JPH10239835A - 画像形成用着色組成物、カラーフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

画像形成用着色組成物、カラーフィルタ及びその製造方法

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JPH10239835A
JPH10239835A JP4546497A JP4546497A JPH10239835A JP H10239835 A JPH10239835 A JP H10239835A JP 4546497 A JP4546497 A JP 4546497A JP 4546497 A JP4546497 A JP 4546497A JP H10239835 A JPH10239835 A JP H10239835A
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JP
Japan
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color
pigment
colored
color filter
primary particles
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Application number
JP4546497A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Nakamura
一彦 中村
Hideki Hayashi
秀樹 林
Munehiro Hatai
宗宏 畠井
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いコントラストの画像を実現することがで
きる画像形成用着色組成物、該画像形成用着色組成物を
用いて基板上に着色画素を形成したカラーフィルタ、及
び該画像形成用着色組成物を用いたカラーフィルタの製
造方法を提供すること。 【解決手段】 顔料及びバインダー成分を必須成分とし
て含有する画像形成用着色組成物において、該顔料が、
その一次粒子の短径をa、長径をbとするとき、式
(1) b/a<1.4 (1) を満足する一次粒子の含有量が70体積%以上で、か
つ、式(2) b/a≧1.8 (2) を満足する一次粒子の含有量が5体積%以下の形状分布
を持つものであることを特徴とする画像形成用着色組成
物。基板上に前記画像形成用着色組成物を用いて形成さ
れた着色画素を有するカラーフィルタ。レーザー加工法
によるカラーフィルタの製造方法において、前記画像形
成用着色組成物を用いるカラーフィルタの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明な着色画像が
設けられた物品を形成するための画像形成用着色組成物
に関し、さらに詳しくは、カラー液晶表示装置、カラー
ファクシミリ、カラービデオカメラなどに装着されるカ
ラーフィルタの着色画素を形成するのに特に好適な画像
形成用着色組成物に関する。また、本発明は、この画像
形成用着色組成物を用いて基板上に着色画素が形成され
たカラーフィルタ及びその製造方法に関する。なお、本
発明において、着色画素とは、基板上に形成された微細
な着色画像の領域を意味する。
【0002】
【従来の技術】カラー液晶表示装置、カラーファクシミ
リ、カラービデオカメラなどには、基板上に色相の異な
る2種または3種以上の着色画素が形成されたカラーフ
ィルタが装着されている。着色画素の色相としては、一
般に、赤、青、緑の3原色が使用されている。所望によ
り、第4色目以上の色相の画素やブラックマトリクスが
形成されていてもよい。カラーフィルタの作製方法とし
て、印刷法、染色法、顔料分散法などが知られている。
これらの中でも、顔料分散法は、他の方法に比べて、耐
光性及び耐熱性に優れた着色画素を形成できることか
ら、広く普及してきている。顔料分散法では、例えば、
感光性樹脂などのバインダー成分に顔料を分散させた着
色組成物を用いて、透明な基板上に色相の異なる複数の
色に着色された着色画素を形成している。着色感光性樹
脂組成物を用いてカラーフィルタを作製するには、透明
な基板上に第1の色相の顔料を分散させた感光性樹脂組
成物の塗膜を形成し、該塗膜上からマスクパターンを介
して露光し、次いで、現像することにより第1のパター
ン状の透明着色画素を形成し、さらにその上に、同様の
工程を繰り返すことにより、第2、第3の色相のパター
ン状の透明着色画素を形成する方法が採用されている。
【0003】従来、顔料を分散した着色画像(着色画
素)の透明性を大きくするために、粒径1μm以上の粒
子が全粒子の10重量%以下であるような粒径分布を有
する顔料を透明樹脂中に分散した樹脂組成物を用いて、
複数色のパターン化された透明着色画像を支持体上に形
成する方法(特開昭60−129707号公報)、粒径
1μm以上の粒子が全粒子の10重量%以下であり、粒
径0.01〜0.7μmの粒子が全粒子の30重量%以
上であるような粒径分布を有する顔料を分散させた感光
性樹脂組成物を用いて、着色画像を形成する方法(特公
平4−37987号公報)などが提案されている。これ
らの方法により、感光性樹脂に分散される顔料の粒径が
入射される光の波長以下になるようにすれば、光の散乱
による光透過率の低下を抑制し、着色画素の透明性を向
上させることができる。しかしながら、顔料の粒径分布
のみに着目した方法では、染料を用いる染色法に比べ
て、得られる着色画素のコントラストが低く、カラー液
晶表示装置などに装着されるカラーフィルタとしては、
満足できる高品質の画像を提供できるものが得られない
という問題があった。
【0004】液晶ディスプレイでは、バックライトの光
を偏光板で直線偏光に変換する。直線偏光は、液晶層を
通過する際、偏光軸が回転するか、または、そのままの
方向を維持して、次の偏光板へ向かう。次の偏光板で
は、直線偏光を透過する方向が前の偏光板よりも90度
回転した方向にあり、液晶層で偏光軸が回転しなかった
直線偏光は吸収されてしまい、画面を見る側からは黒く
見える。逆に、液晶層で偏光軸を90度回転した直線偏
光は、次の偏光板を透過することができ、画面を見る側
からは明るく見えることになる。液晶層で直線偏光の偏
光軸が回転するかしないかは、液晶が螺旋状に配列して
いるか否かによる。液晶層は、配向膜により液晶が螺旋
状に配列する処理が施されている。液晶層に電界をかけ
ると、液晶の螺旋状配列が崩れて、液晶は電界方向に配
向し、旋光性を持たなくなるので、直線偏光の偏光軸は
回転せず、そのまま次の偏光板に入射し、光が透過しな
くなる。電界をかけない状態では、液晶の旋光性により
偏光軸が回転し、光が透過するようになる。この直線偏
光が何らかの原因で楕円偏光になったり、偏光軸がずれ
たりすると、液晶層に電界がかかっていても、光は透過
することになり、コントラストが低下する原因になる
〔図1(a)〕。
【0005】カラー液晶ディスプレイでは、画面側にカ
ラーフィルタを設けている。したがって、液晶層を通過
した直線偏光は、カラーフィルタ層を通過してから、次
の偏光板に入射する。顔料分散法により形成された着色
画素を有するカラーフィルタは、染色法によるものより
もコントラストが低い。その理由は、液晶層を通過した
直線偏光が、カラーフィルタを通過する際、顔料との相
互作用によって楕円偏光となり、吸収されるべき偏光板
を透過してしまうからであると推定される〔図1
(b)〕。このような直線偏光と顔料との相互作用は、
前記従来技術による顔料の粒径を制御する方法では解決
することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高コ
ントラストの画像を実現することができる画像形成用着
色組成物、該画像形成用着色組成物を用いて基板上に着
色画素を形成したカラーフィルタ、及び該画像形成用着
色組成物を用いたカラーフィルタの製造方法を提供する
ことにある。本発明者らは、前記従来技術の問題点を克
服するために鋭意研究した結果、顔料の一次粒子の形状
に着目し、その短径と長径との比が特定の範囲内にある
一次粒子の含有量を制御した特定の形状分布を有する顔
料を用いることにより、直線偏光がカラーフィルタの着
色層(着色画素の層)中で顔料により偏光性を乱される
ことが顕著に抑制され、液晶層への電圧に応じて、偏光
板への吸収と透過の比率が大きくなり、高コントラスト
の画質を実現できることを見いだした。さらに、レーザ
ー加工法により着色画素を形成するカラーフィルタの製
造方法において、当該顔料を含む着色組成物を用いるこ
とにより、製造工程の簡略化が図れ、製造コストが削減
されると共に、高品質で安定性に優れたカラーフィルタ
を高歩留まりで製造できることを見いだした。本発明
は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、顔料及
びバインダー成分を必須成分として含有する画像形成用
着色組成物において、該顔料が、その一次粒子の短径を
a、長径をbとするとき、式(1) b/a<1.4 (1) を満足する一次粒子の含有量が70体積%以上で、か
つ、式(2) b/a≧1.8 (2) を満足する一次粒子の含有量が5体積%以下の形状分布
を持つものであることを特徴とする画像形成用着色組成
物が提供される。また、本発明によれば、基板上に顔料
及びバインダー成分を必須成分として含有する画像形成
用着色組成物を用いて形成された着色画素を有するカラ
ーフィルタにおいて、該画像形成用着色組成物が、顔料
の一次粒子の短径をa、長径をbとするとき、式(1) b/a<1.4 (1) を満足する一次粒子の含有量が70体積%以上で、か
つ、式(2) b/a≧1.8 (2) を満足する一次粒子の含有量が5体積%以下の形状分布
を持つ顔料を含有するものであることを特徴とするカラ
ーフィルタが提供される。
【0008】さらに、本発明によれば、(A)基板上に
第1色目の画像形成用着色組成物の塗膜を形成し、次い
で、レーザー光を第1色目の着色画素となる領域以外の
部分に照射して、被照射部分の塗膜を蒸散させることに
より、第1色目の着色画素を形成する工程、(B)第1
色目の着色画素を含む基板全面に第2色目の画像形成用
着色組成物の塗膜を形成し、次いで、レーザー光を第2
色目の着色画素となる領域以外の部分に照射して、被照
射部分の塗膜を蒸散させることにより、第2色目の着色
画素を形成し、その際、レーザー光の出力を制御して、
第1色目の着色画素を残して、その上に被覆された第2
色目の塗膜を蒸散させる工程、及び(C)必要に応じ
て、工程(B)と同様の工程により第3色目以下の必要
色数の着色画素を形成する工程の各工程を含む少なくと
も2色の着色画素が形成されたカラーフィルタの製造方
法において、各色の画像形成用着色組成物として、顔料
の一次粒子の短径をa、長径をbとするとき、式(1) b/a<1.4 (1) を満足する一次粒子の含有量が70体積%以上で、か
つ、式(2) b/a≧1.8 (2) を満足する一次粒子の含有量が5体積%以下の形状分布
を有する顔料及びバインダー成分を必須成分として含有
する画像形成用着色組成物を用いることを特徴とするカ
ラーフィルタの製造方法が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
(1)画像形成用着色組成物 本発明の画像形成用着色組成物は、少なくとも顔料と顔
料以外のバインダー成分を必須成分として含有するもの
であり、特に、カラーフィルタ用着色組成物として好適
に使用される。
【0010】1.顔料 顔料は、着色組成物の用途、特にカラーフィルタの種類
に応じて、種々の色相の顔料をそれぞれ単独で、あるい
は2種以上を組み合わせて使用することができる。顔料
の大きさは、着色画像に透明性が要求される場合には、
可視光波長の1/2以下程度であることが好ましい。顔
料を含む着色組成物を用いて形成された着色画素を有す
るカラーフィルタのコントラストが低い原因について、
種々検討した結果、顔料一次粒子の形状にその原因があ
ることが分かった。すなわち、顔料一次粒子が針状のも
のは、直線偏光が大きく乱れ、球や立方体に近いもの
が、直線偏光を乱すことが少ないことが分かった。さら
に、検討した結果、顔料一次粒子の短径をa、長径をb
とするとき、次粒子の短径をa、長径をbとするとき、
式(1) b/a<1.4 (1) を満足する一次粒子の含有量が70体積%以上で、か
つ、式(2) b/a≧1.8 (2) を満足する一次粒子の含有量が5体積%以下の形状分布
を有する顔料を用いることにより、目的とする高品質の
着色画素及びカラーフィルタを実現できることが分かっ
た。
【0011】これらの一次粒子の含有量は、全顔料基準
である。式(1)を満足する一次粒子の含有量は、好ま
しくは90体積%以上であり、式(2)を満足する一次
粒子の含有量は、好ましくは1体積%以下である。とこ
ろで、顔料は、しばしば凝集状態で塗膜中に存在する
が、一次粒子が上記要件を満たしておれば、一次粒子が
集合した二次粒子や凝集粒子が少量存在しても直線偏光
の乱れは少ない。顔料一次粒子の形状分布は、透過型電
子顕微鏡写真により測定することができる。顔料の写真
から、その短径と長径を測定し、長径/短径の比を算出
する。長径は、2本の平行線が粒子を挟む間隔が最長に
なるときの平行線間隔とし、短径は、2本の平行線が粒
子を挟む間隔が最も小さいときの平行線間隔とする。い
ろいろな粒子形状について、測定例を図2に示した。長
径/短径の比が一定区間の範囲内にはいるものを体積%
として頻度を計算する。粒子体積は、長径と短径から回
転楕円体と近似して計算した。顔料一次粒子は、顔料の
製造条件や分散後の分級処理により、その形状分布を変
えることができる。例えば、同じ組成の顔料であって
も、通常の顔料製造工程後、更に機械的に粉砕すること
により、異なる一次粒子の形状分布とすることができ
る。
【0012】本発明で用いられる顔料としては、有機顔
料では、アゾレーキ系、不溶性アゾ系、縮合アゾ系、フ
タロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、キナク
リドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、アン
トラキノン系、ペリノン系、チオインジコ系、ペリレン
系などがある。無機顔料としては、例えば、カーボンブ
ラック、黒鉛、鉄黒、酸化チタン、ミロリブルー、酸化
鉄、コバルト紫、マンガン紫、群青、紺青、コバルトブ
ルー、セルリアンブルー、ピリジアンなどがある。顔料
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
使用することができる。また、顔料を表面処理して分散
性を向上させた修飾顔料も使用することができる。
【0013】2.バインダー成分 顔料を用いたカラーフィルタの作製法としては、エッチ
ング法、印刷法、顔料分散法、電着法等があるが、本発
明では、上記の顔料粒子の形状分布の要件を満足してさ
えいれば、作製法の如何にかかわらず、所期の品質を実
現することができる。バインダー成分としては、これら
の作製法に対応して、有機ポリマー、無機ポリマー、セ
ラミックス、有機・無機複合ポリマーなど各種材質のも
のが用いられる。例えば、顔料分散法では、アクリル系
ポリマーに光開始剤を加えたもの、ポリビニルアルコー
ルに光架橋剤を加えたもの等があり、印刷法では、エポ
キシ系、メラミン系、アクリル系、ポリアミド系樹脂等
があり、電着法では、ポリエステル/メラミン樹脂系ア
ニオン型電着樹脂等があり、エッチング法では、ポリイ
ミド、ポリアミド、エポキシ樹脂等がある。
【0014】(2)カラーフィルタ 本発明の画像形成用着色組成物を用いて、基板上に着色
画素を形成することにより、コントラストが顕著に優れ
たカラーフィルタを得ることができる。基板としては、
ガラス板、プラスチックのプレートやフィルム、セラミ
ックス板、金属板等を用いることができる。カラーフィ
ルタに透明性が要求される分野では、透明な基板を使用
する。着色画素の形成方法としては、印刷法、電着法、
エッチング法等もあるが、好ましい具体的例として、顔
料分散法により作製する場合について、以下に説明す
る。
【0015】1.顔料 顔料としては、前記の顔料を使用する。 2.バインダー成分 バインダー成分としては、顔料分散剤、感光性樹脂、そ
の他の添加剤、及びこれらの混合物等がある。 2−1.顔料分散剤 顔料分散剤としては、界面活性剤が広く使用される。界
面活性剤には、イオン性界面活性剤とノニオン性界面活
性剤があり、イオン性界面活性剤には、カチオン性界面
活性剤、アニオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤が
ある。カチオン性界面活性剤の例としては、脂肪族アミ
ン類、第4アンモニウム塩類、アルキルピリジウム塩類
等がある。アニオン性界面活性剤の例としては、脂肪酸
塩類、硫酸エステル類、スルホン酸塩類、燐酸エステル
類等がある。両性界面活性剤の例としては、アミノ酸塩
類等がある。ノニオン性界面活性剤の例としては、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンア
ルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポ
リオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類等があ
る。
【0016】また、顔料分散剤として、界面活性剤以外
に市販されている顔料分散用の樹脂を使用することがで
きる。この例として、水溶性の樹脂としては、ブチラー
ル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリルアミド、アクリル系樹脂等がある。ア
クリル系樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ートなどの単独重合体または共重合体がある。溶剤系の
樹脂としては、アルキド樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹
脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
ウレタン樹脂、イソシアネート、マレイン樹脂等があ
る。分散剤として、界面活性剤と顔料分散用樹脂との併
用も可能である。界面活性剤及び顔料分散用樹脂のどち
らか一方で顔料の分散を行い、残りの一方を顔料分散後
に添加することも可能である。
【0017】2−2.感光性樹脂 2−2−1.光架橋系感光性樹脂 光架橋系の感光性樹脂としては、例えば、以下のような
ものがある。 1)アジド系感光性樹脂 ・ポリビニルアルコールにアジド基を有するモノマーを
反応させたもの ポリビニル−(p−アジド安息香酸)、ポリビニル−
(p−アジドベンズアセタール)等。 ・変性ポリビニルアルコールにアジド基を有するモノマ
ーを反応させたもの 例えば、ポリビニル(p−アジドベンズアセタール)で
は、以下のようなものがある。ポリビニル(p−アジド
ベンズアセタール−コ−アセテート)、ポリビニル(p
−アジドベンズアセタール−コ−ベンゾエート)、ポリ
ビニル(p−アジドベンズアセタール−コ−3−メトキ
シ−4−ヒドロキシベンザール)、ポリビニル(p−ア
ジドベンズアセタール−コ−フタレート)。 ・光架橋剤として、アジド感光剤(例えば、モノアジ
ド、ジアジド、ポリアジド化合物)を用いた場合には、
次のようなポリマーを混合して、感光性樹脂とすること
ができる。ポリビニルピロリドン、アクリル酸・アクリ
ルアミドコポリマー、カゼイン、グルー、ポリビニルア
ルコールとビニルモノマーのグラフト化物、ノボラック
型メタクレゾール樹脂、スチレン・無水マレイン酸共重
合体、環化ゴム、アクリルグリシン・酢酸ビニル共重合
体、塩素化ポリプロピレン。
【0018】2)ジアゾ系感光性樹脂 光架橋剤として、ジアゾ樹脂、ジアゾニウム塩を用い、
バインダーと混合して感光性樹脂とすることができる。 ・バインダーとして、水酸基、アミド基などの活性基を
有する高分子物を用いた場合 高分子物は、例えば、ゼラチン、デキストリン、アラビ
アガム、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポ
リアミドがある。以下の高分子物は、光架橋剤として、
重クロム酸塩、クロム酸塩を用いても良い。 ・バインダーとして油溶性高分子物を用いた場合 油溶性高分子物は、例えば、エポキシ樹脂、ポリウレタ
ン、ケトン樹脂、セラック、スチレンまたはメチルビニ
ルエーテルと無水マレイン酸との共重合体、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレートとメチルメタクリレートの共
重合体などがある。
【0019】3)ケイ皮酸系感光性樹脂 例えば、ポリケイ皮酸ビニル、ポリビニルベンザルアセ
トフェノン、ポリビニルシンナミリデン酢酸、ポリビニ
ル−α−シアノシンナミルデン酢酸、p−フェニレンジ
アクリル酸類、エピクロルヒドリンとケイ皮酸ソーダと
の反応物、グリシジルシンナメートの共重合体、フェノ
キシ・シンナミリデン酢酸、フェノキシ・α−シアノシ
ンナミリデン酢酸。
【0020】2−2−2.光重合系感光性樹脂 光重合系感光性樹脂は、例えば、以下のようなモノマ
ー、オリゴマー、及び光重合開始剤からなる。 1)モノマー 例えば、スチレン、酢酸ビニル、N−ビニルピロリド
ン、ブチルアクレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリ
レート、n−デシルアクリレート、イソボニルアクリレ
ート、ジシクロペンテニロキシエチルアクリレート、フ
ェノキシエチルアクリレート、1,4−ブタンジオール
ジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレ
ート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペン
チルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコー
ル400ジアクリレート、トリプロピレングリコールジ
アクリレート、ビスフェノールAジエトキシジアクリレ
ート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ヒド
ロキシピバル酸ネオペンチルグリコールアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリ
スリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート。 2)オリゴマー 例えば、ポリエステエルアクリレート、エポキシアクリ
レート、ウレタンアクリレート、ポリブタジェンアクリ
レート、ポリスチルメタクリレート。
【0021】3)光重合開始剤 3−1)アセトフェノン系 例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−
t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル
−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノ
ン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2
−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−
(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチ
ルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケト
ン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2
−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−
モルホリノプロパン−1。 3−2)ベンゾイン系 例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチル
ケタール。 3−3)ベンゾフェノン系 例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾ
イル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒ
ドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、
4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイ
ド、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノ
ン。 3−4)チオキサンソン系 例えば、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、
2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサ
ンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロ
ロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、
2,4−ジイソプロピルチオキサンソン。 3−5)その他 例えば、α−アシロキシムエステル、アシルホスフィン
オキサイド、メチルフェニルオルグリオキシレート、ベ
ンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カファーキ
ノン、ジベンゾスベロン、2−エチルアンスラキノン、
4′4″−ジエチルイソフタロフェノン、3,3′4,
4″−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベン
ゾフェノン。
【0022】2−3.その他の添加剤 着色組成物には、必要に応じて、種々の添加剤を添加す
ることができる。例えば、レベリング剤として各種シリ
コーン樹脂等があり、消泡剤としてシリコーン系界面活
性剤やフッ素系界面活性剤等があり、流動性改善剤とし
て珪酸ソーダ等があり、強度改善として各種シランカッ
プリング剤等がある。添加剤は、必要に応じて所定量添
加される。以上の顔料及びバインダー成分により、着色
組成物は、感光性を有し、フォトリソグラフィーによる
画像形成が可能になる。得られた感光性の着色組成物を
ガラス板等の基体上に、スピンコート等により塗布し、
着色膜を形成する。着色塗膜をオーブン等で乾燥後、露
光装置により紫外線照射する。露光装置にはフォトマス
クが組み込まれており、所定のパターンに紫外線が照射
される。次に、現像液により現像を行うと、露光された
以外の部分が、溶解、剥離して着色画素が形成される。
この過程を3回繰り返すことにより、3色の画素が形成
されたカラーフィルタを製造することができる。このよ
うにして得られたカラーフィルタは、高コントラストの
画像を実現することができる。
【0023】(3)レーザー加工法によるカラーフィル
タの製造方法 バインダー成分としては、顔料分散剤、バインダー材、
その他添加剤がある。 1.顔料分散剤 顔料分散法の場合と同じものが使用できる。 2.バインダー材 以下に詳述する如く、光硬化型、電子線硬化型、乾燥硬
化型の有機ポリマーまたは無機ポリマー、セラミック
ス、有機・無機ハイブリッド材料等を用いることができ
る。 2−1.光硬化型バインダー材 光硬化型バインダー材については、前項2−2で述べた
感光性樹脂を用いることができる。 2−2.電子線硬化型バインダー材 電子線硬化型バインダー材は、不飽和樹脂とビニル化合
物との組み合わせが用いられる。不飽和樹脂としては、
例えば、不飽和ポリエステル、エポキシアクリレート
系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレー
ト系、ポリエーテルアクリレート系、アクリル系、油・
脂肪酸系、不飽和ポリブタジエン、メラミンアクリレー
ト等がある。ビニル化合物としては、例えば、スチレ
ン、ビニルトルエン、メチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、メタクリル酸、ジビニル
ベンゼン、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリ
エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレン
グリコールジメタクリレート、トリメチロールエタント
リメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタ
クリレート等がある。
【0024】2−3.乾燥硬化型バインダー材 乾燥硬化型には、揮発乾燥硬化、融解冷却乾燥硬化、膨
潤ゲル化乾燥硬化、酸化乾燥硬化、重合乾燥硬化、及び
これらを組み合わせた乾燥硬化機構がある。下記にこれ
ら各種乾燥硬化型のバインダー材を列挙する。 ・メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂を架
橋剤として用い、これらと油変性アルキド樹脂、オイル
フリーアルキド樹脂、油ワニス、アクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、エポキシエステル樹脂等と組み合わせた樹脂組
成物。 ・油変性ポリウレタン樹脂 ・湿気硬化型ポリウレタン樹脂 ・ポリオール硬化型ポリウレタン樹脂(2液) ・ブロック型ポリウレタン樹脂 ・触媒硬化型ポリウレタン樹脂 ・セラミック変成ウレタン樹脂 ・エポキシ樹脂と各種硬化剤との組み合わせ 硬化剤には、例えば、有機ポリアミン、ハロゲン化硼素
錯塩、ケテミン、酸無水物、イソシアナート、ブロック
イソシアナート、フェノール樹脂等がある。
【0025】・不飽和樹脂とビニル化合物とラジカル重
合触媒の組み合わせ 不飽和樹脂及びビニル化合物には、前記電子線硬化型で
例示したようなものがある。ラジカル重合触媒として
は、例えば、ベンゾイルペルオキシド、パラクロロベン
ゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペル
オキシド、カプリリルペルオキシド、クメンヒドロペル
オキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
ペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーベンゾエート、
t−ブチルパーアセテート、ジ−t−ブチルジ−ペルフ
タレート、過酸化こはく酸等がある。 ・アクリル樹脂 例えば、アクリル酸、メタクリル酸のエステルを主体と
した共重合体、あるいは、各種セルロース誘導体、ビニ
ル樹脂、ウレタン樹脂を変性に用いたもの。 ・ビニル樹脂 例えば、ビニルブチラール樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化
ビニリデン樹脂。 ・合成樹脂エマルジョン 例えば、ポリ酢酸ビニル、アクリル酸エステル、エチレ
ンからなる重合体粒子を用いたもの。 ・フェノール樹脂及び各種フェノール変性樹脂 ロジン変性フェノール樹脂等がある。
【0026】・各種アルキド樹脂 例えば、カルボン酸類として、無水フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバチン酸等と、ア
ルコール類として、エチレングリコール、グリセリン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等と、
脂肪酸として、オレイン、リノール、ステアリン、パル
ミチン等とを組み合わせて生成したアルキド樹脂。さら
には、各種変性アルキド樹脂、例えば、フェノール変成
アルキド樹脂、ビニル化アルキド樹脂、イソシネート変
性アルキド樹脂、エポキシ変性アルキド樹脂、シリコー
ン樹脂変成アルキド樹脂、酸硬化アミノアルキド樹脂等
が挙げられる。 ・セルロース樹脂 例えば、ニトロセルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸
セルロース、エチルセルロース等がある。 ・シリコーン樹脂、各種変成シリコーン樹脂、 例えば、オルガノポリシロキサン、フェニルメチルシリ
コーン、アルキッド変性シリコン、ポリエステル変性シ
リコーン、アクリル変性シリコーン、エポキシ変性シリ
コーンなど。 ・フッ素樹脂 例えば、PTFE、PVdF、PVF、PCTFEな
ど。 ・各種アルキルシリケート 例えば、エチルシリケート、メチルシリケート、n−プ
ロピルシリケートなどがある。上記の各種バインダーに
は必要に応じて、各々適した硬化剤を添加する。 3.その他添加剤 顔料分散法の説明で述べたのと同様の添加剤を、必要に
応じて用いることができる。
【0027】上記のような顔料、バインダー成分を組成
とする着色組成物を作製後、基板上に塗布、硬化し、レ
ーザー加工法により画素を形成する。着色組成物の各成
分を均一に分散ないしは溶解するために、溶媒を用いる
ことができる。溶媒としては、例えば、水;メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール等のアルコール;エ
チルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコキシエタ
ノール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;酢
酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエ
ステル;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤などがあ
る。本発明のカラーフィルタは、基板上に少なくとも2
色の着色画素が形成されており、基板としては、ガラス
基板、プラスチック基板、フィルム、セラミックス板、
金属板等を使用することができる。レーザー加工法によ
るカラーフィルタの製造方法は、図4に示されるような
工程で実施される。
【0028】(A)基板1上に第1色目の着色塗膜層2
を形成する。着色塗膜2の形成には、前記の着色組成物
を用いる。塗膜形成方法は、スピンコート法、ロールコ
ート法、ディピィング法等である。次いで、レーザー光
3を第1色目の画素となる領域以外の部分に照射して、
被照射部分の塗膜を蒸散させることにより、第1色目の
画素を形成する〔図4(a),(b)〕。レーザー光を
特定の部分に照射するには、図1(b)に示すようなフ
ォトマスク4を用いる方法、及びレーザー光を小さく絞
り込み、走査する方法がある。使用するレーザーは、エ
キシマレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、C
2レーザー、アルゴンガスレーザー等があるが、画像
形成の解像性が良いことから、使用するレーザーの波長
は、通常500nm以下、好ましくは400nm以下が
望ましい。このためには、通常のエキシマレーザーや、
他のレーザーでも非線形光学素子を用いて波長変換した
ものが使用される。その際、レーザー光の出力を調整し
て、第1色目の塗膜を蒸散させる。レーザー光の出力を
制御するには、レーザー光がパルス光であることが好ま
しい。パルス光のショット数により塗膜の深さ方向の加
工制御が容易となるからである。したがって、本発明に
おいて、レーザー光の出力の制御には、パルス光のショ
ット数(照射パルス回数)の制御が含まれる。
【0029】(B)第1色目の画素5が形成された基板
の全面に、第1色目の画素を被覆するようにして第2色
目の着色塗膜層6を形成する。次いで、レーザー光3を
第2色目の画素となる領域以外の部分に照射して、被照
射部分の塗膜を蒸散せることにより、第2色目の画素7
を形成する。その際、レーザー光の出力(照射パルス回
数)を調整し、第1色目の画素5を残して、その上に被
覆された第2色目の塗膜61を蒸散させる〔図1(d)
〜(f)〕。蒸散させる深さは、レーザー光の出力と照
射パルス回数による。レーザー光の出力が大きければ、
深く蒸散するが、精度が低下する。しかし、レーザー光
の出力を小さくして、照射パルス回数を多くすると、精
度は向上するが、生産性が低下する。そこで、精度と生
産性を適当に満足するような条件で出力(照射パルス回
数を含む)を設定する。本発明において、レーザー光の
出力は、通常0.1〜5J/cm2、照射パルス回数
は、一画素当たり2〜10回で加工されることが望まし
い。
【0030】以上で2色の画素が形成されたカラーフィ
ルタを作製することができるが、一般的には3色の画素
が形成される場合が多いので、次に3色目の画素を形成
する手順を説明する。 (C)第1色目の画素5と第2色目の画素7が形成され
た基板の全面に、第1色目と第2色目の画素を被覆する
ようにして第3色目の着色塗膜層8を形成し、次いで、
レーザー光3を第3色目の画素となる領域以外の部分に
照射して、被照射部分の塗膜を蒸散させることにより、
第3色目の画素9を形成し、その際、レーザー光の出力
(照射パルス回数を含む)を調整して、第1色目と第2
色目の画素を残して、その上に被覆された第3色目の塗
膜81を蒸散させる〔図1(g)〜(i)〕。第4色目
以上の画素が必要な場合には、同様の工程により必要色
数の画素を形成することができる。以上の工程により、
解像性に優れたカラーフィルタを製造することができ
る。すなわち、一般にレーザー光は、直線偏光であっ
て、本発明の着色組成物を用いることにより、レーザー
光の直線偏光性が乱されることなく、深さ方向、幅方向
にわたって、精度の高い加工を行うことができるからで
ある。
【0031】本発明の目的は、高コントラストのカラー
フィルタを提供することであるが、コントラスト測定
は、以下のようにして行う。着色膜が形成されたガラス
基板の上下にそれぞれ偏光板を配置し、バックライトを
照射する(図3)。偏光板の光軸方向が平行になるよう
に配置されたときの透過光の明るさをYp、直角に配置
されたときの透過光の明るさをYtとしたときにコント
ラストをYp/Ytと定義する。明るさの測定は輝度計
で行う。従来の染料を用いた染色法によるカラーフィル
タのコントラストは、赤、緑、青、共に1500以上で
あった。染色法のカラーフィルタのコントラストは、こ
のように高いが、少なくともコントラストが1000以
上であれば、視感上のコントラストの差異はほとんどな
くなるので、これをコントラストの目標値とすることが
できる。本発明によれば、コントラスト1000以上を
実現することができる。
【0032】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。
【0033】[実施例1〜6、比較例1〜3] 〈着色組成物の作製〉3原色として赤、緑、青を用いた
カラーフィルタが一般的であるので、以下に3原色カラ
ーフィルタを作製する場合について説明する。なお、3
原色が異なっても本発明を適用することができる。例え
ば、シアン、マゼンタ、イエローであってもよい。さら
に、3原色ではなく、2色、4色以上の画素から構成さ
れるカラーフィルタにたいしても本発明は適用される。
赤の着色組成物を作製するためには、赤色顔料に加え
て、色補正用として黄色顔料を分散する。同様に、緑に
は、緑色顔料と黄色顔料、青には、青色顔料と紫色顔料
を組み合わせて使用する。
【0034】各顔料の分散は、下記の配合で行った。 顔料 14重量% ポリビニルアルコール 3重量% 〔ゴーセノールKP08、日本合成化学工業(株)製〕 ノニオン系界面活性剤 3重量% 〔ノイゲンEA170、第一工業製薬(株)製〕 水 80重量% 顔料の分散は、サンドミルにより行った。
【0035】使用した顔料は、以下の通りであった。
(C.I.=カラーインデック) 赤色顔料:C.I.Pig.Red 144 Cro
mophtal Redtype 1 黄色顔料:C.I.Pig.Yellow 12 ジ
スアゾイエロー 黄色A、黄色B、黄色C 緑色顔料:C.I.Pig.Green 7 フタロ
シアニングリーン 青色顔料:C.I.Pig.Blue 15:6フタ
ロシアニングリーン 青色A、青色B、青色C 紫色顔料:C.I.Pig.Violet 23 ジ
オキサジンバイオレット 黄色顔料と青色顔料については、組成は同一のもので、
顔料の製造工程の異なるものを使用した。黄色顔料には
3種類あり、通常、市販されている黄色Aと、これを機
械的に粉砕した黄色Bと黄色Cである。これらの顔料
は、粉砕処理により粒子形状を変えている。黄色Bは6
時間、黄色Cは24時間の粉砕を行っている。また、青
色顔料では、通常の製造条件の青色Aと、製造条件を変
えて粒子形状を変えた青色Bと青色Cを使用している。
【0036】分散後の顔料液は、以下の組成比で混合
し、それぞれの着色組成物を得た。 <赤>赤色顔料液:黄色顔料液=60:40 <緑>緑色顔料液:黄色顔料液=70:30 <青>青色顔料液:紫色顔料液=80:20 これらの着色組成物に硬化剤としてジアゾ樹脂を添加
し、ガラス基板上に塗布した。塗布厚は、カラーフィル
タとして用いられる通常の透過率が得られるような膜厚
に設定した。この実施例では、赤が1.2μm、緑が
1.0μm、青が0.8μmであった。塗膜の乾燥後、
紫外線照射により膜を硬化させた。照射量は100〜8
00mJ/cm2であった。使用した各着色組成物の顔
料の一次粒子の形状分布は、透過型電子顕微鏡により写
真撮影し、写真上で長径と短径を測定することにより求
めた。なお、赤、緑、青の各着色組成物中には、2種類
の顔料が混在するが、色やコントラストは、それら顔料
の総合的な影響として現れるので、赤、緑、青の中に含
まれる顔料の種類を区別せずに結果をまとめた。結果を
表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】〈コントラスト測定〉これらの着色組成物
をガラス基板上に塗布・硬化し、そのコントラストを測
定した。コントラスト測定は、前述のようにして行っ
た。結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】表2の結果から、コントラストが1000
以上を満たすような長径/短径の粒子形状の分布を分析
してみると、長径/短径<1.4である顔料一次粒子が
全顔料の体積の70%以上であり、かつ、長径/短径≧
1.8である顔料一次粒子が全顔料の体積の5%以下で
あればよいことが分かる。このような一次粒子の形状の
分布を持つ顔料を、製造条件や粉砕条件により選択する
ことで、所期のコントラストを実現することができる。
さらに、長径/短径<1.4である顔料一次粒子が全顔
料の体積の90%以上、かつ、長径/短径≧1.8であ
る顔料一次粒子が全顔料の体積の1%以下であれば、1
300〜1500の更に高いコントラストを得ることが
できる。
【0041】〈カラーフィルタの作製〉10cm角の無
アルカリガラス基板に、第1色目として赤の着色組成物
をスピンコートにより塗布した。光学特性から、膜厚が
1.2μmとなるように塗布条件を調整した。塗布後、
70℃のホットプレートの上に3分間置き、乾燥させ塗
膜を作製した。その後、紫外線照射機で紫外線を照射
し、膜を光硬化させた。照射量は500J/cm2であ
った。得られた赤の着色塗膜をKrFのレーザー〔L5
837:浜松ホトニクス(株)〕により、Rの着色画素
を形成した。このときレーザー光のスポットサイズをレ
ンズ系により10×150μmに縮小し、XYステージ
により基板を移動させながらレーザー光を照射すること
により、赤の100×300μmの画素を形成した。レ
ーザーのエネルギー密度は1J/cm2であった。
【0042】次に、緑の着色組成物を、この赤の画素の
上から塗布し、同様に乾燥し、紫外線を照射し、緑の塗
膜を得た。紫外線照射量は500mJ/cm2であっ
た。Gの塗膜は、厚みが1μmとなるように塗布条件を
調整した。予め、緑の塗膜の単位パルス当たりの蒸散す
る深さ(エッチレート)を測定したところ、0.2μm
/パルスであった。従って、緑だけを蒸散させるために
は、レーザー光のパルスを走査し5ショット照射すれば
よいことが分かった。このようにしてレーザー光を赤と
同様に緑の画素が形成される領域以外の部分にXYステ
ージを移動させながら、各部分5ショットずつ照射し
た。こうして赤と同様に100×300μmの画素を形
成した。最後に青の画素を緑と同様にして形成した。こ
のとき、青の塗膜の厚みは0.8μmであり、青のエッ
チレートは緑と同様0.2μm/パルスであったので、
青を蒸散させるためにレーザー光のパルスを青の画素が
形成される領域以外の部分にXYステージを移動しなが
ら、各部分4ショットずつ照射し、青の画素を形成し
た。
【0043】以上のようにしてできたパターンは、スト
ライプ状であるが、さらに、パターンに対して垂直方向
にレーザーを走査して蒸散することにより、格子状のパ
ターンにすることもできる。また、フォトマスクを用い
ることで、マトリックス状のパターンを形成することも
可能である。このようにして得られたカラーフィルタ
は、前述の効果により、高コントラストを実現すること
ができた。
【0044】
【発明の効果】本発明の着色組成物を用いてカラーフィ
ルタを作製することにより、直線偏光がカラーフィルタ
の着色層(着色画素層)中で、顔料により偏光性を乱さ
れることが少なくなり、液晶層への電圧に応じて、偏光
板への吸収と透過の比率が大きくなり、高コントラスト
の画質を実現することができる。また、本発明のカラー
フィルタを液晶ディスプレイに組み込むことにより、高
コントラストの画質が実現でき、モニター用途や動画表
示用途に液晶ディスプレイの用途を拡大することができ
る。さらに、本発明のカラーフィルタの製造方法によ
り、レーザーを用いた着色画像を形成するカラーフィル
タの製造工程の簡略化を図ることができ、製造コストが
削減されると共に、高品質で安定性に優れたカラーフィ
ルタを高歩留まりで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶ディスプレイにおけるコントラスト低下の
機序に関する説明図である。カラーフィルタなし(a)
と、カラーフィルタあり(b)とを対比している。
【図2】顔料一次粒子の長径と短径を測定する方法の具
体例〜を示す図である。
【図3】カラーフィルタのコントラストの測定法を示す
説明図である。
【図4】レーザー加工法によるカラーフィルタの製造工
程を示すフロー図である。
【符号の説明】
1:基板 2:第1色目着色塗膜 3:レーザー光 4:フォトマスク 5:第1色目画素 6:第2色目着色塗膜(基板上) 7:第2色目画素 8:第3色目着色塗膜(基板上) 9:第3色目画素 61:第2色目着色塗膜(画素上) 81:第3色目着色塗膜(画素上)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料及びバインダー成分を必須成分とし
    て含有する画像形成用着色組成物において、該顔料が、
    その一次粒子の短径をa、長径をbとするとき、式
    (1) b/a<1.4 (1) を満足する一次粒子の含有量が70体積%以上で、か
    つ、式(2) b/a≧1.8 (2) を満足する一次粒子の含有量が5体積%以下の形状分布
    を持つものであることを特徴とする画像形成用着色組成
    物。
  2. 【請求項2】 基板上に顔料及びバインダー成分を必須
    成分として含有する画像形成用着色組成物を用いて形成
    された着色画素を有するカラーフィルタにおいて、該画
    像形成用着色組成物が、顔料の一次粒子の短径をa、長
    径をbとするとき、式(1) b/a<1.4 (1) を満足する一次粒子の含有量が70体積%以上で、か
    つ、式(2) b/a≧1.8 (2) を満足する一次粒子の含有量が5体積%以下の形状分布
    を持つ顔料を含有するものであることを特徴とするカラ
    ーフィルタ。
  3. 【請求項3】 (A)基板上に第1色目の画像形成用着
    色組成物の塗膜を形成し、次いで、レーザー光を第1色
    目の着色画素となる領域以外の部分に照射して、被照射
    部分の塗膜を蒸散させることにより、第1色目の着色画
    素を形成する工程、(B)第1色目の着色画素を含む基
    板全面に第2色目の画像形成用着色組成物の塗膜を形成
    し、次いで、レーザー光を第2色目の着色画素となる領
    域以外の部分に照射して、被照射部分の塗膜を蒸散させ
    ることにより、第2色目の着色画素を形成し、その際、
    レーザー光の出力を制御して、第1色目の着色画素を残
    して、その上に被覆された第2色目の塗膜を蒸散させる
    工程、及び(C)必要に応じて、工程(B)と同様の工
    程により第3色目以下の必要色数の着色画素を形成する
    工程の各工程を含む少なくとも2色の着色画素が形成さ
    れたカラーフィルタの製造方法において、各色の画像形
    成用着色組成物として、顔料の一次粒子の短径をa、長
    径をbとするとき、式(1) b/a<1.4 (1) を満足する一次粒子の含有量が70体積%以上で、か
    つ、式(2) b/a≧1.8 (2) を満足する一次粒子の含有量が5体積%以下の形状分布
    を有する顔料及びバインダー成分を必須成分として含有
    する画像形成用着色組成物を用いることを特徴とするカ
    ラーフィルタの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010032870A (ja) * 2008-07-30 2010-02-12 Toppan Printing Co Ltd カラーフィルタおよび液晶表示装置
JP2012032833A (ja) * 2011-10-28 2012-02-16 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd カラーフィルタ用着色組成物およびカラーフィルタ
KR20180029064A (ko) 2015-08-19 2018-03-19 후지필름 가부시키가이샤 착색 조성물, 형광 센서 및 형광 센서의 제조 방법

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