JPH10241073A - 光電式煙感知器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 人体がが防虫ネットに触れたときに、人体に
帯電された静電気にて回路部品の破壊されることのない
光電式煙感知器を提供すること。 【解決手段】 煙検知室５内において発光素子１と受光
素子３とを集光プリズム２を介在させて、発光素子１の
光軸Ａ１を煙検知室５に並設される回路基板４に対して
平行に設けるとともに集光プリズム２への入光面の光軸
Ａ２を発光素子１の光軸Ａ１に対して同一平面で所定の
交差角度で交差するよう対向配置させ、煙検知室５に流
入した煙粒子にて散乱した、発光素子１から照射した光
の散乱光を集光プリズム２にて集光し受光素子３にて検
知して煙の発生を感知する光電式煙感知器において、煙
検知室５の周囲に設けられて煙検知室５への虫等の異物
の侵入を阻止する網目状等の開口を有する防虫ネット６
を、少なくとも表面に電気絶縁体をもって形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、煙感知器に関し、
特に、発光素子から照射された光の散乱光を集光プリズ
ムを介して受光素子にて検出して煙の発生を感知する、
集光プリズムを使用した光電式煙感知器の改良に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の光電式煙感知器の構成を図３に示
す。この光電式煙感知器は、回路基板４と、この回路基
板４上に実装された発光素子１と、受光素子３と、基台
５１とを有している。図中に示したように、発光素子１
と受光素子３とは、煙検知室５内で発光素子１の光軸Ａ
１と、受光素子３の光軸Ａ３とが互いに交差するように
配置されており、発光素子１からの光が煙検知室５に流
入した煙粒子にて乱反射され、この乱反射による散乱光
が受光素子３にて受光されると煙粒子の存在が検知され
て煙の発生が感知される。

【０００３】しかし、上記の光電式煙感知器は、発光素
子１と受光素子３とのそれぞれの光軸を斜め下方に向け
て煙検知室５内で交差させるために、煙検知室５の高さ
を所定寸法だけ確保する必要があり、その結果、薄型化
を図ることができないという問題があった。かかる問題
を解消して薄型化を実現するため本出願人は、特開平８
−１３６４５６として開示されている、図４に示す光電
式煙感知器を提案している。

【０００４】この光電式煙感知器は、回路基板４と、回
路基板４上に実装された発光素子１及び受光素子３とを
有して構成され、煙検知室５内において発光素子１と受
光素子３との間に集光プリズム２を介在させて、発光素
子１の光軸Ａ１を煙検知室５に並設される回路基板４に
対して平行に設けるとともに、集光プリズム２への入光
面の光軸Ａ２を該発光素子１の光軸Ａ１に対して同一平
面で所定の交差角度θにて交差するよう対向配置させ、
煙検知室５に流入した煙粒子にて乱反射した、発光素子
１から照射した光の散乱光を集光プリズム２にて集光
し、受光素子３にて検知して煙の発生を感知するもので
ある。図５に回路基板４の平行方向における発光素子１
と集光プリズム２との光軸Ａ１、Ａ２の関係を示す。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の後者
の光電式煙感知器は、集光プリズム２を用いて発光素子
１及び受光素子３への光軸を回路基板と平行にすること
ができるため、煙感知室５を別の位置に設ける必要が無
く、また、受光素子３のリード線を短くすることにて外
来ノイズによる影響を受けることが少ないものである。
しかし、例えばステンレス材などの金属材料にて形成さ
れて煙検知室５の周囲に設けられた、煙検知室５内への
虫等の異物の侵入を阻止する網目状等の開口を有する防
虫ネット６は、回路基板４に近接して設けられることと
なる。その結果、光電式煙感知器は、その設置時等に施
工作業者等が防虫ネットに触れたときに、人体に帯電し
ている静電気が回路基板上の回路部品を通して放電さ
れ、その回路部品が破壊されることがあった。

【０００６】本発明は、上記事由に鑑みてなしたもの
で、その目的とするところは、人体がが防虫ネットに触
れたときに、人体に帯電された静電気にて回路部品の破
壊されることのない光電式煙感知器を提供することにあ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１記載の光電式煙感知器は、煙検知室内にお
いて発光素子と受光素子とを集光プリズムを介在させ
て、発光素子の光軸を煙検知室に並設される回路基板に
対して平行に設けるとともに集光プリズムへの入光面の
光軸を該発光素子の光軸に対して同一平面で所定の交差
角度で交差するよう対向配置させ、煙検知室に流入した
煙粒子にて散乱した、発光素子から照射した光の散乱光
を集光プリズムにて集光し受光素子にて検知して煙の発
生を感知する光電式煙感知器において、前記煙検知室の
周囲に設けられて該煙検知室への虫等の異物の侵入を阻
止する網目状等の開口を有する防虫ネットは、少なくと
も表面に電気絶縁体をもって形成している。これによ
り、防虫ネットが電気的に絶縁されたものとなる。

【０００８】また、請求項２記載の光電式煙感知器は、
請求項１記載の防虫ネットを、磁性を有する金属材料の
表面を絶縁性を有する合成樹脂材料にて被覆したものと
し、該金属材料部分を前記回路基板のアースに接続して
いる。これにより、防虫ネットが電気的にアースに接続
されるものとなる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の光電式煙感知器の
一実施の形態を図１及び図２に基づいて説明する。

【００１０】図１は、本発明の光電式煙感知器の側面断
面図である。図２は、図１に示す光電式煙感知器の分解
斜視図である。

【００１１】この光電式煙感知器は、発光素子１と、受
光素子３とを回路基板４上に実装し、発光素子１と受光
素子３との間に集光プリズム２を介在させて回路基板４
が煙検知室５に並設されるように上面側に設けられて構
成されている。

【００１２】発光素子１は、その光軸Ａ１を煙検知室５
に並設される回路基板４に沿って略平行となるように、
側方に、照射する光を光学的に絞って煙検知室５内の所
定範囲のみを照射するための絞り機能をもった開口４１
ａをもって、合成樹脂材にて形成された支持材４１にて
支持され回路基板４の一面に設けられている。発光素子
１は、そのリード線部分がＬ字状に折曲されて回路基板
４に実装された後、リード線部分は後述する基台５１が
支持材４１に取着されて絶縁保護される。この発光素子
１は、例えば赤外光を照射する赤外ＬＥＤ素子にて形成
され、図示していない駆動回路にて、例えば約３秒等の
所定時間間隔にてパルス駆動されて発光する。

【００１３】集光プリズム２は、後述する煙検知室５を
形成する、基台５１の一面に設けられたプリズム支持部
５１ａに支持される。この集光プリズム２は、基台５１
の他面側に並設される回路基板４に沿った平面方向から
入光する光の進行方向を、回路基板４に向かう方向に変
えるプリズム部２ａと、プリズム２ａにより進行方向が
変更された光を、後述する受光素子３に向けて集光する
レンズ部２ｂとにより構成されている。そして、上記の
入光面が発光素子１側を向き、集光面が受光素子３側を
向くように支持される。

【００１４】受光素子３は、その受光面が回路基板４に
平行となるように回路基板４上に実装され、回路基板４
の面の直交方向からの入射光を検知する。具体的には、
ホトダイオード等の受光素子にて形成され、リード線が
最短となるように回路基板４上に実装される。なお、こ
の受光素子３は、受光素子３から出力される受光信号を
増幅する増幅回路等が一体に形成された集積回路内に形
成してワイアボンディングにて実装配線しても良い。

【００１５】回路基板４は、例えばガラスエポキシ樹脂
基材による両面プリント基板で、一面に発光素子１、受
光素子３が実装され、他面に光電式煙感知器の検知回路
を形成する回路部品とともに、端子金具４３が凸部４３
ａを所定位置の基板孔に挿通されて実装されている。こ
の端子金具４３は、基板上に形成された回路と接続され
て、ベース９に設けられた、外線接続手段をもっている
接続端子（図示ぜず）と係合する係合部４３ｂをもって
形成されている。

【００１６】煙検知室５は、発光素子１、受光素子３が
実装された回路基板４及び集光プリズム２を保持する基
台５１と、煙導入路が形成されたラビリンス体５２とに
よって形成されている。この煙検知室５は、ラビリンス
体５２の煙導入路にて煙感知器の外部から光が侵入する
のが防止され、外乱光の影響にて煙感知器が誤動作する
ことが防止される。そして、このものにおいても従来例
のものと同じく、この煙検知室５内にて、図５に示すよ
うに煙検知領域Ｓが形成される。すなわち、集光プリズ
ム２の入射面の光軸Ａ２と発光素子１の照射する光の光
軸Ａ１とが、ともに回路基板４に平行で、煙検知室５内
にて所定の角度にて交差する。この交差角度θは、発光
素子１から照射される光を受光素子３へ直接入光せず、
かつ、受光素子３が煙検知室５内に流入した煙粒子によ
る散乱光を効率よく検知しうる角度としている。

【００１７】上記煙検知室５の周囲に設けられて煙検知
室５への虫等の異物の侵入を阻止す防虫ネット６は、こ
のものにおいては、ステンレス材等の磁性を有する金属
材料を、例えばエッチング加工等にて微細な網目状等の
開口を形成し、上記ラビリンス体５２の煙導入路の高さ
と略同一幅と所定の長さをもった短冊状に打ち抜き加工
した後、その表面をエポキシ樹脂等の絶縁性を有する合
成樹脂材料にて被覆した後、ラビリンス体５２の周囲と
略同一寸法の円筒環状となるように短冊状の長手方向端
部どうしを固着し、図２に示すように円筒状に形成して
いる。また、この防虫ネット６は、所定箇所に、その金
属部分と電気的に接続されている接続片６１が設けられ
ている。この接続片６１は、前記回路基板４に設けられ
て該回路基板４の回路アースに接続されている被接続片
４２と半田付け等にて接続される。

【００１８】以上説明した光電式煙感知器は、まず、発
光素子１、受光素子３等の実装された回路基板４に、端
子金具４３が凸部４３ａを合成樹脂材にて形成された器
体８の所定位置に形成された金具挿通孔に挿通されて半
田付けされる。次いで、所定の係止手段にて基台５１が
回路基板４に係止された後、集光プリズム２、絶縁カバ
ー５３がプリズム支持部５１ａ、支持材４１にそれぞれ
取着されて、防虫ネット６がその周囲に取着されている
ラビリンス体５２が基台５１に取着され、合成樹脂材に
て形成されたカバー７が図示していない係止手段にて器
体８に係止され組み立てを完了する。そして、ベース９
と回転嵌合されて、ベース９に設けられている前記接続
端子と端子金具４３の係合部４３ｂが係合して電気的に
接続されて使用される。

【００１９】また、光電式煙感知器の動作は、煙粒子が
ラビリンス体５２を通って煙検知室５に流入して煙検知
領域Ｓ内に煙粒子が存在すれば、発光素子１が照射する
光が煙粒子にて乱反射され、この乱反射された光の一部
が集光プリズム２に入射する。この入射した光は、集光
プリズム２内でプリズム２ａによりその進行方向が回路
基板４と直交方向に変更され、レンズ部２ｂにて受光素
子３に向けて集光される。そして、この集光された光に
て受光素子３の出力が変化し、回路基板４に形成されて
いる検知回路にて出力変化が検知されて煙の発生が感知
される。

【００２０】以上説明した光電式煙感知器によると、防
虫ネット６が電気的に絶縁されたものとなるので、人体
が防虫ネットに触れたときに、人体に帯電された静電気
にて回路部品が破壊されることがない。また、防虫ネッ
ト６が電気的にアースに接続されるものとなるので、発
光素子１のリード線部分へのノイズ輻射量が軽減されて
耐ノイズ性が向上する。

【００２１】なお、以上説明した光電式煙感知器におい
て、防虫ネット６を、磁性を有する金属材料の表面を絶
縁性を有する合成樹脂材料にて被覆したものとし、該金
属材料部分を前記回路基板のアースに接続したものを例
示して説明したが、本発明はそのもののみに限定するも
のでなく、例えば、ポリエステル樹脂材等の合成樹脂材
料の糸材を編んで網目状の開口を有するシート材を、前
記ラビリンス体５２の煙導入路の高さと略同一幅と所定
の長さをもった短冊状に打ち抜き加工した後、ラビリン
ス体５２の周囲と略同一寸法の円筒環状となるように短
冊状の長手方向端部を固着し形成したものであっても良
い。

【００２２】

【発明の効果】請求項１記載の光電式煙感知器は、防虫
ネットが電気的に絶縁されたものとなるので、人体が防
虫ネットに触れたときに、人体に帯電された静電気にて
回路部品が破壊されることがない。

【００２３】また、請求項２記載の光電式煙感知器は、
請求項１記載のものの効果に加え、防虫ネットが電気的
にアースに接続されるものとなるので、発光素子のリー
ド線部分へのノイズ輻射量が軽減されて耐ノイズ性が向
上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態の光電式煙感知器の
側面断面図である。

【図２】図１に示す光電式煙感知器の分解斜視図であ
る。

【図３】従来例の光電式煙感知器の側面断面図である。

【図４】他の従来例の光電式煙感知器の側面断面図であ
る。

【図５】図４に示す光電式煙感知器の光軸配置の説明図
である。

【符号の説明】

１ 発光素子 ２ 集光プリズム ３ 受光素子 ４ 回路基板 ５ 煙検知室 ６ 防虫ネット

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 煙検知室内において発光素子と受光素子
   とを集光プリズムを介在させて、発光素子の光軸を煙検
   知室に並設される回路基板に対して平行に設けるととも
   に集光プリズムへの入光面の光軸を該発光素子の光軸に
   対して同一平面で所定の交差角度で交差するよう対向配
   置させ、煙検知室に流入した煙粒子にて散乱した、発光
   素子から照射した光の散乱光を集光プリズムにて集光し
   受光素子にて検知して煙の発生を感知する光電式煙感知
   器において、 前記煙検知室の周囲に設けられて該煙検知室への虫等の
   異物の侵入を阻止する網目状等の開口を有する防虫ネッ
   トは、少なくとも表面に電気絶縁体をもって形成したこ
   とを特徴とする光電式煙感知器。
2. 【請求項２】 前記防虫ネットを、磁性を有する金属材
   料の表面を絶縁性を有する合成樹脂材料にて被覆したも
   のとし、該金属材料部分を前記回路基板のアースに接続
   したことを特徴とする請求項１記載の光電式煙感知器。