JPH10246404A - 水管ボイラ - Google Patents

水管ボイラ

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JPH10246404A
JPH10246404A JP6215097A JP6215097A JPH10246404A JP H10246404 A JPH10246404 A JP H10246404A JP 6215097 A JP6215097 A JP 6215097A JP 6215097 A JP6215097 A JP 6215097A JP H10246404 A JPH10246404 A JP H10246404A
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JP
Japan
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water pipe
water
row
combustion reaction
pipes
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Application number
JP6215097A
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English (en)
Inventor
Shigehiro Watanabe
茂広 渡辺
Noboru Takubo
昇 田窪
Kanta Kondo
幹太 近藤
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MIURA KENKYUSHO KK
Miura Co Ltd
Original Assignee
MIURA KENKYUSHO KK
Miura Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水管ボイラにおいて、簡易な構成により、低
NOx 化および低CO化を図る。 【解決手段】 燃焼室9内の燃焼反応中ガスの存在する
領域に複数の水管5を環状に配置して第一水管列6を形
成し、この第一水管列6の隣り合う水管5間に燃焼反応
中ガスの流通を許容する隙間12を設け、前記第一水管
列6の周囲に燃焼反応の中間生成物や燃料の未燃分の燃
焼反応を行う領域13を設けた構成である。さらに、前
記各水管5に接触した後の燃焼反応中ガスの温度が、1
400℃以下となるように、前記複数の水管5を燃焼室
9に配置した構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、貫流ボイラ、自
然循環式水管ボイラ、強制循環式水管ボイラなどの水管
ボイラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】水管ボイラは、水管によって缶体を構成
したボイラである。このような水管ボイラの缶体構造に
は、複数本の水管を環状に配列したものがある。この形
式の水管ボイラでは、環状の水管列で囲まれた円柱状の
空間を燃焼室としている。前記のような水管ボイラで
は、前記燃焼室内で主に輻射による伝熱が行われ、燃焼
室よりも下流側で主に対流によって伝熱が行われる。
【0003】近年では、このような水管ボイラについて
も一層の低NOx 化および低CO化が要望されている。
低NOx 化については、現状では、既存の缶体に低NO
x バーナを取り付けたり、排ガス再循環装置を取り付け
ることによって対処しており、また低CO化について
は、燃焼装置の燃焼状態を調整することによって対処し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする課題は、簡易な構成により、低NOx 化および低
CO化の実現を図ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記の課題
を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発
明は、燃焼室内の燃焼反応中ガスの存在する領域に複数
の水管を環状に配置して第一水管列を形成し、この第一
水管列の隣り合う水管間に燃焼反応中ガスの流通を許容
する隙間を設け、前記第一水管列の周囲に燃焼反応を継
続して行う領域を設けた水管ボイラである。
【0006】請求項2に記載の発明は、前記各水管に接
触した後の燃焼反応中ガスの温度が1400℃以下とな
るように前記複数の水管を燃焼室に配置した水管ボイラ
である。
【0007】請求項3に記載の発明は、前記第一水管列
が、2列以上の環状の水管列である水管ボイラである。
【0008】請求項4に記載の発明は、第一水管列の外
側に、複数の熱回収水管を配置した水管ボイラである。
【0009】請求項5に記載の発明は、前記複数の熱回
収水管のうちの一部の熱回収水管が、密接して配置され
ている水管ボイラである。
【0010】請求項6に記載の発明は、前記複数の熱回
収水管が、隣り合う熱回収水管間の隙間の幅Fが異なる
箇所を設けて配置されている水管ボイラである。
【0011】請求項7に記載の発明は、前記複数の熱回
収水管が、環状の第二水管列を形成している水管ボイラ
である。
【0012】請求項8に記載の発明は、前記第二水管列
が、2列以上の環状の水管列である水管ボイラである。
【0013】請求項9に記載の発明は、前記第二水管列
が、内側の列の一部に内周側と外周側とを連通する内列
開口部を備えるとともに、外側の列の一部に内周側と外
周側とを連通する外列開口部を備えており、前記内列開
口部と外列開口部とを前記第二水管列の周方向にずらせ
た位置に配置してある水管ボイラである。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明は、多管式の水管ボイラ
として実施される。さらに、この発明の水管ボイラは、
蒸気ボイラや温水ボイラのほか、熱媒を加熱する熱媒ボ
イラなどとして適用される。
【0015】まず、請求項1に記載の発明は、燃焼室内
の燃焼反応中ガスの存在する領域(以下、燃焼反応領域
という)に複数の水管を環状に配置して第一水管列を形
成し、この第一水管列の隣り合う水管間に燃焼反応中ガ
スの流通を許容する隙間を設けたものである。前記燃焼
室とは、その内側の一部または全部を燃焼反応を行わせ
る空間としたものである。この燃焼室は、水管列で区画
される場合と、耐火物などで形成した外壁で区画される
場合とがある。前記燃焼反応中ガスとは、燃焼室内にお
いて、燃焼反応を生じている最中の高温のガスをいう。
前記燃焼反応領域としては、好ましくは燃焼反応中ガス
に火炎が生じている領域または燃焼反応中ガスの温度が
900℃以上の高温の燃焼反応中ガスが存在する領域と
する。ここでいう火炎は、燃焼反応が活発に行われてい
る燃焼反応中ガスに生じる現象である。この火炎は、目
視できる場合もあるし、目視し難い場合や目視できない
場合もある。請求項1に記載の発明においては、前記の
ような燃焼反応領域に複数の水管を配置することによ
り、燃焼反応中ガスを前記複数の水管によって冷却して
温度を低下させ、サーマルNOx の生成を抑制する。こ
のとき、燃焼反応中ガスは水管間の隙間を流れるから、
各水管のより多くの表面と接触するため、前記した冷却
によるNOx 低減の効果を向上する。この理由は、ゼル
ドビッチ(Zeldovich )機構で説明されるように、サー
マルNOx は、燃焼反応の温度が高いほど、その生成速
度が著しく増えて生成量も増加するが、燃焼反応の温度
が低いほど、その生成速度が減って生成量が減少するた
めである。とくに燃焼反応の温度が1400℃以下の場
合には、サーマルNOx の生成速度は著しく遅くなる。
【0016】そして、請求項1に記載の発明は、前記第
一水管列の周囲に燃焼反応を継続して行う領域(以下、
燃焼反応継続領域という)を設けたものである。この燃
焼反応継続領域は、前記第一水管列内側での燃焼反応の
後、COやHCのような燃焼反応の中間生成物や燃料の
未燃分の燃焼反応が行われる領域である。この燃焼反応
継続領域には、前記隙間から燃焼反応中ガスが流入し、
この燃焼反応継続領域を流通する過程において、燃焼反
応中ガスに残留するCOがCO2 に酸化されるため、ボ
イラからのCOの排出量が少なくなる。
【0017】そして、請求項1に記載の発明は、複数の
水管を環状に配置したものであるから、燃焼反応中ガス
は、各水管に接触して伝熱を行うため、熱負荷をほぼ均
一化でき、さらに燃焼反応中ガスは、各水管によって冷
却されるため、NOx の低減作用も第一水管列の全周で
ほぼ均一に行われる。
【0018】さらに、請求項1に記載の発明では、複数
の水管を環状に配置している。この環状配置としては、
複数の水管を真円状に配置するほか、楕円状に配置する
こともできる。また、前記複数の水管は、三角形,四角
形あるいはそれ以上の多角形の形状に配置することもで
きる。さらに、前記複数の水管を環状に配置する際に、
各水管の中心を結ぶ線が、凹凸を形成するように配置す
ることもできる。
【0019】そして、請求項1に記載の発明では、隣り
合う水管間に燃焼反応中ガスの流通を許容する隙間を設
けてあるが、前記隙間は、この隙間を通過する燃焼反応
中ガスが、前記各水管によって冷却されても燃焼反応を
継続し得る幅Cを有するものである。この幅Cは少なく
とも1mmは必要である。また、前記隙間は、隣り合う水
管ごとに形成する必要はなく、たとえば所定本数の水管
を密接させて配置し、この密接させた水管のグループ間
に隙間を設けることもできる。さらに、この隙間はすべ
てを同じ幅Cにする必要はなく、複数の水管を、幅の広
い隙間と幅の狭い隙間ができるように環状に配置するこ
ともできる。
【0020】請求項2に記載の発明は、前記各水管に接
触した後の燃焼反応中ガスの温度が1400℃以下とな
るように、前記複数の水管を燃焼室に配置したものであ
る。この配置により、燃焼反応中ガスの温度が低下して
サーマルNOx の発生が少なくなり、したがってボイラ
の低NOx 化を達成する。
【0021】請求項3に記載の発明は、前記第一水管列
を、2列以上の環状の水管列としたもので、燃焼反応中
ガスとの伝熱量を増加できるため、燃焼反応中ガスの温
度をさらに下げることができ、サーマルNOx の発生量
が大幅に少なくなる。また、第一水管列を2列以上の環
状の水管列とすることにより、ボイラの効率が向上す
る。この場合、内側の列の隣り合う水管の間に、外側の
列の水管が位置するように配置するのが好ましい。
【0022】請求項4に記載の発明は、前記第一水管列
の外側に、複数の熱回収水管を配置したものである。前
記第一水管列の外側の燃焼反応継続領域内では、燃焼反
応中ガスは、COの酸化反応のほか、燃焼反応の中間生
成物や燃料の未燃分の反応が継続しているため、熱を生
じている。そこで、前記各熱回収水管によって、これら
の熱を含めて、燃焼反応中ガスおよび燃焼反応の終了し
たガス(以下、燃焼反応終了ガスという)から熱回収を
行う。したがって、前記複数の熱回収水管によって熱の
有効利用が図れ、熱効率が向上する。
【0023】請求項5に記載の発明は、前記複数の熱回
収水管のうちの一部の熱回収水管を密接して配置したも
のである。この配置によると、各熱回収水管と燃焼反応
中ガスおよび燃焼反応終了ガスとの接触状態を調整し
て、伝熱量の調整を行うことができる。
【0024】請求項6に記載の発明は、前記複数の熱回
収水管を、隣り合う熱回収水管間の隙間の幅Fが異なる
箇所を設けて配置したものである。すなわち、前記複数
の熱回収水管を、幅の広い隙間と幅の狭い隙間ができる
ように、環状に配置したものである。この配置による
と、前記各熱回収水管と燃焼反応中ガスおよび燃焼反応
終了ガスとの接触状態を調整して、伝熱量の調整を行う
ことができる。
【0025】請求項7に記載の発明は、前記複数の熱回
収水管を環状に配置して第二水管列を形成したものであ
る。第二水管列を環状に構成することによって、各熱回
収水管は、燃焼反応中ガスおよび燃焼反応終了ガスとほ
ぼ均等に接触し、それらのガスからほぼ均等に熱回収を
行うことができる。
【0026】請求項8に記載の発明は、前記第二水管列
を、2列以上の環状の水管列としたもので、燃焼反応中
ガスおよび燃焼反応終了ガスからの熱回収量をさらに増
加できるため、ボイラの効率が向上する。この場合、内
側の列の隣り合う熱回収水管間に、外側の列の熱回収水
管が位置するように配置するのが好ましい。
【0027】請求項9に記載の発明は、前記第二水管列
を2列以上の環状の水管列とし、内側の列の一部に内周
側と外周側とを連通する内列開口部を設けるとともに、
外側の列の一部に内周側と外周側とを連通する外列開口
部を設け、前記内列開口部と前記外列開口部とを前記第
二水管列の周方向にずらせて配置したものである。この
構成によると、燃焼反応中ガスおよび燃焼反応終了ガス
を、内側の列と外側の列との間に導いて熱回収を行うこ
とができるため、接触伝熱面を広くとれ、第二水管列に
おける接触伝熱量が増加する。前記内列開口部および前
記外列開口部の数は、それぞれ1つに限らず、複数設け
ることもでき、さらに前記内列開口部と前記外列開口部
の数を異ならせて設けることもできる。
【0028】
【実施例】以下、この発明を、多管式の貫流ボイラに適
用した第一実施例について図1および図2を参照しなが
ら説明する。図1は、この発明の第一実施例の縦断面の
説明図、図2は、図1のII−II線に沿う断面の説明図で
ある。
【0029】図1および図2において、ボイラの缶体1
は、所定の距離を離して配置した上部管寄せ2および下
部管寄せ3を有している。この上部管寄せ2および下部
管寄せ3の外周間には、外壁4を配置している。
【0030】前記上部管寄せ2と下部管寄せ3との間に
は、複数(第一実施例では10本)の水管5を環状に配
置してある。これらの水管5は、環状の第一水管列6を
構成している。さらに、前記上部管寄せ2と下部管寄せ
3との間であって、前記外壁4の内周側近くには、複数
(第一実施例では30本)の熱回収水管7を環状に配置
して、環状の第二水管列8を形成している。この第二水
管列8は、前記第一水管列6とで二重の環状水管列を形
成している。さらに、前記各水管5および各熱回収水管
7は、その各端部を前記上部管寄せ2および下部管寄せ
3のそれぞれに接続してある。
【0031】ボイラの燃焼室9は、前記上部管寄せ2お
よび下部管寄せ3と第二水管列8によって画成されてい
る。そして、この燃焼室9の上方には、燃焼装置10を
取り付けてある。この燃焼装置10は、前記上部管寄せ
2の内方(中央部)から燃焼室9に向けて挿入してあ
り、この燃焼装置10の軸線11と第一水管列6の各水
管5とは、ほぼ平行になっている。この燃焼装置10
は、先混合式燃焼装置である。
【0032】さて、前記燃焼装置10によって、前記燃
焼室9内には燃焼反応中ガスが存在する領域、すなわち
燃焼反応領域が形成されるが、この燃焼反応領域のうち
の火炎が存在する領域(以下、火炎存在領域という)に
前記第一水管列6を位置させてある。また、前記第一水
管列6は、前記各水管5に接触した後の燃焼反応中ガス
の温度が1400℃以下となるように、燃焼反応領域に
配置してある。さらに、前記第一水管列6において、各
水管5間には燃焼反応中ガスの流通を許容する隙間12
が形成されている。
【0033】そして、第一水管列6と前記第二水管列8
との間には、COやHCのような燃焼反応の中間生成物
および燃料の未燃分の燃焼反応が行われる燃焼反応継続
領域13を設けている。この燃焼反応継続領域13内に
は、水管5のような熱を吸収する部材は存在しない。
【0034】前記第二水管列8において、隣り合う熱回
収水管7間の隙間(以下、第二隙間という)14は狭
く、通常1〜4mmに設定してある。さらに、第二水管列
8の外周側においては、各熱回収水管7に伝熱ヒレ15
を取り付けてある。
【0035】さらに、前記外壁4には、排ガス出口16
を設けてある。この排ガス出口16は、前記外壁4と前
記第二水管列8との間の環状の排ガス流路17と連通し
ている。
【0036】以上の構成の水管ボイラにおいて、燃焼装
置10を作動させると、前記燃焼室9内には燃焼反応中
ガスが発生する。この燃焼反応中ガスの燃焼反応の初期
においては、燃料の分解が行われ、この後分解した燃料
と酸素が活発に反応する。そして、つぎの段階では、こ
の際の燃焼反応で生じたCOやHCのような中間生成物
がさらに反応し、そして燃焼反応が終った燃焼反応終了
ガスは、排ガスとして缶体1から排出される。前記燃焼
反応が活発に行われている領域では、通常火炎が生じ
る。
【0037】前記燃焼反応中ガスは、第一水管列6の中
心部をそのほぼ軸線方向に、下部管寄せ3側に向けて広
がりながら流動し、前記隙間12から燃焼反応継続領域
13に流入する。したがって、火炎は、図1に示すよう
に、燃焼反応中ガスの流動に伴って、第一水管列6の外
側にまで形成される。そのため、前記各水管5は、燃焼
反応領域中の火炎存在領域内に位置する。そして、この
火炎を生じている燃焼反応中ガスは、隙間12を通過す
る際に各水管5内部の被加熱流体との間で熱交換を行
う。この火炎を生じている燃焼反応中ガスは、この熱交
換により急激に冷却されて温度が低下するため、サーマ
ルNOx の発生が抑制される。ここで、前記第一水管列
6は、環状の水管列であるから、各水管5には、火炎を
生じている燃焼反応中ガスがほぼ均等に接触するため、
各水管5における熱負荷もほぼ均一になる。さらに、こ
の燃焼反応中ガスは、各水管5とほぼ均等に接触して冷
却されるため、各水管5によるNOx の低減作用もほぼ
均等になる。また、この結果、この燃焼反応中ガスにお
いては、火炎の形成が少なくなる。
【0038】そして、前記隙間12を通過した燃焼反応
中ガスは、前記燃焼反応継続領域13内を第二水管列8
に向けて流通する。この際、燃焼反応中ガスは、前記第
二水管列8に到達するまでは、前記水管5のような熱交
換を行う部材との接触がなく、温度はあまり低下しな
い。そのため、燃焼反応中ガスは、燃焼反応を継続しな
がら、前記燃焼反応継続領域13を流通し、その間にC
OからCO2 への酸化反応が促進される。この燃焼反応
継続領域13内では、前記酸化反応のほか、前記中間生
成物や燃料の未燃分などの酸化反応も行われる。
【0039】そして、燃焼反応中ガスは、前記第二水管
列8に到達するまでに燃焼反応をほぼ終了した高温のガ
スとなり、第二隙間14を通って排ガス流路17に流入
する。この燃焼反応中ガスが第二隙間14を通過する際
には、前記伝熱ヒレ15によってより多くの熱が前記各
熱回収水管7内の被加熱流体に伝熱される。そして、第
二隙間14を通過し、排ガス流路17に流入した燃焼反
応終了ガスは、第二水管列8の外側から各熱回収水管7
内の被加熱流体に伝熱を行った後、排ガス出口16から
排ガスとしてボイラ外に排出される。ここで、前記第二
水管列8は、複数の熱回収水管7からなる環状の水管列
であるから、燃焼反応中ガスおよび燃焼反応終了ガス
は、各熱回収水管7にほぼ均等に接触し、第二水管列8
の全体で、燃焼反応中ガスおよび燃焼反応終了ガスから
熱回収を行うため、第二水管列8においても各熱回収水
管7における熱負荷はほぼ均一になる。
【0040】以上の説明において、燃焼反応中ガスの流
れは、第一水管列6の径方向についてのものであるが、
つぎに第一水管列6の軸線方向について注目して説明す
る。燃焼反応中ガスは、前述のように、第一水管列6の
中心部を、そのほぼ軸線方向に、下部管寄せ3側に向け
て広がりながら流動しているため、この燃焼反応中ガス
の下流側ほど各水管5への伝熱によって温度が低下して
いる。そのため、サーマルNOx の生成が抑制される。
また、第一実施例は、貫流ボイラであるため、被加熱流
体が下部管寄せ3から各水管5および各熱回収水管7内
に供給され、各水管5および各熱回収水管7内を加熱さ
れながら上昇し、上部管寄せ2から蒸気として取り出さ
れる。
【0041】つぎに、前記第一実施例の水管ボイラにつ
いてさらに具体的に説明する。前記第一実施例の水管ボ
イラは、蒸発量が毎時500〜4000kgの貫流ボイラ
として実施したものである。この第一実施例の貫流ボイ
ラでは、水管5の外径Bを約60mmとしている。通常、
貫流ボイラでは、25〜80mm程度の外径Bの水管5を
用いるが、水管ボイラ全般においては、20〜100mm
程度の外径Bの水管5を用いる。そして、この第一実施
例では、前記複数の水管5を真円状に配置する際のピッ
チ円の直径Dを約344mmとしてある。このピッチ円の
直径Dは、最低でも100mmは必要である。すなわち、
このピッチ円の直径Dが、これ以上小さいと第一水管列
6の内周側の空間が小さくなって安定した燃焼反応を継
続し難くなる。一方、ピッチ円の直径Dが大きいと、第
一水管列6の内周側の空間が大きくなり、その内部にサ
ーマルNOx の生成を促進する高温の領域が発生し易く
なる。そのため、ピッチ円の直径Dの上限値は、この点
を考慮して決定する。また、このピッチ円の直径Dの上
限値は、必要とするボイラの蒸発量に応じて決定する。
たとえば、蒸発量が毎時4000kgの水管ボイラでは、
前記ピッチ円の直径Dは、1000mmが上限となる。
【0042】さらに、この第一実施例では、第一水管列
6における隣り合う水管5の中心間距離Aを約106mm
としてあり、この中心間距離Aと前記水管5の外径Bと
の比A/Bを1.8としている。また、前記隙間12の
幅Cは、前記中心間距離Aと前記外径Bとの差に等し
く、約46mmである。また、第一実施例のように、各水
管5間に隙間12を設ける場合、この隙間12の幅C
は、燃焼反応中ガスが各水管5による冷却によって燃焼
反応が停止しないような値に設定する。この場合の隙間
12の幅Cは、少なくとも1mmは必要である。したがっ
て、隣り合う水管5間に隙間12を設ける場合、前記比
A/Bは、1<A/B≦2に設定している。この比A/
Bは、低NOx 化の要求の度合に応じて変えることがで
きる。
【0043】さらに、この第一実施例の燃焼装置10
は、空気比を1.3に設定したものであり、この場合、
燃焼反応中ガスの最高温度は、ほぼ1700℃である。
ここで、水管ボイラ用の燃焼装置では、一般に空気比を
1.1〜1.3の範囲に設定して燃焼させており、この
場合の燃焼反応中ガスの最高温度は、空気比が1.1〜
1.2の範囲でほぼ1800℃であり、空気比が1.2
〜1.3の範囲でほぼ1700℃である。
【0044】前記のように、各水管5の中心間距離Aや
外径Bなどを設定することにより、前記隙間12を通過
した時点での燃焼反応中ガスの温度は、前記各水管5に
よる冷却によって、ほぼ1100℃まで低下する。この
温度は、サーマルNOx の生成量が大幅に少なくなる温
度(ほぼ1400℃)以下である。そのため、NOxの
排出量の少ない水管ボイラとすることができる。ちなみ
に、第一実施例の水管ボイラのNOx の排出量は、O2
0%換算で30ppm 程度である。
【0045】さらに、この温度は、COからCO2 への
酸化反応が活発に行われる温度(ほぼ800℃)以上で
ある。そのため、燃焼反応中ガスが、燃焼反応継続領域
13内を流通する際に、COからCO2 への酸化反応が
活発に行われることになり、COの排出量の少ない水管
ボイラとすることができる。
【0046】以上のように、第一実施例のボイラにおい
ては、前記第一水管列6の隙間12から流出した燃焼反
応中ガスの温度をほぼ1100℃に制御しているが、低
NOx 化および低CO化の要求の度合に応じて800〜
1400℃の範囲内に制御する。ここで、前記隙間12
から流出する燃焼反応中ガスの温度は、低NOx 化の観
点からはなるべく低い方が好ましく、低CO化の観点か
らはなるべく高い方が好ましい。この観点から、前記温
度は900〜1300℃の範囲とするのがより好まし
い。
【0047】さらに、この第一実施例では、前記第一水
管列6と前記第二水管列8との径方向の間隔Eを、前記
燃焼反応継続領域13の幅として設定してある。前記間
隔Eは、約84mmであり、前記水管5の外径Bの1.4
倍である。このように、前記第一水管列6と前記第二水
管列8との径方向の間隔Eを設定することにより、前記
燃焼反応継続領域13内における燃焼反応中ガスの滞留
時間を約47ミリ秒に調整してある。この場合におい
て、COの排出量は、15ppm 程度である。すなわち、
前記酸化反応を確実に生じさせるためには、燃焼反応中
ガスの温度を、ある温度(ほぼ800℃)以上に保つと
同時に、一定以上の反応時間が必要である。この反応時
間は、燃焼反応中ガスの温度が高いほど短く、逆に低い
ほど長く必要である。そこで、前記第一水管列6の隙間
12から流出する燃焼反応中ガスの温度に応じて前記間
隔Eの設定値を変更し、前記燃焼反応継続領域13内に
おける燃焼反応中ガスの滞留時間を調整する。また、前
記第一水管列6における隙間12の個数や幅Cに応じ
て、第一水管列6と第二水管列8との径方向の間隔Eを
変更する。この滞留時間の下限は、1〜10ミリ秒の範
囲から選択する。そのため、前記第一水管列6と前記第
二水管列8との間の間隔Eは、前記水管5の外径Bの
0.5倍程度が下限となる。また、前記滞留時間は、長
めに設定するのが低CO化の点で有利であるが、低CO
化やボイラの小型化の要求の度合に応じて決定する。こ
の場合、前記間隔Eの上限は、水管5の外径Bの6倍程
度が好適である。
【0048】さて、以上説明した第一実施例では、燃焼
室9内の燃焼反応領域に、複数の水管5をほぼ真円状
に,かつほぼ等間隔で配置したものであるが、この第一
実施例における水管5の配置は、そのような配置に限る
ものではなく、たとえば図3〜図5に示すような環状の
配置とすることもできる。ここで、以下の各実施例の説
明では、前記第一実施例と同様の構成部材には、同一の
参照番号を附してその詳細説明を省略する。また、図3
〜図5においては、第一水管列6だけを図示し、他の構
成の図示を省略している。
【0049】まず、図3に示す第二実施例の水管ボイラ
は、複数の水管5を環状に配置する際に、隣り合う水管
5の中心を結ぶ線(図3の一点鎖線)が、凹凸を形成す
るように配置したものである。この第二実施例では、各
水管5は、隣り合う水管5に対して第一水管列6の中心
方向あるいは放射方向にずらせた配置となっている。こ
の配置によると、各水管5を真円状に配置する場合に比
べて本数を増やすことができる。この第二実施例におい
ては、前記中心間距離Aと前記外径との比A/Bは、
1.2としてある。さらに、この第二実施例では、各水
管5を交互に内側と外側にずらせて配置しているが、実
施に応じて複数本ずつ交互にずらせて配置することもで
きる。
【0050】つぎに、図4に示す第三実施例の水管ボイ
ラは、複数の水管5を真円状に配置したものであるが、
複数の水管5のうちの一部の水管5を密接して配置した
ものである。この第三実施例では、複数の水管5を、所
定本数ごと(図4では3本ごと)のグループ18とし、
このグループ18を複数グループ(図4では5グルー
プ)配置して第一水管列6を構成している。前記各グル
ープ18内では、各水管5を隙間なく密着状態で配置し
てある。したがって、各グループ18内では、前記比A
/Bは1となっている。そして、前記隙間12は、各グ
ループ18間に形成してある。この隙間12を挟んで隣
り合う水管5間の中心間距離Aと前記水管5の外径Bと
の比A/Bは、2.0となっている。すなわち、第三実
施例においては、前記比A/Bは、1≦A/B≦2であ
る。このように、複数の水管5のうちの一部の水管5を
密接して配置すると、第一水管列6に形成する前記隙間
12の数を調整することができ、また各グループ18間
における隙間12の幅Cも調整することができる。その
ため、第一水管列6の内側から隙間12までの燃焼反応
中ガスの流れを燃焼装置10の特性に合わせて制御し
て、前記第一水管列6と燃焼反応中ガスとの接触時間を
調整でき、さらに前記各水管5による熱回収量や、前記
隙間12を通過した後の燃焼反応中ガスの温度を調整で
きる。この第三実施例においては、各グループ18にお
ける水管5の本数を同じにしているが、実施に応じて、
各グループ18における水管5の本数を異ならせること
も好適である。
【0051】つぎに、図5に示す第四実施例の水管ボイ
ラは、複数の水管5を複数列の環状に配置したものの一
例で、この第四実施例では、2列の環状に配置してあ
る。この第四実施例において、各水管5の中心間距離A
は、つぎのように設定してある。まず、内側の列の各水
管5については、その列内の隣り合う水管5同士の中心
間距離Aと水管5の外径Bとの比A/Bを1.3に設定
してある。外側の列の各水管5については、内側の列の
各水管5との間で、隣り合う水管5の中心間距離Aと水
管5の外径Bとの比A/Bを1.3に設定してある。さ
らに、この第四実施例では、内側の列の隣り合う水管5
の間に、外側の列の水管5を位置させてある。したがっ
て、第一水管列6は、その周方向に複数の水管5が千鳥
状に配列された状態となっている。このような水管5の
配置によると、燃焼反応中ガスからの熱回収量を多くで
きるから、燃焼反応中ガスを十分に冷却できる。また、
このように熱回収量を多くできるから、大容量の燃焼装
置10を用いることができる。ここで、この第四実施例
では、複数の水管5を2列の環状に配置してあるが、実
施に応じて、3列あるいはそれ以上の複数列に配置する
ことも好適である。
【0052】以上の第一〜第四実施例においては、前記
隙間12は、すべて同じ幅Cとしているが、実施に応じ
て、隙間12の幅Cが異なる箇所が形成されるように水
管5を配置することもできる。
【0053】以上の第一〜第四実施例では、垂直な複数
の水管5を環状に配置して、ほぼ円筒形状の第一水管列
6を構成したものである。しかし、この発明では、各水
管5は、垂直な水管に限るものではなく、図6〜図8に
示すような構成とすることもできる。ここで、以下の各
実施例の説明では、前記第一〜第四実施例と同様の構成
部材には、同一の参照番号を附してその詳細説明を省略
する。また、第五〜第七実施例において、第二水管列8
は、前記第一実施例と同様に、複数の垂直な熱回収水管
7を第一水管列6を取り囲むように、環状に配置し、筒
形状としたものである。
【0054】まず、図6に示す第五実施例の水管ボイラ
は、水管5を傾斜管としたものである。この第五実施例
における水管5は、その上端側を缶体1の外側に向けて
傾斜させたもので、この傾斜状態の複数の水管5を環状
に配置することによって、下方側ほど狭まる先細り形状
の第一水管列6を形成している。この構成によると、各
水管5は、燃焼装置10の軸線11方向,すなわち燃焼
装置10からの燃料の噴出方向に対して横切るように傾
斜しているから、燃焼反応中ガスとの接触が良好にな
る。したがって、各水管5による燃焼反応中ガスの冷却
効果を高めることができ、低NOx 化に貢献する。さら
に、この第五実施例では、上部管寄せ2と各水管5との
接続位置を変更することなく、各水管5を傾斜させて配
置することにより、各水管5を燃焼反応領域内に位置さ
せることができる。
【0055】つぎに、図7に示す第六実施例の水管ボイ
ラは、水管5を曲げ管としたものである。この第六実施
例における水管5は、その中ほどに折り曲げ部を形成
し、上半部分を缶体1の外側に向けて傾斜させ、下半部
分を垂直としたものである。そして、この折り曲げ形状
の複数の水管5を、環状に配置することによって、漏斗
形状の第一水管列6を形成している。この構成では、各
水管5の下半部分の位置が、上部管寄せ2における各水
管5の接続位置よりも、燃焼装置10の軸線11に向け
て近付いている。そのため、各水管5と燃焼反応中ガス
との接触が良好になって、各水管5による燃焼反応中ガ
スの冷却効果を高めることができ、低NOx 化に貢献す
る。さらに、この第六実施例では、上部管寄せ2と各水
管5および各熱回収水管7との接続位置を変更すること
なく、各水管5の形状の変更だけで、各水管5の下半部
分を燃焼反応領域内に位置させるとともに、前記各水管
5の下半部分における燃焼反応継続領域13の幅Eを所
望の寸法に設定することができる。
【0056】つぎに、図8に示す第七実施例の水管ボイ
ラは、水管5を、曲げ管としたもので、上下2箇所に折
り曲げ部を形成している。この第七実施例における水管
5は、水管5の上部および下部を缶体1の外側に向けて
傾斜させたものである。そして、この折り曲げ形状の複
数の水管5を環状に配置することによって、第一水管列
6を形成している。この構成では、各水管5の中ほどの
部分の位置が、上下の管寄せ2,3における各水管5の
接続位置よりも、燃焼装置10の軸線11に向けて近付
いている。そのため、各水管5と燃焼反応中ガスとの接
触が良好になって、各水管5による燃焼反応中ガスの冷
却効果を高めることができ、低NOx 化に貢献する。さ
らに、この第七実施例では、上下の管寄せ2,3と各水
管5および各熱回収水管7の接続位置を変更することな
く、各水管5の形状の変更だけで、各水管5の中ほどの
部分を燃焼反応領域内に位置させるとともに、前記各水
管5の中ほどの部分における燃焼反応継続領域13の幅
Eを所望の寸法に設定することができる。
【0057】ここで、前記第六および第七実施例におい
ては、前記水管5を、1箇所あるいは2箇所の折り曲げ
部を有する曲げ管としているが、折り曲げ部の代わりに
湾曲部を有するものも使用できる。また、前記曲げ管
は、折り曲げ部あるいは湾曲部のうちの一方のみ有する
ものも、両方を有するものも使用できる。さらに、前記
曲げ管は、折り曲げ部あるいは湾曲部が1箇所のものに
限らない。また、前記曲げ管は、全体が湾曲している場
合を含む。
【0058】さらに、以上の第一〜第七実施例は、第一
水管列6を構成する水管5を垂直管,傾斜管あるいは曲
げ管としてあるが、この発明では、水管5のすべてを同
じ種類のものとする必要はなく、二種類あるいはそれ以
上の種類の水管5を組み合わせて使用することができ
る。また、水管5には、外周面や内周面に溝やフィンを
付加して伝熱性能を向上させたものを用いることもでき
る。また、水管5は、すべてが同じ外径である必要はな
く、一部の水管5に、外径の異なるものを用いることも
できる。さらに、第一水管列6を、2列以上の環状に配
置したものでは、実施に応じて内側の列と外側の列とで
水管5の本数を異ならせて配置することもできる。前述
のように、この発明に係る水管ボイラにおいては、この
発明の技術思想を逸脱しない範囲で前記複数の水管5の
配置形状を種々変更可能であるが、前記燃焼装置10の
出力や燃焼反応中ガスの形成状態に応じて、燃焼反応中
ガスが第一水管列6の各水管5に均一に接触するように
前記複数の水管5を配置するのが好ましい。また、第一
実施例では、前記第一水管列6と前記第二水管列8との
間の環状の燃焼反応継続領域13には、水管を配置して
いないが、この発明に係る水管ボイラにおいては、この
発明の技術思想を逸脱しない範囲で、前記燃焼反応継続
領域13に所定数の水管を配置することもできる。
【0059】さらに、前記第一実施例および第五〜第七
実施例では、複数の熱回収水管7をほぼ等間隔で,かつ
ほぼ真円状に配置して、1列の環状の第二水管列8を形
成したものであるが、この発明における各熱回収水管7
の配置は、以上の各実施例の配置に限るものではなく、
たとえば図9〜図11に示すような構成とすることもで
きる。ここで、以下の第八〜第十実施例の説明では、前
記第一〜第七実施例と同様の構成部材には、同一の参照
番号を附してその詳細説明を省略する。また、図9〜図
11においては、第一水管列6と第二水管列8だけを示
し、他の構成を省略している。
【0060】まず、図9に示す第八実施例の第二水管列
8は、複数の熱回収水管7を真円状に配置して構成した
ものであるが、複数の熱回収水管7の内の一部の熱回収
水管7を密接して配置したものである。この第十実施例
では、複数の熱回収水管7を、所定本数ごと(図9では
6本ごと)のグループ24とし、このグループ24を複
数グループ(図9では4グループ)配置して第二水管列
8を構成している。前記各グループ24内では、各熱回
収水管7を隙間なく密接した状態で配置してあり、前記
第二隙間14は各グループ24間に形成してある。この
構成によると、前記隙間12を通過した燃焼反応中ガス
は、前記熱回収水管7の各グループ24の内周側に沿っ
て流れた後、第二隙間14に流出する。このように複数
の熱回収水管7のうちの一部の熱回収水管7を密接して
配置すると、第二水管列8に形成する第二隙間14の数
を調整することができ、また各グループ24間における
第二隙間14の幅Fも調整することができる。そのた
め、第二水管列8の内側から第二隙間14までの燃焼反
応中ガスおよび燃焼反応終了ガスの流れを制御し、熱回
収水管7による熱回収量や、第二隙間14通過後の燃焼
反応終了ガスの温度を調整できる。この第八実施例にお
いては、各グループ24における熱回収水管7の本数を
同じにしているが、実施に応じて、各グループ24にお
ける熱回収水管7の本数を異ならせることも好適であ
る。
【0061】さらに、この第八実施例では、第一水管列
6も第二水管列8と同様に、複数の水管5を、所定本数
ごと(図9では3本ごと)を密着させて配置したグルー
プ18を形成し、このグループ18を複数グループ(図
9では4グループ)配置して、各グループ18間に隙間
12を形成している。そして、これらの隙間12のそれ
ぞれを前記熱回収水管7の各グループ24と対面させて
ある。この第八実施例において、前記中心間距離Aと前
記外径Bとの比A/Bは、各グループ18内では1とな
っており、前記隙間12を挟んで隣り合う水管5間にお
いては、2.0となっている。また、前記燃焼反応継続
領域13の幅Eと前記水管5の外径Bとの比E/Bは、
0.8となっている。このように、第一水管列6におけ
る隙間12を部分的に形成するとともに、第二水管列8
における第二隙間14を部分的に形成し、これらの隙間
12と第二隙間14とが、第一水管列6および第二水管
列8の放射方向に重ならないように配置すると、前記燃
焼反応中ガスの前記隙間12から第二隙間14に至るま
での流路を長く設定でき、燃焼反応継続領域13におけ
る滞留時間が長くなる。したがって、前記酸化反応が確
実に行われることになり、さらに第二水管列8における
接触伝熱量の増加に貢献する。
【0062】つぎに、図10に示す第九実施例の第二水
管列8は、各熱回収水管7を多列の環状に配置して構成
したものである。この第九実施例の第二水管列8は、各
熱回収水管7を2列の環状に配置してある。この第二水
管列8は、内側の列の隣り合う熱回収水管7の間に外側
の列の熱回収水管7を配置することにより、第二水管列
8の周方向に複数の熱回収水管7を千鳥状に配列してあ
る。このような熱回収水管7の配置により、第二水管列
8における燃焼反応中ガスおよび燃焼反応終了ガスから
の熱回収量を多く設定できる。ここで、第九実施例にお
いて、第一水管列6における前記中心間距離Aと前記外
径Bとの比A/Bは、1.4であり、また、前記燃焼反
応継続領域13の幅Eと前記水管5の外径Bとの比E/
Bは、1.2となっている。
【0063】つぎに、図11に示す第十実施例の第二水
管列8は、複数の熱回収水管7を2列の環状水管列とし
て配置したものである。前記第二水管列8の内側の列に
おいて、隣り合う熱回収水管7同士の隙間は、平板状の
内列フィン部材19で塞いである。そして、前記内側の
列の周方向の一部には、この内側の列の内周側と外周側
を連通する内列開口部20を形成してある。前記第二水
管列8の外側の列においては、隣り合う熱回収水管7同
士の隙間は、平板状の外列フィン部材21で塞いであ
る。そして、前記外側の列の周方向の一部には、この外
側の列の内周側と外周側を連通する外列開口部22を形
成してある。そして、高温のガスが、前記内列開口部2
0から外列開口部22に直接出ないように、前記内列開
口部20と外列開口部22とは前記第二水管列8の周方
向にずらせて配置してある。この第十実施例において
は、前記外列開口部22は、前記内列開口部20に対
し、ほぼ180°位相をずらして配置されている。さら
に、前記第二水管列8における内側の列と外側の列との
間には、内列開口部20と外列開口部22とを連通する
環状のガス流路23が形成される。ここで、前記内列開
口部20および外列開口部22の形成は、該当箇所の熱
回収水管7,内列フィン部材19あるいは外列フィン部
材21を省略することによって行う。ここで、第十実施
例において、第一水管列6における前記中心間距離Aと
前記外径Bとの比A/Bは、1.4であり、また、前記
燃焼反応継続領域13の幅Eと前記水管5の外径Bとの
比E/Bは、1.2となっている。
【0064】この第十実施例においては、第一水管列6
の隙間12から流出した燃焼反応中ガスは、第二水管列
8に到達するまでに燃焼反応をほぼ終了し、火炎が消失
した高温のガスとなり、前記第二水管列8の内側の列を
周方向に沿って流れた後、前記内列開口部20に流入す
る。そして、内列開口部20からガス流路23内に流入
した燃焼反応中ガスおよび燃焼反応終了ガスは、互いに
逆向きに2方向に分かれてガス流路23内を流通し、外
列開口部22で合流する。この間に、燃焼反応終了ガス
は、ガス流路23に面する各熱回収水管7との熱回収を
行う。すなわち、この第十実施例のように、略C字状に
配置した水管列を互いに逆向きにして2重に組み合せた
構成とすることにより、接触伝熱面を広くでき、第二水
管列8における接触伝熱量が増加する。
【0065】この第十実施例において、前記第二水管列
8の内側の列と外側の列は、ほぼ同心状の配置としてあ
るが、偏心して配置することもできる。この場合の偏心
方向は、前記外列開口部22側において、内側の列と外
側の列との径方向の間隔が小さくなるように偏心させる
のが好ましい。この理由は、つぎのとおりである。すな
わち、前記ガス流路23を通過する燃焼反応終了ガスの
温度は、第二水管列8との伝熱により外列開口部22に
近いほど低下する。そのため、内側の列と外側の列との
径方向の間隔を狭めることにより、燃焼反応終了ガスの
流速を高め、接触伝熱量を増加できるからである。
【0066】さらに、第二水管列8の構成は、以上の第
八〜第十実施例のような構成に限らない。これらの第二
水管列8の構成を適宜組み合せたり、隣り合う熱回収水
管7間の第二隙間14の幅Fを変更したりして、熱回収
量の増加を図ることができる。たとえば、第八〜第十実
施例では、前記第二隙間14をすべて同じ幅Fとしてい
るが、実施に応じて、前記第二隙間14の幅Fが異なる
箇所が形成されるように前記各熱回収水管7を配置する
こともできる。
【0067】また、前記第二水管列8を多列の環状とす
る場合には、これらがすべて同軸状あるいは同心円状の
配置となっている必要はない。さらに、この第二水管列
8は、前記第一水管列6と同軸状あるいは同心円状とす
る必要はなく、偏心させて配置することもできる。たと
えば、前記第十実施例のような第一水管列6と第二水管
列8を備えたものでは、第一水管列6と第二水管列8と
の間の放射方向の間隔を前記内列開口部20に近付くほ
ど狭くなるように、前記第一水管列6と第二水管列8を
配置する。この配置によると、前記内列開口部20から
遠い側の隙間12ほど第二水管列8との間隔が広く、こ
の隙間12を通過する燃焼反応中ガスの圧力損失が小さ
くなる。そのため、燃焼反応中ガスは、前記内列開口部
20から遠い側の隙間12からも第一水管列6の外側に
流出しやすくなり、前記第一水管列6の隙間12から均
等に燃焼反応中ガスを流出させることができる。
【0068】さらに、以上の各実施例では、隣り合う水
管5の中心間距離Aと前記水管5の外径Bとの比A/B
を、1≦A/B≦2としているが、この発明に係る水管
ボイラにおいては、低NOx 化の要求の度合に応じて、
前記比A/Bを、1≦A/B≦3とすることができる。
さらに、前記比A/Bを、1≦A/B≦5の範囲で選択
することができる。さらに、この発明に係る水管ボイラ
において、前記燃焼反応継続領域13の幅Eと前記水管
5の外径Bとの比E/Bは、0.5≦E/B≦6が好適
であるが、低CO化の要求の度合に応じて、1≦E/B
≦15の範囲で選択することができる。
【0069】さらに、この発明に係る水管ボイラは、燃
焼装置10を上部管寄せ2に取り付けたもの限るもので
はなく、下部管寄せ3に取り付けたものも含む。さら
に、この燃焼装置10は特定の形式の燃焼装置に限るも
のではなく、各種の形式の燃焼装置を用いることができ
る。たとえば、予混合式燃焼装置や先混合式燃焼装置
(拡散燃焼式燃焼装置ともいう)のほか、気化燃焼式燃
焼装置など、各種の燃焼装置を適用でき、また燃焼装置
に使用する燃料の種類も液体,気体に関係なく選択でき
る。とくに、前記先混合式燃焼装置は、燃焼装置の下流
側に燃料(液体ならびに気体のものを含む)と燃焼用空
気とを混合し、燃焼反応を開始させる領域(以下、初期
燃焼反応領域という)が必要である。この発明に係る水
管ボイラでは、燃焼装置10は、第一水管列6の一方の
開口部から軸線を揃えて挿入した形態であり、燃焼装置
10の軸線11方向の下流側には第一水管列6で囲ま
れ、その内周側に水管5の存在しない空間が存在する。
この空間は、前記初期燃焼反応領域として確保される。
とくに、液体燃料を使用する燃焼装置は、ほとんどが先
混合式のものであり、このような燃焼装置を用いる水管
ボイラにおいては、燃料および燃焼用空気の混合と燃焼
反応を妨げることなく、効果的に低NOx 化を達成でき
る。
【0070】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、水管
配置の工夫による簡易な構成により、一層の低NOx 化
および低CO化を達成し、環境問題に対応したクリーン
な排ガスの水管ボイラを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施例の縦断面の説明図であ
る。
【図2】図1のII−II線に沿う断面の説明図である。
【図3】この発明の第二実施例の説明図で、水管の環状
配置例を概略的に示す説明図である。
【図4】この発明の第三実施例の説明図で、水管の環状
配置例を概略的に示す説明図である。
【図5】この発明の第四実施例の説明図で、水管の環状
配置例を概略的に示す説明図である。
【図6】この発明の第五実施例の説明図で、水管の形状
の例を概略的に示す説明図である。
【図7】この発明の第六実施例の説明図で、水管の形状
の例を概略的に示す説明図である。
【図8】この発明の第七実施例の説明図で、水管の形状
の例を概略的に示す説明図である。
【図9】この発明の第八実施例の説明図で、熱回収水管
の配置例を概略的に示す説明図である。
【図10】この発明の第九実施例の説明図で、熱回収水
管の配置例を概略的に示す説明図である。
【図11】この発明の第十実施例の説明図で、熱回収水
管の配置例を概略的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 缶体 2 上部管寄せ 3 下部管寄せ 4 外壁 5 水管 6 第一水管列 7 熱回収水管 8 第二水管列 9 燃焼室 10 燃焼装置 11 軸線 12 隙間 13 燃焼反応継続領域 14 第二隙間 A 隣り合う水管の中心間の距離 B 水管の外径 C 隙間の幅 E 燃焼反応継続領域の幅 F 隣り合う熱回収水管の隙間の幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 幹太 愛媛県松山市堀江町7番地 株式会社三浦 研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室9内の燃焼反応中ガスの存在する
    領域に複数の水管5を環状に配置して第一水管列6を形
    成し、この第一水管列6の隣り合う水管5間に燃焼反応
    中ガスの流通を許容する隙間12を設け、前記第一水管
    列6の周囲に燃焼反応を継続して行う領域13を設けた
    ことを特徴とする水管ボイラ。
  2. 【請求項2】 前記各水管5に接触した後の燃焼反応中
    ガスの温度が1400℃以下となるように前記複数の水
    管5を燃焼室9に配置したことを特徴とする請求項1に
    記載の水管ボイラ。
  3. 【請求項3】 前記第一水管列6が、2列以上の環状の
    水管列であることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の水管ボイラ。
  4. 【請求項4】 前記第一水管列6の外側に、複数の熱回
    収水管7を配置したことを特徴とする請求項1乃至請求
    項3のいずれかに記載の水管ボイラ。
  5. 【請求項5】 前記複数の熱回収水管7のうちの一部の
    熱回収水管7が、密接して配置されていることを特徴と
    する請求項4に記載の水管ボイラ。
  6. 【請求項6】 前記複数の熱回収水管7が、隣り合う熱
    回収水管7間の隙間14の幅Fが異なる箇所を設けて配
    置されていることを特徴とする請求項4または請求項5
    に記載の水管ボイラ。
  7. 【請求項7】 前記複数の熱回収水管7が、環状の第二
    水管列8を形成していることを特徴とする請求項4乃至
    請求項6のいずれかに記載の水管ボイラ。
  8. 【請求項8】 前記第二水管列8が、2列以上の環状の
    水管列であることを特徴とする請求項7に記載の水管ボ
    イラ。
  9. 【請求項9】 前記第二水管列8が、内側の列の一部に
    その内周側と外周側とを連通する内列開口部20を備え
    るとともに、外側の列の一部にその内周側と外周側とを
    連通する外列開口部22を備えており、前記内列開口部
    20と外列開口部22とを前記第二水管列8の周方向に
    ずらせた位置に配置してあることを特徴とする請求項8
    に記載の水管ボイラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009229053A (ja) * 2008-02-27 2009-10-08 Osaka Gas Co Ltd 流体加熱装置
JP4819276B2 (ja) * 2000-01-14 2011-11-24 ヴェーエス−ヴェルメプロツェステヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 管式加熱炉

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