JPH10234326A - 新規な大豆加工食品 - Google Patents
新規な大豆加工食品Info
- Publication number
- JPH10234326A JPH10234326A JP9041788A JP4178897A JPH10234326A JP H10234326 A JPH10234326 A JP H10234326A JP 9041788 A JP9041788 A JP 9041788A JP 4178897 A JP4178897 A JP 4178897A JP H10234326 A JPH10234326 A JP H10234326A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- processed food
- hepatic
- soybean
- transferrase
- detoxyfication
- Prior art date
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 産業廃棄物等の環境汚染による慢性中毒に対
応するため、及び高齢化社会における薬物の安全性を高
めるための肝解毒機能増強物質を見いだす。 【解決手段】 生大豆にマイクロ波を照射することによ
り製造される、生に近い成分状態を保持した可食性の大
豆加工食品は、薬物代謝に関与するグルタチオンS-トラ
ンスフェラーゼ及びUDP−グルクロニルトランスフェ
ラーゼの活性増強作用を持ち有用な肝解毒機能増強食品
として期待される。
応するため、及び高齢化社会における薬物の安全性を高
めるための肝解毒機能増強物質を見いだす。 【解決手段】 生大豆にマイクロ波を照射することによ
り製造される、生に近い成分状態を保持した可食性の大
豆加工食品は、薬物代謝に関与するグルタチオンS-トラ
ンスフェラーゼ及びUDP−グルクロニルトランスフェ
ラーゼの活性増強作用を持ち有用な肝解毒機能増強食品
として期待される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、解毒機能増強作用
及び脂質低下作用を有する、生に近い成分状態を保持し
た可食性の大豆加工食品に関する。
及び脂質低下作用を有する、生に近い成分状態を保持し
た可食性の大豆加工食品に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】今日我々の生活してい
る環境には有毒物質が氾濫しており、常に中毒の危険に
さらされている。中毒の症状は年令や個人の体力等ある
いは対象臓器によりさまざまである。急性中毒時の解毒
剤としては、毒物の吸収、沈着を妨げる卵白、活性炭あ
るいは下剤、毒物を化学的に活性減弱させる酸化剤、中
和剤やキレート剤等が使われている。しかしながら、産
業廃棄物等の環境汚染による慢性中毒の場合には症状の
発現は極めて緩慢であり、有効な解毒剤はないといって
もよい。
る環境には有毒物質が氾濫しており、常に中毒の危険に
さらされている。中毒の症状は年令や個人の体力等ある
いは対象臓器によりさまざまである。急性中毒時の解毒
剤としては、毒物の吸収、沈着を妨げる卵白、活性炭あ
るいは下剤、毒物を化学的に活性減弱させる酸化剤、中
和剤やキレート剤等が使われている。しかしながら、産
業廃棄物等の環境汚染による慢性中毒の場合には症状の
発現は極めて緩慢であり、有効な解毒剤はないといって
もよい。
【0003】生体内に侵入した毒性物質の多くは、主と
して肝臓で酸化、還元、加水分解をうけた後、抱合体に
代謝されて排泄される。この代謝において、グルタチオ
ンS-トランスフェラーゼ(GST)は内因性のグルタチ
オン( GSH)が、UDP−グルクロニルトランスフェ
ラーゼはグルクロン酸が毒性物質と抱合するのを触媒
し、これにより蛋白質や核酸のような生体にとって重要
な物質を保護することが知られている。
して肝臓で酸化、還元、加水分解をうけた後、抱合体に
代謝されて排泄される。この代謝において、グルタチオ
ンS-トランスフェラーゼ(GST)は内因性のグルタチ
オン( GSH)が、UDP−グルクロニルトランスフェ
ラーゼはグルクロン酸が毒性物質と抱合するのを触媒
し、これにより蛋白質や核酸のような生体にとって重要
な物質を保護することが知られている。
【0004】薬物代謝のほか、多くの工場廃棄有機物が
GST系を介して解毒される。この解毒機能を安全に増
強することは、産業汚染地域に働く人々の健康保全の面
で重要であるばかりでなく、高齢化社会において服用す
る機会の増す薬物の安全性を増すことにもつながる。
GST系を介して解毒される。この解毒機能を安全に増
強することは、産業汚染地域に働く人々の健康保全の面
で重要であるばかりでなく、高齢化社会において服用す
る機会の増す薬物の安全性を増すことにもつながる。
【0005】大豆は、良質の植物性蛋白質やリノール酸
等の必須脂肪酸を多く含む極めて栄養価の高い食品とし
て知られている。しかし、生の大豆は青臭く、しかも苦
み、渋み等があるため、煮豆、豆腐、味噌、醤油等のよ
うなある種の処理を施し、本来の性質を変えた食品とし
て利用されている。
等の必須脂肪酸を多く含む極めて栄養価の高い食品とし
て知られている。しかし、生の大豆は青臭く、しかも苦
み、渋み等があるため、煮豆、豆腐、味噌、醤油等のよ
うなある種の処理を施し、本来の性質を変えた食品とし
て利用されている。
【0006】生大豆には、抗酸化能を持つビタミンE
類、サポニン、イソフラボン等が含まれ、大豆中のトリ
プシンインヒビターは膵臓の肥大、成長抑制を引き起こ
すこと及び癌抑制因子になり得ることが示唆されている
(NAKAMURA,M.et al:CancerLetter,69,85-91,199
3)。
類、サポニン、イソフラボン等が含まれ、大豆中のトリ
プシンインヒビターは膵臓の肥大、成長抑制を引き起こ
すこと及び癌抑制因子になり得ることが示唆されている
(NAKAMURA,M.et al:CancerLetter,69,85-91,199
3)。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、生に近い成
分状態を保持した可食性の大豆加工食品の研究途上にお
いて、従来知られていなかったGST活性を増強する作
用の有ることを見出し発明を完成した。
分状態を保持した可食性の大豆加工食品の研究途上にお
いて、従来知られていなかったGST活性を増強する作
用の有ることを見出し発明を完成した。
【0008】本発明の大豆加工食品は、例えば、生大豆
にマイクロ波を照射することにより製造され(特願平7
−23442号)、そのまま又は粉砕物としてさまざま
な惣菜、菓子等へ混ぜ込んで使用するほか、粉末にして
適当な賦形剤、添加剤等を加えて錠剤、散剤、顆粒剤と
して摂取することもできる。本発明によれば、 大豆加
工食品の摂食により、肝GST活性の有意な上昇が得ら
れる。
にマイクロ波を照射することにより製造され(特願平7
−23442号)、そのまま又は粉砕物としてさまざま
な惣菜、菓子等へ混ぜ込んで使用するほか、粉末にして
適当な賦形剤、添加剤等を加えて錠剤、散剤、顆粒剤と
して摂取することもできる。本発明によれば、 大豆加
工食品の摂食により、肝GST活性の有意な上昇が得ら
れる。
【0009】
【実施例】次に、実施例によって本発明をより具体的に
説明する。
説明する。
【0010】[製造例]市販の国産大豆100gに電子
レンジ(シャープ株式会社製RE−B1)を用いて発振
周波数2450MHzのマイクロ波を15分間平均出力
300W相当照射して水分含量4.9%の大豆加工物を
得た。得られた大豆加工物を錠剤粉砕器で粉砕後、大豆
加工粉末とした。
レンジ(シャープ株式会社製RE−B1)を用いて発振
周波数2450MHzのマイクロ波を15分間平均出力
300W相当照射して水分含量4.9%の大豆加工物を
得た。得られた大豆加工物を錠剤粉砕器で粉砕後、大豆
加工粉末とした。
【0011】大豆加工粉末のトリプシン阻害活性を、原
料大豆粉砕物、生の枝豆粉砕物、市販黄粉のトリプシン
阻害活性と比較した(表1)。
料大豆粉砕物、生の枝豆粉砕物、市販黄粉のトリプシン
阻害活性と比較した(表1)。
【0012】
【表1】
【0013】大豆加工粉末は生の原料大豆が有している
高いトリプシン阻害活性を保持していた。
高いトリプシン阻害活性を保持していた。
【0014】[実施例1]大豆加工粉末1950gとヒ
ドロキシプロピルセルロース40gとを混合攪拌機中で
10分間混合した後、精製水を加えて練合し、温風乾燥
した。これをオシレーター(菊水製造所製)で整粒し、
960gの顆粒を得た。
ドロキシプロピルセルロース40gとを混合攪拌機中で
10分間混合した後、精製水を加えて練合し、温風乾燥
した。これをオシレーター(菊水製造所製)で整粒し、
960gの顆粒を得た。
【0015】[実施例2]Wistar系雄性ラット(3週
齢)を4群にわけ、第1群は正常飼料、第2群は大豆加
工粉末10%含有飼料、第3群は大豆加工粉末20%含
有飼料、第4群は大豆加工粉末50%含有飼料で4週間
飼育した。脱血死させた後、肝サイトゾ−ル(cytosol)
を作成し、GST活性を3種類の基質1,2-dichloro-4-n
itrobenzene(DCNB) 、1-chloro-2,4-dinitrobenzene(CD
NB)、trans-4-phenyl-3-buten-2-one(TPBO)を用いてハ
ービッヒらの方法(Habig,W.H.et al:J.B.C.249,7130-
7139(1974))で測定した。UDP−グルクロニルトラン
スフェラーゼ活性は松井らの方法(Matsui,M et al:Bio
chemical J.204,441-447(1982))で測定した。又、脂質
代謝に関連して、血清中のトリグリセライド及び総コレ
ステロールを測定した。
齢)を4群にわけ、第1群は正常飼料、第2群は大豆加
工粉末10%含有飼料、第3群は大豆加工粉末20%含
有飼料、第4群は大豆加工粉末50%含有飼料で4週間
飼育した。脱血死させた後、肝サイトゾ−ル(cytosol)
を作成し、GST活性を3種類の基質1,2-dichloro-4-n
itrobenzene(DCNB) 、1-chloro-2,4-dinitrobenzene(CD
NB)、trans-4-phenyl-3-buten-2-one(TPBO)を用いてハ
ービッヒらの方法(Habig,W.H.et al:J.B.C.249,7130-
7139(1974))で測定した。UDP−グルクロニルトラン
スフェラーゼ活性は松井らの方法(Matsui,M et al:Bio
chemical J.204,441-447(1982))で測定した。又、脂質
代謝に関連して、血清中のトリグリセライド及び総コレ
ステロールを測定した。
【0016】結果を表2及び表3に示す。
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】飼料中の大豆加工粉末含有量の増加に伴っ
てGST及びUDP−グルクロニルトランスフェラーゼ
活性が上昇した。
てGST及びUDP−グルクロニルトランスフェラーゼ
活性が上昇した。
【0020】又、飼料中の大豆加工粉末含有量の増加に
伴って血清中のトリグリセライド及び総コレステロール
の値の低下が認められた。
伴って血清中のトリグリセライド及び総コレステロール
の値の低下が認められた。
【0021】
【発明の効果】生に近い成分状態を保持している大豆加
工食品は、肝GSTやUDP−グルクロニルトランスフ
ェラーゼ活性増強作用を持つことから、同酵素系を介し
て解毒される多くの薬物の安全性を高めるのみならず、
無数の産業化学汚染物質の毒性を軽減し、その慢性・急
性中毒の防止、症状の軽減に効果が期待される。又、同
時に血清中のトリグリセライド及び総コレステロール値
を下げる効果が認められたことから、本発明の大豆加工
食品を摂取しても、肥満にはなりにくい。
工食品は、肝GSTやUDP−グルクロニルトランスフ
ェラーゼ活性増強作用を持つことから、同酵素系を介し
て解毒される多くの薬物の安全性を高めるのみならず、
無数の産業化学汚染物質の毒性を軽減し、その慢性・急
性中毒の防止、症状の軽減に効果が期待される。又、同
時に血清中のトリグリセライド及び総コレステロール値
を下げる効果が認められたことから、本発明の大豆加工
食品を摂取しても、肥満にはなりにくい。
フロントページの続き (72)発明者 岩間 昌彦 神奈川県川崎市多摩区堰2丁目1番32− 103号ホーユーパレス多摩川 (72)発明者 岩崎 昌江 千葉県市川市湊新田6番18号 (72)発明者 金子 千里 東京都世田谷区桜上水3丁目17番6号エス テートピア桜101
Claims (3)
- 【請求項1】 肝解毒機能増強作用を有する大豆加工
食品 - 【請求項2】 脂質低下作用も有している請求項1記
載の大豆加工食品 - 【請求項3】 蛋白分解酵素阻害物質を含有している
請求項1および2記載の大豆加工食品
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9041788A JPH10234326A (ja) | 1997-02-26 | 1997-02-26 | 新規な大豆加工食品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9041788A JPH10234326A (ja) | 1997-02-26 | 1997-02-26 | 新規な大豆加工食品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10234326A true JPH10234326A (ja) | 1998-09-08 |
Family
ID=12618096
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9041788A Pending JPH10234326A (ja) | 1997-02-26 | 1997-02-26 | 新規な大豆加工食品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10234326A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2008023608A1 (ja) * | 2006-08-21 | 2010-01-07 | カルピス株式会社 | 脂質代謝改善剤 |
-
1997
- 1997-02-26 JP JP9041788A patent/JPH10234326A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2008023608A1 (ja) * | 2006-08-21 | 2010-01-07 | カルピス株式会社 | 脂質代謝改善剤 |
JP5113057B2 (ja) * | 2006-08-21 | 2013-01-09 | カルピス株式会社 | 脂質代謝改善剤 |
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