JPH10244766A - 熱転写受像シート - Google Patents

熱転写受像シート

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JPH10244766A
JPH10244766A JP9068981A JP6898197A JPH10244766A JP H10244766 A JPH10244766 A JP H10244766A JP 9068981 A JP9068981 A JP 9068981A JP 6898197 A JP6898197 A JP 6898197A JP H10244766 A JPH10244766 A JP H10244766A
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JP9068981A
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English (en)
Inventor
Koichi Shirai
孝一 白井
Kazunobu Imoto
和信 井本
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受容層における染料の転写性が低下したり、
転写ムラ等が発生することがなく、均一に着色化するこ
とが簡単にでき、引張強度や引裂強度が低下することも
なく、解像度と、印画部のみならず非印画部の色相を、
見本品に厳密に合わせることが可能な熱転写受像シート
を提供することを目的とする。 【解決手段】 基材シートの少なくとも一方の面に、中
間層と受容層とをこの順序で積層してなる熱転写受像シ
ートにおいて、該中間層が黄色色材を含有し、かつ該受
容層が設けられた表面の反射特性が、JIS−Z872
2に規定された方法で測定し、JIS−Z8730によ
って規定された方法で表示した場合のL、a及びbの値
が、L=92〜96、a=−1〜1、b=1.5〜5の
範囲にあることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写シートと重ね
合わせて使用される熱転写受像シートに関し、さらに詳
しくは、高濃度かつ高解像度の画像が形成でき、受像シ
ート表面の色相を調整し、安定してその色相を維持でき
る熱転写受像シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の熱転写記録方法が知られて
いるが、それらの中でも、昇華転写染料を記録剤とし、
これをポリエステルフィルム等の基材シートに担持させ
た熱転写シートから、昇華染料で染着可能な被転写材、
例えば、紙やプラスチックフィルム等に染料受容層を形
成した熱転写受像シート上に昇華転写染料を熱転写し、
各種のフルカラー画像を形成する方法が提案されてい
る。この場合には、加熱手段として、プリンターのサー
マルヘッドが使用され、極めて短時間の加熱によって3
色または4色の多数の加熱量が調整された色ドットを熱
転写受像シートの受容層に転移させ、該多色の色ドット
により原稿のフルカラーを再現するものである。このよ
うに形成された画像は、使用する色材が染料であること
から、非常に鮮明でかつ透明性に優れているため、得ら
れる画像は中間色の再現性や階調性に優れ、従来のオフ
セット印刷やグラビア印刷による画像と同様であり、か
つフルカラー写真画像に匹敵する高品質画像の形成が可
能である。
【0003】この昇華転写記録による高品質画像を活用
して、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷
等各種印刷の校正用の印字物として利用することが行わ
れ始めている。従来の校正用の印刷物は本刷製品と画像
等の色相を合わせるために、本刷と印刷条件を同様にし
て校正用インキで印刷し、乾燥させて手間をかけて作製
していた。ところが、上記の昇華転写記録方法によれ
ば、印刷用の版や校正用インキも必要なく、印刷する画
像の原画があれば、その画像を電気信号に変換して、熱
転写シートと熱転写受像シートを組み合わせて、熱転写
プリンターで印字して、簡単に校正用の印字物が得られ
る。また、上記の校正用の印字物にとどまらず、グラビ
ア印刷、オフセット印刷等の本刷製品の代替として、昇
華転写記録の印字物が利用されることも行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような昇華転写
記録方法で得られる印字物は、解像度と、印画部のみな
らず非印画部の色相を、見本品に厳密に合わせることが
要求されている。すなわち、見本品と仕上がり状態で同
じものとして見なせる昇華転写記録の印字物が必要であ
り、非印画部である熱転写受像シートの受像面の色相を
見本品の表面の色相(地色)に厳密に合わせることが要
求されている。これに対し、熱転写受像シートの受容層
に白色顔料や有機ないし無機の色材を添加して、見本品
の地色に合わせることがあげられるが、それらの添加剤
の混入により受容層における染料の転写性が低下した
り、転写ムラ等が発生するという問題がある。
【0005】また、熱転写受像シートの基材シートに白
色顔料や有機ないし無機の色材を添加して着色化するこ
とがあげられるが、基材シートの広巾全体を均一に着色
化することがむずかしく、基材シートの引張強度や引裂
強度が低下するという問題がある。また、本出願人によ
る特開平1−206095には、熱転写受像シートの受
容層または中間層に白色顔料、青色染料及び赤色染料を
含有させて、優れた白色度を有する受像シートを得るこ
とが開示されている。しかし、この方法ではやや黄色味
を有する見本品の地色に厳密に合わせることができない
という問題がある。したがって、本発明は、上記従来技
術の問題点を解決し、受容層における染料の転写性が低
下したり、転写ムラ等が発生することがなく、均一に着
色化することが簡単にでき、引張強度や引裂強度が低下
することもなく、解像度と、印画部のみならず非印画部
の色相を、見本品に厳密に合わせることが可能な熱転写
受像シートを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の熱転写
受像シートは、基材シートの少なくとも一方の面に、中
間層と受容層とをこの順序で積層してなる熱転写受像シ
ートにおいて、該中間層が黄色色材を含有し、かつ該受
容層が設けられた表面の反射特性が、JIS−Z872
2に規定された方法で測定し、JIS−Z8730によ
って規定された方法で表示した場合のL、a及びbの値
が、L=92〜96、a=−1〜1、b=1.5〜5の
範囲にあることを特徴とする。また、前記の黄色色材
が、ジス−アゾ系顔料、酸化チタン系顔料、酸化鉄系顔
料の少なくとも一つを含有することを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明の熱転写受像シートは、基材シートの上
に、中間層と受容層とをこの順序で積層して、その中間
層に黄色色材を含有させることにより、その受容層が設
けられた表面の反射特性が、JIS−Z8722に規定
された方法で測定し、JIS−Z8730によって規定
された方法で表示した場合のL、a及びbの値が、L=
92〜96、a=−1〜1、b=1.5〜5の範囲にな
るものである。また、その黄色色材として、ジス−アゾ
系顔料、酸化チタン系顔料、酸化鉄系顔料の少なくとも
一つを使用することが好ましく、このようにすることに
より、本発明の熱転写受像シートは、受容層における染
料の転写性が低下したり、転写ムラ等が発生することが
なく、均一に着色化することが簡単にでき、引張強度や
引裂強度が低下することもなく、解像度と、印画部のみ
ならず非印画部の色相を、見本品に厳密に合わせること
が可能となる。但し、非印画部の色相は、やや黄色味を
有するもので、例えば、雑誌、カタログ等の表紙に用い
られる印刷物の用紙の地色のものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明の熱転写受像シート
で、発明の実施の形態について詳述する。本発明の熱転
写受像シートは、基材シートの少なくとも一方の面に、
中間層と受容層とをこの順序で積層してなる熱転写受像
シートにおいて、該中間層が黄色色材を含有し、かつ該
受容層が設けられた表面の反射特性が、JIS−Z87
22に規定された方法で測定し、JIS−Z8730に
よって規定された方法で表示した場合のL、a及びbの
値が、L=92〜96、a=−1〜1、b=1.5〜5
の範囲にあることを特徴としている。
【0009】(基材シート)基材シートは、受容層を保
持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が
加えられるため、加熱された状態でも取扱い上支障のな
い程度の機械的強度を有することが好ましい。このよう
な基材シートの材料は特に限定されず、例えば、コンデ
ンサーペーパー、グラシン紙、硫酸紙、またはサイズ度
の高い紙、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン
系)、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート
紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂またはエマルジョン含浸
紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙
等、セルロース繊維紙、あるいはポリエステル、ポリア
クリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイ
ミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエ
チレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリビ1ルアルコール、ポリビニルブチ
ラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ
サルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロ
エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリ
ビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレ
ン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレ
ン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデン
フルオライド等のフィルムが挙げられ、また、これらの
合成樹脂に白色顔料や充填剤を加えて成膜した白色不透
明フィルムあるいは発泡させた発泡シートも使用でき、
特に限定されない。
【0010】また、上記基材シートの任意の組み合わせ
による積層体も使用できる。代表的な積層体の例とし
て、セルロース繊維紙と合成紙あるいはセルロール繊維
紙とプラスチックフィルムとの合成紙が挙げられる。こ
れらの基材シートの厚みは、任意でよく、通常10〜3
00μm程度である。また、上記基材シートとその上に
設ける層との密着性が乏しい場合には、基材シートの表
面に各種プライマー処理やコロナ放電処理を施すのが好
ましい。
【0011】(中間層)上記基材シート上に形成される
中間層は、主に受像面の着色化と基材シートの隠蔽化を
目的としたもので、黄色色材と白色顔料と必要に応じて
その他の添加剤と、バインダーである樹脂からなる構成
である。中間層を形成する好適な樹脂の例としては、ポ
リウレタン樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂、またはこ
れらの一部架橋樹脂、架橋性ポリウレタン樹脂、エポキ
シ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性樹脂が挙
げられる。
【0012】黄色色材は、ジス−アゾ系、酸化チタン
系、酸化鉄系顔料が好ましく使用できる。特にジス−ア
ゾ系顔料のC.I.ピグメントイエロー83を使用する
ことが好ましい。黄色色材は、中間層を形成する樹脂1
00重量部当たり0.01〜10重量部を添加すること
が好ましい。特に中間層樹脂100重量部当たり0.0
3〜0.05重量部を添加することが好ましい。白色顔
料は、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、及びアル
ミナホワイト等の無機顔料、カオリンクレー、シリカ、
炭酸マグネシウム及び炭酸カルシウム等の体質顔料を単
独あるいは併用して使用することができる。本発明では
受像面の色相をやや黄色味をもたせるために、やや黄色
を帯びた白色顔料のアナターゼ型酸化チタンや、タルク
が好ましく用いられる。白色顔料は、中間層を形成する
樹脂100重量部当たり100〜350重量部を添加す
ることが好ましい。特に中間層樹脂100重量部当たり
250〜350重量部を添加することが好ましい。
【0013】中間層は、黄色色材を含有し、かつ受像面
の表面反射特性が、JIS−Z8722に規定された方
法で測定し、JIS−Z8730によって規定された方
法で表示した場合のL、a及びbの値が、L=92〜9
6、a=−1〜1、b=1.5〜5の範囲にしている。
印画部のみならず非印画部の色相を、見本品に厳密に合
わせるために、特に、やや黄色味を有する非印画部の色
相にするため、上記のL、a及びbの値は、L=93〜
96、a=−0.8〜−0.2、b=2〜4の範囲にす
ると、より見本品に近い色相になるため、好ましい。こ
こで、JIS−Z8722及びJIS−Z8730に規
定された方法によれば、L、a及びbの3つの値によっ
て、測定対象物の色調が表される。Lは明度を表し、こ
の数値が大きいほど明度が高いことを示す。また、aは
赤みを表し数値が大きいほど赤味が強いことを示し、−
(マイナス)になると赤味が不足していること、言い換
えれば緑色味が強いことを示す。さらに、b値は黄色味
の指標であり、この数値が大きい場合は黄色味が強いこ
とを示し、−(マイナス)になると黄色味が不足して青
くなることを示している。そして、a、bのいずれも0
の場合は、無色を意味している。
【0014】中間層の形成方法としては、上記のごとき
樹脂及び黄色色材と白色顔料と必要に応じてその他の添
加剤を、アセトン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、
トルエン、キシレン、シクロヘキサノン等の適当な有機
溶剤に溶解分散して塗工液を調整し、これを例えば、グ
ラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いた
リバースロールコーティング法等の形成手段により基材
シートの少なくとも一方の面に、塗布及び乾燥して、更
に必要に応じて架橋硬化させて中間層を形成する。この
ようにして形成する中間層の厚みは固形分塗工量で約
0.5〜10g/m2 程度、更に好ましくは1〜6g/
2 が好適である。中間層の厚みが薄すぎると中間層と
して要求される性能が得られず、一方、厚すぎると中間
層としての効果はそれ以上は向上しないばかりか、印字
感度の低下をもたらす等で好ましくない。
【0015】(受容層)上記基材上に設ける受容層は、
加熱された際に熱転写シートから移行してくる染料を受
容し、形成された画像を維持するためのものである。受
容層を形成するための樹脂としては、例えば、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、ポリ酢酸ビ
ニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビ
ニル共重合体、ポリアクリルエステル等のビニル系樹
脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポ
リビニルアセタール等のアセタール樹脂、飽和・不飽和
の各種ポリエステル樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セ
ルロースアセテート等のセルロース系樹脂、ポリスチレ
ン、アクリルースチレン共重合体、アクリロニトリルー
スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のポリアミド樹脂、
等が挙げられる。これらの樹脂は、相溶する範囲内で任
意にブレンドし、用いることもできる。
【0016】また、中間層のバインダー樹脂が、水酸基
やカルボキシル基等の活性水素を有する場合、受容層中
に、活性水素と反応する硬化剤を添加しておくと、中間
層と受容層との密着性を向上させることができる。その
ような硬化剤としては、従来公知の、イソシアネート化
合物、アミノ化合物、有機金属化合物が好ましい。これ
ら硬化剤は、その反応速度を高くする為に、夫々に適し
た触媒を用いることもできる。硬化剤の添加量は種類に
よって異なるが、中間層と密着できる最低量が好まし
い。
【0017】また上記のような受容層樹脂は、画像形成
の熱転写時に染料を保持する染料バインダー樹脂と融着
を起こす場合もあるので、良好な離型性を得る為に、リ
ン酸エステル、界面活性剤、フッ素系化合物、フッ素系
樹脂、シリコーン化合物、シリコーンオイル、シリコー
ン樹脂等の各種離型剤を受容層中に内添することが好ま
しく、特に変成シリコーンオイルを添加し、硬化させた
ものが好ましい。離型剤の添加量は、その種類により異
なるが、樹脂固形分100重量部に対し、離型剤の層固
形分量が1〜20重量部程度の範囲で、離型剤の性能が
十分に発揮される最低量が好ましい。変成シリコーンオ
イルの中で、上記硬化剤と反応しうる反応基を有する変
成シリコーンオイルを添加する場合には、変成シリコー
ンオイルと硬化剤の反応基の当量を、1:1〜1:10
の範囲内にすることが好ましい。更に受容層中に内添せ
ず、上記離型剤からなる層や、バインダー樹脂に上記離
型剤を混ぜた層を、受容層の上に離型層として積層して
もよい。
【0018】上記の受容層は、樹脂に必要な添加剤を加
えたものを、適当な有機溶剤に溶解したり、或いは分散
した分散液を、例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷
法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法
等の形成手段により塗布・乾燥して形成される。以上の
如く形成される受容層は任意の厚さでよいが、一般的に
は乾燥時で1〜50μmの厚さである。
【0019】(スリップ層)また、熱転写受像シートの
裏面には、シートの機械搬送性向上、カール防止等の為
に、スリップ層を設けることもできる。搬送性向上の為
には、バインダー樹脂に有機または無機のフィラーを適
量添加するか、ポリオレフィン樹脂、セルロース樹脂の
ような滑性の高い樹脂を用いることが好ましい。このス
リップ層はアクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニ
ルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ハロゲン化ポリマー等の樹脂
中に、添加剤として、アクリル系フィラー、ナイロン系
フィラー、テフロン系フィラー、ポリエチレンワックス
等の有機フィラー、及び二酸化珪素や金属酸化物等の無
機フィラーを加えたものが使用できる。中でも、アクリ
ル系樹脂が好ましく、更にはアクリルポリオールが最も
好ましい。また、アクリルポリオールを硬化剤により硬
化したものを使用するのが好ましい。
【0020】スリップ層は、上記にあげた樹脂とフィラ
ーを任意に添加し、溶剤、希釈液等で、十分に混練し
て、塗工液を製造し、基材シートの他方の面に、中間層
の形成手段と同様に、例えば、グラビア印刷法、スクリ
ーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーテ
ィング法等の形成手段により、塗布し、乾燥して得られ
る。以上の如く形成されるスリップ層は任意の厚さでよ
いが、一般的には乾燥時で1〜10μmの厚さである。
【0021】(易接着層)基材シートの表面及び/また
は裏面に、アクリル酸エステル樹脂やポリウレタン樹脂
やポリエステル樹脂等の接着性樹脂からなる易接着層を
設けてもよい。易接着層は、上記にあげた樹脂で、塗工
液を製造し、基材シートの表面及び/または裏面に、例
えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版
を用いたリバースロールコーティング法等の形成手段に
より、塗布し、乾燥して得られる。また、上記に記載し
た塗布層を設けずに、基材シートの表面及び/または裏
面に、コロナ放電処理をして、基材シートとその上に設
ける層との接着性を高めることもできる。
【0022】(帯電防止層)熱転写受像シートの最表面
の少なくとも一方に帯電防止層を設けてもよい。帯電防
止層は、脂肪酸エステル、硫酸エステル、燐酸エステ
ル、アミド類、4級アンモニウム塩、ベタイン類、アミ
ノ酸類、エチレンオキサイド付加物等を溶剤に溶解また
は分散させたものを塗工する方法が挙げられる。さらに
は、アクリル樹脂、ビニル系樹脂、セルロース樹脂等の
樹脂に4級アンモニウム塩系、燐酸系、エトサルフェイ
ト系、ビニルピロリドン系、スルフォン酸系等の帯電防
止効果を有する基を導入または共重合した導電性樹脂を
塗布してもよい。帯電防止層の塗工量は、0.001〜
0.1g/m2 であることが好ましい。また、塗工以外
の各種の処理、例えば、スプレー処理、転写等の方法を
使用してもよい。上記の帯電防止層を設けることによ
り、得られた熱転写受像シートは、印画前に優れた帯電
防止性能を有し、2枚差し等の給紙不良を防ぐことが可
能となる。
【0023】上記の如き熱転写受像シートを使用して熱
転写をおこなう際に使用する熱転写シートとしては、昇
華転写記録方式において使用する昇華型熱転写シートの
他に、顔料等を熱溶融するバインダーにて担持した熱溶
融インキ層を、基材シート上に形成塗布し、加熱によっ
て該インキ層ごと被転写物に転写する、熱溶融型熱転写
シートを使用してもよい。また、熱転写時の熱エネルギ
ーの付与手段は、従来公知の熱付与手段がいずれも使用
でき、例えば、サーマルプリンター(例えば日立製作所
製、ビデオプリンターVY−100)等の記録装置によ
って、記録時間をコントロールすることにより、5〜1
00mJ/mm2 程度の熱エネルギーを付与することに
よって所期の目的を十分に達成することができる。
【0024】
【実施例】以下に、本発明を使用した実施例及び比較例
を挙げて更に具体的に説明する。尚、部または%とある
のは、特に断りのない限り重量基準である。 (実施例1)基材シートとして、支持体に新王子製紙
(株)製 OKコート157g/m2を用いて、その支
持体の上と下に発泡ポリプロピレンフィルム(プラズマ
表面処理を施した東洋紡績(株)製P4256、60μ
m)を貼り合わせたものを使用する。この基材シートの
一方の面に、下記組成の中間層と受容層をこの順に積層
する。但し、中間層は乾燥状態で、3g/m2 、受容層
は乾燥状態で4g/m2の塗工量である。
【0025】中間層用塗工液1 塩素化ポリプロピレン樹脂 14部 (ハードレンB−13:東洋化成(株)) 酸化チタン 42部 (TCR−30ルチル型:トーケムプロダクツ(株)) C.I.ピグメントイエロー83 0.005部 トルエン 38部 メチルエチルケトン 6部
【0026】受容層用塗工液 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 7.2部 (デンカビニル#1000A:電気化学工業(株)) 塩化ビニル−スチレン−アクリル共重合体樹脂 1.6部 (デンカラック#400A:電気化学工業(株)) ポリエステル樹脂(バイロン600:東洋紡績(株)) 11.2部 ビニル変性シリコン 2.0部 (X−62−1212:信越化学工業(株)) 触媒(CAT−PLR−5:信越化学工業(株)) 1.0部 触媒(CAT−PL−50T:信越化学工業(株)) 1.5部 トルエン 39部 メチルエチルケトン 39部
【0027】次に、上記の基材シートの他方の面に、下
記組成の易接着層及びスリップ層をこの順に積層する。
但し、易接着層は乾燥状態で、0.1g/m2 、スリッ
プ層は乾燥状態で、4g/m2 の塗工量である。易接着層用塗工液 ポリウレタン樹脂(N−5199:日本ポリウレタン工業(株)) 10部 ポリイソシアネート 2部 (コロネートL−75:日本ポリウレタン工業(株)) トルエン 45部 メチルエチルケトン 43部
【0028】スリップ層用塗工液 アクリルポリオール樹脂 20部 (アクリディック47−538:大日本インキ化学工業(株)) イソシアネート硬化剤(タケネートA−14:武田薬品工業(株)) 2部 ナイロン微粒子(オルガソール2002:日本リルサン) 0.1部 触媒(S−CAT24:三共有機合成) 0.1部 トルエン 40部 メチルエチルケトン 40部
【0029】さらに、上記の受容層/中間層/基材シー
ト/易接着層/スリップ層の構成の熱転写受像シートの
表及び裏の最表面に、表及び裏とも下記組成の帯電防止
層を乾燥状態で、1.5g/m2 の塗工量で設け、実施
例1の熱転写受像シートを作製した。帯電防止層用塗工液 帯電防止剤(TB−34:松本油脂製薬) 1部 イソプロパノール 1000部
【0030】(実施例2)実施例1の中間層塗工液1を
下記組成の塗工液2に変えて、それ以外は実施例1と同
様にして実施例2の熱転写受像シートを得た。中間層用塗工液2 塩素化ポリプロピレン樹脂 14部 (ハードレンB−13:東洋化成(株)) 酸化チタン 42部 (TCR−30ルチル型:トーケムプロダクツ(株)) 酸化チタン系黄色顔料 0.005部 トルエン 38部 メチルエチルケトン 6部
【0031】(比較例1)実施例1の中間層塗工液1を
下記組成の塗工液3に変えて、それ以外は実施例1と同
様にして比較例1の熱転写受像シートを得た。中間層用塗工液3 塩素化ポリプロピレン樹脂 14部 (ハードレンB−13:東洋化成(株)) 酸化チタン 42部 (TCR−30ルチル型:トーケムプロダクツ(株)) トルエン 38部 メチルエチルケトン 6部
【0032】(比較例2)実施例1の中間層塗工液1を
下記組成の塗工液4に変えて、それ以外は実施例1と同
様にして比較例2の熱転写受像シートを得た。中間層用塗工液4 塩素化ポリプロピレン樹脂 14部 (ハードレンB−13:東洋化成(株)) 酸化チタン 42部 (TCR−30ルチル型:トーケムプロダクツ(株)) C.I.ピグメントイエロー83 0.02部 トルエン 38部 メチルエチルケトン 6部
【0033】上記の各熱転写受像シートの受容層が設け
られた表面の反射特性を、ミノルタ製色彩色差計CR−
221にて、JIS−Z8722に規定された方法で測
定し、JIS−Z8730によって規定された方法で表
示した場合のL、a及びbの値を出した。尚、見本品の
地色についても、上記の方法にて測定し、見本品の地色
と実施例、比較例の各受像シートの非印画部の色相とを
目視にて比較して評価した。その評価の判断基準は以下
のとおりである。見本品との色相比較 ○:見本品と比べ、色相は同様とみなせる。 ×:見本品と比べ、色相は異なる。
【0034】以上の測定結果と評価結果を下記の表1に
示す。 (以下余白)
【0035】
【表1】
【0036】一方、下記組成の染料層用インキを調整
し、背面に耐熱処理を施した6μm厚のポリエチレンテ
レフタレートに、乾燥塗工量が1.0g/m2 になるよ
うにワイヤーバーにより塗布、乾燥し、さらに背面にシ
リコーンオイル(X−41・4003A、信越シリコー
ン)をスポットで数滴滴下後、全面に広げて背面処理コ
ートを行い、熱転写シートを得た。染料層形成用塗工液 分散染料(カヤセットブルー714:日本化薬(株)) 4.0部 エチルヒドロキシセルロース(ハーキュレス社) 5.0部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 80.0部 ジオキサン 10.0部
【0037】前記の実施例および比較例の熱転写受像シ
ートの受容層の面に上記熱転写シートの染料層面が接触
するように重ね、熱転写シートの背面からサーマルヘッ
ドにて加熱をおこなった。加熱条件は、出力0.2W/
ドット、パルス幅12msec.ドット幅6ドット/m
mで、シアン画像の印字を行ったところ、いずれも画像
に抜けや色むらがなく、良好であった。
【0038】
【発明の効果】したがって、本発明の熱転写受像シート
は、基材シートの少なくとも一方の面に、中間層と受容
層とをこの順序で積層し、該中間層が黄色色材を含有
し、かつ該受容層が設けられた表面の反射特性が、JI
S−Z8722に規定された方法で測定し、JIS−Z
8730によって規定された方法で表示した場合のL、
a及びbの値が、L=92〜96、a=−1〜1、b=
1.5〜5の範囲にあることにより、受容層における染
料の転写性が低下したり、転写ムラ等が発生することが
なく、均一に着色化することが簡単にでき、引張強度や
引裂強度が低下することもなく、解像度と、印画部のみ
ならず非印画部の色相を、見本品に厳密に合わせること
が可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートの少なくとも一方の面に、中
    間層と受容層とをこの順序で積層してなる熱転写受像シ
    ートにおいて、該中間層が黄色色材を含有し、かつ該受
    容層が設けられた表面の反射特性が、JIS−Z872
    2に規定された方法で測定し、JIS−Z8730によ
    って規定された方法で表示した場合のL、a及びbの値
    が、L=92〜96、a=−1〜1、b=1.5〜5の
    範囲にあることを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 【請求項2】 前記の黄色色材が、ジス−アゾ系顔料、
    酸化チタン系顔料、酸化鉄系顔料の少なくとも一つを含
    有することを特徴とする上記の請求項1に記載する熱転
    写受像シート。
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