JPH1024587A - 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、および記録システム - Google Patents

液体吐出ヘッド、液体吐出装置、および記録システム

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JPH1024587A
JPH1024587A JP18372696A JP18372696A JPH1024587A JP H1024587 A JPH1024587 A JP H1024587A JP 18372696 A JP18372696 A JP 18372696A JP 18372696 A JP18372696 A JP 18372696A JP H1024587 A JPH1024587 A JP H1024587A
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liquid
recording
head
substrate
ejection head
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JP18372696A
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English (en)
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Kiyomi Aono
清美 青野
Toshio Kashino
俊雄 樫野
Yoshie Nakada
佳恵 中田
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Original Assignee
Canon Inc
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14032Structure of the pressure chamber
    • B41J2/14048Movable member in the chamber
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/21Line printing

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラインプリンタなどに用いるインクジェット
記録ヘッドの配列精度のバラツキ、天接精度のバラツキ
に寄らない配列チップの端部ヒータの吐出効率向上と、
それによるヘッドの歩留り向上、品位向上、しかも容易
に量産できる技術を提供する。 【解決手段】 被記録媒体上に液体を吐出するための液
体吐出ヘッドを、基板と、該基板上に設けられ、かつ各
々が複数のエネルギー発生素子を有する複数の基板ユニ
ットと、前記複数の基板ユニットに接続し、複数の液流
路を形成するための壁部を有する天板と、前記複数の基
板ユニットと前記天板との間に配置され、かつ隣接する
前記基板ユニット間に形成される隙間と前記流路とを遮
断する薄膜部材とを有するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギーを液
体に作用させることで起こる気泡の発生によって、所望
の液体を吐出する液体吐出ヘッド、液体吐出装置、およ
び記録システムに関する。
【0002】特に本発明は、気泡の発生を利用して変位
する可動部材を有する液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッド
を用いた液体吐出装置、および記録システムに関する。
【0003】また本発明は紙、糸、繊維、布帛、皮革、
金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の
被記録媒体に対し記録を行うプリンター、複写機、通信
システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワ
ードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装置と複合
的に組み合わせた産業用記録システムに適用できる発明
である。
【0004】なお、本発明における、「記録」とは、文
字や図形等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与
することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像
を付与することをも意味するものである。
【0005】
【従来の技術】熱等のエネルギーをインクに与えること
で、インクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態
変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって
吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着
させて画像形成を行なうインクジェット記録方法、いわ
ゆるバブルジェット記録方法が従来知られている。この
バブルジェット記録方法を用いる記録装置には、米国特
許第4,723,129号等の公報に開示されているよ
うに、インクを吐出するための吐出口と、この吐出口に
連通するインク流路と、インク流路内に配されたインク
を吐出するためのエネルギー発生手段としての電気熱変
換体が一般的に配されている。
【0006】この様な記録方法によれば、品位の高い画
像を高速、低騒音で記録することができると共に、この
記録方法を行うヘッドではインクを吐出するための吐出
口を高密度に配置することができるため、小型の装置で
高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容易に得る
ことができるという多くの優れた点を有している。この
ため、このバブルジェット記録方法は近年、プリンタ
ー、複写機、ファクシミリ等の多くのオフィス機器に利
用されており、さらに、捺染装置等の産業用システムに
まで利用されるようになってきている。
【0007】このようにバブルジェット技術が多方面の
製品に利用されるに従って、次のような様々な要求が近
年さらにたかまっている。
【0008】例えば、エネルギー効率の向上の要求に対
する検討としては、保護膜の厚さを調整するといった発
熱体の最適化が挙げられている。この手法は、発生した
熱の液体への伝搬効率を向上させる点で効果がある。
【0009】また、高画質な画像を得るために、インク
の吐出スピードが速く、安定した気泡発生に基づく良好
なインク吐出を行える液体吐出方法等を与えるための駆
動条件が提案されたり、また、高速記録の観点から、吐
出された液体の液流路内への充填(リフィル)速度の速
い液体吐出ヘッドを得るために流路形状を改良したもの
も提案されている。
【0010】さらに、また急激に広がる上記製品のニー
ズに対応するために、インクジェット記録ヘッドの量産
技術として数多くの方法が提示されている(特開昭55
−90375号、特開昭56−72967号、特開昭6
0−196345号、特開昭61−154947号)。
以下、従来のインクジェット記録ヘッドの量産技術につ
いて検討する。
【0011】従来の量産技術は、基本的には基板上に、
吐出エネルギー発生素子をパターニングし、ついでこの
基板の上にインク流路、液室および吐出口を形成する部
材を設け、インクジェット記録ヘッドとするものであ
る。これらの技術は、シリアルプリンタのインクジェッ
ト記録ヘッドのような小型のインクジェット記録ヘッド
を作るのに適している。
【0012】ところで、ラインプリンタに用いる長尺の
インクジェット記録ヘッドを量産する技術としては、
(1)前記方法を長尺の基板に適用する方法と、(2)
短尺のインクジェット記録ヘッド(ユニット)を多数個
アレイして、1ケの長尺のインクジェット記録ヘッドと
する方法がある。
【0013】(1)の方法は現在主流となっている36
0dpiで約3000bitに対応する吐出エネルギー
発生素子を、完全無欠で基板上にパターニングしようと
するため、非常に歩留りが悪くなるという欠点がある。
【0014】(2)の方法については、ユニットを千鳥
状に配列する方法(特開昭55−132253号)とユ
ニットの端面をつきあてて一列に配列する方法(特開平
2−2009号、特開平3−167957号、特開平4
−229278号)とが提案されている。
【0015】これらの方法は上記(1)の方法の技術の
欠点を補うものとして非常に有用である。短尺のユニッ
トの良品のみを選別してくみ上げれば、上記(1)の方
法よりも歩留りが向上するからである。
【0016】ユニットを千鳥状に配列する方法は、最も
実現可能性の高い方法であり、商品として市場に出てい
るものもある。しかしながら個々のユニットへのインク
供給系が複雑になる、あるいは、高速印刷時にユニット
へのインク供給が追いつかなくなるなどの欠点がある。
【0017】一方、ユニットの端面をつきあてて一列に
配列する方法は、技術的には困難である。特許文献とし
ては、いくつか公開されているが製品化されているもの
は市場では見かけない。商品化が困難な理由としては、
ユニットのつきあて部でノズルを定められた間隔で配置
するのが困難であることが挙げられる。複数のユニット
の端面をつきあてて一列に配列することによって形成さ
れるインクジェット記録ヘッドは、基板上に複数のユニ
ットが配列しており、この配列されたユニットを覆うよ
うにしてインク流路が形成された天板が設けられる。各
ユニットは、インクを吐出するためのエネルギー発生素
子がパターニングされたシリコン基板からなる。ところ
で、上記構成では隣接ユニット間の隣接部分と該隣接部
分に最も近接した天板のインク流路との間に介在する隔
壁の厚さはたいへん薄く、このような天板の隔壁が上記
隣接部分上に位置するようにして複数のユニットを配列
するのは困難である。また、ユニットの端面をつきあて
て一列に配列する際、上記隣接部分にごみが入ってしま
ったり、熱膨張等により配列のピッチが狂ってしまうお
それがあるばかりか、ユニット端面の精度を挙げるため
には非常にコストがかかる。そこでユニット間に所定の
隙間を開けてやることにより前述の問題を解消すること
が提案された(特開平4−229278号)。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の方法は
以下のような解決すべき課題を有する。例えば、上記隙
間を開ける場合の問題点として、(1)複数のユニット
を配列する際に精度のバラツキが生ずること、(2)
(1)の問題点に加えて、さらに基板と天板とを接合す
る際の精度(以下、天接精度ともいう)のバラツキが生
ずることによって、ユニット両端部に対応する液流路の
下部からインクが漏れやすくなり、さらにそのインクが
吐出の際に隙間に入り込んで隣接するユニット端部の液
流路の吐出力を減少させてしまうこと、などがある。ま
た、ユニット端部で切断等により生じた保護膜等の隙間
よりインクが侵入することにより電蝕を起こす等の問題
点もある。
【0019】このような問題点を解決するために、ユニ
ット間の隙間に流動性硬化部材を流し込むことによっ
て、隙間を埋めてしまうことでインクの侵入を防ぐ試み
がなされている。
【0020】しかし、上記で述べたように配列隙間にバ
ラツキがあるため、流動性硬化部材を一定量流し込んだ
場合に以下のような問題が生ずる。すなわち、(1)隙
間が広い場合:流動性硬化部材の量が隙間に対して少な
く、隙間を埋めることができない。その結果、すでに述
べたような問題が生ずる。また、(2)隙間が狭い場
合:流動性硬化部材の量が隙間に対して多いため、隙間
から溢れ出てしまい、ユニット両端部のエネルギー発熱
素子上を汚染し吐出性能を著しく低下させる場合があ
る。あるいは、溢れた流動性硬化部材がインク中に溶出
し吐出口を塞ぎ不吐出の原因となる。
【0021】したがって、本発明は上記課題を解決し、
ラインプリンタなどに用いるインクジェット記録ヘッド
の配列精度のバラツキ、天接精度のバラツキに寄らない
配列チップの端部ヒータの吐出効率向上と、それによる
ヘッドの歩留り向上、品位向上、しかも容易に量産でき
る技術を提供することを目的とする。また、先行出願発
明の改良発明を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の液体吐出ヘッドは、被記録媒体上に液体を
吐出するための液体吐出ヘッドであって、基板と、該基
板上に設けられ、かつ各々が複数のエネルギー発生素子
を有する複数の基板ユニットと、上記複数の基板ユニッ
トに接続し、複数の液流路を形成するための壁部を有す
る天板と、上記複数の基板ユニットと上記天板との間に
配置され、かつ隣接する上記基板ユニット間に形成され
る隙間と上記流路とを遮断する薄膜部材と、が設けられ
たことを特徴とする。
【0023】好ましくは、上記薄膜部材は、複数の片部
を有する櫛状をなすもので、各片部は上記隙間を覆うも
ので、さらに好ましくは上記片部の厚さ方向に沿った断
面は凸状をなすことによって上記片部が上記隙間を塞
ぐ。または、好ましくは上記薄膜部材は、上記複数のエ
ネルギー発生素子に対応した複数のスリットが形成され
た矩形状をなすものである。
【0024】好ましくは、上記薄膜部材は、耐久性、耐
インク性、耐溶剤性のある金属材料からなるか、あるい
は耐熱性、耐久性、耐インク性、耐溶剤性、成型性のあ
る樹脂材料からなる。
【0025】好ましくは、上記エネルギー発生素子は、
上記液体に膜沸騰を生じさせることによって発生した気
泡の圧力によって上記液体を吐出する電気熱変換素子で
ある。
【0026】また、本発明にもとづく液体吐出ヘッド
は、被記録媒体上に液体を吐出するための液体吐出ヘッ
ドであって、基板と、該基板上に設けられ、かつ各々が
複数の気泡発生部と、各気泡発生部の両側に立設するこ
とによって液流路を形成するための壁部とを有する複数
の基板ユニットと、該基板ユニット上に設けられ、上記
壁部と当接することによって上記複数の基板ユニット間
の隙間と上記基板ユニット上の上記液流路とを遮断する
分離壁と、上記分離壁を介して上記基板ユニットと接続
し、かつ上記分離壁上に複数の液流路を形成するための
壁部を有する天板と、上記エネルギー発生素子に面する
ようにして上記分離壁に形成され、第1の位置と該第1
の位置よりも上記気泡発生部から遠い第2の位置との間
を変位可能な可動部材とを備え、さらに、上記可動部材
は、上記気泡発生部での気泡の発生に基づく圧力によっ
て、上記第1の位置から上記第2の位置へ変位すると共
に、上記可動部材の変位によって上記気泡を吐出口に向
かう方向の上流よりも下流に大きく膨張させることで液
体を吐出することを特徴とする。
【0027】本発明にもとづく液体吐出装置は、上記液
体吐出ヘッドを着脱自在あるいは固定して搭載する搭載
手段を備え、さらに該液体吐出ヘッドから液体を吐出さ
せるための駆動信号を供給する駆動信号供給手段と上記
液体吐出ヘッドから吐出された液体を受ける被記録媒体
を搬送する被記録媒体搬送手段との少なくとも一つが設
けられたことを特徴とする。
【0028】好ましくは、上記液体吐出ヘッドからイン
クを吐出し、記録紙にインクを付着させることで記録を
行う。
【0029】好ましくは、上記液体吐出ヘッドから記録
液体を吐出し、布帛に記録液体を付着させることで記録
を行う。
【0030】好ましくは、上記液体吐出ヘッドから記録
液体を吐出し、プラスチックに記録液体を付着させるこ
とで記録を行う。
【0031】好ましくは、上記液体吐出ヘッドから記録
液体を吐出し、金属に記録液体を付着させることで記録
を行う。
【0032】好ましくは、上記液体吐出ヘッドから記録
液体を吐出し、木材に記録液体を付着させることで記録
を行う。
【0033】好ましくは、上記液体吐出ヘッドから記録
液体を吐出し、皮革に記録液体を付着させることで記録
を行う。
【0034】好ましくは、上記液体吐出ヘッドから複数
色の記録液体を吐出し、被記録媒体に上記複数色の記録
液体を付着させることでカラー記録をを行う。
【0035】さらに、本発明にもとづく記録システム
は、上記液体吐出装置と、記録後の被記録媒体に対して
上記液体の定着を促す後処理装置と、を有することを特
徴とする。
【0036】また、本発明にもとづく記録システムは、
液体吐出装置と、記録前の被記録媒体に対して上記液体
の定着を増すための前処理装置と、を有することを特徴
とする。
【0037】
【発明の実施の形態】図1ないし図3を参照して本発明
が適用される1流路構造の液体吐出ヘッドの基本構造に
ついて説明する。図1は液体吐出ヘッドの概略的構成を
説明するための斜視図、図2は液体吐出ヘッドを構成す
るベースプレート、シリコン基板ユニット、および配線
基板を示す斜視図、そして図3は天板の構成を説明する
ための模式図である。
【0038】これらの図に示す液体吐出ヘッドは、発熱
体が発生する熱を液体に伝えることで、液体に膜沸騰現
象を生じさせることによって液体と吐出するインクジェ
ット方式の液体吐出ヘッドである。また、この例では、
液体吐出ヘッドはインクを吐出することによって被記録
媒体上に画像を記録するためのインクジェット記録ヘッ
ド(以下、記録ヘッドともいう)とする。
【0039】図2に示すように、インクジェット記録ヘ
ッドは、ベースプレート403上に積層された配線基板
420と複数のシリコン基板ユニット402とを有す
る。各シリコン基板ユニット402には外部からの電気
信号により任意のタイミングでインクを吐出するための
エネルギーを発生させるエネルギー発生素子1と、該エ
ネルギー発生素子を駆動させるための信号パッドおよび
該信号パッドを駆動させるための電力等を供給するため
の電力パッド等431が設けられている。また、ベース
プレート403上において、シリコン基板ユニット40
2上のパッド431と配線基板420上に設けられた信
号、電力供給パッド421とが所定の位置関係となるよ
うな位置関係で接着貼付されている。さらに、配線基板
420には、外部からの印字信号や駆動電力を供給する
ためのコネクタ422が設けられている。
【0040】次に、ワイヤーボンディングによってシリ
コン基板ユニット402とベースプレート403上に既
に貼り付けてあるPCBボードとを結線する。
【0041】次に天板405について説明する。
【0042】図1の天板405は、既知の方法によって
成形後、オリフィスプレート表面と、インク流路形成
面、およびヒータボード接合面を同時に切削加工した
後、オリフィスプレート表面のオリフィス周縁部がイン
クによって濡れて吐出性能を低下させないように、オリ
フィスプレート表面に、撥インク性被膜を形成する。
【0043】その後、図1のシリコン基板ユニット40
2の各吐出エネルギー発生素子1に対応したインク流路
溝を、エキシマレーザによって、掘り込み形成する。こ
の際、レーザビームは、ヒータボードの単位と同様に1
28流路単位で、マスクを使い、加工を繰り返してい
く。次いで、インク流路溝加工後各インク流路溝の一端
のオリフィスプレート裏面側より、インク流路溝と同様
に、128単位で、マスクを用いてオリフィスを穿孔加
工する。
【0044】天板405は、図3に示すように、シリコ
ン基板ユニット402に設けられた吐出エネルギー発生
素子1に対応して設けられた流路412、各流路に対応
して設けられインクを記録媒体に向けて吐出させるため
の各流路に連通したオリフィス6、各流路に対してイン
クを供給するために各流路に連通した液室411、液室
に対してインクタンク(図示せず)から供給されたイン
クを流入させるためのインク供給口414などの構成要
素を有する。天板405は当然のことながらシリコン基
板ユニット402を複数並べて設けられた吐出エネルギ
ー発生素子列をほぼ覆い被さるような長さで構成されて
いる。
【0045】また、天板405はその流路とベースプレ
ート403上に並べられたシリコン基板ユニット402
上の吐出エネルギー発生素子との位置関係が所定の位置
関係になるようにして結合される。
【0046】この際結合の方法として、図1に示すよう
に、バネ410とバネ410を保持するバネホルダ41
5とによって機械的に押え込んだり、接着剤によって固
定したり、それらを組み合わせたりすることなど、色々
な方法がある。
【0047】天板405を構成する材料としては、正確
に溝を形成できる樹脂であれば良いが、さらに機械的強
度、寸法安定性、耐インク性に優れたものであることが
望ましい。このような材料としてはエポキシ樹脂、アク
リル樹脂、ジグリコール、ジアルキルカーボネート樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ
イミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂
等が望ましく、特にポリサルフォンやポリエーテルサル
フォン等の樹脂がその成型性、耐液性等の観点から望ま
しい。分離壁を有しない流路構造の液体吐出ヘッドにつ
いて説明した。つぎに、分離壁を有することによって液
体の流路が上下2流路となった液体吐出ヘッドの構造に
ついて説明する。
【0048】図4はこのような本に適用可能な液体吐出
ヘッドの一例を液流路方向で切断した断面模式図を示し
ており、図5はこの液体吐出ヘッドの部分破断斜視図を
示している。
【0049】この液体吐出ヘッドは、液体を吐出するた
めの吐出エネルギー発生素子として、液体に熱エネルギ
ーを作用させる発熱体2(本実施形態例においては40
μm×105μmの形状の発熱抵抗体)が素子基板1に
設けられており、この素子基板上に発熱体2に対応して
液流路10が配されている。液流路10は吐出口18に
連通していると共に、複数の液流路10に液体を供給す
るための共通液室13に連通しており、吐出口から吐出
された液体に見合う量の液体をこの共通液室13から受
け取る。
【0050】この液流路10の素子基板上には、前述の
発熱体2に対向するように面して、金属等の弾性を有す
る材料で構成され、平面部を有する板状の可動部材31
が片持梁状に設けられている。この可動部材の一端は液
流路10の壁や素子基板上に感光性樹脂などをパターニ
ングして形成した土台(支持部材)34等に固定されて
いる。これによって、可動部材は保持されると共に支点
(支点部分)33を構成している。
【0051】この可動部材31は、液体の吐出動作によ
って共通液室13から可動部材31を経て吐出口18側
へ流れる大きな流れの上流側に支点(支点部分;固定
端)33を持ち、この支点33に対して下流側に自由端
(自由端部分)32を持つように、発熱体2に面した位
置に発熱体2を覆うような状態で発熱体から15μm程
度の距離を隔てて配されている。この発熱体と可動部材
との間が気泡発生領域となる。なお発熱体、可動部材の
種類や形状および配置はこれに限られることなく、後述
するように気泡の成長や圧力の伝搬を制御しうる形状お
よび配置であればよい。なお、上述した液流路10は、
後に取り上げる液体の流れの説明のため、可動部材31
を境にして直接吐出口18に連通している部分を第1の
液流路14とし、気泡発生領域11や液体供給路12を
有する第2の液流路16の2つの領域に分けて説明す
る。
【0052】発熱体2を発熱させることで可動部材31
と発熱体2との間の気泡発生領域11の液体に熱を作用
し、液体に米国特許第4,723,129号に記載され
ているような膜沸騰現象に基づく気泡を発生させる。気
泡の発生に基づく圧力と気泡は可動部材に優先的に作用
し、可動部材31は図4(b)、(c)で示されるよう
に支点33を中心に吐出口側に大きく開くように変位す
る。可動部材31の変位若しくは変位した状態によって
気泡の発生に基づく圧力の伝搬や気泡自身の成長が吐出
口側に導かれる。
【0053】ここで、本発明に適用される基本的な吐出
原理の一つを説明する。本発明において最も重要な原理
の1つは、気泡に対面するように配された可動部材が気
泡の圧力あるいは気泡自体に基づいて、定常状態の第1
の位置から変位後の位置である第2の位置へ変位し、こ
の変位する可動部材31によって気泡の発生に伴う圧力
や気泡自身を吐出口18が配された下流側へ導くことで
ある。
【0054】この原理を可動部材を用いない従来の液流
路構造を模式的に示した図6と本発明の図7とを比較し
てさらに詳しく説明する。なおここでは吐出口方向への
圧力の伝搬方向をVA、上流側への圧力の伝搬方向をV
Bとして示した。
【0055】図6で示されるような従来のヘッドにおい
ては、発生した気泡40による圧力の伝搬方向を規制す
る構成はない。このため気泡40の圧力伝搬方向はV1
〜V8のように気泡表面の垂線方向となり様々な方向を
向いていた。このうち、特に液吐出に最も影響を及ぼす
VA方向に圧力伝搬方向の成分を持つものは、V1〜V
4即ち気泡のほぼ半分の位置より吐出口に近い部分の圧
力伝搬の方向成分であり、液吐出効率、液吐出力、吐出
速度等に直接寄与する重要な部分である。さらにV1は
吐出方向VAの方向に最も近いため効率よく働き、逆に
V4はVAに向かう方向成分は比較的少ない。
【0056】これに対して、図7で示される本発明の場
合には、可動部材31が図6の場合のように様々な方向
を向いていた気泡の圧力伝搬方向V1〜V4を下流側
(吐出口側)へ導き、VAの圧力伝搬方向に変換するも
のであり、これにより気泡40の圧力が直接的に効率よ
く吐出に寄与することになる。そして、気泡の成長方向
自体も圧力伝搬方向V1〜V4と同様に下流方向に導か
れ、上流より下流で大きく成長する。このように、気泡
の成長方向自体を可動部材によって制御し、気泡の圧力
伝搬方向を制御することで、吐出効率や吐出力また吐出
速度等の根本的な向上を達成することができる。
【0057】次に図4に戻って、本実施形態例の液体吐
出ヘッドの吐出動作について詳しく説明する。
【0058】図4(a)は、発熱体2に電気エネルギー
等のエネルギーが印加される前の状態であり、発熱体が
熱を発生する前の状態である。ここで重要なことは、可
動部材31が、発熱体の発熱によって発生した気泡に対
し、この気泡の少なくとも下流側部分に対面する位置に
設けられていることである。つまり、気泡の下流側が可
動部材に作用するように、液流路構造上では少なくとも
発熱体の面積中心3より下流(発熱体の面積中心3を通
って流路の長さ方向に直交する線より下流)の位置まで
可動部材31が配されている。
【0059】図4(b)は、発熱体2に電気エネルギー
等が印加されて発熱体2が発熱し、発生した熱によって
気泡発生領域11内を満たす液体の一部を加熱し、膜沸
騰に伴う気泡を発生させた状態である。
【0060】このとき可動部材31は気泡40の発生に
基づく圧力により、気泡40の圧力の伝搬方向を吐出口
方向に導くように第1位置から第2位置へ変位する。こ
こで重要なことは前述したように、可動部材31の自由
端32を下流側(吐出口側)に配置し、支点33を上流
側(共通液室側)に位置するように配置して、可動部材
の少なくとも一部を発熱体の下流部分すなわち気泡の下
流部分に対面させることである。
【0061】図4(c)は気泡40がさらに成長した状
態であるが、気泡40発生に伴う圧力に応じて可動部材
31はさらに変位している。発生した気泡は上流より下
流に大きく成長すると共に可動部材の第1の位置(点線
位置)を越えて大きく成長している。このように気泡4
0の成長に応じて可動部材31が徐々に変位して行くこ
とで気泡40の圧力伝搬方向や堆積移動のしやすい方
向、すなわち自由端側への気泡の成長方向を吐出口に均
一的に向かわせることができることも吐出効率を高める
と考えられる。可動部材は気泡や発泡圧を吐出口方向へ
導く際もこの伝達の妨げになることはほとんどなく、伝
搬する圧力の大きさに応じて効率よく圧力の伝搬方向や
気泡の成長方向を制御することができる。
【0062】図4(d)は気泡40が、前述した膜沸騰
の後気泡内部圧力の減少によって収縮し、消滅する状態
を示している。
【0063】第2の位置まで変位していた可動部材31
は、気泡の収縮による負圧と可動部材自身のばね性によ
る復元力によって図4(a)の初期位置(第1の位置)
に復帰する。また、消泡時には、気泡発生領域11での
気泡の収縮体積を補うため、また、吐出された液体の体
積分を補うために上流側(B)、すなわち共通液室側か
ら流れのVD1、VD2のように、また、吐出口側から
流れのVcのように液体が流れ込んでくる。
【0064】以上、気泡の発生に伴う可動部材の動作と
液体の吐出動作について説明したが、以下に本発明の液
体吐出ヘッドにおける液体のリフィルについて詳しく説
明する。
【0065】本発明に適用される液供給メカニズムをさ
らに詳しく説明する。
【0066】図4(c)の後、気泡40が最大体積の状
態を経て消泡過程に入ったときには、消泡した体積を補
う体積の液体が気泡発生領域に、第1液流路14の吐出
口18側と第2液流路16の共通液室側13から流れ込
む。可動部材31を持たない従来の液流路構造において
は、消泡位置に吐出口側から流れ込む液体の量と共通液
室から流れ込む液体の量は、気泡発生領域より吐出口に
近い部分と共通液室に近い部分との流抵抗の大きさに起
因する(流路抵抗と液体の慣性に基づくものであ
る。)。
【0067】このため、吐出口に近い側の流抵抗が小さ
い場合には、多くの液体が吐出口側から消泡位置に流れ
込みメニスカスの後退量が大きくなることになる。特
に、吐出効率を高めるために吐出口に近い側の流抵抗を
小さくして吐出効率を高めようとするほど、消泡時のメ
ニスカスMの後退が大きくなり、リフィル時間が長くな
って高速印字を妨げることとなっていた。
【0068】これに対して本実施形態例は可動部材31
を設けたため、気泡の体積Wを可動部材31の第1位置
を境に上側をW1、気泡発生領域11側をW2とした場
合、消泡時に可動部材が元の位置に戻った時点でメニス
カスの後退は止まり、その後残ったW2の体積分の液体
供給は主に第2流路16の流れVD2からの液供給によ
って成される。これにより、従来、気泡Wの体積の半分
程度に対応した量がメニスカスの後退量になっていたの
に対して、それより少ないW1の半分程度のメニスカス
後退量に抑えることが可能になった。
【0069】さらに、W2の体積分の液体供給は消泡時
の圧力を利用して可動部材31の発熱体側の面に沿っ
て、主に第2液流路の上流側(VD2)から強制的に行
うことができるためより速いリフィルを実現できた。
【0070】ここで特徴的なことは、従来のヘッドで消
泡時の圧力を用いたリフィルを行った場合、メニスカス
の振動が大きくなってしまい画像品位の劣化につながっ
ていたが、本実施形態例の高速リフィルにおいては可動
部材によって吐出口側の第1液流路14の領域と、気泡
発生領域11との吐出口側での液体の流通が抑制される
ためメニスカスの振動を極めて少なくすることができる
ことである。
【0071】このように本発明は、第2流路16の液供
給路12を介しての発泡領域への強制リフィルと、上述
したメニスカス後退や振動の抑制によって高速リフィル
を達成することで、吐出の安定や高速繰り返し吐出、ま
た記録の分野に用いた場合、画質の向上や高速記録を実
現することができる。
【0072】本発明の構成においてはさらに次のような
有効な機能を兼ね備えている。それは、気泡の発生によ
る圧力の上流側への伝搬(バック波)を抑制することで
ある。発熱体2上で発生した気泡の内、共通液室13側
(上流側)の気泡による圧力は、その多くが、上流側に
向かって液体を押し戻す力(バック波)になっていた。
このバック波は、上流側の圧力と、それによる液移動
量、そして液移動に伴う慣性力を引き起こし、これらは
液体の液流路内へのリフィルを低下させ高速駆動の妨げ
にもなっていた。本発明においては、まず可動部材31
によって上流側へのこれらの作用を抑えることでもリフ
ィル供給性の向上をさらに図っている。
【0073】次に、本発明に適用される2流路構造の液
体吐出ヘッドの更なる特徴的な構造と効果について、以
下に説明する。
【0074】上記第2液流路16は、発熱体2の上流に
発熱体2と実質的に平坦につながる(発熱体表面が大き
く落ち込んでいない)内壁を持つ液体供給路12を有し
ている。このような場合、気泡発生領域11および発熱
体2の表面への液体の供給は、可動部材31の気泡発生
領域11に近い側の面に沿って、VD2のように行われ
る。このため、発熱体2の表面上に液体が淀むことが抑
制され、液体中に溶存していた気体の析出や、消泡でき
ずに残ったいわゆる残留気泡が除去され易く、また、液
体への蓄熱が高くなりすぎることもない。従って、より
安定した気泡の発生を高速に繰り返し行うことができ
る。なお、本例では実質的に平坦な内壁を持つ液体供給
路12を持つもので説明したが、これに限らず、発熱体
表面となだらかに繋がり、なだらかな内壁を有する液供
給路であればよく、発熱体上に液体の淀みや、液体の供
給に大きな乱流を生じない形状であればよい。
【0075】また、気泡発生領域への液体の供給は、可
動部材の側部(スリット35)を介してVD1から行わ
れるものもある。しかし、気泡発生時の圧力をさらに有
効に吐出口に導くために図5で示すように気泡発生領域
の全体を覆う(発熱体面を覆う)ように大きな可動部材
を用い、可動部材31が第1の位置へ復帰することで、
気泡発生領域11と第1液流路14の吐出口に近い領域
との液体の流抵抗が大きくなるような形態の場合、前述
のVD1から気泡発生領域11に向かっての液体の流れ
が妨げられる。しかし、本発明のヘッド構造において
は、気泡発生領域に液体を供給するための流れVD1が
あるため、液体の供給性能が非常に高くなり、可動部材
31で気泡発生領域11を覆うような吐出効率向上を求
めた構造を取っても、液体の供給性能を落とすことがな
い。
【0076】ところで、可動部材31の自由端32と支
点33の位置は、例えば図4で示されるように、自由端
が相対的に支点より下流側にある。このような構成のた
め、前述した発泡の際に気泡の圧力伝搬方向や成長方向
を吐出口側に導く等の機能や効果を効率よく実現できる
のである。さらに、この位置関係は吐出に対する機能や
効果のみならず、液体の供給の際にも液流路10を流れ
る液体に対する流抵抗を小さくしでき高速にリフィルで
きるという効果を達成している。これは図8に示すよう
に、吐出によって後退したメニスカスMが毛管力により
吐出口18へ復帰する際や、消泡に対しての液供給が行
われる場合に、液流路10(第1液流路14、第2液流
路16を含む)内を流れる流れS1、S2、S3に対
し、逆らわないように自由端と支点33とを配置してい
るためである。
【0077】補足すれば、図5においては、前述のよう
に可動部材31の自由端32が、発熱体2を上流側領域
と下流側領域とに2分する面積中心3(発熱体の面積中
心(中央)を通り液流路の長さ方向に直交する線)より
下流側の位置に対向するように発熱体2に対して延在し
ている。これによって発熱体の面積中心位置3より下流
側で発生する液体の吐出に大きく寄与する圧力、又は気
泡を可動部材31が受け、この圧力及び気泡を吐出口側
に導くことができ、吐出効率や吐出力を根本的に向上さ
せることができる。
【0078】さらに、加えて上記気泡の上流側をも利用
して多くの効果を得ている。
【0079】また、本例の構成においては可動部材31
の自由端が瞬間的な機械的変位を行っていることも、液
体の吐出に対して有効に寄与していると考えられる。
【0080】図9に本発明に適用可能な液体吐出ヘッド
の別の例を示す。この図9において、Aは可動部材が変
位している状態を示し(気泡は図示せず)、Bは可動部
材が初期位置(第1位置)の状態を示し、このBの状態
をもって、発泡領域11を吐出口18に対して実質的に
密閉しているとする。(ここでは、図示していないが
A、B間には流路壁があり流路と流路を分離してい
る。) 図9における可動部材31は土台34を側部に2点設
け、その間に液供給路12を設けている。これにより、
可動部材の発熱体側の面に沿って、また、発熱体の面と
実質的に平坦もしくは、なだらかにつながる面を持つ液
供給路から液体の供給を成すことができる。
【0081】ここで、可動部材31の初期位置(第1位
置)では、可動部材31は発熱体2の下流側および横方
向に配された発熱体下流壁36と発熱体側壁37に近接
または密着しており、気泡発生領域11の吐出口18側
に実質的に密閉されている。このため、発泡時の気泡の
圧力、特に気泡の下流側の圧力を逃がさず可動部材の自
由端側に集中的に作用させることができる。
【0082】また、消泡時には、可動部材31は第1位
置に戻り、発熱体上への消泡時の液供給は気泡発生領域
31の吐出口側が実質的に密閉状態になるため、メニス
カスの後退抑制等、先の実施形態例で説明した種々の効
果を得ることができる。また、リフィルに関する効果に
おいても先の実施形態例と同様の機能、効果を得ること
ができる。
【0083】また、本例においては、図9のように、可
動部材31を支持固定する土台34を発熱体2より離れ
た上流に設けると共に液流路10より、小さな幅の土台
34とすることで前述のような液供給路12への液体の
供給を行っている。また、土台34の形状のこれに限ら
ず、リフィルをスムースに行えるものであればよい。
【0084】なお、本実施形態例においては可動部材3
1と発熱体2の間隔を15μm程度としたが、気泡の発
生に基づく圧力が十分に可動部材に伝わる範囲であれば
よい。
【0085】さらに、本発明に適用可能な液体吐出ヘッ
ドのさらに別の例ついて説明する。この液体吐出ヘッド
は、第1、第2の共通液室に異なる液体を良好に分離し
て導入でき部品点数の削減を図れ、コストダウンを可能
とする。
【0086】図10は、このような液体吐出ヘッドの構
造を示す模式図であり、先の実施形態例と同じ構成要素
については同じ符号を用いており、詳しい説明はここで
は省略する。
【0087】本実施形態例においては、溝付き部材50
は、吐出口18を有するオリフィスプレート51と、複
数の第1液流路14を構成する複数の溝と、複数の液流
路14に共通して連通し、各第1の液流路3に液体(吐
出液)を供給するための第1の共通液室15を構成する
凹部とから概略構成されている。
【0088】この溝付部材50の下側部分に分離壁30
を接合することにより複数の第1液流路14を形成する
ことができる。このような溝付部材50は、その上部か
ら第1共通液室15内に到達する第1液体供給路20を
有している。また、溝付部材50は、その上部から分離
壁30を突き抜けて第2共通液室17内に到達する第2
の液体供給路21を有している。
【0089】つぎに、本発明にもとづく液体吐出ヘッド
の実施の形態を具体的に説明する。
【0090】<実施形態例1>まず、本実施形態例の液
体吐出ヘッド(インクジェット記録ヘッド)の概略的構
成を図11を参照しながら説明する。
【0091】図11において、参照符号401はインク
吐出エネルギー発生素子、402は複数のエネルギー発
生素子401をパターニングしたサブユニット(シリコ
ン基板ユニット)、403はサブユニット402を配列
したベースプレート、4はベースプレート403上に配
列したサブユニットの間を覆っている薄膜で、これらは
第1基板の要素である。参照符号405はエネルギー発
生素子に対応して接合することにより流路を形成する凹
部を有する第2基板と吐出口(オリフィス)を形成する
吐出口形成部材(オリフィスプレート)とが一体に成形
してなる天板、6は天板405に形成した吐出口(オリ
フィス)である。本実施例では、A4サイズのラインプ
リンタ用360dpiインクジェット記録ヘッドを得る
ために360dpi、128bitのエネルギー発生素
子1をパターニングしたシリコン基板ユニット402を
図11に示すようにアルミ製ベースプレート403上に
11個配列した。
【0092】複数のシリコン基板ユニット402を配列
させる際、隣接するシリコン基板ユニット間の継ぎ目に
おけるエネルギー発生素子間の間隔がシリコン基板ユニ
ット402のエネルギー発生素子間のピッチと同じなる
ように、エネルギー発生素子1のパターニングを行っ
た。また配列したシリコン基板ユニット402の隙間4
02aは、6μmとなるように設計したが、配列精度な
らびにシリコン基板ユニット402の切断精度から実際
には2〜8μmとなった。
【0093】またシリコン基板ユニット402をベース
プレート403に配列する直前にベースプレート403
上にスクリーン印刷にて厚さ数μmの熱硬化型ダイボン
接着層(不図示)を設けた。また、配列したシリコン基
板ユニット402は高さを±1μmに揃えるために同じ
シリコンウェハから切り出したものを用いた。
【0094】薄膜404は、櫛状となった長手方向一端
部を有するもので、この一端部から突起した複数の片4
04aは、それぞれ天接の際に隣接するシリコン基板ユ
ニット間の隙間402a上に位置するように形成されて
いる。この実施例では薄膜404は厚さ5μmのニッケ
ルで構成したが、これに限られることなく、薄膜404
を構成する材質としては耐溶剤性があるものであればよ
い。
【0095】薄膜404の材料としては、耐久性の高
い、銀、ニッケル、金、鉄、チタン、アルミニウム、白
金、タンタル、ステンレス、りん青銅等の金属、および
その合金、または、アクリロニトリル、ブタジエン、ス
チレン等のニトリル基を有する樹脂、ポリアミド等のア
ミド基を有する樹脂、ポリカーボネイト等のカルボキシ
ル基を有する樹脂、ポリアセタール等のアルデヒド基を
持つ樹脂、ポリサルフォン等のスルホン基を持つ樹脂、
そのほか液晶ポリマー等の樹脂およびその化合物、耐イ
ンク性の高い、金、タングステン、タンタル、ニッケ
ル、ステンレス、チタン等の金属、これらの合金および
耐インク性に関してはこれらを表面にコーティングした
もの若しくは、ポリアミド等のアミド基を有する樹脂、
ポリアセタール等のアルデヒド基を持つ樹脂、ポリエー
テルエーテルケトン等のケトン基を有する樹脂、ポリイ
ミド等のイミド基を有する樹脂、フェノール樹脂等の水
酸基を有する樹脂、ポリエチレン等のエチル基を有する
樹脂、ポリプロピレン等のアルキル基を持つ樹脂、エポ
キシ樹脂等のエポキシ基を持つ樹脂、メラミン樹脂等の
アミノ基を持つ樹脂、キシレン樹脂等のメチロール基を
持つ樹脂およびその化合物、さらに二酸化硅素等のセラ
ミックおよびその化合物、チッ化硅素、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリエ
ーテルサルフォンポリアクリレート、ポリサルフォン、
液晶ポリマー(LCP)等の近年のエンジニアリングプ
ラスチックに代表される耐熱性、耐溶剤性、成型性の良
好な樹脂、およびその化合物が望ましい。
【0096】また、金属薄膜を使用すると、金属に熱が
拡散するため、発泡時のヘッド昇温が抑えられ、インク
液温も一定となり粘度の変化が少なくなる。その結果、
連続印字における吐出量が一定となり、濃度変化の少な
い高画質が得られる。
【0097】なお、上記隣接するシリコン基板ユニット
間の隙間を塞ぐ薄膜4の各片4a幅は、本実施例では1
2μmとした。しかし、隙間402aと天板405の壁
部405aの幅を考慮して隙間を確実に塞ぎ、天板の壁
が乗る幅とすればよい。また、図12に示すように、上
記薄膜4の片の断面形状は矩形状である。
【0098】このようにして得られたインクジェット記
録ヘッドを用いて実際に印字したところ、クロストロー
ク等が起こらず、白スジ、ショボ等のない良好な品位の
印字が得られた。
【0099】<実施形態例2>この実施形態例2のイン
クジェット記録ヘッドは、上記実施形態例1と同一の構
造を有するけれども、図13および図14に示すように
薄膜4の各片4aの断面形状が異なる。すなわち、各片
404aの断面は凸状になっており、この凸部が隙間に
入り込むことで隙間部をより確実に塞ぐことができる。
【0100】ところで、実施形態例1および2では、薄
膜404が櫛状となっているため、天板405の複数の
溝部を隔てている複数の壁部のうち、シリコン基板ユニ
ット間の溝部に対応する壁部のみが薄膜404の片40
4aに当接することになる。
【0101】<実施形態例3>この実施形態例2のイン
クジェット記録ヘッドは、上記実施形態例1および2と
同一の構造を有するけれども、図15および図16に示
すように薄膜4の形状が櫛状ではなく、各シリコン基板
ユニット402上に設けられた複数の発熱体1に対応す
るようにして複数のスリット404bが形成された矩形
状のものとなっている。したがって、天板405の複数
の溝部を隔てている複数の壁部がどれも等しく薄膜40
4に当接することが可能となる。
【0102】<実施形態例4>上記実施形態例1ないし
3では、分離壁を有しない液体吐出ヘッドについて説明
した。この実施形態例では、分離壁と該分離壁に設けら
れた可動部材とを有する液体吐出ヘッドの一実施形態例
について説明する。
【0103】図17は本実施形態例のインクジェット記
録ヘッドの概略的構成を説明するための斜視図である。
また、図18は天接した状態を示す断面図である。これ
らの図において、参照符号513は第2流路の流路壁、
509は変位可能な可動部材512を備えた分離壁、そ
の他は実施形態例1で使用したものである。
【0104】第3流路の流路壁513は、発熱体401
の両側に立設しており、隣接するシリコン基板ユニット
402は互いの流路壁513が対向するようになってい
る。したがって、この第2流路の流路壁513を分離壁
509で仕切ることで第2流路が形成されるとともに、
隣接するシリコン基板ユニット402間の隙間402a
が分離壁509によって封鎖されることになる。
【0105】なお、この実施例において可動部材の形状
は、例えば図19(a)、(b)、および(c)のよう
な形状のいずれであってもよい。
【0106】このように本実施例のインクジェット記録
ヘッドは上記隙間を分離壁で覆うことで、上記隙間を確
実に塞ぐ構造と2流路構造とを一部品で達成できること
で、吐出口近傍の液体を効率よく吐出でき、かつ隙間部
のパワーロスを防ぎ良好な品位の印字が得られた。
【0107】<液体吐出ヘッドを用いた記録装置>つぎ
に、上記実施形態例1ないし4のいずれかの液体吐出ヘ
ッドを用いた記録装置について説明する。
【0108】図20は、記録装置全体のブロック図であ
る。
【0109】記録装置は、ホストコンピュータ300よ
り印字情報を制御信号として受ける。印字情報は印字装
置内部の入力インタフェイス301に一時保存されると
同時に、記録装置内で処理可能なデータに変換され、ヘ
ッド駆動信号供給手段を兼ねるCPU302に入力され
る。CPU302はROM303に保存されている制御
プログラムに基づき、上記CPU302に入力されたデ
ータをRAM304等の周辺ユニットを用いて処理し、
印字するデータ(画像データ)に変換する。
【0110】またCPU302は上記画像データを記録
用紙上の適当な位置に記録するために、画像データに同
期して記録用紙および記録ヘッドを移動する駆動用モー
タを駆動するための駆動データを作る。画像データおよ
びモータ駆動データは、各々ヘッドドライバ307と、
モータドライバ305を介し、ヘッド200および駆動
モータ306に伝達され、それぞれ制御されたタイミン
グで駆動され画像を形成する。
【0111】上述のような記録装置に適用でき、インク
等の液体の付与が行われる被記録媒体としては、各種の
紙やOHPシート、コンパクトディスクや装飾板等に用
いられるプラスチック材、布帛、アルミニュウムや銅等
の金属材、牛皮、豚皮、人工皮革等の皮革材、木、合板
等の木材、竹材、タイル等のセラミックス材、スポンジ
等の三次元構造体等を対象とすることができる。
【0112】また上述の記録装置として、各種の紙やO
HPシート等に対して記録を行うプリンタ装置、コンパ
クトディスク等のプラスチック材に記録を行うプラスチ
ック用記録装置、金属板に記録を行う金属用記録装置、
皮革に記録を行う皮革用記録装置、木材に記録を行う木
材用記録装置、セラミックス材に記録を行うセラミック
ス用記録装置、スポンジ等の三次元網状構造体に対して
記録を行う記録装置、又布帛に記録を行う捺染装置等を
も含むものである。
【0113】またこれらの液体吐出装置に用いる吐出液
としては、夫々の被記録媒体や記録条件に合わせた液体
を用いればよい。
【0114】<インクジェット記録システム>次に、本
発明の液体吐出ヘッドを記録ヘッドとして用い被記録媒
体に対して記録を行う、インクジェット記録システムの
一例を説明する。
【0115】図21は、前述した本発明の液体吐出ヘッ
ド201を用いたインクジェット記録システムの構成を
説明するための模式図である。本実施例における液体吐
出ヘッドは、被記録媒体150の記録可能幅に対応した
長さに360dpiの間隔で吐出口を複数配したフルラ
イン型のヘッドであり、イエロー(Y),マゼンタ
(M),シアン(C),ブラック(Bk)の4色に対応
した4つのヘッドをホルダ202によりX方向に所定の
間隔を持って互いに平行に固定支持されている。
【0116】これらのヘッドに対してそれぞれ駆動信号
供給手段を構成するヘッドドライバ307から信号が供
給され、この信号に基づいて各ヘッドの駆動が成され
る。
【0117】各ヘッドには、吐出液としてY,M,C,
Bkの4色のインクがそれぞれ204a〜204dのイ
ンク容器から供給されている。なお、符号204eは発
泡液が蓄えられた発泡液容器であり、この容器から各ヘ
ッドに発泡液が供給される構成になっている。
【0118】また、各ヘッドの下方には、内部にスポン
ジ等のインク吸収部材が配されたヘッドキャップ203
a〜203dが設けられており、非記録時に各ヘッドの
吐出口を覆うことでヘッドの保守を成すことができる。
【0119】符号206は、先の各実施例で説明したよ
うな各種、非記録媒体を搬送するための搬送手段を構成
する搬送ベルトである。搬送ベルト206は、各種ロー
ラにより所定の経路に引き回されており、モータドライ
バ305に接続された駆動用ローラにより駆動される。
【0120】本実施例のインクジェット記録システムに
おいては、記録を行う前後に被記録媒体に対して各種の
処理を行う前処理装置251および後処理装置252を
それぞれ被記録媒体搬送経路の上流と下流に設けてい
る。
【0121】前処理と後処理は、記録を行う被記録媒体
の種類やインクの種類に応じて、その処理内容が異なる
が、例えば、金属、プラスチック、セラミックス等の被
記録媒体に対しては、前処理として、紫外線とオゾンの
照射を行い、その表面を活性化することでインクの付着
性の向上を図ることができる。また、プラスチック等の
静電気を生じやすい被記録媒体においては、静電気によ
ってその表面にゴミが付着しやすく、このゴミによって
良好な記録が妨げられる場合がある。このため、前処理
としてイオナイザ装置を用い被記録媒体の静電気を除去
することで、被記録媒体からごみの除去を行うとよい。
また、被記録媒体として布帛を用いる場合には、滲み防
止、先着率の向上等の観点から布帛にアルカリ性物質、
水溶性物質、合成高分子、水溶性金属塩、尿素およびチ
オ尿素から選択される物質を付与する処理を前処理とし
て行えばよい。前処理としては、これらに限らず、被記
録媒体の温度を記録に適切な温度にする処理等であって
もよい。
【0122】一方、後処理は、インクが付与された被記
録媒体に対して熱処理、紫外線照射等によるインクの定
着を促進する定着処理や、前処理で付与し未反応で残っ
た処理剤を洗浄する処理等を行うものである。
【0123】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液体吐出
ヘッドは上記のように構成されることによって、フルラ
インタイプの液体吐出ヘッドを製造する際に、従来のも
のに比べてその歩留りが顕著に向上し、しかも容易に量
産化することを可能とする。また、このような液体吐出
ヘッドを用いることによって従来よりも優れた画像品位
を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にもとづく液体吐出ヘッドの概略的構成
を説明するための斜視図である。
【図2】本発明にもとづく液体吐出ヘッドの天板を除い
た部分の概略的構成を説明するための斜視図である。
【図3】本発明にもとづく液体吐出ヘッドの天板の概略
的構成を説明するためのもので、(A)は上下、および
側面からみた図、(B)は(A)のXX線に沿う断面図
である。
【図4】(a)〜(d)は、本発明に適用できる液体吐
出ヘッドの一例を吐出原理を説明するための模式的断面
図である。
【図5】図4(a)〜(d)に示した液体吐出ヘッドの
部分破断斜視図である。
【図6】従来の液体吐出ヘッドにおける気泡からの圧力
伝搬を示す模式的断面図である。
【図7】本発明に適用できる吐出原理における気泡から
の圧力伝搬を示す模式的断面図である。
【図8】本発明に適用できる液体の流れを説明するため
の模式的断面図である。
【図9】本発明に適用可能な液体吐出ヘッドの一例を示
す部分破断斜視図である。
【図10】本発明に適用可能な液体吐出ヘッドの主要構
成を説明するための模式的分解斜視図である。
【図11】本発明にもとづく液体吐出ヘッドの第1の実
施形態例を説明するための斜視図である。
【図12】図11に示す液体吐出ヘッドの天接後の状態
を示す模式的側面断面図である。
【図13】本発明にもとづく液体吐出ヘッドの第2の実
施形態例を説明するための斜視図である。
【図14】図13に示す液体吐出ヘッドの天接後の状態
を示す模式的側面断面図である。
【図15】本発明にもとづく液体吐出ヘッドの第3の実
施形態例を説明するための斜視図である。
【図16】図15に示す液体吐出ヘッドの天接後の状態
を示す模式的側面断面図である。
【図17】本発明にもとづく液体吐出ヘッドの第4の実
施形態例を説明するための斜視図である。
【図18】図17に示す液体吐出ヘッドの天接後の状態
を示す模式的側面断面図である。
【図19】本発明にもとづく液体吐出ヘッドの第4の実
施形態例に適用される可動部材の形状を説明するための
もので、(a),(b),および(c)は各形状を示す
平面図である。
【図20】本発明の液体吐出ヘッドを搭載できる液体吐
出装置を駆動するための装置ブロック図である。
【図21】本発明の液体吐出ヘッドを用いたインクジェ
ット記録システムの構成を説明するための模式的斜視図
である。
【符号の説明】
1 素子基板 2 発熱体 3 面積中心 10 液流路 11 気泡発生領域 12 供給路 13 共通液室 14 第1液流路 15 第1共通液室 16 第2液流路 17 第2共通液室 18 吐出口 19 狭窄部 20 第1供給路 21 第2供給路 22 第1液流路壁 23 第2液流路壁 24 凸部 30 分離壁 31 可動部材 32 自由端 33 支点 34 支持部材 35 スリット 36 気泡発生領域前壁 37 気泡発生領域側壁 40 気泡 45 液滴 50 溝付き部材 60 ばね 70 支持体 80 供給部材 401 吐出口(ノズル) 402 シリコン基板ユニット 403 ベースプレート 404 薄膜 405 天板 410 バネ 415 バネホルダ 411 液室 412 流路 414 インク供給口 420 配線基板 421 パッド 422 コネクタ 509 分離壁 512 可動部材 513 流路壁

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録媒体上に液体を吐出するための液
    体吐出ヘッドであって、 基板と、 該基板上に設けられ、かつ各々が複数のエネルギー発生
    素子を有する複数の基板ユニットと、 前記複数の基板ユニットに接続し、複数の液流路を形成
    するための壁部を有する天板と、 前記複数の基板ユニットと前記天板との間に配置され、
    かつ隣接する前記基板ユニット間に形成される隙間と前
    記流路とを遮断する薄膜部材と、 が設けられたことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記薄膜部材は、複数の片部を有する櫛
    状をなすもので、各片部は前記隙間を覆うことを特徴と
    する請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記片部の厚さ方向に沿った断面は凸状
    をなすことによって前記片部が前記隙間を塞ぐことを特
    徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記薄膜部材は、前記複数のエネルギー
    発生素子に対応した複数のスリットが形成された矩形状
    をなすものであることを特徴とする請求項1に記載の液
    体吐出ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記薄膜部材は、耐久性、耐インク性、
    耐溶剤性のある金属材料からなることを特徴とする請求
    項1ないし4のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記薄膜部材は、耐熱性、耐久性、耐イ
    ンク性、耐溶剤性、成型性のある樹脂材料からなること
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の
    液体吐出ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記エネルギー発生素子は、前記液体に
    膜沸騰を生じさせることによって発生した気泡の圧力に
    よって前記液体を吐出する電気熱変換素子であることを
    特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の液体吐
    出ヘッド。
  8. 【請求項8】 被記録媒体上に液体を吐出するための液
    体吐出ヘッドであって、 基板と、 該基板上に設けられ、かつ各々が複数の気泡発生部と、
    各気泡発生部の両側に立設することによって液流路を形
    成するための壁部とを有する複数の基板ユニットと、 該基板ユニット上に設けられ、前記壁部と当接すること
    によって前記複数の基板ユニット間の隙間と前記基板ユ
    ニット上の前記液流路とを遮断する分離壁と、 前記分離壁を介して前記基板ユニットと接続し、かつ前
    記分離壁上に複数の液流路を形成するための壁部を有す
    る天板と、 前記エネルギー発生素子に面するようにして前記分離壁
    に形成され、第1の位置と該第1の位置よりも前記気泡
    発生部から遠い第2の位置との間を変位可能な可動部材
    とを備え、さらに、 前記可動部材は、前記気泡発生部での気泡の発生に基づ
    く圧力によって、前記第1の位置から前記第2の位置へ
    変位すると共に、前記可動部材の変位によって前記気泡
    を吐出口に向かう方向の上流よりも下流に大きく膨張さ
    せることで液体を吐出することを特徴とする液体吐出ヘ
    ッド。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項に記載
    の液体吐出ヘッドを着脱自在あるいは固定して搭載する
    搭載手段を備え、さらに、 該液体吐出ヘッドから液体を吐出させるための駆動信号
    を供給する駆動信号供給手段と前記液体吐出ヘッドから
    吐出された液体を受ける被記録媒体を搬送する被記録媒
    体搬送手段との少なくとも一つが設けられたことを特徴
    とする液体吐出装置。
  10. 【請求項10】 前記液体吐出ヘッドからインクを吐出
    し、記録紙にインクを付着させることで記録を行うこと
    を特徴とする請求項9記載の液体吐出装置。
  11. 【請求項11】 前記液体吐出ヘッドから記録液体を吐
    出し、布帛に記録液体を付着させることで記録を行うこ
    とを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。
  12. 【請求項12】 前記液体吐出ヘッドから記録液体を吐
    出し、プラスチックに記録液体を付着させることで記録
    を行うことを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装
    置。
  13. 【請求項13】 前記液体吐出ヘッドから記録液体を吐
    出し、金属に記録液体を付着させることで記録を行うこ
    とを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。
  14. 【請求項14】 前記液体吐出ヘッドから記録液体を吐
    出し、木材に記録液体を付着させることで記録を行うこ
    とを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。
  15. 【請求項15】 前記液体吐出ヘッドから記録液体を吐
    出し、皮革に記録液体を付着させることで記録を行うこ
    とを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。
  16. 【請求項16】 前記液体吐出ヘッドから複数色の記録
    液体を吐出し、被記録媒体に前記複数色の記録液体を付
    着させることでカラー記録を行うことを特徴とする請求
    項9に記載の液体吐出装置。
  17. 【請求項17】 請求項9ないし16のいずれか一項に
    記載の液体吐出装置と、記録後の被記録媒体に対して前
    記液体の定着を促す後処理装置と、を有することを特徴
    とする記録システム。
  18. 【請求項18】 請求項9ないし16のいずれか一項に
    記載の液体吐出装置と、記録前の被記録媒体に対して前
    記液体の定着を増すための前処理装置と、を有すること
    を特徴とする記録システム。
JP18372696A 1996-06-07 1996-07-12 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、および記録システム Pending JPH1024587A (ja)

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AU24745/97A AU2474597A (en) 1996-06-07 1997-06-06 Liquid discharging head, liquid discharging apparatus and printing system
EP97303931A EP0811498B1 (en) 1996-06-07 1997-06-06 Liquid discharging head, liquid discharging apparatus and printing system
CA002207240A CA2207240C (en) 1996-06-07 1997-06-06 Liquid discharging head, liquid discharging apparatus and printing system
US08/870,574 US6302518B1 (en) 1996-06-07 1997-06-06 Liquid discharging head, liquid discharging apparatus and printing system
DE69728082T DE69728082T2 (de) 1996-06-07 1997-06-06 Flüssigkeitsausstosskopf, Vorrichtung zum Austossen von Flüssigkeit und Drucksystem
CNB971179638A CN1139488C (zh) 1996-06-07 1997-06-06 喷液头

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7871153B2 (en) 2006-05-26 2011-01-18 Ricoh Company, Ltd. Liquid jet head, method of manufacturing liquid jet head, and image forming apparatus

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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