JPH10241874A - 高圧放電灯点灯回路、高圧放電灯点灯装置および画像表示装置 - Google Patents
高圧放電灯点灯回路、高圧放電灯点灯装置および画像表示装置Info
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- JPH10241874A JPH10241874A JP9045297A JP4529797A JPH10241874A JP H10241874 A JPH10241874 A JP H10241874A JP 9045297 A JP9045297 A JP 9045297A JP 4529797 A JP4529797 A JP 4529797A JP H10241874 A JPH10241874 A JP H10241874A
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Abstract
ョートアーク型の高圧放電ランプに対する初期始動性お
よび瞬時再始動性を向上させる。 【解決手段】 陰極近傍のランプ外周に近接導体12を
設けた高圧放電ランプ11を始動点灯させる上で、始動
用の高電圧パルスの印加極性を正負で切り換えて高圧放
電ランプに印加する始動回路14を備えることで、高圧
放電ランプ11が冷えている場合にはランプ電流に対し
て逆方向の極性を持たせた高電圧パルスで始動させるこ
とができ、再始動時であってランプ温度が高い場合には
ランプ電流に対して同一方向の極性を持たせた高電圧パ
ルスで始動させることができ、結局、ランプ状態におい
て有利な極性の高電圧パルスで確実に始動点灯させるこ
とができる。
Description
路、高圧放電灯点灯装置および画像表示装置に関する。
置に用いられる光源の点光源化を図るために、小型・高
効率なショートアーク型のメタルハライドランプが利用
されるようになってきている。
圧放電ランプの場合、始動時には数kV程度の高圧パル
スを印加して陽極・陰極間に絶縁破壊を起こさせる必要
があり、始動用の高圧パルスを発生させるパルストラン
ス等の始動回路(又は、始動器)が必須とされている。
従来にあっては、この始動回路によって高圧放電ランプ
に印加する高圧パルスの極性は一定方向に固定されてい
る。
ショートアーク型のメタルハライドランプについては、
特公平2−54639号公報にも示されているように、
高圧放電ランプの点灯極性と始動用の高圧パルスの印加
極性とを逆方向とした逆極性始動パルスを用いると、グ
ロー・アーク転移特性が良好となることから、逆極性始
動パルス方式が主流とされている。
ランプの長寿命化などの観点から、現在の画像表示装置
のような産業機器内蔵型では、直流点灯方式が主流とな
っており、高圧放電ランプのランプ電流の方向は絶えず
一定となっている。この結果、陰極近傍の石英ガラス内
にナトリウム等のハロゲン化物の+イオンが侵食して曇
らせたり、脆くしてしまい、ランプ破損(失透)に至る
不都合が生じている。
同電位ワイヤ等と称される近接導体を配設して陰極と同
電位に維持させる方法が考えられ、実用に供されてい
る。
ルハライドランプに対する高圧放電灯点灯回路を示す概
略ブロック図である。図において、1は近接導体2を有
するショートアーク型のメタルハライドランプであり、
このメタルハライドランプ1を直流点灯させる点灯回路
3が設けられている。この点灯回路3とメタルハライド
ランプ1の陰極側との間の電源線上には始動時に高圧パ
ルスを印加するための始動回路4が設けられている。
を有するメタルハライドランプ1を逆極性始動パルス方
式で始動点灯させようとする場合、通常時には問題ない
が、再始動時であってランプ内のガス圧が高いときに
は、起動用の高圧パルスにより陽極から発生する初期電
子は近接対向する陰極先端に到達せずに、近接導体2側
に吸い寄せられ、ランプ壁面に沿って湾曲しながら陰極
根元部分に到達するようになる。この現象によって、始
動要の高圧パルスにより発生するグロー放電は大きく湾
曲してしまい、陰極先端に集中しないため、通常の点灯
回路開放電圧ではグロー・アーク転移が不可能となり、
再始動性、特に瞬時再始動性が大幅に悪化してしまう。
型のメタルハライドランプの連続点灯後の消灯時間に応
じた再始動不良確率を示す分布図であり、図11(a)
は逆極性始動パルス方式による場合、図11(b)は正
極性始動パルス方式による場合を示す。正極性始動パル
ス方式とは、逆極性始動パルス方式と逆で、ランプ電流
方向と始動用の高圧パルスの印加方向とを同一とする方
式である。図示の再始動不良確率の分布によれば、逆極
性始動パルス方式の場合には、消灯直後の再始動時に特
にその始動性が悪いことがわかり、かといって、正極性
始動パルス方式によれば消灯直後の瞬時再始動性はよい
ものの、ランプが冷えた状態にあるときの本来の始動性
が悪いことがわかる。
を持たないランプの場合、殆ど観測できず、十分な始動
用の高圧パルスを印加している限り、瞬時再始動が可能
である。
に近接導体を設けて失透等に対する信頼性を向上させた
ショートアーク型の高圧放電ランプに対する初期始動性
および瞬時再始動性を向上させることができる高圧放電
灯点灯回路、高圧放電灯点灯装置および画像表示装置を
提供することを目的とする。
圧放電灯点灯回路は、接近対向させた陽極と陰極とを有
して陰極近傍のランプ外周に近接導体を有する高圧放電
ランプの点灯を維持させる直流電源部を含む直流点灯回
路と;始動用の高電圧パルスの印加極性を正負で切り換
えて高圧放電ランプに印加する始動回路と;を備えてい
る。
パルスの印加極性が適宜正負切り換えられて印加される
ので、逆極性始動パルス方式と正極性始動パルス方式と
が混在した始動方式となる。ここに、逆極性始動パルス
方式の有効性は、主に起動直後のランプインピーダンス
が低い場合、即ち、消灯時間が十分に長くて高圧放電ラ
ンプが十分に冷えている場合の初期始動時である。この
ような状況下では、正極性始動パルスを印加しても陽極
・陰極間の絶縁破壊は可能であるが、グロー放電からア
ーク放電に転移させることは困難であり、始動させるこ
とができない。よって、初期始動時には逆極性始動パル
スの印加を受けて高圧放電ランプは確実に始動する。一
方、起動直後のランプインピーダンスが高い場合、即
ち、消灯時間が短くて高圧放電ランプの温度が高い場合
には、逆極性始動パルスの優位性は低く、逆極性始動パ
ルス、正極性始動パルスのいずれであってもグロー・ア
ーク転移は可能であるが、逆極性始動パルスによる場合
にはグロー放電が近接導体の影響で湾曲してしまう可能
性が高く、湾曲した場合にはアーク放電への転移が不可
能となる。ここに、近接導体を有する高圧放電ランプの
場合の再始動時にグロー放電が湾曲する原因を考える
と、近接導体により初期電子が方向性を失うためであ
る。そこで、初期電子の発生を陰極側から行なうように
すれば、陽極近傍の電位は陽極先端のみに集中するた
め、陰極から陽極先端に向けて直線的に移動する。さら
には、近接導体近傍は初期電子発生側と同電位となるた
め、陰極近傍では、電子の湾曲を抑制するように作用す
る。加えて、陰極は安定点灯時には先端しか赤熱せず、
全体が赤熱する陽極とは異なり、再始動時であっても、
陰極根元付近の温度は比較的低く、陰極根元から初期電
子を放出する確率は非常に低い。つまり、近接導体を有
する高圧放電ランプであっても、再始動時に限って正極
性始動パルスを印加することにより、瞬時再始動性が大
幅に向上する。
灯回路としては、始動点灯後の高圧放電ランプの点灯を
直流方式で維持させるものであればよく、直流電源部か
ら供給する直流電圧としては脈流電圧であってもよく、
要は、ランプ電流が連続的に反転を繰り返さない点灯方
式であればよい。また、単独で設けられた直流電源を利
用するものでも、商用交流電源に基づき直流電圧を生成
する倍電圧整流電源や全波整流電源を用いるものであっ
てもよい。始動回路は、例えば、パルストランス等を含
んで構成されるが、始動用の高電圧パルスの印加極性を
正負で切り換えるための構成としては、請求項2記載の
発明のように、高圧放電ランプに対する正負の電源線上
に別個に設けられて切り換え使用される印加極性の異な
る一対のパルス発生器を有するように構成してもよく、
或いは、高圧放電ランプに対する正負のいずれかの電源
線上に設けられて高電圧パルスを発生させるパルス発生
器と、パルス発生器が発生する高電圧パルスの印加極性
を切り換える極性切換回路とを有する構成としてもよ
い。また、印加する高電圧パルスの印加極性の切り換え
タイミングとしては、初期始動時には逆極性始動パルス
が印加され、再始動時には正極性始動パルスが印加され
るようにすればよいが、その判断目安として、請求項4
記載の発明のように、連続点灯後の消灯時間に応じて印
加極性の切り換えを行なうようにしてもよい。即ち、連
続点灯直後であれば正極性始動パルス側とし、連続点灯
後の消灯時間が長い場合には逆極性始動パルス側となる
ようにすればよい。さらには、切り換え制御の容易化を
図るため、パルス毎に交互に切り換え、或いは、一定パ
ルス毎に交互に切り換え、又は、ランダムパルス毎に交
互に切り換えて逆極性始動パルスや正極性始動パルスを
印加させるようにしてもよい。逆極性始動パルスと正極
性始動パルスとが混在している場合には、始動に有利な
ほうのパルスにて確実に始動点灯することになる。
ス発生器は、第3巻線を有するパルストランスを介して
高圧放電ランプに高電圧パルスを印加するように構成さ
れており、第3巻線には特定電圧で導通する定電圧導通
素子が直列に接続されているものを用いれば、始動時に
設定値以上に高くなりやすい第1発目の高電圧パルスを
定電圧導通素子の導通した第3巻線の存在により抑制で
き、設定値以下に留まる第2発目以降の高電圧パルスに
関しては定電圧導通素子が導通せず第3巻線が抑制機能
を発揮しないため、始動用に供することができる。
ン分あれば十分である。また、定電圧導通素子として
は、サイダック等の半導体スイッチング素子の他、エア
ギャップ等でもよい。
は、請求項1ないし5のいずれか一に記載の高圧放電灯
点灯回路と;接近対向させた陽極と陰極とを有し、か
つ、陰極近傍のランプ外周に近接導体を有して、高圧放
電灯点灯回路により始動して点灯維持される高圧放電ラ
ンプと;を備えている。従って、請求項1ないし4のい
ずれか一に記載の高圧放電灯点灯回路を用いているの
で、初期始動時、瞬時再始動時に問わず、安定して始動
点灯させることができる。
は、ハロゲン化合物を発光寄与媒体として封入したバル
ブ内で陽極と陰極とを3mm程度といった具合に極めて接
近させて対向配置させてなる所謂ショートアーク型のメ
タルハライドランプ等のランプであって、陰極近傍のラ
ンプ外周に陰極と同電位を示す近接導体を配設させたも
のであればよい。この場合の近接導体としては、ワイヤ
部材等が用いられる。画像表示装置用の光源として用い
る場合には、例えば明るい室内でも使用可能な高効率な
250W程度のランプが用いられる。
求項6記載の高圧放電灯点灯装置と;表示する画像の画
像データを出力する画像データ出力装置と;高圧放電ラ
ンプの照射光および画像データ出力装置より出力された
画像データを受けて、画像データに応じた画像を形成す
る画像形成部と;を備えている。従って、請求項5記載
の高圧放電灯点灯装置を光源装置に用いているので、再
始動を含めて始動特性がよい照明の基に、画像データの
表示を行なわせることができる。
液晶ビデオプロジェクタ、映写装置、オーバヘッドプロ
ジェクタ等がある。液晶ビデオプロジェクタに関して
は、スクリーン投射方式でも、液晶自体に表示された画
像を直接見る方式のものでもよい。画像データ出力装置
や画像形成部は、画像表示装置に応じたものが用いら
れ、例えば、液晶ビデオプロジェクタの場合であれば、
NTSC方式によるビデオ信号を出力するものや、液晶
デバイスなどが用いられる。
ないし図3を参照して説明する。図1は本実施の形態の
高圧放電灯点灯装置を示す概略ブロック、図2はその具
体的な構成を示す回路図である。図1において、11は
高圧放電ランプであるメタルハライドランプであり、ハ
ロゲン化合物を封入したバルブ内で陽極と陰極とを3mm
程度に極めて接近させて対向配置させて所謂ショートア
ーク型のものが用いられている。このメタルハライドラ
ンプ11において、陰極近傍のランプ外周には近接導体
12が配設され、陰極と接続されることにより陰極と同
電位とされている。
極・陰極間にはメタルハライドランプ11を直流方式で
点灯状態を維持させる点灯回路13が接続されている。
この点灯回路13はその入力部分に直流電源部(図示せ
ず)を含むが、この直流電源部は他の電子回路用電源を
併せ持つ。また、メタルハライドランプ11を点灯維持
させるための降圧チョッパ方式等の点灯回路制御部も含
まれるが、この部分も完全に電子化されており、メタル
ハライドランプ11を安定させて点灯させるように緻密
に制御する機能を有する。さらに、点灯回路13とメタ
ルハライドランプ11との間には始動時にメタルハライ
ドランプ11に高電圧パルスを印加するための始動回路
14が介在されている。本実施の形態では、始動回路1
4は高電圧パルスの印加極性を異ならせた一対の始動回
路14a,14bからなり、始動回路14aは陽極側に
対する電源線上、始動回路14bは陰極側に対する電源
線上に各々配設されている。これらの始動回路14a,
14bも点灯回路13と同一基板上に実装されている。
また、これらの始動回路14a,14bは高電圧パルス
発生用のパルストランスPT1 ,PT2 を主体とするも
ので、これらのパルストランスPT1 ,PT2 がその駆
動系とともにウレタン樹脂で封入され、高耐電圧コネク
タを介してメタルハライドランプ11の陽極、陰極側と
高耐電圧シリコン被覆ケーブルで接続されている。
参照して説明する。点灯回路13の直流電源部の正負出
力間には抵抗R0 とコンデンサC0 との直列回路が接続
され、コンデンサC0 の両端間電圧が所定電圧まで上が
ると導通するサイダック15が設けられている。このサ
イダック15の他端は駆動用トランスT0 の中間点に接
続されている。ここに、始動回路14a側にあっては、
駆動用トランスT0 の一端側にダイオードD1 を介して
スイッチング用のエアギャップ16aが接続され、この
エアギャップ16aとパルストランスPT1 の1次巻線
N11との間にはこの1次巻線N11とで高周波発振回路を
形成するコンデンサC1 が接続されている。始動回路1
4b側にあっても同様であり、駆動用トランスT0 の一
端側にダイオードD1 を介してスイッチング用のエアギ
ャップ16bが接続され、このエアギャップ16bとパ
ルストランスPT2 の1次巻線N12との間にはこの1次
巻線N21とで高周波発振回路を形成するコンデンサC2
が接続されている。
する。電源投入後、コンデンサC0が充電されてその両
端間電圧が所定電圧まで上がると、サイダック15が導
通し、駆動用トランスT0 に電流が流れる。駆動用トラ
ンスT0 の出力波形は振動を伴うパルス波形となり、こ
のパルス波形の+,−が各々別々に始動回路14a,1
4bに充電電流として流入する。例えば、始動回路14
a側に流れる場合において、コンデンサC1 の両端間電
圧がエアギャップ16aの放電電位に至ると、パルスト
ランスPT1 側に電流が流れる。この時、1次巻線N11
と2次巻線N12との巻線比に従い昇圧された高電圧パル
スが発生し、メタルハライドランプ11の陽極側に印加
される。一方、始動回路14b側に流れる場合におい
て、コンデンサC2 の両端間電圧がエアギャップ16b
の放電電位に至ると、パルストランスPT2 側に電流が
流れる。この時、1次巻線N21と2次巻線N22との巻線
比に従い昇圧された高電圧パルスが発生し、メタルハラ
イドランプ11の陰極側に印加される。
する高電圧パルスの切り換えは、ランダムに行なわれ、
メタルハライドランプ11の始動時には逆極性始動パル
スと正極性始動パルスとがランダムに混在する状態で印
加されるので、メタルハライドランプ11が冷えている
場合にはランプ電流に対して逆方向となる逆極性始動パ
ルスで始動させることができ、再始動時であってランプ
温度が高い場合にはランプ電流に対して同方向となる正
極性始動パルスで始動させることができる。即ち、生成
される高電圧パルスの極性はランダムに切り換えられる
が、有利な極性の始動パルスでメタルハライドランプ1
1を確実かつ瞬時に始動させることができる。
ス混在方式によるメタルハライドランプ11の連続点灯
後の消灯時間に応じた再始動不良確率を示す分布図であ
る。図示の再始動不良確率の分布によれば、メタルハラ
イドランプ11の消灯時間が長くて冷えている場合の初
期始動性と、消灯時間が短くてランプ温度が高い場合の
瞬時再始動性とがともによく、始動性に優れていること
がわかる。
て説明する。図4は本実施の形態の高圧放電灯点灯装置
の具体的な構成を示す回路図である。図1ないし図3で
示した部分と同一部分或いは同等の機能を果たす部分は
同一符号を付して示し、説明は省略する(後述する実施
の形態でも同様とする)。本実施の形態では、正負の電
源線上に別個に設けられた始動回路14a,14bに対
して動作切換回路17が付加され、定期的に高電圧パル
スの印加極性が切り換えられるように構成されている。
即ち、駆動用トランスL01,L02やサイダック15a,
15bが始動回路14a,14b毎に分けて設けられ、
かつ、コンデンサC0 もコンデンサC01,C02として始
動回路14a,14b用に分割されて設けられ、いずれ
のコンデンサC01,C02を無効にするかを切り換えるス
イッチング素子(又は、リレー接点)18a,18bが
設けられている。
スイッチング素子18a,18bのオン・オフを定期的
に切り換えることにより、スイッチング素子18a,1
8bで短絡されていないほうのコンデンサC01,C02を
含む始動回路14a,14bが有効となり、高電圧パル
スを発生させる。よって、制御回路の制御によって、高
電圧パルスの印加極性の切り換えを自在に行なえること
になる。
6を参照して説明する。図5は本実施の形態の高圧放電
灯点灯装置を示す概略ブロック、図6はその具体的な構
成を示す回路図である。本実施の形態では、始動回路2
1が1つのみとされ、陰極側または陽極側のいずれかの
電源線上に設けられている。ここに、この始動回路21
は極性切換回路なる極性反転回路22を備えている。ま
ず、始動回路21はパルストランスPTによるパルス発
生器を主体とするものであり、点灯回路13の直流電源
部の正負出力間には抵抗R0 とコンデンサC0 との直列
回路が接続され、コンデンサC0 の両端間電圧が所定電
圧まで上がると導通するサイダック15が設けられてい
る。このサイダック15の他端は駆動用トランスT0 の
中間点に接続されている。この駆動用トランスT0 の一
端側とパルストランスPTのセンタタップとの間にはコ
ンデンサC3 が接続されている。このコンデンサC3 の
一端が接続されたセンタタップにてパルストランスPT
には一対の1次巻線N11,N12が設定され、1次巻線N
11,N12毎にコンデンサC3 と並列となるエアギャップ
23a,23bが設けられている。これらのエアギャッ
プ23a,23bは制御電極付きの3極管構造のもの
で、極性反転回路22から与える外部トリガを交互にオ
ン・オフさせることにより、パルストランスPTの2次
巻線N2 に発生する高電圧パルスの極性が反転切り換え
されることになる。
て説明する。図7は本実施の形態の画像表示装置の概略
を示すブロック構成図である。この画像表示装置31
は、例えば液晶ビデオプロジェクタへの適用例を示し、
画像をスクリーン32上に投影する方式である。この画
像表示装置31は、図2、図3または図6に示したよう
な構成からなる高圧放電灯点灯装置33と、画像データ
出力装置34と、画像形成部35とにより構成されてい
る。画像形成部35としては、例えば、画像形成液晶系
が用いられている。ここに、メタルハライドランプ11
としては、明るい室内でも使用できる高効率な250W
のランプが用いられている。
ランプ11による点光源状の照射光は画像形成部35へ
与えられる。一方、画像データ出力装置34は例えばN
TSC方式による画像データを画像形成部35に与え、
画像データに応じて駆動させる。よって、画像形成部3
5はメタルハライドランプ11の照射光および画像デー
タ出力装置34により与えられた画像データに応じた画
像を形成する。この画像はスクリーン32上に投影され
る。
源として機能するメタルハライドランプ11が再始動時
を含めて始動性に優れているので、表示の立上り特性を
向上させることができる。
9を参照して説明する。図8は本実施の形態のパルスト
ランス構造を示す模式図、図9はそのパルストランスを
用いた高圧放電灯点灯装置を示す回路図である。本実施
の形態では、始動用の高電圧パルスを発生させるための
パルストランスPTが、点灯回路13・メタルハライド
ランプ11間に接続される2次巻線N2 と、内部に不活
性ガス等の気体が封入されたエアギャップ16a,16
bのようなエアギャップ16による高電圧発振回路が接
続される1次巻線N1 の他に、定電圧導通素子36が直
列に接続される3次巻線N3 を備えて構成されている。
ここに、定電圧導通素子36はサイダック等の半導体ス
イッチング素子やエアギャップ等によるものであって、
特定電圧で導通動作するものが用いられている。
ついて図12および図13を参照して説明する。図12
は従来のパルストランス構造を示す模式図、図13はエ
アギャップ16等に用いられるガス封入高電圧スイッチ
ングギャップの動作特性図である。一般に、内部に不活
性ガス等の気体を封入した高電圧パルス発生用のエアギ
ャップ16の特性として、連続発振時に比べて、長時間
休止後の第1発目の動作電圧が図13に示すように高め
になってしまう現象がある。このため、エアギャップ1
6の特性から、長時間休止後にメタルハライドランプ1
1を始動点灯させようとした場合、動作電圧の上昇割合
に応じて設計値以上の高電圧パルスが出力されてしま
う。このためメタルハライドランプ11に対する出力コ
ネクタやケーブルの耐電圧以上の電圧が印加されてしま
い、高電圧パルスがメタルハライドランプ11に到達す
る前に短絡し、点灯不良や短絡部分でアーク転移が生じ
て発煙・発火といった事態に陥ることもあり得る。かと
いって、第1発目の高電圧パルスの電圧値を設計値に合
わせるようにすると、第2発目以降の高電圧パルスの電
圧値が低下してしまい、第1発目の高電圧パルスで始動
しなかった場合には、第2発目以降の高電圧パルスでは
絶縁破壊が不可能となり、始動点灯させることができな
い欠点がある。
Tにおいては、特定電圧で同筒鵜動作する定電圧導通素
子36が接続された3次巻線N3 を備えているので、エ
アギャップ16が連続発振時の動作電圧で動作している
場合には定電圧導通素子36が導通せず、長時間休止後
の第1発目の過大な高電圧パルスでは定電圧導通素子3
6が導通するように特定電圧を設定することにより、長
時間放置後の第1発目の高電圧パルスの電圧値を抑制す
ることで、安全かつ確実に始動点灯させることができ
る。
ず、エアギャップ16は3kVで動作するように設定さ
れており、連続発振時には3V±10%の範囲内で動作
するが、長時間休止後には4.5kV程度の動作電圧に
上昇する場合がある。ここに、1次巻線N1 の巻線数が
10ターン、2次巻線N2 が90ターンであるので、連
続発振時には約30kVの高電圧パルスを発生させるこ
とができる。これらの巻線N1 ,N2 とは別個に、1タ
ーン巻かれた3次巻線N3 が、特定電圧が300Vに設
定された定電圧導通素子36が設けられており、長時間
休止後の第1発目の高電圧パルス発生時に、エアギャッ
プ16に対する動作電圧が過剰に上昇した場合のみ、こ
の定電圧導通素子36が導通する。定電圧導通素子36
が導通すると、1ターン分の3次巻線N3 に電力が流れ
込むため、2次巻線N2 側に高電圧パルスは十分に抑制
される。その後、第2発目以降で発振が安定した動作電
圧の場合には3次巻線N3 は非導通となるため、この3
次巻線N3 がない状態と等価的となり、2次巻線N2 側
には十分な始動エネルギーが供給される。ここに、第2
発目以降の高電圧パルスの電圧値は30kVに設定され
ており、ランプ接続コネクタや周辺金属部分との絶縁
は、この値(30kV)に準じて行なわれる。
陰極近傍のランプ外周に近接導体を設けた高圧放電ラン
プを始動点灯させる上で、始動用の高電圧パルスの印加
極性を正負で切り換えて高圧放電ランプに印加する始動
回路を備えているので、高圧放電ランプが冷えている場
合にはランプ電流に対して逆方向の極性を持たせた高電
圧パルスで始動させることができ、再始動時であってラ
ンプ温度が高い場合にはランプ電流に対して同一方向の
極性を持たせた高電圧パルスで始動させることができ、
結局、ランプ状態において有利な極性の高電圧パルスで
確実に始動点灯させることができ、初期始動時および瞬
時再始動時の始動特性を簡単に向上させることができ
る。
器して、第3巻線を有するパルストランスを介して高圧
放電ランプに高電圧パルスを印加するように構成されて
おり、第3巻線には特定電圧で導通する定電圧導通素子
が直列に接続されたものが用いられているので、始動時
に設定値以上に高くなりやすい第1発目の高電圧パルス
を定電圧導通素子の導通した第3巻線の存在により抑制
することができ、設定値以下に留まる第2発目以降の高
電圧パルスに関しては定電圧導通素子が導通せず第3巻
線が抑制機能を発揮しないため、始動用に供することが
でき、安全かつ確実に始動点灯させることができる。
いし5のいずれか一に記載の高圧放電灯点灯回路を用い
ているので、初期始動時、瞬時再始動時を問わず、安定
して始動点灯する高圧放電灯点灯装置を提供することが
できる。
載の高圧放電灯点灯装置を光源装置に用いているので、
再始動を含めて始動特性がよい照明の基に、画像データ
の表示を行なわせることができる画像表示装置を提供す
ることができる。
置を示す概略ブロック
によるメタルハライドランプの連続点灯後の消灯時間に
応じた再始動不良確率を示す分布図
置の具体的な構成を示す回路図
置を示す概略ブロック
略を示すブロック構成図
造を示す模式図
置を示す回路図
ンプに対する高圧放電灯点灯回路を示す概略ブロック図
ハライドランプの連続点灯後の消灯時間に応じた再始動
不良確率を示す分布図であり、(a)は逆極性始動パル
ス方式による場合、(b)は正極性始動パルス方式によ
る場合
特性図
Claims (7)
- 【請求項1】 接近対向させた陽極と陰極とを有して陰
極近傍のランプ外周に近接導体を有する高圧放電ランプ
の点灯を維持させる直流電源部を含む直流点灯回路と;
始動用の高電圧パルスの印加極性を正負で切り換えて高
圧放電ランプに印加する始動回路と;を備えることを特
徴とする高圧放電灯点灯回路。 - 【請求項2】 始動回路は、高圧放電ランプに対する正
負の電源線上に別個に設けられて切り換え使用される印
加極性の異なる一対のパルス発生器を有している;こと
を特徴とする請求項1記載の高圧放電灯点灯回路。 - 【請求項3】 始動回路は、高圧放電ランプに対する正
負のいずれかの電源線上に設けられて高電圧パルスを発
生させるパルス発生器と、パルス発生器が発生する高電
圧パルスの印加極性を切り換える極性切換回路とを有し
ている;ことを特徴とする請求項1記載の高圧放電灯点
灯回路。 - 【請求項4】 印加極性の切り換えは、連続点灯後の消
灯時間に応じて行なわれる;ことを特徴とする請求項1
ないし3のいずれか一記載の高圧放電灯点灯回路。 - 【請求項5】 パルス発生器は、第3巻線を有するパル
ストランスを介して高圧放電ランプに高電圧パルスを印
加するように構成されており、第3巻線には特定電圧で
導通する定電圧導通素子が直列に接続されている;こと
を特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の高圧
放電灯点灯回路。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか一に記載の
高圧放電灯点灯回路と;接近対向させた陽極と陰極とを
有し、かつ、陰極近傍のランプ外周に近接導体を有し
て、高圧放電灯点灯回路により始動して点灯維持される
高圧放電ランプと;を備えることを特徴とする高圧放電
灯点灯装置。 - 【請求項7】 請求項6記載の高圧放電灯点灯装置と;
表示する画像の画像データを出力する画像データ出力装
置と;高圧放電ランプの照射光および画像データ出力装
置より出力された画像データを受けて、画像データに応
じた画像を形成する画像形成部と;を備えることを特徴
とする画像表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9045297A JPH10241874A (ja) | 1997-02-28 | 1997-02-28 | 高圧放電灯点灯回路、高圧放電灯点灯装置および画像表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9045297A JPH10241874A (ja) | 1997-02-28 | 1997-02-28 | 高圧放電灯点灯回路、高圧放電灯点灯装置および画像表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10241874A true JPH10241874A (ja) | 1998-09-11 |
Family
ID=12715388
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9045297A Pending JPH10241874A (ja) | 1997-02-28 | 1997-02-28 | 高圧放電灯点灯回路、高圧放電灯点灯装置および画像表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10241874A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7750578B2 (en) | 2005-02-21 | 2010-07-06 | Mitsubishi Electric Corporation | Discharge lamp ballast apparatus |
-
1997
- 1997-02-28 JP JP9045297A patent/JPH10241874A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7750578B2 (en) | 2005-02-21 | 2010-07-06 | Mitsubishi Electric Corporation | Discharge lamp ballast apparatus |
DE112005003174B4 (de) * | 2005-02-21 | 2016-06-30 | Mitsubishi Electric Corp. | Entladungslampenvorrichtung mit geerdetem Spiegel |
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