JPH10244020A - グリップテープ - Google Patents

グリップテープ

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JPH10244020A
JPH10244020A JP9052921A JP5292197A JPH10244020A JP H10244020 A JPH10244020 A JP H10244020A JP 9052921 A JP9052921 A JP 9052921A JP 5292197 A JP5292197 A JP 5292197A JP H10244020 A JPH10244020 A JP H10244020A
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tape
grip
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grip tape
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Yasuyuki Ohira
康幸 大平
Mitsuo Hori
光雄 堀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のグリップテープと対比したとき、予測
を遥かに超えた優れた衝撃吸収性能を有するグリップテ
ープを提供すること。 【解決手段】 グリップエンドに巻き付けて衝撃振動を
緩和するテープであって、前記テープの基材12中に、
同テープ基材12における双極子モーメント量を増加さ
せる活性成分が配合されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テニス用ラケッ
ト、バドミントン、野球のバット、ゴルフクラブなどの
スポーツ用具のグリップエンド、自転車やオートバイな
どのハンドルのグリップエンド、あるいはハンマーなど
の工具のグリップエンドなどに巻き付けて衝撃振動を緩
和するテープに関する。詳細には優れた衝撃吸収性能を
有するテープ基材を使用したグリップテープに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
衝撃振動の緩和を目的として、テニス用ラケット、バド
ミントン、野球のバット、ゴルフクラブなどのスポーツ
用具のグリップエンド、自転車やオートバイなどの二輪
車のグリップエンド、あるいはハンマーなどの工具のグ
リップエンドなどには衝撃吸収性能を有するテープが巻
き付けられている。
【0003】これは、上記スポーツ用具、二輪車、ある
いは工具などに用いられる材料自体の衝撃吸収性能が低
く、残留振動のために使用者が不快感を覚えたり、肘を
痛めたりするといった問題を生じていたからである。
【0004】また、この問題が専業のプロ選手や職人の
みならず、広く一般に認識されるにつれて、衝撃吸収性
能を有するグリップテープは、さらにその需要を増しつ
つある。
【0005】市販の衝撃吸収性能を有するグリップテー
プとしては、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンなどの発泡
樹脂材料をテープ基材として用いたものが一般的であ
る。
【0006】ところが、このグリップテープは、発泡樹
脂材料の持つ衝撃吸収性そのものが低く、衝撃振動を十
分に緩和することができなかった。
【0007】本発明者らは、優れた衝撃吸収性能を有す
るグリップテープについて鋭意研究を重ねた結果、グリ
ップテープとして適用されるテープ基材における双極子
モーメント量が、当該グリップテープの衝撃吸収性能に
深い関係を持っており、テープ基材における双極子モー
メント量を多くすることで、当該グリップテープの衝撃
吸収性能を飛躍的に向上させることができることを見い
出した。
【0008】さらに発明者は、この研究を通してグリッ
プテープにおけるテープ基材の誘電損率と衝撃吸収性能
とについても相関があり、誘電損率が高いものほど、衝
撃吸収性能が高いということを見い出したのである。
【0009】本発明は、上述の知見に基づくことで完成
されたものであり、従来のグリップテープと対比したと
き、予測を遥かに超えた優れた衝撃吸収性能を有するグ
リップテープを提供することを目的とするものである。
【0010】本発明の別の目的は、使用温度領域におい
て良好な衝撃吸収性能が発揮されるグリップテープを提
供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、グリップエンドに巻き付け
て衝撃振動を緩和するテープであって、前記テープの基
材中に、同テープ基材における双極子モーメント量を増
加させる活性成分が配合されていることを特徴とするグ
リップテープをその要旨とした。
【0012】請求項2記載の発明は、テープ基材が、ポ
リ塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、アクリルゴム、ア
クリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエ
ンゴム、及びクロロプレンゴムから選ばれる極性高分子
よりなることを特徴とするグリップテープをその要旨と
した。
【0013】請求項3記載の発明は、テープ基材が使用
温度域にガラス転移点を有する高分子よりなることを特
徴とするグリップテープをその要旨とした。
【0014】請求項4記載の発明は、活性成分がテープ
基材100重量部に対して10〜200重量部の割合で
配合されていることを特徴とするグリップテープをその
要旨とした。
【0015】請求項5記載の発明は、活性成分が、メル
カプトベンゾチアジル基を含む化合物の中から選ばれた
1種若しくは2種以上であることを特徴とするグリップ
テープをその要旨とした。
【0016】請求項6記載の発明は、メルカプトベンゾ
チアジル基を含む化合物が、N、N−ジシクロヘキシル
ベンゾチアジル−2−スルフェンアミドであることを特
徴とするグリップテープをその要旨とした。
【0017】請求項7記載の発明は、メルカプトベンゾ
チアジル基を含む化合物が、2−メルカプトベンゾチア
ゾールであることを特徴とするグリップテープをその要
旨とした。
【0018】請求項8記載の発明は、メルカプトベンゾ
チアジル基を含む化合物が、ジベンゾチアジルスルフィ
ドであることを特徴とするグリップテープをその要旨と
した。
【0019】請求項9記載の発明は、活性成分が、ベン
ゾトリアゾール基を持つ化合物の中から選ばれた1種若
しくは2種以上であることを特徴とするグリップテープ
をその要旨とした。
【0020】請求項10記載の発明は、ベンゾトリアゾ
ール基を持つ化合物が、2−{2′−ハイドロキシ−
3′−(3″,4″,5″,6″テトラハイドロフタリ
ミデメチル)−5′−メチルフェニル}−ベンゾトリア
ゾールであることを特徴とするグリップテープをその要
旨とした。
【0021】請求項11記載の発明は、ベンゾトリアゾ
ール基を持つ化合物が、2−{2′−ハイドロキシ−
5′−メチルフェニル}−ベンゾトリアゾールであるこ
とを特徴とするグリップテープをその要旨とした。
【0022】請求項12記載の発明は、ベンゾトリアゾ
ール基を持つ化合物が、2−{2′−ハイドロキシ−
3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル}−5−クロ
ロベンゾトリアゾールであることを特徴とするグリップ
テープをその要旨とした。
【0023】請求項13記載の発明は、ベンゾトリアゾ
ール基を持つ化合物が、2−{2′−ハイドロキシ−
3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル}−5−クロロベ
ンゾトリアゾールであることを特徴とするグリップテー
プをその要旨とした。
【0024】請求項14記載の発明は、活性成分が、ジ
フェニルアクリレート基を持つ化合物の中から選ばれた
1種若しくは2種以上であることを特徴とするグリップ
テープをその要旨とした。
【0025】請求項15記載の発明は、ジフェニルアク
リレート基を持つ化合物が、エチル−2−シアノ−3,
3−ジ−フェニルアクリレートであることを特徴とする
グリップテープをその要旨とした。
【0026】請求項16記載の発明は、テープ基材の周
波数110Hzにおける誘電損率が50以上であること
を特徴とするグリップテープをその要旨とした。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明のグリップテープに
ついてさらに詳しく説明する。図5に示すグリップテー
プ11は、テープ基材12のみの単一層からなるもので
あり、図6に示すグリップテープ11は、テープ基材1
2の下側に粘着層13を設けたものである。また図7に
示すグリップテープ11は、テープ基材12に多数の透
孔14を設けて通気性を付与し、汗による蒸れ、滑りを
防いだものである。
【0028】尚、本発明のグリップテープの態様として
は、上記以外に例えば、テープ表面に凹凸を設けてグリ
ップ性を高めたり、テープ基材の下側にクッション性に
富む粘着層を設けたりするなど、用途や使用状態に応じ
て自由に変更することができる。
【0029】次に、本発明のグリップテープにおけるテ
ープ基材について説明する。このテープ基材に適用可能
な基材成分としては、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、
塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢ビ
共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリ
デン、ポリイソプレン、ポリスチレン、スチレン−ブタ
ジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、
ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、イソプレ
ンゴム(IR)などの高分子、これらをブレンドしたも
のなどを挙げることができる。中でもポリ塩化ビニル
は、成形性がよく、安価である点で好ましい。
【0030】このような高分子を基材成分とするテープ
基材における双極子モーメント量と衝撃吸収性能との間
には以下のような関係がある。一般にテープ基材におけ
る衝撃吸収のメカニズムは、当該グリップテープに衝撃
振動が伝わることで、そのエネルギーの一部が熱エネル
ギーに返還され、ここに衝撃吸収性能が生じる。つまり
当該グリップテープに伝搬した衝撃振動がエネルギーの
変換によって減衰され、衝撃吸収が行われるということ
である。本発明者らは、この衝撃吸収のメカニズムを研
究していく過程で、テープ基材における双極子の変位、
双極子の復元作用によってエネルギーが吸収(変換)さ
れ、衝撃吸収性能が生じるということを発見した。
【0031】以下にその詳細を示す。図1には衝撃振動
が伝わる前のテープ基材1内部における双極子2の配置
状態を示した。この双極子2の配置状態は安定な状態に
あると言える。ところが、衝撃振動が伝わることで、テ
ープ基材1内部に存在する双極子2には変位が生じ、図
2に示すように、テープ基材1内部における各双極子2
は不安定な状態に置かれることになり、各双極子2は、
図1に示すような安定な状態に戻ろうとする。
【0032】このとき、エネルギーの吸収(変換)が生
じることになる。こうした、テープ基材1内部における
双極子の変位、双極子の復元作用によるエネルギーの吸
収(変換)を通じて、衝撃吸収性能が生じているものと
考えられる。
【0033】上述の衝撃吸収のメカニズムから、図1及
び図2に示すようなテープ基材1内部における双極子モ
ーメントの量が大きくなればなる程、そのテープ基材1
の持つ衝撃吸収性能も高くなると考えられる。このこと
から、テープ基材を構成する基材成分として、分子内部
における双極子モーメント量がもともと大きな素材を用
いることは、より高い衝撃吸収性能を確保する上で大変
有用なことである。
【0034】分子内部における双極子モーメント量がも
ともと大きなものとしては、極性高分子を挙げることが
できる。この極性高分子として、具体的には、ポリ塩化
ビニル、塩素化ポリエチレン、アクリルゴム(AC
R)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、
スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、及びクロロプレ
ンゴム(CR)などを挙げることができる。
【0035】また本発明のグリップテープは、使用時の
衝撃振動を吸収緩和することを目的とするものであり、
その使用時における温度(以下使用温度域という。)
は、おおよそ−20°C〜40°Cの範囲である。その
使用温度域においてガラス転移点を有する高分子をテー
プ基材の基材成分として用いることは大変に有用なこと
である。なぜならば、発明者らの実験によれば、高分子
のガラス転移点付近で衝撃吸収性能が最も発揮されるか
らである。
【0036】使用温度域にガラス転移点を有する高分子
としては、具体的にはポリ塩化ビニル、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−酢ビ共重合体、ポリメタク
リル酸メチル、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−
アクリロニトリル共重合体などの高分子に、ジ−2−エ
チルヘキシルフタレート(DOP)、ジブチルフタレー
ト(DBP)、ジイソノニルフタレート(DINP)な
どの可塑剤を添加して、使用温度域にガラス転移点(T
g)を移動させたもの、あるいは高分子そのものが使用
温度域にガラス転移点(Tg)を有するアクリルゴム
(ACR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NB
R)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエ
ンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム
(IR)、クロロプレンゴム(CR)、塩素化ポリエチ
レンなどの高分子などを挙げることができる。
【0037】尚、テープ基材の基材成分の選択に際して
は、前記高分子内部における双極子モーメント量や使用
温度域の他、取り扱い性、成形性、入手容易性、温度性
能(耐熱性や耐寒性)、耐候性、価格なども考慮するの
が望ましい。
【0038】このテープ基材に配合される活性成分と
は、テープ基材における双極子モーメントの量を飛躍的
に増加させる成分であり、当該活性成分そのものが双極
子モーメント量が大きいもの、あるいは活性成分そのも
のの双極子モーメント量は小さいが、当該活性成分が含
まれることで、テープ基材における双極子モーメント量
が飛躍的に増加するような成分をいう。
【0039】例えば所定の温度条件、エネルギーの大き
さとしたときの、テープ基材1内部に生じる双極子モー
メントの量が、テープ基材1に活性成分が含まれること
で、図3に示すように、同じ条件の下で3倍とか、10
倍とかいった量に増加することになるのである。これに
伴って、エネルギーが伝達されたときの双極子2の復元
作用によるエネルギー消費量も飛躍的に増大することに
なり、予測を遥かに超えた衝撃吸収性能が生じることに
なると考えられる。
【0040】このような作用効果を導く活性成分として
は、例えばN、N−ジシクロヘキシルベンゾチアジル−
2−スルフェンアミド(DCHBSA)、2−メルカプ
トベンゾチアゾール(MBT)、ジベンゾチアジルスル
フィド(MBTS)、N−シクロヘキシルベンゾチアジ
ル−2−スルフェンアミド(CBS)、N−tert−
ブチルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド(BB
S)、N−オキシジエチレンベンゾチアジル−2−スル
フェンアミド(OBS)、N、N−ジイソプロピルベン
ゾチアジル−2−スルフェンアミド(DPBS)などの
メルカプトベンゾチアジル基を含む化合物、
【0041】ベンゼン環にアゾール基が結合したベンゾ
トリアゾールを母核とし、これにフェニル基が結合した
2−{2′−ハイドロキシ−3′−(3″,4″,
5″,6″テトラハイドロフタリミデメチル)−5′−
メチルフェニル}−ベンゾトリアゾール(2HPMM
B)、2−{2′−ハイドロキシ−5′−メチルフェニ
ル}−ベンゾトリアゾール(2HMPB)、2−{2′
−ハイドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェ
ニル}−5−クロロベンゾトリアゾール(2HBMPC
B)、2−{2′−ハイドロキシ−3′,5′−ジ−t
−ブチルフェニル}−5−クロロベンゾトリアゾール
(2HDBPCB)などのベンゾトリアゾール基を持つ
化合物、
【0042】あるいは、エチル−2−シアノ−3,3−
ジ−フェニルアクリレートなどのジフェニルアクリレー
ト基を含む化合物の中から選ばれた1種若しくは2種以
上を挙げることができる。
【0043】上述の活性成分の含有量としては、テープ
基材100重量部に対して10〜200重量部の割合が
好ましい。例えば活性成分の含有量が10重量部を下回
る場合、双極子モーメントの量を増大させるという十分
な効果が得られず、活性成分の含有量が200重量部を
上回る場合には、十分に相溶しなかったり、十分な機械
的強度が得られなかったりすることがある。
【0044】尚、前記テープ基材に配合する活性成分を
決定するに当たり、前述の双極子モーメントの量以外
に、活性成分とテープ基材の基材成分との相溶し易さ、
すなわちSP値を考慮し、その値の近いものを選択する
と良い。
【0045】尚、双極子モーメントの量は、前述のテー
プ基材の基材成分や活性成分の種類により様々に異なっ
ている。また同じ成分を用いたとしても、エネルギーが
伝達されたときの温度により、その双極子モーメントの
量は変わる。また、伝達されるエネルギーの大小によっ
ても、双極子モーメントの量は変わる。このため、適用
時の温度やエネルギーの大きさなどを考慮して、そのと
き最も大きな双極子モーメント量となるように、テープ
基材の基材成分や活性成分を適宜選択して用いるのが望
ましい。
【0046】また、上記テープ基材中には前記活性成分
の他に、衝撃吸収性能をさらに向上させる目的で、また
テープの機械的強度を高める目的で、マイカ鱗片、ガラ
ス片、グラスファイバー、カーボンファイバー、炭酸カ
ルシウム、バライト、沈降硫酸バリウム等のフィラーを
充填することができる。この場合、フィラーの充填量
は、10〜80重量%が好ましい。例えばフィラーの充
填量が10重量%を下回る場合には、フィラーを充填し
ても十分な吸収性能の向上がみられず、反対にフィラー
の充填量を80重量%を上回る量としても、現実に充填
できなかったり、テープの強度がかえって低下してしま
ったりするといった弊害を招くことになる。
【0047】本発明のグリップテープは、上記テープ基
材に活性成分、その他必要に応じてフィラー、分散剤、
増粘剤などを配合した配合物を、ディゾルバー、バンバ
リーミキサー、プラネタリーミキサー、グレンミル、オ
ープンニーダ、真空ニーダなどの従来公知の混合分散機
によって分散混合して製造される。
【0048】上記の如くテープ基材中に活性成分を配合
することで、双極子モーメントの量が飛躍的に増加し、
もって該テープ基材は高い衝撃吸収性能を発揮するに至
るのであるが、テープ基材に活性成分を配合したテープ
基材における双極子モーメントの量は、図4に示すA−
B間における誘電率(ε′)の差として表される。すな
わち図4に示すA−B間における誘電率(ε′)の差が
大きければ大きいほど、双極子モーメントの量が大きい
ということになる。
【0049】さて、図4は誘電率(ε′)と誘電損率
(ε″)との関係を示したグラフであるが、このグラフ
に示す誘電率(ε′)と誘電損率(ε″)との間には、
誘電損率(ε″)=誘電率(ε′)×誘電正接(tan
δ)といった関係が成り立っている。
【0050】本発明者らは、グリップテープについての
研究を通して、ここでいう誘電損率(ε″)が高ければ
高いほど、エネルギー吸収性、衝撃吸収性能も高いとい
うことを見い出したのである。
【0051】この知見に基づいて、上述のテープ基材に
おける誘電損率(ε″)を調べたところ、周波数110
Hzにおける誘電損率が50以上であるとき、該テープ
は優れた衝撃吸収性能を有していることが解った。
【0052】
【実施例】
実施例 塩素化ポリエチレン50重量%に対しDCHBSA(こ
の時の試料温度は22°C)を50重量%の割合で配合
し、これを厚さ1mm、幅25mm、長さ1200mm
のテープ状に成形してグリップテープとした。
【0053】比較例 塩素化ポリエチレン100重量%とした以外は実施例と
同様にしてグリップテープを作製した。
【0054】従来品1 ウィルソン社のテニス用ラケット、「Lady Ult
ra」のグリップエンドに巻き付けられていたもの。
【0055】従来品2 株式会社ディヤックの「G−296」(NBR製)。
【0056】従来品3 ヨネックス株式会社の「ウェットスーパーグリップ」。
【0057】従来品4 プリンス社の「EXGRADE」、オーバーグリップ。
【0058】従来品5 ミズノ株式会社の「マルチソフトグリップテープ」。
【0059】上記実施例、比較例、及び従来品1〜5の
各グリップテープについて、誘電正接(tanδ)、誘
電損率(ε″)及び誘電率(ε′)を測定したところ、
表1のような結果となった。
【0060】
【0061】また、上記実施例、比較例、及び従来品1
〜5の各グリップテープについて衝撃吸収試験を行っ
た。試験は、図8及び図9に示すように、ウィルソン社
のテニス用ラケット、「Lady Ultra」のグリ
ップエンドに上記各グリップテープを各々巻き付けたも
の20を基台21上に載せ、固定板22でボルト締めし
て固定した。固定板22にはFFTアナライザー(株式
会社小野測器製)23に接続した振動加速度ピックアッ
プ(NP−601、株式会社製)24を取り付けた。
【0062】そして、ラケット20のネット上にテニス
ボール25を1mの高さから落下させ、このとき固定板
22に生じた衝撃振動を振動加速度ピックアップ24で
測定し、FFTアナライザー23で増幅するという方法
で振動加速度レベル(dB)を測定した。この測定結果
を図10に示した。尚、測定時の温度は20°C、暗振
動は49.20dBであり、図10に示す測定結果は5
0回の平均値として示した。また比較のため、テープを
巻き付けていないもの(未対策)についても、同様に衝
撃吸収試験を行った。
【0063】図10から明らかなように、未対策の振動
加速度レベルが68〜70dBであるのに対し、従来品
5は66〜68dBであり、未対策のものに比べて2d
B程度の衝撃振動の緩和が見られただけであった。従来
品1〜4、並びに比較例のものは、いずれも60〜65
dBと可成りの衝撃振動の緩和が確認された。一方、実
施例のものは、56〜57dBと未対策のものと比べる
と、実に11〜14dBもの衝撃振動の緩和が確認さ
れ、優れた衝撃吸収性能を有していることが解った。
【0064】
【発明の効果】本発明のグリップテープは、優れた衝撃
吸収性能を有しており、衝撃振動を確実に吸収緩和する
ことができる。
【0065】またテープ基材の周波数110Hzにおけ
る誘電損率が50以上の場合には、従来のグリップテー
プからは予想できないほどの優れた衝撃収性能が発揮さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】テープ基材における双極子を示した模式図。
【図2】エネルギーが伝わったときのテープ基材におけ
る双極子の状態を示した模式図。
【図3】テープ基材中に活性成分が配合されたときのテ
ープ基材における双極子の状態を示した模式図。
【図4】テープ基材における誘電率(ε′)と誘電損率
(ε″)との関係を示したグラフ。
【図5】本発明のグリップテープを示した拡大断面図。
【図6】本発明のグリップテープの別の態様を示した拡
大断面図。
【図7】本発明のグリップテープのさらに別の態様を示
した斜視図。
【図8】実施例、比較例、及び従来品1〜5のグリップ
テープの振動加速度レベルdBを測定する装置を模式的
に示した側面図。
【図9】同じく平面図。
【図10】実施例、比較例、及び従来品1〜5のグリッ
プテープの振動加速度レベルdBを示したグラフ。
【符号の説明】
1、12・・・テープ基材 2・・・双極子

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリップエンドに巻き付けて衝撃振動を
    緩和するテープであって、前記テープの基材中に、同テ
    ープ基材における双極子モーメント量を増加させる活性
    成分が配合されていることを特徴とするグリップテー
    プ。
  2. 【請求項2】 前記テープ基材が、ポリ塩化ビニル、塩
    素化ポリエチレン、アクリルゴム、アクリロニトリル−
    ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、及びクロ
    ロプレンゴムから選ばれる極性高分子よりなることを特
    徴とする請求項1記載のグリップテープ。
  3. 【請求項3】 前記テープ基材が使用温度域にガラス転
    移点を有する高分子よりなることを特徴とする請求項1
    記載のグリップテープ。
  4. 【請求項4】 前記活性成分がテープ基材100重量部
    に対して10〜200重量部の割合で含まれていること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のグリップ
    テープ。
  5. 【請求項5】 前記活性成分が、メルカプトベンゾチア
    ジル基を含む化合物の中から選ばれた1種若しくは2種
    以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載のグリップテープ。
  6. 【請求項6】 前記メルカプトベンゾチアジル基を含む
    化合物が、N、N−ジシクロヘキシルベンゾチアジル−
    2−スルフェンアミドであることを特徴とする請求項5
    記載のグリップテープ。
  7. 【請求項7】 前記メルカプトベンゾチアジル基を含む
    化合物が、2−メルカプトベンゾチアゾールであること
    を特徴とする請求項5記載のグリップテープ。
  8. 【請求項8】 前記メルカプトベンゾチアジル基を含む
    化合物が、ジベンゾチアジルスルフィドであることを特
    徴とする請求項5記載のグリップテープ。
  9. 【請求項9】 前記活性成分が、ベンゾトリアゾール基
    を持つ化合物の中から選ばれた1種若しくは2種以上で
    あることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の
    グリップテープ。
  10. 【請求項10】 前記ベンゾトリアゾール基を持つ化合
    物が、2−{2′−ハイドロキシ−3′−(3″,
    4″,5″,6″テトラハイドロフタリミデメチル)−
    5′−メチルフェニル}−ベンゾトリアゾールであるこ
    とを特徴とする請求項9記載のグリップテープ。
  11. 【請求項11】 前記ベンゾトリアゾール基を持つ化合
    物が、2−{2′−ハイドロキシ−5′−メチルフェニ
    ル}−ベンゾトリアゾールであることを特徴とする請求
    項9記載のグリップテープ。
  12. 【請求項12】 前記ベンゾトリアゾール基を持つ化合
    物が、2−{2′−ハイドロキシ−3′−t−ブチル−
    5′−メチルフェニル}−5−クロロベンゾトリアゾー
    ルであることを特徴とする請求項9記載のグリップテー
    プ。
  13. 【請求項13】 前記ベンゾトリアゾール基を持つ化合
    物が、2−{2′−ハイドロキシ−3′,5′−ジ−t
    −ブチルフェニル}−5−クロロベンゾトリアゾールで
    あることを特徴とする請求項9記載のグリップテープ。
  14. 【請求項14】 前記活性成分が、ジフェニルアクリレ
    ート基を持つ化合物の中から選ばれた1種若しくは2種
    以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載のグリップテープ。
  15. 【請求項15】 前記ジフェニルアクリレート基を持つ
    化合物が、エチル−2−シアノ−3,3−ジ−フェニル
    アクリレートであることを特徴とする請求項14記載の
    グリップテープ。
  16. 【請求項16】 前記テープ基材の周波数110Hzに
    おける誘電損率が50以上であることを特徴とする請求
    項1〜15のいずれかに記載のグリップテープ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000049466A1 (fr) * 1999-02-19 2000-08-24 Shishiai-Kabushikigaisha Appareil de formation d'image
JP2003070944A (ja) * 2001-08-31 2003-03-11 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴルフクラブシャフト

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