部分には耐食性材質を使用する。
【0014】図1に示すような分析装置を用いる本発明
の分析法の手順及び測定原理を、亜鉛の電解製錬におけ
る電解前の、ゲルマニウムを極低濃度で含有する清浄工
程液をゲルマニウム含有試料として用いて、以下に説明
する。キャリア液中の塩酸濃度とゲルマニウム含有試料
中の塩酸濃度とをほぼ同程度で且つ高濃度(高濃度であ
るほどゲルマニウムの抽出効率が高くなり、分析精度が
高くなるが、7mol/lを超えるとHClガスが発生して
送液が不安定となる傾向があるので、7mol/l以下であ
ることが好ましい)とすることが好ましく、例えば、清
浄工程液と濃塩酸〔35%(m/m)〕とを2:3の割
合で混合し、例えば孔径0.2μmのメンブランフィル
ターでろ過したものを測定用試料とする。
【0015】第一定流量ポンプP1及び第二定流量ポン
プP2でそれぞれ送液する塩化水素含有水性キャリア液
の組成及び流量は同一であっても異なっていてもよく、
また、抽出率を向上させるために臭化カリウム又は沃化
カリウムを添加することが好ましく、例えば下記の通り
に同一に設定することができる。 塩酸濃度7mol/l、臭化カリウム濃度0.2mol/l、流
量0.25ml/min 第三定流量ポンプP3で送液する有機抽出溶媒の種類及
び流量を例えば下記の通りに設定することができる。 クロロホルム、流量0.5ml/min 第四定流量ポンプP4で送液する蛍光誘導体化試薬の組
成及び流量を例えば下記の通りに設定することができ
る。 モリン濃度1.5mmol/l+りん酸〔85%(m/m)〕
濃度20ml/lのエタノール溶液、流量0.5ml/min
【0016】混合部コイルC1、抽出部コイルC2、反
応部コイルC3には、例えば、それぞれ内径が0.5m
mで長さが1m、2m、5mのポリテトラフルオロエチ
レンチューブを使用することができる。溶媒抽出装置に
は、例えば、孔径0.5μmのポリテトラフルオロエチ
レン製メンブランフィルターを装着する。蛍光光度検出
器は、例えば、励起波長428nm、蛍光波長500n
mに設定することができる。
【0017】分析装置を起動して各キャリア液及び試薬
溶液を送液し、溶媒抽出装置において塩酸溶液である水
性相とクロロホルムの有機相とに分離できるように背圧
調整器V1で背圧を調整する。なお、背圧が高くなりす
ぎると水性相の少なくとも一部が有機相と共にメンブラ
ンフィルターを通過し、また、背圧が低くなりすぎると
有機相の少なくとも一部が水性相と共に排出されてしま
う。クロロホルムの有機相について蛍光光度検出器の出
力モニターでベースラインを記録し、ベースラインが安
定するまで待つ。
【0018】ベースラインが安定したら、上記の測定用
試料100μlをインジェクターSIから分析装置に導
入する。測定用試料中のゲルマニウムは主として混合部
コイルC1中で上記のキャリア液中でハロゲン化物に転
化され、その後クロロホルムと接触することにより、ゲ
ルマニウムハロゲン化物はクロロホルム相に抽出され
る。この抽出を十分に進行させるために抽出部コイルC
2中を通過させる。その後、ポリテトラフルオロエチレ
ン製メンブランフィルターと接触させることにより、ゲ
ルマニウムを含むクロロホルム相はポリテトラフルオロ
エチレン製メンブランフィルターを通過し、水性相はポ
リテトラフルオロエチレン製メンブランフィルターを通
過せずに排出される。さらに、ゲルマニウムを含むクロ
ロホルム相を蛍光誘導体化試薬であるモリンのエタノー
ル溶液と混合させ、反応部コイルC3を通過させて十分
に反応させた後、蛍光光度検出器でゲルマニウム−モリ
ン蛍光体の蛍光ピークを検出し、ピーク高さ又はピーク
面積を求める。
【0019】測定用試料中のゲルマニウムの濃度は検量
線を用いて定量することができる。検量線は絶対検量線
法、標準添加法などで作成することができる。例えば、
あらかじめ清浄工程液の組成に合わせて調製した溶液に
既知濃度のゲルマニウムを添加した試料溶液で検量線を
作成したり(絶対検量線法)、測定用試料中に直接既知
濃度のゲルマニウムを添加した試料溶液で検量線を作成
したり(標準添加法)することができる。
【0020】このような方式を採用することにより、清
浄液試料を分析装置に導入した後約5分以内にゲルマニ
ウムのFIAピークの検出が可能となる。従って、1試
料当たり2回の測定を行う場合でも、標準添加法による
定量方法では約40分、あらかじめ検量線を作成してお
いた場合には約15分で分析することが可能である。
【0021】また、試料導入部であるインジェクターを
オートサンプラーに代えることにより、ろ過後の試料を
オートサンプラーの試料台に設置しておけば、その間は
自動運転で分析することも可能である。以上のように、
分析結果が早く得られるため、現場へのフィードバック
が早くなり、電解亜鉛の安定製造に寄与するとともに、
省力化にも貢献できる。
【0022】
【実施例】図1に示す構成の分析装置を用い、亜鉛の電
解製錬における電解前の、ゲルマニウムを極低濃度で含
有する清浄工程液と濃塩酸〔35%(m/m)〕とを
2:3の割合で混合し、孔径0.2μmのメンブランフ
ィルターでろ過したものを測定用試料として用いた。
【0023】第一定流量ポンプP1及び第二定流量ポン
プP2でそれぞれ送液するキャリア液として塩酸濃度7
mol/l、臭化カリウム濃度0.2mol/lの水溶液を用
い、流量を0.25ml/minとした。第三定流量ポンプP
3で送液する有機抽出溶媒としてクロロホルムを用い、
流量を0.5ml/minとした。第四定流量ポンプP4で送
液する蛍光誘導体化試薬としてモリン濃度1.5mmol/l
+りん酸〔85%(m/m)〕濃度20ml/lのエタノー
ル溶液を用い、流量を0.5ml/minとした。
【0024】混合部コイルC1、抽出部コイルC2、反
応部コイルC3には、それぞれ内径が0.5mmで長さ
が1m、2m、5mのポリテトラフルオロエチレン(テ
フロン)製チューブを8の字状に巻いたものを使用し
た。溶媒抽出装置には、孔径0.5μmのポリテトラフ
ルオロエチレン製メンブランフィルターを装着した。蛍
光光度検出器は、励起波長428nm、蛍光波長500
nmに設定した。分析装置を起動して各キャリア液及び
試薬溶液を送液し、溶媒抽出装置において塩酸溶液であ
る水性相とクロロホルムの有機相とに分離できるように
背圧調整器V1で背圧を1kg/cm2 Gに調整した。
蛍光光度検出器の出力モニターでベースラインを記録
し、ベースラインが安定するまで待った。
【0025】ベースラインが安定した後、上記の測定用
試料100μlをインジェクターSIから分析装置に導
入した。溶媒抽出装置のポリテトラフルオロエチレン製
メンブランフィルターと接触させることにより、ゲルマ
ニウムを含むクロロホルム相はポリテトラフルオロエチ
レン製メンブランフィルターを通過し、水性相はポリテ
トラフルオロエチレン製メンブランフィルターを通過せ
ずに排出された。そのゲルマニウムを含むクロロホルム
相を蛍光誘導体化試薬であるモリンのエタノール溶液と
混合させ、十分に反応させた後、蛍光光度検出器でゲル
マニウム−モリン蛍光体の蛍光ピークを検出し、ピーク
高さを求めた。
【0026】上記の蛍光ピークが消失した後、再度上記
の測定用試料100μlを分析装置に導入し、同様にピ
ーク高さを求めた。この蛍光ピークが消失した後、上記
の測定用試料に、上記の清浄工程液中のゲルマニウム濃
度が10ppb増加する量に相当する量(上記の測定用
試料中のゲルマニウム濃度が4ppb増加する量)のゲ
ルマニウムを添加した試料100μlを分析装置に導入
し、同様にピーク高さを求めた。この蛍光ピークが消失
した後、再度、上記の測定用試料に、上記の清浄工程液
中のゲルマニウム濃度が10ppb増加する量に相当す
る量のゲルマニウムを添加した試料100μlを分析装
置に導入し、同様にピーク高さを求めた。この蛍光ピー
クが消失した後、上記の測定用試料に、上記の清浄工程
液中のゲルマニウム濃度が20ppb増加する量に相当
する量(上記の測定用試料中のゲルマニウム濃度が8p
pb増加する量)のゲルマニウムを添加した試料100
μlを分析装置に導入し、同様にピーク高さを求めた。
この蛍光ピークが消失した後、再度、上記の測定用試料
に、上記の清浄工程液中のゲルマニウム濃度が20pp
b増加する量に相当する量のゲルマニウムを添加した試
料100μlを分析装置に導入し、同様にピーク高さを
求めた。その結果は図2に示す通りであった。この分析
結果から、試料中のゲルマニウム濃度は13ppbであ
ると計算された。
【0027】亜鉛の電解製錬における電解前の清浄工程
液から時間を変えて5個のサンプルを採取し、各サンプ
ル中のゲルマニウム濃度を本発明の分析法によって2回
求め、また同一サンプル中のゲルマニウム濃度を、従来
法の一つである四塩化炭素抽出−フェニルフルオロン吸
光光度法によって2回求めた。それらの分析値は第1表
に示す通りであった。
【0028】 双方の分析法から得られた分析結果はよく一致してお
り、本発明による分析法及び分析装置がゲルマニウムの
簡易分析法として適切に採用できることが確認できた。
【0029】
【発明の効果】本発明による分析法及び分析装置で分析
した場合には、分析結果が早く得られるため、現場への
フィードバックが早くなり、亜鉛の電解製錬工程でのゲ
ルマニウム濃度の管理が強化され、電解効率のアップ等
によるコストダウン及び製造工程の安定化に寄与すると
ともに、省力化にも貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明のゲルマニウム分析装置の構成
図である。
【図2】 図2は実施例で得た分析結果のチャートであ
る。
【符号の説明】
P1 第一定流量ポンプ P2 第二定流量ポンプ P3 第三定流量ポンプ P4 第四定流量ポンプ SI 試料液注入用インジェクター C1 混合部コイル C2 抽出部コイル C3 反応部コイル PS 溶媒抽出装置 V1 背圧調整器 D 蛍光光度検出器 R 記録計又はデータ処理装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化水素含有水性キャリア液にゲルマニウ
    ム含有試料を注入し、更に塩化水素含有キャリア液と混
    合してゲルマニウムハロゲン化物を生成させ、次いでゲ
    ルマニウムハロゲン化物の抽出が可能な有機抽出溶媒と
    混合し、ゲルマニウムハロゲン化物含有有機相と塩化水
    素含有水性相とに分離し、分離した有機相をモリン含有
    蛍光誘導体化試薬と混合し、その後蛍光光度を測定し、
    その測定値と検量線とに基づいて試料中のゲルマニウム
    濃度を定量することを特徴とするフローインジェクショ
    ン法によるゲルマニウムの分析法。
  2. 【請求項2】ゲルマニウム含有試料として亜鉛の電解製
    錬における電解前の清浄工程液を用いることを特徴とす
    る請求項1記載の分析法。
  3. 【請求項3】塩化水素含有水性キャリア液として塩酸を
    用いることを特徴とする請求項1又は2記載の分析法。
  4. 【請求項4】塩化水素含有水性キャリア液として塩化水
    素と臭化カリウム又は沃化カリウムとを含有する溶液を
    用いることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の
    分析法。
  5. 【請求項5】ゲルマニウムハロゲン化物含有有機相と塩
    化水素含有水性相との分離にメンブランフィルター及び
    背圧調整器を用いることを特徴とする請求項1〜4の何
    れかに記載の分析法。
  6. 【請求項6】ゲルマニウム含有試料として亜鉛の電解製
    錬における電解前の清浄工程液を用い、塩化水素含有水
    性キャリア液として塩酸−臭化カリウム溶液を用い、有
    機抽出溶媒としてクロロホルムを用い、ゲルマニウムハ
    ロゲン化物含有有機相と塩化水素含有水性相との分離に
    ポリテトラフルオロエチレン製メンブランフィルター及
    び背圧調整器を用いることを特徴とする請求項1記載の
    分析法。
  7. 【請求項7】ゲルマニウムを含有する試料中のゲルマニ
    ウム濃度を、フローインジェクション分析法で定量する
    ための分析装置において、 キャリア液を送液する第一流路と、 該第一流路に順次設けられた第一定流量ポンプと、試料
    液注入用インジェクターと、混合部コイルと、抽出部コ
    イルと、溶媒抽出装置と、反応部コイルと、蛍光光度検
    出器と、 キャリア液を送液する第二定流量ポンプを有しており且
    つ該インジェクターと該混合部コイルとの間で該第一流
    路に合流している第二流路と、 抽出溶媒を送液する第三定流量ポンプを有しており且つ
    該混合部コイルと該抽出部コイルとの間で該第一流路に
    合流している第三流路と、 蛍光誘導体化試薬を送液する第四定流量ポンプを有して
    おり且つ該溶媒抽出装置と該反応部コイルとの間で該第
    一流路に合流している第四流路と、 該溶媒抽出装置から水性相を排出するための排出流路
    と、 該溶媒抽出装置での溶媒抽出のバランスを調整するため
    の背圧調整器と、 該蛍光光度検出器と電気的に連結した記録計又はデータ
    処理装置とを有することを特徴とする分析装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009222427A (ja) * 2008-03-13 2009-10-01 Fuji Electric Holdings Co Ltd 合金の組成分析方法及び組成分析装置

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