JPH1023242A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JPH1023242A
JPH1023242A JP8172236A JP17223696A JPH1023242A JP H1023242 A JPH1023242 A JP H1023242A JP 8172236 A JP8172236 A JP 8172236A JP 17223696 A JP17223696 A JP 17223696A JP H1023242 A JPH1023242 A JP H1023242A
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JP
Japan
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image
spatial filter
mtf
input
output
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Pending
Application number
JP8172236A
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English (en)
Inventor
Isanori Higashiura
功典 東浦
Kazuyoshi Tanaka
一義 田中
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Publication of JPH1023242A publication Critical patent/JPH1023242A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力したデジタル画像を回転して出力したに
も拘わらず、空間周波数の劣化のない画像処理装置を提
供することにある。 【解決手段】 画像の入・出力条件を指示するタッチパ
ネル310と、スキャナ60と、空間フィルタ係数を記
憶するフィルタ係数RAM262と、またはスキャナ6
0及びプリンタ部700のMTF特性を記憶し、その情
報及びタッチパネル310から指示された条件から空間
フィルタ係数を計算するCPU261と、入力された画
像の出力方向を変える画像回転処理回路242と、スキ
ャナ60から入力された画像データに空間フィルタ処理
をする画像処理回路200と、当該画像処理回路200
から出力された画像データを出力するプリンタ部700
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力したデジタル
画像の回転処理機能を有する画像処理装置に関し、特に
2次元の空間フィルタ処理により画像の鮮鋭性の確保や
モアレ発生を防止する画像処理装置に関する。
【0002】斯かる画像処理装置は、主な構成としてス
キャナ部・画像処理部・プリンタ部・制御部を備えるデ
ジタル複写機や、スキャナ・画像処理及び機器制御用の
コンピュータ・プリンタを備える画像入力・印刷装置に
適用されるものである。なお、説明の便宜上、デジタル
複写機を代表して説明する。
【0003】
【従来の技術】デジタル複写機のスキャナ部で1度に読
み取れる原稿の大きさ(範囲)は、複写可能である最大
用紙サイズ(例えばA3横置きサイズ)に設定してあ
る。
【0004】図8は複写用紙の搬送方向と複写速度との
関係を示した概念図である。
【0005】最大用紙サイズより小さい原稿(例えばA
4サイズ)を複写する場合に、多数枚を複写する時の複
写速度を優先させるには、図8(a)に示すように複写
用紙の搬送方向を、搬送長さの短い方向、つまり複写用
紙を(複写用紙の)幅方向(通常、“A4”と称する)
に搬送する方が、(各複写用紙を)搬送する長さ及び各
複写用紙の搬送間隔(距離・時間)を短くする事ができ
るので、図8(b)に示すように複写用紙を(複写用紙
の)長さ方向(通常、“A4R”と称する)に搬送する
より複写速度を向上させる事ができるのは容易に理解で
きる。この時、複写用紙トレイの向きは、複写用紙を搬
送方向に対して(複写用紙の)幅方向に置く様に設置さ
れる。
【0006】次に、原稿を拡大して複写する場合、原稿
の向きをスキャナ部の最大読み取り範囲に対して相似の
方向に置く方が(拡大)画像が欠ける範囲が少ない事は
容易に理解できる。
【0007】図9は拡大時における再生画像サイズと複
写用紙の大きさとの関係を示した概念図である。
【0008】例えば、図9(a)に示したようにA4サ
イズの原稿をA3サイズに拡大して複写する場合、原稿
の向きをスキャナ部の最大読み取り範囲に対して相似の
方向、つまり“A4R”の方向に置いた場合は、特定の
倍率で拡大された原稿画像の大きさ(範囲)が複写用紙
の大きさ(範囲)と一致する為、複写画像は欠ける事無
くA3サイズの複写用紙に複写されるが、図9(b)に
示したように原稿の向きを90゜変えた方向、つまり
“A4”の方向に置いた場合は、再生画像と複写用紙と
が非相似形なので、原稿画像の一部(上下部分)が欠け
た画像が複写されてしまう不具合が生じる。
【0009】図10は縮小時における再生画像サイズと
複写用紙の大きさとの関係を示した概念図である。
【0010】原稿を縮小する場合も同様で、例えば図1
0(a)に示すようにA3サイズの原稿をA4サイズの
複写用紙に複写する場合も、複写用紙をA4Rの方向に
おいた方が特定の倍率で縮小された原稿画像の大きさ
(範囲)が複写用紙の大きさ(範囲)と一致する為、複
写画像は欠ける事無く、また複写用紙上に余白を生じる
事無く複写される。図10(b)に示すように複写用紙
をA4の方向に置いた場合は、A4Rの場合より高い縮
小率(より小さくする)で複写した場合には原稿画像を
欠ける事無く複写できるが、複写用紙の上下に余白がで
き、しかも複写された画像が極端に小さくなってしま
う。A4Rの場合と同じ縮小倍率で複写した場合には、
再生画像と複写用紙とが非相似形なので、原稿画像の一
部(左右部分)が欠けた画像が複写されてしまう不具合
が生じる。このような場合、複写用紙トレイの向きは複
写用紙を搬送方向に対して複写用紙の長さ方向に置くよ
うに設置する。
【0011】前述した複写機の場合、同じサイズの複写
用紙であっても置く向きを変えたトレイを設置しておく
と上述の様なメリットがある。しかし、この事はコスト
アップになるばかりでは無く、機械の構成が複雑にな
り、機械本体の大きさも大きくなる不具合が生じる。
【0012】これに対して、複写用紙トレイの数を増や
す事無く、複写速度と変倍(拡大・縮小)画像を適正に
作成することを両立してできるデジタル複写機が提案さ
れている。デジタル複写機は、その内部に備える画像処
理回路に画像回転処理機能を持ち、スキャナ部から入力
された画像データの方向を回転させてプリンタ部で出力
することができるものである。ここで、画像回転処理機
能とは、スキャナ部で読み取った画像を一端、画像メモ
リ上に記憶させ、メモリ内での操作により、画像の向き
を例えば90゜変えることにより縦と横を入れ換えてプ
リンタ部で出力する機能である。斯かる画像回転処理
は、設置してある複写用紙トレイ(複写用紙の収納部)
の設置数を1つの複写用紙サイズに対して1つのトレイ
となる最小限に抑えても複写速度の確保と変倍(拡大・
縮小)画像を適正に作成できるようにしてある。
【0013】従って、前述のデジタル複写機は、画像回
転処理機能を用いて、例えばA3サイズの原稿をA4サ
イズの複写用紙に縮小する場合、A4Rの向きで画像を
形成した後、画像回転処理を行って、(A4Rではな
く)A4サイズの複写用紙で出力する事により、画像が
欠けたり余白を生ずる事無く、しかも高速で複写する事
ができ、さらに複写用紙のトレイは、複写用紙の向きを
変えて2種類設置する必要は無いという3つのメリット
を同時に成立する事ができる。
【0014】この事は、デジタル複写機のみならず、ス
キャナ・画像処理及び制御用のコンピュータ・プリンタ
を備える画像入力・印刷装置でも同じ事が言える。
【0015】尚、画像回転処理は、この様な目的の他に
も、入力画像の傾き補正、出力用紙の方向変換等の目的
で利用される。
【0016】また、デジタル複写機や画像入力・印刷装
置では、画像の入出力装置(スキャナ部・プリンタ部)
において、原画像に対して階調性や鮮鋭性の劣化が生じ
る。この内、鮮鋭性の劣化は、デジタル画像データにあ
ってはデジタル画像の周波数毎の強調特性を調整する空
間フィルタ処理を行う事により、ある程度の補正をする
事が可能である。デジタル複写機や画像入力・印刷装置
では空間フィルタ処理機能を設置する事が一般的であ
る。
【0017】空間フィルタ処理では、その処理パラメー
タである空間フィルタ係数を変える事により、周波数毎
の強調特性を調整する事ができ、入力されたデジタル画
像の特性を変える事ができる。
【0018】空間フィルタ係数は、上述の様に主に画像
の入出力装置の鮮鋭性補正を行う為に設定され、さらに
はこれに加えて画質の調整、モアレ除去等を考慮して設
定される。画像の入出力装置の鮮鋭性補正においては通
常、画像の入出力装置(スキャナ部及びプリンタ部)の
MTF(空間周波数伝達特性)を測定し、それを補正す
る特性が設定される。
【0019】通常、画像の入出力装置のMTFは、その
構造から、主走査方向(例えば原稿や複写用紙に対して
横方向)と副走査方向(例えば原稿や複写用紙に対して
縦方向)で値が異なる。
【0020】画像の入力装置における例を挙げると、ス
キャナ部において、主走査方向は1次元のCCD(ライ
ンセンサ)で構成され、副走査方向は機械的な走査(ラ
ンプ及びミラー等の走査)を行う事により2次元画像を
得る構造では、主走査方向(ラインセンサ方向)のMT
Fは、主にセンサの解像力や入力したデジタル画像の情
報を光学的に伝達する光学系等の性能に依存するのに対
し、副走査方向(機械的走査方向)のMTFは、主にラ
ンプ及びミラー等を移動する機械的性能(送り速度・送
りムラ)に依存する。この為、スキャナ部の主走査方向
と副走査方向のMTFは同一とはならない。
【0021】画像の出力装置における例を挙げると、プ
リンタ部において、主走査方向は画像形成媒体である感
光体ドラムに対して画像形成の為のレーザー光をポリゴ
ンミラー(回転多面鏡)により1次元に走査する構成
で、副走査方向は機械的な走査(感光体ドラムの回転)
により2次元画像を得る(電子写真方式の)構造では、
主走査方向のMTFは、主にレーザー光の強度・形状や
レーザー光の走査性能(ポリゴンミラーの速度、速度ム
ラ)、レーザー光のスイッチング性能(スイッチング速
度・応答性)に大きく依存するのに対し、副走査方向の
MTFは、主に感光体ドラムの回転性能(速度・回転ム
ラ)に大きく依存しているので、プリンタ部の主走査方
向と副走査方向のMTFは同一とはならない。
【0022】この理由により、画像の入出力装置のMT
Fを補正する要素を含む2次元の空間フィルタの係数
は、横方向(例えば入出力装置の主走査方向)と縦方向
(例えば入出力装置の副走査方向)ではその空間周波数
特性が異なる事が多い。
【0023】上述した様に、2次元の空間フィルタの空
間周波数特性を画像の入出力装置(スキャナ部及びプリ
ンタ部)のMTFを補正する目的で設定した場合、空間
フィルタの空間周波数特性は、画像の入力装置と出力装
置を例えば2つの空間フィルタでそれぞれ各装置のMT
Fを補正するか、単一の空間フィルタで入出力装置のそ
れぞれの主走査・副走査のMTFを合算したMTF(以
後“総合MTF”と称する)を補正する様に設定され
る。すなわち、主走査方向の周波数特性は、スキャナ部
の主走査方向のMTFとプリンタ部の主走査方向のMT
Fを合算したMTFを補正する特性にし、副走査方向の
周波数特性はスキャナ部の副走査方向のMTFとプリン
タ部の副走査方向のMTFを合算したMTFを補正する
特性に設定される。
【0024】そして、従来の装置では、画像回転処理の
有無によって空間フィルタの周波数特性、すなわち空間
フィルタの係数を変える事は無かった。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】ここで、画像回転処理
を行わない状態で設定された空間フィルタ係数で、90
゜の画像回転処理を行う画像を空間フィルタ処理した場
合を想定する。処理の順序は、空間フィルタ処理、
90゜の画像回転処理とする。
【0026】の空間フィルタ処理を行われた画像デー
タは、横方向に関して、スキャナ部とプリンタ部の主走
査方向のMTF補正がなされた事になる。ところが、
の画像回転処理により、画像データの向きは90゜変わ
り、この方向のデータは、プリンタ部では副走査方向と
して出力される。従って、プリンタ部の副走査方向で出
力される画像がプリンタ部の主走査方向のMTF補正を
されて出力される事になる。前述の様にプリンタ部の主
走査・副走査ではMTFが異なる為、誤ったMTF補正
がされる事になり、本来(プリンタ部の副走査方向)の
MTF補正よりも強い補正がなされた場合、画像のノイ
ズ成分が強調されて画像が荒れた感じになったり、本来
出力されない不要部分が出力されたり、モアレ成分が増
える画質劣化が生じる。また、本来(プリンタ部の副走
査方向)のMTF補正よりも弱い補正がなされた場合、
画像がぼけたり、本来出力されなければならない必要部
分が出力されない画質劣化が生じる。
【0027】この不具合は、の空間フィルタ処理を行
われた画像データの、縦方向に関しても同様な不具合が
生じる。この画像データは、スキャナ部とプリンタ部の
副走査方向のMTF補正がなされた事になるが、の画
像回転処理により、画像データの向きは90゜変わり、
この方向のデータは、プリンタ部では主走査方向として
出力され、同様に前述の様な画質劣化が生じる。
【0028】この不具合は、空間フィルタ処理と画像回
転処理の順番が入れ替わっても同様に発生する。つま
り、画像回転処理により、画像データの向きは90゜
変わると、空間フィルタ処理でスキャナ部で主走査方
向で読み込まれた画像データがスキャナ部の副走査方向
のMTF補正がかかり、一方スキャナ部で副走査方向で
読み込まれた画像データがスキャナ部の主走査方向のM
TF補正がかかり、同様の画質劣化が生じる。
【0029】この不具合は、画像の回転角度が90゜の
場合だけでなく、回転角度が180゜以外の場合、同様
に発生する(180゜ではMTFの補正方向が回転しな
い場合と一致するので不具合は生じない)。
【0030】本発明の第1の目的は、上記技術的課題に
鑑み、入力したデジタル画像を回転して出力したにも拘
わらず、空間周波数の劣化のない画像処理装置を提供す
ることにある。
【0031】本発明の第2の目的は、上記技術的課題に
鑑み、プリント速度を低下させることなく、かつ、変倍
率を制限させないでしかも空間周波数の劣化のない画像
処理装置を提供することにある。
【0032】本発明の第3の目的は、上記技術的課題に
鑑み、複写用紙を装填するトレイ数を削減できる画像処
理装置を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】この様な不具合を解決す
る為に、本発明では、画像回転処理の有無により空間フ
ィルタ係数を変え、適正なMTF補正を行える画像処理
装置を提案する。
【0034】適正なMTF補正を行う方法としては、予
め画像の入出力装置のそれぞれのMTFを主走査方向と
副走査方向を別々に求めておき、画像回転処理の有無に
より画像の入出力装置または出力装置の主走査と副走査
のMTFを補正する空間フィルタ係数を入れ換えるか、
又は、入出力装置の主・副走査のMTFを組み合わせて
総合MTFを求め、それを補正する空間フィルタ係数を
求め、求めた空間フィルタ係数で空間フィルタ処理を行
う。
【0035】また、この様な画像処理の条件により選択
される全ての条件で行われる計算を予め行っておき、算
出された空間フィルタ係数を記憶手段に記憶させ、画像
処理の条件により、該当する空間フィルタ係数を呼び出
して空間フィルタ処理を行っても良い。
【0036】上述した技術的課題を解決する手段を以下
に示す。
【0037】(1) 画像の入・出力条件を指示する指
示手段と、画像入力手段と、空間フィルタ係数を記憶す
る記憶手段と、前記指示手段から指示された条件により
前記記憶手段に記憶されている空間フィルタ係数を選択
する選択手段と、入力された画像の出力方向を変える画
像回転手段と、前記画像入力手段から入力された画像デ
ータに前記選択手段で選択された空間フィルタ係数で空
間フィルタ処理をする画像処理手段と、当該画像処理手
段から出力された画像データを出力する画像出力手段を
備えることを特徴とする画像処理装置。上記構成備える
ことにより、入力したデジタル画像を回転して出力した
にも拘わらず、画像回転時にスキャナ部の主・副走査方
向の劣化特性の方向を入れ替えて空間フィルタを計算ま
たは予め計算していたものを記憶して使用する事によ
り、適正な空間周波数の劣化補正が行なえ、結果として
出力画像の劣化を生じない。
【0038】(2) 画像の入・出力条件を指示する指
示手段と、画像入力手段と、前記画像入力手段及び画像
出力手段の空間周波数特性を記憶する手段、当該記憶手
段の情報及び前記指示手段から指示された条件から空間
フィルタ係数を計算する計算手段と、入力された画像の
出力方向を変える画像回転手段と、前記画像入力手段か
ら入力された画像データに前記選択手段で選択された空
間フィルタ係数で空間フィルタ処理をする画像処理手段
と、当該画像処理手段から出力された画像データを出力
する画像出力手段を備えることを特徴とする画像処理装
置。上記構成備えることにより、入力したデジタル画像
を回転して出力したにも拘わらず、画像回転時にスキャ
ナ部の主・副走査方向の劣化特性の方向を入れ替えて空
間フィルタを計算または予め計算していたものを記憶し
て使用する事により、適正な空間周波数の劣化補正が行
なえ、結果として出力画像の劣化を生じない。
【0039】(3) 画像回転しない場合と画像回転し
た場合とで前記記憶手段から別の空間フィルタ係数を選
択するか、または前記計算手段での計算条件を変えて得
られた空間フィルタ係数により空間フィルタ処理を行う
ことを特徴とする(1)又は(2)の画像処理装置。
【0040】(4) 空間フィルタ係数は前記画像入力
手段及び前記画像出力手段の空間周波数特性を基に求め
ることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項の画
像処理装置。斯かる構成を備えることにより、2次元の
空間フィルタ係数を機械(スキャナ部及びプリンタ部)
の主走査・副走査方向のMTF特性を別々に組み合わせ
て求め、画像処理する事により適正なMTF補正が行
え、結果として出力画像が劣化を防止する。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本実施の形態における画像
処理装置を適用したデジタル複写機の概略構成を説明す
る。
【0042】図1はデジタル複写機の機械構成を示す断
面図である。
【0043】デジタル複写機は、積載トレイ11aから
原稿を1枚毎にプラテン61上の基準位置に搬送する自
動原稿搬送装置11と、プラテン61上に載置した原稿
画像を読み取るスキャナ60と、スキャナ60からの画
像データに各種の画像処理を施した画像データでプリン
ト出力するプリンタ部700と、本体制御部300を備
える。以下、各部材について詳細に説明する。
【0044】自動原稿搬送装置(以下、ADFと略称す
る)11は、図1に示すように積載トレイ11a、給送
ローラ11b、分離ローラ11c、積載トレイ11a上
に置かれた原稿を検知する原稿検知手段11d、全面ベ
ルト11e、駆動ローラ11f、ターンローラ11g、
駆動ローラ11fに接続したモータM等(図示せず)か
らなり、プラテン61の基準位置に原稿を搬送して位置
決めし、処理済みの原稿を排出トレイ11hに搬送して
積載する。
【0045】給送ローラ11b、分離ローラ11c等は
モータ(図示せず)により駆動される。そして、駆動ロ
ーラ11fにはモータとの間に電磁クラッチ(図示せ
ず)が介装されており、モータには原稿の搬送を所定位
置に停止させ電磁ブレーキが取り付けられており、モー
タM1,M2にはクロック円板(図示せす)が取り付け
られ、これら円板にはそれぞれベルトクロックインタラ
プタ(図示せず)、排紙クロックインタラプタ(図示せ
ず)が取り付けられている。
【0046】原稿制御回路(図示せず)は、ワンチップ
マイクロコンピュータ(以下、スレーブMPUと略称す
る)を中心に構成されており、更にCPU100と信号
の授受を行いながらADF11に関する演算制御を行っ
ている。
【0047】スレーブMPUの割り込み端子INT1,
INT2(図示せず)には前述のベルト駆動モータM2
の軸に取り付けられたクロック円板によってモータの回
転を検出するベルトクロックインタラプタからの信号、
及び排紙クロックインタラプタから信号が入力され、こ
れは紙送りの移動量の基準クロックとなり、スレーブM
PU内部カウンタでカウント動作を行う。
【0048】スレーブMPUの出力ポートには、前述の
モータ、電磁ブレーキ、電磁クラッチの動作信号が出力
され、各々ドライバーを介して各出力負荷を制御すると
共にCPU100と信号の授受をケーブルを介して行
い、スレーブMPUの入力にはおのおの原稿検知信号、
原稿給紙信号、原稿排紙信号及びモード信号が入力さ
れ、出力ポートからコピー要求信号、原稿検知信号が出
力される。
【0049】スキャナ60は、図1に示すようにプラテ
ン61の基準位置に位置決めしてある原稿を下方から白
色光を照射する光源を載置して移動する移動部材と、原
稿からの光を反射する第1ミラー62と、当該第1ミラ
ー62からの光を反射する第2ミラー63及び第3ミラ
ー64を一対に設けたVミラー部と、当該Vミラー部か
らの光をイメージセンサ111の受光部に結像する結像
レンズ65とを備えることにより、プラテン61上に載
置してある原稿から画像を読み取るものである。
【0050】プリンタ部700は、書き込み装置71
0、像担持体701の周縁部に帯電装置720、現像装
置730、転写・分離装置740、クリーニング装置7
50、定着装置760、原稿反転返送装置770、複写
用紙カセット791〜794に配設し、帯電、現像、転
写、分離、定着の静電写真プロセスを実行することによ
り、複写用紙上に画像を形成するものである。
【0051】書き込み装置710は、記録信号に基づい
て半導体レーザ(図示せず)を発光してドット毎に像担
持体701上をライン走査して潜像を形成するものであ
り、パルス幅変調した変調信号で半導体レーザ7を発振
させ、レーザ光を所定速度で回転するポリゴンミラーで
偏向させ、fθレンズ及び第1のシリンドリカルレンズ
及び第2のシリンドリカルレンズによって像担持体70
1上に微小なスポットに絞って走査するものである。
【0052】像担持体701は、例えばアルミニュウム
等から構成した導電基材の表面に感光層を形成したもの
である。感光層は膜厚15〜30μm、誘電率2.0〜
5.0であり、導電基材は接地してあり、線速度280
(mm/sec)又は125(mm/sec)で矢示方
向に回転する(−)帯電の塗布型OPCから成る直径1
80mmのドラム状の感光体であり、像担持体701の
回転軸に位相を検出するためのエンコーダ(図示せず)
を設け、当該エンコーダは像担持体701の位相を示す
位相信号を本体制御部300に送出している。
【0053】本体制御部300は、電子写真プロセスを
実行する部材のタイミング制御やパラメータ変更を行う
ものである。
【0054】なお、本実施の形態のプリンタ部は電子写
真方法を採用するもので説明するがこれに限定されるも
のでなく、例えばインクジェット方式、昇華型記録材料
を使った方式等を採用するものでもよい。
【0055】図2は本実施の形態における画像処理装置
を示すブロック図である。
【0056】スキャナ回路110は、イメージセンサ1
11と、CCD駆動回路112と、ドライバ回路113
と、制御パルス回路114と、AMPA/D115,1
16と補正回路117,118と合成回路119とを備
え、原稿からの反射光像をイメージセンサ111で受光
して光電変換して得た輝度信号を偶数画素と奇数画素に
分離して読み出してAMPA/D115,116で増幅
してA/D変換した後に補正回路117,118でシェ
ーディング補正した後に偶数画素と奇数画素を交互には
め込んだシリアルな輝度信号をスキャナデータの出力I
/F120、輝度濃度変換回路210、EE処理回路2
20、画像領域判別回路231に送出するものである。
【0057】出力I/F120は外部装置(例えば、ワ
ークステーション、パソコン等)(図示せず)に輝度信
号を取り込むためのものである。
【0058】画像処理回路200は、輝度濃度変換回路
210とEE処理回路220と画像領域判別回路231
と拡大/縮小処理回路232と空間フィルタ処理回路2
33とγ1濃度変換回路241と画像回転処理回路24
2と合成セレクタ243とγ2濃度変換回路244とプ
リンタ制御部250とCPU261とフィルタ係数発生
RAM262とプリンタ制御部250とからなる。
【0059】CPU261は、画像処理回路200の全
体動作を制御するものであり、特にスキャナ60から入
力したデジタル画像を回転して出力するか否かで空間フ
ィルタを変える機能を有する。
【0060】輝度濃度変換回路210は、スキャナ回路
110から入力された輝度信号にAOCとAGC及びダ
ーク補正を施してハイライトからシャドーまでの階調再
現を忠実にするための濃度変換した濃度データを出力す
るものである。
【0061】画像領域判別回路231は、スキャナ回路
110から入力された輝度信号から画像領域を判別する
ものである。斯かる判別結果は拡大/縮小処理回路23
2及び空間フィルタ処理回路233に入力してある。こ
れにより枠消し処理や有効画像領域を制御することもで
きる。
【0062】拡大/縮小処理回路232は、有効画像領
域にある濃度データを間引いたり、増したりして変倍す
るものである。
【0063】空間フィルタ処理回路233は、スキャナ
60及びプリンタ部700のMTFの劣化特性を補った
り、画質調整するための空間フィルタ係数を内蔵RAM
に設定したものであり、輝度濃度変換回路210からの
濃度データにMTF補正を施してラインセンサや光学系
におけるレンズのMTF、スキャン速度の変動による影
響を補正した濃度データを出力するものである。
【0064】なお、拡大/縮小処理回路232と空間フ
ィルタ処理回路233の処理順序は変倍率1.0より大
きい拡大であるか、又は変倍率1.0より小さい縮小で
あるかによって変えるようにしてもよい。
【0065】γ1濃度変換回路241は、画像の階調調
整を行うものであり、例えば地肌濃度を消して画質調整
する等のためのγ補正回路である。
【0066】画像回転処理回路242は、入力された画
像データを90°回転させる装置である。その構成は画
像1枚分のフレームメモリ(RAM)を備え、通常出力
される順序に2次元(縦・横)管理して画像情報を一端
記憶しており、画像を出力する際に、フレームメモリか
ら画像を出力する方向を入力時と変える事により、画像
の縦/横の回転が容易に出来るようにしたものである。
【0067】なお、画像回転処理回路242は画像入力
時に画像を回転しながら縦、横を入れ換えてフレームメ
モリに記憶させ、出力する際に通常の方向、つまり縦・
横を入れ換えないで出力したものであっても良い。又、
画像回転処理回路242は、CPU261からの指示に
より、処理を行わないようにすることもできる。
【0068】また、画像回転処理回路242は、回転角
度を90゜に限定せず、入力画像上の任意の点を原点と
し、当該原点を中心とする任意角度で画像回転処理を行
うようにしてもよい。具体的には、画像回転処理回路2
42は、下記式(1)を計算するための計算手段と、斯
かる計算結果に従って画像データの配置処理を行う装置
を組み込む事により、任意角度で画像を回転できるよう
にしたものである。従って、画像回転処理回路242
は、式(1)により計算処理することにより、回転後の
位置を計算し、その位置に入力データをメモリ上に配置
する事により任意の角度で回転処理を行うことができ
る。
【0069】 X= x・cosθ+y・sinθ 式(1) Y=−x・sinθ+y・cosθ ここで、x,yは入力データの2次元位置であり、θは
反時計回りに回転させる角度であり、X,Yは回転後の
2次元位置である。
【0070】合成セレクタ243は前述の処理を行った
データと合成セレクタ内部で作成したテストパターンと
のいずれかを選択的に出力するものである。
【0071】入力I/F270は、ワークステーション
等で作成した画像データを後述のγ2濃度変換回路24
4、プリンタ制御部250を介してプリンタ部700に
出力するためのデータ入力用のインターフェースであ
る。
【0072】γ2濃度変換回路244は、プリンタ部7
00のγ特性を補正するためのγ補正回路である。
【0073】プリンタ制御部250は、周波数変換回路
251と偶数画素側のPWM変換回路253と奇数画素
側のPWM変換回路254と、LD駆動回路(図示せ
ず)、同期系としてインデックスセンサ(図示せず)か
らのインデックス信号を検出するインデックス同期回路
252と、偏向光学系としてのポリゴンドライバ(図示
せず)を設けてある。PWM変換回路253,254
は、参照波と所定ビットからなる記録信号をD/A変換
したアナログ記録信号とを比較し多値化するものであ
る。このようにして得られる変調信号はLD駆動回路の
駆動信号となる。LD駆動回路は、変調信号で半導体レ
ーザ(図示せず)を発振させるものであり、半導体レー
ザからのビーム光量に相当する信号がフィードバックさ
れ、その光量が一定となるように駆動するものであり、
半導体レーザ711に導通する電流を変更することがで
きるようになっている。これにより、潜像電位を調整す
ることができる。偏向光学系からのビームはミラー(図
示せず)で反射されてインデックスセンサ(図示せず)
に入射する。インデックスセンサはビームに感応して電
流を出力し、当該電流はインデックス同期回路252で
電流/電圧変換してインデックス信号として出力する。
このインデックス信号により所定速度で回転するポリゴ
ンミラーの面位置を検知し、主走査方向の周期によっ
て、ラスタ走査方式で変調信号による光走査を行ってい
る。
【0074】タッチパネル310は、画像の入出力条件
を指示する手段であり、例えば液晶ディスプレイによ
り、変倍(拡大・縮小)倍率、画像回転処理の有り/無
し、複写用紙の選択、複写部数、画像処理モードの選択
等のパラメータを表示し、オペレータが当該表示を押圧
する事により、各種のパラメータを入力できる様にした
ものである。この指示内容が本体制御部300やCPU
261に伝達され、各種装置に適切な指示が送られる。
【0075】本実施の形態におけるデジタル複写機の特
徴的機能は、タッチパネル310から指示された内容に
より、空間フィルタ処理回路233内の内蔵RAMに保
持される空間フィルタ係数を変えて画像処理を行う事に
ある。以下に特徴的機能を実現するための構成及びその
機能を説明する。
【0076】タッチパネル310から指示された内容、
つまり画像回転処理の有り/無し、の情報を含めた指示
内容により、CPU261は、空間フィルタ処理回路2
33内の内蔵RAMに、それぞれの指示内容に適した空
間フィルタ係数を設定する。
【0077】タッチパネル310からの指示内容は、画
像回転処理の有り/無しの情報の他、画像処理モード、
変倍(拡大・縮小)倍率、出力濃度の指示等の情報を含
め、これらの情報から空間フィルタ係数を設定しても良
い。また、設定する空間フィルタ係数は1つに限らず、
複数の空間フィルタ係数を設定し、画像判別回路231
の判別結果等により、複数の空間フィルタ係数を選択的
に使用しても良い。
【0078】タッチパネル310から指示された内容に
より、空間フィルタ係数を設定する具体的な方法を以下
に示す。
【0079】前述の様に、空間フィルタの周波数特性
は、画像の入出力装置(スキャナ部・プリンタ部)のM
TFを補正する特性を含むものが多く用いられる。そこ
で、画像の入出力装置(スキャナ部・プリンタ部)のM
TFを、主走査方向・副走査方向でそれぞれ測定してお
く事により、それらを組み合わせて総合MTFを算出
し、総合MTFを補う特性を持った空間フィルタ係数を
算出する事が出来る。
【0080】空間フィルタ係数の算出においては、総合
MTFを補う特性の他に、適当な画質調整を加えても良
い。例えば、総合MTFに対して特定の修正を加えて、
周波数特性の強調度合いを弱めたり、強めたりする事に
より、画質を意図的にボカし気味にしたり、意図的に画
質を強調を付けたりしても良い。また、特定周波数の強
調度合いを低くして、モアレの発生を抑止する事も行っ
ても良い。
【0081】以下に総合MTFを求める具体的な例を示
す。
【0082】先ず、画像の入出力装置(スキャナ部・プ
リンタ部)のそれぞれのMTFを、以下に示す様な方法
で求める。
【0083】最初にスキャナ部のMTFを求める方法を
示す。
【0084】特定の周波数で書かれた等間隔線からなる
チャートを記録してある原稿を用意する。図3は特定周
波数の等間隔線からなるチャートの例を示した模式図で
ある。
【0085】このチャートの各微小部分の濃度分布ある
いは各微小部分の輝度分布を測定対象のスキャナ60の
解像度以上の高解像度で測定できる濃度計や、スキャナ
で測定する。この濃度計やスキャナの解像度は、測定対
象のスキャナ60の解像度を400DPIとすれば、1
200〜2000DPIの解像度を有するものが望まし
い。
【0086】この測定したデータ(濃度又は輝度デー
タ)を、コンピュータに取り込む。ここで、リファレン
スの測定に用いた測定機器自体のMTFがあらかじめ判
っている場合には、測定したデータに対してMTF補正
を行い、真の濃度値を得ておく。このデータを必要に応
じてコンピュータ上で対数変換等により、濃度データに
変換する。この様にして得たデータを、コンピュータ上
でフーリエ変換する事により、チャートの各周期の周波
数特性が得られる(以後、これをリファレンス周波数特
性と称する)。
【0087】次に、このチャートを測定対象のスキャナ
60で読み込み、各微小部分の輝度分布を出力I/F1
20を介してコンピュータに取り込む。このデータが必
要に応じてコンピュータ上で対数変換等により、濃度デ
ータに変換される。このデータをコンピュータ上でフー
リエ変換する事により、スキャナ60でこのチャートを
読み込んだ時の各周期の周波数特性が得られる(以後、
これをスキャナの周波数特性と称する)。
【0088】この様にして得られたスキャナの周波数特
性をリファレンス周波数特性でコンピュータ上で除する
事により、スキャナ60のMTFを求める事が出来る。
【0089】尚、この操作はスキャナ60の主走査方向
と副走査方向で別々に行う事により、スキャナ60の主
走査方向MTFと副走査方向MTFを別々に求める事が
出来る。
【0090】次に、プリンタ部のMTFを求める方法を
示す。
【0091】前出の図3と同様な、特定の周波数で書か
れた等間隔線の画像データを濃度値または輝度値として
コンピュータ上に作成する。この画像データをコンピュ
ータ上でフーリエ変換する事により、原画像の周波数特
性を得る(以後、これを原画像の周波数特性と称す
る)。この画像データを入力I/F270を介して測定
対象のプリンタ部700で出力する。この出力された画
像を前出の高解像度で測定できる濃度計や、スキャナで
測定する。この測定したデータをコンピュータに取り込
む。ここで、これらの測定機器自体のMTFがあらかじ
め判っている場合には、測定したデータに対してMTF
補正を行い、真の濃度値を得ておく。このデータを必要
に応じてコンピュータ上で対数変換等により、濃度デー
タに変換する。この様にして得たデータを、コンピュー
タ上でフーリエ変換する事により、プリンタ部700で
原画像データを出力した時の各周期の周波数特性が得ら
れる(以後、これをプリンタの周波数特性と称する)。
【0092】この様にして得られたプリンタの周波数特
性を原画像の周波数特性でコンピュータ上で除する事に
より、プリンタ部700のMTFを求める事が出来る。
【0093】尚、この操作を、プリンタ部700の主走
査方向と副走査方向で別々に行う事により、プリンタ部
700の主走査方向MTFと副走査方向MTFを別々に
求める事が出来る。
【0094】以上に示した方法によって、スキャナ部の
主走査方向及び副走査方向のMTFを測定した例を図4
に、プリンタ部の主走査方向及び副走査方向のMTFを
測定した例を図5に示す。
【0095】これらの図において、縦軸はMTFを示
し、横軸は周波数を示す。
【0096】縦軸のMTFについて、MTF=1.0
は、空間周波数伝達特性において、全く劣化がない事を
示し(MTFが良い事を示す)、MTF=0は全く伝達
されない事を示す。これはMTFが悪い事を示す。
【0097】縦軸の周波数について、周波数=1.0
(図示せず)は、いわゆるサンプリング周波数を示し、
例えばスキャナ部やプリンタ部の解像度が400DPI
であるならば、この周波数を1.0としたものである。
周波数=0はいわゆるDC(直流)成分を示し、周波数
=0.5は、いわゆるナイキスト周波数を示す。つま
り、数値が大きいほど高周波である事を示す。そして、
デジタル画像のサンプリング定理により、MTFの測定
値は周波数=0.0〜0.5の値が有効になる。
【0098】いずれのグラフも、図中の“○印”は主走
査方向のMTFを示しており、“×印”は副走査方向の
MTFを示してある。
【0099】これらのグラフに示す様に、スキャナ部や
プリンタ部で、主走査方向と副走査方向MTFは異な
り、この例ではいずれも主走査方向のMTFの方が副走
査方向のMTFより良い結果となっている。また、スキ
ャナ部では特に高周波領域においてその差が大きい事を
示している。
【0100】この様にして得られた画像の入出力装置の
MTFから総合MTFを計算する。
【0101】実施の形態におけるデジタル複写機は、空
間フィルタ処理の後に画像回転処理を行う構成の場合に
ついて説明する。この様な構成の場合、空間フィルタ処
理で行われるMTF補正の内、画像出力装置の主走査方
向と副走査方向のMTF補正値が、画像回転処理によっ
て変わる。
【0102】画像回転が90゜に限定される場合は、下
記の式(2)〜(4)で総合MTFを計算する事が出来
る。
【0103】Tmは主走査方向の総合MTFであり、T
sは副走査方向の総合MTFであり、Smは画像入力装
置の主走査方向MTFであり、Ssは画像入力装置の副
走査方向MTFであり、Pmは画像出力装置の主走査方
向MTFであり、Psは画像出力装置の副走査方向MT
Fであるとして説明する。
【0104】(a) 画像回転処理を行わない場合 Tm=Sm×Pm 式(2) Ts=Ss×Ps (b) 画像回転処理を行う場合(回転角度が90゜の
場合) Tm=Sm×Ps 式(3) Ts=Ss×Pm 画像の回転角度が任意角度の場合は、下記の式(4)の
様に三角関数を使い、画像回転処理を行う場合の総合M
TFを求める事が出来る。
【0105】(c) 画像回転処理を行う場合(回転角
度が90゜以外の場合) 画像を回転させる角度=θ(ただし0゜<θ<90゜)
とすると、 Tm=Sm×(Pm×cosθ+Ps×sinθ) 式(4) Ts=Ss×(Ps×cosθ+Pm×sinθ) 90゜<θ<180゜の場合はθ=180゜−θと同
じ。
【0106】180゜<θ<270゜の場合はθ=θ−
180゜と同じ。
【0107】270゜<θ<360゜の場合はθ=36
0゜−θと同じ。
【0108】θ=180゜の場合はθ=0゜と同じ。
【0109】θ=270゜の場合はθ=90゜と同じ。
【0110】前述した方法によって、画像入出力装置の
MTFが図4、図5に示した値の装置において、90゜
の画像回転処理を行わない場合と行う場合の総合MTF
を計算した例を図6、図7に示す。
【0111】図6は主走査方向の総合MTFを示したグ
ラフであり、図7は副走査方向の総合MTFを示したグ
ラフである。
【0112】これらのグラフにおいて、縦軸はMTFを
示し、横軸は周波数を示す。
【0113】いずれのグラフにおいても、図中の“△
印”は、画像回転を行わない時のMTFを示しており、
“+印”は、画像回転を行った時のMTFを示す。
【0114】これらのグラフに示す様に、画像回転の有
り/無しにより、総合MTFの値が異なり、正しくない
周波数特性の空間フィルタ係数でMTF補正を行った画
像は前述の様な画像劣化を招く不具合が発生する。
【0115】また、空間フィルタ処理の前に画像回転処
理を行う構成の場合では、空間フィルタ処理で行われる
MTF補正の内、画像入力装置の主走査方向と副走査方
向のMTF補正値が、画像回転処理によって変わるの
で、画像回転時の総合MTFを求める計算式は、上記
(b),(c)の式において、PmとSm、PsとSs
を入れ換えれば良い。
【0116】尚、この他の画像処理条件により、画像入
出力装置のMTFが変わる事がある場合は、その条件の
時のMTFを前記の方法で測定し、この値を基に上記の
方法で総合MTFを求めても良い。
【0117】例えば、画像を変倍(拡大・縮小)した場
合に、画像入出力装置のMTFが変わる場合には、各変
倍率におけるMTFを測定しておき、タッチパネル31
0から指示された内容に適する画像入出力装置のMTF
から、上記の計算方法により総合MTFを求めれば良
い。
【0118】この様にして求められた総合MTFを空間
フィルタの伝達関数とする事により、空間フィルタの係
数を求める事が出来る。この変換にはZ変換等を用い
る。実際の計算では、空間フィルタ処理回路233の回
路構成に適する様に空間フィルタのサイズ(タップ数)
や係数値の形式(通常、整数)、値の範囲等を制限する
事が必要である。
【0119】尚、これらの計算は、各MTFの値をフィ
ルタ係数発生RAM262に保持し、この値を随時読み
出して空間フィルタ係数を求める計算をCPU261で
行っても良いし、全ての画像処理条件で算出される空間
フィルタ係数を予め計算しておき、計算した空間フィル
タ係数をフィルタ係数発生RAM262に記憶させ、画
像処理条件に適する空間フィルタ係数をCPU261が
選択しても良い。
【0120】本実施の形態におけるデジタル複写機は、
上述した構成を備える事により、画像回転処理を行って
も、空間フィルタ係数を適正値に切り替える機能を備え
たので、MTFの劣化のない出力画像を得る事ができ
る。
【0121】本実施の形態におけるデジタル複写機は、
上述した構成を備える事により、画質を劣化させる事な
く、プリント速度を低下させず、かつ、十分な倍率で変
倍処理を行え、かつ、複写用紙トレイの設置数を必要最
低限(扱える複写用紙の種類数)にした装置で実現でき
るので、装置全体を小型化する事が出来る。
【0122】また、この様な効果は、デジタル複写機の
みならず、スキャナ・画像処理及び機器制御用のコンピ
ュータ・プリンタを備える画像入力・印刷装置等におい
ても同様な方法で実現可能である。
【0123】
【発明の効果】本発明は、上記構成を備えることによ
り、入力したデジタル画像を回転して出力したにも拘わ
らず、空間周波数の劣化の少ない画像処理装置を提供す
ることができた。また、本発明は、上記構成を備えるこ
とにより、プリント速度を低下させることなく、かつ、
変倍率を制限させないで、しかも空間周波数の劣化のな
い画像処理装置を提供することができ、更に、本発明
は、上記構成を備えることにより、複写用紙を装填する
トレイ数を削減できる画像処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】デジタル複写機の機械構成を示す断面図であ
る。
【図2】本実施の形態における画像処理装置を示すブロ
ック図である。
【図3】MTFを測定するためのチャートを示した模式
図である。
【図4】スキャナ部のMTF特性を示すグラフである。
【図5】プリンタ部のMTF特性を示すグラフである。
【図6】主走査方向の総合MTFを示したグラフであ
る。
【図7】副走査方向の総合MTFを示したグラフであ
る。
【図8】複写用紙の搬送方向と複写速度との関係を示し
た概念図である。
【図9】拡大時における再生画像サイズと複写用紙の大
きさとの関係を示した概念図である。
【図10】縮小時における再生画像サイズと複写用紙の
大きさとの関係を示した概念図である。
【符号の説明】
60 スキャナ 110 スキャナ回路 120 出力I/F 233 空間フィルタ処理回路 241 γ1濃度変換回路 242 画像回転処理回路 243 合成セレクタ 244 γ2濃度変換回路 261 CPU 262 フィルタ係数発生RAM 270 入力I/F 310 タッチパネル 700 プリンタ部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 1/40 H04N 1/40 101Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像の入・出力条件を指示する指示手段
    と、画像入力手段と、空間フィルタ係数を記憶する記憶
    手段と、前記指示手段から指示された条件により前記記
    憶手段に記憶されている空間フィルタ係数を選択する選
    択手段と、入力された画像の出力方向を変える画像回転
    手段と、前記画像入力手段から入力された画像データに
    前記選択手段で選択された空間フィルタ係数で空間フィ
    ルタ処理をする画像処理手段と、当該画像処理手段から
    出力された画像データを出力する画像出力手段を備える
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 画像の入・出力条件を指示する指示手段
    と、画像入力手段と、前記画像入力手段及び画像出力手
    段の空間周波数特性を記憶する手段、当該記憶手段の情
    報及び前記指示手段から指示された条件から空間フィル
    タ係数を計算する計算手段と、入力された画像の出力方
    向を変える画像回転手段と、前記画像入力手段から入力
    された画像データに前記選択手段で選択された空間フィ
    ルタ係数で空間フィルタ処理をする画像処理手段と、当
    該画像処理手段から出力された画像データを出力する画
    像出力手段を備えることを特徴とする画像処理装置。
  3. 【請求項3】 画像回転しない場合と画像回転した場合
    とで前記記憶手段から別の空間フィルタ係数を選択する
    か、または前記計算手段での計算条件を変えて得られた
    空間フィルタ係数により空間フィルタ処理を行うことを
    特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 空間フィルタ係数は前記画像入力手段及
    び前記画像出力手段の空間周波数特性を基に求めること
    を特徴とする請求項1〜3記載のいずれか1項に記載の
    画像処理装置。
JP8172236A 1996-07-02 1996-07-02 画像処理装置 Pending JPH1023242A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000293339A (ja) * 1999-04-02 2000-10-20 Seiko Epson Corp 印刷制御方法および印刷制御装置、記録媒体
US6661406B1 (en) 1999-10-19 2003-12-09 Nec Corporation Touch panel coordinate rotation device
JP2017038360A (ja) * 2015-08-06 2017-02-16 キヤノン株式会社 画像処理装置およびその制御方法

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