JPH10231283A - 3−メルカプトプロピオン酸の合成方法 - Google Patents

3−メルカプトプロピオン酸の合成方法

Info

Publication number
JPH10231283A
JPH10231283A JP9257288A JP25728897A JPH10231283A JP H10231283 A JPH10231283 A JP H10231283A JP 9257288 A JP9257288 A JP 9257288A JP 25728897 A JP25728897 A JP 25728897A JP H10231283 A JPH10231283 A JP H10231283A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
resin
solvent
guanidine
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9257288A
Other languages
English (en)
Inventor
Emmanuel Arretz
エマニユエル・アレ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Societe National Elf Aquitaine
Original Assignee
Societe National Elf Aquitaine
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from FR9611508A external-priority patent/FR2753704B1/fr
Application filed by Societe National Elf Aquitaine filed Critical Societe National Elf Aquitaine
Publication of JPH10231283A publication Critical patent/JPH10231283A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C319/00Preparation of thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides
    • C07C319/02Preparation of thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides of thiols
    • C07C319/04Preparation of thiols, sulfides, hydropolysulfides or polysulfides of thiols by addition of hydrogen sulfide or its salts to unsaturated compounds

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非常に高い転化度を保持する一方、3−メル
カプトプロピオン酸についての選択度が顕著に良好であ
るH2Sとアクリル酸との付加反応による3−メ ルカプ
トプロピオン酸の合成方法を提供する。 【解決手段】 該方法を、窒素原子に直接的に結合した
水素を含有しない塩基性グアニジン官能基を有する固体
支持体の存在下で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応(1)即ち H2S + CH2=CH−COOH → HS−CH2−CH2−COOH ( 1) に従う、アクリル酸(AA)への硫化水素の付加による
3−メルカプトプロピオン酸(MPA)の製造に関す
る。
【0002】形成されたMPAは、反応(2)即ち HS−CH2−CH2−COOH + CH2=CH−COOH → S(CH2− CH2− COOH)2 (2) に従って、反応混合物中に存在するAAと反応して3,
3′−チオジプロピオン酸(TDPA)を生じ得る。
【0003】
【従来の技術】特許US5,008,432は、メチル
アクリレートまたはアクリル酸のような不飽和化合物へ
のH2Sの付加を記載する。
【0004】この付加は、酸化マグネシウムおよび塩基
性陰イオン交換樹脂から選ばれた塩基性触媒の存在下で
行われる。該樹脂は、官能基として第3級アミンまたは
第4級アンモニウムヒドロキシドを有するものから選ば
れる。
【0005】反応は、溶媒の不存在下でまたは存在下で
行われる。溶媒は、低級アルコール、飽和脂肪族または
環状脂肪族炭化水素、および芳香族炭化水素から選ばれ
る。
【0006】陰イオン交換樹脂が用いられる場合、反応
圧は、一般に3037.5〜6750kPaである。
【0007】実施例VIIは、アンバリスト(Amberlys
t)A−21樹脂(ローム・アンド・ハース社)の存在
下で3037.5kPaの反応圧にて溶媒なしでのアク
リル酸へのH2Sの付加 を記載する。該樹脂は、ジメチ
ルアミノ官能基を有する。反応中、液状媒質から分離し
た固体が形成される。この固体は、メルカプタン、スル
フィド、アクリル酸、並びに二量体および三量体を含有
する。この実施例の試験番号4は、10.4のH2S/
AAのモル比について、89%の転化度およびMPAに
ついての100 %の選択度をもたらすことになる。
【0008】試験番号3は、5.4のH2S/AAのモ
ル比について、MPAについての98%の選択度につい
て90%の転化度をもたらすことになる。
【0009】特許出願J07−228568もまた、ア
クリル酸へのH2Sの付加によるMPAの合成に関す
る。この出願の方法によれば、付加は、陰イオン交換樹
脂の存在下でおよび水またはアミド、エステル、エーテ
ルもしくはケトン化合物から選ばれた溶媒の存在下で行
われる。
【0010】該アミド、エステル、エーテルもしくはケ
トンの溶媒は、酸素、硫黄、窒素および同様な原子に結
合した水素を有してはならない。この方法において用い
られ得る溶媒の中には、ジメチルホルムアミド(DM
F)、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンお
よびジメチルイミダゾリジノンがアミド溶媒の中に記録
されており、しかしてDMFが、高MPA収率をもたら
すことになるので好ましい。
【0011】ジオキサン、ジオキソランおよびジエチレ
ングリコールジメチルエーテルがエーテル溶媒の中に記
録されており、しかしてジオキサンが、高MPA収率を
もたらすことになるので好ましい。
【0012】アセトン、ジエチルケトン、メチルエチル
ケトンおよびメチルイソブチルケトンが、ケトン溶媒の
中に記録されている。
【0013】記載された陰イオン交換樹脂は、官能基と
して第3級アミン(弱塩基性樹脂)または第4級アンモ
ニウムヒドロキシド(強塩基性樹脂)を有し得る。弱塩
基性陰イオン交換樹脂は、反応混合物の化合物と塩を形
成しない故、実際上理想的であると指摘される。
【0014】架橋により不溶性にされるこれらの樹脂の
ポリマーは、ポリスチレン、ポリアクリルアミドまたは
エポキシ樹脂であり得る。
【0015】J07−228568において、MPAの
合成の実施例は、ローム・アンド・ハース社により製造
されている次の樹脂を用いる。即ち、 アンバライト(Amberlite)IRA−93(基: 第3
級アミン) アンバライトIRA−94(基: 第3級アミン) アンバライトIRA−900(基: 第4級アンモニウ
ム) モル比(H2S/AA=3)および反応温度(60℃)
に関して同一の条件下で行われる、実施例2(アンバラ
イトIRA−94樹脂)および実施例12(アンバライ
トIRA−900樹脂)は、実質的に同一のMPA収率
(90.0%および89.7%)および選択度(90.
6%および90.8%)をもたらすことになる。
【0016】アンバライトIRA−94樹脂の存在下で
DMF中で行われる実施例3は、6.0のH2S/AA
のモル比、60℃の反応温度、30気圧(3039kP
a)の圧力お よび44気圧(4458kPa)の最大
圧について、98.9%のAAの転化度および、92.
5%の選択度でもって91.5%のMPAの収率をもた
らすことになる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、非常
に高い転化度を保持する一方、MPAについての選択度
が先行技術の選択度より、特に文献J07−22856
8の技術的教示から得られ得る選択度より顕著に良好で
あるような、反応(1)の実施条件を見出すことであ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】この目的は、上記の反応
(1)において先行技術の樹脂を、固体支持体であって
グアニジン官能基を有するものにより置き換えることに
より達成され、但し後者が窒素原子に直接的に結合した
水素を含有しないことを条件とする。
【0019】本発明の主題はかくして、塩基性官能基を
有する固体支持体の存在下でH2Sとアクリル酸との付
加反応により3−メルカプトプロピオン酸を製造する方
法において、該官能基がグアニジン基であり、但し該グ
アニジン基が窒素原子に直接的に結合した水素を含有し
ないことを条件とする、ことを特徴とする上記方法であ
る。
【0020】固体支持体は、反応混合物に不溶であるい
かなる支持体でも良い。かかる支持体の例としてシリカ
およびアルミナが挙げられ得るが、しかしポリマー支持
体(いかなる種類でもよい。)を用いることが好まし
い。
【0021】反応(1)が溶媒の存在下で行われると
き、ポリマー支持体は、更に溶媒に実質的に不溶でなけ
ればならない。この不溶性は、一般に、ポリマー支持体
を構成するポリマー又はポリマー類を架橋することによ
り得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は一層特定的には、塩基性
官能基を有する固体支持体の存在下でH2Sとアクリル
酸との付加反応により3−メルカプトプロピオン酸を合
成する方法において、これらの官能基が 1)一般式(C)即ち
【0023】
【化6】
【0024】〔ここで、R1、R2、R3およびR4は互い
に独立して、メチル、エチル、プロピルまたはブチルの
ような炭化水素基である。〕のグアニジン基、しかして
イミン窒素は、化学結合または一連の化学結合を経て固
体支持体に結合している: 2)式(D)即ち
【0025】
【化7】
【0026】〔ここで、mおよびnは2〜4の整数であ
り、但しnはmより小さいかまたは等しいことを条件と
する。〕の二環式グアニジン基、しかしてこの基(D)
は、対応する二環式グアニジンの当初のN−H窒素から
出発して、化学結合または一連の化学結合を経て固体支
持体に結合している;から選ばれる、ことを特徴とする
上記方法を提供する。
【0027】基(D)は、有利には、1,5,7−トリ
アザビシクロ[4.3.0]ノナ−6−エン(m=3、
n=2)、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.
0]デカ−5−エン(m=4、n=3)、1,6,8−
トリアザビシクロ[5.3.0]デカ−7−エン(m=
4、n=2)および1,4,6−トリアザビシクロ
[3.3.0]オクタ−4−エン(m=2、n=2)の
グアニジンから誘導される基から選ばれ得る。
【0028】本方法は、AAの転化度の優秀な度合で、
先行技術の方法よりも良好なMPAについての選択度
を、特に反応混合物中のTDPAの含有率の付随的減少
と共に得ることを可能にする。
【0029】かくして、驚くべきことに、あたかもグア
ニジン官能基が反応(2)の動力学に関して反応(1)
の動力学を選択的に増大するかのように、すべてが起こ
る。
【0030】本発明による方法のMPAについての選択
度の増大は、以下においてクロマトグラムの定量的検量
を含む比較実施例の呈示に基づいている(実験部参
照)。
【0031】ポリスチレン−ジビニルベンゼン(PS−
DVB)をベースとした官能化樹脂は、好ましくは、一
般式(I)即ち
【0032】
【化8】
【0033】を有し、しかしてBは一般式(C)または
(D)の基から選ばれる基であり、Lはメチレン基−
(CH2)−の長さに等しいまたはより長い長さを有す
る線状有機基、特にメチレン基であり、
【0034】
【化9】
【0035】はPS−DVB樹脂支持体である。
【0036】好ましくは、一般式(I)において、 − 基(C)がLにより置換され、しかもLは−CH2
−基を表し、そしてR1、R2、R3およびR4は各々メチ
ル基を表し; − 基(D)が、対応する二環式化合物において水素を
担持する窒素においてLにより置換され、但しLはその
場合−(CH2p−基を表し、そしてpは1〜9の値を
有する整数であることを条件とする。
【0037】官能化ポリマー樹脂は、有利には、一般式
(II)即ち
【0038】
【化10】
【0039】〔ここで、Xは酸素または硫黄原子を表
し、qは1または2の値を有し、そしてR1、R2、R3
およびR4は互いに独立してメチル、エチル、プロピル
およびブチル基から選ばれる。〕を有する。
【0040】有利には、一般式(II)において、
1、R2、R3およびR4は各々メチル基を表し、そして
qは1の値を有する。
【0041】好ましくは、付加反応(1)は溶媒の存在
下で行われ、しかもその溶媒は可動性水素を有さない。
【0042】一般に、該溶媒は、アミド、エステル、エ
ーテルもしくはケトン溶媒またはそれらの混合物の一つ
である。該溶媒は、有利には、ジメチルホルムアミド
(DMF)、ジエチレングリコールジメチルエーテルま
たはジオキサンから選ばれる。最も好ましい溶媒はDM
Fである。
【0043】H2S/AAのモル比は、好ましくは、反
応(2)に関して反応(1)を更に一層促進させるため
に高くあるべきである。このモル比は、一般に、3と1
0の間にある。
【0044】塩基性触媒として作用する固体樹脂と接触
している液状混合物中においてこのモル比を増大させる
ために、大気圧より大きいH2S圧に反応混合物を付す
ことが好ましい。この圧力は一般に15バール(150
0kPa)より大きく、そして反応が高温にて行われる
とき35バール(3500kPa)に達し得る。
【0045】反応は、有利には、20℃ないし150℃
の温度にて行われる。反応混合物の温度は、好ましく
は、30℃ないし110℃の範囲にある。
【0046】用いられるアクリル酸の重量に関して用い
られる樹脂の重量は、有利には1〜100%好ましくは
10〜70%である。
【0047】本発明のグアニジン官能基を含有する触媒
は反応混合物に関して高い化学的および熱的安定性を示
し、そしてかくして連続的にまたは再活性化することな
く再使用され得る。
【0048】反応は、反応体をそれらが反応する前に装
填することにより、または硫化水素の添加後アクリル酸
の徐々の添加により、あるいは反応器への反応体の同時
的添加により非連続法に従って、並びに、反応体の制御
的添加での連続法に従って、撹拌反応器または管型反応
器中で行われ得る。
【0049】一般式(I)の樹脂は、次のように得られ
得または製造され得る。
【0050】1)基Bが、一般式(C)の基である。
【0051】特許US5,340,380から、クロロ
メチル化ポリスチレン−ジビニルベンゼン樹脂の塩素を
置換または未置換グアニジンで置換することを特徴とす
る方法が公知であり、該方法は一般式(I.C)即ち
【0052】
【化11】
【0053】の樹脂を得ることを可能にし、しかして
【0054】
【化12】
【0055】は出発ポリスチレン−ジビニルベンゼン樹
脂固体支持体を表し、そして記号R1、 R2、R3および
4は各々水素、アルキル基または芳香族基であること
が可能で ある。
【0056】特許US3,346,516もまた、低級
アルコールおよび、テトラヒドロフラン、ジオキサンま
たはジグリムのようなPS−DVBコポリマーを膨潤す
るための溶媒の存在下での、クロロメチル化ポリスチレ
ン−ジビニルベンゼン樹脂とグアニジンまたはテトラメ
チルグアニジンとのこの反応を記載する。
【0057】特許US5,028,259においては、
テトラメチルグアニジンを、トルエンおよびテトラヒド
ロフランの混合物中でクロロメチル化ポリスチレン−ジ
ビニルベンゼンと接触させる。
【0058】特許US5,340,380においては、
グアニジンをエタノールからまたは水から成る溶媒中水
酸化ナトリウムの存在下で、この同じタイプのクロロメ
チル化樹脂と反応させる。
【0059】しかしながら、クロロメチル化PS−DV
B樹脂をグアニジンで官能化させるためのこの技法は、
1,1,3,3−テトラメチルグアニジンのみしか現在
のところ商業的に入手できない限りにおいて、4個のメ
チル以外であるR1ないしR4置換基をグアニジン基が担
持する式(I.C)の樹脂の製造のための実施において
非常に制限される。
【0060】R1ないしR4基がすべて水素以外であるか
かる樹脂(I.C)は、しばしば商業的に入手できる四
置換尿素を用いることにより、次の製造条件下で得られ
得る。
【0061】a)出発点は、一般式(A)即ち
【0062】
【化13】
【0063】を有する、第1級アミン基により官能化さ
れたPS−DVB樹脂の製造である。
【0064】これらは、種々の技法により得られ得る。
【0065】1)例えば、一般式(J)即ち
【0066】
【化14】
【0067】の樹脂から出発することが可能であり、し
かしてXはヒドロキシル基−OHから得られる離脱基特
にハロゲンまたはトシレートであり、そしてLは特にp
が1〜9の値を有する整数である−(CH2p−基を表
す。
【0068】好ましくは、Lが単メチレンを表すときX
は塩素原子である。この場合、一つの方法は、「ディー
・エイチ・リッチおよびエス・ケイ・グアワラ,ジェイ
・アム・ケム・ソク(J.Am.Chem.So
c.),1975,97,1575〜1579」に記載
されており、クロロメチル化PS−DVB樹脂を過剰の
アンモニアと反応させることを特徴とする。別の経路
は、フタルイミドメチル化PS−DVB樹脂を得ること
に基づいており、しかして該樹脂は、加ヒドラジン分解
により第1級アミン官能基を含有する樹脂に転化され
る。かかるフタルイミドメチル化樹脂を獲得する二つの
方法が、刊行物「エイ・アール・ミッチェル、エス・ビ
ー・エイチ・ケント、ビー・ダブリュー・エリックソン
およびアール・ビー・メリフィールド,テトラヘドロン
・レターズ(Tetrahedron Letter
s),No.42,1976,3795〜3798」に
記載されている。一つの方法は、PS−DVB樹脂から
出発することを特徴とし、しかして該樹脂は、N−(ク
ロロメチル)フタルイミドとの反応により直接的にフタ
ルイミドメチル化樹脂に転化される。他の方法は、クロ
ロメチル化PS−DVB樹脂から出発し、しかして該樹
脂は、対応するフタルイミドメチル化樹脂を生じせしめ
るためにカリウムフタルイミドと処理される。
【0069】Lがメチレンを表す式(A)の第1級アミ
ン官能基を含有する数種のPS−DVB樹脂が、商業的
に入手できる。
【0070】かくして、プロライト社は2種のマクロ孔
質(macroporous)樹脂A−107およびA−109を
提供し、一方フルカ社はその1995−1996カタロ
グにおいて2種のゲルタイプ樹脂、即ち樹脂08564
PS(2%のDVBで架橋されておりかつ樹脂1g当た
り1.1ミリモルの−NH2基を含有する。)および樹
脂08566PS (1%のDVBで架橋されておりか
つ樹脂1g当たり0.6ミリモルの−NH2 を含有す
る。)を有する。
【0071】カリウムフタルイミド法は、Lがメチレン
基の長さより長い長さを有する線状有機基、特にrが1
より大きい整数の値を有する−(CH2r−である場合
の式(J)の樹脂にも適用可能である。
【0072】2)Lがメチレンを表し、そしてXが上記
の意味を有し好ましくは塩素原子を表す、式(J)のP
S−DVB樹脂から出発することも可能である。このク
ロロメチル化樹脂は、ウィリアムソン(Williamson)反
応の条件下で、アルカリ金属のアルコキシドまたはチオ
ラートの形態のアルカノールアミンまたはメルカプトア
ルキルアミンと反応され得る、ということを本出願人会
社は見出した。
【0073】エタノールアミンが用いられる場合、−C
2−O−CH2−CH2−NH2官能基がPS−DVB樹
脂支持体に結合されている第1級アミン官能基含有PS
−DVB樹脂が得られる。
【0074】類似的に、2−アミノエタンチオール塩酸
塩から出発すると、−CH2−S−CH2−CH2−NH2
官能基が得られる。
【0075】2−(2−アミノエトキシ)エタノールが
用いられる場合、−CH2(−O−CH2−CH22−N
2官能基を有する第1級ア ミン官能基含有PS−DV
B樹脂が得られる。
【0076】最後に、2−[(2−アミノエチル)チ
オ]エタンチオールを用いることにより、得られる官能
基は−CH2−(S−CH2−CH22−NH2である。
【0077】この出発メルカプトアルキルアミンは、
「イワクラ等,ジェイ・ポリム・サイ(J.Poly
m.Sci.),パートA,2,1964,881〜8
83」に従ってまたは「ヴォロンコヴ・エム・ジー等,
ケム・ヘテロシクル・コンプド(Chem.Heter
ocycl.Compd.)(英語訳版),15,19
79,1183〜1185」に従って製造され得る。
【0078】ウィリアムソン反応の一般的条件は、次の
通りである。
【0079】無水テトラヒドロフラン(THF)または
無水N−メチルピロリドン中に希釈されたアルカノール
アミンまたはメルカプトアルキルアミンを、同じ無水溶
媒中に懸濁した水素化ナトリウムと反応させる。ナトリ
ウムアルコキシドまたはナトリウムチオラートの形成
後、この液状反応混合物中にクロロメチル化樹脂が導入
される。
【0080】b)一般式(A)の第1級アミン基を有す
る樹脂を得た後、これらの第1級アミン基を一般式
(H)即ち
【0081】
【化15】
【0082】〔ここで、R1、R2、R3およびR4は互い
に独立して、メチル、エチル、プロピルおよびブチル基
から選ばれる。〕のクロロホルムアミジニウムクロライ
ド(ヴィルスマイエル(Vilsmeier)塩)と反応させ
て、グアニジン基により官能化されかつ一般式(I.
C)即ち
【0083】
【化16】
【0084】〔ここで、
【0085】
【化17】
【0086】L並びにR1ないしR4は上記と同じ意味を
有する。〕を有するPS−DVB樹脂が得られる。
【0087】クロロホルムアミジニウムクロライド
(H)は、一般に、四置換尿素から、ホスゲン、チオニ
ルクロライド、オキサリルクロライドまたはオキシ塩化
リンのような求電子性化合物との反応により、文献特に COCl2 「エイチ・エイリングスフェルド、エム・
シーフェルダー,アンゲウ・ケム(Angew.Che
m.),72,1960,836」、 SOCl2 「エイチ・ウルリチ、エイ・エイ・アール
・サイイフ,アンゲウ・ケム・インターン(Ange
w.Chem.Intern.)英語版,5,196
6,704」、 (COCl)2 「ティー・フジサワ等,ケム・レット
(Chem.Lett.),1982,1891」、 POCl3 「エイチ・ブレデレック、ケイ・ブレデレッ
ク,ケム・ベル(Chem.Ber.),94,196
1,2278」に記載されている方法に従って得られ
る。
【0088】出発点は一般に化学量論量の四置換尿素お
よび求電子性塩素化化合物であり、そして反応は、オキ
サリルクロライドの場合四塩化炭素のような溶媒の存在
下で、またはホスゲンもしくはチオニルクロライドの場
合溶媒なしで、一般に0℃ないし40℃の温度にて、加
水分解を避けるために無水雰囲気中で行われる。
【0089】四置換尿素は、有利には、テトラメチル尿
素、テトラエチル尿素、テトラ(n−プロピル)尿素お
よびテトラ(n−ブチル)尿素から選ばれる。
【0090】クロロホルムアミジニウムクロライド
(H)は、一般にトルエンまたはアセトニトリルのよう
な溶媒中に置かれる。それらと第1級アミン官能基含有
樹脂(A)との反応は、塩基の存在下で好ましくは過剰
の塩基の存在下で行われる。
【0091】該塩基がトリエチルアミン(TEA)であ
る場合、反応は、一般に、TEAをクロロホルムアミジ
ニウムクロライド(H)に関して10〜50%のモル過
剰にして行われる。後者は一般に第1級アミン官能基の
モル数に関して10〜100%のモル過剰にあり、しか
してこれは後者のすべてをグアニジン官能基に転化する
ためである。
【0092】2)一般式(I)において、基Bが式
(D)の基である。
【0093】(a)出発点は、上記のパート1のa)に
おいてような一般式(J)の樹脂の製造であり、しかし
てLは−(CH2p−基を表し、pは1〜9の値を有す
る整数であり、そしてXは塩素または臭素である。
【0094】(b)上記のハロゲン化樹脂を、特に1,
5,7−トリアザビシクロ[4.3.0]ノナ−6−エ
ン(m=3、n=2)、1,5,7−トリアザビシクロ
[4.4 .0]デカ−5−エン(m=3、n=3)、
1,6,8−トリアザビシ クロ[5.3.0]デカ−
7−エン(m=4、n=2)および1,4,6−トリア
ザビシクロ[3.3.0]オクタ−4−エン(m=2、
n=2)から選ばれた、二環式グアニジンと反応させ
る。
【0095】これらの二環式グアニジンの製造は、特許
GB826,837およびEP0,198,680に記
載されている。
【0096】反応は、「エム・トモイ等,ジェイ・エム
・エス・ピュア・アプル・ケム(J.M.S.Pure
Appl.Chem.),A29(3),1992,
249〜261、特に第251頁(“ポリスチレンに支
持されたTBDの製造”)」の方法に類似したやり方で
行われる。
【0097】かくして、一般式(I.D)即ち
【0098】
【化18】
【0099】の、二環式グアニジン基により官能化され
たPS−DVB樹脂が得られ、しかしてLは、pが1〜
9の値を有する整数である−(CH2p−基を表す。
【0100】「トモイ等,ジェイ・マクロモル・サイ・
ピュア・アプル・ケム(J.Macromol.Sc
i.Pure Appl.Chem.),A29
(3),1992,249〜261」の方法は、TBD
のリチウム塩をクロロメチル化樹脂と反応させることを
特徴とする。−TBD官能基を含有する一層多量の樹脂
を製造するために、本発明に関して、溶単純化される処
理操作が、溶媒として無水THF中で過剰の1,5,7
−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エンを直
接的にクロロメチル化PS−DVB樹脂と反応させるこ
とにより検討された。
【0101】本発明において用いられる樹脂の触媒有効
性は、それらが乾燥して用いられるとき向上されること
が分かる。
【0102】
【実施例】本発明は、下記の実験部により一層十分に理
解されよう。該実験部は用いられる装置の記載を特に含
み、しかして該装置は1つの添付図に概略的に表されて
いる。
【0103】実験部 I. グアニジン官能基を含有するポリスチレン−ジビ
ニルベンゼン樹脂の製造用いられるクロロメチル化PS
−DVBベース樹脂は、マクロ孔質タイプのものであ
る。それは、次の特性を有する。即ち、 比表面積: 22.5m2/g樹脂 平均孔直径: 20オングストローム 孔の容積: 69% 総重量に関して19.32重量%の塩素の度合でクロロ
メチル化されている。
【0104】この樹脂は、かくして5.44meqのC
l/g樹脂を含有する。
【0105】I.1 1,1,3,3−テトラメチルグ
アニジン(TMG)官能基を含有する式(I.C)のP
S−DVB樹脂(L=−CH2−、R1=R2=R3=R4
=CH3−)の製造 用いられる技法は、特許US3,346,516および
5,028,259に記載されている方法に従って、T
MGを直接的にクロロメチル化PS−DVB樹脂中に組
み込む。
【0106】処理操作:20gの乾燥クロロメチル化樹
脂(5.44meqのCl/g樹脂)を、計り取る。そ
れは、0.109モルのClを含有する。それを、前も
って分子篩上で乾燥させた210gのテトラヒドロフラ
ン(THF)中に希釈した50g(0.435モル)の
TMGと窒素雰囲気下で接触させる。かくして得られた
反応混合物を、60℃の温度にて48時間機械的に撹拌
する。20℃に冷却した後、樹脂を濾別し、そして50
0mlの水および次いで60℃の250mlの水で洗浄
する。次いでこれを300mlの10%水性水酸化ナト
リウム溶液で処理し、そして中性になるまで水で洗浄す
る。この樹脂をメタノール(300ml)で洗浄し、そ
して次いで60℃にて真空下で恒量になるまで乾燥す
る。
【0107】かくして得られた樹脂の元素分析を行っ
た。この樹脂について、N=9.3重量%、即ち2.2
ミリモルのTMG官能基/g樹脂であった。
【0108】引き続いて樹脂は、PS−DVB−TMG
であることが示された。
【0109】I.2 Lが−CH2−であり、1,5,
7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン
(TBD)官能基を含有する式(I.D)のPS−DV
B樹脂の製造 処理操作:20gの乾燥クロロメチル化樹脂(5.44
meqのCl/g樹脂)を、計り取る。この樹脂装填量
は、0.109モルのClを含有する。それを、前もっ
て分子篩上で乾燥された285gのTHF中に希釈され
た30g(0.216モル)のTBDと窒素雰囲気下で
接触させる。かくして得られた反応混合物を、60℃の
温度にて48時間機械的に撹拌する。20℃に冷却した
後、樹脂を濾別し、そして500mlの水および次いで
60℃の250mlの水で洗浄する。次いでこれを30
0mlの10%水性水酸化ナトリウム溶液で処理し、そ
して中性になるまで水で洗浄する。この樹脂をメタノー
ル(300ml)で洗浄し、そして次いで60℃にて真
空下で恒量になるまで乾燥する。
【0110】かくして得られた樹脂の元素分析を行っ
た。この樹脂について、N=13.26重量%、即ち
3.15ミリモルのTBD官能基/g樹脂であった。
【0111】引き続いて樹脂は、PS−DVB−TBD
であることが示された。
【0112】II. 3−メルカプトプロピオン酸の合
成の例II.1. 一般的要点 触媒として種々の塩基性樹脂を用いて溶媒(ジメチルホ
ルムアミドまたはジグリム)中加圧下でのアクリル酸お
よび硫化水素からの3−メルカプトプロピオン酸の形成
反応を検討することを可能にする装置において、試験を
行った。
【0113】反応の開始前に反応体および溶媒を導入す
ることは、バッチ法に従って反応を行う(反応の進行
は、連続的な栓流(plug-flow)操作条件と同等であ
る。)ことを可能にする。
【0114】装置の設計(装置の記載: パラグラフI
I.2)は、反応器の両端に連結されている循環ループ
の回路で液状反応混合物が高流量にてポンプを経て再循
環する管型(tubular)反応器(固定床の樹脂)により
撹拌バッチ条件(閉鎖反応器)下で反応を検討すること
を可能にする。
【0115】撹拌バッチタイプのこの操作技法は、反応
体(H2Sおよびアクリル酸)のすべ て並びに溶媒が反
応の開始前に、即ち反応器が孤立されている時に(樹脂
との接触なし)装置中に導入されるとすると(操作プロ
トコル: パラグラフII.3)、連続的な栓流操作条
件(開放反応器)と同等である条件下での反応の動力学
を検討することを可能にする。
【0116】反応の経時的進行はサンプルを抜き取るこ
とにより監視され、しかして該サンプルは、アクリル酸
の転化度並びに3−メルカプトプロピオン酸にとっての
および3,3′−チオジプロピオン酸にとっての対応す
る選択度を時間の関数として決定するためにガスクロマ
トグラフィーにより分析される。
【0117】II.2. 装置 1つの図において表されているように、ステンレス鋼製
装置は、次の要素から成る。
【0118】− 官能化樹脂装填物2が収容される直立
型管型反応器1。
【0119】− 反応器1の上端4からおよび下端5か
ら発出する再循環ループ3。このループは、下端5から
閉鎖用弁6、弁8を備えたバイパス7、ジャケット付き
交換器9、歯車ポンプ10(最大押出量40 l/
h)、温度記録計11、ボールフローメーター12、お
よび厚い透明ガラスから作られた窓14を備えたジャケ
ット付き円筒タンク13を順次連結するパイプからな
る。このタンク13は、閉鎖用弁15を通るパイプを経
て該反応器の上端4に連結される。タンク13は、反応
器1より上に設置される。
【0120】この循環ループ3はそれ自体、2つの弁1
7および18を備えたバイパスループ16を含む。
【0121】このループ16は、弁6、15、17およ
び18の相互作用により循環流から反応器1を孤立させ
ることを可能にする。
【0122】タンク13はその上部に、アクリル酸およ
び種々の溶媒を導入するためのパイプ19を備える。こ
のパイプ19は、弁20を含む。タンク13はまた、圧
力弁22を備えたパイプ21を備える。パイプ21は、
フレア(flare)に連結される。
【0123】タンク13はその下部に、弁24を備えた
パイプ23を備え、しかして該パイプは該タンク中への
加圧H2Sの導入を目的とする。
【0124】該タンクの下部は、弁26を備えたパイプ
25を経て受器27に連結される。受器27はその下部
に、弁29を備えたパイプ28を備える。パイプ28
は、反応中サンプルを回収することを可能にする。
【0125】II.3. 操作プロトコル 樹脂を装填する操作並びにアクリル酸および溶媒を導入
する操作は、窒素雰囲気中で行われる。
【0126】II.3.1 反応混合物の調製 樹脂2(20g程度の装填量)を含有する反応器1を、
弁6および15を閉じることにより、装置の残部から孤
立させる。アクリル酸および溶媒を、再循環ループと直
接的に連通している円筒タンク13中に、パイプ19を
経て導入する。装置を、3バールの窒素圧に加圧する。
円筒タンク13(ここにおいて、出発反応混合物が調製
される。)を12℃の循環油(低温保持装置から発す
る。)により冷却する(該循環油は、再循環ループの交
換器9の外方ジャケットも通る。)。循環ポンプ10を
始動させ、しかして円筒タンク中に収容されている液体
は、タンク13から弁17の方へ向けられた後弁18を
通るようにすることにより、ループ3およびループ16
において循環する。
【0127】16バールの圧力下で供給される硫化水素
をパイプ23を経てタンク13中にディフューザー(di
ffuser)により注入し、しかして冷却された液状混合物
(開始時において: アクリル酸+溶媒)中に溶解す
る。H2Sの注入の終わりにおいて、圧力は 15バール
でありそして液状混合物(アクリル酸+H2S+溶媒)
の温度は20 ℃である。装填容量は、窓14を経て制
御され得る。
【0128】II.3.2 試験の遂行 反応が行われねばならない温度に相当する値に低温保持
装置の設定点を置き、そして油が急速に設定温度に上昇
する間に、弁15および6を開きそして弁17および1
8を閉じることにより循環反応混合物を反応器1中に導
入し、しかして該混合物は高流量(最大: 40 l/
h)にて該反応器を通って再循環する。試験のためにプ
ログラムされた反応温度を、反応の持続期間即ち一般に
6時間の間じゅう維持する。圧力弁22に連結されるプ
ラントにおける気相の圧力は、試験条件に依り19バー
ルと24バールの間に確立される。
【0129】試験中、反応混合物のサンプルを所定の時
間において受器27を経て抜き取り、そして大気圧にて
回収し、そして次いでガスクロマトグラフィーにより分
析する。試験の終わりにおいて、プラントを解圧し、そ
して最終反応生成物を回収する。
【0130】II.4. 反応生成物の分析 3,3′−チオジプロピオン酸の分析により並びにアク
リル酸およびジメチルホルムアミドの分離により引き起
こされる問題を解決するために、ガスクロマトグラフィ
ー(GC)による分析は特定の開発を必要とした。
【0131】3,3′−チオジプロピオン酸は、その物
理的性質およびその極性官能基のため、高熱安定性(3
00℃より大)および非常に低い極性のクロマトグラフ
ィーカラムでもって高温にてのみ分析され得る。適当で
あり得るクロマトグラフィーカラムは、ポリシロキサン
をベースとした相を含有する毛細管カラムである。非極
性架橋ジメチルポリシロキサン相が、非常に良好に適合
する。このタイプの相は、実験室において普通用いられ
るカラム、即ち25メートルまたは50メートルカラム
でのアクリル酸およびジメチルホルムアミドの分離のた
めには適切でない。これらの2種の化合物の分離は、ク
ロマトグラフィー装置がヒューレット・パッカード(H
ewlett Packard)5890FIDで、2
基のそれぞれ50mおよび25mのヒューレット・パッ
カード(Hewlett Packard)ウルトラ−
1(Ultra−1)毛細管カラムを直列に連結するこ
とにより達成され得た。
【0132】アクリル酸(AA)、3−メルカプトプロ
ピオン酸(MPA)、3,3′−チオジプロピオン酸
(TDPA)および溶媒(DMFまたはジグリム)から
調製された、重量で既知の組成の参照サンプルの分析に
より、反応サンプルのクロマトグラフィー分析の結果を
対照した。これらの対照分析は、種々の成分に関する応
答係数(response-factors)を決定することを可能にし
た。3,3′−チオジプロピオン酸の含有率の評価の場
合、サンプル中のその真の含有率はGCにより分析され
るとき大いに低減され、そして反応で生成された3,
3′−チオジプロピオン酸を定量的に決定するために特
異的補正が必須である。
【0133】II.5. 実験的試験II.5.1 一般的要点 我々により用いられかつ前のパラグラフに記載されてい
る操作プロトコルに従って、試験を行った。反応混合物
からの抜取りは、各試験において所定の時間において、
即ち2時間後、4時間後および6時間後行われた。
【0134】抜き取られたサンプルを、開発された方法
でのガスクロマトグラフィーにより分析した。これらの
分析は、所定の時間(2h、4hおよび6h)における
アクリル酸(AA)の転化度の値、並びに3−メルカプ
トプロピオン酸(MPA)にとってのおよび3,3′−
チオジプロピオン酸(TDPA)にとっての重量基準で
の選択度の値を与える。
【0135】II.5.2 IRA94樹脂およびDM
Fでの比較試験比較試験番号1 この試験について採用された操作条件は、J07,22
8,568の実施例2に相当する。即ち、 IRA94樹脂の装填量: 24g DMF : 150g アクリル酸 : 100g(1.39モル) H2S : 142g(4.2モル) モル比 : H2S/AA=3/1 温度 : 60℃ 60℃の反応温度において、装置中の圧力は20バール
(相対)である。
【0136】比較試験番号2 この試験について採用された操作条件は、J07,22
8,568の実施例3に相当する。即ち、 IRA94樹脂の装填量: 24g DMF : 150g アクリル酸 : 100g(1.39モル) H2S : 284g(8.34モル) モル比 : H2S/AA=6/1 温度 : 60℃ 60℃の反応温度において、装置中の圧力は24バール
である。
【0137】II.5.3 PS−DVB−TMG樹脂
およびDMFでの試験試験番号3 用いられた樹脂を除いて、この試験の操作条件は、試験
番号1について用いられたものと同一である。即ち、 PS−DVB−TMG樹脂の装填量: 19g DMF : 150g アクリル酸 : 100g(1.39モル) H2S : 142g(4.2モル) モル比 : H2S/AA=3/1 温度 : 60℃ 60℃の反応温度において、装置中の圧力は19〜20
バール(相対)である。
【0138】試験番号4 用いられた樹脂を除いて、この試験の操作条件は、試験
番号2について用いられたものと同一である。即ち、 PS−DVB−TMG樹脂の装填量: 19g DMF : 150g アクリル酸 : 100g(1.39モル) H2S : 284g(8.34モル) モル比 : H2S/AA=6/1 温度 : 60℃ 60℃の反応温度において、装置中の圧力は23〜24
バールである。
【0139】II.5.4 溶媒としてジグリムを用い
てPS−DVB−TMG樹脂での試験試験番号5 この試験を、溶媒としてDMFをジグリムにより置き換
えることを唯一の相違として、試験番号3の条件と同一
の条件下で行った。即ち、 PS−DVB−TMG樹脂: 19g ジグリム : 150g アクリル酸 : 100g(1.39モル) H2S : 142g(4.2モル) モル比 : H2S/AA=3/1 反応温度 : 60℃ 60℃の温度において、装置中の圧力は20バール(相
対)である。
【0140】試験番号6 この試験を、溶媒としてDMFをジグリムにより置き換
えることを唯一の相違として、試験番号4の条件と同一
の条件下で行った。即ち、 PS−DVB−TMG樹脂: 19g ジグリム : 150g アクリル酸 : 100g(1.39モル) H2S : 284g(8.34モル) モル比 : H2S/AA=6/1 反応温度 : 60℃ 60℃の温度において、装置中の圧力は24バール(相
対)である。
【0141】試験番号3および番号4(TMGグアニジ
ン官能基を含有する樹脂)の結果は、試験番号1および
番号2(第3級アミン官能基を含有するIRA94樹
脂)の結果と比較して、3−メルカプトプロピオン酸の
生成についてPS−DVB−TMG樹脂がIRA94樹
脂よりも顕著に選択性であることを示す。
【0142】6時間後、IRA94樹脂でもってよりも
少ないPS−DVB−TMG樹脂の装填量(19g)で
もって、アクリル酸(AA)の転化度の匹敵し得るレベ
ルが達成される。
【0143】3−メルカプトプロピオン酸についての選
択度に関する同じ効果がH2S/AA比の関数として比
較され、即ち3/1の比率から6/1の比率にてMPA
についての選択度の利得(向上)が匹敵し得る。
【0144】溶媒としてのジグリムの使用(試験番号5
および番号6)に関するPS−DVB−TMG樹脂につ
いての結果は、ジメチルホルムアミドの場合(試験番号
3および番号4)よりも顕著に劣る。ジグリム中で、ア
クリル酸の転化はDMF中でよりもはるかに遅く、そし
て3−メルカプトプロピオン酸にとっての選択度は有意
的に低い。
【0145】DMFは、上記の反応(1)についてPS
−DVB−TMG樹脂の活性および選択性を大いに増大
する効果を有する顕著な溶媒である。
【0146】上記の試験1〜6におけるおよび次の試験
における転化度および選択度の値は、参照混合物により
検量されているので、定量的である。
【0147】クロマトグラフィーの応答係数が考慮され
ない場合、80.4%のMPAについての見掛け選択度
(真の68.4%の代わりに)および19.3%のTP
DAについての見掛け選択度(真の31.2%の代わり
に)が、試験番号1について得られる。
【0148】同様に、試験番号2は、90.9%のMP
Aについての見掛け選択度(84.1%の代わりに)お
よび9.9%のTPDAについての見掛け選択度(1
5.8%の代わりに)の結果となる。
【0149】上記の試験について得られた結果は、次の
表Iに示されている。
【0150】
【表1】
【0151】II.5.5 グアニジン官能基を含有す
る樹脂(本発明)および第3級アミン官能基を含有する
樹脂の、40℃の温度において溶媒としてのDMF中で
の比較試験 これらの試験を、3−メルカプトプロピオン酸の生成に
ついて一層好都合である動力学条件下でグアニジン官能
基含有樹脂の触媒活性およびアミン官能基含有樹脂の触
媒活性を比較する目的で、比較的低い温度にて行った。
【0152】2系列の試験を、同一の操作条件下で、3
/1および6/1のH2S/アクリル酸のモル比でもっ
て、100g(1.39モル)のアクリル酸および15
0gのDMF(溶媒)から行った。
【0153】第3級アミン官能基を含有する2種の樹脂
を試験した。即ち、 *IRA94(24g),J07,228,568にお
いて実施例として与えられておりおよび我々の前の試験
において参照樹脂として用いられたローム・アンド・ハ
ース社の樹脂。
【0154】*A−21(22.5g),US5,00
8,432(またはEP208,323)において実施
例として与えられているローム・アンド・ハース社の樹
脂。
【0155】本発明のグアニジン官能基を含有する2種
の樹脂を試験した。即ち、 *上記に記載された処理操作に従って製造された、PS
−DVB−TBD(21.6g),1,5,7−トリア
ザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン官能基を含有
する樹脂。
【0156】*上記に記載された処理操作に従って製造
された、PS−DVB−TMG(19g),1,1,
3,3−テトラメチルグアニジン官能基を含有する樹
脂。
【0157】2S/AA=3/1のモル比で実施した
試験番号7、8、9および10 条件: DMF : 150g アクリル酸: 100g(1.39モル) H2S : 142g(4.2モル) 40℃の反応温度において、装置中の圧力は17バール
(相対)である。
【0158】2S/AA=6/1のモル比で実施した
試験番号11、12、13および14 条件: DMF : 150g アクリル酸: 100g(1.39モル) H2S : 284g(8.34モル) 40℃の反応温度において、装置中の圧力は20バール
(相対)である。
【0159】40℃において得られた結果は、溶媒DM
Fでもっての60℃における前の試験の結果を確認し、
即ち、 *グアニジン官能基を含有する樹脂は、第3級アミン官
能基を含有する樹脂よりも3−メルカプトプロピオン酸
について選択性である。
【0160】グアニジン官能基を含有する樹脂の場合: *60℃から40℃への温度の低減は、3−メルカプト
プロピオン酸についての選択度をわずかに向上する。対
照的に、温度の低減はアクリル酸の転化速度に影響を及
ぼす。
【0161】第3級アミン官能基を含有する樹脂の場
合: *60℃から40℃への温度の低減は、グアニジン樹脂
についてと同じ効果(MPAについての選択度のわずか
な利得(向上)およびアクリル酸の転化度の低下)を有
する。
【0162】*IRA94樹脂よりも活性であるA−2
1樹脂は、IRA94樹脂と同じ3−メルカプトプロピ
オン酸についての選択性を有する。
【0163】これらの条件下で試験された8つの樹脂に
ついて得られた結果は、表IIに記録されている。
【0164】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】実験部において用いられる装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
1 反応器 2 官能化樹脂装填物 3 再循環ループ 6、8、15、17、18、20、24、26、29
弁 7 バイパス 9 ジャケット付き交換器 10 歯車ポンプ 11 温度記録計 12 ボールフローメーター 13 ジャケット付き円筒タンク 14 窓 16 バイパスループ 19 アクリル酸及び溶媒導入するパイプ 21、25 パイプ 22 圧力弁 23 加圧H2Sを導入するパイプ 27 受器 28 サンプル回収用パイプ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩基性官能基を有する固体支持体の存在
    下でH2Sとアクリル酸との付加反応により3−メルカ
    プトプロピオン酸を合成する方法において、該官能基が
    グアニジン基であり、但し該グアニジン基が窒素原子に
    直接的に結合した水素を含有しないことを条件とする、
    ことを特徴とする上記方法。
  2. 【請求項2】 グアニジン基が 1)一般式(C)即ち 【化1】 〔ここで、R1、R2、R3およびR4は互いに独立して、
    メチル、エチル、プロピルまたはブチルのような炭化水
    素基である。〕のグアニジン基、しかしてイミン窒素
    は、化学結合または一連の化学結合を経て固体支持体に
    結合している; 2)式(D)即ち 【化2】 〔ここで、mおよびnは2〜4の整数であり、但しnは
    mより小さいかまたは等しいことを条件とする。〕の二
    環式グアニジン基、しかしてこの基(D)は、対応する
    二環式グアニジンの当初のN−H窒素から出発して、化
    学結合または一連の化学結合を経て固体支持体に結合し
    ている;から選ばれる、ことを特徴とする請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 基(D)が1,5,7−トリアザビシク
    ロ[4.3.0]ノナ−6−エン(m=3、n=2)、
    1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5
    −エン(m=3、n=3)、1,6,8−トリアザビシ
    クロ[5.3.0 ]デカ−7−エン(m=4、n=
    2)および1,4,6−トリアザビシクロ[3.3.
    0]オクタ−4−エン(m=2、n=2)から誘導され
    る基から選ばれる、ことを特徴とする請求項2に記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 固体支持体がポリスチレン−ジビニルベ
    ンゼン(PS−DVB)をベースとした樹脂であって、
    一般式(I)即ち 【化3】 を有し、しかしてBは一般式(C)または(D)の基か
    ら選ばれる基であり、Lはメチレン基−(CH2)−の
    長さに等しいまたはより長い長さを有する線状有機基、
    特にメチレン基であり、 【化4】 はPS−DVB樹脂支持体である、ことを特徴とする請
    求項2または3に記載の方法。
  5. 【請求項5】− 基(C)がLにより置換され、しか
    も、Lは−CH2−基を表しそ してR1、R2、R3および
    4は各々メチル基を表し; − 基(D)が、対応する二環式化合物において水素を
    担持する窒素上でLにより置換され、但しLはその場合
    −(CH2p−基を表し、そしてpは1〜9の値を有す
    る整数であることを条件とする;ことを特徴とする請求
    項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 ポリマー樹脂が一般式(II)即ち 【化5】 〔ここで、Xは酸素または硫黄原子を表し、qは1また
    は2の値を有し、そしてR1、R2、R3およびR4は互い
    に独立してメチル、エチル、プロピルおよびブチル基か
    ら選ばれる。〕を有する、ことを特徴とする請求項4に
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 R1、R2、R3およびR4が各々メチルを
    表し、そしてqが1の値を有する、ことを特徴とする請
    求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 付加反応が溶媒の存在下で行われ、しか
    もその溶媒は可動性水素を有さない、ことを特徴とする
    請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 溶媒が、アミド、エステル、エーテルも
    しくはケトン溶媒またはそれらの混合物の一つである、
    ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 溶媒がジメチルホルムアミド(DM
    F)、ジエチレングリコールジメチルエーテルまたはジ
    オキサンから選ばれる、ことを特徴とする請求項9に記
    載の方法。
  11. 【請求項11】 溶媒がDMFである、ことを特徴とす
    る請求項10に記載の方法。
JP9257288A 1996-09-20 1997-09-22 3−メルカプトプロピオン酸の合成方法 Pending JPH10231283A (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR9611508 1996-09-20
FR9611508A FR2753704B1 (fr) 1996-09-20 1996-09-20 Procede de synthese de l'acide mercapto-3 propionique
FR9701080 1997-01-31
FR9701080A FR2753703B1 (fr) 1996-09-20 1997-01-31 Procede de synthese de l'acide mercapto-3-propionique

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10231283A true JPH10231283A (ja) 1998-09-02

Family

ID=26232989

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9257288A Pending JPH10231283A (ja) 1996-09-20 1997-09-22 3−メルカプトプロピオン酸の合成方法

Country Status (10)

Country Link
US (1) US5877349A (ja)
EP (1) EP0831084A1 (ja)
JP (1) JPH10231283A (ja)
KR (1) KR19980024803A (ja)
CN (1) CN1185432A (ja)
BR (1) BR9704767A (ja)
CA (1) CA2214908A1 (ja)
FR (1) FR2753703B1 (ja)
IL (1) IL121442A0 (ja)
TW (1) TW369518B (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009208069A (ja) * 2008-02-28 2009-09-17 Rohm & Haas Co エステル交換のためのグアニジン置換樹脂
JP2009242384A (ja) * 2008-03-12 2009-10-22 Showa Denko Kk β−メルカプトカルボン酸類の製造方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20100009652A (ko) * 2007-09-20 2010-01-28 쇼와 덴코 가부시키가이샤 베타-메르캅토카르복실산류의 제조 방법
CN106366026B (zh) * 2016-08-30 2018-05-04 黄河三角洲京博化工研究院有限公司 一种巯基化合物的制备方法
CN107062780A (zh) * 2016-11-10 2017-08-18 青岛海尔股份有限公司 抽屉组件及具有其的冰箱
CN107501147B (zh) * 2017-09-19 2019-08-27 黄河三角洲京博化工研究院有限公司 一种3-巯基丙酸的合成方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL124157C (ja) * 1963-08-09
US4231956A (en) * 1978-08-28 1980-11-04 Exxon Research & Engineering Co. Process for preparation of thioethers
US5008432A (en) * 1985-07-11 1991-04-16 Phillips Petroleum Company Production of mercapto compounds
IT1230505B (it) * 1988-10-11 1991-10-25 Sicor Spa Procedimento per la conversione della daunorubicina in doxorubicina.
US5028259A (en) * 1990-03-06 1991-07-02 Henkel Research Corporation Recovery of precious metal
US5340380A (en) * 1992-03-18 1994-08-23 Henkel Corporation Recovery of precious metal
JPH07228568A (ja) * 1993-12-22 1995-08-29 Nippon Shokubai Co Ltd 硫黄化合物の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009208069A (ja) * 2008-02-28 2009-09-17 Rohm & Haas Co エステル交換のためのグアニジン置換樹脂
JP2009242384A (ja) * 2008-03-12 2009-10-22 Showa Denko Kk β−メルカプトカルボン酸類の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
TW369518B (en) 1999-09-11
US5877349A (en) 1999-03-02
IL121442A0 (en) 1998-01-04
FR2753703A1 (fr) 1998-03-27
EP0831084A1 (fr) 1998-03-25
KR19980024803A (ko) 1998-07-06
FR2753703B1 (fr) 1998-12-04
CA2214908A1 (fr) 1998-03-20
BR9704767A (pt) 1998-12-22
CN1185432A (zh) 1998-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100594332B1 (ko) 유기 디술피드 및 폴리술피드의 합성
JPH10231283A (ja) 3−メルカプトプロピオン酸の合成方法
US5919971A (en) Process for the synthesis of 3-mercaptopropionic acid esters
JP2000501720A (ja) グアニジン又はアミジン基をもつポリスチレン―ジビニルベンゼン(ps―dvb)樹脂の存在下における有機ジスルフィドおよび有機ポリスルフィドの製造法
AU703677B2 (en) Process for the preparation of organic disulphides and polysulphides
US5817716A (en) Resins with a primary amine or guanidine function
BRPI0818057B1 (pt) Processo de preparação de um alquileno glicol utilizando um catalisador sólido que está baseado em uma resina de troca iônica
MXPA97008938A (en) Process for the synthesis of acid esters3-mercapto-propion
FR2753704A1 (fr) Procede de synthese de l'acide mercapto-3 propionique
MXPA97007124A (en) Procedure for the synthesis of mercapto-3 propion acid
Pringle Mono-acylation of piperazine and homopiperazine via ionic immobilization
US4128719A (en) Process for producing 4-carboxamido-5-cyano-2-imidazolone
US4093810A (en) Process for producing 4-carboxamido-5-cyano-2-imidazolone
MXPA98004635A (en) Method for preparing polysulphures and organic disulfures in the presence of polystyrene-divinylbenzene (ps-dvb) resins which have guanidine or amid groups
KR19990067456A (ko) 유기 디설파이드 및 폴리설파이드의 제조 방법
RU2163591C2 (ru) Способ получения 1-адамантилальдегида