JPH10239169A - 温度センサ - Google Patents

温度センサ

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JPH10239169A
JPH10239169A JP9045588A JP4558897A JPH10239169A JP H10239169 A JPH10239169 A JP H10239169A JP 9045588 A JP9045588 A JP 9045588A JP 4558897 A JP4558897 A JP 4558897A JP H10239169 A JPH10239169 A JP H10239169A
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JP
Japan
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temperature sensor
thermistor element
metal substrate
insulating layer
electrode
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Pending
Application number
JP9045588A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Shoji
理人 東海林
Takashi Tamai
孝 玉井
Nobuharu Katsuki
暢晴 香月
Takeshi Tanaka
剛 田中
Katsunori Matsubara
克憲 松原
Hironori Moriwake
博紀 森分
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サーミスタ素子を感温素子に用いた温度セン
サにおいて、センサ間出力ばらつきが小さく、高精度な
温度センサを提供することを目的とする。 【解決手段】 厚さ1μm以上3μm以下のサーミスタ
素子2と電極3を金属基板1上に成膜した温度センサ素
子8を、二芯管6から突出した2本のリード線4,5で
電極3と接合することにより支持し、さらに温度センサ
素子8とリード線4,5の全面にアルミナ絶縁膜をコー
ティングし、温度センサ素子8にキャップ7をかぶせた
構成とすることにより、サーミスタ素子2を含む部分で
のかしめ、および溶接をなくすことができ、センサ間出
力ばらつきが少なく、高精度な温度センサを提供するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はサーミスタ素子を用
いた温度センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、様々な温度を検出するセンサの中
で、薄膜のサーミスタ素子を感温素子として用いた温度
センサが、たとえば特願平8−54601号等で提案さ
れている。図6はこの様な従来の温度センサの概略断面
図を示す。51は温度センサ素子で、内部に薄膜サーミ
スタ素子を有する。温度センサ素子51は白金製の出力
取り出し用リード線65および66と接続される。リー
ド線65および66の周囲には、お互いの絶縁を保つた
め、電気絶縁硝子61が配される。これらは管状の金属
製ハウンジング63内に配され、二芯管を構成する。管
状の金属製ハウンジング63は金属製のフランジ64に
固定される。この温度センサは金属製のフランジ64に
よって被測定体(図示せず)に固定される。リード線6
5および66は金属製のフランジ64内部に配した電気
絶縁硝子62を通って外部に電気信号を出力する。
【0003】図7は温度センサ素子51の分解斜視図を
示す。金属製支持体52の表面には電気絶縁膜53およ
び感熱膜54がプラズマ有機金属化学蒸着(MOCV
D)法によって生成されている。電気絶縁膜53はアル
ミナ、感熱膜54はアルミニウム、鉄、クロムの複合酸
化物からなる薄膜サーミスタ素子であり、いずれも膜厚
約2μmである。感熱膜54の表面には白金スパッタに
よる電極55、電極56が生成され、さらにその表面に
はアルミナの上部電気絶縁膜57がMOCVD法によっ
て生成される。上部電気絶縁膜57の表面には金属製カ
バー58が配され、金属製支持体52と溶接されてい
る。温度の検出は感熱膜54の温度による抵抗値の変化
から電気的に行っている。
【0004】このような構成にすることにより、高速応
答性の温度センサを実現することができ、従来例にも記
載されているように、自動車用の排気温センサなどの高
速応答性が要求される温度センサに十分対応できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記に述べた
自動車用の排気温センサを実際に作製してみた。自動車
の排気温は運転状況により1000℃程度の温度に達す
るため、センサ構成部材は高耐熱性を要求されると同時
に、部材間の接続部分にも耐熱性が不可欠である。従来
例には、金属製カバー58と金属製支持体52を溶接し
ていると記載されていることから、高耐熱接続方法とし
て溶接を行うこととし、金属製カバー58と金属製支持
体52以外の構成部材間もすべて溶接により接続した。
【0006】以上のことから、次のようにして実際にセ
ンサを作製した。図6において、温度センサ素子51と
管状の金属製ハウンジング63の間はYAG溶接により
行った。この際、管状の金属製ハウンジング63の先端
形状は温度センサ素子51がちょうど貫通する大きさと
した。管状の金属製ハウンジング63に温度センサ素子
51を図6のように挿入したあと、両者の隙間をつめる
ために管状の金属製ハウジング63をかしめ、次にかし
め部分にYAG溶接を行うことにより接続した。従っ
て、図6から明らかなように、温度センサ素子51内
の、薄膜サーミスタ素子からなる感熱膜54が存在する
部分をかしめた上で溶接される。これにより、サーミス
タ素子は二芯管に支持される。
【0007】また、管状の金属製ハウジング63と金属
製のフランジ64も同様の方法でYAG溶接により接続
した。
【0008】一方、図6の電極55とリード線65、お
よび、電極56とリード線66の接続は抵抗スポット溶
接により行った。
【0009】このようにして作製した温度センサの出力
を評価すると、従来例に示されている通り、高速応答、
かつ、良好な出力の温度センサを得ることができたが、
一方で、感熱膜54の抵抗値がけた違いに大きく、出力
特性が実用に耐えないほど異なるものもあり、センササ
ンプル間の出力ばらつきが著しく大きいことが明らかに
なった。
【0010】この原因を検討するために、薄膜サーミス
タ素子部分を分解して調べたところ、素子にクラックが
入り破壊されているものがあることがわかった。このこ
とから、センサ組立時に、温度センサ素子51のサーミ
スタ素子を含む部分と管状の金属製ハウジング63をか
しめ、YAG溶接を行ったため、素子に過大な応力や熱
応力が加わり、素子が破壊したものと考えられる。この
際の素子への応力の加わり方がセンササンプルによって
ばらついたため、クラックの入り方もばらつき、その結
果、センサ出力が大きくばらついたと考えられる。
【0011】以上のことより、従来の技術ではセンササ
ンプル間の出力ばらつきが著しく大きいという課題があ
った。
【0012】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、出力ばらつきが少なく、高精度の温度センサを提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の温度センサは、温度が伝わる金属基板と、
前記金属基板の表面に生成した膜厚が1μm以上3μm
以下のサーミスタ素子と、前記サーミスタ素子の表面に
サーミスタ素子より狭い面積となるように生成した電極
と、金属管の中に一対のリード線と前記リード線の周囲
に絶縁体を配した構成の二芯管とを備え、前記サーミス
タ素子が前記二芯管に支持されることなく、前記二芯管
の先端に突出したリード線と前記サーミスタ素子の電極
の一部が接合し、かつ、前記サーミスタ素子およびリー
ド線全体を絶縁膜で覆ったものである。
【0014】これにより、ばらつきが少なく、高精度の
温度センサを構成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、温度が伝わる金属基板と、前記金属基板の表面に生
成したサーミスタ素子と、前記サーミスタ素子の表面に
サーミスタ素子より狭い面積となるように生成した電極
と、金属管の中に一対のリード線と前記リード線の周囲
に絶縁体を配した構成の二芯管とを備え、前記サーミス
タ素子が前記二芯管に支持されることなく、前記二芯管
の先端に突出したリード線と前記サーミスタ素子の電極
の一部が接合し、かつ、前記サーミスタ素子およびリー
ド線全体を絶縁膜で覆った構成を有する温度センサであ
り、組立時のかしめ応力を排除し、溶接時の熱応力を低
減できることから、温度センサの出力ばらつきが低減で
きるという作用を有する。
【0016】請求項2に記載の発明は、サーミスタ素子
およびリード線全体を、多孔を有する金属キャップ、ま
たは、網状金属キャップ内に配した構成を有する温度セ
ンサであり、センサ組み付け時に外力からサーミスタ素
子を保護できることから、サーミスタ素子に加わるクラ
ックが低減し、組み付け後の温度センサ出力ばらつきが
低減できるという作用を有する。
【0017】請求項3に記載の発明は、温度が伝わる矩
形形状の金属基板と、前記金属基板の表面に設けた絶縁
層と、前記絶縁層表面で、かつ、前記金属基板先端部分
に設けたサーミスタ素子と、前記サーミスタ素子および
絶縁層表面に設けた一対の電極層と、前記金属基板の根
元部分を除く電極表面および前記サーミスタ素子表面に
設けた上部絶縁層と、前記上部絶縁層表面に設けたカバ
ーとを備え、前記金属基板とカバーをサーミスタ素子を
設けていない根元部分で取付金具に接合した構成を有す
る温度センサであり、組立時のかしめ応力および溶接時
の熱応力を排除できることから、温度センサの出力ばら
つきが低減できるという作用を有する。
【0018】請求項4に記載の発明は、サーミスタ素子
上部のカバーの厚さが他部に比べ薄い構成を有する温度
センサであり、高速応答性を維持しつつ、温度センサの
出力ばらつきを低減するという作用を有する。
【0019】請求項5に記載の発明は、矩形金属基板の
根元部分の電極と出力リード線を、はんだ付け、また
は、ろう付けにより接合する構成を有する温度センサで
あり、接合時の温度が溶接より低温で可能なことから、
サーミスタ素子に加わる熱応力起因のクラックが低減
し、温度センサ出力ばらつきを低減するという作用を有
する。
【0020】請求項6に記載の発明は、サーミスタ素
子、絶縁層および上部絶縁層の膜厚が1μm以上3μm
以下である構成を有する温度センサであり、特性を損な
うことなく素子、絶縁層へのクラックを低減し、温度セ
ンサの出力ばらつきを低減するという作用を有する。
【0021】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図2を用いて説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の一実施形態による温度
センサの分解斜視図を示す。1は厚さ0.4mmのFeC
rAl合金からなる金属基板で、その表面にはMOCV
D法により成膜した後、1200℃で3時間焼成した
鉄、クロム、アルミニウムの複合酸化物よりなる膜厚約
2μmのサーミスタ素子2が形成される。さらに、その
サーミスタ素子2の表面には、白金をスパッタにより膜
厚約0.5μmに成膜した電極3が形成される。電極3
はサーミスタ素子2の周囲から約0.5mm内側に形成し
た。従って、電極3の面積はサーミスタ素子2の面積よ
り狭くなる。電極3の表面にはニクロム製リード線4が
抵抗スポット溶接により接続されている。金属基板1の
裏面にはニクロム製リード線5が抵抗スポット溶接によ
り接続されている。これらの構成部材はすべて組み立て
後にMOCVD法により膜厚約2μmのアルミナ絶縁膜
(図示せず)にて全面コーティングされた後、1200
℃、3時間焼成される。これは、サーミスタ素子2が還
元雰囲気などの測定環境下で劣化するので、直接測定環
境に触れないようにするためである。6はリード線4お
よびリード線5と、両者の絶縁を保つためのMgO圧粉
体と、金属管よりなる二芯管で、従来例の図6に示すフ
ランジ64とYAG溶接により接合されている。従っ
て、サーミスタ素子2が二芯管6に直接支持されること
はなく、二芯管6の先端から突出したリード線4,5と
電極3の一部および金属基板1の裏面の一部とが接合す
ることによりサーミスタ素子2が支持されている。7は
金属基板1およびリード線4,5よりなる温度センサ素
子8を保護するためのキャップで、板厚0.3mmのFe
CrAl合金板に0.3mm間隔で直径0.3mmの穴を多
数個あけた板を図のようにキャップ状にプレス加工して
形成したものである。また、キャップ7は図2に示すよ
うに100メッシュの耐熱ステンレス網をキャップ状に
曲げて形成したものであってもよい。いずれかのキャッ
プ7を二芯管6にかぶせ、キャップ7の下端をかしめた
後、YAG溶接により接合して温度センサを構成した。
なお、二芯管6からあとの部分は従来例と全く同等とし
た。
【0022】温度の検出は、サーミスタ素子13の温度
による抵抗値の変化として電気的に行った。
【0023】このような構成の温度センサを試作し、出
力ばらつきについて検討したところ、温度センサ素子8
の抵抗値が同一桁内に収まり、良好な出力特性のものが
再現性よく得られた。もちろん、従来例と同様に、高速
応答性は損なわれなかった。
【0024】確認のために、サーミスタ素子2の部分を
詳細に観察した結果、従来例のようにサーミスタ素子2
にクラックが入ったり、破壊されているものは皆無であ
った。これは、従来例における管状の金属製ハウジング
63(二芯管6の金属管)と、温度センサ素子51の金
属製支持体52(金属基板1)とのかしめ、および溶接
が本実施の形態では不要となり、従って、サーミスタ素
子2を含む部分のかしめ、および溶接がなくなり、これ
らの工程に起因する素子へのダメージがまったくなくな
ったためである。
【0025】なお、本実施の形態において、電極3とリ
ード線4を溶接により接合する際、電極3の真下にある
サーミスタ素子2への熱的影響が懸念されるため、抵抗
スポット溶接により必要ポイントのみ溶接し、さらに、
サーミスタ素子2へのダメージを最小限とする溶接条件
を十分に検討した。
【0026】また、サーミスタ素子2の膜厚についても
詳細な検討を行った。膜厚は0.5μmから5μmまで
0.5μm刻みで成膜した。その結果、0.5μm以下
では薄すぎて、JASO D001−87 6.8記載
の静電気試験(±1kV印加)を実施すると、金属基板
1と電極3が導通してしまい、温度センサとして機能し
なくなった。1μm以上の膜厚では、静電気試験はすべ
て良好であったが、3.5μmを越えると、焼成後のサ
ーミスタ素子2に縦横にクラックが入り、膜厚が厚くな
ればなるほど細かいクラックが数多く入る傾向にあるこ
とが明らかになった。これは、金属基板1の熱膨張係数
がサーミスタ素子2より大きく、それによりサーミスタ
素子2の焼成時に熱応力が加わるためと考えられる。そ
の際、膜厚が厚くなればなるほど、その分サーミスタ素
子2に加わる熱応力は大きくなるので、膜厚3.5μm
を越えると熱応力に耐えられずにクラックが入るものと
思われる。
【0027】この結果、サーミスタ素子2の膜厚は1μ
m以上3μm以下でなければならなかった。
【0028】なお、キャップ7は、温度センサを被測定
物、例えば自動車の排気ガス管などに組み付ける際、作
業者が誤って温度センサ素子8を被測定物にぶつけた
り、あるいは落下させたりしたとき、温度センサ素子8
を保護するために設けられたもので、いずれのキャップ
でも出力特性やばらつきに大差はなかった、従って、キ
ャップ7に必要な強度やコストなどから温度センサの用
途に応じていずれかを選択すればよい。もちろん、熱伝
導を損なわなければ本実施例で述べた以外の模様、寸
法、形状のものでも使用できる。
【0029】以上の構成により、出力ばらつきが低減で
き、高精度な温度センサを実現することができた。
【0030】なお、本実施の形態ではサーミスタ素子2
をリード線4,5の間に挟んで支持したが、電極3を従
来例のように一対となるように分離し、それぞれにリー
ド線4,5を接合して支持する構成としたり、あるい
は、本実施の形態では金属基板1の片面にサーミスタ素
子2および電極3を生成したが、これらを金属基板1の
両面に生成する構成としても同等の効果が得られるのは
もちろんである。
【0031】(実施の形態2)図3は本発明の他の実施
形態による温度センサの概略断面図を、図4は温度セン
サ素子部の分解斜視図を、図5は温度センサ素子の外観
斜視図をそれぞれ示す。なお、図3ないし5において同
一の構成部材には同一番号を付して説明する。11は幅
3mm、長さ70mmの細長い矩形形状で、厚さ0.4mmの
FeCrAl合金からなる金属基板であり、その表面に
はMOCVD法により成膜した後、1200℃で3時間
焼成した膜厚約2μmのアルミナからなる絶縁層12が
基板全体に形成される。この絶縁層12の表面で、か
つ、金属基板11の先端から5mmまでの部分にはMOC
VD法により成膜した後、1200℃で3時間焼成した
鉄、クロム、アルミニウムの複合酸化物よりなる膜厚約
2μmのサーミスタ素子13が形成される。さらにサー
ミスタ素子13、および、絶縁層12に渡って、それら
の表面にはスパッタにより成膜した白金よりなる膜厚約
0.5μmの電極14が形成される。電極14の形状は
図4に示すように一対の細長い長方形とした。絶縁層1
2、サーミスタ素子13、電極14の表面で、カバー1
5に覆われる部分には、上部絶縁層(図示せず)が設け
られている。従って、上部絶縁層は金属基板11の根元
部分には存在しない。また、上部絶縁層は絶縁層12と
全く同じ材料、プロセス、膜厚で形成される。カバー1
5は上部絶縁層の表面に設けられ、金属基板11との端
面3辺(図5の×印部分)でYAG溶接により接合され
ている。なお、カバー15は金属基板11と同材料、同
寸法であり、板厚は、サーミスタ素子13の上部にかか
る部分、すなわち、先端から5mmの部分は0.4mm、そ
の他の部分は1.5mmとし、サーミスタ素子13上部が
薄い構成とした。金属基板11の根元部分16表面の電
極14は出力リード線18と300℃の高温はんだにて
接合した。金属基板11とカバー15は根元部分16で
取付金具19と接合することにより支持されている。ま
た、温度センサ素子17は、図3に示すように、温度セ
ンサ全体を被測定物に保持する金属製のフランジ20の
一部とも、かしめ、および、YAG溶接にて接合してあ
る。
【0032】このような構成にすることにより二芯管が
不要となり、従来例のように二芯管の金属管と金属基板
をかしめたり溶接する必要がなくなる。従って、サーミ
スタ素子を含む部分のかしめ、および、溶接をなくすこ
とができる。
【0033】温度の検出は、サーミスタ素子13の温度
による抵抗値の変化として電気的に行った。
【0034】このような構成の温度センサを試作し、出
力ばらつきについて検討したところ、実施の形態1で述
べたのと同様に、温度センサ素子17の抵抗値が同一桁
内に収まり、良好な出力特性、および、高速応答性のも
のが再現性よく得られた。
【0035】本実施の形態の温度センサも確認のため
に、サーミスタ素子13の部分を分解し、詳細に観察し
た結果、実施の形態1で述べたのと同じ理由により、サ
ーミスタ素子13にクラックが入ったり、破壊されてい
るものは皆無であった。
【0036】ここで、本実施の形態において、金属基板
11とカバー15を溶接接合しているため、サーミスタ
素子13に影響する可能性が考えられるが、上述の通り
サーミスタ素子13にクラックが入ったものはなかっ
た。これは、温度センサ特性に対し実質的に有効なサー
ミスタ素子部分は一対の電極14に挟まれた部分であ
り、一方、金属基板11とカバー15の溶接部分は有効
素子部分から離れているため、影響しないものと思われ
る。
【0037】さらに、本実施の形態では温度センサ素子
17のサーミスタ素子13以外の箇所とフランジ20を
かしめ、溶接により接合しているが、接合部分がサーミ
スタ素子13から遠く離れているため、素子に対して何
ら影響を及ぼさず、出力特性が安定したものと考えられ
る。
【0038】また、サーミスタ素子13、絶縁層12、
上部絶縁層の膜厚については、実施の形態1で述べたの
と同様の検討を行った結果、いずれも1μm以上3μm
以下でなければならなかった。
【0039】なお、電極14と出力リード線18の接合
は300℃の高温はんだ付けとした。これは、従来例や
実施の形態1で述べた実施例のような構成の場合、接合
部が1000℃程度の高温雰囲気にさらされるため、溶
接が必要であったが、本実施の形態のようにフランジ2
0の奥で接合する構成にすると、熱がフランジ20を伝
わって外部に逃げるため、取付金具19の温度は250
℃程度までしか上がらず、一般の高温はんだでも十分に
耐えるためである。もちろん、温度センサの使用温度状
況や取付状況によっては、接合部分の温度が300℃を
上回る場合も考えられるが、その際は、ろう付けによっ
て接合してもよい。実際、ろう付けを行っても温度セン
サとしての特性は、はんだ付けのものと全く変わらなか
った。
【0040】また、カバー15の板厚を図4に示すよう
に2段階に変えているのは、長い温度センサ素子17を
保護し、丈夫にするためである。すなわち、本実施の形
態の温度センサを組み付ける際、作業者が誤って温度セ
ンサ素子17をぶつけたり落下させたりしたとき、温度
センサ素子17が曲がったり折れたりするのを、カバー
15の板厚を変えることによって防ぐことができる。な
お、サーミスタ素子13の上部を薄くしているのは高速
応答性を損なわないためである。もちろん、サーミスタ
素子13部分が薄ければ、金属基板11の板厚をカバー
15と同様にしてもよい。さらに、金属基板11とカバ
ー15の板厚が厚い部分の断面形状が四角形に限らず、
半円形とする構成も可能である。この場合、両者を重ね
ると断面が円になるため、フランジ20との溶接が容易
になるという効果がある。
【0041】以上の構成により、出力ばらつきが低減で
き、高精度な温度センサを実現することができた。
【0042】なお、実施の形態1で説明した温度センサ
に比べ、本実施の形態の場合は高価な二芯管やキャップ
を使用しないため、構造が簡単で安価な温度センサを実
現することができた。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、厚さ1μm以上3μm以下のサーミスタ素子と
電極を金属基板上に成膜した温度センサ素子を、二芯管
から突出した2本のリード線で電極と接合することによ
り支持し、さらに温度センサ素子とリード線の全面にア
ルミナ絶縁膜をコーティングし、温度センサ素子にキャ
ップをかぶせた構成、あるいは、厚さ1μm以上3μm
以下の絶縁層、サーミスタ素子、電極、および上部絶縁
層を金属基板上に成膜し、サーミスタ素子部分を薄く、
他を厚くしたカバーをかぶせて金属基板との端面3辺を
溶接接合した温度センサ素子を根元部分で取付金具に溶
接することにより支持し、電極と出力リード線をはんだ
付け、または、ろう付けして接続した構成とすることに
より、サーミスタ素子を含む部分でのかしめ、および、
溶接をなくすことができ、センサ間出力ばらつきが少な
く、高精度な温度センサを提供することができるという
有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による温度センサの分解
斜視図
【図2】同センサに使用されるキャップの他の例を示す
斜視図
【図3】本発明の他の実施の形態による温度センサの概
略断面図
【図4】同温度センサの温度センサ素子の分解斜視図
【図5】同センサ素子の斜視図
【図6】従来の温度センサの概略断面図
【図7】従来の温度センサの素子部の分解断面図
【符号の説明】
1,11 金属基板 2,13 サーミスタ素子 3,14 電極 4 リード線 5 リード線 6 二芯管 7 キャップ 8,17,51 温度センサ素子 12 絶縁層 15 カバー 16 根元部分 18 出力リード線 19 取付金具 20,64 フランジ 52 金属製支持体 53 電気絶縁膜 54 感熱膜 55 電極 56 電極 57 上部電気絶縁膜 58 金属製カバー 61 電気絶縁硝子 62 電気絶縁硝子 63 管状の金属製ハウジング 65 リード線 66 リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 剛 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 松原 克憲 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 森分 博紀 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度が伝わる金属基板と、前記金属基板
    の表面に生成したサーミスタ素子と、前記サーミスタ素
    子の表面にサーミスタ素子より狭い面積となるように生
    成した電極と、金属管の中に一対のリード線と前記リー
    ド線の周囲に絶縁体を配した構成の二芯管とを備え、前
    記サーミスタ素子が前記二芯管に支持されることなく、
    前記二芯管の先端に突出したリード線と前記サーミスタ
    素子の電極の一部が接合し、かつ、前記サーミスタ素子
    およびリード線全体を絶縁膜で覆った温度センサ。
  2. 【請求項2】 サーミスタ素子およびリード線全体を、
    多孔を有する金属キャップ、または、網状金属キャップ
    内に配した請求項1に記載の温度センサ。
  3. 【請求項3】 温度が伝わる矩形形状の金属基板と、前
    記金属基板の表面に設けた絶縁層と、前記絶縁層表面
    で、かつ、前記金属基板先端部分に設けたサーミスタ素
    子と、前記サーミスタ素子および絶縁層表面に設けた一
    対の電極層と、前記金属基板の根元部分を除く電極表面
    および前記サーミスタ素子表面に設けた上部絶縁層と、
    前記上部絶縁層表面に設けたカバーとを備え、前記金属
    基板とカバーを、サーミスタ素子を設けていない根元部
    分で取付金具に接合した温度センサ。
  4. 【請求項4】 サーミスタ素子上部のカバーの厚さが他
    部に比べ薄い構成を有する請求項3に記載の温度セン
    サ。
  5. 【請求項5】 矩形金属基板の根元部分の電極と出力リ
    ード線を、はんだ付け、または、ろう付けにより接合し
    た請求項3に記載の温度センサ。
  6. 【請求項6】 サーミスタ素子、絶縁層および上部絶縁
    層の膜厚が1μm以上3μm以下である請求項1または
    3に記載の温度センサ。
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