JPH10232201A - 流水中の微粒子の濃度定量方法および濃度定量装置 - Google Patents

流水中の微粒子の濃度定量方法および濃度定量装置

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JPH10232201A
JPH10232201A JP5112797A JP5112797A JPH10232201A JP H10232201 A JPH10232201 A JP H10232201A JP 5112797 A JP5112797 A JP 5112797A JP 5112797 A JP5112797 A JP 5112797A JP H10232201 A JPH10232201 A JP H10232201A
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JP
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fine particles
concentration
light
composition
absorption intensity
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Application number
JP5112797A
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English (en)
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Hideto Furumi
秀人 古味
Masayuki Nara
雅之 奈良
Yoji Arata
洋治 荒田
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KINOUSUI KENKYUSHO KK
Original Assignee
KINOUSUI KENKYUSHO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流水中の微粒子の濃度を組成毎の定量測定す
る。 【解決手段】 微粒子の組成によって赤外スペクトルが
相違することを利用して、各組成に特有の波長の吸収強
度から流水中の微粒子の濃度を定量分析するものであ
り、流水中の微粒子に赤外領域の光を入射し、得られる
吸収光を分光して波長毎に吸収強度を測定する工程と、
組成と濃度が既知の微粒子に対する赤外領域光の吸収強
度を波長毎に求める工程と、前記工程により求めた既知
の微粒子濃度に対する吸収強度を用いて、測定した吸収
強度から流水中の微粒子濃度を求める工程とを含む。こ
れによって、波長から微粒子の組成を特定し、吸収強度
から濃度を定量することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流水中に含まれる
微粒子の濃度を測定する定量方法および定量装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、液体の濁度測定は、浄水およ
び排水の処理や、食品工業をはじめ各種製造業における
製造工程中の液体の管理指標として利用されており、透
過・散乱光方式,散乱光方式,積分球方式等の種々の液
体濁度測定方法が提案されている。
【0003】一方、液体中に含まれる微粒子の濃度は直
接に定量測定を行う方法は知られていない。そのため、
従来、液体中の微粒子濃度と液体の濁りとの間の相関関
係を利用した液体濁度の分布測定や定量測定によって、
液体中に含まれる微粒子の粒度分布測定や微粒子量測定
を行っている。
【0004】また、水道水の配管やプラント内の種々の
配管においても、種々の液体が流れている。これら種々
の流水中に含まれる微粒子についても直接に定量測定を
行う方法は知られていないため、微粒子の濃度測定を行
う代わりに、流水の濁度測定を行い、これによって、微
粒子の粒子分布測定や濃度の定量測定を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】通常、浄水,排水,あ
るいは製造工程中の液体等、配管内を流れる流水中には
種々の組成成分の微粒子が含まれており、該流水中に含
まれる微粒子の組成が既知である場合も、あるいは不知
である場合もある。一般に、流水中に含まれる微粒子
は、その微粒子の組成によって、製造装置や処理施設,
あるいは環境等に与える影響が異なる場合がある。
【0006】しかしながら、従来より行なわれている流
水中の微粒子の測定では、流水中に異なる組成の微粒子
が含まれる場合であっても、これらの微粒子を同じ組成
の微粒子であるとして扱い、液体の濁度測定によって粒
度分布や微粒子量の測定を行なっている。そのため、従
来より行なわれる濁度測定による微粒子測定では、微粒
子の粒度分布や微粒子量は得られるが、微粒子の組成は
不明であるという問題点がある。
【0007】また、微粒子がどのような組成であるかに
ついてのデータが得られないため、得られた粒度分布や
微粒子の濃度が同種の組成の微粒子であるのか、あるい
は異種の組成の微粒子が含まれるものであるのかの判定
も不可能であるという問題点がある。
【0008】そのため、得られた測定結果を用いて流水
の管理を行う場合においても、十分な管理が期待できな
いことになる。
【0009】また、従来行われている流水中の微粒子の
測定では、流水中の微粒子の測定を行う流水用の測定装
置と、定量のための既知濃度の微粒子を測定する蓄液さ
れた標準懸濁液用の測定装置とをそれぞれ別の装置で構
成しているため、2つの測定装置を必要とするという問
題点がある。
【0010】そこで、本発明は上記従来の流水中の微粒
子測定の問題点を解決し、流水中の微粒子の濃度を組成
毎に測定することができる微粒子の濃度定量方法を提供
することを目的とし、また、1つの装置で流水中の微粒
子の濃度を組成毎に測定することができる微粒子の濃度
定量する装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の微粒子の濃度定
量方法および定量装置は、微粒子の組成によって赤外ス
ペクトルが相違することを利用して、各組成に特有の波
長の吸収強度から微粒子の濃度を定量分析するものであ
る。液体中の微粒子に赤外領域の光を照射すると、照射
された赤外領域光は、それぞれ特徴的な異なる波長で吸
収が見られ、また、その吸収強度は微粒子の濃度に応じ
たものとなる。
【0012】従って、赤外スペクトルの特徴的な吸収波
長から微粒子の組成を知ることができ、また、微粒子に
特徴的な波長の吸収強度から微粒子の濃度を求めること
ができる。
【0013】本発明の微粒子の濃度定量方法および濃度
定量装置は、微粒子の赤外スペクトルが持つ上記特性を
利用して、微粒子の組成毎にその濃度の定量分析を行う
ものである。
【0014】微粒子の組成毎の濃度定量分析を行うため
に、本発明の流水中の微粒子の濃度定量方法は、流水中
の微粒子に赤外領域の光を入射し、得られる透過光又は
反射光から波長毎に吸収強度を測定する工程と、既知組
成の微粒子の濃度と赤外領域光の吸収強度の関係を用い
て、測定した吸収強度から流水中の微粒子濃度を求める
工程とを含む。これによって、波長から微粒子の組成を
特定し、吸収強度から濃度を定量することができる。
【0015】本発明の流水中の微粒子の濃度定量方法に
よれば、流水中の微粒子に赤外領域の光を入射すると、
該赤外領域光は、各微粒子の組成に特有の波長に吸収ピ
ークを有する微粒子によって吸収される。
【0016】波長に対する吸収度は、グレーティングや
プリズム等を用いた分光器によて透過光あるいは反射光
を分光したり、フーリエ変換により波長毎の吸収度を求
めたり、バンドパスフィルターを用いて特定波長域のみ
の吸収度を求めることによって測定することができる。
この吸収光の測定において、透過光又は反射光で特徴的
な吸収を示す波長位置から微粒子の組成を求めることが
でき、また、その吸収強度から微粒子の流水中での濃度
を求めることができる。
【0017】吸収強度に対する微粒子濃度の測定は、あ
らかじめ微粒子の濃度と吸収強度との関係を求めてお
き、該濃度と吸収強度との関係を用いて、測定した吸収
強度から対応する濃度を求めることによって行うことが
きる。この濃度と吸収強度との関係は、例えば標準懸濁
液の既知濃度の微粒子に対する吸収強度を測定し、該測
定値から検量線を作成することによって求めることがで
きる。
【0018】本発明の流水中の微粒子の濃度定量装置
は、流水と、組成と濃度が既知の微粒子を含む液体を選
択的に測定セルに導入する導入手段と、測定セルに赤外
領域光を入射する光源と、吸収光の吸収強度を波長毎に
測定する吸収強度測定手段と、既知組成の微粒子濃度と
赤外領域光の吸収強度の関係を用いて、前記吸収強度測
定手段によって流水中の吸収強度から流水中の微粒子濃
度を求める測定手段とを備える。これによって、1つの
装置で流水中の微粒子の濃度を組成毎に測定することが
できる。
【0019】本発明の濃度定量装置によれば、導入手段
によって、流水を測定セルに導入し、光源から測定セル
に赤外領域光を入射し、吸収強度測定手段によって吸収
光の吸収強度を測定する。濃度定量手段は、既知組成の
波長毎の微粒子濃度と吸収強度との関係を用いて、流水
から求めた吸収強度から微粒子濃度を測定する。
【0020】この既知組成の波長毎の微粒子濃度と吸収
強度との関係は、導入手段によって、組成と濃度が既知
の微粒子を含む液体を測定セルに導入し、光源から測定
セルに赤外領域光を入射し、吸収強度測定手段によって
吸収光の波長毎の吸収強度を測定して、微粒子濃度と吸
収強度との関係を波長毎に求めることによって得ること
ができる。
【0021】本発明の実施の態様によれば、導入手段
を、流水路と組成および濃度が既知の標準懸濁液を納め
る容器とを、測定セルに対して選択的に接続するバルブ
によって構成するものであり、これによって、測定セル
に対して、流水と組成および濃度が既知の微粒子を含む
液体とのいずれかを選択して導入することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の流水中の
微粒子の濃度定量方法を説明するためのフローチャート
であり、図2は本発明の流水中の微粒子の濃度定量方法
に使用する検量線の作成を説明するための概略図であ
り、また、図3,4は本発明の検量線を用いた濃度定量
方法を説明するための概略図である。
【0023】図1のフローチャートにおいて、はじめ
に、あらかじめ微粒子濃度と吸収強度との関係を求めて
おく。ここでは、検量線によって吸収強度に対する微粒
子濃度の関係を求める場合について説明する。図2にお
いて、組成a,b,cを含む微粒子を例として説明す
る。なお、図2では、吸収強度を吸光度によって表して
いる。
【0024】組成a,b,cの各微粒子は、微粒子毎に
異なるλa,λb,λcの波長位置に特徴的な吸収波長
がある。そのため、吸収強度は微粒子に特定の波長位置
で吸収ピークを持つことになる。そこで、組成および濃
度が既知の微粒子を含む標準懸濁液を用意する。図2で
は、一例として、組成aについては濃度Ca,組成bに
ついては濃度Cb,組成cについては濃度Ccの微粒子
を含む標準懸濁液の場合について示している。
【0025】この濃度が既知の微粒子について、各微粒
子に特徴的に吸収ピークを表す波長位置(λa,λb,
λc)で吸収強度(図2中では、吸光度で示している)
を求め、この吸収強度を基にして、各微粒子の濃度と吸
収強度との関係を検量線として求める。
【0026】図2(a)において、微粒子の各組成a,
b,cの吸収強度は吸光度Ea,Eb,Ecであって、
この吸光度を基にして、それぞれ図2(b),(c),
(d)に示す検量線を作成する。図2(b)は、前記図
2(a)の測定で求めた基準濃度Caに対する吸光度E
aを基にして作成した検量線を示している。また、図2
(c),(d)に示す組成b,cの検量線についても、
図2(b)と同様して検量線を求めることができる(ス
テップS1)。
【0027】次に、検出対象の溶液に赤外領域光を照射
して、透過光又は反射光の波長と強度を測定する。この
測定において、透過光又は反射光の波長毎の吸収強度を
測定して赤外スペクトルを求める。この赤外スペクトル
は、グレーティングやプリズム等の分光器を用いて分光
を行ったり、フーリエ変換を用いたり、フィルターによ
って特定波長域のみの吸収度を求めることによって測定
することができる。求めた赤外スペクトルから、測定対
象の微粒子に特有の波長の吸光度Eを求める。
【0028】図3は組成aの未知濃度の微粒子の濃度測
定を説明するための図である。図3(a)に示す吸光度
EA は、微粒子濃度が未知の組成aの微粒子を含む溶液
の吸光度測定において、組成aの微粒子に特徴的な吸収
波長λaにおける吸光度を表している。この吸光度は赤
外スペクトルから求めることができる。(ステップS
2)。
【0029】前記ステップS2で求めた吸光度EA に対
して、検量線を用いて濃度測定を行う。この吸光度EA
を図3(b)に示す組成aの検量線に適用すると(図3
中の一点鎖線参照)、該検量線から吸光度EA に対応す
る濃度CA が得られる。上記操作によって、測定した液
体中に含まれる組成aの微粒子の濃度CA を求めること
ができる。なお、図3中には、検量線を求める際に用い
た吸光度Eaと濃度Caについても示している(ステッ
プS3)。
【0030】また、図4は、図3の組成aと同様にし
て、組成bの未知濃度の微粒子の濃度CB を求める場合
を示している。図4(a)は、微粒子濃度が未知の組成
bの微粒子において、特徴的に吸収を行う波長λbの吸
光度がEB であることを表しており、この吸光度EB を
図4(b)に示す組成bの検量線に適用すると(図4中
の一点鎖線参照)、該検量線から吸光度EB に対応する
濃度CB を求めることができ、測定した液体中に含まれ
る組成bの微粒子の濃度CB を求めることができる。
【0031】図5は、本発明の流水中の微粒子の濃度定
量装置の概略図である。図5に示す濃度定量装置1は、
濃度測定部と該濃度測定部に流水を導入する導入部とを
備える。なお、図5において、濃度測定部の各部分を示
す符号は一桁の数字で表し、導入部の各部分を示す符号
は10番代の数字で表している。
【0032】導入部は、配管10中から流水を抽出して
測定セル14に導く導入管11と、微粒子濃度と組成が
既知である標準懸濁液を蓄液する蓄液容器12と、流水
と蓄液容器12内の標準懸濁液を選択的に導入するバル
ブ13と、吸収光を得るための測定セル14と、流水を
配管10に戻すための管16と、測定セル14からの液
体を排出するための排出管17と、測定セル14からの
液体を管16と排出管17に選択的に導くバルブ15
と、標準懸濁液を撹拌する撹拌測定8と、導管に導入し
た液体を送液するペリスタルティックポンプ19を備え
る。なお、バルブ13において、導入管11側をA、測
定セル14側をB、蓄液容器12側をCとし、バルブ1
5において、管16側をA、測定セル14側をB、排出
管17側をCとする。
【0033】図5に示す濃度測定部は、レンズで構成す
る光学系を通して得た透過光を分光器で分光する構成例
である。濃度測定部は、測定セル14に赤外領域の光を
放出する光源2と、赤外領域光を測定セル14内に集光
させる第1光学系3と、測定セル14内の液体に含まれ
る微粒子によって吸収された吸収光を分光器5側に集光
させる第2光学系4と、前記吸収光から特定波長の光を
分光する分光器5と、分光した特定波長の吸収光を検出
する検出器6と、吸収光に基づいて液体中の微粒子の濃
度を測定する測定装置7を備える。
【0034】分光器5は、入射し吸収光を波長に応じて
分光する装置であり、グレーティングを用いて構成する
ことができる。また、この分光器5として分光波長の設
定が変更可能な分光器を用いたり、あるいは異なる分光
波長の分光器と検出器との組み合わせを複数設けること
によって、複数種類の微粒子の検出を同時に行うことが
できる。検出器6で検出した吸収強度は測定装置7に入
力される。測定装置7は、あらかじめ求めておいた検量
線を用いて、入力した吸収強度から各組成の微粒子の濃
度を求める。
【0035】次に、上記濃度定量装置を用いた微粒子の
濃度の定量測定について、図6のフローチャートを用い
て説明する。はじめに、バルブ13およびバルブ15の
開閉操作を行う。このバルブ操作において、バルブ13
のAを閉じるとともにBとCを開いて、蓄液容器12を
測定セル14に接続し、また、バルブ15のAを閉じる
とともにBとCを開いて、排出管17を測定セル14に
接続する。このバルブ操作によって、蓄液容器12中の
標準懸濁液が測定セル14を通って排出管17に排出さ
れる流路が形成される(ステップS11)。
【0036】ステップS11のバルブ操作の後、ペリス
タルティックポンプ19を作動させることによって、測
定セル14内には蓄液容器12から組成と微粒子濃度が
既知の標準懸濁液が導入され、排出管17から排出され
る。光源2から測定セル14に赤外領域の光を放出す
る。測定セル14内に導入された赤外領域光は、微粒子
によって吸収される。分光器5は、この吸収光を導入
し、微粒子の組成に対して特徴的に吸収を行う波長で分
光を行い、検出器6は吸収強度を検出して吸光度の測定
を行う。この測定によって、ある組成の微粒子に特有の
波長において、既知の濃度に対する吸収強度を求めるこ
とができる(ステップS12)。測定装置7は、検出器
6で求めた吸収強度と標準懸濁液の既知の微粒子濃度を
基にして検量線を作成し、図示しない記憶手段に格納す
る(ステップS13)。
【0037】上記ステップS11からステップS13の
検量線を作成する工程を、標準懸濁液の微粒子の組成を
代えながら繰り返すことによって、複数種の組成の検量
線を作成することができる。
【0038】次に、バルブ13およびバルブ15の開閉
操作を行って管接続の切り換えを行う。このバルブ操作
では、バルブ13のCを閉じるとともにAとBを開い
て、蓄液容器12を測定セル1からはずして導入管11
を測定セル14に接続し、バルブ15のCを閉じるとと
もにAとBを開いて、排出管17をはずして配管10側
の管16を測定セル14に接続する。この管接続の切り
換えによって、配管中を流れる流水は、導入管11から
測定セル14を通過して再び配管10に戻る流路が形成
される(ステップS14)。
【0039】ステップS14のバルブ操作の後、ペリス
タルティックポンプ19を作動させることによって、測
定セル14内には配管中を流れる流水が導入され、バル
ブ15を通過して配管10に戻される。このとき、光源
2から測定セル14に赤外領域の光を放出する。以下、
ステップS15〜ステップS17によって、流水中に含
まれる未知の微粒子の組成とその濃度を測定する。
【0040】測定セル14内に導入された赤外領域光
は、流水に含まれる種々の微粒子によって吸収される。
分光器5は、この吸収光を導入して分光を行い、検出対
象の微粒子の組成に対応する波長の吸収光を選択的に取
り出す。分光器5は、吸収光の選択的な取り出しを行う
ために、検出対象の微粒子に特有の波長に分光波長を設
定する。検出器6は選別した吸収光の吸収強度を検出し
て吸光度の測定を行う。分光波長を異ならせながら吸光
度を測定することによって、吸収スペクトルを求めるこ
ともできる(ステップS15)。前記ステップS15に
おいて、検出対象に特有の波長で分光を行った場合に
は、検出対象の微粒子に特有の吸光度が得られる。ま
た、分光波長を異ならせながら吸収スペクトルを求めた
場合には、該吸収スペクトルから検出対象に特有の波長
位置の吸収量から検出対象の微粒子に特有の吸光度を求
めることができ、この波長位置を異ならせることによっ
て、複数種の微粒子について測定を行うことができる。
【0041】この吸光度の測定において、検出対象の微
粒子に特有の波長について吸収強度がノイズ程度の微小
値である場合には、流水中にその検出対象の微粒子が存
在しないことを示しており、また、ある波長についてノ
イズ以上の有意な大きさの吸収強度が得られた場合に
は、流水中にその検出対象の微粒子が存在することを示
している。これによって、流水中に含まれる微粒子の組
成を識別することができる。
【0042】なお、吸収スペクトルの測定は、分光器の
設定波長を変更して測定したり、あるいは、分光器およ
び検出器を複数用いることによって行うことができる
(ステップS16)。
【0043】次に、前記ステップS13で作成した検量
線を用いて微粒子の濃度測定を行う。あらかじめ求めて
おいた検量線の中から、検出対象の微粒子に対応した検
量線を選択し、ステップS16で求めた吸光度に対応す
る濃度を検量線から求める。この検量線の選択は、ステ
ップS16で用いた分光波長と同じ波長の検量線を用い
ることにより行うことができる。これによって、検出対
象の微粒子の濃度を求めることができる(ステップS1
7)。
【0044】また、図7に示す光学系は反射鏡4bを用
いたものであり、図5に示す構成例中の光学系に代えて
構成することができる。
【0045】前記図5,7に示した構成例は、透過光を
グレーティングを用いた分光器によって分光する例であ
るが、図8,9に示すようにプリズムを用いた分光器で
構成することもできる。図8はレンズ系とプリズムを用
いた光学系5bによる構成例であり、プリズム5b1で
分光した光をスリット5b2で絞って検出器6に導くも
のである。また、図9は、反射鏡4bとプリズム5b1
を用いた光学系5bによる構成例であり、図8と同様に
プリズム5b1で分光した光をスリット5b2で絞って
検出器6に導く。
【0046】図10〜図13は干渉光を用て赤外スペク
トルを求める構成であり、MCT検出器を用いて得た測
定信号をフーリエ変換する構成例を図10,11に示
し、フィルターを用いて特定の波長域のみを通過させる
構成例を図12,13に示す。
【0047】図10,図11の構成例は、レンズ系4a
あるいは反射鏡4bを介して得られた光をMCT検出器
8に直接に導く構成であり、測定装置7においてMCT
検出器8で得られた測定信号をフーリエ変換して、赤外
スペクトルを求める。また、図12,図13の構成例
は、レンズ系4aあるいは反射鏡4bを介して得られた
光をバンドパスフィルター5cに通し、該バンドパスフ
ィルター5cで設定される特定波長域のみを選択的に通
過させ検出器6に導く構成である。
【0048】図14〜図21に示す構成例は、試料Sか
らの反射光を測定光とする場合である。図14に示す構
成例は、光源2からの光をハーフミラー4Aを介して試
料Sに照射し、試料Sで吸収が行われ放出される反射光
を再びハーフミラー4Aを介して分光器5に導いて分光
する例であり、図15に示す構成例は、光源2からの光
をカセグレン式対物鏡4Bを介して試料Sに照射し、試
料Sから反射される吸収光を分光器5に導いて分光する
例である。
【0049】また、図16,17に示すようにプリズム
を用いた構成とすることもできる。図16はハーフミラ
ー4Aとプリズム5b1を用いた光学系5bによる構成
例であり、プリズム5b1で分光した光をスリット5b
2で絞って検出器6に導く。また、図17は、カセグレ
ン式対物鏡4Bとプリズム5b1を用いた光学系5bに
よる構成例であり、図16と同様にプリズム5b1で分
光した光をスリット5b2で絞って検出器6に導く。
【0050】図18〜図21は干渉光を用いて赤外スペ
クトルを求める構成であり、MCT検出器を用いて得た
測定信号をフーリエ変換する構成例を図18,19に示
し、フィルターを用いて特定の波長域のみを通過させる
構成例を図20,21に示す。図18,図19の構成例
は、ハーフミラー4Aあるいはカセグレン式対物鏡4B
を介して得られた光をMCT検出器8に直接に導く構成
であり、測定装置7においてMCT検出器8で得られた
測定信号をフーリエ変換して、赤外スペクトルを求め
る。また、図20,図21の構成例は、ハーフミラー4
Aあるいはカセグレン式対物鏡4Bを介して得られた光
をバンドパスフィルター5cに通し、該バンドパスフィ
ルター5cで設定される特定波長域のみを選択的に通過
させ検出器6に導く構成である。
【0051】以下に、微粒子の組成毎に異なる吸収波長
の一例について説明する。例えば、CaCO3 の微粒子
の場合には、1420cm-1付近にCO3 2- の縮重伸縮
振動の吸収があり、CaSO4 の微粒子の場合には、1
130cm-1付近にSO4 2-の縮重伸縮振動の吸収があ
る。図22はCaCO3 の懸濁液の赤外吸収スペクトル
の図であり、顕微赤外装置を用いてフーリエ変換により
求めたスペクトルデータである。図22の赤外吸収スペ
クトルから、CaCO3 を0.2mol/l溶存する水
溶液の1420cm-1付近のCO3 2- の縮重伸縮振動の
吸収による吸収量は37であり、H2O の1420cm
-1付近の吸収量は21.5であるから、図23に示す検
量線を求めることができる。
【0052】従って、図23の検量線を用いることによ
って、吸収量からCaCO3 の微粒子の濃度を求めるこ
とができる。また、他の組成の微粒子についても同様に
検量線を求めておき、微粒子に対応する波長について吸
収量を求めることによって、各組成の微粒子の濃度を求
めることができる。
【0053】また、図示していないが、CaSO4 の微
粒子についても同様にして赤外吸収スペクトルおよび検
量線を求めることができる。
【0054】なお、本発明による微粒子の濃度測定で
は、吸収強度は、微粒子の組成によって生じるため、微
粒子の粒子径による影響はない。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の流水中の
微粒子の濃度定量方法によれば、流水中の微粒子の濃度
を組成毎に定量測定することができ、また、本発明の流
水中の微粒子の濃度定量装置によれば、1つの装置で流
水中の微粒子の濃度を組成毎に定量測定することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微粒子の濃度定量方法を説明するため
の図である。
【図2】本発明の微粒子の濃度定量方法に使用する検量
線の作成を説明するための概略図である。
【図3】本発明の検量線を用いた濃度定量方法を説明す
るするための概略図である。
【図4】本発明の検量線を用いた濃度定量方法を説明す
るするための概略図である。
【図5】本発明の微粒子の濃度定量方法を適用すること
ができる装置の第1の概略図である。
【図6】本発明の微粒子の濃度定量装置を用いた微粒子
の濃度の定量測定を説明するためのフローチャートであ
る。
【図7】本発明の微粒子の濃度定量方法を適用すること
ができる装置の第2の概略図である。
【図8】本発明の微粒子の濃度定量方法を適用すること
ができる装置の第3の概略図である。
【図9】本発明の微粒子の濃度定量方法を適用すること
ができる装置の第4の概略図である。
【図10】本発明の微粒子の濃度定量方法を適用するこ
とができる装置の第5の概略図である。
【図11】本発明の微粒子の濃度定量方法を適用するこ
とができる装置の第6の概略図である。
【図12】本発明の微粒子の濃度定量方法を適用するこ
とができる装置の第7の概略図である。
【図13】本発明の微粒子の濃度定量方法を適用するこ
とができる装置の第8の概略図である。
【図14】本発明の微粒子の濃度定量方法を適用するこ
とができる装置の第9の概略図である。
【図15】本発明の微粒子の濃度定量方法を適用するこ
とができる装置の第10の概略図である。
【図16】本発明の微粒子の濃度定量方法を適用するこ
とができる装置の第11の概略図である。
【図17】本発明の微粒子の濃度定量方法を適用するこ
とができる装置の第12の概略図である。
【図18】本発明の微粒子の濃度定量方法を適用するこ
とができる装置の第13の概略図である。
【図19】本発明の微粒子の濃度定量方法を適用するこ
とができる装置の第14の概略図である。
【図20】本発明の微粒子の濃度定量方法を適用するこ
とができる装置の第15の概略図である。
【図21】本発明の微粒子の濃度定量方法を適用するこ
とができる装置の第16の概略図である。
【図22】本発明の微粒子の濃度定量によるCaCO3
の懸濁液の赤外吸収スペクトルの図である。
【図23】本発明の微粒子の濃度定量によるCaCO3
の懸濁液の赤外吸収スペクトルから求めた検量線の図で
ある。
【符号の説明】
1 濃度定量装置 2 光源 3,4 光学系 5 分光器 6 検出器 7 測定装置 10 配管 11 導入管 12 蓄液容器 13,15 バルブ 14 測定セル 16 管 17 排出管 18 撹拌器 19 ペリスタルティックポンプ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流水中の微粒子に赤外領域の光を入射
    し、得られる透過光又は反射光から波長毎に吸収強度を
    測定する工程と、既知組成の微粒子の濃度と赤外領域光
    の吸収強度の関係を用いて、測定した吸収強度から流水
    中の微粒子濃度を求める工程とを含み、流水中の組成と
    濃度を求めることを特徴とする流水中の微粒子の濃度定
    量方法。
  2. 【請求項2】 前記微粒子の濃度と吸収強度の関係は、
    濃度が既知の微粒子から得られる赤外領域光の吸収強度
    を測定し、該吸収強度を用いて検量線により定めること
    を特徴とする請求項1記載の微粒子の濃度定量方法。
  3. 【請求項3】 流水と組成と濃度が既知の微粒子を含む
    液体を選択的に測定セルに導入する導入手段と、測定セ
    ルに赤外領域光を入射する光源と、吸収光の吸収強度を
    波長毎に測定する吸収強度測定手段と、既知組成の微粒
    子濃度と赤外領域光の吸収強度の関係を用いて、前記吸
    収強度測定手段によって流水中の吸収強度から流水中の
    微粒子濃度を求める測定手段とを備えたことを特徴とす
    る流水中の微粒子の濃度定量装置。
  4. 【請求項4】 前記導入手段は、流水路と組成と濃度が
    既知の微粒子を含む液体を納める容器とを、測定セルに
    対して選択的に接続するバルブを含むことを特徴とする
    請求項3記載の微粒子の濃度定量装置。
JP5112797A 1997-02-20 1997-02-20 流水中の微粒子の濃度定量方法および濃度定量装置 Withdrawn JPH10232201A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012075958A1 (zh) * 2010-12-09 2012-06-14 霍尼韦尔综合科技(中国)有限公司 实时在线吸收检测系统

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