JPH10233231A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

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JPH10233231A
JPH10233231A JP9328372A JP32837297A JPH10233231A JP H10233231 A JPH10233231 A JP H10233231A JP 9328372 A JP9328372 A JP 9328372A JP 32837297 A JP32837297 A JP 32837297A JP H10233231 A JPH10233231 A JP H10233231A
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JP
Japan
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solvent
secondary battery
aqueous electrolyte
electrolyte secondary
battery
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JP9328372A
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English (en)
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Toru Kihira
徹 紀平
Kenichi Takahashi
賢一 高橋
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 負極材料に黒鉛系炭素質材料を用いた場合に
おいても、充放電が可能であり、かつ低温特性に優れた
非水電解液二次電池を提供する。 【解決手段】 黒鉛系炭素質材料からなる負極と、軽金
属イオンをドープ・脱ドープ可能な材料からなる負極
と、非水溶媒に電解質を溶解してなる非水電解液とを備
えた非水電解液二次電池において、前記非水溶媒が4−
(1−プロペニルオキシメチル)−1,3−ジオキソラ
ン−2−オンを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、黒鉛系炭素質材料
からなる負極と、軽金属イオンをドープ・脱ドープ可能
な材料からなる正極と、非水電解液とを備えた非水電解
液二次電池に関するものであり、特に非水電解液の改良
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子技術の進歩に伴い、カメラ一体型ビ
デオテープレコーダ、携帯電話、ラップトップコンピュ
ーター等の小型のポータブル電子機器が開発され、これ
らに使用するためのポータブル電源として小型で軽量で
且つ高いエネルギー密度の二次電池の開発が強く要請さ
れている。
【0003】このような要請に応える二次電池として、
リチウム、ナトリウム、アルミニウム等の軽金属イオン
を介在させてエネルギーを取り出す非水電解液二次電池
が、ニッケル・カドミウム電池や鉛蓄電池等に比べて高
エネルギー密度を達成できるという点から、近年盛んに
研究されている。
【0004】しかし、軽金属、例えば金属リチウムをそ
のまま非水電解液二次電池の負極として用いた場合に
は、金属リチウムが負極表面上に必ずしも均一に析出せ
ず、樹状に析出することがある。このような析出物(デ
ンドライト)がいったん形成され始めると、充放電の繰
り返しにより徐々に成長し、最終的には正極に達して内
部に短絡を生じさせることも懸念される。
【0005】そこで、そのような軽金属のデンドライト
の形成を防止するために、非水電解液二次電池の負極と
して、軽金属をそのまま使用するのではなく、軽金属イ
オンをドープ・脱ドープ可能な材料中にドープしたもの
を使用することが提案されている。リチウムイオンをド
ープ・脱ドープ可能な負極材料としては、天然黒鉛、人
造黒鉛、難黒鉛化炭素材料等の炭素質材料が挙げられ
る。
【0006】このような負極を使用する非水電解液二次
電池においては、軽金属が金属状態で存在しないために
デンドライトの形成が抑制され、したがって、その安全
性と信頼性が大きく向上する。特に、天然黒鉛や人造黒
鉛のような黒鉛系炭素材料を用いた非水電解液二次電池
は、単位体積当たりに吸蔵出来るリチウムイオンの量が
多く、高エネルギー密度を有する二次電池として注目さ
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような黒鉛系炭素質材料を負極に使用した場合には、
プロピレンカーボネートを高誘電率溶媒とする非水電解
液を使用すると、充電時に電解液の分解が起こり、リチ
ウムイオンのドープが不可能となる。このために、黒鉛
系炭素質材料を負極に使用した場合には、エチレンカー
ボネートを高誘電率溶媒とする非水電解液を使用してい
る。
【0008】ところが、エチレンカーボネートは、融点
が36.4℃と高く、室温(20℃)において固体であ
る。そのために、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、メチルエチルカーボネート等の少なくとも1
種の低粘度溶媒とを混合させた混合溶媒として、常温で
も使用できるようにしている。しかし、もともとエチレ
ンカーボネートが高融点であるため、これらの混合溶媒
においても低温特性が劣るという欠点を有していた。
【0009】本発明は、上述のような問題点を解決しよ
うとするものであり、負極材料に黒鉛系炭素質材料を用
いた場合においても、充放電が可能であり、低温特性に
優れた非水電解液二次電池を提供することを目的とする
ものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、非水電解
液の高誘電率溶媒の少なくとも1つに4−(1−プロペ
ニルオキシメチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン
を使用することによって、負極に黒鉛系炭素質材料を使
用した場合にも充電が可能となることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明に係る非水電解液二次電
池は、黒鉛系炭素質材料を含有する負極と、軽金属イオ
ンをドープ・脱ドープ可能な材料を含有する正極と、非
水溶媒に電解質を溶解してなる非水電解液とを備えた非
水電解液二次電池において、前記非水溶媒が化2にて示
される4−(1−プロペニルオキシメチル)−1,3−
ジオキソラン−2−オンを含有することを特徴とする。
【0012】
【化2】
【0013】このように、本発明に係る非水電解液二次
電池においては、非水溶媒として、4−(1−プロペニ
ルオキシメチル)−1,3−ジオキソラン−2−オンを
使用することにより、負極に黒鉛系炭素質材料を使用し
た場合においても充放電が可能となり、優れた低温特性
を実現する。
【0014】また、上記非水溶媒は、より優れた低温特
性を発揮するために、低粘度溶媒との混合溶媒であるこ
とが好ましい。
【0015】さらに、本発明において、上記正極として
は、LixMO2(但し、Mは遷移金属であり、xは0.
05≦x≦1.10を満足する。)が好適に用いられ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る非水電解液二
次電池の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0017】本発明に係る非水電解液二次電池は、黒鉛
系炭素質材料からなる負極と、軽金属イオンをドープ・
脱ドープ可能な材料からなる正極と、非水溶媒に電解質
を溶解してなる非水電解液とを備えてなる。そして、上
記非水溶媒が、高誘電率溶媒の少なくとも1成分とし
て、下記の化3にて示される4−(1−プロペニルオキ
シメチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン(以下、
PpPCE(慣用名プロペニル−プロピレンカーボネー
ト−エーテル)と称する。)を含有することを特徴とす
る。
【0018】
【化3】
【0019】この化3で示されるPpPCEは、従来の
非水電解液と同様に、低温特性等の改善のために、他の
1つ以上の低粘度溶媒と混合して使用することが好まし
い。この低粘度溶媒としては、1,2−ジメトキシエタ
ン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチルカーボネ
イト(以下、DECと称す。)、ジメチルカーボネート
(以下、DMCと称す。)、メチルエチルカーボネート
等を好ましく使用することができる。
【0020】また、ここでは、高誘電率溶媒として、P
pPCEとこれ以外の高誘電率溶媒とを混合して使用す
ることにより、単独溶媒系よりも高い電気伝導度を得る
こともできる。この高誘電率溶媒としては、プロピレン
カーボネート(以下、PCと称す)、エチレンカーボネ
ート(以下、ECと称す。)等を好ましく使用すること
ができる。
【0021】中でも、ECもしくはPCと、DMCもし
くはDECとの混合溶媒を好ましく使用することができ
る。
【0022】その他にも、テトラヒドロフラン、1,3
−ジオキソラン、スルホラン、3−メチルスルホラン、
t−ブチルエーテル、イソブチルエーテル、1,2−エ
トキシメトキシエタン、酢酸エステル、プロピオン酸エ
ステル、メチルジグライム、メチルテトラグライム、エ
チルグライム、エチルジグライム等を使用することがで
きる。
【0023】PpPCEと他の溶媒を混合する場合、導
電率と充放電性能の点から、PpPCEの含有量は非水
溶媒全量に対する体積比で1%〜40%とするのが望ま
しい。PpPCEの含有量がこの範囲から外れる場合に
は充放電性能が損なわれる虞れがある。
【0024】また、以上のような非水溶媒に溶解させる
支持電解質としては、従来の非水電解液に用いられてい
るものを使用することができる。例えば、リチウム塩電
解質としては、LiClO4、LiAsF6、LiP
6 、LiBF4、LiCl、LiBr、LiSO3CH
3、LiSO3CF3、CH3COOLi、LiN(CF3
SO22、LiC(CF3SO23等が挙げられる。こ
れらは、単独でも2種類以上混合しても用いることがで
きる。
【0025】つぎに、負極に使用する黒鉛系炭素質材料
としては、X線回折分析により観察される(002)面
の面間隔dが0.34nm以下であるような炭素質材料
を使用することができる。そのような炭素質材料には、
元来採掘時により上記条件を満たしている天然黒鉛や、
ピッチコークス、芳香族化合物等の種々の炭素前駆体を
2600℃以上の高温で焼成することにより得られる人
造黒鉛がある。
【0026】なお、2600℃以上の高温で焼成を行っ
ても、(002)面の面間隔dが0.34nm以下とな
らない難黒鉛化炭素質材料では、融点の低いプロピレン
カーボネートを高誘電率溶媒とする非水電解液を使用す
ることが出来る。但し、ここで、代わりに本発明の非水
電解液を使用することは、炭素質材料の特性を引き出す
のに何ら支障がない。
【0027】また、ここで、負極を作製する際に使用す
るバインダー樹脂としては、従来よりバインダー樹脂と
して用いられているものを使用することができる。例え
ば、バインダー樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン
(以下、PVdFと称する。)やポリテトラフルオロエ
チレン等を好ましく使用することができる。なお、炭素
質材料とバインダー樹脂との混合割合については、負極
の形状などに応じて適宜選択することができる。
【0028】また、バインダー樹脂溶解用溶剤として
は、上述したようなバインダー樹脂を溶解することがで
きる種々の極性溶媒を使用することができる。例えば、
溶剤としては、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、
DMFと称する)、ジメチルアセトアミド、メチルホル
ムアミド、N−メチルピロリドン(以下、NMPと称
す。)等を使用することができる。特に、フッ素系樹脂
としてポリフッ化ビニリデンを使用した場合には、NM
Pを好ましく使用することができる。
【0029】ここで、正極に使用する活物質としては、
リチウム等のアルカリ金属またはアルミニウム等の軽金
属イオンをドープ・脱ドープ可能な材料が用いられる。
この正極活物質としては、目的とする電池の種類に応じ
て、軽金属そのものを使用することができるが、金属酸
化物、金属硫化物あるいはポリマー等を使用することが
できる。
【0030】ここで、例えば、非水電解液リチウムイオ
ン二次電池を構成する場合には、正極活物質として、T
iS2、MoS2、NbSe2、V25等のリチウムを含
有しない金属硫化物や金属酸化物を使用することができ
る。また、LixMO2(但し、Mは、遷移金属、好まし
くはCo、ニッケル及びMnの少なくとも1種であり、
xは0.05≦x≦1.10を満足するものである。)
で表されるリチウム複合酸化物を好ましく使用すること
ができる。ここで、式中xは、充放電状態により0.0
5≦x≦1.10の範囲内で変化する。このようなリチ
ウム複合酸化物の具体例としては、LiCoO2、Li
NiO2、LiNiyCo1ーy2(但し、yは0<y<1
を満足する。)が挙げられる。また、遷移金属MがMn
である場合には、LixMn24、LixMnO2のいず
れも使用することができる。
【0031】このようなリチウム複合酸化物は、例え
ば、リチウム及び遷移金属Mのそれぞれの塩、例えば炭
酸塩、硝酸塩、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物等を原
料として製造することができる。例えば、所望の組成に
応じてリチウム塩原料及び遷移金属M塩原料をそれぞれ
計量し、十分に混合した後に酸素存在雰囲気下600〜
1000℃の温度範囲で加熱焼成することにより製造す
ることができる。この場合、各成分の混合方法は、特に
限定されるものではなく、粉体状の塩類をそのまま乾式
の状態で混合してもよく、あるいは粉体状の塩類を水に
溶解して水溶液の状態で混合してもよい。
【0032】また、このような正極活物質から正極を作
製する場合には、正極活物質の粉体と公知のバインダー
樹脂(例えば、PVdF)と導電剤(例えば、グラファ
イト)とを用いて常法に従って作製することができる。
【0033】なお、非水電解液二次電池の他の構成、例
えば、セパレータ、電池缶、あるいは電池形状等につい
ても従来の非水電解液二次電池と同様にすることができ
る。
【0034】また、非水電解液二次電池の製造方法につ
いても、負極を黒鉛系炭素質材料から形成する以外は、
従来の非水電解液二次電池の場合と同様にすることがで
きる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実験結果を基に具体的に説明
する。
【0036】実施例1及び比較例1、比較例2では、図
1に示されるコイン型のテストセルを作製し、その充放
電容量を調べた。
【0037】実施例1 先ず、始めに電極1を次のようにして作製した。ピッチ
コークスを2800℃で焼成して得られた黒鉛系炭素質
材料90重量部と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)
10重量部とを、溶剤N,N−ジメチルホルムアミド
(DMF)中で十分に混合分散した後、減圧雰囲気下で
溶剤DMFを揮発させた。得られた乾固物を粉砕し、1
00μm以内に分級した。この分級した乾固物を35m
g計量し、面積2cm2のステンレス製の集電体に4t
/cm2の圧力で圧着することにより、厚さ0.2mm
のペレット状の電極1を得た。そして、この電極1を電
池缶3に収納した。
【0038】また、リチウム金属をディスク状に成形す
ることで、これを対極4とし、この対極4を電池缶5に
収納した。
【0039】次に、上記電極1と上記対極4とをセパレ
ータ6を介して積層し、余分な空間を埋めるためにスペ
ーサ2を配設し、電解液を注入した。そして、電池缶
3、5とを封口ガスケット7を介してかしめることで、
図1に示すコイン形リチウム電池を作製した。
【0040】なお、この時、使用した非水電解液は、下
記の化4にて示される4−(1−プロペニルオキシメチ
ル)−1,3−ジオキソラン−2−オン、すなわち、慣
用名プロペニル−プロピレンカーボネート−エーテル
(PpPCE)とジメチルカーボネート(DMC)との
容量比が3:7の混合溶媒中にLiPF6を1mol/
lで溶解させたものである。
【0041】
【化4】
【0042】比較例1 非水電解液として、エチレンカーボネート(EC)とジ
メチルカーボネート(DMC)との容量比が3:7の混
合溶媒中にLiPF6を1mol/lで溶解させたもの
を用いた。これ以外は、実施例1と同様にして、図1に
て示されるコイン型テストセルを作製した。
【0043】比較例2 非水電解液として、プロピレンカーボネートカーボネー
ト(PC)とジメチルカーボネート(DMC)との容量
比が3:7の混合溶媒中にLiPF6を1mol/lで
溶解させたものを用いた。これ以外は、実施例1と同様
にして、図1にて示されるコイン型テストセルを作製し
た。
【0044】評価 実施例1及び比較例1、比較例2により得られたコイン
型テストセルについて、常温(25℃)において500
μA(電流密度:0.27mA/cm2)の定電流で1
時間の通電(充電)と2時間の休止とを繰り返し、各休
止時の休止時間のマイナス0.5乗に対して電圧を図
(図示せず)にプロットし、無限時間に外掃することに
より、平衡電位を見積もった(断続充電法)。そして、
平衡電位が3mVになった時点で充電を終了させた。
【0045】次に、常温(25℃)において500μA
(電流密度:0.27mA/cm2)の定電流で1時間
の通電(放電)と2時間の休止とを繰り返し、各通電状
態でテストセル電圧が1.5Vを下回った時点で放電を
終了させた。
【0046】そして、充放電ともに、通電した電気量を
負極内の炭素重量で除し、これにより得られた数値を充
電容量及び放電容量とした。なお、見積もられた充放電
(負極)容量は、平衡電位を基準としているので、黒鉛
系炭素材料固有の特性を反映したものとなる。
【0047】その結果を表1に示す。また、実施例1の
コイン型テストセルの充放電容量と電位との関係(電位
曲線)を図2に示し、比較例1のコイン型テストセルの
充放電容量と電位との関係を図3に示し、比較例2のコ
イン型テストセルの充放電容量と電位との関係を図4に
示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1及び図2〜図4の結果から、実施例1
及び従来の比較例1のコイン型テストセルでは、ほぼ同
等の負極容量が得られ、負極に黒鉛系炭素質材料を用い
た場合にも、充放電が支障なく行えることがわかった。
【0050】それに対し、比較例2のコイン型テストセ
ルでは、高誘電率溶媒としてPCを単独で用いているた
め、充電過程で電位が0.8〜0.9Vに推移し、ガス
発生を伴う電解液の分解によって充電できなかった。
【0051】PpPCEの添加量についての実験例 非水電解液の溶媒に混合するPpPCEの体積比を、5
0%、40%、20%、10%、5%、3%、1%、0
%と変えたこと以外は実施例1と同様にして図1に示さ
れるコイン型テストセルを作製した。
【0052】作製したコイン型テストセルについて上述
と同様にして充放電を行い、充放電容量と電位の関係を
調べた。代表例としてPpPCEが0%の場合を図5に
示し、PpPCEが1%の場合を図6に示し、PpPC
Eが40%の場合を図7に示し、PpPCEが50%の
場合を図8にそれぞれ示す。但し、図5は充電放電時の
電流値を100μAに変えて測定した電位曲線である。
【0053】図8に示すようにPpPCEの体積比を5
0%としたテストセルでは、初回の充電容量が424m
Ah/gと大きくなるが、放電容量が306mAh/g
と小さく、充放電効率が低い。これに対してPpPCE
の体積比を40%以下としたテストセルは、図6,図7
に示すように実施例1のテストセルとほぼ同じ形状の電
位曲線が得られ、充放電効率も同等であった。また、図
示していないがPpPCEの体積比を20%,10%,
5%,3%とした場合にも実施例1や図6,図7とほぼ
同じ形状の電位曲線が得られた。
【0054】一方、図5に示すようにPpPCEの体積
比を0%としたテストセル、すなわちDMCを単独で使
用したテストセルでは100μAの低い電流値では充放
電が可能である。しかし、電流値を500μAに上げる
と分極が大きくなり、充放電が進まない状態で端子間電
圧が規定値に到達し、十分に充電を行うことができない
(なお、電流値を500μAにした場合には充電開始直
後に充電が終了してしまうため電位曲線は図示せず)。
これに対して、PpPCEの体積比を1%としたテスト
セルでは電流値を500μAとしても正常な充放電が可
能である。
【0055】以上の結果から溶媒中に含有させるPpP
CEの体積比は1%〜40%とするのが良いことがわか
った。
【0056】次に、実施例2及び比較例3では、図9で
示される円筒型テストセルを作製し、低温特性を調べ
た。
【0057】実施例2 先ず、始めに負極を次のようにして作製した。ピッチコ
ークスを2800℃で焼成して得られた黒鉛系炭素質材
料90重量部と、PVdF10重量部とを、溶剤NMP
中で十分に混合分散した後、厚さ10μmの銅箔からな
る集電体に厚さ約80〜90μmとなるように塗布し
た。そして、減圧雰囲気下で溶剤NMPを揮発させた
後、これを4t/cm2の圧力でプレスを施した。この
ようにして得られた電極を所定の幅、長さに裁断し、所
望の負極電極11を得た。
【0058】同様に、LiCoO291重量部とPVd
F3重量部に、導電剤として人造黒鉛(商品名:KS−
15、ロンザ社製)6重量部を混ぜ、溶剤NMP中で十
分に混合分散した後、厚さ20μmのAl箔からなる集
電体に厚さ約80〜90μmとなるように塗布した。そ
して、減圧雰囲気下で溶剤NMPを揮発させた後、これ
を4t/cm2の圧力でプレスを施した。このようにし
て得られた電極を所定の幅、長さに裁断し、所望の正極
電極12を得た。
【0059】次に、上記負極11と上記正極12とをセ
パレータ13を介して巻回し、この渦巻式電極体を電池
缶14内に収納し、上下に絶縁板15を配した。そし
て、負極リード16を負極集電体から導出して電池缶1
4に溶接し、正極リード17を正極集電体から導出して
安全弁ケース18に溶接した。
【0060】次に、この電池缶14内に実施例1と同
様、PpPCEとDMCとの容量比が3:7の混合溶媒
中にLiPF6を1mol/lで溶解させた非水電解液
を注液した。そして、ガスケット19を介して安全弁ケ
ース18と電池蓋20とを電池缶14に取り付け、図9
に示される円筒型テストセルを作製した。
【0061】比較例3 非水電解液として、比較例1と同様、ECとDMCとの
容量比が3:7の混合溶媒中にLiPF6を1mol/
lで溶解させたものを用いた。これ以外は、実施例2と
同様にして、図9にて示される円筒型テストセルを作製
した。
【0062】評価 実施例2及び比較例3により得られた円筒型テストセル
について、常温(25℃)において0.2Aの定電流で
充電を行い、端子間電圧が4.2Vに達した後、4.2
Vの定電圧にて充電を行った。充電時間は、定電流・定
電圧の合計で7時間とした。
【0063】次に、実施例2及び比較例3の円筒型テス
トセルを、それぞれ0℃、−10℃、−20℃の各試験
温度に保った恒温槽内に設置し、0.7mAの定電流で
放電を行った。放電は、テストセル電圧が2.5Vを下
回った時点で終了させた。
【0064】これにより、通電電流を通電時間で積分し
て放電容量を算出した。そして、実施例2及び比較例3
のコイン型テストセルにおいて、常温(25℃)での放
電容量に対する各試験温度での放電容量を容量維持率と
して算出した。その結果を図10に示す。
【0065】図10の結果から、容量維持率は、常温及
び0℃の試験温度において実施例2及び比較例3との間
でほとんど差がない。しかし、−10℃以下の試験温度
となると、実施例3では低下の程度が小さく抑えられて
いるのに対し、比較例3では顕著に容量が低下している
ことがわかる。このことから、高誘電率溶媒にPpPC
Eを用いた実施例3の円筒型テストセルは、従来のEC
を用いた比較例2の円筒型セルに比べて、低温特性に優
れていることがわかる。
【0066】以上の結果から、非水電解液の高誘電率溶
媒として、4−(1−プロペニルオキシ)−1,3−ジ
オキソラン−2−オン(PpPCE)を用いることによ
り、電解液を分解させることなく充放電可能ならしめる
とともに、低温特性に優れた非水電解液二次電池を得ら
れることがわかる。
【0067】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、黒鉛炭素質材料からなる負極を用いた場合
においても、電解液を分解させることなく、軽金属イオ
ンのドープ・脱ドープによる充放電が可能であり、かつ
低温特性に優れた非水電解液二次電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したコイン型テストセルの斜視断
面図である。
【図2】実施例1のコイン型テストセルの充放電容量と
電位との関係を示す特性図である。
【図3】比較例1のコイン型テストセルの充放電容量と
電位との関係を示す特性図である。
【図4】比較例2のコイン型テストセルの充放電容量と
電位との関係を示す特性図である。
【図5】溶媒に含有させるPpPCEの体積比を0%と
したコイン型テストセルの充放電容量と電位の関係を示
す特性図である。
【図6】溶媒に含有させるPpPCEの体積比を1%と
したコイン型テストセルの充放電容量と電位の関係を示
す特性図である。
【図7】溶媒に含有させるPpPCEの体積比を40%
としたコイン型テストセルの充放電容量と電位の関係を
示す特性図である。
【図8】溶媒に含有させるPpPCEの体積比を50%
としたコイン型テストセルの充放電容量と電位の関係を
示す特性図である。
【図9】本発明を適用した円筒型テストセルの断面図で
ある。
【図10】実施例2及び比較例3の円筒型テストセルの
充放電容量と電位との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 電極、2 集電体、3 電池缶、4 対極、5 電
池缶、6 セパレータ、7 封口ガスケット、11 負
極、12 正極、13 セパレータ、14 電池缶、1
5 絶縁板、16 負極リード、17 正極リード、1
8 安全弁ケース、19 ガスケット、20 電池蓋

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黒鉛系炭素質材料を含有する負極と、軽
    金属イオンをドープ・脱ドープ可能な材料を含有する正
    極と、非水溶媒に電解質を溶解してなる非水電解液とを
    備えた非水電解液二次電池において、 前記非水溶媒が化1にて示される4−(1−プロペニル
    オキシメチル)−1,3−ジオキソラン−2−オンを含
    有することを特徴とする非水電解液二次電池。 【化1】
  2. 【請求項2】 非水溶媒が低粘度溶媒との混合溶媒であ
    ることを特徴とする請求項1記載の非水電解液二次電
    池。
  3. 【請求項3】 非水溶媒に含有される4−(1−プロペ
    ニルオキシメチル)−1,3−ジオキソラン−2−オン
    の体積比が、1%以上40%以下であることを特徴とす
    る請求項1記載の非水電解液二次電池。
  4. 【請求項4】 正極がLixMO2(但し、Mは遷移金属
    であり、xは0.05≦x≦1.10を満足する。)を
    含有することを特徴とする請求項1記載の非水電解液二
    次電池。
JP9328372A 1996-12-18 1997-11-28 非水電解液二次電池 Withdrawn JPH10233231A (ja)

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