JP2007285922A - 近赤外光を用いた臨床血液検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】血液又は血液由来物に近赤外光を照射し、その結果によって臨床生化学検査及び疾病の臨床検査を可能にする手段を提供すること。
【解決手段】 波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を血液又は血液由来物に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって臨床生化学検査、臨床疾病検査を可能とした。
【選択図】なし
【解決手段】 波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を血液又は血液由来物に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって臨床生化学検査、臨床疾病検査を可能とした。
【選択図】なし
Description
本発明は、近赤外光を用いた臨床血液検査方法及び同方法に使用する装置に関するものである。
現在、肝機能障害、腎機能障害、糖尿病、高脂血症等の疾病の診断は、生化学的な臨床検査数値(コレステロール、血糖値、ビリルビン、AST、ALT、トリグリセロール、G-GTP、LDH、ALP)を指標に行われるが、大量のサンプルを必要とし、対象者から侵襲的にサンプルを採取しなければならない。さらに、これまでの臨床検査は、個々の生化学物質の単独を測定し、その結果をもって疾病の判断をするものであり、各疾病の総合的な変異に基づく判断は不可能であった。
したがって、臨床検査のための改善された方法は、各種疾病の総合判断にとって大いに有益である。
したがって、臨床検査のための改善された方法は、各種疾病の総合判断にとって大いに有益である。
ところで最近では、種々の分野で近赤外線を用いた成分分析が行われている。例えば、可視光及び/又は近赤外線を宿主に照射して、特定成分に吸収される波長帯を検出することで、各種特定成分を定量分析することが行われている。これは、例えば石英セル中にサンプルを注入し、これに近赤外分光器(例えば、ニレコ社製近赤外分光器NIRSystem6500)を用いて、400nm〜2500nmの波長範囲の可視光及び/又は近赤外線を照射して、その透過光、反射光、又は透過反射光を分析することで行う。一般に、近赤外線は、物質の吸光係数が非常に小さく散乱を受け難く、エネルギーの低い電磁波であるので、サンプルにダメージを与えることなく化学的・物理的情報を得ることができる。そのために、サンプルからの透過光等を検出して、サンプルの吸光度データを求めて、得られた吸光度データを多変量解析することで、直ちにサンプルの情報を得ることができ、例えば生体分子の構造や機能の変化の過程を直接的にまたリアルタイムに捉えることができる。このような近赤外線分光法に関する従来技術として、下記の特許文献1・2記載のものが挙げられる。特許文献1には、可視−近赤外線を用いて被検体から情報を得る方法、具体的には、未知の被検体が属する群を判別する方法、未知の被検体を同定する方法、及び被検体における経時変化をリアルタイムでモニターする方法が開示されている。特許文献2には、可視光及び/又は近赤外線領域における水分子の吸収バンドを用いて、得られた吸光度データを多変量解析することで、牛乳または乳房中の体細胞を測定して牛の乳房炎の診断を行う方法が開示されている。
本発明の課題は、血液又は血液由来物に近赤外光を照射し、その結果によって臨床生化学検査及び疾病の臨床検査を可能にする手段を提供することにある。
本発明は、以下からなる;
1.波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を血液又は血液由来成分に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって血液又は血液由来成分について臨床生化学分析又は臨床疾患の情報を得る方法。
2.臨床生化学分析が、コレステロール、血糖値、ビリルビン、AST、ALT、トリグリセロール、G-GTP、LDH、ALP、アディポネクチンから選ばれる少なくとも1である前項1の方法。
3.臨床疾患が、心筋梗塞、脳梗塞、肝機能障害、腎機能障害、糖尿病、高脂血症から選ばれる少なくとも1である前項1の方法。
4.採取血液又は採取後分画された血液由来成分について照射される前項1〜3何れか一に記載の方法。
5.血液について非侵襲的に測定する前項1〜3の何れか一に記載の方法。
6.解析モデルが、健常者及び臨床疾患者の血液又は血液由来成分について、波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を血液又は血液由来成分に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その健常者と特定臨床疾患患者との吸光度の差異を分析し、その差異波長を統計的に分析して調製される前項1〜5の何れか一に記載の方法。
7.透過光である前項1〜5何れか一に記載の方法。
8.前項1〜7の何れか一に記載の方法による臨床検査方法。
9.波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を血液又は血液由来成分に照射する投光手段と、
投光前又は投光後に分光する分光手段、および、前記試料に照射された光の反射光、透過光または透過反射光を検出する検出手段と、
検出により得られた吸光度スペクトルデータの中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって血液又は血液由来成分を定量的または定性的に分析するデータ解析手段と、を備えたことを特徴とする検査・診断装置。
10.前項1〜8何れか一に記載の方法に使用される前項9の装置。
1.波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を血液又は血液由来成分に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって血液又は血液由来成分について臨床生化学分析又は臨床疾患の情報を得る方法。
2.臨床生化学分析が、コレステロール、血糖値、ビリルビン、AST、ALT、トリグリセロール、G-GTP、LDH、ALP、アディポネクチンから選ばれる少なくとも1である前項1の方法。
3.臨床疾患が、心筋梗塞、脳梗塞、肝機能障害、腎機能障害、糖尿病、高脂血症から選ばれる少なくとも1である前項1の方法。
4.採取血液又は採取後分画された血液由来成分について照射される前項1〜3何れか一に記載の方法。
5.血液について非侵襲的に測定する前項1〜3の何れか一に記載の方法。
6.解析モデルが、健常者及び臨床疾患者の血液又は血液由来成分について、波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を血液又は血液由来成分に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その健常者と特定臨床疾患患者との吸光度の差異を分析し、その差異波長を統計的に分析して調製される前項1〜5の何れか一に記載の方法。
7.透過光である前項1〜5何れか一に記載の方法。
8.前項1〜7の何れか一に記載の方法による臨床検査方法。
9.波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を血液又は血液由来成分に照射する投光手段と、
投光前又は投光後に分光する分光手段、および、前記試料に照射された光の反射光、透過光または透過反射光を検出する検出手段と、
検出により得られた吸光度スペクトルデータの中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって血液又は血液由来成分を定量的または定性的に分析するデータ解析手段と、を備えたことを特徴とする検査・診断装置。
10.前項1〜8何れか一に記載の方法に使用される前項9の装置。
本発明によれば、臨床検査を簡易迅速かつ高精度に検査・判定することができ、各種臨床検査の判定に広く利用することができる。簡易迅速であるため、大量の検体又は対象を一斉に検査する必要がある場合などに有用である。また、検査は、対象者に対し非侵襲的に実施可能なため、対象者に苦痛を与えることなく、迅速に、簡便に臨床検査を実施可能である。
本発明の対象の一は、近赤外光である波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を血液又は血液由来物に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって血液又は血液由来成分について臨床生化学分析又は臨床疾患の情報を得る方法である。
本発明において、血液又は血液由来物とは、検査用に採取した血液でもよく、この血液を分画したものでもよく、血清、血漿であってもよい。血液又は血液由来物は、ガラス又はプラスチック試験管に保存され、容器保存のまま測定に利用される。さらに、本発明において、血液という文言には、非侵襲的に人体の血液を直接測定する場合を含む。非侵襲的に行うとは、血液を採取することなく、指、耳等に対して近赤外光を照射し、吸光度スペクトルデータを得て、判定を行うことである。
本発明で、血液又は血液由来物に近赤外光を照射して得られる臨床生化学分析は、コレステロール、血糖値、ビリルビン、AST、ALT、トリグリセロール、G-GTP、LDH、ALP、アディポネクチン等が代表的に例示される。しかし、広く本発明の手法を用いれば、この例示以外の生化学物質にも適用可能である。
本発明では、血液又は血液由来物に近赤外光を照射して、その疾患との対比で、異常が総合的に判定可能であるので、臨床疾患の判定に応用可能である。例えば、心筋梗塞、脳梗塞、肝機能障害、腎機能障害、糖尿病、高脂血症等が好適に例示される。しかし、広く本発明の手法を用いれば、この例示以外の臨床疾患の判定に適用可能である。
本発明において、判定のためには解析モデルの設定が好ましい。このモデルとの対比により、臨床生化学分析又は臨床疾患の情報をえることができる。解析モデルは、健常者及び臨床疾患者の血液又は血液由来成分について、波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を血液又は血液由来成分に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その健常者と特定臨床疾患患者との吸光度の差異を分析し、その差異波長を統計的に分析して調製される。
本発明に使用する装置は、波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を検体に照射する投光手段と、投光前又は投光後に分光する分光手段、および、前記検体に照射された光の反射光、透過光または透過反射光を検出する検出手段と、検出により得られた吸光度スペクトルデータの中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって検体の生化学物質を定量的または定性的に分析するデータ解析手段と、を備えたことを特徴とする検査・診断装置である。
スペクトル測定の概略
本装置による検査・診断は、(a)波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を検体に照射し、(b)その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、(c)その中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって検体中の生化学物質(疾病)を定量的または定性的に検査・判定する。
本装置による検査・診断は、(a)波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を検体に照射し、(b)その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、(c)その中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって検体中の生化学物質(疾病)を定量的または定性的に検査・判定する。
本発明の第1の特徴点は、簡易迅速かつ高精度に検体における生化学物質(疾病)の情報を入手可能な点にあり、身体に非侵襲的に生化学的物質(疾病)の検定も可能である。検体に照射する波長の範囲は、400nm〜2500nmの範囲またはその一部の範囲(例えば600〜1100nm)である。この波長の範囲は、解析モデルを作成した後、この解析モデルによる検査・判定に必要な波長光を含む、1又は複数の波長域として設定することができる。
光源としては、ハロゲンランプ・LED等を使用できるが、特に限定されるものではない。光源から発せられた光は、直接またはファイバープローブ等の投光手段を介して検体に照射される。検体に照射する前に分光器によって分光する前分光方式を採用してもよいし、照射後に分光する後分光方式を採用してもよい。前分光方式の場合は、光源からの光をプリズムで一度に同時に分光する方法と、回折格子のスリット間隔を変化させることにより連続的に波長を変化させる方法とがある。後者の方法の場合には、光源からの光を所定の波長幅で分解することによって、連続的に波長を変化させた連続波長光が検体に照射される。例えば、600〜1000nmの範囲の波長光を波長分解能1nmで分解し、波長を1nmずつ連続的に変化させた光を検体に照射することが可能である。
検体に照射された光の反射光、透過光または透過反射光が検出器により検出され、生の吸光度スペクトルデータが得られる。生の吸光度スペクトルデータをそのまま使用して解析モデルによる検査・判定を行ってもよいが、得られたスペクトル中のピークを分光学的手法あるいは多変量解析手法により要素ピークに分解するなどのデータ変換処理を行い、変換後の吸光度スペクトルデータを使用して解析モデルによる検査・判定を行うことが好ましい。分光学的手法としては、例えば、2次微分処理やフーリエ変換があり、多変量解析手法としてはウェブレット変換、ニューラルネットワーク法等が例示されるが、特に限定されるものではない。
なお、本装置によるスペクトル測定においては、検体に対し、所定の条件を付加することで摂動(perturbation)を与えることも可能である。
データの解析方法(解析モデルの作成)
本発明において装置は、得られた吸光度スペクトルデータの中の特定波長(または測定全波長)の吸光度を解析モデルで解析することによって、検体中の生化学物質(疾病)の異常度の検定を行う。つまり、最終的な臨床検査に応用するためには、解析モデルが予め作成されていることが好ましい。無論、この解析モデルはスペクトル測定時にあわせて作成することとしてもよい。
本発明において装置は、得られた吸光度スペクトルデータの中の特定波長(または測定全波長)の吸光度を解析モデルで解析することによって、検体中の生化学物質(疾病)の異常度の検定を行う。つまり、最終的な臨床検査に応用するためには、解析モデルが予め作成されていることが好ましい。無論、この解析モデルはスペクトル測定時にあわせて作成することとしてもよい。
解析モデルは測定前に予め作成しておくことが望ましいが、測定時に取得するスペクトルデータを解析モデル作成用と検定用とに2分割し、解析モデル作成用データをもとに得られた解析モデルを使用して検定を行ってもよい。例えば、大量の検体を一斉に検査する場合、検体の一部を解析モデル作成用とする。この場合は、測定時に解析モデルを作成することになる。この手法では教師データが無くても解析モデルを作成できる。定量および定性モデルの両方に対応可能である。
解析モデルは多変量解析によって作成可能である。例えば、血液中の生化学物質(濃度)を予測する場合、スペクトル測定により取得した全波長の吸収スペクトルを格納するデータ行列を特異値分解によりスコアとローディングとに分解し、血液中の特定生化学物質量の変動を要約する主成分を抽出する(主成分分析)。これにより、共線性(=説明変量間の相関が高いこと)の少ない独立な成分を重回帰分析に使用できるようになる。そして説明変量をスコアあるいはローディング、目的変量を特定生化学物質量とする重回帰分析を適用する。これにより、測定全波長あるいは特定波長の吸収スペクトルから特定生化学物質量を推定する解析モデルを作成できる。これら一連の作業(多変量解析)は主成分回帰法(PCR: Principal Component Regression)あるいはPLS(Partial Least Squares)回帰法として確立されている(参考文献:尾崎幸洋、宇田明史、赤井俊男「化学者のための多変量解析−ケモメトリックス入門」、講談社、2002年)。回帰分析法としてはこのほかにCLS(Classical Least Squares)法、クロスバリデーション法などが挙げられる。
多変量解析を使用した解析モデルの作成は、自作ソフトや市販の多変量解析ソフトを用いて行うことができる。また、使用目的に特化したソフトの作成により、迅速な解析が可能になる。
このような多変量解析ソフトを用いて組み立てられた解析モデルをファイルとして保存しておき、血液又は血液由来物を使用した検体の検定時にこのファイルを呼び出し、当該検体に対して解析モデルを用いた定量的または定性的な検定を行う。これにより、簡易迅速な検体の臨床検査が可能になる。なお解析モデルは、定量モデル、定性モデルなど複数の解析モデルをファイルとして保存しておき、各モデルは適宜更新されることが好ましい。
解析モデルが作成されれば、当該解析モデルによる検定に必要な波長光が決定される。本装置は、こうして決定された1又は複数の波長域を検体に照射する構成とすることで装置構成をより単純化することができる。
本発明による好適な検体測定方法とデータ解析方法
本発明によるスペクトル測定においては、検体に対し、所定の条件を付加することで摂動(perturbation)を与えることが出来る。また、本装置によるデータ解析においては、この摂動の効果を引き出すようなデータ解析が好適に例示される。
本発明によるスペクトル測定においては、検体に対し、所定の条件を付加することで摂動(perturbation)を与えることが出来る。また、本装置によるデータ解析においては、この摂動の効果を引き出すようなデータ解析が好適に例示される。
摂動(perturbation)
「摂動」とは、ある条件について複数の種類・条件を設定し測定することで試料の吸光度変化をもたらし、互いに異なる複数のスペクトルデータを取得することをいう。条件としては、濃度変更(濃度希釈を含む)、光の繰り返し照射、照射時間の延長、電磁力付加、光路長変更、温度、pH、圧力、機械的振動、その他その条件の変更によって物理的または化学的な変化をもたらすもののいずれか、または、それらの組み合わせを挙げることができ、(1)光照射の仕方に関するものと、(2)検体の準備・調製の仕方に関するものとに大別される。(1)については光の繰り返し照射、(2)については濃度希釈の場合を例に挙げ、以下説明する。
「摂動」とは、ある条件について複数の種類・条件を設定し測定することで試料の吸光度変化をもたらし、互いに異なる複数のスペクトルデータを取得することをいう。条件としては、濃度変更(濃度希釈を含む)、光の繰り返し照射、照射時間の延長、電磁力付加、光路長変更、温度、pH、圧力、機械的振動、その他その条件の変更によって物理的または化学的な変化をもたらすもののいずれか、または、それらの組み合わせを挙げることができ、(1)光照射の仕方に関するものと、(2)検体の準備・調製の仕方に関するものとに大別される。(1)については光の繰り返し照射、(2)については濃度希釈の場合を例に挙げ、以下説明する。
光の繰り返し照射は、連続して又は一定の時間間隔で光を繰り返し照射して複数回の測定という摂動を与えて検体検体のスペクトル測定を行う方法である。例えば、光を3回連続照射することにより、検体の吸光度が微妙に変化し(揺らぎ)、互いに異なる複数のスペクトルデータが得られる。これらのスペクトルデータをSIMCA法やPLS法等の多変量解析に用いることにより、解析精度を向上することができ、高精度な検査・診断が可能になる。なお、通常スペクトルを測定するときは、光を複数回照射し測定するが、これは平均値を出すことが目的であり、ここでいう「摂動」とは異なる。
摂動による検体の吸光度変化は、検体中の水分子の吸収に変化(揺らぎ)が生じるためと考えられる。すなわち摂動として光を3回繰り返し照射することによって、1回目、2回目、3回目それぞれ水の応答、吸収に微妙に異なる変化が起こり、その結果スペクトルに揺らぎが生じるものと考えられる。
このような3回繰り返し照射によりそれぞれ得られた吸光度スペクトルデータを使用してPLS法による回帰分析を行うことによって、各検体の特定生化学物質の量を良好に定量することができた。
また、このように光を3回繰り返し照射した場合、得られた3回の吸光度スペクトルデータのうち少なくとも2回の吸光度スペクトルデータを使用してSIMCA法によるクラス判別を行うことによって、各検体を良好に分類することができ、高精度な検査・診断が可能である。光照射回数は特に3回に制限されないが、データ解析の煩雑さ等を考慮すると、3回程度が好ましい。
他方、濃度希釈による摂動は、検体を数段階に希釈したものを準備し、各検体のスペクトル測定を行う。これにより、1つの検体について複数のスペクトルデータが得られ、これらのスペクトルデータを多変量解析に用いることにより、高精度な検査・診断が可能になる。この場合の多変量解析例としては、まず各検体につき希釈度を目的変量とするPLS回帰分析を行い、次いで、得られた回帰ベクトルをSIMCA法などのパターン認識を用いて分類する。こうして作成されたクラス判別モデルを用いて、検体の回帰ベクトルがいずれのクラスの回帰ベクトル(パターン)に近いかを判別・分類することによって、検査・診断が可能である。
希釈数や希釈の程度は特に制限されるものではない。濃度希釈による摂動によって取得するスペクトルに揺らぎが生じればよいので、これらの数値は任意に設定することができる。
濃度希釈、光の繰り返し照射以外の摂動の条件についても同様に、取得するスペクトルに揺らぎを生じさせるよう、各条件について複数の種類・条件を設定し、スペクトル測定を行えばよい(特願2003−379517号参照)。
摂動効果を引き出すデータ解析方法
「摂動効果を引き出すデータ解析」とは、1つの検体につき摂動により得られた複数のスペクトルデータを使用して解析モデルを作成すること、および、その解析モデルを使用してデータ解析を行うことをいうが、そのデータ解析方法の具体例として、下記3つの方法を挙げることができる。
「摂動効果を引き出すデータ解析」とは、1つの検体につき摂動により得られた複数のスペクトルデータを使用して解析モデルを作成すること、および、その解析モデルを使用してデータ解析を行うことをいうが、そのデータ解析方法の具体例として、下記3つの方法を挙げることができる。
(a)定量的解析:PLS法などの回帰分析により作成した定量モデルを用いて、特定生化学物質量など検体中の目的物質を定量する方法
定量モデルは、1つの検体につき摂動により得られた複数のスペクトルデータを使用して作成する。
定量モデルは、1つの検体につき摂動により得られた複数のスペクトルデータを使用して作成する。
(b)定性的解析1:SIMCA法などのクラス判別解析により作成した定性モデルを用いて、検体を検定する方法
定性モデルは、1つの検体につき摂動により得られた複数のスペクトルデータを使用して作成する。
定性モデルは、1つの検体につき摂動により得られた複数のスペクトルデータを使用して作成する。
(c)定性的解析2:(1)濃度希釈値(希釈度)など摂動の各値(摂動を与えるため条件を振った各値)を目的変量とする回帰分析(PLS法など)を行い、(2)同分析により得られた回帰ベクトルに対して、SIMCA法などのクラス判別解析を行うことで作成した定性モデルを用いて、検体を検定する方法
回帰分析は、上記のように、1つの検体につき摂動により得られた複数のスペクトルデータを使用して行う。
回帰分析は、上記のように、1つの検体につき摂動により得られた複数のスペクトルデータを使用して行う。
本発明における測定装置の具体的構成
本発明に係る装置の検査・診断システムの構成としては、プローブ(投光部)、分光・検出部、データ解析部および結果表示部の4つの要素を備えて構成することができる。
本発明に係る装置の検査・診断システムの構成としては、プローブ(投光部)、分光・検出部、データ解析部および結果表示部の4つの要素を備えて構成することができる。
プローブ(投光手段)
プローブは、ハロゲンランプ・LED等の光源からの光(波長400nm〜2500nmの全範囲またはその一部範囲)を測定対象である検体に導く機能を有する。例えばファイバープローブとし、柔軟な光ファイバーを介して測定対象(検体)に投光する構成が挙げられる。一般に近赤外線分光器のプローブは安価に作製することができ、低コストである。
プローブは、ハロゲンランプ・LED等の光源からの光(波長400nm〜2500nmの全範囲またはその一部範囲)を測定対象である検体に導く機能を有する。例えばファイバープローブとし、柔軟な光ファイバーを介して測定対象(検体)に投光する構成が挙げられる。一般に近赤外線分光器のプローブは安価に作製することができ、低コストである。
なお、光源から発せられた光を直接測定対象である検体に投光する構成としてもよいが、その場合プローブは不要であり、光源が投光手段として機能する。
前述のように、解析モデルが作成されれば、当該解析モデルによる検査・診断に必要な波長光が決定される。本装置は、こうして決定された1又は複数の波長域を検体に照射する構成とすることで装置構成をより単純化することができる。
また、本装置は、摂動を与えながらスペクトル測定を行うことを好適な態様としており、摂動付与に必要な構成を適宜備えることが好ましい。
分光・検出部(分光手段および検出手段)
本装置は、測定システムとして近赤外線分光器の構成を有する。近赤外線分光器は一般に、光を測定対象物である検体に照射し、この対象物からの反射光や透過光あるいは透過反射光を検出部で検出する。さらに、検出された光について波長別に入射光に対する吸光度が測定される。
本装置は、測定システムとして近赤外線分光器の構成を有する。近赤外線分光器は一般に、光を測定対象物である検体に照射し、この対象物からの反射光や透過光あるいは透過反射光を検出部で検出する。さらに、検出された光について波長別に入射光に対する吸光度が測定される。
分光方式には前分光と後分光とがある。前分光は、測定対象物に投光する前に分光する。後分光は、測定対象物からの光を検出し分光する。本装置の分光・検出部は、前分光、後分光いずれの分光方式を採用するものであってもよい。
検出方法には3種類あり、反射光検出、透過光検出および透過反射光検出がある。反射光検出および透過光検出は、それぞれ、測定対象物からの反射光と透過光とを検出器によって検出する。透過反射光検出は、入射光が測定対象物内に入射した屈折光が物体内で反射し、再び物体外に放射された光が反射光と干渉する光を検出する。本装置の分光・検出部は、反射光検出、透過光検出および透過反射光検出のいずれの検出方式を採用するものであってもよい。
分光・検出部内の検出器は、例えば半導体素子であるCCD(Charge Coupled Device)などによって構成することができるが、勿論これに限定されるものではなく、他の受光素子を使用してもよい。分光器についても公知の手段によって構成することができる。
データ解析部(データ解析手段)
分光・検出部から波長別の吸光度、即ち吸光度スペクトルデータが得られる。データ解析部は、この吸光度スペクトルデータをもとに、予め作成した解析モデルを使用して、検体環境の変化の検定を行う。
分光・検出部から波長別の吸光度、即ち吸光度スペクトルデータが得られる。データ解析部は、この吸光度スペクトルデータをもとに、予め作成した解析モデルを使用して、検体環境の変化の検定を行う。
解析モデルは、定量モデル、定性モデルなど複数の解析モデルを用意しておき、定量評価を行うか、あるいは定性的評価を行うかに応じて、異なるものを使用してもよい。また、解析モデルは、各特定生化学物質毎に、及び/又は疾病毎にモデルを作成しておき、1つの装置でいずれの検査も可能な構成としてもよい。
データ解析部は、スペクトルデータ、多変量解析用プログラム、解析モデルなどの各種データを記憶する記憶部と、これらのデータおよびプログラムに基づき演算処理を行う演算処理部とによって構成することができ、例えばICチップなどによって実現可能である。したがって、本装置を携帯型とするため小型化することも容易である。上記の解析モデルも、ICチップなどの記憶部に書き込まれる。
結果表示部(表示手段)
結果表示部は、データ解析部における解析結果を表示する。具体的には、解析モデルによる解析の結果得られた検体中の特定生化学物質量などの濃度値を表示する。あるいは、定性モデルの場合は、その判別結果に基づき「正常」「異常の可能性高い」「異常」などといった表示を行う。なお、本装置を携帯型とする場合は、結果表示部を液晶等のフラットディスプレイとすることが好ましい。
結果表示部は、データ解析部における解析結果を表示する。具体的には、解析モデルによる解析の結果得られた検体中の特定生化学物質量などの濃度値を表示する。あるいは、定性モデルの場合は、その判別結果に基づき「正常」「異常の可能性高い」「異常」などといった表示を行う。なお、本装置を携帯型とする場合は、結果表示部を液晶等のフラットディスプレイとすることが好ましい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例によって何ら限定されるものではない。
実施例1:近赤外線分光法による検査
吸収スペクトルの測定
本実施例では、以下の測定方法により、各検体の吸収スペクトルを測定した。
実施例1:近赤外線分光法による検査
吸収スペクトルの測定
本実施例では、以下の測定方法により、各検体の吸収スペクトルを測定した。
健康人及び各種生化学物質異常検体又は疾患検体の血清を入手し、これらの生化学的分析を行った。分析は、各生化学物質測定法として既知の手法によった。測定は、ALP、トリグリセロール(TG)、LDH、総ビリルビン(T−Bil)、ALP、G-GTP、AST、ALTについておこなった。後述の実施例では、10倍程度に希釈した血清を検体試料に使用し、1つの試料につき3回連続照射にて各々得られた3つの吸光度データを使用して解析モデルを作成した。このような方法で解析モデルを作成することができ、また、同様の方法で未知試料のスペクトル測定を行い、得られた吸光度データを当該解析モデルにより解析することで生化学物質検査・診断が可能である。
(引用文献:臨床検査・診断ハンドブック / 猪狩淳監修- 改訂版. : エルゼビア・サイエンスミクス, 2002年)
(引用文献:臨床検査・診断ハンドブック / 猪狩淳監修- 改訂版. : エルゼビア・サイエンスミクス, 2002年)
一方、各群について、検体である各血清について近赤外線を使い測定した。検体を10倍程度に希釈し、近赤外線分光装置(製品名「FQA-NIRGUN(Japan Fantec Research Institute, Shizuoka, Japan)」)を使用して光繰り返し照射の摂動を与えながら測定を行った。具体的には、600〜1100nmの波長光を連続して3回検体に照射することで、各透過光を検出することによって吸収スペクトルを測定した。波長分解能は2nmである。光出力部と光検出部で検体を挟むことにより、検体を透過する光路長は検体容器の大きさに設定した。積算時間は20msecである。
吸収スペクトルの解析
本実施例では健常者血液の吸収スペクトルと各測定生化学物質異常(疾患者)血液の吸収スペクトルを各34〜123検体を測定し、その差異についての回帰分析をおこない、各波長でPLS(partial least squares regression analysis)モデルを作成し各生化学物質(疾患)異常者と健常者の各波長における差異の大きさを予測し、検討した。
また、上記により作成されたモデルによる予測値は、以下のようにして決定した。
PLSモデル作成に用いた検体とは別に10検体用意し、この10検体を予測値測定用の未知検体とした。これら予測値測定用検体の吸収スペクトルをPLSモデルに代入することにより、予測値を算出した。
本実施例では健常者血液の吸収スペクトルと各測定生化学物質異常(疾患者)血液の吸収スペクトルを各34〜123検体を測定し、その差異についての回帰分析をおこない、各波長でPLS(partial least squares regression analysis)モデルを作成し各生化学物質(疾患)異常者と健常者の各波長における差異の大きさを予測し、検討した。
また、上記により作成されたモデルによる予測値は、以下のようにして決定した。
PLSモデル作成に用いた検体とは別に10検体用意し、この10検体を予測値測定用の未知検体とした。これら予測値測定用検体の吸収スペクトルをPLSモデルに代入することにより、予測値を算出した。
PLSの解析条件は、以下である。
AST Model Used:
--------------------------------
Calibration Method: PLS
Validation Method: Cross Validation
Data is Centered
Suggested Number of PCs: 5
Number of PCs Used in Prediction: 5
--------------------------------
T-Bil Model Used:
--------------------------------
Calibration Method: PLS
Validation Method: Cross Validation
Data is Centered
Suggested Number of PCs: 4
Number of PCs Used in Prediction: 4
--------------------------------
TG Model Used:
--------------------------------
Calibration Method: PLS
Validation Method: Cross Validation
Data is Centered
Suggested Number of PCs: 5
Number of PCs Used in Prediction: 5
--------------------------------
AST Model Used:
--------------------------------
Calibration Method: PLS
Validation Method: Cross Validation
Data is Centered
Suggested Number of PCs: 5
Number of PCs Used in Prediction: 5
--------------------------------
T-Bil Model Used:
--------------------------------
Calibration Method: PLS
Validation Method: Cross Validation
Data is Centered
Suggested Number of PCs: 4
Number of PCs Used in Prediction: 4
--------------------------------
TG Model Used:
--------------------------------
Calibration Method: PLS
Validation Method: Cross Validation
Data is Centered
Suggested Number of PCs: 5
Number of PCs Used in Prediction: 5
--------------------------------
バリデーションはサンプルを取り除き、モデルの有効性を検証する方法で、主にstep validationとcross validationがある。Step validationは連続するサンプル順番の組みを除外し、crossはとびとびの順番で除外してモデルを作成した後に、除外されたサンプルが正しく判定されるかを検証する。
図1(A〜C)は、Factor Selectを行った結果であり、横軸にFactor数、縦軸に誤差(SECV:Standard Error of cross-Validation:クロスバリデーションの標準偏差)を示す。SECVが最小のときのPLSモデルが最良であるので、このFactor Select でSECVが最小になるFactor数(このとき、相関係数rは、キャリブレーション後・バリデーション後の順にそれぞれ、ASTで0.84・0.83、T-Bilで0.84・0.79、TGで0.81・0.78となった)を選び、このときのPLSモデルを使用し解析をおこなった。
図2(A〜G)に定量モデルとして作成した重回帰式の全偏回帰係数(回帰ベクトル(Regression Vector))を示している。横軸が波長(nm)を、縦軸が回帰係数の値を示す。使用した波長は600nmから1100nmで、波長の分解能は2nmである。回帰係数は、生化学物質(疾病)に対し、どの波長が最も重要で、どれがほとんど役にたたないかを示す。回帰係数の高い波長は、その波長の吸光度が健康人血液に対して異常度が高いものほど高くなっていることを示す。回帰係数が負の値のものは、その波長の吸光度が異常度が低いものほど高くなっていることを示す。回帰係数が0のものは、その波長の吸光度が異常度の高低に関係ないことを示す。
図3(A〜C)にモデル相関図を示し、横軸に既存の測定法で生化学物質測定値を、縦軸に近赤外分光法により予測された値を表示し、モデルを作成した。青色がキャリブレーションモデルの場合、赤色がバリデーションモデルの場合である。
図4(A〜C)に予測値相関図を示し、横軸に既存の測定法で生化学物質測定値を、縦軸に未知検体の近赤外スペクトルのPLSモデルへの代入により予測された値を表示した。
PLS解析により得られた解析モデルを用いて、各生化学物質の量を高精度に予測することができた。こうして組み立てられた解析モデルをファイルとして保存しておき、未知サンプルの検査・診断時にこのファイルを呼び出し、対象検体の各生化学物質量を解析モデルで予測する。これにより、簡易迅速な検体の臨床検査が可能になる。
PLS解析により得られた解析モデルを用いて、各生化学物質の量を高精度に予測することができた。こうして組み立てられた解析モデルをファイルとして保存しておき、未知サンプルの検査・診断時にこのファイルを呼び出し、対象検体の各生化学物質量を解析モデルで予測する。これにより、簡易迅速な検体の臨床検査が可能になる。
以上のように、本発明は、波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を血液又は血液由来物に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって血液又は血液由来物について生化学物質(疾病)を簡易迅速かつ高精度に検査・判定することができ、臨床検査などに広く利用できるものである。
Claims (10)
- 波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を血液又は血液由来成分に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって血液又は血液由来成分について臨床生化学分析又は臨床疾患の情報を得る方法。
- 臨床生化学分析が、コレステロール、血糖値、ビリルビン、AST、ALT、トリグリセロール、G-GTP、LDH、ALP、アディポネクチンから選ばれる少なくとも1である請求項1の方法。
- 臨床疾患が、心筋梗塞、脳梗塞、肝機能障害、腎機能障害、糖尿病、高脂血症から選ばれる少なくとも1である請求項1の方法。
- 採取血液又は採取後分画された血液由来成分について照射される請求項1〜3何れか一に記載の方法。
- 血液について非侵襲的に測定する請求項1〜3の何れか一に記載の方法。
- 解析モデルが、健常者及び臨床疾患者の血液又は血液由来成分について、波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を血液又は血液由来成分に照射し、その反射光、透過光または透過反射光を検出して吸光度スペクトルデータを得た後、その健常者と特定臨床疾患患者との吸光度の差異を分析し、その差異波長を統計的に分析して調整される請求項1〜5の何れか一に記載の方法。
- 透過光である請求項1〜5何れか一に記載の方法。
- 請求項1〜7の何れか一に記載の方法による臨床検査方法。
- 波長400nm〜2500nmの範囲またはその一部範囲の波長光を血液又は血液由来成分に照射する投光手段と、
投光前又は投光後に分光する分光手段、および、前記試料に照射された光の反射光、透過光または透過反射光を検出する検出手段と、
検出により得られた吸光度スペクトルデータの中の測定全波長あるいは特定波長の吸光度を、予め作成した解析モデルを用いて解析することによって血液又は血液由来成分を定量的または定性的に分析するデータ解析手段と、を備えたことを特徴とする検査・診断装置。 - 請求項1〜8何れか一に記載の方法に使用される請求項9の装置。
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-
2006
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