JPH10231758A - 希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置 - Google Patents

希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置

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JPH10231758A
JPH10231758A JP32181097A JP32181097A JPH10231758A JP H10231758 A JPH10231758 A JP H10231758A JP 32181097 A JP32181097 A JP 32181097A JP 32181097 A JP32181097 A JP 32181097A JP H10231758 A JPH10231758 A JP H10231758A
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Zenichirou Masuki
善一郎 益城
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Abstract

(57)【要約】 【課題】希薄燃焼内燃機関において蒸発燃料を適切に導
入し、最適燃焼を確保する。 【解決手段】内燃機関の駆動用の燃料を収容する燃料収
容手段から発生する蒸発燃料を内燃機関の吸気系にパー
ジするパージ通路と、前記パージ通路から前記吸気系に
導入される蒸発燃料量を、内燃機関の運転状態に応じて
制御するパージ制御手段とを備え、機関回転数の状態、
出力変動、燃焼状態に応じて蒸発燃料量を補正手段で補
正するとともに、燃料噴射量、燃料噴射時期などを補正
し、希薄燃焼に応じて、適切なパージ制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば燃料タンク
等で発生する蒸発燃料(ベーパ)を希薄燃焼内燃機関の
運転状態に応じて吸気系に供給する希薄燃焼内燃機関の
蒸発燃料供給制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般的に使用されているエンジン
においては、燃料噴射弁からの燃料は吸気ポートに噴射
され、燃焼室には予め燃料と空気との均質混合気が供給
される。かかるエンジンでは、アクセル操作に連動する
スロットル弁によって吸気通路が開閉される。
【0003】このスロットル弁の開閉により、エンジン
の燃焼室に供給される吸入空気量(結果的には燃料と空
気とが均質に混合された気体の量)が調整され、もって
エンジン出力が制御される。
【0004】しかし、上記のいわゆる均質燃焼による技
術では、スロットル弁の絞り動作に伴って大きな吸気負
圧が発生し、ポンピングロスが大きくなって効率は低く
なる。これに対し、スロットル弁の絞りを小とし、燃焼
室に直接燃料を供給することにより、点火プラグの近傍
に可燃混合気を存在させ、当該部分の空燃比を高めて、
着火性を向上するようにしたいわゆる「成層燃焼」とい
う技術が知られている。かかる技術においては、エンジ
ンの低負荷時には、噴射された燃料が、点火プラグ周り
に偏在供給されるとともに、スロットル弁がほぼ全開に
開かれて成層燃焼が実行される。これにより、ポンピン
グロスの低減が図られ、燃費の向上が図られる。
【0005】上記のような「成層燃焼」を行うことがで
きる内燃機関は、例えば、低負荷から高負荷に変化した
時には、成層燃焼、弱成層燃焼、均質リーン、均質燃焼
というような燃焼状態を順次とる。
【0006】成層燃焼とは先に説明したように、空燃比
の高い混合気層が点火プラグの近傍に存在させて、他の
部位のガスとの間で層をなす。弱成層燃焼は、成層燃焼
に比較して成層度合いが小さい場合である。
【0007】均質リーンは、燃料と空気が均質ではある
が燃料の比率が小さい場合である。均質燃焼は、燃料と
空気が均質でかつ燃料の比率が高い場合である。
【0008】また、このような「成層燃焼」が行われる
場合や、希薄燃焼が行われる場合には、噴射された燃料
の混合気に渦流が形成される場合がある。すなわち、吸
気ポートにはスワールコントロールバルブ(SCV)が
設けられ、該SCVの開度が調整されることにより、渦
流(スワール)の強度が制御される。その結果、少ない
燃料供給量でもって燃焼性の向上が図られるのである。
【0009】ところで、燃料タンク等からの蒸発燃料
(ベーパ)をキャニスタに一時的に蓄え、内燃機関の運
転状態に応じて蓄えられていたベーパを吸気系に供給す
る希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置が知られて
いる(特開平4−194354号公報)。
【0010】この技術においては、蒸発燃料吸着用のキ
ャニスタと吸気通路とを連結する蒸発燃料用のパージ通
路内には、パージ制御弁が設けられている。そして、エ
ンジンの運転状態に応じて、適切な燃料パージ量(ベー
パの吸気通路内への導入量、以下、パージ量という)が
得られるように(例えば、機関負荷が大きい場合には、
ベーパを供給するように)パージ制御弁が制御される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、希薄燃
焼領域では、空燃比を検出する装置を備えていないた
め、燃料パージ量を制御する指標がないのが実状であ
る。
【0012】すなわち、従来の内燃機関では、通常排気
通路には酸素センサ等の空燃比センサが配設されてお
り、その出力信号に基づいて実際の空燃比が検出され、
混合気の空燃比が別途算出された目標空燃比となるよう
適宜に燃料噴射量等がフィードバック制御される。とこ
ろが、上記の酸素センサは、目標空燃比(A/F)が例
えば14.5近辺での検出を行うものであり、空燃比が
これよりも大きい希薄燃焼の場合には、パージ量の検出
はできない。
【0013】このため、このような希薄燃焼領域におい
て、蒸発燃料供給量を制御する際に、空燃比を検出して
いない場合や、検出された空燃比の精度が良くない場合
には、パージ量の算出の精度が悪化する。そして、蒸発
燃料供給制御装置を負圧から決定されるパージ量で制御
すると、ベーパが濃い時に失火やサージが発生する虞が
ある。
【0014】又、機関負荷が高負荷から低負荷に移行し
た場合、これは、燃焼状態が均質燃焼または均質リーン
燃焼から成層燃焼又は弱成層燃焼等に移行したのと同義
であるが、このような場合には、パージ禁止の設定とな
り、燃焼状態の切り換わり時、吸気管中でのパージ輸送
遅れで、遅れて燃焼室に供給されるパージガスによっ
て、燃焼状態が不安定となり、リッチ失火及びサージが
発生する虞がある。
【0015】本発明は、前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その第1の目的は、希薄燃焼内燃機関に
おいて、蒸発燃料を希薄燃焼内燃機関に供給するに当た
り、空燃比を検出していない場合や、検出された空燃比
の精度が良くない場合においても、蒸発燃料の供給量の
算出が悪化することがなく、リッチ失火やサージを抑制
することができる希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御
装置を提供することにある。
【0016】そして、第2の目的は、希薄燃焼内燃機関
の蒸発燃料供給制御装置において、アイドル時におい
て、ベース燃料を効果的に減量でき、又、ベーパが濃い
薄いに限らずアイドル回転数の安定性を確保できる希薄
燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置を提供することに
ある。
【0017】第3の目的は、パージによる失火、サージ
が発生した場合においても、効果的に燃料減量ができ、
ドライバビリティを確保でき、燃費の向上を図ることが
できる希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置を提供
することにある。
【0018】第4の目的は、燃焼モードの切り換わり時
において、燃焼の悪化を防止することができる希薄燃焼
内燃機関の蒸発燃料供給制御装置を提供することにあ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記目的を達成するために、本発明の第1の特
徴は、内燃機関の燃料を収容する燃料収容手段から発生
する蒸発燃料を内燃機関の吸気系にパージするパージ通
路と、前記パージ通路から前記吸気系に導入される蒸発
燃料量を、内燃機関の運転状態に応じて制御するパージ
制御手段と、前記内燃機関の機関回転数が目標回転数に
一致するように蒸発燃料量を補正する第1の補正手段と
を備え、前記パージ制御手段は、この第1の補正手段が
補正した補正値に基づいてパージ制御することを特徴と
する希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置である。
【0020】ここで、前記パージ通路から前記吸気系に
導入される蒸発燃料量を、内燃機関の運転状態に応じて
制御するパージ制御手段は、例えば、前記パージ通路に
設けられ、前記吸気系に導入される蒸発燃料の蒸発燃料
量を制御するためのパージ制御弁と、前記内燃機関の運
転状態を検出する運転状態検出手段と、前記運転状態検
出手段で検出した運転状態に応じて前記パージ制御弁の
開度を制御するパージ制御弁制御手段とで構成すること
ができる。パージ制御はパージ制御弁の開度調整が最も
簡単であるが、この例に限るものではない。これは、以
下の各特徴点において共通である。ただし、説明を理解
しやすくするため、以下、パージ制御をパージ制御弁の
開度調整という例で説明する。
【0021】燃料収容手段から発生する蒸発燃料は、パ
ージ通路を通って内燃機関の吸気系に供給される。ここ
で、パージ通路に設けたパージ制御弁が制御されること
で、吸気系に導入される蒸発燃料の蒸発燃料量が制御さ
れる。すなわち、内燃機関の運転状態が運転状態検出手
段により検出され、その運転状態に応じてパージ制御弁
がパージ制御弁制御手段により制御される。その際、第
1の補正手段は、前記内燃機関の機関回転数が目標回転
数に一致するように蒸発燃料量を補正する。前記パージ
制御弁制御手段は、この第1の補正手段が補正した補正
値に基づいてパージ制御弁を制御する。このため補正値
に応じたパージ量になり、機関回転数が目標回転数に一
致する方向に適切に制御される。 (1−1) ここで、前記第1の補正手段で参照すべき
内燃機関の目標回転数が、アイドル回転数である場合に
本発明を好適に適用できる。
【0022】すなわち、希薄燃焼状態のアイドル時に本
発明による制御を適用すると、アイドル時の適切な希薄
燃焼を確保できる。 (1−2) さらに、希薄燃焼状態のアイドル時に、第
1の補正手段による補正結果に応じて燃料供給量を調整
する燃料供給量制御手段を設けることができる。このよ
うにすると、希薄燃焼状態のアイドル時に適切な燃料供
給量となり、良好なアイドル運転が可能となる。
【0023】(2)また、本発明の第2の特徴点は、内
燃機関の駆動用の燃料を収容する燃料収容手段から発生
する蒸発燃料を内燃機関の吸気系にパージするパージ通
路と、前記パージ通路から前記吸気系に導入される蒸発
燃料量を、内燃機関の運転状態に応じて制御するパージ
制御手段と、前記内燃機関の機関回転数に応じて蒸発燃
料量を補正する第2の補正手段とを備え、前記パージ制
御手段は、この第2の補正手段が補正した補正値に基づ
いてパージ制御することを特徴とする。
【0024】第2の特徴点は、希薄燃焼内燃機関、特に
吸気管負圧が運転状態の全域にわたって変化の少ない
(略一定)、あるいは単位回転当たりの吸入空気量が略
一定の希薄燃焼機関(例えば、筒内直接噴射型の内燃機
関)に適用することが好ましい。第2の特徴点におい
て、具体的には、運転状態に応じてパージ弁の開度を制
御するが、その際、第2の補正手段で、機関回転数に応
じて蒸発燃料量を補正し、その補正値に従ってパージ弁
開度を補正制御する。
【0025】筒内直噴型の希薄燃焼内燃機関は、通常の
運転状態において、スロットル弁をほぼ全開にして運転
されることが多い。これは、筒内に燃料を直接噴射する
ので、吸気をコントロールして混合気状態を制御する必
要がないからである。
【0026】例えば、運転状態のほぼ全域にわたってス
ロットル弁が全開であると、吸入空気量すなわち負圧が
一定であり、このため、空気吸入量、負荷(=空気量/
機関回転数)、吸気管負圧の少なくとも一つの値に応じ
てパージ量を制御しようとすると、低回転数の成層燃焼
と、高回転数の均質燃焼とで同じ量のパージを実行する
場合、低回転側で燃焼不安定となったり失火が生じたり
する。そこで、吸気管負圧がほぼ一定な希薄燃焼内燃機
関において、機関回転数に応じてパージ量を制御するこ
ととした。
【0027】(3)また、本発明の第3の特徴点は、内
燃機関の燃料を収容する燃料収容手段から発生する蒸発
燃料を前記内燃機関の吸気系にパージするするパージ通
路と、前記パージ通路から前記吸気系に導入される蒸発
燃料量を、内燃機関の運転状態に応じて制御するパージ
制御手段と、前記内燃機関の出力変動に応じて蒸発燃料
量を補正する第3の補正手段と、を備え、前記パージ制
御手段は、この第3の補正手段が補正した補正値に基づ
いてパージ制御することを特徴とする希薄燃焼内燃機関
の蒸発燃料供給制御装置である。
【0028】ここでは、内燃機関の出力変動に応じて蒸
発燃料量を補正し、その補正値に従ってパージ制御され
るので、出力変動が生じても内燃機関の円滑な運転を確
保できる。 (3−1) ここで、内燃機関の出力変動に応じて燃料
の供給量を調整する燃料供給量制御手段を備えることも
できる。これによれば、内燃機関の出力変動に応じて燃
料が供給されるので、さらに最適燃料量とすることが可
能となる。
【0029】(4)本発明の第4の特徴点は、内燃機関
の駆動用の燃料を収容する燃料収容手段から発生する蒸
発燃料を前記内燃機関の吸気系にパージするパージ通路
と、前記パージ通路から前記吸気系に導入される蒸発燃
料量を、内燃機関の運転状態に応じて制御するパージ制
御手段と、前記内燃機関の燃焼状態に応じて蒸発燃料量
を補正する第4の補正手段とを備え、前記パージ制御手
段は、この第4の補正手段が補正した補正値に基づいて
パージ制御することを特徴とする希薄燃焼内燃機関の蒸
発燃料供給制御装置である。
【0030】ここでは混合気の燃焼状態に応じて蒸発燃
料量を補正する。燃焼状態とは、燃焼室内における混合
気の燃焼状況、例えば成層燃焼の度合い、成層燃焼・弱
成層燃焼・均質リーン燃焼・均質燃焼間での燃焼切換状
態をいう。これらの各状態に応じて蒸発燃料量を補正す
ることで、各状態に応じた最適燃料量となる。
【0031】(4−1) 第4の特徴点について、燃焼
状態の切換え時にパージ制御弁の開度変更または燃料噴
射状態変更を開始するまでの時間を遅延させる制御遅延
手段を備えることが可能である。遅延させることで、切
換時のハンチングを防止できる。
【0032】(4−2) さらには、燃焼状態に応じて
パージ制御弁の開度変化速度または燃料噴射状態変化速
度を制御する変化速度制御手段を備えることも可能であ
る。このように、燃焼状態切換時にパージ弁開度、燃料
噴射状態を徐々に変化させるので燃焼が安定する。
【0033】(4−3) ここで、前記燃料噴射状態変
化速度は燃焼状態切換毎に異ならせることができる。こ
のように、燃焼状態切換時のパージ弁開度等の変化速度
を、切換時毎に異なるようにすると、(4−3)のよう
に単に変化させる場合に増してさらに燃焼安定性が向上
する。
【0034】(4−4) さらに、内燃機関の燃焼状態
の切り換り時に、切換態様に応じて燃料の供給量を調整
する燃料供給量制御手段を備えた蒸発燃料供給制御装置
とすることができる。燃焼状態切換時に燃料の供給量を
変えることで、燃焼安定性をより高くすることができ
る。
【0035】(5) 本発明のすべての特徴点におい
て、蒸発燃料量の補正に応じて、燃料噴射状態を変更す
る噴射状態変更手段を備えることができる。蒸発燃料量
の補正に応じて、燃料噴射量、燃料噴射時期、燃料噴射
方向等の燃料噴射状態を変更すると、より安定的な燃焼
を確保できる。 (5−1) また、蒸発燃料の濃度を検出する濃度検出
手段を備え、蒸発燃料の濃度に応じてパージ制御弁の開
度または燃料噴射状態を補正する第5の補正手段を備え
ることができる。この場合、濃度に応じてパージ制御弁
の開度や燃料噴射状態を補正するので制御精度が向上す
る。
【0036】(5−2) さらに、前記噴射状態変更手
段は燃料噴射状態として噴射量補正量を変更するもので
あり、この噴射量補正量の変更をガード値で制限するよ
うにするとよい。ガード値で制限することで、必要以上
の補正量の変更が抑えられ、補正の行き過ぎによる燃焼
不安定、失火等を防止することができる。
【0037】(5−3) なお、従来より、通常の車両
においては、内燃機関の駆動用の燃料を収容する燃料収
容手段から発生する蒸発燃料を蓄えるためのキャニスタ
を備えている。そこで、本発明においては、前記パージ
通路は前記内燃機関の吸気系と前記キャニスタとを連通
するように接続してもよい。 (5−4) 本発明は、前記(2)の特徴点を除き、筒
内直接燃料噴射型の希薄燃焼内燃機関のみならず、吸気
管噴射型も含めた、広範囲の希薄燃焼内燃機関に適用可
能である。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づいて詳細に説明する。
【0039】図1は、本発明の装置の概要を示した図で
ある。図1においてM1は希薄燃焼内燃機関であり、図
示しない車両本体にこの希薄燃焼内燃機関M1の駆動用
燃料を収容する燃料収容手段M2が設けられている。こ
の燃料収容手段M2には燃料収容手段M2から発生する
蒸発燃料を蓄えるためのキャニスタM3が接続されてい
る。
【0040】さらに、このキャニスタM3と内燃機関M
1の吸気系M4とを連通するパージ通路M5が設けられ
ている。このパージ通路M5から前記吸気系に導入され
る蒸発燃料量を、内燃機関の運転状態に応じて制御する
パージ制御手段として、このパージ通路M5の途中に
は、前記吸気系M4に導入される蒸発燃料の蒸発燃料量
を制御するためのパージ制御弁M6が設けられている。
また、パージ制御手段として、前記内燃機関の運転状態
を検出する運転状態検出手段M7が設けられ、さらに、
この運転状態検出手段M7で検出した運転状態に応じて
前記パージ制御弁の開度を制御するパージ制御弁制御手
段M8が設けられている。
【0041】さらに、パージ制御弁制御手段M8に蒸発
燃料量を補正する補正手段M9が接続され、この補正手
段M9で補正した蒸発燃料量の補正値に基づいて前記パ
ージ制御弁制御手段M8がパージ制御弁M6を補正制御
する。ここで、補正手段M9の実施形態としては、以下
のような補正手段を提供できる。
【0042】(1)第1の補正手段 第1の補正手段は、前記内燃機関の機関回転数が目標回
転数に一致するように蒸発燃料量を補正する補正手段で
ある。
【0043】(2)第2の補正手段 第2の補正手段は、前記内燃機関の機関回転数に応じて
蒸発燃料量を補正する補正手段である。
【0044】(3)第3の補正手段 第3の補正手段は、内燃機関の出力変動に応じて蒸発燃
料量を補正する補正手段である。
【0045】(4)第4の補正手段 第4の補正手段は、前記内燃機関の燃焼状態に応じて蒸
発燃料量を補正する補正手段である。
【0046】(5)第5の補正手段 第5の補正手段は、図2で示したように、前提として蒸
発燃料の濃度を検出する濃度検出手段M21を備えおく
必要がある。そして、第5の補正手段は、この濃度検出
手段で検出した蒸発燃料の濃度に応じてパージ制御弁の
開度または燃料噴射状態を補正する。
【0047】(6)補正手段の組み合わせ 前記第1から第4の補正手段はそれぞれ単独であるいは
任意に組み合わせて本発明に適用される。第5の補正手
段は、第1から第4の補正手段と併せて本発明に適用さ
れる。
【0048】図3は車両に搭載された筒内噴射式エンジ
ンの蒸発燃料供給制御装置を示す概略構成図である。内
燃機関としてのエンジン1は、例えば4つのシリンダ1
aを具備する。これら各シリンダ1aの燃焼室構造は図
4に示される。これら図3、図4に示すように、エンジ
ン1はシリンダブロック2内にピストンを備えており、
当該ピストンはシリンダブロック2内で往復運動する。
シリンダブロック2の上部にはシリンダヘッド4が設け
られ、前記ピストンとシリンダヘッド4との間には燃焼
室5が形成されている。
【0049】また、本実施の形態では、図4のように、
lつのシリンダ1aあたり、4つの弁が配置されてい
る。より詳細には第1吸気弁6a、第2吸気弁6b、第
1吸気ポート7a、第2吸気ポート7b、一対の排気弁
8,8、一対の排気ポート9,9がそれぞれ設けられて
いる。
【0050】図4に示すように、第1の吸気ポート7a
はヘリカル型吸気ポートであり、第2の吸気ポート7b
はほぼ真っ直ぐに延びるストレートポートである。ま
た、シリンダヘッド4の内壁面の中央部には、点火プラ
グ10が配設されている。さらに、第1吸気弁6a及び
第2吸気弁6b近傍のシリンダヘッド4内壁面周辺部に
は燃料供給手段としての燃料噴射弁11が配置されてい
る。すなわち、本実施形態においては、燃料噴射弁11
からの燃料は、直接的に気筒1a内に噴射されるように
なっている。
【0051】図3に示すように、各気筒1aの第1吸気
ポート7a及び第2吸気ポート7bは、それぞれ各吸気
マニホルド15内に形成された第1吸気路15a及び第
2吸気路15bを介してサージタンク16に連結されて
いる。各第2吸気通路15b内にはそれぞれスワールコ
ントロールバルブ(SCV)17が配置されている。こ
れらのSCV17は共通のシャフト18を介して、ステ
ップモータ19に連結されている。このステップモータ
19は、後述する電子制御装置(以下単に「ECU」と
いう)30からの出力信号に基づいて制御される。
【0052】前記サージタンク16は、吸気ダクト20
を介してエアクリーナ21に連結され、吸気ダクト20
内には、別途のステップモータ22によって開閉される
スロットル弁23が配設されている。つまり、本実施の
形態のスロットル弁23はいわゆる電子制御式のもので
あり、基本的には、ステップモータ22が前記ECU3
0からの出力信号に基づいて駆動されることにより、ス
ロットル弁23が開閉制御される。そして、このスロッ
トル弁23の開閉により、吸気ダクト20を通過して燃
焼室5内に導入される吸入空気量が調節されるようにな
っている。本実施の形態では、吸気ダクト20、サージ
タンク16並びに第1吸気路15a及び第2吸気路15
b等により、吸気系としての吸気通路が構成されてい
る。また、スロットル弁23の近傍には、その開度(ス
ロットル開度TA)を検出するためのスロットルセンサ
25が設けられている。
【0053】この実施形態の筒内噴射型内燃機関では、
吸気管内噴射型の内燃機関に比べ、極く低負荷運転時を
除いてスロットル弁23がより全開側に近い状態に保持
される。その状態でスロットル弁が開閉制御される。
【0054】また、スロットル弁23を開閉駆動するこ
とにより、内燃機関のアイドル回転数制御(ISC)、
すなわち吸入空気量を制御している。なお、均質燃焼時
は電子スロットル弁23の開閉で回転数を制御し、成層
燃焼時は燃料噴射量で制御するとともに、スロットル弁
の開閉、点火時期、EGR量で回転数を制御している。
【0055】また、前記各気筒の排気ポート9には排気
マニホルド14が接続され、燃焼後の排気ガスは当該排
気マニホルド14を介して図示しない排気浄化触媒、例
えば三元触媒、NOx 浄化触媒などで浄化され、排気ダ
クトへ排出されるようになっている。なお、触媒の上
流、下流に空燃比センサを設けて燃料噴射制御をしても
よい。
【0056】さらに、本実施の形態では、公知の排気ガ
ス循環(EGR)装置51が設けられている。このEG
R装置51は、排気ガス循環通路としてのEGR通路5
2と、同通路52の途中に設けられた排気ガス循環弁と
してのEGRバルブ53とを含んでいる。EGR通路5
2は、スロットル弁23の下流側の吸気ダクト20と、
排気ダクトとの間を連通するよう設けられている。
【0057】また、EGRバルブ53は、弁座、弁体及
びステップモータ(いずれも図示せず)を内蔵してお
り、これらによりEGR機構が構成されている。EGR
バルブ53の開度は、ステップモータが弁体を弁座に対
して断続的に変位させることにより、変動する。そし
て、EGRバルブ53が開くことにより、排気ダクトへ
排出された排気ガスの一部がEGR通路52へと流れ
る。その排気ガスは、EGRバルブ53を介して吸気ダ
クト20へ流れる。すなわち、排気ガスの一部がEGR
装置51によって吸入混合気中に再循環する。このと
き、EGRバルブ53の開度が調節されることにより、
排気ガスの再循環量が調整されるのである。
【0058】図3に示すように、吸気ダクト20には吸
気ダクト20内に蒸発燃料を供給するためのパージ制御
装置72が取り付けられている。このパージ制御装置7
2は活性炭層73を有するキャニスタ74を具備し、キ
ャニスタ74内において活性炭層73両側にはそれぞれ
蒸発燃料室75と空気室76とが形成されている。蒸発
燃料室75は、並列配置されるとともにかつそれぞれ逆
方向に流通可能な一対の逆止弁77,78を介して燃料
収容手段としての燃料タンク79に接続されている。
【0059】又、蒸発燃料室75とスロットル弁23下
流の吸気ダクト20間にはパージ通路としての接続パイ
プ71が接続されており、同接続パイプ71には蒸発燃
料室75から吸気ダクト20内に向けてのみ流通可能に
逆止弁80及び第1電磁弁81が設けられている。前記
電磁弁81は後記ECU30によりデューティ制御が可
能な制御弁であって、パージ制御弁を構成している。
【0060】デューティ制御とは、入力パルス信号のデ
ューティ比に応じた開度調整を行う制御である。なお、
電磁弁81はリニア弁であってもよい。
【0061】空気室76は大気から空気室76側への流
通のみが可能な逆止弁82を介して大気に連通されてい
る。吸気ダクト20内への蒸発燃料の供給を停止すべき
ときは、後記ECU30の制御により、電磁弁81が閉
弁される。このとき、燃料タンク79内で発生した蒸発
燃料は逆止弁78を介して蒸発燃料室75内に流入し、
次いでこの蒸発燃料は活性炭層73内の活性炭に吸着さ
れる。
【0062】燃料タンク79内の圧力が低下したときに
は、逆止弁77が開弁する。従って、この逆止弁77に
より、燃料タンク79内の圧力低下によって燃料タンク
79が変形するのが阻止される。
【0063】これに対して吸気ダクト20内に蒸発燃料
を供給すべきときには、ECU30により電磁弁81が
開弁制御される。すると、逆止弁82を介して空気室7
6内に空気が吐出され、この空気が活性炭層13内に送
り込まれる。このとき活性炭に吸着されていた燃料が離
脱し、かくして燃料成分を含んだ空気(蒸発燃料)が蒸
発燃料室75内に流出する。次いで、この蒸発燃料が逆
止弁80及び電磁弁81を介して吸気ダクト20内に供
給される。
【0064】さて、図5で示したように、上述したEC
U30は、デジタルコンピュータからなっており、双方
向性バス31を介して相互に接続されたRAM(ランダ
ムアクセスメモリ)32、ROM(リードオンリメモ
リ)33、マイクロプロセッサからなるCPU(中央処
理装置)34、入力ポート35及び出力ポート36を具
備している。本実施の形態においては、当該ECU30
により、燃料供給量制御手段、パージ制御弁制御手段、
第1の補正手段、第2の補正手段、第3の補正手段、第
4の補正手段、第5の補正手段が構成されている。これ
らは、ハードウェア、ソフトウェアの組み合わせからな
るが、ソフトウェアはROMに書き込まれており、CP
Uにロードされることで各手段が実現される。
【0065】車両のアクセルペダル24には、当該アク
セルペダル24の踏込み量に比例した出力電圧を発生す
るアクセルセンサ26Aが接続され、該アクセルセンサ
26Aによりアクセル開度ACCPが検出される。当該
アクセルセンサ26Aの出力電圧は、AD変換器37を
介して入力ポート35に入力される。
【0066】また、同じくアクセルペダル24には、ア
クセルペダル24の踏込み量が「0」であることを検出
するための全閉スイッチ26Bが設けられている。すな
わち、この全閉スイッチ26Bは、アクセルぺダル24
の踏込み量が「0」である場合に全閉信号XIDLとし
て「1」の信号を、そうでない場合には「0」の信号を
発生する。そして、該全閉スイッチ26Bの出力電圧も
入力ポート35に入力されるようになっている。
【0067】また、上死点センサ27は例えば1番シリ
ンダ1aのピストンが吸気上死点に達したときに出力パ
ルスを発生し、この出力パルスが入力ポート35に入力
される。クランク角センサ28は例えばクランクシャフ
トが30°CA回転する毎に出力パルスを発生し、この
出力パルスが入力ポートに入力される。CPU34では
上死点センサ27の出力パルスとクランク角センサ28
の出力パルスからエンジン回転数NEが算出される(読
み込まれる)。
【0068】さらに、前記シャフト18の回転角度は、
スワールコントロールバルブセンサ29により検出さ
れ、これによりスワールコントロールバルブ{SCV)
17の開度が検出されるようになっている。そして、ス
ワールコントロールバルブセンサ29の出力はA/D変
換器37を介して入力ポート35に入力される。
【0069】併せて、前記スロットルセンサ25によ
り、スロットル開度TAが検出される。このスロットル
センサ25の出力はA/D変換器37を介して入力ポー
ト35に入力される。
【0070】加えて、本実施の形態では、サージタンク
16内の圧力(吸気圧PIM)を検出する吸気圧センサ
61が設けられている。さらに、エンジン1の冷却水の
温度(冷却水温THW)を検出する水温センサ62が設
けられている。これら両センサ61,62の出力もA/
D変換器37を介して入力ポート35に入力されるよう
になっている。
【0071】さらにまた、エンジン1のシリンダブロッ
ク2には、該エンジン1のノッキングを検出するための
ノック検出手段としてのノックセンサ63が取付けられ
ている。このノックセンサ63は、一種の振動ピックア
ップであって、例えば、ノッキングで発生する振動数
と、検出素子の固有振動数とが合致し共振することによ
って検出能力が最高となるようチューニングされた特性
を持っている。このノックセンサ63の出力もA/D変
換器37を介して入力ポート35に入力されるようにな
っている。なお、トルク変動を検出するために、燃焼圧
を検出する燃焼圧センサを追加してもよい。
【0072】また、ECU30は、ゲート信号発生器を
有しており、該発生器は、CPU34からの信号に基づ
きオープン・クローズの信号を入力ポート35に出力す
るようになっている。つまり、ノックセンサ63からの
検出信号は、CPU34からのオープンゲート信号によ
り入力ポート35に入力され、クローズゲート信号によ
り遮断される。このため、ノッキングの検出(判定)に
は、一定の期間が設けられていることとなる。
【0073】一方、出力ポート36は、対応する駆動回
路38を介して各燃料噴射弁11、各ステップモータ1
9,22、イグナイタ12、EGRバルブ53(ステッ
プモータ)及び電磁弁81に接続されている。そして、
ECU30は各センサ等25〜29,61〜63からの
信号に基づき、ROM33内に格納された制御プログラ
ムに従い、燃料噴射弁11、ステップモータ19,2
2、イグナイタ12、EGRバルブ53、電磁弁81等
を好適に制御する。前記各センサ等25〜29,61〜
63は、運転状態検出手段を構成している。
【0074】次に、上記構成を備えたエンジンの蒸発燃
料供給制御装置における本実施の形態に係る各種制御に
関するプログラムについて、フローチャートを参照して
説明する。
【0075】(アイドル時における停車中の制御) <第1の補正手段による制御>図6は、本実施の形態に
おけるアイドル時における停車中の「パージ制御ルーチ
ン」を示すフローチャートであって、ECU30(CP
U)が所定時間毎の割り込みで実行する。なお、この例
は、前記(1)及び(1−1)の特徴点を実施して、機
関回転数を目標回転数に一致するよう蒸発燃料量を補正
する場合の例である。
【0076】すなわち、まず、図示しない、エンジン回
転数及びアクセル開度と基本燃料噴射量との相関関係を
定めたマップから、当該エンジン回転数とアクセル開度
に対応する基本燃料噴射量を補間的に計算する。なお、
噴射量マップとして、運転条件あるいは燃焼状態に応じ
た複数のマップが用意されており、その中から適宜選択
されて使用される。
【0077】ステップ8では、パージ中であるか否かを
判定し、パージ中であれば、ステップ9において、アク
セル開度ACAから現在の燃焼状態を判断する。ステッ
プ10では、各燃焼状態に対応したパージ制御における
各種補正係数の値をROM33から読み込む。各種補正
係数とは、例えば、パージデューティ更新量KDPGU
及びKDPGDなどである。
【0078】なお、エンジン1はECU30の制御によ
り、成層燃焼、弱成層燃焼、均質リーン燃焼、及び均質
燃焼の各燃焼状態をとることができる。そして、エンジ
ン回転数NE及びアクセル開度ACCPに基づいて燃焼
状態が成層燃焼である場合には燃焼モードFMODEが
「0」に設定され、弱成層燃焼である場合には、燃焼モ
ードFMODEが「1」に設定され、均質リーン燃焼で
ある場合には、燃焼モードFMODEが「2」に設定さ
れ、均質燃焼が実行されている場合には燃焼モードFM
ODEが「3」に設定される。
【0079】そして、現在の燃焼状態が成層燃焼でない
場合には、この判定を「NO」として、この制御ルーチ
ンを一旦終了する。現在の燃焼状態が成層燃焼である場
合には、この判定を「YES」とし、ステップ20へ移
行する。
【0080】ステップ20においては、アイドルスピー
ドコントロール(ISC)のフィードバック制御中か否
かを判定する。ここでは、別途のISC制御ルーチンが
実行されているか否かを判定するのである。ISC制御
ルーチンが実行されていなければ、エンジン回転数NE
が安定していないとしてこの判定を「NO」とし、ステ
ップ63に移行する。ISC制御ルーチンが行われてい
れば、エンジン回転数NEが安定しているとしてこの判
定を「YES」とし、ステップ30に移行する。
【0081】ステップ30では、第1の補正手段とし
て、エンジンの目標回転数NTと実際のエンジン回転数
NEとの偏差DLNTを算出する。次いでステップ40
において、偏差DLNTが第1の判定値A《rpm》よ
りも小さいか否かを判定する。ステップ40において、
偏差DLNTが第1の判定値A未満であると判定された
場合、すなわちエンジンが安定して回転しているときに
は、ステップ50に移行し、仮要求パージデューティ値
tDPGを算出する。仮要求パージデューティ値tDP
Gは、前回値(前回の制御ルーチンで得られた最終要求
デューティ値)DPGi-1 に対しパージデューティ更
新量KDPGUを加算したものとする。
【0082】このパージデューティ更新量KDPGU
は、予め実験等により求められたものであり、ROM3
3に格納されている。次にステップ60において、最終
要求デューティ値DPGとして前記ステップ50におい
て算出された仮要求パージデューティ値tDPGをセッ
トし、この制御ルーチンを終了する。
【0083】又、前記ステップ40において、偏差DL
NTが第1の判定値A以上であれば、エンジン回転に変
動がありとされ、ステップ70において、偏差DLNT
が第2の判定値B(rpm)よりも小さいか否かを判定
する。なお、A<Bである。同ステップ70において、
偏差DLNTが第2の判定値Bを越えていると判定した
場合には、ステップ80に移行し、仮要求パージデュー
ティ値tDPGを算出する。仮要求パージデューティ値
tDPGは、前回値(前回の制御ルーチンで得られた最
終要求デューティ値)DPGi-1 からパージデューテ
ィ更新量KDPGDを減算したものとする。このパージ
デューティ更新量KDPGDは、予め実験等により求め
られたものであり、ROM33に格納されている。
【0084】なお、前記パージデューティ更新量KDP
GU及びKDPGDの値は、機関の運転状態あるいは燃
焼状態によって異なる値としてもよい。例えば均質燃焼
のときは値を大きくし、成層燃焼のときは小さな値とす
る。これによって、均質燃焼時は大量のパージを導入す
ることが可能となるとともに、成層燃焼時はパージの変
化が小さいので燃焼を安定させることができる。また、
燃焼の切換時には、パージデューティ更新量KDPGU
及びKDPGDをスキップ的に変化させて切換後の燃焼
に対応した更新量に変更すれば、切換後の燃焼を安定さ
せることができる。
【0085】次にステップ60において、最終要求デュ
ーティ値DPGとして前記ステップ80において算出さ
れた仮要求パージデューティ値tDPGをセットする。
【0086】又、前記ステップ70において、偏差DL
NTが第2の判定値B以下であると判定した場合には、
ステップ90に移行し、仮要求パージデューティ値tD
PGを算出する。仮要求パージデューティ値tDPG
は、前回値の最終要求デューティ値DPGi-1 とす
る。
【0087】次いで、ステップ60に移行して、最終要
求デューティ値DPGとして前記ステップ90において
得られた仮要求パージデューティ値tDPGをセットす
る。なお、ステップ20で、ISC制御ルーチンが実行
されていないとされた場合、すなわち、ISCがF/B
でなく安定していなければ、DPGとして前回の安定時
に一時記憶されたデューティ値DPGOを最終要求デュ
ーティ値DPGに代入する(ステップ63)。
【0088】従って、ECU30は、ステップ60ある
いは63で得た最終要求デューティ値DPGに基づい
て、電磁弁81をデューティ制御する。なお、デューテ
ィ制御によるパージ制御弁の制御は、後述するパージ実
行条件が成立すると図7のグラフ図に示したように、パ
ージ開始時にデューティ比0から立ち上がり、所定の制
御に従って、デューティ比の大小制御がなされ、パージ
禁止指令が入った時点で、デューティ比が0とされる。
【0089】ステップ60でデューティ比が決定される
と、その後、デューティ比から蒸発燃料量補正量が換算
される。すなわち、デューティ比により決定されるパー
ジ制御弁の開度と、吸気管負圧等でパージ量が決定する
ので、パージガス中の蒸発燃量濃度が判明すれば、蒸発
燃料量が判明する(ステップ61)。この蒸発燃料量が
内燃機関に供給されるので、ステップ64では、 最終燃料噴射量QALLINJ=基本燃料噴射量QALL−蒸発燃料量補正量 FPG ・・・式(1) に従って、予め得た基本燃料噴射量から蒸発燃料量を補
正量として差し引くことで、最終的に内燃機関に供給さ
れる燃料噴射量を補正する。
【0090】なお、ステップ8で、パージ中でないとさ
れた場合、ステップ62で蒸発燃料量補正量を0とし、
予め得た基本燃料噴射量をそのまま最終燃料噴射量(Q
ALLINJ)とする。
【0091】その後、別途定めた燃料噴射プログラムに
従って燃料噴射を行う。図6の「パージ制御ルーチン」
においては、ステップ40において、エンジンの目標回
転数NTと実機関回転数であるエンジン回転数NEとの
偏差DLNTが第1の判定値A未満であれば、目標エン
ジン回転数NTよりも実回転数NEが小さいため、パー
ジ量を増やすべく、仮要求パージデューティ値tDPG
を、前回値(前回の制御ルーチンで得られた最終要求デ
ューティ値)DPGi-1 に対しパージデューティ更新量
KDPGUを加算し、仮要求パージデューティ値tDP
Gとする。この仮要求パージデューティ値tDPGを最
終要求デューティ値DPGとして、電磁弁81を制御す
ることになる。この結果、蒸発燃料のパージ量が多くな
り、エンジン回転数が上昇する。
【0092】又、図6の「パージ制御ルーチン」におい
ては、ステップ70において、エンジンの目標回転数N
Tと実回転数であるエンジン回転数NEとの偏差DLN
Tが第2の判定値Bを越えていれば、目標エンジン回転
数NTよりも実回転数NEが大きいため、パージ量を減
らすべく、要求デューティ値tDPGを、前回値(前回
の制御ルーチンで得られた最終要求デューティ値)DP
i-1 からパージデューティ更新量KDPGUを減算し
た値とする(ステップ80)。そして、この仮要求パー
ジデューティ値tDPGを最終要求デューティ値DPG
とする。この結果、蒸発燃料のパージ量が少なくなる。
このため、エンジン回転数は減少する。
【0093】さらに、図6の「パージ制御ルーチン」に
おいては、エンジンの目標回転数NTと実回転数である
エンジン回転数NEとの偏差DLNTが第1の判定値A
以上であって、第2の判定値B以下であれば、ステップ
90において、仮要求パージデューティ値tDPGを前
回値の最終要求デューティ値DPGとする。そして、こ
の仮要求パージデューティ値tDPGを最終要求デュー
ティ値DPGとする。この結果、偏差DLNTが上記範
囲内にある場合には、蒸発燃料のパージ量は一定値とさ
れる。
【0094】なお、筒内直接噴射型の内燃機関におい
て、パージ実行条件は、暖機完了、すなわち冷却水温が
所定温度以上に上がった後の他、クランキングが完了し
て所定時間、例えば30秒が経過した後である。
【0095】次に、図8は、本実施の形態におけるアイ
ドル時における停車中の「燃料噴射量の補正値算出ルー
チン」を示すフローチャートであって、ECU30が所
定時間毎の割り込みで実行する。本例は、(1−1)の
特徴点による制御に加え、(1−2)で示した燃料供給
量の調整を行うもので、燃料供給量制御手段による。
【0096】ここでは、デューティ比に代えて蒸発燃料
量補正量FPGを制御パラメータとしており、最終的に
供給される最終燃料噴射量(QALLINJ)は、前記
(1)と同様、 最終燃料噴射量=基本燃料噴射量−蒸発燃料量補正量 で与えられる。
【0097】従って、蒸発燃料量補正量FPGが大きく
なると、最終燃料噴射量(QALLINJ)は少なくな
って、リーン混合気となり、蒸発燃料量補正量FPGが
小さくなると、最終燃料噴射量(QALLINJ)は多
くなって、リッチ混合気となる。
【0098】処理がこのルーチンへ移行すると、ECU
30は、先ず、ステップ110において、現在の燃焼状
態が成層燃焼であるか否かを判断する。ここで、成層燃
焼が行われているか否かは、そのときどきのエンジン回
転数NE及びアクセル開度ACCPに基づいて判断され
る。そして、現在の燃焼状態が成層燃焼でない場合に
は、この判定を「NO」として、この制御ルーチンを一
旦終了する。現在の燃焼状態が成層燃焼である場合に
は、この判定を「YES」とし、ステップ120へ移行
する。
【0099】ステップ120においては、アイドルスピ
ードコントロール(ISC)のフィードバック制御中か
否かを判定する。ここでは、別途のISC制御ルーチン
が実行されているか否かを判定するのである。ISC制
御ルーチンが実行されていなければ、エンジン回転数N
Eが安定していないとしてこの判定を「NO」とし、さ
らに、ステップ121で前回の安定時に一時記憶された
FPGをFPGOとして、今回のFPG値に代入し、こ
の制御ルーチンを一旦終了する。ISC制御ルーチンが
行われていれば、エンジン回転数NEが安定していると
してこの判定を「YES」とし、ステップ130に移行
する。
【0100】ステップ130では、第1の補正手段とし
て、エンジンの目標回転数NTと実際のエンジン回転数
NEとの偏差DLNTを算出する。次いでステップ14
0において、偏差DLNTが第3の判定値C(rpm)
よりも小さいか否かを判定する。ステップ140におい
て、偏差DLNTが第3の判定値C未満であると判定さ
れた場合には、ステップ150に移行し、仮蒸発燃料量
補正量tFPGを算出する。仮蒸発燃料量補正量tFP
Gは、前回値(前回の制御ルーチンで得られた最終蒸発
燃料量補正量)FPGi-1 に対し燃料補正更新量KFP
GDを減算したものとする。
【0101】この燃料補正更新量KFPGDは、予め実
験等により求められたものであり、ROM33に格納さ
れている。次にステップ160において、最終蒸発燃料
量補正量FPGとして、前記ステップ150において算
出された仮蒸発燃料量補正量tFPGをセットし、この
制御ルーチンを終了する。
【0102】又、前記ステップ140において、偏差D
LNTが第3の判定値C以上であればステップ170に
おいて、偏差DLNTが第4の判定値D(rpm)より
も大であるか否かを判定する。なお、C<Dである。同
ステップ170において、偏差DLNTが第4の判定値
Dを越えていると判定した場合には、ステップ180に
移行し、仮蒸発燃料量補正量tFPGを算出する。仮蒸
発燃料量補正量tFPGは、前回値(前回の制御ルーチ
ンで得た最終蒸発燃料量補正量)FPGi-1から燃料補
正更新量KFPGUを加算したものとする。この燃料補
正更新量KFPGUは、予め実験等により求められたも
のであり、ROM33に格納されている。
【0103】次にステップ160において、最終蒸発燃
料量補正量FPGとして前記ステップ180において算
出された仮蒸発燃料量補正量tFPGをセットし、この
制御ルーチンを終了する。
【0104】又、前記ステップ170において、偏差D
LNTが第4の判定値D未満であると判定した場合に
は、エンジンの回転がある領域で安定しているとし、ス
テップ190に移行して、仮蒸発燃料量補正量tFPG
を算出する。仮蒸発燃料量補正量tFPGは、前回値F
PGi-1 とする。次いで、ステップ160に移行して、
最終蒸発燃料量補正量FPGとして前記ステップ190
において得られた前回値である最終蒸発燃料量補正量F
PGi-1 をセットじ、この制御ルーチンを終了する。
【0105】以上のルーチンは、図6のステップ10か
ら61及び63に相当するものであり、ECU30は、
図6のステップ64と同様の手段で、前記(1)式に従
って最終燃料噴射量(QALLINJ)を算出する。
【0106】そして、ECU30は、基本燃料噴射量に
この補正量が反映された最終噴射量にて燃料噴射弁11
を噴射制御する。
【0107】図8の「燃料噴射量の補正値算出ルーチ
ン」においては、偏差DLNTが第3の判定値C未満で
あれば、ステップ150において、燃料補正更新量KF
PGDが前回値の最終蒸発燃料量補正量FPGi-1 から
減算されたものが仮蒸発燃料量補正量tFPGとなり、
この値を最終蒸発燃料量補正量FPGとする。
【0108】得られた、最終の蒸発燃料量補正量FPG
は、前回のFPGより小さい値である。DLNTがC未
満で、エンジン回転数が低いということであるから、F
PGの値を小さくし、前記式(1)から得られる最終燃
料噴射量(QALLINJ)をリッチ化し、エンジン回
転数を上昇させるのである。
【0109】又、図8の「燃料噴射量の補正値算出ルー
チン」においては、ステップ170において、偏差DL
NTが第4の判定値Dを越えていれば、ステップ180
において、仮蒸発燃料量補正量tFPGとして、前回値
の最終蒸発燃料量補正量FPGi-1 に対して燃料補正更
新量KFPGDを加算した値とする。そして、この仮蒸
発燃料量補正量tFPGを、最終蒸発燃料量補正量FP
Gとする。
【0110】この最終蒸発燃料量補正量FPGが別途の
ルーチンで実行される最終燃料噴射量(QALLIN
J)の算出に際し、式(1)に代入される。その結果、
FPGが大きくなった分、最終燃料噴射量(QALLI
NJ)がリーン化し、エンジン回転数が減少する。
【0111】又、図8の「燃料噴射量の補正値算出ルー
チン」においては、偏差DLNTが第3の判定値C以上
であって、第4の判定値D以下であれば、ステップ19
0において、仮蒸発燃料量補正量tFPGとして、前回
値の最終蒸発燃料量補正量FPGi-1 とする。そして、
この仮蒸発燃料量補正量tFPGを、最終蒸発燃料量補
正量FPGとする。この結果、偏差DLNTが上記範囲
内にある場合には、蒸発燃料量補正量は一定値とされ
る。
【0112】図6と図8の例では、上記のように、目標
回転数NTと実回転数NEとの偏差DLNTに応じて、
蒸発燃料のパージ量を増減し、又、偏差DLNTに応じ
て燃料噴射量を増減して、アイドル目標回転数NTに収
束するようにした。
【0113】すなわち、目標回転数NTと実回転数との
偏差DLNTに応じて、最終要求デューティ値DPGを
求め、この値に基づいて電磁弁81を制御するように
し、かつ、最終蒸発燃料量補正量FPGを算出し、この
値に基づいて、燃料噴射量を補正し、減量するようにし
た。
【0114】この結果、成層燃焼が行われているアイド
ル状態において、ベース燃料を効果的に減量できる。さ
らに、蒸発燃料が濃い薄いに限らず、アイドル回転数の
安定性を確保でき、燃費の向上も図ることができる。
【0115】(アイドルオフ時の走行中の制御) <第3の補正手段による制御>図9は、本実施の形態に
おけるアイドルオフ時の走行中の「パージ制御ルーチ
ン」を示すフローチャートであって、ECU30が所定
時間毎の割り込みで実行する。この場合の制御は、トル
ク変動(出力変動)に応じて蒸発燃料量を補正する
(3)の特徴点の適用例である。
【0116】処理がこのルーチンへ移行すると、ECU
30は、先ず、ステップ210において、現在の燃焼状
態が、均質リーン燃焼状態以下、すなわち、成層燃焼状
態、弱成層燃焼状態、或いは均質リーン燃焼状態か、或
いは均質燃焼状態であるか否かを判断する。すなわち、
燃焼モードFMODEが「0」,「1」,「2」か
「3」否かを判定する。ここで、FMODEが「0」,
「1」,「2」でない場合には、リーン運転でないとし
て、この制御ルーチンを一旦終了する。ステップ210
において、FMODEが「0」,「1」或いは「2」の
場合には、リーン運転がされているとして、この判定を
「YES」とし、ステップ220へ移行する。ステップ
220においては、アイドルがオフとされているか否か
を全閉信号XIDLに基づいて判定する。全閉信号XI
DLが「1」の場合には、アイドルがオフされていない
として、ステップ221で前回の安定時に一時記憶され
たDPGをDPGOとして、今回のDPG値に代入し、
この制御ルーチンを一旦終了する。全閉信号XIDLが
「0」の場合には、この判定を「YES」とし、ステッ
プ230に移行する。
【0117】ステップ230において、トルク変動値D
LNISMXの算出条件成立しているか否かを判定す
る。ここでは、別のルーチンにおいて、トルク変動値D
LNISMXが算出されていれば、算出条件が成立され
ているとされ、同別のルーチンにおいて、トルク変動値
DLNISMXが算出されていなければ、算出条件が成
立していないとされる。すなわち、トルク変動値DLN
ISMXはエンジン回転数が所定回転毎に計算されてお
り、その周期毎に算出された直後にこの制御ルーチンが
処理されるようにされている。従って、通常は、このス
テップ230においては、「YES」と判定される。な
お:回転変動が大きな状態等のように、トルク変動値D
LNISMXが算出されない場合には、算出条件は成立
していないとされ、ステップ300に移行する。
【0118】なお、トルクは、ある所定のクランク角度
間における角速度の差で表される。従って、この実施の
形態では同一気筒における720°CA(クランク角
度)後のトルクとの差をトルク変動として算出されてい
る。又、この実施の形態では、4気筒であるため、それ
らの気筒のトルク変動の平均値をトルク変動値DLNI
SMXとしている。トルク変動はトルクセンサで直接検
出してもよいが、エンジン回転数や燃焼圧等を代用して
もよい。
【0119】前記ステップ230において、算出条件が
設立されていると判定すると、ステップ240におい
て、トルク変動値DLNISMXを読み込む。次のステ
ップ250において、トルク変動値DLNISMXが第
5の判定値としての目標トルク変動値LVLDLN以上
か否かを判定する。トルク変動値DLNISMXが目標
トルク変動値LVLDLN以上であれば、ステップ26
0において、仮要求パージデューティ値tDPGとして
前回値の最終要求デューティ値DPGi-1 にパージデ
ューティ更新量Eを加算する。このパージデューティ更
新量Eは、予め実験等により求められたものであり、R
OM33に格納されている。
【0120】次にステップ270において、最終要求デ
ューティ値DPGとして前記ステップ260において算
出された仮要求パージデューティ値tDPGをセット
し、この制御ルーチンを終了する。
【0121】又、前記ステップ250において、トルク
変動値DLNISMXが目標トルク変動値LVLDLN
未満であれば、ステップ280において、トルク変動値
DLNISMXが目標トルク変動値LVLDLNから所
定値α減算した値よりも小さいか否かを判定する。トル
ク変動値DLNISMXが目標トルク変動値LVLDL
Nから所定値α減算した値よりも小さいければ、ステッ
プ290において、前回値の最終要求デューティ値DP
i-1 からパージデューティ更新量Fを減算する。この
パージデューテー更新量Fは、予め実験等により求めら
れたものであり、ROM33に格納されている。
【0122】次にステップ270において、最終要求デ
ューティ値DPGとして前記ステップ290において算
出された仮要求パージデューティ値tDPGをセット
し、この制御ルーチンを終了する。
【0123】又、前記ステップ280において、トルク
変動値DLNISMXが目標トルク変動値LVLDLN
から所定値α減算した値以上の場合にはステップ300
に移行する。前記ステップ230或いは、ステップ28
0からステップ300に移行した場合には、仮要求パー
ジデューティ値tDPGは、前回値の最終要求デューテ
ィ値DPGi-1 とする。次いで、ステップ270に移行
して、最終要求デューティ値DPGとして前記ステップ
300において得られた仮要求パージデューティ値tD
PGをセットし、この制御ルーチンを終了する。
【0124】従って、ECU30は、この最終要求デュ
ーティ値DPGに基づいて、電磁弁81をデューティ制
御する。
【0125】このルーチンは、図6のステップ10から
60及び63に相当するものであり、ECU30は、図
6のステップ61でDPGをFPGに換算し、ステップ
64と同様にして、前記(1)式に従って最終燃料噴射
量(QALLINJ)を算出する。
【0126】図9の「パージ制御ルーチン」において
は、トルク変動値DLNISMXが目標トルク変動値L
VLDLN以上であれば、パージ量を増加させるべく、
仮要求パージデューティ値tDPGを、前回値(前回の
制御ルーチンで得られた最終要求デューティ値)DPG
i-1 に対しパージデューティ更新量Eを加算する(ステ
ップ260)。この結果、蒸発燃料のパージ量が多くな
り、エンジン回転数が上昇する。
【0127】また、図9の「パージ制御ルーチン」にお
いては、トルク変動値DLNISMXが目標トルク変動
値LVLDLNよりも所定値αを減算した値未満であれ
ば、パージ量を減少させるべく、仮要求パージデューテ
ィ値tDPGを、前回値(前回の制御ルーチンで得られ
た最終要求デューティ値)DPGi-1 からパージデュー
ティ更新量Fを減算する(ステップ290)。この結
果、蒸発燃料のパージ量が少なくなり、エンジン回転数
が下降する。
【0128】さらに、図9の「パージ制御ルーチン」に
おいては、トルク変動値DLNISMXが目標トルク変
動値LVLDLN未満であって、目標トルク変動値LV
LDLNから所定値αを減算した値以上である場合に
は、ステップ300において、仮要求パージデューティ
値tDPGを前回値の最終要求デューティ値DPGとす
る。そして、この仮要求パージデューティ値tDPGを
最終要求デューティ値DPGとする。この結果、トルク
変動値DLNISMXが上記範囲内にある場合には、蒸
発燃料のパージ量は一定値とされる。
【0129】次に、図10は、本実施の形態におけるア
イドルオフ時の走行中の「燃料噴射量の補正値算出ルー
チン」を示すフローチャートであって、ECU30が所
定時間毎の割り込みで実行する。これは、(3)の特徴
点を適用し、第3の補正手段で内燃機関の出力変動に伴
い燃料供給量を調整する場合の例である。
【0130】処理がこのルーチンへ移行すると、ECU
30は、先ず、ステップ310において、現在の燃焼状
態が、均質リーン燃焼状態以下、すなわち、成層燃焼状
態、弱成層燃焼状態、或いは均質リーン燃焼状態か、或
いは均質燃焼状態であるか否かを判断する。すなわち、
燃焼モードFMODEが「0」,「1」,「2」か
「3」否かを判定する。ここで、FMODEが「0」,
「1」,「2」でない場合には、リーン運転でないとし
て、この制御ルーチンを一旦終了する。ステップ310
において、FMODEが「0」,「1」或いは「2」の
場合には、リーン運転がされているとして、この判定を
「YES」とし、ステップ320へ移行する。
【0131】ステップ320においては、アイドルがオ
フとされているか否かを全閉信号XIDLに基づいて判
定する。全閉信号XIDLが「1」の場合には、アイド
ルがオフされていないとして、ステップ321で前回の
安定時に一時記憶されたFPGをFPGOとして、今回
のFPG値に代入し、この制御ルーチンを一旦終了す
る。全閉信号XIDLが「0」の場合には、この判定を
「YES」とし、ステップ330に移行する。
【0132】ステップ330において、トルク変動値D
LNISMXの算出条件成立しているか否かを判定す
る。このステップ330の判定は、前記図9の制御ルー
チンのステップ230と同様にして行われる。
【0133】前記ステップ330において、算出条件が
設立されていると判定すると、ステップ340におい
て、トルク変動値DLNISMXを読み込む。次のステ
ップ350において、トルク変動値DLNISMXが第
6の判定値としての目標トルク変動値LVLDLN未満
か否かを判定する。トルク変動値DLNISMXが目標
トルク変動値LVLDLN未満であれば、ステップ36
0において、仮蒸発燃料量補正量tFPGとして前回値
の最終蒸発燃料量補正量FPGi-1 に燃料補正更新量G
を加算する。この燃料補正更新量Gは、予め実験等によ
り求められたものであり、ROM33に格納されてい
る。
【0134】次にステップ370において、最終蒸発燃
料量補正量FPGとして前記ステップ360において算
出された仮蒸発燃料量補正量tFPGをセットし、この
制御ルーチンを終了する。
【0135】又、前記ステップ350において、トルク
変動値DLNISMXが目標トルク変動値LVLDLN
以上であれば、ステップ380において、トルク変動値
DLNISMXが目標トルク変動値LVLDLNに対し
て所定値β加算した値以上か否かを判定する。トルク変
動値DLNISMXが目標トルク変動値LVLDLNに
対して所定値β加算した値以上であれば、ステップ39
0において、前回値の最終蒸発燃料量補正量FPGi-1
から燃料補正更新量Hを減算する。この燃料補正更新量
Hは、予め実験等により求められたものであり、ROM
33に格納されている。
【0136】次にステップ370において、最終蒸発燃
料量補正量FPGとして前記ステップ390において算
出された仮蒸発燃料量補正量tFPGをセットし、この
制御ルーチンを終了する。
【0137】又、前記ステップ380において、トルク
変動値DLNISMXが目標トルク変動値LVLDLN
に対して所定値β加算した値未満の場合にはステップ4
00に移行する。前記ステップ330或いは、ステップ
380からステップ400に移行した場合には、仮蒸発
燃料量補正量tFPGは、前回値の最終蒸発燃料量補正
量FPGi-1 とする。次いで、ステップ370に移行し
て、最終蒸発燃料量補正量FPGとして前記ステップ4
00において得られた仮蒸発燃料量補正量tFPGをセ
ットし、この制御ルーチンを終了する。
【0138】以上のルーチンは、図6のステップ10か
ら61及び63に相当するものであり、ECU30は、
図6のステップ64と同様の手段で、前記(1)式に従
って最終燃料噴射量(QALLINJ)を算出する。
【0139】そして、ECU30は、基本燃料噴射量に
この蒸発燃料量補正量が反映された最終燃料噴射量(Q
ALLINJ)にて燃料噴射弁11を噴射制御する。
【0140】図10の「燃料噴射量の補正値算出ルーチ
ン」においては、ステップ380において、トルク変動
値DLNISMXが目標トルク変動値LVLDLNに対
して所定値βを加算した値以上であれば、ステップ39
0において、前回値の最終蒸発燃料量補正量FPGi-1
から燃料補正更新量Hが減算された値が仮蒸発燃料量補
正量tFPGとなる。そして、この仮蒸発燃料量補正量
tFPGを最終蒸発燃料量補正量FPGとし、別途のル
ーチンで実行される最終燃料噴射量(QALLINJ)
の算出に際し、アイドル回転数制御用のパラメータとし
て基本燃料噴射量から減算される。FPGは前回より小
さくなっているので、最終燃料噴射量(QALLIN
J)は多くなり、空燃比はリッチとなりトルク変動は小
さくなる。
【0141】また、図10の「燃料噴射量の補正値算出
ルーチン」のステップ350において、トルク変動値D
LNISMXが目標トルク変動値LVLDLNに未満で
あれば、ステップ360において、前回値の最終蒸発燃
料量補正量FPGi-1 に対して燃料補正更新量Gを加算
した値が仮蒸発燃料量補正量tFPGとなる。そして、
この仮蒸発燃料量補正量tFPGを最終蒸発燃料量補正
量FPGとし、式(1)で決定する最終燃料噴射量(Q
ALLINJ)の算出に際し、アイドル回転数制御用の
パラメータとして減算される。この場合、FPGは前回
より大きな値であり、その結果、リーンとなる。この場
合は、ベーパ濃度が濃いのでパージ量を減らすのであっ
て、トルク変動を大きくするのではない。
【0142】さらに、図10の「燃料噴射量の補正値算
出ルーチン」においては、トルク変動値DLNISMX
が、目標トルク変動値LVLDLN以上であって、目標
トルク変動値LVLDLNに対して所定値βを減算した
値未満である場合には、ステップ400において、仮蒸
発燃料量補正量tFPGを前回値の最終蒸発燃料量補正
量FPGとする。このi結果、トルク変動値DLNIS
MXが上記範囲内にある場合には、蒸発燃料量補正量F
PGは一定値とされる。
【0143】上記のように、図9、図10の実施の形態
では、目標トルク変動値LVLDLNにフィードバック
制御を行っているため、パージよる失火、サージが発生
した場合でも、効果的に燃料の減量ができ、しかも目標
トルク変動値に収束するように制御を行っているため、
ドライバビリティを確保でき、燃費の向上を行うことが
できる。
【0144】なお、図11は、トルク変動量と燃料量の
特性を表しているグラフである。同図において、燃料量
を少しリッチにすると、トルク変動は向上し、さらにリ
ッチにすると悪化する傾向となる。従って、この実施の
形態では、目標トルク変動値LVLDLNを図11のト
ルク変動量が最も良いところ付近に設定しておけば、a
からbにするために、上記の制御によりパージ量を増加
させるとともに、燃料量補正を行い、燃料過多によりc
に移行することがないように制御することにより、目標
トルク変動値LVLDLNを中心として所定範囲内に収
束することができる。
【0145】<運転状態に関係なく内燃機関の機関回転
数に応じて第2の補正手段で蒸発燃料量を補正する例>
次に、図12に、(2)の特徴点を適用し、機関回転数
のみを参照して第2の補正手段によりパージ制御をする
「パージ制御ルーチン」を示す。このルーチンもまたE
CU30が所定時間毎の割り込みで実行する。
【0146】処理がこのルーチンへ移行すると、ECU
30は、先ず、ステップ410において、前回のルーチ
ン実行時のエンジン回転数NEOと、現在のエンジン回
転数NEとの偏差DLNEを算出する。次いでステップ
420において、偏差DLNEが0より大きいか否かが
判定される。ステップ420において、偏差DLNEが
0より大きいと判定されたとき、エンジン回転数が増加
傾向にあるので、ステップ430に移行し、仮要求パー
ジデューティ値tDPGは、前回値(前回の制御ルーチ
ンで得られた最終要求デューティ値)DPGi-1 に対し
パージデューティ更新量KDPGUを加算したものとす
る。このパージデューティ更新量KDPGUは、予め実
験等により求められたものであり、ROM33に格納さ
れている。次にステップ440において、最終要求デュ
ーティ値DPGとして前記ステップ430において算出
された仮要求パージデューティ値tDPGをセットし、
この制御ルーチンを終了する。
【0147】又、前記ステップ420において、偏差D
LNEが0より大きくなければ、ステップ450に移行
し、偏差DLNEが0よりも小さいか否かを判定する。
ステップ450において、偏差DLNEが0より小さい
と判定した場合には、ステップ460に移行し、仮要求
パージデューティ値tDPGは、前回値(前回の制御ル
ーチンで得られた最終要求デューティ値)DPGi-1
らパージデューティ更新量KDPGDを減算したものと
する。このパージデューティ更新量KDPGDは、予め
実験等により求められたものであり、ROM33に格納
されている。
【0148】次にステップ440において、最終要求デ
ューティ値DPGとして前記ステップ460において算
出された仮要求パージデューティ値tDPGをセット
し、この制御ルーチンを終了する。
【0149】ステップ450において、偏差DLNEが
0より小さいと判定されない場合、偏差DLNEは0で
あり、エンジン回転数に変化はないとされる。この場
合、ステップ480に移行し、仮要求パージデューティ
値tDPGは、前回値(前回の制御ルーチンで得られた
最終要求デューティ値)DPGi-1 と同一の値をとる。
【0150】次にステップ440において、最終要求デ
ューティ値DPGとして前記ステップ480において算
出された仮要求パージデューティ値tDPGをセット
し、この制御ルーチンを終了する。
【0151】従って、ECU30は、この最終要求デュ
ーティ値DPGに基づいて、電磁弁81をデューティ制
御する。以上のルーチンは、図6のステップ10から6
1に相当するものであり、ECU30は、図6のステッ
プ61、64と同様の手段で、前記(1)式に従って最
終燃料噴射量(QALLINJ)を算出する。
【0152】通常スロットル弁がほぼ全開に近い状態で
運転されることが多い筒内噴射型内燃機関では、吸入空
気量すなわち負圧が一定であるため、空気吸入量、負荷
(=空気量/機関回転数)、吸気管負圧の少なくとも一
つの値に応じてパージ量を制御しようとすると、低回転
数の成層燃焼と、高回転数の均質燃焼とで同じ量のパー
ジを実行する場合、低回転側で燃焼不安定となったり失
火が生じたりする。この例では、吸気管負圧に依存せ
ず、機関回転数のみを制御パラメータとして利用し、機
関回転数に応じてパージ量を制御することとしたので、
安定した燃焼を得ることができる。
【0153】(第4の補正手段による燃焼モード切り換
り時の制御)次に、図13から図18は、本実施の形態
における燃焼モード切り換り時の「DPG,FPGの補
正算出ルーチン」を示すフローチャートであって、EC
U30が所定時間毎の割り込みで実行する。
【0154】<前回均質リーン燃焼からのモード切換時
制御>処理がこのルーチンへ移行すると、図13のステ
ップ610において、現在の運転モード(燃焼モード)
及び前回の制御時の運転モード(燃焼モード)を読み込
む、ステップ620において、前回の燃焼モードFMO
DEが「2」(均質リーン燃焼)であったか、否かを判
定する。同ステップ620において、燃焼モードFMO
DEが「2」である場合には、図14で示したステップ
621に移行する。
【0155】ステップ621では、今回の燃焼モードF
MODEが「1」(弱成層燃焼)である場合には、ステ
ップ624に移行して、補正係数tKDPGCHにK1
をセットする。この係数K1(<1.0)は無次元数で
あって、前回燃焼モードFMODE(均質リーン燃焼)
から今回燃焼モードFMODE(弱成層燃焼)に変った
ときに蒸発燃料のパージ量、及び燃料噴射量が最適値と
なるように、すなわち、モード切り換り時に、燃焼が悪
化しないような値となるよう、予め実験等により求めら
れており、ROM33に格納されている。この後、図1
8のステップ660に移行する。
【0156】又、前記ステップ621において、今回の
燃焼モードFMODEが「1」(弱成層燃焼)でない場
合には、ステップ622に移行する。ステップ622で
は、今回の燃焼モードFMODEが「0」(成層燃焼)
であるか否かを判定する。同ステップ622において今
回の燃焼モードFMODEが「0」(成層燃焼)でない
場合には、ステップ623に移行し、今回の燃焼モード
FMODEが「3」(均質燃焼)であるか否かを判定
し、今回の燃焼モードが「3」でない場合は、燃焼モー
ドFMODEの変化がないとしてステップ627に移行
し、補正係数tKDPGCHとして1.0をセットす
る。この係数1.0は、予めROM33に格納されてい
る。この後、図18のステップ660に移行する。
【0157】又、前記ステップ622において、今回の
燃焼モードFMODEが「0」(成層燃焼)である場合
には、ステップ625に移行し、補正係数tKDPGC
HとしてK2(<1.0)をセットする。この係数K2
(K2<K1)は無次元数であって、前回燃焼モードF
MODE(均質リーン燃焼)から今回燃焼モード(成層
燃焼)に変わったときに蒸発燃焼のパージ量、及び燃料
噴射量が最適値となるように、すなわち、モード切り換
り時に、燃焼が悪化しないような値となるよう、予め実
験等により求められており、R0M33に格納されてい
る。この後、図18のステップ660に移行する。
【0158】前記ステップ623において、今回の燃焼
モードFMODEが「3」(均質燃焼)であると判断さ
れた場合には、補正係数tKDPGCHとしてK3(<
1.0)をセットする。この係数K3(K2<K1<K
3)は無次元数であって、前回燃焼モードFMODE
(均質リーン燃焼)から今回燃焼モード(均質燃焼)に
変わったときに蒸発燃焼のパージ量、及び燃料噴射量が
最適値となるように、すなわち、モード切り換り時に、
燃焼が悪化しないような値となるよう、予め実験等によ
り求められており、R0M33に格納されている。この
後、図18のステップ660に移行する。
【0159】<前回弱成層燃焼からのモード切換時制御
>図13のステップ620において、前回の燃焼モード
FMODEが「2」(均質リーン燃焼)でない場合に
は、ステップ630に移行し、前回燃焼モードFMOD
Eが「1」(弱成層燃焼)であるか否かを判定する。前
回燃焼モードFMODEが「1」であれば、図15で示
したステップ631に移行し、今回燃焼モードFMOD
Eが「2」(均質リーン燃焼)であるか否かを判定す
る。
【0160】ステップ631において、前回の燃焼モー
ドFMODEが「2」(均質リーン燃焼)である場合に
は、ステップ634に移行する。
【0161】ステップ634では、補正係数tKDPG
CHにK4をセットする。この係数K4(<1.0)は
無次元数であって、前回燃焼モードFMODE(弱成層
燃焼)から今回燃焼モードFMODE(均質リーン燃
焼)に変ったときに蒸発燃料のパージ量、及び燃料噴射
量が最適値となるように、すなわち、モード切り換り時
に、燃焼が悪化しないような値となるよう、予め実験等
により求められており、ROM33に格納されている。
この後、図18のステップ660に移行する。
【0162】又、前記ステップ631において、今回の
燃焼モードFMODEが「2」(均質リーン燃焼)でな
い場合には、ステップ632に移行する。ステップ63
2では、今回の燃焼モードFMODEが「0」(成層燃
焼)であるか否かを判定する。同ステップ632におい
て今回の燃焼モードFMODEが「0」(成層燃焼)で
ない場合には、ステップ633に移行し、今回の燃焼モ
ードFMODEが「3」(均質燃焼)であるか否かを判
定し、今回の燃焼モードが「3」でない場合は、燃焼モ
ードFMODEの変化がないとしてステップ637に移
行し、補正係数tKDPGCHとして1.0をセットす
る。この係数1.0は、予めROM33に格納されてい
る。この後、図18のステップ660に移行する。
【0163】又、前記ステップ632において、今回の
燃焼モードFMODEが「0」(成層燃焼)である場合
には、ステップ635に移行し、補正係数tKDPGC
HとしてK5(<1.0)をセットする。この係数K5
(<1.0,K4>K5)は無次元数であって、前回燃
焼モードFMODE(弱成層燃焼)から今回燃焼モード
(成層燃焼)に変わったときに蒸発燃焼のパージ量、及
び燃料噴射量が最適値となるように、すなわち、モード
切り換り時に、燃焼が悪化しないような値となるよう、
予め実験等により求められており、R0M33に格納さ
れている。この後、ステップ660に移行する。
【0164】前記ステップ633において、今回の燃焼
モードFMODEが「3」(均質燃焼)であると判断さ
れた場合には、補正係数tKDPGCHとしてK6(<
1.0)をセットする。この係数K6(<1.0,K5
<K4<K6)は無次元数であって、前回燃焼モードF
MODE(弱成層燃焼)から今回燃焼モード(均質燃
焼)に変わったときに蒸発燃焼のパージ量、及び燃料噴
射量が最適値となるように、すなわち、モード切り換り
時に、燃焼が悪化しないような値となるよう、予め実験
等により求められており、R0M33に格納されてい
る。この後、図18のステップ660に移行する。
【0165】<前回成層燃焼からのモード切換時制御>
図13のステップ630において、前回の燃焼モードF
MODEが「1」(弱成層燃焼)でない場合には、ステ
ップ640に移行し、前回燃焼モードFMODEが
「0」(成層燃焼)であるか否かを判定する。前回燃焼
モードFMODEが「0」であれば、図16のステップ
641に移行し、今回燃焼モードFMODEが「1」
(弱成層燃焼)であるか否かを判定する。
【0166】ステップ641において、前回の燃焼モー
ドFMODEが「1」(弱成層燃焼)である場合には、
ステップ644に移行する。
【0167】ステップ644では、補正係数tKDPG
CHにK7をセットする。この係数K7(<1.0)は
無次元数であって、前回燃焼モードFMODE(成層燃
焼)から今回燃焼モードFMODE(弱成層燃焼)に変
ったときに蒸発燃料のパージ量、及び燃料噴射量が最適
値となるように、すなわち、モード切り換り時に、燃焼
が悪化しないような値となるよう、予め実験等により求
められており、ROM33に格納されている。この後、
図18のステップ660に移行する。
【0168】又、前記ステップ641において、今回の
燃焼モードFMODEが「1」(弱成層燃焼)でない場
合には、ステップ642に移行する。ステップ642で
は、今回の燃焼モードFMODEが「2」(均質リーン
燃焼)であるか否かを判定する。同ステップ642にお
いて今回の燃焼モードFMODEが「2」(均質リーン
燃焼)でない場合には、ステップ643に移行し、今回
の燃焼モードFMODEが「3」(均質燃焼)であるか
否かを判定し、今回の燃焼モードが「3」でない場合
は、燃焼モードFMODEの変化がないとしてステップ
647に移行し、補正係数tKDPGCHとして1.0
をセットする。この係数1.0は、予めROM33に格
納されている。この後、図18のステップ660に移行
する。
【0169】又、前記ステップ642において、今回の
燃焼モードFMODEが「2」(均質リーン燃焼)であ
る場合には、ステップ645に移行し、補正係数tKD
PGCHとしてK8(<1.0)をセットする。この係
数K8(K7<K8)は無次元数であって、前回燃焼モ
ードFMODE(成層燃焼)から今回燃焼モード(均質
リーン燃焼)に変わったときに蒸発燃焼のパージ量、及
び燃料噴射量が最適値となるように、すなわち、モード
切り換り時に、燃焼が悪化しないような値となるよう、
予め実験等により求められており、R0M33に格納さ
れている。この後、図18のステップ660に移行す
る。
【0170】前記ステップ643において、今回の燃焼
モードFMODEが「3」(均質燃焼)であると判断さ
れた場合には、補正係数tKDPGCHとしてK9(<
1.0)をセットする。この係数K9(K7<K8<K
9)は無次元数であって、前回燃焼モードFMODE
(成層燃焼)から今回燃焼モード(均質燃焼)に変わっ
たときに蒸発燃焼のパージ量、及び燃料噴射量が最適値
となるように、すなわち、モード切り換り時に、燃焼が
悪化しないような値となるよう、予め実験等により求め
られており、R0M33に格納されている。この後、図
18のステップ660に移行する。
【0171】<前回均質燃焼からのモード切換時制御>
図13のステップ640において、前回の燃焼モードF
MODEが「3」(成層燃焼)でない場合には、図17
のステップ651に移行し、前回燃焼モードFMODE
が「1」(弱成層燃焼)であるか否かを判定する。前回
燃焼モードFMODEが「1」であれば、ステップ65
4に移行する。
【0172】ステップ654では、補正係数tKDPG
CHにK10をセットする。この係数K10(<1.
0)は無次元数であって、前回燃焼モードFMODE
(均質燃焼)から今回燃焼モードFMODE(弱成層燃
焼)に変ったときに蒸発燃料のパージ量、及び燃料噴射
量が最適値となるように、すなわち、モード切り換り時
に、燃焼が悪化しないような値となるよう、予め実験等
により求められており、ROM33に格納されている。
この後、図18のステップ660に移行する。
【0173】又、前記ステップ651において、今回の
燃焼モードFMODEが「1」(弱成層燃焼)でない場
合には、ステップ652に移行する。ステップ652で
は、今回の燃焼モードFMODEが「0」(成層燃焼)
であるか否かを判定する。同ステップ652において今
回の燃焼モードFMODEが「0」(成層燃焼)でない
場合には、ステップ653に移行し、今回の燃焼モード
FMODEが「2」(均質リーン燃焼)であるか否かを
判定し、今回の燃焼モードが「2」でない場合は、燃焼
モードFMODEの変化がないとしてステップ657に
移行し、補正係数tKDPGCHとして1.0をセット
する。この係数1.0は、予めROM33に格納されて
いる。この後、ステップ660に移行する。
【0174】又、前記ステップ652において、今回の
燃焼モードFMODEが「0」(成層燃焼)である場合
には、ステップ655に移行し、補正係数tKDPGC
HとしてK11(<1.0)をセットする。この係数K
11(K11<K10)は無次元数であって、前回燃焼
モードFMODE(均質燃焼)から今回燃焼モード(成
層燃焼)に変わったときに蒸発燃焼のパージ量、及び燃
料噴射量が最適値となるように、すなわち、モード切り
換り時に、燃焼が悪化しないような値となるよう、予め
実験等により求められており、R0M33に格納されて
いる。この後、図18のステップ660に移行する。
【0175】前記ステップ653において、今回の燃焼
モードFMODEが「2」(均質リーン燃焼)であると
判断された場合には、補正係数tKDPGCHとしてK
12(<1.0)をセットする。この係数K12(K1
1<K10<K12)は無次元数であって、前回燃焼モ
ードFMODE(均質燃焼)から今回燃焼モード(均質
リーン燃焼)に変わったときに蒸発燃焼のパージ量、及
び燃料噴射量が最適値となるように、すなわち、モード
切り換り時に、燃焼が悪化しないような値となるよう、
予め実験等により求められており、R0M33に格納さ
れている。この後、図18のステップ660に移行す
る。
【0176】上記各ステップから図18のステップ66
0に移行すると、ステップ660では、最終補正係数K
DPGCHとして、上記各ステップにおいてセットされ
た補正係数tKDPGCHをセットする。次のステップ
670では、前回制御周期において算出された最終要求
デューティ値DPGi-1 に最終補正係数KDPGCHを
乗算した値を終要求デューティ値DPGとする。又、次
のステップ680では、前回制御周期において算出され
た最終蒸発燃料量補正量FPGi-1 に最終補正係数KD
PGCHを乗算した値を最終蒸発燃料量補正量FPGと
し、この算出ルーチンを一旦終了する。
【0177】従って、ECU30は、この燃焼モード切
り換り時の「DPG、FPGの補正算出ルーチン」にて
算出された最終要求デューティ値DPG及び最終蒸発燃
料量補正量FPGに基づいて、電磁弁81をデューティ
制御するとともに、燃料噴射弁11を噴射制御する。
【0178】このように、燃焼状態の切換に従って、蒸
発燃料量を補正し、パージ制御弁を制御し、燃料噴射量
を制御するので、燃焼状態に応じた最適な燃焼を確保で
きる。これは、(4−4)でいう、内燃機関の燃焼状態
の切り換り時に、切換態様に応じて燃料の供給量を調整
する燃料供給量制御手段を備えたものであるともいえ
る。
【0179】<蒸発燃料の濃度に応じた制御>次に、上
記した各補正係数とベーパ濃度との関係を説明する。こ
れは、(5−1)の特徴点を適用したもので第5の補正
手段によるパージ制御弁等の制御の例である。
【0180】図19に上記各補正係数(K1からK1
2)と、ベーパ濃度との関係を示す。この図19で、C
1(低濃度)<C2<C3・・・・(高濃度)であり、
K’>K''>K'''>K''''である。
【0181】この図19の関係は、マップの形で予めR
OMに記憶されている。第5の補正手段は、濃度検出手
段で検出したベーパ濃度に対応する補正係数をROMの
対応関係から計算し、最適補正係数を得る。なお、濃度
検出手段としては、例えば、パージ通路または吸気管中
に設けられたHCセンサ(ハイドロカーボンセンサ)を
利用できるが、酸素センサにより、パージガス中の酸素
濃度を検出し酸素濃度から燃料濃度を逆算するようにし
てもよい。
【0182】図13から図18にあってはモード切換に
関連して細かく補正係数をK1からK12まで細かく変
えたことで、最適な蒸発燃料量の供給を行え、燃焼悪化
防止、十分なパージ量確保の両立が可能となった。
【0183】すなわち、図13から図18の燃焼モード
切り換り時の「DPG、FPGの補正算出ルーチン」に
おいて、燃焼モードが変化したときに、その燃焼モード
FMODEが切り換つた状憲に応じて補正係数を選択し
た。選択された補正係数は、そのモード切り換り時に燃
焼が不安定とならないように最適な補正係数とされてい
るため、パージ量、燃料噴射量とも最適な値となるよう
に、電磁弁81及び燃料噴射弁11が制御される。この
結果、燃焼モード切り換り時において、燃焼の悪化を防
止することができる 尚、上記実施の形態に限定される
ものではなく、例えば次の如く構成してもよい。
【0184】(A) 前記実施の形態において、図13
の燃焼モード切り換り時の「DPG,FPGの補正算出
ルーチン」においては、補正係数K1,K2を予め実験
値として求められた値としたが、K1とK2とを前回燃
焼モードのときの燃料噴射量と今回燃焼モードのときの
燃料噴射量との比で算出するようにしてもよい。
【0185】(B) 上記実施の形態では、筒内噴射式
のエンジン1に本発明を具体化するようにしたが、いわ
ゆる一般的な成層燃焼、或いは弱成層燃焼を行うタイプ
のものに具体化してもよい。例えば吸気ポート7a,7
bの吸気弁6a,6bの傘部の裏側に向かって噴射する
タイプのものも含まれる。また、吸気弁6a,6b側に
燃料噴射弁が設けられてはいるが、直接シリンダボア
(燃焼室5)内に噴射するタイプのものも含まれる。さ
らに、SCV17を有する希薄燃焼(リーンバーン)を
行いうるエンジンにも具体化できる。
【0186】従って、この明細書では、希薄燃焼とは、
これらの意味を含む趣旨である。(C)さらに、上記実
施の形態では、内燃機関としてガソリンエンジン1の場
合に木発明を具体化したが、その外にもディーゼルエン
ジン等の場合等にも具体化できる。
【0187】上記実施の形態において、第4の補正手段
による蒸発燃料量の補正にあたって、内燃機関の燃焼状
態の切り換り時を判定する判定手段を設け、同判定手段
に基づいて、第4の補正手段が、蒸発燃料量を補正する
ようにする。この場合、ECU30が判定手段を構成
し、ステップ420、430、480、510、520
がその判定手段に相当する。判定手段によって、燃焼状
態の切り換り時を判定する。
【0188】<制御遅延手段(4−1)による制御>と
ころで、上記した燃焼モードの切換にあたっては、燃焼
状態の切換時にパージ制御弁の開度変更または燃料噴射
状態変更を開始するまでの時間を制御遅延手段により遅
延させることも可能である。具体的には、図20に示し
たように、燃焼モードAから燃焼モードBに移行するに
あたり、所定の遅延時間を経過した後にモード切換、す
なわちDPG、FPGの変更をするのが好ましい。これ
は短時間の間にモードAからB、からAへと移行するい
わゆるハンチングを防止するためである。この制御遅延
手段は、プログラムによりCPU上に実現される。な
お、所定の遅延時間は吸気の流速、回転数等によって可
変される値でもよい。
【0189】<変化速度制御手段(4−2)(4−3)
による制御>さらに、燃焼状態に応じてパージ制御弁の
開度変化速度、あるいは燃料噴射状態変化速度を変化速
度制御手段で、燃焼モード切換時に、前回DPGから今
回DPGに移行するまでの変化度合い:λを図21に示
したように、なだらかに変化させると、移行時に安定し
た燃焼を得ることができる。
【0190】さらには、(4−3)の特徴点に従って、
図21で示した変化度合いを、燃焼モード切換の態様に
従って、異なるようにする。燃焼モード間における変化
度合い:λを図22に示す。
【0191】この図22から、リーンに行くとき緩やか
に変化し、均質に近くなるとき、変化が大きくなること
がわかる。均質燃焼は燃焼の安定度が高いので、均質に
向かうほど変化を大きくしても問題ない。リーンの場合
は燃焼が不安定になりがちである。そこで、リーンに向
かう場合は、緩やかに変化させて大きな変動に伴う不安
定な燃焼を避けるようにした。 <機関回転数に応じて蒸発燃料量を補正する例>次に、
機関回転数に応じて蒸発燃料量を補正する(2)の特徴
点に関する実施の形態を図23に従って説明する。
【0192】まず、エンジン回転数NEとアクセル開度
ACAが入力される(ステップ681)。次いで、入力
されたエンジン回転数とアクセル開度に従って基本的な
基本燃料噴射量(QALL)を計算する(ステップ68
2)。
【0193】すなわち、まず、図示しないエンジン回転
数及びアクセル開度と、基本燃料噴射量との相関関係を
定めたマップから、当該エンジン回転数とアクセル開度
に対応する基本燃料噴射量を補間的に計算する。
【0194】ステップ683では、パージ中であるか否
かを判定し、パージ中であれば、スロットル開度TAと
エンジン回転数NEを取り込む(ステップ684)。次
いで、蒸発燃料量補正量(FPG)を算出する(ステッ
プ685)。この算出は、予めマップとしてROMに記
憶したスロットル開度TAエンジン回転数NEと、蒸発
燃料量補正量(FPG)との相関関係(図24参照)か
ら行う。なお、図24において、高中小とは、エンジン
回転数である。エンジン回転数が少ないど、蒸発燃料量
補正量は増える。
【0195】ステップ683でパージ中でないとされた
場合、ステップ687で蒸発燃料量補正量=0とする。
ステップ685、687で蒸発燃料量補正量(FPG)
が決定された後、ステップ686に移行し、最終燃料噴
射量(QALLINJ)が決定される。ここでは、ステ
ップ682で予め計算された基本燃料噴射量(QAL
L)から蒸発燃料量補正量(FPG)を減ずることで最
終燃料噴射量(QALLINJ)を決定するその後、別
途定めた燃料噴射プログラムに従って燃料噴射を行う。
【0196】なお、蒸発燃料量補正量(FPG)の別の
計算方法としては、図25に示したように、パージガス
量Qpから求める方法、図26に示したようにインテー
クマニホールドの圧力から求める方法とが例示できる。
【0197】なお、図23に示したルーチンは所定時間
間隔で繰返し実行される。このような補正ルーチン、特
にステップ684,685によって蒸発燃料量補正量を
検出して補正するので、ドライバビリティやエミッショ
ンに影響することなく大量の蒸発燃料を処理できる。 <蒸発燃料量の補正に伴う燃料噴射状態の変更>以上、
蒸発燃料量を種々のパラメータに従って補正する例を紹
介したが、これら蒸発燃料量の補正に伴い燃料噴射状態
を変更する制御例を以下に説明する。これは(5)及び
(5−1)の特徴点によるものである。
【0198】図27に従って、FPG(蒸発燃料量補正
量)に応じて燃料噴射時期を補正する例を説明する。ま
ず、エンジン回転数NEとアクセル開度ACAが入力さ
れる(ステップ701)。次いで、入力されたエンジン
回転数とアクセル開度に従って基本的な基本燃料噴射量
(QALL)を計算する(ステップ702)。
【0199】ステップ703では、パージ中であるか否
かを判定し、パージ中であれば、エアーと蒸発燃料から
なるパージガス量Qpを算出する(ステップ704)。
この算出は、予めマップとしてROMに記憶したスロッ
トル開度TAとパージガス量との相関関係(図28参
照)から行う。なお、図28において、高中小とは、エ
ンジン回転数である。エンジン回転数が高いほど、パー
ジガス量は増える。
【0200】次いで、パージガス通路等に設けたハイド
ロカーボンセンサ(HCセンサ)で検出した蒸発燃料濃
度(FGprg)を取り込む(ステップ705)。その
後、ステップ706で蒸発燃料量補正量(FPG)を計
算する。すなわちパージガス量(QP)に蒸発燃料濃度
(FGprg)を乗じ、その積をエンジン回転数(N
E)×(n/2)で除して得た商を蒸発燃料量とする。
なお、式中、nは気筒数であり、1/2で除するのは、
4サイクルエンジンにおける吸気は4サイクル中2回だ
からである。
【0201】ステップ703でパージ中でないとされた
場合、ステップ707で蒸発燃料量補正量=0とする。
ステップ706、707で蒸発燃料量補正量(FPG)
が決定された後、ステップ708に移行し、最終燃料噴
射量(QALLINJ)が決定される。ここでは、ステ
ップ702で計算された最終燃料噴射量(QALLIN
J)を前回噴射量(QALLO)とし、この前回噴射量
から蒸発燃料量補正量(FPG)を減ずることで最終燃
料噴射量(QALLINJ)を決定する。さらに、ステ
ップ709で、燃料噴射時期を決定する。燃料噴射時期
(AINJ)の決定に当たっては、図29に示したマッ
プを参照する。このマップは蒸発燃料量補正量(FP
G)と燃料噴射時期の変化量(△AINJ)との相関関
係を予め定めたもので、RPMに記憶されている。図2
9において、グラフと横軸との交差部分は理論空燃比を
示す。この交差部分より左の部分は空気のみをパージし
ていることを意味する。すなわち、前回の燃料噴射時期
(AINJO)から、蒸発燃料量補正量(FPG)に対
応する燃料噴射時期の変化量(△AINJ)を減ずるこ
とで、今回の燃料噴射時期を算出する。こうして得た燃
料噴射時期をもって、別途定めた燃料噴射プログラムに
従って燃料噴射を行う。
【0202】なお、図27に示したルーチンは所定時間
間隔で繰返し実行される。このような補正ルーチン、特
にステップ704,705,706によって蒸発燃料量
の検出精度が向上するので、ドライバビリティやエミッ
ションに影響することなく大量の蒸発燃料を処理でき
る。
【0203】また、蒸発燃料濃度の他の検出方法とし
て、図30に示したようなマップから検出する方法も使
用できる。すなわち、吸気管中の酸素濃度と、蒸発燃料
濃度(FGprg)との相関関係を予めマップとしてR
OMに記憶しておき、吸気管中の酸素濃度を酸素センサ
で検出し、マップから対応する蒸発燃料濃度を導く。
【0204】<蒸発燃料量の補正と成層燃焼の度合い
(噴射時期と噴射量)>次に、蒸発燃料量補正量(FP
G)をパージガス量(Qp)及びパージガス中の蒸発燃
料濃度FGprgによって算出するにあたり、成層燃焼
の度合いすなわち成層燃焼における噴射時期及び噴射量
を参照して蒸発燃料量を補正する例を図31に示す。す
なわち、前記した(4)第4の補正手段による制御の例
である。
【0205】まず、エンジン回転数NEとアクセル開度
ACAが入力される(ステップ801)。次いで、入力
されたエンジン回転数とアクセル開度に従って基本的な
基本燃料噴射量(QALL)を計算する(ステップ80
2)。ステップ803では、パージ中であるか否かを判
定し、パージ中であれば、エアーと蒸発燃料からなるパ
ージガス量Qpを算出する(ステップ804)。この算
出は、先の例と同様、予めマップとしてROMに記憶し
たスロットル開度TAとパージガス量との相関関係(図
28参照)から行う。
【0206】次いで、パージガス通路等に設けたハイド
ロカーボンセンサ(HCセンサ)で検出した蒸発燃料濃
度(FGprg)を取り込む(ステップ805)。ステ
ップ806では、燃焼状態である成層度Rを検出し、取
り込む成層度Rは図32に示したように、アクセル開度
あるいは燃料噴射量との関係で決定されるが、さらにエ
ンジン回転数の大小にも依存する。グラフ図から明かな
ように、アクセル開度が大きいほど成層度が1.0に近
い値となる。またエンジン回転数が大きいほど成層度は
高くなる。
【0207】その後、ステップ807で補正係数Kcを
算出する。補正係数Kcは、図33に示したマップから
算出する。図33では、成層度Rと補正係数Kcとの関
係を予め相関関係としてROMに記憶したもので、成層
度Rは噴射時期×噴射量で決定される。
【0208】ステップ808では、パージガス量(Q
P)と補正係数Kcと蒸発燃料濃度(FGprg)を乗
じ、その積をエンジン回転数(NE)×(n/2)で除
して得た商を蒸発燃料量とする。なお、式中、nは気筒
数であり、1/2で除するのは、4サイクルエンジンに
おける吸気は4サイクル中2回だからである。
【0209】ステップ803でパージ中でないとされた
場合、ステップ809で蒸発燃料量補正量=0とする。
ステップ808、809で蒸発燃料量補正量(FPG)
が決定された後、ステップ810に移行し、最終燃料噴
射量(QALLINJ)が決定される。ここでは、ステ
ップ802で計算された基本燃料噴射量(QALL)か
ら蒸発燃料量補正量(FPG)を減ずることで最終燃料
噴射量(QALLINJ)を決定する。さらに、ステッ
プ811で、燃料噴射時期を決定する。燃料噴射時期
(AINJ)の決定に当たっては、先の例と同様に図2
9に示したマップを参照する。すなわち、前回の燃料噴
射時期(AINJO)から、蒸発燃料量補正量(FP
G)に対応する燃料噴射時期の変化量(△AINJ)を
減ずることで、今回の燃料噴射時期を算出する。こうし
て得た燃料噴射時期をもって、別途定めた燃料噴射プロ
グラムに従って燃料噴射を行う。
【0210】なお、図31に示したルーチンは所定時間
間隔で繰返し実行される。このような補正ルーチン、特
にステップ804から808によって成層度に応じて蒸
発燃料量を補正しているので、蒸発燃料量の内で、燃焼
に寄与する部分の燃料噴射量を適正に減らすことがで
き、失火を防止することができる。 <パージガス量及び蒸発燃料量の補正とトルク変動>次
に、トルク変動に応じてパージガス量Qpを補正し、さ
らに、Qpとの関連で定まる蒸発燃料量補正量(FP
G)を補正する例を図34に従って説明する。これは
(3)第3の補正手段を適用した例である。
【0211】まず、エンジン回転数NEとアクセル開度
ACAが入力される(ステップ901)。次いで、入力
されたエンジン回転数とアクセル開度に従って基本的な
基本燃料噴射量(QALL)を計算する(ステップ90
2)。ステップ903では、パージ中であるか否かを判
定し、パージ中であれば、エアーと蒸発燃料からなるパ
ージガス量Qpを算出する(ステップ904)。この算
出は、先の例と同様、予めマップとしてROMに記憶し
たスロットル開度TAとパージガス量との相関関係(図
28参照)から行う。
【0212】次いで、ステップ905で蒸発燃料量を補
間計算する。蒸発燃料量の計算は、図示しないが、マッ
プとしてROMに記憶した、エンジン回転数NE及びス
ロットル開度TAと蒸発燃料量との相関関係から算出す
る。
【0213】ステップ906では、トルク変動DLNを
取り込む。トルク変動は所定時間前の旧トルクと現在の
トルクとの差を数値化したものである。次いで、ステッ
プ907ではトルク変動に応じたパージガス補正量△Q
prgを算出する。パージガス補正量△Qprgの算出
には、図35のマップを参照する。図35のマップは、
トルク変動の大きさを横軸とし、トルク変動の大きさに
対応するパージガス補正量△Qprgを縦軸として両者
の相関関係を定めたものである。このマップから明かな
ように、トルク変動が大きいとき、補正量が正の値とな
り、トルク変動が小さいときは補正量が負となる。
【0214】パージガス補正量を得た後、ステップ90
8では、前回パージガス変動量(△Qp)にパージガス
補正量△Qprgを加え、新しいパージガス変動量(△
Qp)とする。そして、ステップ904で得たパージガ
ス量Qpにステップ908で得た△Qpを加え、補正し
たパージガス量Qpを得る(ステップ909)。
【0215】前記ステップ903で、パージ中でないと
された場合、蒸発燃料量補正量FPG=0とし(ステッ
プ910)、さらに、パージガス量Qp=0とする(ス
テップ911)。
【0216】ステップ912では、ステップ909、9
11で得たパージガス量Qpの値から、パージ制御弁の
開度を制御する。この制御は図36で示した、パージガ
ス量Qpとパージ制御弁の開度V(Qp)との相関関係
を参照して行われる。図36のマップはROMに予め記
憶されている。
【0217】次いで、ステップ913において、最終燃
料噴射量(QALLINJ)が決定される。ここでは、
ステップ902で計算された基本燃料噴射量(QAL
L)から蒸発燃料量補正量(FPG)を減ずることで最
終燃料噴射量(QALLINJ)を決定する。
【0218】このような補正ルーチン、特にステップ9
04から909によってトルク変動に応じてパージガス
量を補正しているので、トルク変動が大きくなってパー
ジガス濃度が薄くなる場合に、最適な蒸発燃料量補正量
(FPG)となるように、パージガス量を増やすので、
パージ量を増やすことができる。
【0219】<トルク変動に応じて蒸発燃料量の補正す
る例>先の例では、トルク変動に応じてパージガス量Q
pすることで蒸発燃料量補正量(FPG)を補正した
が、図37から図40ではトルク変動に応じて直接蒸発
燃料量を補正する場合を示している。この例も(3)第
3の補正手段を適用した例である。
【0220】まず、エンジン回転数NEとアクセル開度
ACAが入力される(ステップ1001)。次いで、入
力されたエンジン回転数とアクセル開度に従って基本的
な基本燃料噴射量(QALL)を計算する(ステップ1
002)。ステップ1003では、パージ中であるか否
かを判定し、パージ中であれば、エンジン回転数NE及
びスロットル開度を読み込み、蒸発燃料量補正量FPG
を算出する(ステップ1004)。この算出は、エンジ
ン回転数NE及びスロットル開度TAと蒸発燃料量補正
量FPGとの関係を予め定めたマップを参照して行う。
【0221】次いで、ステップ1005でトルク変動D
LNを取り込む。その後、ステップ1006ではトルク
変動に応じた蒸発燃料量補正量FPGの補正量△FPG
Hを算出する。蒸発燃料量補正量FPGの補正量△FP
GHの算出には、図38のマップを参照する。図38の
マップは、トルク変動の大きさを横軸とし、トルク変動
の大きさに対応する蒸発燃料量補正量FPGの補正量△
FPGHを縦軸として両者の相関関係を定めたものであ
る。このマップから明かなように、トルク変動が大きい
とき、補正量が負の値となり、トルク変動が小さいとき
は補正量が正となる。
【0222】蒸発燃料量補正量FPGの補正量△FPG
Hを得た後、ステップ1007では、前回求めた蒸発燃
料量補正量FPGの補正量FPGHに、ステップ100
6で得た蒸発燃料量補正量FPGの補正量△FPGHを
加え、新しい蒸発燃料量補正量FPGの補正量FPGH
とする。次いで、ステップ1004で得た蒸発燃料量補
正量FPGにステップ1007で得た蒸発燃料量補正量
FPGの補正量FPGHを加え、補正後の蒸発燃料量補
正量FPGを得る(ステップ1008)。
【0223】前記ステップ1003で、パージ中でない
とされた場合、蒸発燃料量補正量FPG=0とする(ス
テップ1009)。次いで、ステップ1010におい
て、最終燃料噴射量(QALLINJ)が決定される。
ここでは、ステップ1002で計算された基本燃料噴射
量(QALL)から蒸発燃料量補正量(FPG)を減ず
ることで最終燃料噴射量(QALLINJ)を決定す
る。
【0224】このような補正ルーチン、特にステップ1
004から1008によってトルク変動に応じて蒸発燃
料量を補正しているので、トルク変動に応じた正確な蒸
発燃料量補正量FPGを求めることができ、大量パージ
が可能となる。なお、蒸発燃料量補正量△FPGHの算
出に当たっては、以下のことを考慮に入れている。
【0225】図39に示したように、出力変動が小さい
ことは燃料量が多すぎることを意味する。これは、蒸発
燃料量を少なく見積もっているためであるから蒸発燃料
量を多い方に補正する。出力変動が大きい場合は、筒内
燃料が不足している場合であるから、蒸発燃料量補正量
FPGを減らす方向に補正する。なお、図38で示した
ように蒸発燃料量の補正量△FPGHを出力変動に応じ
てなだらかに変化するようにしてもよい。
【0226】<蒸発燃料量補正量にガードをかけた場合
の例>次に、蒸発燃料量の補正を基準出力変動からのず
れ△DLNに応じて補正するとともに、蒸発燃料量補正
量△FPGHにガードをかけ、異常補正を行わないよう
にした例を図41から図43に従い説明する。なお、こ
の例は(5−2)の特徴点を実現するものである。
【0227】まず、エンジン回転数NEとアクセル開度
ACAが入力される(ステップ1011)。次いで、入
力されたエンジン回転数とアクセル開度に従って基本的
な基本燃料噴射量(QALL)を計算する(ステップ1
012)。ステップ1013では、パージ中であるか否
かを判定し、パージ中であれば、エンジン回転数NE及
びスロットル開度を読み込み、基準蒸発燃料量補正量F
PG0を算出する(ステップ1014)。この算出は、
エンジン回転数NE及びスロットル開度TAと基準蒸発
燃料量補正量FPG0との関係を予め定めたマップを参
照して行う。
【0228】次いで、ステップ1015でトルク変動D
LNを取り込む。その後、ステップ1016では基準ト
ルク変動DLN0を算出する。基準トルク変動DLN0
の算出には、図42のマップを参照する。図42のマッ
プは、アクセル開度(スロットル開度)を横軸とし、ア
クセル開度に対応する基準トルク変動DLN0を縦軸と
し、て両者の相関関係をエンジン回転数の大小毎に定め
たものである。このマップから明かなように、アクセル
開度が大きいほど、また、エンジン回転数が大きいほど
基準トルク変動が小さくなる。
【0229】基準トルク変動DLN0を算出した後、ス
テップ1017では、ステップ1015で得たトルク変
動DLNから基準トルク変動を減じ、トルク変動の変動
量△DLNを得る。次いで、この変動量△DLNを参照
して、図43のマップから蒸発燃料量補正量△FPGH
を算出する(ステップ1018)。蒸発燃料量補正量△
FPGHの算出は、図43で示した蒸発燃料量補正量△
FPGHと△DLNとの相関関係マップから算出する。
なお、図43において Cpp:パージ量を増加させる量 Cpm:パージ量を減少させる量 Cfp:パージガス中の濃度見積もり値を増加させる量 Cfm:パージガス中の濃度見積もり値を減少させる量 である。
【0230】△DLNが基準0より大きいとき、蒸発燃
料量補正量△FPGHは負となり、△DLNが基準0よ
り小さいとき、蒸発燃料量補正量△FPGHは正とな
る。次いで、前回求めた蒸発燃料量補正量FPGの補正
量FPGHに、ステップ1018で得た蒸発燃料量補正
量FPGの補正量△FPGHを加え、新しい蒸発燃料量
補正量FPGの補正量FPGHとする。さらに、ステッ
プ1014で得た蒸発燃料量補正量FPG0にステップ
1019で得た蒸発燃料量補正量FPGの補正量FPG
Hを加え、補正後の蒸発燃料量補正量FPGを得る(ス
テップ1020)。
【0231】その後、ステップ1021では、蒸発燃料
量補正量FPGの最大値maxFPGと最小値minF
PGを算出する。なお、 最大値maxFPG=基準蒸発燃料量補正量FPG0−
所定値、 最小値minFPG=基準蒸発燃料量補正量FPG0+
所定値 であり、ここでいう所定値とは経験的に定まる値であ
る。
【0232】その後、ステップ1022で蒸発燃料量補
正量FPGが最大値maxFPG以上か否か判定され、
最大値以上であれば、ステップ1023において、蒸発
燃料量補正量FPGを最大値maxFPGとする。すな
わち最大値でガードをかけたのである。
【0233】その後、ステップ1021で、蒸発燃料量
補正量FPGが最小値minFPG以下か否か判定され
る。最小値以下であれば、ステップ1025で、最小値
minFPGを蒸発燃料量補正量FPGとする。すなわ
ち最小値でガードをかけたのである。
【0234】ステップ1013でパージ中でないと判定
された場合、蒸発燃料量補正量FPG=0とし、また、
ステップ1022、1025で、否定の場合も、蒸発燃
料量補正量FPGは0のまま維持される。
【0235】蒸発燃料量補正量FPGが決定された後
は、ステップ1027で最終燃料噴射量(QALLIN
J)が決定される。ここでは、ステップ1012で計算
された基本燃料噴射量(QALL)から蒸発燃料量補正
量(FPG)を減ずることで最終燃料噴射量(QALL
INJ)を決定する。
【0236】このような補正ルーチンでは、ステップ1
016から1018によってトルク変動の変動幅△DL
Nに蒸発燃料量補正量△FPGHを補正しているので、
トルク変動に応じた正確な蒸発燃料量補正量FPGを求
めることができる。
【0237】さらに、ステップ1022から1025
で、求めた蒸発燃料量補正量FPGにガードをかけるた
め、異常補正がカットされ、燃焼安定性を確保できる。
特に、エンジン回転数が高いときは、トルク変動が小さ
くなり、このようなときに蒸発燃料量補正量FPGを増
加させてしまう誤補正が生じ、また、エンジン回転数が
低いときは、トルク変動が小さ大きく、このようなとき
に蒸発燃料量補正量FPGを減少させてしまう誤補正が
生じるが、本例では、このような誤補正をガード処理で
回避できる。
【0238】なお、以上説明した、種々の実施形態は、
必要に応じ可能な限り組み合わせて実施できる。
【0239】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
蒸発燃料を希薄燃焼内燃機関に供給するに当たり、空燃
比を検出していない場合や、検出された空燃比の精度が
良くない場合においても、蒸発燃料の供給量の算出が悪
化することがなく、リッチ失火やサージを抑制すること
ができる。
【0240】又、希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御
装置において、アイドル時において、本発明を適用する
ことで、ベース燃料を効果的に減量でき、又、ベーパが
濃い薄いに限らずアイドル回転数の安定性を確保でき
る。
【0241】さらに、出力変動に応じて、蒸発燃料量を
補正することで、パージによる失火、サージが発生した
場合においても、効果的に燃料減量ができ、ドライバビ
リティを確保でき、燃費の向上を図ることができる。
【0242】さらに、燃焼状態に応じて蒸発燃料量を補
正することで、燃焼状態の切り換わり時などにおいて、
燃焼の悪化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な概念を示す概念構成図
【図2】本発明において濃度検出手段を備えた場合の基
本的概念図
【図3】実施の形態におけるエンジンの蒸発燃料供給制
御装置を示す概略構成図
【図4】エンジンの気筒部分を拡大して示す断面図
【図5】ECUの概略を示す電機ブロック回路図
【図6】ECUにより実行されるアイドル時における停
車中の「パージ制御ルーチン」を示すフローチャート
【図7】デューティ制御の状態を示したグラフ図
【図8】ECUにより実行されるアイドル時における停
車中の「燃料噴射量補正値算出ルーチン」を示すフロー
チャート
【図9】ECUにより実行されるアイドルオフ時におけ
る「パージ制御ルーチン」を示すフローチャート
【図10】ECU30により実行されるアイドルオフ時
における「燃料噴射量補正値算出ルーチン」を示すフロ
ーチャート
【図11】トルク変動量と燃料量の特性を表しているグ
ラフ
【図12】燃焼モード切り換り時の「DPG、FPGの
補正算出ルーチン」を示すフローチャート(1)
【図13】燃焼モード切り換り時の「DPG、FPGの
補正算出ルーチン」を示すフローチャート(2)
【図14】燃焼モード切り換り時の「DPG、FPGの
補正算出ルーチン」を示すフローチャート(3)
【図15】燃焼モード切り換り時の「DPG、FPGの
補正算出ルーチン」を示すフローチャート(4)
【図16】燃焼モード切り換り時の「DPG、FPGの
補正算出ルーチン」を示すフローチャート(5)
【図17】燃焼モード切り換り時の「DPG、FPGの
補正算出ルーチン」を示すフローチャート(6)
【図18】燃焼モード切り換り時の「DPG、FPGの
補正算出ルーチン」を示すフローチャート(7)
【図19】図12から図18における制御で使用する補
正係数とベーパ濃度との関係を示す図
【図20】モード切換時の制御遅延手段による遅延制御
を示すタイミングチャート図
【図21】図20における遅延制御による変化をなだら
かにした状態を示すタイミングチャート図
【図22】遅延制御の変化度合いを、切換パターンによ
って変化させることを示す概念図
【図23】蒸発燃料量の補正制御例を示したフローチャ
ート図
【図24】スロットル開度TAと蒸発燃料量補正量FP
Gとエンジン回転数NAとの相関関係を定めたマップ
【図25】蒸発燃料量補正量FPGとパージガス量Qp
との関係を定めたマップ
【図26】蒸発燃料量補正量FPGと、大気圧・インテ
ークマニホールド圧間の差圧との間の相関関係を定めた
マップ
【図27】蒸発燃料量補正量FPGに応じて燃料噴射時
期を制御する例を示したフローチャート図
【図28】パージガス量Qpとスロットル開度TA及び
機関回転数との関係を示したマップ
【図29】燃料噴射時期の変化量△AINJと蒸発燃料
量との関係を示すマップ
【図30】蒸発燃料の濃度を検出するためのマップ
【図31】燃焼状態(成層燃焼の度合い)に応じて蒸発
燃料量を補正する例を示したフローチャート図
【図32】成層度とアクセル開度(or燃料噴射量)と
機関回転数との関係を定めたマップ
【図33】成層度と補正係数との関係を示したマップ
【図34】出力変動に応じてパージガス量Qpを制御す
る例を示したフローチャート図
【図35】出力変動とパージガス補正量Qprgとの関
係を示したマップ
【図36】パージガス量Qpとパージ制御弁制御出力V
(Qp)との関係を示したマップ
【図37】出力変動に応じて蒸発燃料量を補正する例を
示したフローチャート図
【図38】出力変動と蒸発燃料量補正量△FPGHとの
関係を示したマップ
【図39】出力変動と燃料量との関係を示したマップ
【図40】出力変動と蒸発燃料量補正量△FPGHとの
関係を示したマップの他の例
【図41】出力変動に応じて蒸発燃料量を補正するとと
もにガード処理を施した例を示したフローチャート図
【図42】基準出力変動DLN0とアクセル開度と機関
回転数との関係を示したマップ
【図43】出力変動の変化量△DLNと蒸発燃料量補正
量△FPGHとの関係を示したマップ
【符号の説明】
1…希薄燃焼内燃機関としてのエンジン 11…燃料噴射手段としての燃料噴射弁 20…吸気ダクト 22…ステップモータ 23…スロットル弁 25…運転状態検出手段を構成するスロットルセンサ 26A…運転状態検出手段を構成するアクセルセンサ 26B…運転状態検出手段を構成する全閉スイッチ 27…運転状態検出手段を構成する上死点センサ 28…運転状態検出手段を構成するクランク角センサ 29…運転状態検出手段を構成するスワールコントロー
ルバルブセンサ 30…燃料供給量制御手段、パージ制御弁制御手段及び
第1から第5の補正手段を構成するECU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 41/02 325 F02D 41/02 325J 41/04 330 41/04 330P 335 335C (72)発明者 益城 善一郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 永田 哲治 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の燃料を収容する燃料収容手段
    から発生する蒸発燃料を内燃機関の吸気系にパージする
    パージ通路と、 前記パージ通路から前記吸気系に導入される蒸発燃料量
    を、内燃機関の運転状態に応じて制御するパージ制御手
    段と、 前記内燃機関の機関回転数が目標回転数に一致するよう
    に蒸発燃料量を補正する第1の補正手段とを備え、 前記パージ制御手段は、この第1の補正手段が補正した
    補正値に基づいてパージ制御することを特徴とする希薄
    燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の補正手段で参照すべき内燃機
    関の目標回転数が、アイドル回転数であることを特徴と
    する希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置。
  3. 【請求項3】 希薄燃焼状態のアイドル時に、第1の補
    正手段による補正結果に応じて燃料の供給量を調整する
    燃料供給量制御手段を備えたことを特徴とする請求項2
    に記載の希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置。
  4. 【請求項4】 内燃機関の燃料を収容する燃料収容手段
    から発生する蒸発燃料を内燃機関の吸気系にパージする
    パージ通路と、 前記パージ通路から前記吸気系に導入される蒸発燃料量
    を、内燃機関の運転状態に応じて制御するパージ制御手
    段と、 前記内燃機関の機関回転数に応じて蒸発燃料量を補正す
    る第2の補正手段とを備え、 前記パージ制御手段は、この第2の補正手段が補正した
    補正値に基づいてパージ制御することを特徴とする希薄
    燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置。
  5. 【請求項5】 内燃機関の燃料を収容する燃料収容手段
    から発生する蒸発燃料を内燃機関の吸気系にパージする
    パージ通路と、 前記パージ通路から前記吸気系に導入される蒸発燃料量
    を、内燃機関の運転状態に応じて制御するパージ制御手
    段と、 前記内燃機関の出力変動に応じて蒸発燃料量を補正する
    第3の補正手段と、 を備え、 前記パージ制御手段は、この第3の補正手段が補正した
    補正値に基づいてパージ制御することを特徴とする希薄
    燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置。
  6. 【請求項6】 内燃機関の出力変動に応じて燃料の供給
    量を調整する燃料供給量制御手段を備えたことを特徴と
    する請求項5に記載の希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給
    制御装置。
  7. 【請求項7】内燃機関の燃料を収容する燃料収容手段か
    ら発生する蒸発燃料を内燃機関の吸気系にパージするパ
    ージ通路と、 前記パージ通路から前記吸気系に導入される蒸発燃料量
    を、内燃機関の運転状態に応じて制御するパージ制御手
    段と、 前記内燃機関の燃焼状態に応じて蒸発燃料量を補正する
    第4の補正手段とを備え、 前記パージ制御手段は、この第4の補正手段が補正した
    補正値に基づいてパージ制御することを特徴とする希薄
    燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置。
  8. 【請求項8】蒸発燃料量の補正に応じて、燃料噴射状態
    を変更する噴射状態変更手段を備えたことを特徴とする
    請求項1から7のいずれかに記載の希薄燃焼内燃機関の
    蒸発燃料供給制御装置。
  9. 【請求項9】蒸発燃料の濃度を検出する濃度検出手段を
    備え、蒸発燃料の濃度に応じてパージ制御弁の開度また
    は燃料噴射状態を補正する第5の補正手段を備えたこと
    を特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の希薄燃
    焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置。
  10. 【請求項10】 燃焼状態の切換え時にパージ制御弁の
    開度変更または燃料噴射状態変更を開始するまでの時間
    を遅延させる制御遅延手段を備えたことを特徴とする請
    求項7記載の希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装
    置。
  11. 【請求項11】 燃焼状態に応じてパージ制御弁の開度
    変化速度または燃料噴射状態変化速度を制御する変化速
    度制御手段を備えたことを特徴とする請求項7記載の希
    薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置。
  12. 【請求項12】 前記燃料噴射状態変化速度は燃焼状態
    切換毎に異ならせることを特徴とする請求項11記載の
    希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置。
  13. 【請求項13】 前記噴射状態変更手段は燃料噴射状態
    として噴射量補正量を変更するものであり、この噴射量
    補正量の変更をガード値で制限することを特徴とする請
    求項8または9記載の希薄燃焼内燃機関の蒸発燃料供給
    制御装置。
  14. 【請求項14】 内燃機関の燃焼状態の切り換り時に、
    切換態様に応じて燃料の供給量を調整する燃料供給量制
    御手段を備えたことを特徴とする請求項7に記載の希薄
    燃焼内燃機関の蒸発燃料供給制御装置。
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