JPH10235786A - 高耐食性燃料タンク用鋼板 - Google Patents

高耐食性燃料タンク用鋼板

Info

Publication number
JPH10235786A
JPH10235786A JP4665697A JP4665697A JPH10235786A JP H10235786 A JPH10235786 A JP H10235786A JP 4665697 A JP4665697 A JP 4665697A JP 4665697 A JP4665697 A JP 4665697A JP H10235786 A JPH10235786 A JP H10235786A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal powder
organic resin
film
metal
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4665697A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Ogata
形 浩 行 尾
Sachiko Suzuki
木 幸 子 鈴
Kazuo Mochizuki
月 一 雄 望
Hitoshi Takamatsu
松 均 高
Hideo Obara
原 秀 雄 小
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP4665697A priority Critical patent/JPH10235786A/ja
Publication of JPH10235786A publication Critical patent/JPH10235786A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐食性、プレス加工性およびシーム溶接性に優
れ、アルコールまたはアルコールと蟻酸が混合されたガ
ソリン用のタンク材料として好適な高耐食性燃料タンク
用鋼板の提供。 【解決手段】鋼板の両表面に、最下層としてZnまたは
Znを主成分とする金属めっき層を有し、その両面の金
属めっき層の上層にFe系めっき層を有し、さらにその
両面のFe系めっき層の上層にクロメート皮膜を有し、
一方の面のクロメート皮膜の上層に、Al金属粉末およ
びNi金属粉末と、アミン変性エポキシ樹脂とを含む金
属粉末含有有機樹脂皮膜、または、さらに硬化剤を含む
金属粉末含有有機樹脂皮膜を有し、他方の面のクロメー
ト皮膜の上層に、水酸基、イソシアネート基、カルボキ
シル基、グリシジル基およびアミノ基から選ばれる少な
くとも1種の官能基を有する樹脂、シリカおよびポリオ
レフィンワックスを主成分とする有機樹脂層を有する高
耐食性燃料タンク用鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高耐食性燃料タンク
用鋼板に関し、特に、耐食性、プレス加工性およびシー
ム溶接性に優れ、アルコールまたはアルコールと蟻酸が
混合されたガソリン用のタンク材料として好適な高耐食
性燃料タンク用鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】北米、中南米および欧州では、エネルギ
ー政策として石油依存率の低減を国策とする国が多く、
自動車用新燃料としてアルコール(メタノール、エタノ
ール)そのもの、あるいはアルコールをガソリンに5〜
20%混合した、いわゆるガソホールの導入比率が年々
拡大の傾向にある。
【0003】しかしながら、これらアルコールまたはガ
ソホール(以下、「アルコール系燃料」という)は、
(a)水を含みやすい、(b)水混入量の増加、温度の
低下により層分離する、(c)アルコールが酸化劣化し
て有機酸を生成する可能性があり(例えば、メタノール
の場合は蟻酸、エタノールの場合は酢酸へと変化す
る)、下層にアルコール、有機酸等と水を主成分とする
分離層を生じる、(d)現行タンク材料の主流であるタ
ーン(Pb/Sn合金)めっき鋼板は、メタノールを4
0%以上含むアルコールとガソリンの混合物によって、
めっき層が溶解するなど、通常のガソリン燃料に対する
よりも一段と強く腐食されてしまう。
【0004】しかるに、自動車の燃料タンクは、自動車
を構成する各種の部品の中でも、安全確保の点から最重
要部品として位置付けられており、シーム溶接部に欠陥
がないこと、タンク内外面ともに腐食による穴あきが発
生しないこと、さらには燃料循環系統でフィルターの目
詰まりを発生するような浮遊性の腐食生成物が生じない
ことが要求される。
【0005】ところで、現在、通常の自動車用燃料タン
ク材料は、例えば、特公昭57−61833号公報に示
されるようなPb−Sn合金溶融めっき鋼板や、特公昭
53−19981号公報に示されるようなZnめっき鋼
板に厚クロメート処理を施したものが使用されている。
【0006】これら従来の材料のガソリン、アルコール
系燃料に対する耐食性(以下、「内面耐食性」という)
について見ると、Pb−Sn合金は、メタノールに非常
に溶解しやすい欠点を有しており、メタノール混合ガソ
リンに対しては実用が困難と考えられる。一方、電気Z
nめっき鋼板に厚クロメート処埋を施した材料の内面耐
食性は、Znの犠牲防食作用により、若干の赤錆、穴あ
きの発生が抑制される。しかしZnの溶出速度が大き
く、浮遊性の白色沈殿物が多量に発生し、燃料循環系統
でフィルターの目詰まりが発生する。さらに、Zn溶出
後は、素地鋼の赤錆、穴あきが発生しやすい欠点を有
し、燃料タンク用鋼板として不充分である。
【0007】前述の電気Znめっき鋼板の代わりにZn
を主成分とする合金めっき鋼板、例えば、特開昭55−
110791号公報に示されるZn−Ni合金めっき鋼
板、特公昭57−33347号公報に示されるZn−C
o合金めっき鋼板、特公昭57−61831号公報に示
されるZn−Fe合金めっき鋼板、特公昭54−332
22号公報に示されるZn−Al合金めっき鋼板、特開
昭57−70288号公報に示されるZn−Ni−Cr
合金めっき鋼板、特公昭57−33347号公報に示さ
れるZn−Co−Ni合金めっき鋼板等を用いた場合、
前記各合金めっき層の溶出速度がZnめっき層に比べて
かなり抑制されるため、内外面ともに腐食が抑制され
る。しかし、依然としてタンク外面側の穴あき腐食やタ
ンク内面側の浮遊性の白色沈殿物の発生によるフィルタ
ーの目詰りや穴あき腐食を解決するには至らない。
【0008】そこで、上記欠点を解決すべく、アルコー
ル単独あるいはアルコール混合ガソリン、特に腐食性が
強いアルコールと蟻酸が混合されたガソリンに対して優
れた内面耐食性を発揮し、かつタンク外面が外環境に対
して優れた耐食性(以下、外環境に対する耐食性を「外
面耐食性」という)を発揮し、さらにタンク製造工程に
おいて優れたプレス加工性、抵抗溶接性を発揮する高耐
食性燃料タンク用鋼板が、特公平2−18981号公
報、特公平2−18982号公報および特公平3−25
349号公報に記載されている。特公平2−18981
号公報には、Pb/Sn合金またはSnを主成分とする
金属めっき層、上層として金属粉末を含む有機樹脂皮膜
を有する鋼板が記載されている。特公平2−18982
号公報および特公平3−25349号公報には、Znま
たはZnを主成分とする金属めっき層、上層として金属
粉末を含む有機樹脂皮膜を有する鋼板が記載されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記3つの公
報に記載されている金属粉末を含有する有機樹脂皮膜
は、その有機樹脂中の40〜90%がフェノキシ樹脂で
占められている。このためガソリンタンクとして用いる
ときの外面側の特性は、フェノキシ樹脂が有する水酸基
と金属粉末の親和性が不足するため、プレス加工時に金
属粉末が皮膜から脱離するおそれがある。そのため、外
面側はめっきの剥離が生じ、プレス成形性が悪くなる。
【0010】また、ガソリンタンクとして用いるときの
内面側は、上記の金属粉末の脱離やめっき層の剥離によ
ってダメージを受けた部分の内面耐食性が悪くなる。ダ
メージを受けていない平面部分も、皮膜中の樹脂/金属
粉末間に腐食液が滞留しやすくなり、内面耐食性が劣
り、いまだ実用化には無理がある。
【0011】さらに、いずれの鋼板も、タンク内外面の
樹脂皮膜が必須成分として硬化剤を含むため、硬化度が
高い場合には、熱分解しづらく、ナゲット生成過程にお
ける皮膜排除が困難になり、シーム溶接性が低下する。
すなわち、金属粉末の含有により通電点を確保しても、
残存する皮膜周辺の母材が溶接不良を起こすため、充分
なナゲット間のラップが得られず、燃料もれが生じる。
場合によっては、充分な溶接強度が得られず剥離が生じ
る。また、硬化度が低く未反応硬化剤を含む場合には、
その部分の凝集力が低く、腐食因子(酸、塩素イオン
等)が侵入し易く、内外面の耐食性が低下する。以上の
ように、従来提案されている材料は、タンク材料として
要求される種々の性能において問題があり、いまだ実用
化に至っていない。
【0012】そこで、本発明の目的は、従来使用され、
または提案されているタンク材料の欠点を解消し、アル
コール、特にメタノールそのものあるいはメタノールが
酸化して生成した蟻酸の混合されたガソリンに対して優
れた内面耐食性を発揮し、かつタンク製造工程において
優れたプレス加工性、シーム溶接性および外面耐食性を
発揮する高耐食性燃料タンク用鋼板を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために、鋭意研究の結果、鋼板表面にZnま
たはZnを主成分とする金属めっき層を設け、その両方
の金属めっき層の上層にFe系めっき層を設け、さらに
その両方の面のFe系めっき層の上層にクロメート皮膜
を設け、さらに、その一方の面のクロメート皮膜の上層
に金属粉末を含む有機樹脂皮膜を設け(以下、この面を
「内面」と称す)、他方の面のクロメート皮膜の上層
に、ポリエチレンワックスおよびシリカを含有する有機
皮膜を設ける(以下、この面を「外面」と称す)ことに
よって、これらの間題を一挙に解決しうるという新たな
知見を得て、本発明を完成した。
【0014】すなわち、本発明は、鋼板の両表面に、最
下層としてZnまたはZnを主成分とする金属めっき層
を有し、その両面の金属めっき層の上層にFe系めっき
層を有し、さらにその両面のFe系めっき層の上層にク
ロメート皮膜を有し、一方の面のクロメート皮膜の上層
に、Al金属粉末およびNi金属粉末と、アミン変性エ
ポキシ樹脂とを含む金属粉末含有有機樹脂皮膜を有し、
他方の面のクロメート皮膜の上層に、水酸基、イソシア
ネート基、カルボキシル基、グリシジル基およびアミノ
基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する樹脂、
シリカおよびポリオレフィンワックスを主成分とするシ
リカ含有有機樹脂皮膜を有する高耐食性燃料タンク用鋼
板を提供するものである。
【0015】また、本発明は、鋼板の両表面に、最下層
としてZnまたはZnを主成分とする金属めっき層を有
し、その両面の金属めっき層の上層にFe系めっき層を
有し、さらにその両面のFe系めっき層の上層にクロメ
ート皮膜を有し、一方の面のクロメート皮膜の上層に、
Al金属粉末およびNi金属粉末と、アミン変性エポキ
シ樹脂と、硬化剤とを含む金属粉末含有有機樹脂皮膜を
有し、他方の面のクロメート皮膜の上層に、水酸基、イ
ソシアネート基、カルボキシル基、グリシジル基および
アミノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する
樹脂、シリカおよびポリオレフィンワックスを主成分と
するシリカ含有有機樹脂皮膜を有する高耐食性燃料タン
ク用鋼板を提供するものである。
【0016】また、前記金属粉末含有有機樹脂皮膜が、
アミン変性エポキシ樹脂100重量部に対して、金属粉
末30〜110重量部からなり、Al金属粉末/Ni金
属粉末の含有割合が80/20〜30/70(重量比)
であり、Al金属粉末が長径8〜18μm、短径1〜1
0μm、厚さ1〜5μmの鱗片状であり、Ni金属粉末
が粒径1〜9μmの粒状であり、前記アミン変性エポキ
シ樹脂が、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対し、
0. 2〜1. 0モルのアルカノールアミンを付加してな
る複合体樹脂であり、かつ重量平均分子量が5000〜
50000の範囲であり、金属粉末含有有機樹脂皮膜の
厚さが2〜10μmであるものが好ましい。
【0017】前記硬化剤が、アミン変性エポキシ樹脂と
硬化反応し、アミン変性エポキシ樹脂100重量部に対
して2〜20重量部であり、かつメチルエチルケトンを
含浸させ、かつ500gの荷重をかけたフェルト(10
mm×5mm)で金属粉末含有有機樹脂皮膜の表面をこ
すり、下地が露出するまでの往復回数を測定し、下記の
式で定義される硬化度が80%以上で 硬化度=(下地が露出するまでの往復回数/100)×
100% であるものが好ましい。
【0018】さらに、前記シリカ含有有機樹脂皮膜が、
水酸基、イソシアネート基、カルボキシル基、グリシジ
ル基およびアミノ基から選ばれる少なくとも1種の官能
基を有する樹脂100重量部と、シリカ5〜80重量部
と、軟化点が70〜150℃、かつ平均粒径が1〜7μ
mであるポリオレフィンワックス1〜40重量部とから
なり、かつ該シリカ含有有機樹脂のガラス転移温度(T
g)が0〜90℃であり、シリカ含有有機樹脂皮膜の厚
さが0. 5〜1. 5μmであると、好ましい。
【0019】また、前記ZnまたはZnを主成分とする
金属めっき層が、Zn−5wt%Al合金めっき、Zn
−55wt%Al合金めっき、またはZnを主成分とし
Alと他の元素を含有する多元系めっきの内いずれかで
あり、ZnまたはZnを主成分とする金属めっき層の目
付量が10〜200g/m2 であると、好ましい。
【0020】また、前記Fe系めっき層がFe−Znめ
っきまたはFe−Pめっきであり、Fe系めっき層の目
付量が3〜8g/m2 であると、好ましい。
【0021】さらに、前記クロメート皮膜のクロム付着
量が、金属クロム換算で片面あたり5〜200mg/m
2 であると、好ましい。
【0022】以下、本発明の高耐食性燃料タンク用鋼板
(以下、「本発明の燃料タンク用鋼板」という)につい
て詳細に説明する。
【0023】(金属めっき層)まず、本発明の燃料タン
ク用鋼板は、鋼板の両表面に最下層としてZnまたはZ
nを主成分とする金属めっき層を有するものである。こ
の金属めっき層は、その優れた犠牲防食作用により赤
錆、穴あきの発生を抑制し、燃料タンクの外面耐食性を
向上させることができる。一方、内面耐食性は、アルコ
ールが酸化して生じる有機酸(蟻酸、酢酸等)によっ
て、亜鉛が溶解し易い。そのため、本発明においては、
後記の金属粉末含有有機樹脂皮膜を設け、この有機樹脂
皮膜のバリヤー効果により蟻酸水溶液の浸透を防ぎ、酸
に対して弱いZnの溶出とこれに伴う浮遊性の白色沈澱
物の生成を抑制することができる。
【0024】本発明において、この金属めっき層をZn
を主成分とする合金めっき層とすると、犠牲防食作用に
おけるめっき層の溶出速度が遅くなり、Zn単独のめっ
き層とした場合に比べて、低目付量で燃料タンクの穴あ
き寿命を延長させることができ、耐食性もより向上する
ため有効である。このZnを主成分とする合金めっき層
としては、Zn−5wt%Al合金めっき、Zn−55
wt%Al合金めっき、Znを主成分としAlと他の元
素を含有する多元系めっきの内のいずれかが好適であ
る。
【0025】本発明の燃料タンク用鋼板において、金属
めっき層の目付量は10〜200g/m2 が好ましく、
さらに好ましくは20〜100g/m2 である。金属め
っき層の目付量が10g/m2 未満では鋼板表面の隠蔽
効果が不充分となり、下層に必要とされる耐食性が不足
する。また、200g/m2 を超えると下層に必要とさ
れる耐食性が飽和する。
【0026】このZnまたはZnを主成分とする金属め
っき層は、特に制限されず、公知の電気めっき法、溶融
めっき法により形成することができる。例えば、Znめ
っき層は、ZnSO4 ・7H2 O 410g/l、Al
Cl3 20g/l、Na2SO4 75g/lの混合
溶液を用い、pH3〜5、温度20〜30℃、電流密度
1〜10A/dm2 で電気めっきすることで形成するこ
とができる。Zn一Al合金めっきの場合は、Al 4
〜5wt%、Zn 95〜96wt%から成る溶融めっ
き浴、あるいはAl 50〜60wt%、Zn 50〜
40wt%から成る溶融めっき浴により形成することが
できる。
【0027】また、本発明の燃料タンク用鋼板は、鋼板
の両面の金属めっき層の上層にFe系めっき層を有する
ものである。このFe系めっき層は、ZnまたはZnを
主成分とする金属めっき層の表面に存在するAl等の酸
化膜により、上層に設けるクロメート皮膜とめっき表面
の反応性が異なり、クロメート皮膜が不均一に付着し、
有機樹脂皮膜の密着性が悪くなり、内外面の耐食性が低
下するのを防止し、クロメート皮膜の付着を均一にし
て、有機樹脂皮膜の密着性を向上させるために設けられ
る。
【0028】本発明において、Fe系めっき層は、プレ
ス加工時にめっき層が剥離する、いわゆるフレイキング
やめっき層が微粉化するパウダリングを防止することに
も効果がある。さらに、Feは亜鉛よりも固有抵抗が高
いため、スポット溶接やシーム溶接性の向上にも寄与す
る。したがって、ZnまたはZnを主成分とする金属め
っき層の上層にFe系めっき層を設ける本発明の燃料タ
ンク用鋼板は、ZnまたはZnを主成分とする単独の場
合に比較して、プレス成形性、抵抗溶接性、内外面の耐
食性の向上に有効である。
【0029】このFe系めっき層としては、例えば、F
e−Znめっき、Fe−Pめっき等からなるものが挙げ
られる。これらの中でも、Fe−ZnめっきまたはFe
−Pめっきからなるものが好ましい。このFe系めっき
層の目付量は、3〜8g/m 2 であるのが好ましい。3
g/m2 未満の場合、下層のZnまたはZnを主成分と
する金属めっき層の隠蔽効果が不十分である。8g/m
2 を超える場合、赤錆発生量が増加し、耐食性が悪くな
る。また、このFe系めっき層は、特に制限されず、公
知の電気メッキ方法や溶融めっき方法にしたがって形成
することができる。
【0030】(クロメート層)次に、本発明の燃料タン
ク用鋼板は、両表面のFe系めっき層の上層にクロメー
ト皮膜を有するものである。クロメート皮膜のクロム付
着量は、金属クロム換算で片面あたり5〜200mg/
2 、さらに好ましくは10〜100mg/m 2 であ
る。クロム付着量が5mg/m2 未満の場合、その上層
の有機皮膜との密着性が不足するため、プレス加工時、
摺動部の皮膜が剥離し、場合によってはめっき層の剥離
まで発生する。また付着量が少ないために自己修復に用
いられるべき6価クロム成分が不足し、かつ前記めっき
層の剥離と相まって内外面の加工部耐食性が不足するお
それがある。200mg/m2 を超える場合、クロメー
ト皮膜自体が非常に脆くなり加工摺動部でクロメート皮
膜の剥離が発生し、これに伴うその上層の有機樹脂皮膜
または層の剥離も生じ、内外面の加工部耐食性が不足す
るおそれがある。
【0031】このクロメート皮膜の形成は、この種の鋼
板の前処理として通常形成される皮膜でよく、例えば、
無水クロム酸、クロム酸塩、重クロム酸等を主剤とする
水溶液や、該水溶液中にコロイダルシリカ等を混合した
処理液を、ロールコート法により金属板上に塗布後、焼
付け乾燥する方法によりクロム水和酸化物主体の皮膜が
得られる。
【0032】本発明の燃料タンク用鋼板は、クロメート
皮膜の上層に、最上層として、内面側には、金属粉末、
アミン変性エポキシ樹脂を主成分とする金属粉末含有有
機樹脂皮膜、または該金属粉末含有有機樹脂皮膜中に、
アミン変性エポキシ樹脂に対してこの樹脂と反応し得る
硬化剤を添加した皮膜を有し、また、外面側には、樹
脂、シリカおよびポリオレフィンワックスを含むシリカ
含有有機樹脂皮膜を有するものである。本発明の燃料タ
ンク用鋼板の内面側は、溶接性および耐ガソリン性に優
れるため、ガソリンタンクの内面側(すなわちガソリン
と接する側)として用いるのが好ましい。外面側は、耐
食性、潤滑性に優れるため、ガソリンタンクの外面側と
して用いるのが好ましい。
【0033】(金属粉末含有有機樹脂皮膜)本発明の燃
料タンク用鋼板の内面側の最上層に設けられる金属粉末
含有有機樹脂皮膜は、アルコール、特にメタノールその
ものあるいはメタノールが酸化して生成した蟻酸を含む
ガソリンに対して優れた耐食性および耐久性を有する金
属粉末と樹脂成分からなり、下層の金属めっき層および
クロメート層とアルコール系燃料との直接接触を阻止す
るための防食層の役割を果たす層である。
【0034】(金属粉末)本発明の燃料タンク用鋼板に
おいて、金属粉末含有有機樹脂皮膜に配合される金属粉
末は、抵抗溶接性を確保するために添加されるものであ
る。すなわち、有機樹脂皮膜は、一般に高い電気絶縁性
を有し、しかも樹脂皮膜の膜厚は2〜10μmであるた
め、鋼板の凸部の露出を全く期待できず、抵抗溶接が困
難である。そこで、本発明はガソリンタンク内面側の有
機樹脂皮膜中に、金属粉末を必要量分散させ、皮膜の電
導性を高めるものである。
【0035】用いられる金属粉末は、固有抵抗が高いも
のの方が発熱量が大きく有用であり、具体的にはNi、
Al、Fe、Cu等の金属粉末が挙げられる。これらの
中でも、Niはメタノールに対して耐食性が優れかつ固
有抵抗が高いため最も有用である。また、AlはNiに
比較して固有抵抗や融点が低く、必ずしも溶接には最適
ではないが、鱗片状の形状が、有機皮膜中で蟻酸水溶液
の透過を抑制するため有用である。そこで、本発明にお
いては、Al金属粉末とNi金属粉末とを組み合わせ、
適正比率で有機樹脂皮膜中に添加することが、有効であ
る。
【0036】金属粉末の形状は、粒状、フレーク状いず
れも適用できるが、所要の内面耐食性または抵抗溶接性
が得られるように適宜選択される。(前記の通り形状に
より、内面耐食性や抵抗溶接性が若干変化する。)例え
ば、Ni粉末は、粒径1〜9μmの粒状のものが好まし
く、さらに好ましくは2〜7μmである。粒径が1μm
未満の場合、通電点が不足し、粒径が9μmを超える場
合、通電点を充分に有するため、少量の添加で抵抗溶接
性が向上する。一方、皮膜が多孔質になるため、内面耐
食性が劣化し、さらにはプレス加工時における皮膜のパ
ウダリングも問題になる。Al金属粉末は、長径が8〜
18μm、短径が1〜10μm、厚さが1〜5μmの鱗
片状であり、さらに好ましくはAl粉末の長径は10〜
15μm、短径は5〜8μm、厚さは2〜4μmであ
る。Al金属粉末の長径および短径がそれぞれ8μm未
満および1μm未満の場合、燐片の面積が小さくなるた
め、蟻酸等の水溶液の透過抑制能が低くなり、内面耐食
性が低下する。長径のみまたは短径のみが短い場合も同
様である。また、長径および短径がそれぞれ18μmお
よび10μmを超える場合、有機樹脂皮膜が多孔質にな
り過ぎるため、皮膜の強度が不足し、脆いものとなる。
そのため、パウダリングが生じたり、プレス加工部の内
面耐食性が低下するおそれがある。また、厚さが1μm
未満の場合、内面耐食性の寿命が短くなる。一方、厚さ
が5μmを超える場合、皮膜の表面に露出するAl粉末
の割合が多くなりすぎるため、抵抗溶接性が低下する。
【0037】金属粉末含有有機樹脂皮膜中の金属粉末の
配合量は、アミン変性エポキシ樹脂100重量部に対し
て30〜110重量部、好ましくは45〜100重量部
の割合となる量である。30重量部未満の場合、通電点
が不足し電導性に劣るため抵抗溶接性が低下するおそれ
がある。110重量部を超える場合、有機樹脂皮膜自体
が脆弱になり、プレス時の耐パウダリング性が低下し内
面耐食性が低下するおそれがある。
【0038】また、金属粉末含有有機樹脂皮膜中のNi
金属粉末/Al金属粉末の含有割合は80/20〜30
/70(重量比)が好ましく、さらに好ましくは70/
30〜40/60である。Ni金属粉末/Al金属粉末
の含有割合が、30/70未満の場合には、高い固有抵
抗を有するNiの量が不足するため、抵抗溶接性が低下
するおそれがある。また、80/20を超える場合、ア
ルコール系燃料の浸透を抑制する働きを有するAlの量
が不足するため、内面耐食性が低下するおそれがある。
【0039】(アミン変性エポキシ樹脂)本発明の燃料
タンク用鋼板において、金属粉末含有有機樹脂皮膜に配
合されるアミン変性エポキシ樹脂は、ガソリン、アルコ
ール、または蟻酸を含む燃料に対して優れた耐食性およ
び耐久性を有し、かつ素地原板(鋼板+金属めっき層+
クロメート層)に対する塗膜密着性、また、プレス成形
性において優れた特性を発揮するものである。このアミ
ン変性エポキシ樹脂は、主骨格を形成するエポキシ樹脂
のエポキシ基にアミンが付加してなるものである。この
アミン変性エポキシ樹脂の主骨格を形成するエポキシ樹
脂としては、例えば、ビスフエノールA型エポキシ樹
脂、ビスフエノールF型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポ
キシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、ノボラック型
エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等を
挙げることができる。これらの中でも、金属粉末含有有
機樹脂皮膜の形成に際して、塗料としての安定性に優
れ、また、プレス成形性および内面耐食性に優れる皮膜
を安定して得ることができる製造条件の範囲が広い点
で、ビスフエノールA型エポキシ樹脂、ビスフエノール
F型エポキシ樹脂が好ましい。このエポキシ樹脂の具体
例として、商品名:エピコート1010、1009、1
007、1004、1001(いずれも油化シェルエポ
キシ(株)製)で市販されているもの、あるいはこれら
のエポキシ樹脂を高分子化させたフェノキシ樹脂(UC
C社製)等が挙げられる。また、これらのエポキシ樹脂
を、単独、あるいはアジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸、フタル酸、ダイマー酸等のジカルボン酸と反応さ
せてなるエポキシエステル樹脂を用いてもよい。また、
ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテルを併用
しても良い。
【0040】このアミン変性エポキシ樹脂において、エ
ポキシ樹脂のエポキシ基に付加するアミンとしては、エ
チルエタノールアミン、エタノールアミン等のモノアル
カノールアミン、ジエタノールアミン、ジプロパノール
アミン、ジブタノールアミン等のジアルカノールアミン
などのアルカノールアミンが挙げられる。後記の硬化剤
との低温反応性をより高めるには、一級水酸基をより多
く導入可能なジアルカノールアミンが好ましい。アミン
変性エポキシ樹脂において、主骨格であるエポキシ樹脂
のエポキシ基1当量に付加するアルカノールアミンのモ
ル数は0. 2〜1. 0モルである。エポキシ当量が50
0〜1000のエポキシ樹脂の場合、付加するアルカノ
ールアミンのモル数は0. 2〜0. 6モル、エポキシ当
量が1000〜5000のエポキシ樹脂の場合、付加す
るアルカノールアミンのモル数は0. 6〜1. 0モルで
あるのが特に好ましい。付加しているアルカノールアミ
ンのモル数が0. 2未満の場合、アミン変性度が不足す
るため、金属粉末とアミン変性エポキシ樹脂の親和性が
低下し、プレス加工時に金属粉末が皮膜から脱離する。
その程度が激しい場合には、めっき層の剥離が生じるた
め、プレス成形性が悪化するおそれがある。また、同様
の理由から、皮膜中の樹脂/金属粉末間に腐食液が滞留
しやすくなり、充分な疎水性が得られず、蟻酸水溶液を
皮膜中に呼び込み易いことも要因となって、腐食性の強
いメタノール系燃料に対する内面耐食性が不足するおそ
れがある。付加するアルカノールアミンのモル数が1.
0モルを超えると、その超過分はエポキシ基に付加せず
経済的ではなく、余剰アミンが吸水性を高め内面耐食性
が低下するおそれがある。
【0041】本発明において、このアミン変性エポキシ
樹脂は、優れたプレス成形性を確保するため、5000
〜50000、好ましくは10000〜40000の重
量平均分子量を有するものが好ましい。重量平均分子量
が5000未満の場合、低分子量であるため、分子間力
が不足し、得られる金属粉末含有有機樹脂皮膜の強靱性
が不足する。そのため、プレス加工時に皮膜が削られ、
所期のプレス成形性を得ることができないおそれがあ
る。また、分子量が50000を超える場合、エポキシ
基に付加されているアルカノールアミンの量が少なくな
るため、樹脂と金属粉末との親和性が不足し、プレス加
工時に皮膜からの金属粉の脱離が発生したり、所期の内
面耐食性を得ることができないおそれがある。
【0042】(硬化剤)また、金属粉末含有有機樹脂皮
膜が硬化剤を含有し、かつその硬化剤が樹脂と反応し、
熱硬化させた場合には、金属粉末含有有機樹脂皮膜は、
熱分解しにくく、溶接性が低下するものの、物質透過を
抑制する方向にあり、内面耐食性は向上する。用いられ
る硬化剤としては、例えば、イソシアネート系硬化剤、
アミン系硬化剤、メラミン系硬化剤、ジシアンジアミド
系硬化剤、ヒドラジド系硬化剤、フェノール系硬化剤、
ホウ素系硬化剤、イミダゾール系硬化剤等を挙げること
ができる。このような硬化剤は樹脂成分と反応するもの
として配合される。
【0043】金属粉末含有有機樹脂皮膜中の硬化剤の配
合割合は、アミン変性エポキシ樹脂(固形分)100重
量部に対して2〜20重量部、好ましくは4〜10重量
部の割合である。硬化剤の配合割合が2重量部未満の場
合は、硬化度が低過ぎるため、蟻酸透過の抑制能が不足
し、内面耐食性が低下する。また皮膜の強靭性が不足す
るため、プレス成形性が低下する。一方、20重量部超
えの場合、未反応硬化剤が樹脂皮膜を脆弱にするため、
プレス成形性が低下する。また、未反応硬化剤が腐食因
子(酸、塩素イオン等)を誘導し、内面耐食性が低下す
る。
【0044】本発明の燃料タンク用鋼板において、金属
粉末含有有機樹脂皮膜の硬化度が内面耐食性および強靱
性に優れる皮膜を得る上で重要である。この硬化度はメ
チルエチルケトンを含浸させ、かつ500gの荷重をか
けたフェルト(10mm×5mm)で金属粉末含有有機
樹脂皮膜の表面をこすり、下地が露出するまでの往復回
数を測定し、下記の式で定義される硬化度が80%以上
であれば、未反応物によるプレス成形性、内面耐食性等
への悪影響が少ない。 硬化度=(下地が露出するまでの往復回数/100)×
100% 硬化度が80%未満の場合、硬化度が低過ぎるため、蟻
酸透過の抑制能が不足し、内面耐食性が低下するおそれ
がある。また皮膜の強靭性が不足するため、プレス成形
性が低下するおそれがある。本発明においては、硬化度
が高い方が内面耐食性には有利であるが、その場合、シ
ーム溶接の際の適正溶接範囲が狭くなる。
【0045】本発明の燃料タンク用鋼板において、金属
粉末含有有機樹脂皮膜の厚さは2〜10μmが好まし
い。2μm未満では外層として要求される内面耐食性が
不充分である。また、10μmを超えると、耐食性が飽
和し、プレス加工性およびシーム溶接性が低下する。
【0046】また、金属粉末含有有機樹脂皮膜には、必
要に応じて、潤滑剤、カップリング剤、顔料、チクソト
ロピック剤、分散剤等の添加剤を添加することもでき
る。
【0047】本発明において、潤滑性有機樹脂皮膜の形
成は、例えば、アミン変性エポキシ樹脂は500〜50
00のエポキシ当量を有するエポキシ樹脂にアルカノー
ルアミンを添加し、常温〜100℃で4〜5時間反応さ
せることにより得る。次に、サンドミルやアトライター
で、アミン変性エポキシ樹脂中に、金属粉末および硬化
剤、ならびに必要に応じて添加される添加剤を添加、分
散させ、所定比率の金属粉末を含む有機樹脂塗料を調製
し、これをクロメート皮膜の上に塗布して皮膜を形成す
る方法にしたがって行うことができる。
【0048】(シリカ含有有機樹脂皮膜) (有機樹脂)本発明の燃料タンク用鋼板において、外面
側に形成される有機樹脂皮膜は、有機樹脂、シリカ、お
よびポリオレフィンワックスを含むものである。有機樹
脂皮膜を構成するベース樹脂は、水酸基、イソシアネー
ト基、カルボキシル基、グリシジル基およびアミノ基か
ら選ばれる少なくとも1種の官能基を有する樹脂であ
る。具体的には、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、アク
リル樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂や
フェノール樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。本発明
において、これらの樹脂は、シリカ粒子の表面の水酸基
と反応し、高耐食性を有する無機−有機複合皮膜を形成
し、タンク外面の耐食性を向上させることができるた
め、有効である。
【0049】(シリカ)シリカは、外面側の有機樹脂皮
膜に耐食性を付与するために配合される。用いられるシ
リカとしては、コロイダルシリカ(例えば、日産化学
(株)製スノーテックス−O、スノーテックス−N)、
オルガノシリカゾル(例えば、日産化学(株)製エチル
セロソルブシリカゾル)、シリカ粉末(例えば、アエロ
ジル(株)製気相シリカ粉末)、自己縮合によりシリカ
となる有機シリケート(例えば、エチルシリケート等を
酸触媒と併用して用いる)等が挙げられる。また、シリ
カの粒径は、シリカを均一に分散できる点で、5〜70
nmの範囲が好ましい。
【0050】シリカ含有有機樹脂皮膜中の耐食性を向上
させるためのシリカの配合量は、ベース樹脂100重量
部に対して5〜80重量部加えることが好ましく、さら
に好ましくは20〜60重量部である。5重量部未満で
は、耐食性が低下し、80重量部を超えるとシリカ含有
有機樹脂皮膜が脆弱になり、成形時に型かじりが生じて
プレス性が低下する。また、シリカは熱分解性が劣るた
め、抵抗溶接性が低下する。
【0051】また、ベース樹脂とシリカとの反応促進剤
としてシランカップリング剤を用いてもよい。用いられ
るシランカップリング剤として、γ−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。さら
に、ベース樹脂中に、反応促進剤、安定剤、分散剤等の
一般的な添加剤を、本発明の主旨を損なわない範囲で適
宜添加してもよい。
【0052】(ポリオレフィンワックス)本発明の燃料
タンク用鋼板において、外面に形成されるシリカ含有有
機樹脂皮膜に潤滑性を付与するため、ポリオレフィンワ
ックスが配合される。一般に、高速プレス成形等の摺動
部の発熱を伴う過酷なプレス成形条件下でも皮膜の剥離
が生じない、連続成形可能な高度の潤滑性を有する皮膜
を得るために、70℃程度以上の高いガラス転移温度を
有するベース樹脂成分を用いることが望ましい。ここ
で、摩擦係数が小さく、樹脂皮膜表面に突出する潤滑剤
を用いると、プレス加工時における金型との摩擦衝撃を
潤滑剤が吸収し、低いガラス転移温度を有するベース樹
脂成分を用いる場合と同程度の潤滑性を得ることができ
るため、有効である。すなわち、シリカ含有有機樹脂皮
膜の表面に突出する潤滑剤を用いることにより、40℃
程度まで低いガラス転移温度を用いても、所要の潤滑性
を得ることができるため、有効である。このシリカ含有
有機樹脂皮膜を有する鋼板は、プレス成形時にシリカ含
有有機樹脂皮膜の表面に突出した潤滑剤が金型との摩擦
を低減し、シリカ含有有機樹脂皮膜の損傷を防止し、工
業生産時の連続生産性の向上を図ることができる。
【0053】このポリオレフィンワックスは、平均粒径
が1〜7μmのものが好ましく、さらに好ましくは平均
粒径が2〜6μmのものである。平均粒径が1μm未満
の場合、シリカ含有有機樹脂皮膜から突出する潤滑剤の
量が少なく、十分なプレス加工性を得ることができな
い。また、平均粒径が7μmを超える場合、シリカ含有
有機樹脂皮膜が脆弱になりすぎ、皮膜の耐パウダリング
性が低下するため、プレス成形性が劣る。
【0054】用いられるポリオレフィンワックスは、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のオレフィ
ン系炭化水素の重合体からなるワックスであれば、いず
れのものでもよいし、これらを組み合わせて用いても良
い。
【0055】このポリオレフィンワックスは、融点が7
0〜150℃の範囲であれば、いずれのものを用いても
良い。また、低融点と高融点のものを組み合わせて用い
てもよく、こうすることにより、一層良好なプレス加工
性を得ることができる。融点が70℃未満のポリオレフ
ィンワックスを使用する場合、発熱を伴う過酷なプレス
条件下では、ワックス層の弾性率が著しく低下するた
め、潤滑性が低下し、プレス成形性が劣る。融点が15
0℃を超えるポリオレフィンワックスを使用する場合、
ワックスの軟化が不足し、ワックス層が強靭すぎるた
め、潤滑性が低下し、プレス成形性が劣る。
【0056】シリカ含有有機樹脂皮膜において、ポリオ
レフィンワックスの配合量は、ベース樹脂100重量部
に対して、1〜40重量部の割合となる量が好ましく、
さらに好ましくは5〜30重量部の割合となる量であ
る。40重量部を超えるとシリカ含有有機樹脂皮膜の皮
膜強度が低下し、潤滑性が低下する。1重量部未満では
潤滑性が不足する。
【0057】前記のベース樹脂、シリカおよびポリオレ
フィンワックス、ならびに必要に応じて添加される添加
剤を配合してなるシリカ含有有機樹脂皮膜を構成するシ
リカ含有有機樹脂は、ガラス転移温度は(Tg)が0〜
90℃であるものである。ガラス転移温度がこの範囲を
外れると、得られる燃料タンク用鋼板のプレス加工性が
悪く、プレス加工部の耐食性も悪くなる。
【0058】本発明の燃料タンク用鋼板において、シリ
カ含有有機樹脂皮膜の厚さは、片面で乾燥膜厚で0. 5
μm〜1. 5μmであることが好ましい。厚さが0. 5
μm未満では鋼板表面の凹凸をうめきれず、耐食性が低
下する。また1. 5μmを超えると耐食性は向上する
が、抵抗溶接性の低下が著しい。また金属ろうの濡れ性
が著しく劣り、ろう付け性も著しく低下する。
【0059】本発明の燃料タンク用鋼板において、内面
側の金属粉末含有有機樹脂皮膜は、前記のアミン変性エ
ポキシ樹脂を主体として、これに適量の有機溶剤あるい
は硬化剤、金属粉末さらにはその他一般的に使用される
添加成分を配合した塗料組成物として、塗布、乾燥して
形成せしめることができる。より具体的には、まず、環
流冷却器、撹拌装置、温度計および窒素ガス吹き込み装
置を付した反応装置に、エポキシ樹脂(油化シェルエポ
キシ(株)製、エピコート1007、エポキシ当量:2
000)2000g(エポキシ基1当量)、およびトル
エン1000gを加え、窒素置換の後に80℃まで昇温
し、均一溶液とする。次に、この溶液にジエタノールア
ミン52.5gを30分かけて滴下後、1時間反応させ
た。得られた複合体に、金属粉末、硬化剤、界面活性
剤、有機溶剤、その他必要に応じて添加される添加剤を
加えて混練し懸濁液を作る。用いる有機溶剤の量は、懸
濁液全体に対して60〜85重量%が好ましい。次に、
得られる懸濁液を、内面側のクロメート皮膜の上層にロ
ール塗装により必要な厚さに塗装し、乾燥後、板温15
0〜300℃の範囲で焼付ければ良い。
【0060】また、外面側のシリカ含有有機樹脂皮膜の
形成は、例えば、まず、環流冷却器、撹拌装置、温度計
および窒素ガス吹き込み装置を付した反応装置に、ポリ
ビニルブチラール樹脂(電気化学工業(株)製、デンカ
ブチラール#2000−L、平均重合度:300)のセ
ロソルブ溶液(固形分30%)200gを入れ、窒素置
換の後、充分に撹拌しながら、滴下ロートを通じてエチ
ルポリシリケート(エチルシリケート40、日本コルコ
ート化学(株)製z:重合度=4〜6、SiO 2 分40
%)100gを滴下する。次いで、オルトリン酸水溶液
30gを徐々に滴下し、しかるのちに混合物を90℃ま
で昇温し、還流下で4時間反応せしめ、ポリオレフィン
ワックスを添加し、無色透明の樹脂混合物または複合物
を得た。この樹脂混合物または複合物を、外面側のクロ
メート皮膜の上層に、ロール塗布、スプレー塗布、浸漬
塗布等の公知の通常の方法により所定の厚さとなるよう
に塗布し、通常、50〜180℃で、通常、3〜90秒
間乾燥させることによって行うことができる。
【0061】本発明の燃料タンク用鋼板は、内面および
外面には、プレス成形に際して、プレス加工の難易度に
応じて潤滑油を塗布してもよく、むしろ皮膜の損傷防止
の観点からは有効である。
【0062】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をよ
り具体的に説明する。
【0063】(実施例)各例において、板厚0.8mm
の冷廷鋼板(SPCC)を原板として、本発明の高耐食
性燃料タンク用鋼板および各種比較材を得た。製造に際
して、前処理(電解脱脂、電解酸洗)を行った後、Zn
またはZnを主成分とする金属めっき(下層)を行い、
さらにその上層にFe系めっきを施した。なお、使用し
ためっき鋼板の略称は以下に示した。 GA1:下層めっき・・合金化溶融亜鉛めっき(めっき中Fe10wt%) 上層めっき・・85wt%Fe−Znめっき GA2:下層めっき・・合金化溶融亜鉛めっき(めっき中Fe10wt%) 上層めっき・・Fe−0.1 wt%Znめっき GI1:下層めっき・・溶融亜鉛めっき 上層めっき・・85wt%Fe−Znめっき GF1:下層めっき・・5 wt%アルミ-95 wt%亜鉛めっき 上層めっき・・85wt%Fe−Znめっき GL1:下層めっき・・55wt%アルミ-45 wt%亜鉛めっき 上層めっき・・85wt%Fe−Znめっき
【0064】上記の各種めっき鋼板上に表1に示す組成
のクロメート皮膜、さらに内面側および外面側にそれぞ
れ樹脂皮膜を、ロールコート、乾燥、および焼付によっ
て形成し、燃料タンク用鋼板を得た。なお比較材とし
て、特公平3−25349号公報に記載の樹脂皮膜を各
種めっき鋼板上に塗布したもの、各種亜鉛系めっき鋼
板、ターンめっき鋼板、溶融アルミめっき鋼板を用い
た。表1に示すアルカノールアミン付加量は、エポキシ
樹脂中のエポキシ基1当量に対する量である。また、ク
ロメートは、内、外面ともに同一量を付着させた。表中
の値は、片面当たりの金属クロム換算量を示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】
【表7】
【0072】
【表8】
【0073】
【表9】
【0074】
【表10】
【0075】
【表11】
【0076】
【表12】
【0077】
【表13】
【0078】
【表14】
【0079】
【表15】
【0080】
【表16】
【0081】
【表17】
【0082】
【表18】
【0083】
【表19】
【0084】
【表20】
【0085】
【表21】
【0086】
【表22】
【0087】
【表23】
【0088】
【表24】
【0089】
【表25】
【0090】
【表26】
【0091】
【表27】
【0092】
【表28】
【0093】
【表29】
【0094】
【表30】
【0095】
【表31】
【0096】
【表32】
【0097】
【表33】
【0098】
【表34】
【0099】
【表35】
【0100】
【表36】
【0101】
【表37】
【0102】
【表38】
【0103】
【表39】
【0104】
【表40】
【0105】
【表41】
【0106】
【表42】
【0107】
【表43】
【0108】
【表44】
【0109】
【表45】
【0110】
【表46】
【0111】
【表47】
【0112】以上の本発明の高耐食性ガソリンタンク用
鋼板および比較例について、以下に示す評価法にしたが
って、プレス加工性、抵抗溶接性、外面酎食住、内面耐
食性、およびろう付け性の評価を行なった。結果を表2
に示す。 (A)プレス加工性評価法 (1)円筒成形試験による潤滑性評価 プレス条件:出光石油(株)製防錆油Z5を1g/m2
塗油して評価 ポンチ径と形状・・・33mmφ平底円筒 クリアランス・・・1mm プランクサイズ・・・種々変化 しわ押え荷重・・・2t 絞り速度・・・60mm/sec 上記のプレス条件で、鋼板の外側面をダイス側に内側面
をポンチ側にセットして、円筒成形し、各サンプルの限
界絞り比(絞り抜けたサンプルのダイス径/ポンチ径の
うち、最大の値)を求め、この値で潤滑性を評価した。
この値が大きなものほど成形性が良いことを示す。
【0113】(2)円筒成形試験による皮膜の耐パウダ
リング性評価 プレス条件:出光石油(株)製防錆油Z5を1g/m2
塗油して評価 ポンチ径と形状・・・33mmφ平底円筒 クリアランス・・・1mm プランクサイズ・・・66mm しわ押え荷重・・・2t 絞り速度・・・6 0mm/sec 上記のプレス条件で、円筒成形し、成形後の鋼板の外側
面の皮膜のパウダリングの程度を目視観察して評価し
た。評価基準は皮膜のパウダリングが目視で観察できな
いレベルを○、非常にパウダリング量が多い場合を×、
両者の中間を△とした。
【0114】(B)抵抗溶接性の評価 シーム溶接条件 電極・・・クロム−銅合金、台形電極(先端R:15m
mφ) 溶接方法・・・二重かさね、ラップシーム溶接 加圧力・・・400kg 通電時間・・・2サイクルon1サイクルoff 冷却・・・内部、外部水冷 溶接スピード・・・2. 5m/min 溶接電流・・・種々変化 上記の溶接条件下で、2枚の鋼板の内面同士を溶接して
試験片を作成した。この試験片を、Tピール引っ張り試
験にかけて母材破断の有無を調べ、またナゲットラップ
の程度から適正な溶接電流(kA)の範囲を求め、シー
ム溶接性を評価した。
【0115】(C)外面耐食性評価法 鋼板の外側面に、上塗り塗料(大日本塗料(株)製、エ
マロン)を乾燥膜厚10μmとなるように塗布し、12
0℃の炉中で20分間焼き付けた。その後、JASO
(塩水噴霧2時間→60℃、20〜30RH%乾燥4時
間→50℃、98RH%2時間)条件で、平面部は30
0サイクル、その他は100サイクルのCCT試験に供
し、平面部および平面部クロスカットの残留板厚(m
m)を測定し、さらに、上記の(A)(2)の条件でプ
レス成形した成形品の側壁部の残留板厚(mm)を測定
して、評価の指標とした。なお、試験前板厚は1.0m
mであった。
【0116】(D)内面耐食性評価法 平面部および(A)(2)の条件で成形した平底円筒カ
ップ内面について耐食性を評価した。平面部の耐食性の
評価は、無鉛ガソリン/500ppm蟻酸水溶液を1/
1(重量)の割合で混合して調製した燃料中に、20m
m×100mmの試験片を80mmの長さだけ浸漬し、
常温で1ケ月の浸漬試験を行った後、発錆度を面積率
(%)で評価した。平底円筒カップ内面の耐食性の評価
は、底面半径33mmφ、高さ30mmの円筒カップの
試験体を成形した。次に、前記の燃料を試験体の内容積
の80%まで投入し、常温で1ヶ月の浸漬を行った後、
カップ内面の発錆度を赤錆と白錆の合計の面積率(%)
で求めた。前記燃料は、静置すると、比重の順列から下
層に蟻酸水溶液、上層に無鉛ガソリンが分離するので、
それぞれの部位における赤錆および白錆の発生面積率で
評価した。
【0117】(E)ろう付け性 寸法が15mm×200mmの試験片を2枚準備し、外
面同士を15mm×15mmで重ね合わせ、その間にろ
う(石福金属興業(株)製IS−344(JIS規格
名:キングソルダー#101))およびフラックス(石
福金属興業(株)製イシフクフラックス#6)を使用
し、加熱時間を10秒一定としてガス加熱してろう付け
した。その後、剪断引っ張り試験を行い、母材破断する
場合を○、母材/ろう間で剥離する場合を×、両者の中
間を△とした。
【0118】(F)硬化度の測定 メチルエチルケトンを含浸させ、かつ500gの荷重を
かけたフェルト(10mm×5mm)で潤滑性有機樹脂
皮膜の表面をこすり、下地が露出するまでの往復回数を
測定し、下記の式で定義した硬化度を計算した。 硬化度(%)=(下地が露出するまでの往復回数/10
0)×100
【0119】
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】
【0127】
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
【0133】
【0134】
【0135】
【0136】
【0137】
【0138】
【0139】
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
【0144】
【0145】
【発明の効果】本発明のガソリンタンク用鋼板は、優れ
た耐食性、プレス加工性、抵抗溶接性、ろう付け性を有
するものであり、アルコールおよびアルコール混合ガソ
リン用鋼板として特に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望 月 一 雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 高 松 均 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 小 原 秀 雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板の両表面に、最下層としてZnまたは
    Znを主成分とする金属めっき層を有し、その両面の金
    属めっき層の上層にFe系めっき層を有し、さらにその
    両面のFe系めっき層の上層にクロメート皮膜を有し、
    一方の面のクロメート皮膜の上層に、Al金属粉末およ
    びNi金属粉末と、アミン変性エポキシ樹脂とを含む金
    属粉末含有有機樹脂皮膜を有し、他方の面のクロメート
    皮膜の上層に、水酸基、イソシアネート基、カルボキシ
    ル基、グリシジル基およびアミノ基から選ばれる少なく
    とも1種の官能基を有する樹脂、シリカおよびポリオレ
    フィンワックスを主成分とするシリカ含有有機樹脂皮膜
    を有する高耐食性燃料タンク用鋼板。
  2. 【請求項2】鋼板の両表面に、最下層としてZnまたは
    Znを主成分とする金属めっき層を有し、その両面の金
    属めっき層の上層にFe系めっき層を有し、さらにその
    両面のFe系めっき層の上層にクロメート皮膜を有し、
    一方の面のクロメート皮膜の上層に、Al金属粉末およ
    びNi金属粉末と、アミン変性エポキシ樹脂と、硬化剤
    とを含む金属粉末含有有機樹脂皮膜を有し、他方の面の
    クロメート皮膜の上層に、水酸基、イソシアネート基、
    カルボキシル基、グリシジル基およびアミノ基から選ば
    れる少なくとも1種の官能基を有する樹脂、シリカおよ
    びポリオレフィンワックスを主成分とするシリカ含有有
    機樹脂皮膜を有する高耐食性燃料タンク用鋼板。
  3. 【請求項3】前記金属粉末含有有機樹脂皮膜が、アミン
    変性エポキシ樹脂100重量部に対して、金属粉末30
    〜110重量部からなり、 Ni金属粉末/Al金属粉末の含有割合が80/20〜
    30/70(重量比)であり、Al金属粉末が長径8〜
    18μm、短径1〜10μm、厚さ1〜5μmの鱗片状
    であり、Ni金属粉末が粒径1〜9μmの粒状であり、 前記アミン変性エポキシ樹脂が、エポキシ樹脂中のエポ
    キシ基1当量に対し、0. 2〜1. 0モルのアルカノー
    ルアミンを付加してなる複合体樹脂であり、かつ重量平
    均分子量が5000〜50000の範囲であり、 前記金属粉末含有有機樹脂皮膜の厚さが2〜10μmで
    ある請求項1または2に記載の高耐食性燃料タンク用鋼
    板。
  4. 【請求項4】前記硬化剤が、アミン変性エポキシ樹脂と
    硬化反応し、アミン変性エポキシ樹脂100重量部に対
    して2〜20重量部であり、かつメチルエチルケトンを
    含浸させ、かつ500gの荷重をかけたフェルト(10
    mm×5mm)で金属粉末含有有機樹脂皮膜の表面をこ
    すり、下地が露出するまでの往復回数を測定し、下記の
    式で定義される硬化度が80%以上で 硬化度=(下地が露出するまでの往復回数/100)×
    100% である請求項2または3に記載の高耐食性燃料タンク用
    鋼板。
  5. 【請求項5】前記シリカ含有有機樹脂皮膜が、水酸基、
    イソシアネート基、カルボキシル基、グリシジル基およ
    びアミノ基から選ばれる少なくとも1種の官能基を有す
    る樹脂100重量部と、シリカ5〜80重量部と、軟化
    点が70〜150℃、かつ平均粒径が1〜7μmである
    ポリオレフィンワックス1〜40重量部とからなり、か
    つ該シリカ含有有機樹脂のガラス転移温度(Tg)が0
    〜90℃であり、シリカ含有有機樹脂皮膜の厚さが0.
    5〜1. 5μmである請求項1〜4のいずれかに記載の
    高耐食性燃料タンク用鋼板。
  6. 【請求項6】前記ZnまたはZnを主成分とする金属め
    っき層が、Zn−5wt%Al合金めっき、Zn−55
    wt%Al合金めっき、またはZnを主成分としAlと
    他の元素を含有する多元系めっきの内いずれかであり、
    ZnまたはZnを主成分とする金属めっき層の目付量が
    10〜200g/m2 である請求項1〜5のいずれかに
    記載の高耐食性燃料タンク用鋼板。
  7. 【請求項7】前記Fe系めっき層が、Fe−Znめっき
    またはFe−Pめっきであり、Fe系めっき層の目付量
    が3〜8g/m2 である請求項1〜6のいずれかに記載
    の高耐食性燃料タンク用鋼板。
  8. 【請求項8】前記クロメート皮膜のクロム付着量が、金
    属クロム換算で片面あたり5〜200mg/m2 である
    請求項1〜7のいずれかに記載の高耐食性燃料タンク用
    鋼板。
JP4665697A 1997-02-28 1997-02-28 高耐食性燃料タンク用鋼板 Withdrawn JPH10235786A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4665697A JPH10235786A (ja) 1997-02-28 1997-02-28 高耐食性燃料タンク用鋼板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4665697A JPH10235786A (ja) 1997-02-28 1997-02-28 高耐食性燃料タンク用鋼板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10235786A true JPH10235786A (ja) 1998-09-08

Family

ID=12753378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4665697A Withdrawn JPH10235786A (ja) 1997-02-28 1997-02-28 高耐食性燃料タンク用鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10235786A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100346857B1 (ko) 고내식성연료탱크용강판
JP3800928B2 (ja) 高耐食性燃料タンク用鋼板
KR100396084B1 (ko) 연료탱크용 표면처리강판 및 그 제조방법
JP2000239854A (ja) 高耐食性燃料タンク用鋼板
JP3389884B2 (ja) 燃料容器用表面処理鋼板とそのための塗料組成物
JP3847921B2 (ja) 高耐食性燃料タンク用鋼板
JP2007254796A (ja) 高耐食性燃料タンク用鋼板
KR100643355B1 (ko) 내식성 및 밀착성이 우수한 자동차 연료탱크강판 및 그제조방법
JPH10137681A (ja) 成形性の優れた高耐食性燃料タンク用鋼板
JPH10235786A (ja) 高耐食性燃料タンク用鋼板
JP3847926B2 (ja) 高耐食性燃料タンク用鋼板
JP3328578B2 (ja) 高耐食性燃料タンク用鋼板
JPH10278172A (ja) 高耐食性燃料タンク用鋼板
JP2001064486A (ja) 鋼板被覆用樹脂組成物および鋼板およびタンク
JP4419262B2 (ja) 高耐食性燃料タンク用鋼板
JPH10315382A (ja) 高耐食性燃料タンク用鋼板
JPH10235787A (ja) 高耐食性燃料タンク用鋼板
JP3934763B2 (ja) 高耐食性燃料タンク用鋼板
JPH10235785A (ja) 高耐食性燃料タンク用鋼板
JPH11151776A (ja) 高耐食性燃料タンク用鋼板
JPH10278173A (ja) 高耐食性燃料タンク用鋼板
JP2001279470A (ja) 高耐食性燃料タンク用鋼板
JPH10235789A (ja) 高耐食性燃料タンク用鋼板
MXPA98010414A (en) Steel plate for highly corrosion-resistant fuel tank
CN112877636A (zh) 具有优良耐蚀性的热镀铝钢板及其制造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040511