JPH10238738A - 移動床式ごみ焼却炉の燃焼制御方法 - Google Patents

移動床式ごみ焼却炉の燃焼制御方法

Info

Publication number
JPH10238738A
JPH10238738A JP4612197A JP4612197A JPH10238738A JP H10238738 A JPH10238738 A JP H10238738A JP 4612197 A JP4612197 A JP 4612197A JP 4612197 A JP4612197 A JP 4612197A JP H10238738 A JPH10238738 A JP H10238738A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
moving bed
refuse
combustion
incinerator
burn
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4612197A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3567668B2 (ja
Inventor
Mitsuyoshi Kojo
満義 古城
Katsuyuki Nakanishi
克之 中西
Takeshi Matsuzoe
剛 松添
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP04612197A priority Critical patent/JP3567668B2/ja
Publication of JPH10238738A publication Critical patent/JPH10238738A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3567668B2 publication Critical patent/JP3567668B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】1日8時間操業のごみ物焼却炉1の炉内に存在
する全焼却物が完全に燃し切りに達した後操業を停止す
る立下げ運転において、燃し切り点で完全灰化するまで
の燃焼状態を最適化する。 【解決手段】焼却炉の廃棄物ホッパ内の残留廃棄物のレ
ベルが所定値となった時点から、移動床6の累積駆動回
数に基づいて各移動床5、6、7へ送る燃焼空気量を調
節して移動床上のごみの燃焼の最適化を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動床式ごみ焼却
炉の燃焼制御方法に関し、さらに詳しくは移動床式ごみ
焼却炉の立下げ運転において、炉内残留ごみを最適な燃
焼状態で燃し切ることができ、立下げ運転中の炉内残留
ごみの不完全燃焼により黒煙を発生させることなく、ま
たCOの発生を最小限に抑制し、しかも短時間で立下げ
運転を完了する移動床式ごみ焼却炉の燃焼制御方法に係
るものである。
【0002】
【従来の技術】日々の操業を、立上げ運転、定常運転、
立下げ運転の3形態で構成されるバッチ運転で実施する
1日8時間操業の機械化バッチ式ごみ焼却炉、又は上記
バッチ運転を1日16時間で実施する准連続式ごみ焼却
炉の立下げ運転では、従来、埋火運転が実施されてき
た。埋火運転とは、ごみホッパ内に残留するごみをごみ
供給装置により炉内の移動床上に搬送した後、各移動床
の各燃焼空気送入単位への燃焼空気の送入を急速に停止
することにより炉内残留ごみの燃焼を急速に停止する立
下げ運転方法である。
【0003】埋火運転では、 (A)立下げ運転開始から焼却炉の運転を停止まで短時
間で完了する。 (B)ごみの燃焼が停止し、灰分を含んだ炉内残留ごみ
は、埋火操作で移動床上に供給された新しいのごみ下敷
きとなる。この新しく供給されたごみは、埋火運転開始
まで燃焼していた炉内残留ごみの顕熱の放散を妨げ、極
力熱容量を保持する断熱効果を有している。そのため、
翌日の立上げ運転を開始する時点で、 a)炉内温度は200〜250℃以上の比較的高い炉温
レベルを保っている。 b)炉内残留ごみは、上述の顕熱による乾燥過程が進行
している。という状態なので、ごみの着火性が良く、短
時間でかつ助燃バーナの燃料を多量に使用することなく
立上げ運転を実施することができるという2つの利点が
ある。
【0004】ところがこの埋火運転で焼却炉の運転を停
止すると、 (イ)各移動床への燃焼空気の送入が停止されるので、
炉内残留ごみは若干の炉内導入空気による極端な酸素不
足での燃焼、つまり不完全燃焼となり、黒煙発生が避け
られない場合が多い。 (ロ)上記(イ)の状態が進行し、時間経過に従って黒
煙発生量が漸減していくが、この一連の過程においても
炉内は不完全燃焼状態であり、黒煙の発生はなくともC
Oの発生を避けることはできない。という欠点がある。
また、この黒煙には、多量のダイオキシン類が含まれて
いる。更に不完全燃焼の代表的指標である排ガス中のC
O排出濃度は、ダイオキシン類の排出量と強い相関があ
る。
【0005】近年、ごみ焼却炉や産業廃棄物焼却炉等か
ら発生するダイオキシン類を筆頭とする微量有害物質の
排出抑制を強化する動きがあり、焼却炉内ごみ等の廃棄
物をより完全燃焼させる必要が高まっている。以上の状
況から、上記のようなバッチ式ごみ焼却運転を行う移動
床式ごみ焼却炉の立下げ運転においては、常に最適な状
態でごみを燃焼することができ、炉内残留ごみを完全に
燃し切ることができ、立下げ運転中の炉内残留ごみの不
完全燃焼により黒煙を発生させることなく、またCOの
発生を最小限に抑制できることが重要な課題である。
【0006】そこで上記の課題を解決するためには、下
記(a)〜(e)の各要素を管理してごみの燃焼を最適
化する必要がある。 (a)燃し切り運転の開始時刻を的確に判定すること。
1日の操業で処理するごみの全量をごみ供給ホッパへ投
入終了後、炉内へのごみの単位時間当りの供給量が減少
し、燃焼負荷が減少し、具体的には炉内温度が下降し、
排ガス中のCO濃度が上昇する等のプロセス状態が変動
し、燃し切り運転へ移行すべき時点であることを判定す
る。 (b)上記燃し切り運転開始時刻から運転停止まで、時
間経過に対する各移動床の各燃焼空気送入単位上のごみ
層厚みを特定する。 (c)上記燃し切り運転開始時刻から運転停止まで、時
間経過に対する炉内残留ごみの燃し切り点、すなわち、
ごみ供給ホッパに残留しているごみを全て炉内へ搬送し
た後、炉内に残留している未燃状態のごみの、搬送方向
に沿って移動する位置、すなわちごみ投入ホッパ側の尾
端位置を特定する。 (d)上記燃し切り運転開始時刻から運転停止まで、時
間経過に対する炉内残留ごみの燃え切り点、すなわち、
ごみの搬送方向に対して炉尻側で完全灰化するポイント
を、移動床上の搬送方向に沿った一定範囲内に保持す
る。 (e)上記(a)、(b)、(c)、(d)により上記
燃し切り運転開始時刻から運転停止まで、時間経過に対
する炉内残留ごみの搬送方向に対する分布状況を正確に
把握し、各移動床上の各燃焼空気送入単位上の未燃焼状
態のごみを最適な空燃比で燃焼させるのに必要な燃焼空
気流量を、上記各燃焼空気送入単位へ個別に調節して供
給する。
【0007】従来の燃え切り燃焼制御技術としては、例
えば、特開平5−141640号公報には、燃焼中の被
焼却物を搬送する搬送手段を設けた燃焼帯と、燃焼帯に
おける被焼却物の気体燃焼の終了位置を検出する燃え切
り位置検出手段と、検出された燃え切り位置が設定範囲
に入るように搬送速度を増減調節する燃焼制御手段とを
備えた焼却炉の燃焼制御装置であって、燃え切り位置検
出手段を、火格子に配置した複数の温度検出素子と、温
度検出素子による検出温度が最高となる位置を燃え切り
位置と判別する判別手段とで構成した、焼却炉の燃焼制
御装置が示されている。
【0008】また、特開昭61−36611号公報に
は、ごみ供給手段によってごみを焼却炉に供給し、ごみ
焼却炉は乾燥域と燃焼域とにそれぞれ設けられた移動床
を有し、ごみ焼却炉の発生熱量が一定となるように、乾
燥域と燃焼域と後燃焼域とにおける供給空気量と、ごみ
供給量と、移動床の速度とを操作する燃焼制御方法にお
いて、検出された燃え切りレベルをあらかじめ定められ
た燃え切りレベルと比較し、その偏差値に基づいて、前
記供給空気量及び前記ごみ供給流量の少なくともいづれ
か一方の操作量を補正することを特徴とする、ごみ焼却
炉の燃焼制御方法が開示されている。
【0009】また、特公昭55−17286号公報に
は、乾燥火格子と、燃焼火格子を有するゴミ焼却炉の制
御方法において、前記燃焼火格子上のゴミ層厚を測定
し、ある時点における測定値がその時点より十分長い時
間以前の過去の時点における測定値よりも所定の偏差値
以上大きくなった時、前記燃焼火格子の速度を一定時間
増加せしめることを特徴とするゴミ焼却炉の制御方法が
開示されている。尚、前記ゴミ層厚は、燃焼火格子の上
下に配置された感圧素子によって測定されたゴミ層の差
圧に比例し、また、燃焼火格子に送入された燃焼空気流
量測定値の2乗に反比例する演算値である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術は全
て、炉内残留ごみの搬送方向に沿った分布形状が予め設
定された基準状態から偏差が生じた場合、その偏差を解
消し元の理想化された基準状態に戻すことを目的とし
て、供給空気量、ごみ供給速度、移動床の搬送速度の基
準値を補正する制御方法、つまり理想的な定常燃焼状態
からの「ゆらぎ」に対する制御方法である。よってこれ
らは、24時間連続運転の全連続式ごみ焼却炉の燃焼制
御に対して、好適に適用することが可能であると考えら
れる。
【0011】ところが、炉内残留ごみの完全燃し切りを
目的とする移動床式ごみ焼却炉の立下げ運転において
は、炉内残留ごみの搬送方向に沿った分布形状が、図3
〜図5に示すように大きく変化する。すなわち、燃し切
り運転開始時点の図3中の31(A)、図4中の32
(B)、33(C)を経由して全てのごみを完全灰化す
るまで、大きく変位する。従って、空間軸(各移動床の
各燃焼空気送入単位)、時間軸(燃し切り運転開始時刻
からの経過時間)の2次元の操業領域におけるごみの
「分布形状の絶対値」、すなわち、ごみ層厚及び前記燃
し切り点を精度良く特定し、各操業領域に対し、最適な
空気過剰率で送入する燃焼空気流量の「基準値」を個別
に調整する必要がある。
【0012】従って、上記従来技術を適用しただけで本
発明が解決しようとする上記(a)〜(e)の課題を根
本的に解決することは、非常に困難である。本発明はこ
のような条件下において、好適に適用することができる
移動床式ごみ焼却炉の燃焼制御方法を提供することを目
的とする。本発明の他の目的は、従来技術のように多数
の光量検出手段(炉内温度検出手段)や移動床の火格子
温度検出手段を配置することなく、所定の燃し切り点及
び各移動床の各燃焼空気投入単位上のごみ層厚みを正確
で精度良く特定し、立下げ運転中の燃焼の最適化を図る
ことである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明による焼却炉の特徴的な構成は、移動床式ごみ
焼却炉の立下げ運転において、次の(i)、(ii)の
手段である。 (i)その日の操業で処理するごみの全量をごみ供給ホ
ッパへ投入終了後、炉内へのごみの単位時間当りの供給
量が減少し、燃焼負荷が減少し、定常燃焼状態から燃し
切り運転へ移行する時点、すなわち燃し切り運転開始時
刻を的確に判定する手段。 (ii)燃し切り運転開始時刻を起点とし、各移動床の
内いづれか1つの累積駆動回数に基づいて、各移動床の
各燃焼空気送入単位に送入する燃焼空気流量を個別に調
整する手段。
【0014】本発明は上記(ii)の手段を用いること
により、上記(i)で判定した燃し切り運転開始時刻か
らの、各移動床の内何れか1つの累積駆動回数により、
燃し切り点、または各移動床の各燃焼空気送入単位上の
ごみ層厚を特定すると共に、燃し切り運転中の炉内燃焼
状況を最適化するために、各移動床の各燃焼空気投入単
位へ投入する燃焼空気流量の調整を個別に行うものであ
る。
【0015】すなわち本発明は、移動床式ごみ焼却炉の
立下げ運転において、ごみ投入ホッパへのごみの投入完
了以降に燃し切り運転開始時刻を判定し、該燃し切り運
転開始時刻以降は、いずれか1つの移動床の累積駆動回
数に基づいて、各移動床の各燃焼空気送入単位に送入す
る燃焼空気流量を各立下げプログラムパターンに従って
個別に調整し、炉内残留ごみを最適な燃焼状態で燃し切
ると共に、立下げ運転中黒煙を発生させることなく、C
Oの発生を最小限に抑制し、短時間で立下げ運転を完了
することを特徴とする移動床式ごみ焼却炉の燃焼制御方
法を提供するものである。
【0016】またこの場合前記燃し切り運転用開始時刻
はホッパから炉内へのごみの移動量が自然減少し始めた
時点とするとよい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を説明する。図1は本発明が適用される移動床式
ごみ焼却炉1の全体フローシートである。こみ焼却炉1
は、ごみ投入ホッパ2から被焼却物であるごみ30を供
給され、ごみ供給装置4はこれを乾燥移動床5に供給す
る。乾燥移動床5、燃焼移動床6、後燃焼移動床7は、
中空の移動床であって、その上面に供給されたごみ30
を順次前進させながら、中空部から燃焼空気をごみ層に
送り、ごみ30を燃焼させる。ごみ30は、後燃焼移動
床7を離脱するまでに完全に灰化するように燃焼され、
灰は排出口8から排出される。燃焼排ガス10は、焼却
炉煙道9を通って排出され、空気予熱器12、バグフィ
ルタ13、誘引通風機14を経て煙突15から放出され
る。燃焼空気16は、押込み送風機11から、送風し、
空気予熱器12で加熱され、送風制御装置を経て乾燥移
動床5、燃焼移動床6、後燃焼移動床7に供給される。
送風制御装置は、例えば設定器18、22、26、流量
指示制御装置(FIC)19、23、27、制御弁2
0、24、28から構成され、流量計17、21、25
の測定値を制御装置19、23、27に入力し、適正流
量をフィードバック制御する。
【0018】本発明の燃焼制御方法について、図2〜4
を参照して説明する。図2は、立下げ運転に於ける乾燥
移動床5への燃焼空気投入流量設定システムを示す説明
図である。立下げ運転時には、切替えスイッチ41、4
4により、定常ACC(自動燃焼制御システム)47、
或いはその他の設定手段48を立下げプログラムパター
ン49に切り替えて、これを設定器26(図1参照)に
入力する。例えば、図2の燃焼移動床6の累積駆動回数
と乾燥移動床5への燃焼空気投入流量設定値との関係を
示すグラフに示されるような立下げプログラムパターン
49を設定する。この立下げプログラムパターン49の
横軸には、燃し切り運転開始時刻以降の燃焼移動床6の
累積駆動回数を取ってある。この燃焼移動床6の累積駆
動回数に対応して、乾燥移動床5への燃焼空気投入流量
設定値を与える。尚、立下げプログラムパターン49中
の流量V5 [Nm3 /h]は、乾燥移動床5を冷却し、
その表面温度を耐熱限界以下に維持するために最低限必
要な、乾燥移動床5への投入空気流量である。
【0019】図3は、立下げ運転に於ける燃焼移動床6
への燃焼空気投入流量設定システムを示す説明図であ
る。立下げ運転時には、切り替えスイッチ42、45に
より、定常ACC(自動燃焼制御システム)47或いは
その他の設定手段48から、立下げプログラム50に切
り替えて、これを設定器22(図1参照)に入力する。
図3の燃焼移動床6の累積駆動回数と燃焼移動床6への
燃焼空気投入流量設定値との関係を示すグラフに示され
るような立下げプログラムパターン50を設定する。こ
のプログラムパターン50の横軸には、燃し切り運転開
始時刻以降の燃焼移動床6の累積駆動回数を取ってあ
る。この燃焼移動床6の累積駆動回数に対応して、燃焼
移動床6への燃焼空気投入流量設定値を与える。尚、立
下げプログラムパターン50中の流量V6 [Nm3
h]は、燃焼移動床6を冷却し、その表面温度を耐熱限
界以下に維持するために最低限必要な、燃焼移動床6へ
の投入空気流量である。
【0020】図4は立下げ運転に於ける後燃焼移動床7
への燃焼空気投入流量設定システムを示す説明図であ
る。立下げ運転時には、切り替えスイッチ43,46に
より、定常ACC(自動燃焼制御システム)47、或い
はその他の設定手段48から立下げプログラム49に切
り替えて、設定器26(図1参照)に入力する。例え
ば、図4の燃焼移動床6の累積駆動回数と後燃焼移動床
7への燃焼空気投入流量設定値との関係を示すグラフに
示されるような立下げプログラムパターン51を設定す
る。この立下げプログラムパターン51の横軸には、燃
し切り運転開始時刻以降の燃焼移動床6の累積駆動回数
を取ってある。この燃焼移動床6の累積駆動回数に対応
して、後燃焼移動床7への燃焼空気投入流量設定値を与
える。尚、立下げプログラムパターン51中の流量V7
[Nm3 /h]は、後燃焼移動床7を冷却し、その表面
温度を耐熱限界以下に維持するために最低限必要な、後
燃焼移動床7への投入空気流量である。
【0021】次に、図5、6、7中のプロフィール31
(A)、32(B)、33(C)は、各移動床上のごみ
の、搬送方向に対する分布を示したものである。最初
に、図5のプロフィール31(A)は、ごみ投入ホッパ
2内のごみの上面レベルをレベルセンサ3が検出した時
点を燃し切り運転開始時刻と判定し、燃焼移動床6の累
積駆動回数のカウントを開始した直後の分布である。
尚、レベルセンサ3は、日々の操業において、その日の
ごみの計画処理量の全量をごみ投入ホッパ2へ投入完了
後、供給装置4が、定常駆動速度でごみを移動床上に供
給していても、ごみの供給量が自然に減少し始めるよう
なポイントに配設されている。つまり、この時点から時
間経過とともに、移動床上の炉内残留ごみの、搬送方向
に対する分布が、完全燃し切りに向かって変化する。図
6のプロフィール32(B)は、移動床上のごみの積載
状態がごみ供給装置4の駆動範囲を脱し、炉内残留ごみ
の搬送方向に対して投入側の尾端が、乾燥移動床5の投
入側の尾端位置に到達した時点のごみの分布である。ま
た、図7のプロフィール33(C)は、炉内残留ごみの
搬送方向に対する尾端位置が、燃焼移動床6の尾端位置
に到達した時の分布である。
【0022】このようなごみの分布の態様は、各移動床
のいづれか1つの、燃し切り運転開始時刻以降の累積駆
動回数をベースにして整理すると、再現性の良い燃し切
り運転条件をほぼ一義的に決定することができる。この
関係は、立下げ運転中に移動床上に供給されるごみの可
燃成分比、水分、形状、その他の特性が変動し、従って
燃焼性、燃焼速度等に変動があっても、それらのばらつ
きを包含して、的確に成立することが知見された。本発
明は、発明者らが鋭意研究して得たこのような全く新規
な知見に立脚して、工業的に高い精度で成立するもので
ある。しかも、炉内残留ごみの完全燃し切りを目的とし
た立下げ運転において、不完全燃焼により発生する黒煙
を炉外へ排出することなく、かつ短時間で立下げ運転を
完了することができる。
【0023】尚、各移動床への燃焼空気流量投入パター
ンを示す立下げプログラムパターン49、50、51等
は、焼却炉の規模、性能、バッチ操業時間の設定、ごみ
の特性等を勘案して、実績運転データにより修正を加え
ることによって、最適なプログラムを得ることができ、
しかも再現性が高いものである。
【0024】
【実施例】図8に本発明を適用する以前の移動式ごみ焼
却炉の立下げ運転のタイムチャートを示した。また図9
に本発明を実際に適用し調整を完了後の移動式ごみ焼却
炉の立下げ運転のタイムチャートを示した。この焼却炉
は、図1に示すごみ焼却炉1で、1日8時間運転の機械
化バッチ式焼却炉である。処理量は、2.7トン/時、
ごみ(被燃焼物)の低位発熱量は約1000kcal/
kgである。炉の運転時間は毎日9時00分〜17時0
0分までの8時間運転で、14時30分から立下げ運転
開始となっている。図8、9のデータは排ガス中のCO
濃度(瞬時値)[ppm]であり、立下げ運転開始(1
4時30分)後、この実績値が100ppmを越えた時
点から運転終了までの経過時間を、炉内ごみの安全燃し
切り運転の評価指標とする。
【0025】図8に示す従来の立下げ運転では、運転終
了の1時間35分前より炉内残留ごみの最適な燃焼を維
持することが不可能となり、不完全燃焼による排ガス中
のCO濃度の排出が始まった。更に、運転終了の10分
前に、図1のバグフィルタ13への通ガスを解除した直
後に、同じく図1の煙突15より黒鉛の排出が認められ
た。それに対し、図9に示ように、本発明を実際に適用
した立下げ運転では、運転終了の47分前まで最適な燃
し切り運転を維持できた。その結果、運転終了の10分
前に、図1のバグフィルタ13への通ガスを解除して
も、煙突15より黒鉛及び白煙の何れも排出は認められ
ず、炉内残留ごみの完全灰化を達成し、翌日の立上げ運
転開始までに完全に空炉の状態に保持することができ
た。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、ごみ焼却炉に光量検出
手段や移動床温度検出手段をそれぞれ多数配置しなくて
も、所定の燃し切り点及び各移動床上の各燃焼空気ごみ
層厚みを精度よく特定し、その状況に応じて最適な各移
動床への燃焼空気流量の投入を実施し、立下げ運転中の
燃焼の最適化を図ることができる。そのために、立下げ
運転を通じて炉外へ黒煙を発生させることなく、かつ短
時間で立下げ運転を終了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る全体フローシートである。
【図2】立下げ運転の操作説明図である。
【図3】立下げ運転の操作説明図である。
【図4】立下げ運転操作説明図である。
【図5】立下げ運転の炉内のごみのプロフィールを示す
説明図である。
【図6】立下げ運転の炉内のごみのプロフィールを示す
説明図である。
【図7】立下げ運転の炉内のごみのプロフィールを示す
説明図である。
【図8】従来の立下げ運転の排ガス中のCOの変化を示
すチャートである。
【図9】実施例の立下げ運転の排ガス中のCOの変化を
示すチャートである。
【符号の説明】
1 ごみ焼却炉 2 ホッパ 3 レベルセンサ 4 供給装置 5 乾燥移動床 6 燃焼移動床 7 後燃焼移動床 8 排出口 9 焼却炉煙道 10 排ガス 11 送風機 12 空気予熱器 13 バグフィルタ 14 誘引通風機 15 煙突 16 燃焼用空気 17、21、25 流量計 18、22、26 設定器 19、23、27 流量指示制御装置(FIC) 20、24、28 制御弁 30 廃棄物 31、32、33 プロフィール 41〜46 切替えスイッチ 47 定常ACC(自動燃焼制御システム) 48 その他の設定手段 49、50、51 立下げプログラムパターン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動床式ごみ焼却炉の立下げ運転におい
    て、ごみ投入ホッパへのごみの投入完了以降に燃し切り
    運転開始時刻を判定し、該燃し切り運転開始時刻以降
    は、いずれか1つの移動床の累積駆動回数に基づいて、
    各移動床の各燃焼空気送入単位に送入する燃焼空気流量
    を各立下げプログラムパターンに従って個別に調整し、
    炉内残留ごみを最適な燃焼状態で燃し切ると共に、立下
    げ運転中黒煙を発生させることなく、COの発生を最小
    限に抑制し、短時間で立下げ運転を完了することを特徴
    とする移動床式ごみ焼却炉の燃焼制御方法。
  2. 【請求項2】 前記燃し切り運転用開始時刻はホッパか
    ら炉内へのごみの移動量が自然減少し始めた時点とする
    ことを特徴とする請求項1記載の移動床式ごみ焼却炉の
    燃焼制御方法。
JP04612197A 1997-02-28 1997-02-28 移動床式ごみ焼却炉の燃焼制御方法 Expired - Fee Related JP3567668B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04612197A JP3567668B2 (ja) 1997-02-28 1997-02-28 移動床式ごみ焼却炉の燃焼制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04612197A JP3567668B2 (ja) 1997-02-28 1997-02-28 移動床式ごみ焼却炉の燃焼制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10238738A true JPH10238738A (ja) 1998-09-08
JP3567668B2 JP3567668B2 (ja) 2004-09-22

Family

ID=12738169

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04612197A Expired - Fee Related JP3567668B2 (ja) 1997-02-28 1997-02-28 移動床式ごみ焼却炉の燃焼制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3567668B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000146141A (ja) * 1998-11-06 2000-05-26 Hitachi Zosen Corp ストーカ式ごみ焼却炉の火格子の冷却構造
CN102705832A (zh) * 2012-05-11 2012-10-03 袁永扬 无烟气排放的固体废弃物焚烧炉
CN102705831A (zh) * 2012-05-11 2012-10-03 袁永扬 一种固体废弃物焚烧炉炉体

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000146141A (ja) * 1998-11-06 2000-05-26 Hitachi Zosen Corp ストーカ式ごみ焼却炉の火格子の冷却構造
CN102705832A (zh) * 2012-05-11 2012-10-03 袁永扬 无烟气排放的固体废弃物焚烧炉
CN102705831A (zh) * 2012-05-11 2012-10-03 袁永扬 一种固体废弃物焚烧炉炉体
WO2013166992A1 (zh) * 2012-05-11 2013-11-14 Yuan Yongyang 无烟气排放的固体废弃物焚烧炉和焚烧炉炉体

Also Published As

Publication number Publication date
JP3567668B2 (ja) 2004-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4838183A (en) Apparatus and method for incinerating heterogeneous materials
CA2666782C (en) Incineration plant and method for controlling an incineration plant
JP2010216990A (ja) 廃棄物の水分率計測装置及び廃棄物の水分率計測方法
JP3567668B2 (ja) 移動床式ごみ焼却炉の燃焼制御方法
JPH11294740A (ja) 排ガス完全燃焼制御方法および排ガス完全燃焼制御装置
JPH071084B2 (ja) ボイラ付き流動床炉の空気量制御方法
JP3618668B2 (ja) ストーカ式廃棄物焼却炉
JPH1151348A (ja) 移動床式ごみ焼却炉の燃焼制御方法
JPS62255717A (ja) ごみ焼却炉の燃焼制御方法
KR100267146B1 (ko) 스토커소각로의연소제어방법과다이옥신제거방법
EP1274961B1 (en) A process for the incineration of solid combustible material
JPS6246119A (ja) ごみ焼却炉の燃焼制御方法
JPH05141640A (ja) 焼却炉の燃焼制御装置
JPH0311218A (ja) ごみ焼却炉の自動燃焼制御装置
JP3946603B2 (ja) 廃棄物焼却炉及びそれによる焼却方法
JPS5986814A (ja) ごみ焼却炉における自動燃焼制御方法
JP3936884B2 (ja) ストーカ式焼却炉の制御方法
JPH07190327A (ja) ゴミ焼却炉の燃焼制御装置
JPH07332642A (ja) ゴミ焼却炉
JPH036407B2 (ja)
JPS63123913A (ja) ごみ焼却炉の燃焼制御における燃え切り点補正方法
JP2004278898A (ja) 焼却炉におけるバーナの運転方法及び運転制御装置
JPH1182958A (ja) 焼却装置および焼却装置の運転制御方法
KR100434650B1 (ko) 화격자식 쓰레기 소각설비의 연소제어 방법
JPH11101421A (ja) ゴミ焼却炉の給塵速度制御方法及びゴミ焼却炉

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040301

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20040525

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20040607

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees