JPH1024347A - エンジンのウォータジャケット用中子及びシリンダボア間鋳抜き孔成形用中子ピース - Google Patents

エンジンのウォータジャケット用中子及びシリンダボア間鋳抜き孔成形用中子ピース

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JPH1024347A
JPH1024347A JP18075496A JP18075496A JPH1024347A JP H1024347 A JPH1024347 A JP H1024347A JP 18075496 A JP18075496 A JP 18075496A JP 18075496 A JP18075496 A JP 18075496A JP H1024347 A JPH1024347 A JP H1024347A
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利夫 佐野
Tsujihiko Yasuda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイアミーズタイプのシリンダブロックのボ
ア間に、従来のウォータジャケット用中子を使用した成
形方法では形成することができない冷却水通過用の極薄
(極小)の扁平な孔を鋳抜くことが可能な中子を提供す
る。 【解決手段】 ウォータジャケット用中子1はウォータ
ジャケット用中子本体2と、隣接するシリンダボア間の
区画壁に冷却水通過用の孔を形成するための中子ピース
3とから構成されている。中子本体2には隣接するシリ
ンダボア間と対応する上部の互いに対向する位置にそれ
ぞれ一対の嵌合溝4が形成され、中子ピース3はその両
端が嵌合溝4に嵌合されている。中子本体2は従来のコ
ーテッドサンドで形成されている。中子ピース3は粒度
管理された結晶体Si O2 を主材料とし、副材料として
Al23 を含み、レジン量が5%程度に調整されたコー
テッドサンドで厚さ1.0〜1.8mmに形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエンジンのウォータ
ジャケット用中子及びシリンダボア間鋳抜き孔成形用中
子ピースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】シリンダブロックはエンジンを構成する
基本部品であり、ピストンの往復運動のガイド、クラン
クシャフトの支持、シリンダの冷却等が主な役割とな
る。そして、シリンダの冷却のためにウォータジャケッ
トがシリンダボアの周囲に配設されている。
【0003】エンジンの軽量化及び小型化のため、シリ
ンダボア間の区画壁の厚さをできるだけ小さくし(8〜
11mm)、ボア間にウォータジャケットを設けない、
いわゆるサイアミーズタイプのシリンダブロックが近年
多く採用されている。このエンジンブロックではボア間
に冷却水が流れないため、フルジャケットタイプに比較
してボア間の冷却が不十分となる。
【0004】ボア間の冷却が不十分だと壁温の上昇によ
ってボアが歪み、燃焼室にオイルパンのオイルが回り込
み、ガスとなって排出されるという不都合がある。ま
た、ボア壁温の上昇が大きいと排ガス中の窒素酸化物
(NOx )やスモークが多くなるという問題もある。
【0005】ウォータジャケットはシリンダブロックを
鋳造で形成する際の中子により形成される。従って、ウ
ォータジャケット用中子にボア間を鋳抜くための薄肉部
を一体に形成して、シリンダブロックの鋳造の際に冷却
水通過用の扁平な孔をボア間に形成できればよい。しか
し、従来の中子を使用した場合、高温(ほぼ1400°
C)での鋳造時の差し込み(目差し)、クラック等の発
生を防止して歩留まり良くシリンダブロックを鋳造する
ことができる孔の小径側の大きさはほぼ2.2mmが限
度であった。また、鋳抜きにより小径側の大きさがほぼ
2.2mmの孔の形成が可能な中子は、取り扱い時に薄
肉部が損傷するのを防止するため取り扱いに細心の注意
を必要とし、作業性が悪いという問題もある。
【0006】砂中子を使用して冷却水通過用の孔を鋳抜
く代わりに、ウォータジャケット用中子のボア間と対応
する位置に肉厚1mmの扁平なパイプ(幅17mm、厚
さ3mm)を配置し、パイプを鋳グルミの状態でボア間
の区画壁内に配設して、冷却水通過用の孔を形成したも
のが実施されている。また、特開平5−141307号
公報には、図8に示すように、シリンダブロック61の
ボア62間にアッパーデッキ63側からスリット64を
形成するとともに、ウォータジャケット65に連通する
複数の孔66をドリルで形成したものが開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、砂中子を使
用する代わりに扁平なパイプを鋳グルミの状態でボア間
に鋳込む従来技術の場合は、パイプをウォータジャケッ
ト用中子の所定位置に埋め込むのに手間がかかる。ま
た、扁平なパイプの肉厚が1mmと薄いため、パイプ内
が空の状態で鋳造すると、鋳造時にパイプに作用する溶
湯の圧力でパイプが変形するため、パイプ内に鋳物砂等
の充填物を充填した状態で鋳込み、鋳造後に充填物を取
り除く必要がある。従って、工数が多くなるとともに特
殊な扁平パイプを必要とするため、製造コストが高くな
る。
【0008】一方、特開平5−141307号公報に記
載の従来技術の場合は、孔66の数を多くすることによ
り冷却効果を高めることができる。しかし、ドリルで多
数の穴あけ加工を行うため、加工工数が多くなり製造コ
ストが高くなるという問題がある。
【0009】シリンダボア間に形成すべき冷却水通路の
幅はウォータジャケットの幅に比較して非常に狭い。従
って、鋳造時に砂粒間隙に溶湯が入り込むために生じる
鋳物表面の欠陥であるいわゆる目差し(差し込み)が少
しでも発生すると、ウォータジャケットでは許される欠
陥であっても冷却水通路では許されない。また、冷却水
通路の幅が非常に狭いため冷却水通路の内面に形成され
た目差しを後加工で除去することは非常に難しく、目差
しが発生したシリンダブロックは不良品となるため、シ
リンダブロックの製造時の歩留まりが悪くなる。
【0010】ウォータジャケット用中子を形成する場
合、シリンダボア間の鋳抜き箇所をウォータジャケット
部と一体に同じ中子砂を使用して形成した場合は、前記
のようにその厚さの限度がほぼ2.2mmであり、シリ
ンダボア間の区画壁を薄くすることが難しくなる。
【0011】本発明は前記従来の問題点に鑑みてなされ
たものであってその目的は、サイアミーズタイプのシリ
ンダブロックのボア間に、従来のウォータジャケット用
中子を使用した成形方法では形成することができない冷
却水通過用の極薄な扁平孔を鋳抜くことができるエンジ
ンのウォータジャケット用中子及びシリンダボア間鋳抜
き孔成形用中子ピースを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、エンジンのシリンダブ
ロックを鋳造により製造する際に使用するウォータジャ
ケット用中子本体に、隣接するシリンダボア間の区画壁
に冷却水通過用の孔を形成するための前記中子本体とは
別体の中子ピースを、前記ウォータジャケット用中子本
体の材料と別で、かつ鋳造時に焼付き、目差しの発生を
防止できる材料で形成し、該中子ピースを前記区画壁が
形成されるべき位置と対応する位置に配設した。
【0013】請求項2に記載の発明では、前記ウォータ
ジャケット用中子本体には隣接するシリンダボア間と対
応する位置に互いに対向して対をなす嵌合溝が形成さ
れ、前記中子ピースはその両端が該嵌合溝に嵌合する状
態でウォータジャケット用中子本体に取り付けられてい
る。
【0014】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、前記ウォータジャケッ
ト用中子本体には、前記各中子ピースの両端上部と対応
する位置に凸部がそれぞれ上側に向かって突設されてい
る。
【0015】請求項4に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記中子
ピースは上下方向の長さが中央部側から両側に向かって
次第に大きくなるように形成されている。
【0016】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請
求項3のいずれか1項に記載の発明において、前記中子
ピースはその下縁がアーチ状に形成されている。請求項
6に記載の発明では、請求項1〜請求項5のいずれか1
項に記載の発明において、前記中子ピースはその上部中
央がウォータジャケット用中子本体の上面より上側に位
置するように形成されている。
【0017】請求項7に記載の発明では、請求項1〜請
求項6のいずれか1項に記載のウォータジャケット用中
子本体に取り付けられる中子ピースであって、該中子ピ
ースの材料をレジンコーテッドサンドとし、骨材の主材
料を鋳造時における焼付き及び目差しを防止できる材料
とし、副材料は少なくとも鋳造後の中子ピースの崩壊性
を確保可能な材料を含むエンジンのシリンダボア間鋳抜
き孔成形用中子ピース。
【0018】請求項8に記載の発明では、請求項1〜請
求項6のいずれか1項に記載のウォータジャケット用中
子本体に取り付けられる中子ピースであって、該中子ピ
ースの材料の主成分を黒鉛とした。
【0019】請求項1〜請求項6に記載の発明のウォー
タジャケット用中子は、ウォータジャケットを形成する
ためのウォータジャケット用中子本体と、シリンダボア
間の区画壁に冷却水通過用の孔を形成するための中子ピ
ースとが別体かつそれぞれ別の材料で形成される。そし
て、中子ピース3の材料は鋳造時に焼付き、目差しの発
生を防止できる材料で形成されている。従って、中子ピ
ースを薄肉の状態で鋳造時の熱衝撃に耐えるとともに目
差しや焼付きが発生しない状態にすることができ、シリ
ンダブロックの鋳造を従来と同じ条件で行って、隣接す
るシリンダボア間の区画壁に冷却水通過用の極小(極
薄)の孔が形成される。
【0020】請求項2に記載の発明では、前記中子ピー
スはその両端が、前記ウォータジャケット用中子本体に
形成された嵌合溝に嵌合されて所定位置、即ちシリンダ
ボア間と対応する位置に配置される。従って、中子ピー
スのウォータジャケット用中子本体への取付けが容易と
なる。
【0021】請求項3に記載の発明では、シリンダブロ
ックが鋳造された状態で、各中子ピースの両端上部と対
応する位置に形成された凸部と対応する部分が中子ピー
スにより形成された冷却水通過用の孔と連通する孔とな
る。そして、凸部により形成された孔を利用して、冷却
水通過用の孔の鋳抜きの状態の確認が可能となる。
【0022】請求項4に記載の発明では、前記中子ピー
スは上下方向の長さが中央部側から両側に向かって次第
に大きくなるように形成されているため、鋳造後の型ば
らし時に、崩壊した中子砂が冷却水通過用の孔内から抜
け出易くなる。
【0023】請求項5に記載の発明では、中子ピースの
下縁がアーチ状に形成されているため、鋳造時における
熱衝撃に対する抵抗性が高められる。また、アーチ状に
形成することにより、中子ピースはその幅(上縁と下縁
との距離)が中央付近に比較して両端側において大きく
なり、鋳造後の型ばらし時に、崩壊した中子砂が冷却水
通過用の孔内から抜け出易くなる。
【0024】請求項6に記載の発明では、前記中子ピー
スはその上部中央がウォータジャケット用中子本体の上
面より上側に位置するように形成されているため、鋳造
されたシリンダブロックのボア間に形成された孔を流れ
る冷却水によるボア上部の冷却が効率良く行われる。
【0025】請求項7に記載の発明の中子ピースを使用
することにより、請求項1〜請求項6のいずれか1項に
記載の発明と同様な作用が得られる。請求項8に記載の
発明の中子ピースを使用することにより、請求項1〜請
求項6のいずれか1項に記載の発明と同様な作用が得ら
れる。また、黒鉛は溶湯に対する濡れ性が悪いため、鋳
造時に目差しがより発生し難くなる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態を図1〜図6に従って説明する。図1はエンジン
の4連サイアミーズ型シリンダブロックの製造時に使用
するウォータジャケット用中子の概略斜視図である。図
1に示すように、ウォータジャケット用中子1はウォー
タジャケット用中子本体2と、隣接するシリンダボア間
の区画壁に冷却水通過用の孔を形成するための中子ピー
ス3とから構成されている。ウォータジャケット用中子
本体2には、隣接するシリンダボア間と対応する上部の
互いに対向する位置に、それぞれ上方及び側方が開放さ
れた一対の嵌合溝4が形成されている。中子ピース3は
その両端が嵌合溝4に嵌合されて、隣接するシリンダボ
ア間と対応する所定位置に配置されている。
【0027】図2に示すように、中子ピース3は上縁の
中央部に凸部3aが形成され、下縁3bがアーチ状に形
成されている。中子ピース3はその幅(上縁と下縁との
距離)Wが中央付近に比較して両端側において大きくな
るように形成されている。即ち、中子ピースは上下方向
の長さが中央部側から両側に向かって次第に大きくなる
ように形成されている。中子ピース3は厚さtが1.0
〜1.8mmに形成されている。中子ピース3は上縁両
端がウォータジャケット用中子本体2の上面と同一面上
に位置し、凸部3aがウォータジャケット用中子本体2
の上面より上側に位置するようにウォータジャケット用
中子本体2に取り付けられている。
【0028】また、ウォータジャケット用中子本体2に
は、各中子ピース3の両端上部と対応する位置、即ち嵌
合溝4の近傍に凸部5がそれぞれ上側に向かって突設さ
れている。この凸部5はシリンダブロックの鋳造後、中
子ピース3によりボア間に冷却水通過用の孔が確実に鋳
抜かれているか否かの確認のために使用する孔を形成す
るためのものである。
【0029】ウォータジャケット用中子本体2の材料に
は従来と同様な中子砂、例えばレジン含有量2%程度の
レジンコーテッドサンド(シェル砂)が使用される。一
方、中子ピース3の材料にはウォータジャケット用中子
本体2の材料と別の材料が使用されている。中子ピース
3の材料には1400°C前後の鋳鉄が鋳込まれた時
に、焼付き及び目差しが発生しないこと、熱衝撃による
クラックの発生を防止できる高強度であること及び低膨
張性であることの要件と、常温での中子ピース3の取り
扱い時に中子ピース3が損傷しない強度を有することの
要件を満足するものが使用されている。
【0030】この実施の形態では中子ピース3の材料と
して、人造Si O2 を主骨材としたレジンコーテッドサ
ンド(以下、単にコーテッドサンドと呼ぶ)が使用され
ている。より詳細に説明すると次の組成となっている。
【0031】主材料:100〜200メッシュのクリス
タルシリカ(結晶体の二酸化ケイ素(Si O2 )) 副材料:100メッシュのAl23 (2.5%)、主材
料のSi O2 より平均粒径が小さなクリスタルシリカ
(3.5%)、Mg O(1%) 添加剤:レジン(フェノールレジン)(5%)、ヘキサ
メチレンテトラミン水溶液(2%)、ステアリン酸カル
シウム水溶液(1%) なお、副材料及び添加剤の%は主材料を含めた全体を1
00%としたときの重量%を示し、残りが主材料の%と
なる。
【0032】このコーテッドサンドは従来のウォータジ
ャケット用中子の製造及びシリンダブロックの鋳造条件
をそのまま使用できるようにすることを前提に調整され
ている。
【0033】主材料となる100〜200メッシュのク
リスタルシリカが中子ピース3に低膨張性、非焼付き性
を持たせるとともに目差しの発生を防止する役割を果た
す。副材料として使用される平均粒径が小さなクリスタ
ルシリカは、主材料の粒子間の隙間を埋めて、鋳造時に
目差しの発生をより抑制する役割を果たす。
【0034】副材料として使用されるAl23 は鋳造後
に中子ピースの崩壊性を高める役割を果たす。骨材をク
リスタルシリカのみで構成した場合は、各粒子が相互に
圧接された状態にあり、鋳造後の中子ピース3の崩壊性
が悪くなる。しかし、副材料としてAl23 を混合した
場合は、クリスタルシリカの粒子間にAl23 の粒子が
存在した状態となる。そして、Al23 の熱膨張率はク
リスタルシリカの熱膨張率より大きいため、両者の熱膨
張率の差により鋳造後の冷却時に、Al23 の粒子とク
リスタルシリカの粒子との間に隙間が発生して崩壊し易
くなる。
【0035】この組成の骨材に従来の中子砂と同様の量
(2〜3%)のレジンを添加してコーテッドサンドを調
整した場合は、さらさら過ぎて成形できない。そこでレ
ジン量を従来の2倍程度に増加させることにより成形性
及び中子ピース3を取り扱う際の損傷が防止できる常温
時の強度を確保した。
【0036】次に中子ピース3の製造方法の一例を説明
する。中子ピース3はピース材用のコーテッドサンドの
製造工程と、そのコーテッドサンドを使用した中子ピー
ス3の製造工程とを経て製造される。
【0037】ピース材用のコーテッドサンドは次の各工
程を経て製造される。 (第1工程) パウダー状の前記主材料及び副材料を攪
拌して均一に混合する。
【0038】(第2工程) 第1工程で得られた混合物
にパウダー状のレジンを添加し、攪拌して均一に混合す
る。 (第3工程) 第2工程で得られた混合物をほぼ140
°Cで1時間加熱する。この処理により主材料及び副材
料の粒子の表面にレジンの皮膜が形成される。
【0039】(第4工程) 第3工程で得られたレジン
被覆後の混合物にヘキサメチレンテトラミン水溶液を投
入するとともに攪拌して良く混合する。 (第5工程) 第4工程で得られた混合物にステアリン
酸カルシウム水溶液を投入するとともに攪拌して良く混
合する。
【0040】このようにして調整されたコーテッドサン
ドは適度な流動性を持ち、型による成形性に優れてい
る。次に前記のようにして製造されたコーテッドサンド
を使用した中子ピース3の製造方法を図3、4に従って
説明する。中子ピース3の製造には図3に示すような型
抜きプレート6を使用する。型抜きプレート6はステン
レス製で、中子ピース3の形状に対応した型部6aが複
数透設されている。型抜きプレート6はその厚さが、製
造すべき中子ピース3の厚さに対応して、1.0〜1.
8mmの予め設定された所定の値に形成されている。
【0041】中子ピース3は図4(a)〜(f)に示す
各工程を経て製造される。 (第1工程) 図4(a)に示すように、底プレート7
の上に型抜きプレート6を配設し、型抜きプレート6の
各型部6aと対応する箇所にコーテッドサンド8を各型
部6aから盛り上がった状態で供給する。
【0042】(第2工程) 図4(b)に示すように、
ローラ9を型抜きプレート6の上面に押圧させた状態で
移動させてコーテッドサンド8を型部6a内に所定の圧
力で押し込む。このとき、コーテッドサンドは適度に湿
った砂と同様な状態となっているため、コーテッドサン
ド8は型崩れせずに型部6aの形状に対応した形状に押
し固められる。
【0043】(第3工程) 図4(c)に示すように、
型抜きプレート6の上面に沿ってスクレーパ10を移動
させ、型部6aからはみ出している部分のコーテッドサ
ンドを除去する。
【0044】(第4工程) 図4(d)に示すように、
底プレート7及び型抜きプレート6の上から蓋11を被
せた状態で炉12内に入れ、180°Cで1時間加熱焼
成する。この処理によりコーテッドサンドの表面に被覆
されたレジンが硬化して砂粒が相互に結合される。
【0045】(第5工程) 図4(e)に示すように、
底プレート7及び型抜きプレート6を炉12内から取り
出し、自然冷却(約10分)する。中子ピース3と型抜
きプレート6の熱膨張係数の差により、冷却によって中
子ピース3が型部6a及び底プレート7から自然に分離
する。
【0046】(第6工程) 図4(f)に示すように、
中子ピース3を型抜きプレート6から外す。第5工程で
中子ピース3が型部6a及び底プレート7から分離され
ているため、型抜き作業は極めて容易となる。
【0047】以上の各工程を経て中子ピース3が形成さ
れる。中子ピース3の常温時及び高温での強度を従来の
コーテッドサンドを使用して製造した中子ピースと比較
するため、テストピース(10×10×60)を制作し
て、常温及び1000°C雰囲気において抗折力試験
(3点曲げ強度試験)をJISに基づいて行った。
【0048】その結果、従来のシェル砂に比較して、常
温時の抗折力は1.5倍、高温時(1000°C)の抗
折力は1.2倍程度であった。抗折力の比較は平均値の
比較で行っている。従来のシェル砂を原料とした場合、
高温時の測定結果でばらつきの幅が大きかったが、この
実施の形態のコーテッドサンドを原料とした場合はばら
つきの幅が小さかった。即ち、従来のシェル砂を原料と
した場合は、信頼性が低くなるとともに、歩留まりが悪
くなる。
【0049】前記のように形成された中子ピース3がウ
ォータジャケット用中子本体2の嵌合溝4に嵌合された
後、塗型材にてウォータジャケット用中子本体2と中子
ピース3とが固定されてウォータジャケット用中子1が
形成される。中子ピース3の常温時の強度が大きいた
め、中子ピース3の取り扱いにあまり注意を払わなくて
も、取り扱い中の損傷が大幅に低減される。また、作業
者が中子ピース3を手作業でウォータジャケット用中子
本体2に取り付ける代わりに、ロボットで自動的に取り
付けることも可能となる。
【0050】前記のように構成されたウォータジャケッ
ト用中子1は、他の中子とアッセンブリーされた後、鋳
型内に収納される。その状態で1400°C前後に加熱
された鋳鉄が鋳型内に流し込まれる。そして、数十分後
に型ばらしが行われる。その後、鋳物表面に付着してい
る型砂や内部空間に残留している中子砂の除去が行われ
る。中子砂の除去は主にショットブラストにより行われ
るが、中子ピース3の部分は隙間が狭いため、ショット
ブラストでは難しい。そこで、中子ピース3の砂の除去
は圧縮空気の吹き付けにより行われる。
【0051】図5は前記のようにして形成されたシリン
ダブロック13の部分概略平面図であり、図6は図5の
VI−VI線における概略断面図である。図5に示すよう
に、互いに隣接するシリンダボア14間を区画する区画
壁15の部分を除いたシリンダボア14の周囲にはウォ
ータジャケット16が形成されている。区画壁15と対
応する位置には冷却水通過用の孔としての極小(極薄)
の冷却水通路17が、その両端がウォータジャケット1
6に連通するように区画壁15を鋳抜いて形成されてい
る。また、区画壁15の両端と対応する位置には冷却水
通路17に連通する孔18がシリンダブロック13の上
面に開口する状態で形成されている。この孔18はウォ
ータジャケット用中子本体2の凸部5により形成された
ものである。この孔18はシリンダボア14間の冷却水
通路17の鋳抜きが確実に行われたか否かを検査する際
に使用するものである。
【0052】中子ピース3の主材料として粒度管理され
たクリスタルシリカが使用されているため、鋳造時に中
子ピース3の変形や熱衝撃によるクラックの発生が防止
されるとともに焼付きや目差しの発生が防止され、冷却
水通路17がシリンダボア間の所定の位置に確実に形成
される。中子ピース3のコーテッドサンドのレジン量の
割合がウォータジャケット用中子本体2の中子砂のレジ
ン量の割合より大幅に増加している。従って、鋳造時に
レジンの分解によるガスの発生量が多くなる。しかし、
中子ピース3のコーテッドサンドの絶対量は、ウォータ
ジャケット用中子本体2の中子砂の絶対量に比較して非
常に少ないため、全体としてのガス量の増加は少なく鋳
造に悪影響を及ぼさない。
【0053】中子ピース3の骨材を構成する各粒子は鋳
造時には熱膨張で相互に圧接された状態に保持される
が、鋳造後の冷却時に、Al23 とクリスタルシリカの
熱膨張率の差により、Al23 の粒子とクリスタルシリ
カの粒子との間に隙間が発生して崩壊し易くなる。従っ
て、型ばらし後の圧縮空気の吹き付けにより、冷却水通
路17内からの中子砂の除去が確実に行われる。
【0054】この実施の形態では以下の効果を有する。 (イ) ウォータジャケット用中子本体2の材料と、シ
リンダボア14間の区画壁15に冷却水通路17を形成
するための中子ピース3の材料とを別の材料で形成し
た。従って、中子ピース3を薄肉にしても、鋳造時の目
差しや焼付きを防止できるとともに熱衝撃に耐える状態
にすることができ、隣接するシリンダボア14間の区画
壁15に厚さ1.0〜1.8mmの極小(極薄)の冷却
水通路17を形成することができる。
【0055】(ロ) 中子ピース3は鋳造時の目差し及
び焼付き発生の防止が骨材の主材料で確保され、副材料
で鋳造後の崩壊性が確保される。従って、中子ピースを
形成していた砂を鋳造後に確実に冷却水通路17から除
去でき、開孔率100%の冷却水通路17を形成するこ
とができる。
【0056】(ハ) クリスタルシリカを主成分とした
主材料に従来と同様な量のレジンを添加した場合は、コ
ーテッドサンドがさらさらで型に入れて中子ピース3を
形成するのが難しく、仮に中子ピース3の形状ができて
も、ウォータジャケット用中子本体2に固定するために
中子ピース3を取り扱う際に角部等が損傷し易い。しか
し、レジン量の増大により常温時における強度が確保さ
れ、中子ピース3の取り扱いが容易となり、中子仕損率
(不良)を大幅に低減できる。
【0057】中子ピース3のレジン量の割合が従来のウ
ォータジャケット用中子の中子砂に使用されるレジン量
の割合に比較して多いが、中子ピース3のコーテッドサ
ンド量はウォータジャケット用中子1全体のコーテッド
サンドの量に対しては微々たるものであるため、鋳造時
にガス量が増えても支障はない。
【0058】(ニ) 中子ピース3の骨材として、主材
料及び副材料とも完全に粒度管理された人工砂(結晶体
Si O2 )及びAl23 、Mg Oからなる人工骨材が使
用されている。従って、従来のシェル砂やコールド砂
(骨材は天然のけい砂あるいはセラビーズ等人工砂のブ
レンド砂)とは異なり、製造された中子ピース3の抗折
力等の特性のばらつきが非常に小さくなり、不良品の発
生率を大幅に低下させることができる。
【0059】(ホ) 中子ピース3の主材料がクリスタ
ルシリカのため、ウォータジャケット用中子本体2の材
料であるシェル砂の主成分である二酸化ケイ素と同じで
ある。従って、型ばらし時に中子ピース3の中子砂が混
じったウォータジャケット用中子本体2の中子砂を戻り
砂としてウォータジャケット用中子本体2の中子砂に使
用しても支障はない。
【0060】(ヘ) ウォータジャケット用中子本体2
は嵌合溝4及び凸部5を除いて従来のものと同じであ
り、従来の製造設備を若干改造するだけで使用できる。 (ト) 図6に示すように、製造されたシリンダブロッ
ク13は冷却水通路17の上端が、ピストン19が上死
点に位置するときの上側の圧力リング(コンプレッショ
ンリング)20と対応する位置に達しているため、冷却
水がシリンダボア14の上部と対応する位置を通過で
き、冷却水によりシリンダボア14の上部側を効率よく
冷却できる。
【0061】(チ) 中子ピース3は上下方向の長さが
中央部側から両側に向かって次第に大きくなるように形
成されているため、鋳造後の型ばらし時に、崩壊した中
子砂が冷却水通路17内から抜け出易くなる。
【0062】(リ) 中子ピース3の下縁3bがアーチ
状に形成されているため、鋳造時における熱衝撃に対す
る抵抗性が高められる。また、アーチ状に形成すること
により、中子ピース3はその幅(上縁と下縁との距離)
Wが中央付近に比較して両端側において大きくなり、鋳
造後の型ばらし時に、崩壊した中子砂が冷却水通路17
内から抜け出易くなる。
【0063】(ヌ) 鋳造されたシリンダブロック13
には冷却水通路17の両端近傍に孔18が形成されるた
め、孔18を利用して冷却水通路17の開孔率が100
%であること、即ち鋳造時の目差しの発生や中子砂の一
部の残留がないことの確認が容易となる。
【0064】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、例えば次のように具体化してもよい。 (1) 中子ピース3の材料として人造Si O2 を主骨
材としたコーテッドサンドを使用する場合、主材料及び
副材料の粒度分布が異なるものを使用したり、主材料、
副材料及び添加剤の割合を適宜変更してもよい。例え
ば、副材料のうち崩壊性を良くする役割を果たすAl2
3 の量は、1〜7%で、好ましくは1.5〜4.0%、
より好ましくは2.0〜3.2%である。Al23 の量
が1%より少ないと崩壊性が悪くなり、鋳造後に冷却水
通路17から中子ピース3の材料を除去し難くなる。ま
た、7%より多いと、中子ピース3の成形性が悪くな
る。Al23 の粒度は100メッシュに限らず、それよ
り大きくてもあるいは小さくてもよい。
【0065】主材料のSi O2 より平均粒径が小さなク
リスタルシリカの量は、1〜7%で、好ましくは2.5
〜4.3%、より好ましくは3.0〜3.8%である。
クリスタルシリカの量が1%より少ないと鋳造時に目差
しが発生し易くなる。また、7%より多いと抗折力が低
下する。
【0066】レジンの量は3.5〜8%で、好ましくは
4.0〜7.0%、より好ましくは4.5〜6.0%で
ある。レジンの量が3.5%より少ないと材料がさらさ
らで成形が困難となる。レジンの量が7.0%より多い
とべとつき過ぎて成形し難くなるとともに、鋳造時にガ
スの発生が多くなって気泡ができる。
【0067】(2) また、副材料のうち必須のものは
鋳造後の中子ピース3の崩壊性を良くする役割を果たす
Al23 (但し、Al23 と熱膨張率がほぼ等しいも
の、例えばジルコニア(Zr O2 )等で代替してもよ
い。)のみで、主材料のSi O2より平均粒径が小さな
クリスタルシリカやMg Oはなくてもよい。
【0068】(3) バインダの役割を果たす添加剤の
レジンや硬化剤をフェノール樹脂以外の熱硬化性樹脂
(例えば尿素樹脂)やヘキサメチレンテトラミン以外の
硬化剤を使用してもよい。また、バインダ(粘結剤)と
して合成樹脂粘結剤以外の粘結剤を使用してもよい。
【0069】(4) 中子ピース3の材料は人造Si O
2 を主骨材としたコーテッドサンドに限らず、1400
°C前後の鋳鉄が鋳込まれたときに焼付きや目差しや変
形が生じず、型ばらし後にエアブローで崩壊可能な材料
であればよい。例えばカーボンを主体とした黒鉛シート
を使用してもよい。黒鉛は溶湯に対する濡れ性が悪いた
め、人造Si O2 を主骨材としたコーテッドサンドに比
較して目差しがより発生し難くなる。
【0070】(5) 中子ピース3のウォータジャケッ
ト用中子本体2への取り付けを嵌合溝4を介して行う代
わりに、嵌合溝を形成せずに所定の位置に嵌合させた
り、接着剤を使用して中子ピース3をウォータジャケッ
ト用中子本体2に取り付けてもよい。
【0071】(6) 中子ピース3の形状は前記実施の
形態のものに限らず適宜変更してもよい。例えば、図7
(a),(b)に示すように、上縁は直線状で下縁3b
がアーチ状の形状とする。この場合は下縁3bをアーチ
状にした前記実施の形態と同様に、鋳造時の熱衝撃に対
する強度が大きく、鋳造後の型ばらし時に崩壊した中子
砂が冷却水通路17内から抜け出易くなる。(b)に示
す中子ピース3の場合は、アーチの下端が中子ピース3
の両側端まで達しているため、(a)の中子ピース3に
比較して中子砂が冷却水通路17内からより抜け出易く
なる。図7(c),(d)に示すように上縁及び下縁が
アーチ状の形状とした場合は、(a),(b)に示す中
子ピース3と対応する効果を発揮する他に、製造された
シリンダブロック13は、冷却水がシリンダボア14の
上部と対応する位置を通過でき、冷却水によりシリンダ
ボア14の上部側を効率よく冷却できる。
【0072】また、図7(e)に示すように、前記実施
の形態中子ピース3の上部の両側が斜めに切り落とされ
た形状としてもよい。この場合は、実施の形態の中子ピ
ース3に比較して中子砂が冷却水通路17内からより抜
け出易くなる。また、図7(f)に示すように下縁3b
をアーチ状ではなく、水平な中央部と両側に向かって斜
めに延びる傾斜部とからなる形状としてもよい。また、
中子ピース3を単純な長方形状としたり、下縁3bを水
平にして上側に凸部3bを形成した形状としてもよい。
さらに、図7(g)に示すように中子ピース3の一部に
長孔3cを形成してもよい。長孔3cを形成した場合
は、製造されたシリンダブロック13の区画壁15の強
度が大きくなる。
【0073】前記実施の形態及び変更例から把握できる
請求項記載以外の発明について、以下にその効果ととも
に記載する。 (1) 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の発明に
おいて、中子ピースの材料をレジンコーテッドサンドと
し、骨材(砂)の主材料を鋳造時における焼付き、目差
しを防止できる材料とし、副材料は少なくとも鋳造後の
崩壊性を確保可能な材料を含む。この場合、主材料が鋳
造時の強度保持、副材料が崩壊性確保というそれぞれ別
の作用を受け持つため、中子ピースに要求される性能を
満たす材料の選択の幅が拡がる。
【0074】(2) 請求項7又は(1)の発明におい
て、主材料は粒度管理された結晶体Si O2 とし、副材
料は主材料より平均粒径が小さく粒度管理されたAl2
3 又はAl23 と熱膨張率がほぼ等しいセラミックとす
る。この場合、主材料はウォータジャケット用中子本体
の材料であるシェル砂の主成分と同じため、型ばらし後
の戻り砂としてウォータジャケット用中子本体の中子砂
に使用しても支障はない。
【0075】(3) (1)又は(2)の発明におい
て、中子ピース材料のレジンの量をウォータジャケット
用中子材料のレジン量より多くした。この場合、中子ピ
ースの成形性及び常温での抗折力が向上し、中子ピース
の取り扱いが容易となる。
【0076】(4) 請求項1〜請求項6のいずれかに
記載の発明のウォータジャケット用中子を使用してエン
ジンのシリンダブロックを鋳造するシリンダブロックの
製造方法。この場合、シリンダボア間に極薄の冷却水通
路を鋳抜くことができ、極薄の冷却水通路を形成するた
めのコストを低減できシリンダブロック全体の製造コス
トを低減できる。
【0077】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項8
に記載の発明の中子あるいは中子ピースを使用すること
により、サイアミーズタイプのシリンダブロックのボア
間に、従来のウォータジャケット用中子を使用した成形
方法では形成することができない1.0〜1.8mmの
極小(極薄)の扁平な冷却水通過用の孔を鋳抜くことが
できる。
【0078】請求項2に記載の発明では、中子ピースの
ウォータジャケット用中子本体への取り付けが容易とな
る。請求項3に記載の発明では、鋳造されたシリンダブ
ロックには冷却水通過用の孔(冷却水通路)の両端近傍
に孔が形成されるため、その孔を利用して冷却水通路の
開孔率が100%であること、即ち鋳造時の目差しの発
生や中子砂の一部の残留がないことの確認が容易とな
る。
【0079】請求項4に記載の発明では、中子ピースは
上下方向の長さが中央部側から両側に向かって次第に大
きくなるように形成されているため、鋳造後の型ばらし
時に、崩壊した中子砂が冷却水通過用の孔内から抜け出
易くなる。
【0080】請求項5に記載の発明では、中子ピースの
下縁がアーチ状に形成されているため、鋳造時における
熱衝撃に対する抵抗性が高められる。また、アーチ状に
形成することにより、中子ピースはその両端側において
中子ピース材の自重により孔内より排出される方向に移
動し易く、鋳造後の型ばらし時に、崩壊した中子砂が冷
却水通過用の孔内から抜け出易くなる。
【0081】請求項6に記載の発明では、冷却水通過用
の孔の上部がシリンダボア間においてシリンダボアの上
部と対応する位置まで延びるように形成でき、冷却水に
よるシリンダボアの上部側の冷却効率が向上する。
【0082】請求項8に記載の発明では、中子ピースの
材料の主成分にSi O2 を使用する場合に比較して、黒
鉛の性質である鋳鉄の溶湯に対する濡れの悪さが幸いし
て目差しがより発生し難くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ウォータジャケット用中子の概略斜視図。
【図2】 中子ピースの斜視図。
【図3】 型抜きプレートの斜視図。
【図4】 中子ピースの製造工程を示す模式図。
【図5】 シリンダブロックの概略平面図。
【図6】 図5のVI−VI線断面図。
【図7】 変更例の中子ピースの正面図。
【図8】 (a)は従来技術のシリンダブロックの部分
平面図、(b)は(a)のBーB線断面図。
【符号の説明】
1…ウォータジャケット用中子、2…ウォータジャケッ
ト用中子本体、3…中子ピース、3b…下縁、4…嵌合
溝、5…凸部、13…シリンダブロック、14…シリン
ダボア、15…区画壁、17…冷却水通過用の孔として
の冷却水通路。
フロントページの続き (72)発明者 佐野 利夫 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 安田 辻彦 愛知県名古屋市緑区高根台107

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンのシリンダブロックを鋳造によ
    り製造する際に使用するウォータジャケット用中子本体
    に、隣接するシリンダボア間の区画壁に冷却水通過用の
    孔を形成するための前記中子本体とは別体の中子ピース
    を、前記ウォータジャケット用中子本体の材料と別で、
    かつ鋳造時に焼付き、目差しの発生を防止できる材料で
    形成し、該中子ピースを前記区画壁が形成されるべき位
    置と対応する位置に配設したエンジンのウォータジャケ
    ット用中子。
  2. 【請求項2】 前記ウォータジャケット用中子本体には
    隣接するシリンダボア間と対応する位置に互いに対向し
    て対をなす嵌合溝が形成され、前記中子ピースはその両
    端が該嵌合溝に嵌合する状態でウォータジャケット用中
    子本体に取り付けられている請求項1に記載のエンジン
    のウォータジャケット用中子。
  3. 【請求項3】 前記ウォータジャケット用中子本体に
    は、前記各中子ピースの両端上部と対応する位置に凸部
    がそれぞれ上側に向かって突設されている請求項1又は
    請求項2に記載のエンジンのウォータジャケット用中
    子。
  4. 【請求項4】 前記中子ピースは上下方向の長さが中央
    部側から両側に向かって次第に大きくなるように形成さ
    れている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のエ
    ンジンのウォータジャケット用中子。
  5. 【請求項5】 前記中子ピースはその下縁がアーチ状に
    形成されている請求項1〜請求項3のいずれか1項に記
    載のエンジンのウォータジャケット用中子。
  6. 【請求項6】 前記中子ピースはその上部中央がウォー
    タジャケット用中子本体の上面より上側に位置するよう
    に形成されている請求項1〜請求項5のいずれか1項に
    記載のエンジンのウォータジャケット用中子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記
    載のウォータジャケット用中子本体に取り付けられる中
    子ピースであって、該中子ピースの材料をレジンコーテ
    ッドサンドとし、骨材の主材料を鋳造時における焼付き
    及び目差しを防止できる材料とし、副材料は少なくとも
    鋳造後の中子ピースの崩壊性を確保可能な材料を含むエ
    ンジンのシリンダボア間鋳抜き孔成形用中子ピース。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記
    載のウォータジャケット用中子本体に取り付けられる中
    子ピースであって、該中子ピースの材料の主成分を黒鉛
    としたエンジンのシリンダボア間鋳抜き孔成形用中子ピ
    ース。
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